JPH10175476A - トレーラの荷崩れ警報装置 - Google Patents

トレーラの荷崩れ警報装置

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JPH10175476A
JPH10175476A JP8340799A JP34079996A JPH10175476A JP H10175476 A JPH10175476 A JP H10175476A JP 8340799 A JP8340799 A JP 8340799A JP 34079996 A JP34079996 A JP 34079996A JP H10175476 A JPH10175476 A JP H10175476A
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JP
Japan
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trailer
center
gravity
tractor
load
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Pending
Application number
JP8340799A
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English (en)
Inventor
Ryuta Sugawara
菅原龍太
Gunji Yoshida
吉田軍治
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J K C TORATSUKU BRAKE SYST KK
Original Assignee
J K C TORATSUKU BRAKE SYST KK
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Publication date
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】トレーラに高価な検知センサを設けることな
く、トレーラの荷崩れの恐れを確実にかつ迅速に把握す
る。 【解決手段】トレーラ重心位置演算手段17により、ト
ラクタのエンジンのエンジン回転数、ガバナ角度あるい
はアクセル開度、トラクタの車輪速度、エアサスペンシ
ョン圧、トラクタ質量、およびトラクタの重心位置に基
づいて、トラクタ・トレーラの運転中に、エンジン駆動
力、車両加速度、トレーラ質量、およびトレーラの重心
位置が算出される。そして、重心位置比較判断手段17
により、算出されたトレーラの重心位置が基準値と比較
され、それらの差が所定値以上であるときトレーラの積
み荷の荷崩れの恐れがあるとして、警報手段10が作動
され、警報が発せられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタにカプラ
を介して連結されるトレーラの荷崩れ警報装置の技術分
野に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トラクタと別体に形成されたトレーラは
カプラを介してトラクタに連結されて運転されるととも
にトラクタとトレーラとの連結車両がきわめて長いた
め、トラクタの走行状況とトレーラとの走行状況は一致
しない。このため、トラクタの運転席でこの連結車両を
運転する運転者にとって、運転中トレーラに積載した荷
物がどのような状態にあるかを明確に把握することが難
しく、トレーラの荷物が荷崩れを起こしても、運転者は
この荷崩れを知らずに連結車両の運転を続けてしまう恐
れがある。このようにトレーラの荷崩れが生じたまま、
連結車両の運転が続けられると、運転中トレーラの重心
が種々変化するので、連結車両の運転が不安定になった
り、荷崩れを生じた積み荷が運転中の振動等により互い
にぶつかり合い、あるいはトレーラの車体にぶつかり、
破損したりしてしまう恐れがある。
【0003】そこで、例えばトレーラの重心変化を検知
するセンサ等の、トレーラの積み荷の状態を検知する検
知センサをトレーラに設け、この検知センサからの検知
信号に基づいてトレーラの積み荷状態をトラクタの運転
席の計器盤等に表示することにより運転者に知らせるこ
とが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
トレーラの使用頻度はトラクタの使用頻度に比べて少な
く、トレーラの寿命は長い。このため、古い車種から新
しい車種まで種々のタイプのトレーラがトラクタに連結
され、トラクタとトレーラとの組合せは一定ではない。
また、トレーラの積載状態は、満積状態から半積状態あ
るいは空積状態まで種々の状態がある。このように、ト
ラクタには種々の条件のトレーラが連結されることにな
る。したがって、トレーラに前述の検知センサを単純に
設けただけでは、トレーラの積み荷の状態を必ずしも正
確に検知できるとは限らない。
【0005】また、トレーラにこのような特別の検知セ
ンサを設けたのでは、コストが高くなるばかりでなく、
トラクタに比べて使用頻度の少ないトレーラにこれらを
設けることは経済的にきわめて無駄であり、しかも市場
汎用性のないものとなってしまう。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的はトレーラに高価な検知センサ
を設けることなく、トレーラの荷崩れの恐れを確実にか
つ迅速に把握できるトレーラの荷崩れ警報装置を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、カプラを介してトラクタに連
結されるトレーラの積み荷が荷崩れを起こす恐れがある
ことを警報するトレーラの荷崩れ警報装置において、ト
ラクタの車輪速度から車両加速度を算出する車両加速度
演算手段と、エンジン回転数とガバナ角度またはアクセ
ル開度とに基づいてエンジン駆動力を算出する駆動力演
算手段と、この駆動力演算手段によって算出された前記
エンジン駆動力と前記車両加速度と既知のトラクタ質量
とに基づいてトレーラ質量を算出するトレーラ質量演算
手段と、前記トレーラ質量、前記トラクタ質量、既知の
トラクタ重心位置およびトラクタ後軸荷重に基づいてト
レーラの重心位置を算出するトレーラ重心位置演算手段
と、このトレーラ重心位置演算手段によって算出された
トレーラの重心位置と基準値との差を求め、この差が所
定値以上のとき荷崩れの恐れがあるとして警報信号を出
力する重心位置比較判断手段と、この重心位置比較判断
手段からの警報信号によって作動し警報を発する警報手
段とを備えていることを特徴としている。
【0008】また請求項2の発明は、前記基準値が、エ
ンジン始動後の最初の計算で算出されたトレーラの重心
位置であることを特徴としている。更に請求項3の発明
は、前記基準値が、トレーラの積み荷の切り替え後の最
初の計算で算出されたトレーラの重心位置であることを
特徴としている。
【0009】更に請求項4の発明は、基準値を設定する
基準値設定手段が設けられており、前記基準値が、この
基準値設定手段が操作されたときの、算出されたトレー
ラの重心位置であることを特徴としている。更に請求項
5の発明は、前記基準値が、前回算出されたトレーラの
重心位置であることを特徴としている。
【0010】
【作用】このような構成をした請求項1のトレーラの荷
崩れ警報装置においては、トレーラ重心位置演算手段に
より、トラクタのエンジンのエンジン回転数、ガバナ角
度あるいはアクセル開度、トラクタの車輪速度、エアサ
スペンション圧、トラクタ質量、およびトラクタの重心
位置に基づいて、トラクタ・トレーラの運転中に、エン
ジン駆動力、車両加速度、トレーラ質量、およびトレー
ラの重心位置が算出される。そして、重心位置比較判断
手段により、算出されたトレーラの重心位置が基準値と
比較され、それらの差が所定値以上であるときトレーラ
の積み荷の荷崩れの恐れがあるとして、警報手段が作動
され、警報が発せられる。
【0011】これにより、トラクタ・トレーラの運転中
でも、トレーラの荷崩れの恐れがトラクタ側で確実にか
つ迅速に認識されるようになる。したがって、運転者が
トレーラの荷崩れの恐れに対して迅速にかつ適切に対応
することにより、トレーラの荷崩れの恐れが生じても、
安定した運転が行われるようになるとともに、トレーラ
の積み荷の破損が防止されるようになる。
【0012】また、車両加速度、エンジン駆動力、トラ
クタ後軸荷重、トレーラ質量、およびトレーラの重心位
置がそれぞれ計算により求められる。これにより、これ
らの値を得るための各種のセンサをトレーラに設ける必
要がなく、トレーラの荷崩れ警報装置がより安価に形成
されるようになる。
【0013】また、請求項2の発明においては、基準値
がエンジン始動後の最初の計算によって算出されたトレ
ーラの重心位置に設定され、更に請求項3の発明におい
ては、基準値がトレーラの積み荷の切り替え後の最初の
計算によって算出されたトレーラの重心位置に設定さ
れ、更に請求項4の発明においては、運転席に設けられ
た基準値設定手段の操作後の最初の計算によって算出さ
れたトレーラの重心位置に設定され、更に請求項5の発
明においては、算出したトレーラの重心位置と比較する
ための基準値が前回算出したトレーラの重心位置に設定
される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1および図2は、本発明にかかる
トレーラの荷崩れ警報装置の実施の形態の一例を示す図
である。
【0015】図1および図2に示すように、本例のトレ
ーラの荷崩れ警報装置1は、トレーラ2がカプラ3を介
して連結されるトラクタ4に設けられており、トラクタ
4の各車輪の回転速度を検出する車輪速センサ5と、エ
ンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段6
と、ガバナの角度を検出するガバナ角検出手段7と、ト
ラクタ4の後軸のエアサスペンション8のエアサスペン
ション圧を検出するエアサスペンション圧検出手段9
と、運転席の計器盤等に設けられた警報手段10と、車
輪速センサ5からの車輪速、エンジン回転数検出手段6
からのエンジン回転数、ガバナ角検出手段7からのガバ
ナ角度、およびエアサスペンション圧検出手段9からの
エアサスペンション圧の各情報と、予め記憶されている
トラクタ4の重心Gzの水平方向および垂直方向の位置
の各情報とに基づいてトレーラ2の質量とトレーラ2の
重心Gaの水平方向および垂直方向の位置とを算出する
とともに、トラクタ・トレーラの運転中に、トレーラ2
の重心Ga位置が大きく変化したとき警報手段10を作
動する電子制御装置(ECU)11とを備えている。
【0016】更にECU11内には、車輪速センサ5か
らの車輪速に基づいて車両加減速度を算出する車両加減
速度演算手段12と、エンジン回転数検出手段6からの
エンジン回転数およびガバナ角検出手段7からのガバナ
角度に基づいてエンジン駆動力を算出する駆動力演算手
段13と、車両加減速度演算手段12からの車両加減速
度および駆動力演算手段13からのエンジン駆動力に基
づいてトレーラ2の質量を算出するトレーラ質量演算手
段14と、エアサスペンション圧検出手段9からのエア
サスペンション圧に基づいてトラクタ後軸荷重を算出す
るトラクタ後軸荷重演算手段15と、トレーラ質量演算
手段14からのトレーラ質量およびトラクタ後軸荷重演
算手段15からのトラクタ後軸荷重に基づいてトレーラ
2の重心Gaの位置を算出するトレーラ重心位置演算手
段16と、算出したトレーラ重心Gaの重心位置を予め
設定された基準重心位置と比較して、トレーラ重心Ga
の重心位置と基準重心位置との差が所定値以上のとき、
警報手段10を作動する重心位置比較判断手段17とを
備えている。
【0017】ところで、本例のトレーラの荷崩れ警報装
置1においては、トレーラ2の荷崩れの恐れを検出する
ために、運転中のトレーラ2の重心位置の変化を求め、
求めたトレーラ2の重心位置の変化が予め設定された基
準重心位置と比較して、求めた重心位置と基準重心位置
との差が所定値以上のとき、荷崩れの恐れがあるとして
警報手段10を作動して警報を発するようにしている。
【0018】そこで、まず運転中のトレーラ2の重心G
aの位置を算出する。トレーラ2の重心位置を求めるた
めに、前提条件として、(1) トラクタ4の車輪の内少な
くとも1つに車輪速センサ5が設けられていて車両加速
度の測定が可能であること、(2) トラクタ4の後輪(駆
動輪)はエアサスペンション8で支持されていること、
(3) トラクタ4単体の重量(質量Mz)、トラクタ4の
車軸荷重F1,F2、トラクタ4の重心Gzの位置およびト
ラクタ4の各寸法の諸データは既知で一定であることが
それぞれ設定されている。
【0019】また、トレーラ2の重心Gaの位置を求め
るために必要なデータは、 (a) トラクタ4に関するデータ:質量、(後軸荷重)、
重心に対するカプラ位置と車軸位置、 (b) トレーラ2に関するデータ:質量Ma、重心Gaに対
するカプラ位置Xak,Zakと車軸位置Xa,Za、 (c) (車両加速度) であり、これらのデータのうち、下線のデータは既知で
かつ一定であり、またカッコ内のデータは測定可能なデ
ータである。したがって、(b)のトレーラ2に関するデ
ータを求めればよいことになるが、その場合、トレーラ
2のデータを求めるセンサあるいは制御装置等をトレー
ラ2に何等設けなく、これらのトレーラ2のデータも推
定するようにしている。トレーラ2の重心位置を算出す
るための具体的なデータは、表1に示すようになる。
【0020】
【表1】
【0021】図3は、トレーラ2の重心位置を算出する
方法の一例を説明する図である。図3に示すように、ト
レーラ2の重心位置を算出するにあたり、トレーラ質量
aが必要となるので、このトレーラ質量Maを算出す
る。トレーラ質量Maの算出に必要なデータは、エンジ
ン駆動力(エンジントルク)Fm、車両加速度aおよび
トラクタ質量Mzである。エンジン駆動力Fmは、エンジ
ン回転数、ガバナ角度および予め設定されてECU11
のメモリ(不図示)に記憶されているエンジントルクマ
ップから推定できる。また車両加速度aは車輪速センサ
5からの車輪速信号により求めることができる。更に、
トラクタ質量Mzもトレーラ2の積載重量に関係なく、
一定の既知量として予めメモリに記憶されている。そし
て、ECU11のトレーラ質量演算手段14は、数式F
m=(Mz+Ma)×aからトレーラ2の質量Maを算出す
る。これにより、トレーラ質量Maが推定でき、このト
レーラ質量Maの推定は加速時毎に行われ、メモリに学
習記憶される。
【0022】そして、トレーラ2の重心位置に対するカ
プラ位置および車軸位置を算出する。なお、以後図3の
説明においてトレーラ重心位置とあるのはトレーラ2の
重心位置に対するカプラ位置および車軸位置を意味する
ものとする。また、図3の説明においてトラクタ重心位
置とあるのはトラクタ4の重心位置に対するカプラ位置
および車軸位置を意味するものとし、これらのトラクタ
4の重心位置に対するカプラ位置Xk,Zkおよび車軸位
置X1,X2は、トレーラ2の積載重量に関係なく、一定
の既知量として予めメモリに記憶されている。
【0023】これらの各位置の算出は、トラクタ・トレ
ーラの前後方向および垂直方向の通常の力のつり合い式
および重心での力のモーメントの通常のつり合い式より
行うことができる。
【0024】トレーラの前後方向重心位置(X座標)に
対するカプラ位置Xakおよび車軸位置Xaを算出する。
そのために、まず車両停止時に、トラクタ4の後軸のエ
アサスペンション圧によりトラクタ後軸荷重F2を算出
する。そして、このトラクタ後軸荷重F2と、前述の算
出したトレーラ質量Maと、既知のトラクタ質量Mzと、
トラクタ4の重心Gzに対する既知のカプラ位置Xkおよ
び既知の車軸位置X1とから、トレーラ2の前後方向の
重心位置に対するカプラ位置Xakおよび車軸位置Xa
算出する。その場合、トレーラ2の車軸が複数ある場合
は、その中心の位置を車軸位置Xaとして、車軸位置Xa
を算出してもよいし、個々の車軸位置を算出するように
してもよい。このトレーラ2の前後方向重心位置に対す
るカプラ位置Xakおよび車軸位置Xaの算出は車両停止
時毎に行われ、メモリに学習記憶される。
【0025】更に、トレーラ2の垂直方向重心位置に対
するカプラ位置Zakおよび車軸位置Zaを算出する。そ
のために、まず加速時に、トラクタ4の後軸のエアサス
ペンション圧によりトラクタ後軸荷重F2を算出すると
ともに、車輪速センサ5により車両加速度aを算出す
る。そして、このトラクタ後軸荷重F2と、前述の算出
したトレーラ質量Maと、既知のトラクタ質量Mzと、ト
ラクタ4の重心に対する既知のカプラ位置Zkおよび既
知の車軸位置Z12と、前述算出した車両加速度aとか
ら、トレーラ2の垂直方向の重心位置に対するカプラ位
置Zakおよび車軸位置Zaを算出する。このトレーラ2
の垂直方向重心位置に対するカプラ位置Zakおよび車軸
位置Zaの算出は車両加速時毎に行われ、メモリに学習
記憶される。
【0026】このように構成された本例のトレーラの荷
崩れ警報装置1の警報制御は、図4に示すフローにした
がって行われる。すなわち、まずステップS1において
エンジン回転数およびガバナ角度がそれぞれエンジン回
転数検出手段6およびガバナ角検出手段7によって検出
される。更に車輪速度が検出され、この車輪速はトラク
タ4の各車輪に付設された車輪速センサ5によって検出
されたトラクタの車輪速度である。更に、エアサスペン
ション圧がエアサスペンション圧検出手段9によって検
出される。
【0027】次にステップS2において、駆動力演算手
段13によって、エンジン回転数検出手段6からのエン
ジン回転数とガバナ角検出手段6からのガバナ角度とに
基づいてエンジン駆動力が算出される。またステップS
3において、車両加減速度演算手段12によって、車輪
速センサ5からのトラクタ4の車輪速に基づいて車両加
速度が算出される。更にステップS4において、トレー
ラ質量演算手段14によって、車両加減速度演算手段1
2からの車両加速度と駆動力演算手段13からのエンジ
ン駆動力とに基づいてトレーラ質量Maが算出される。
更にステップS5において、トラクタ後軸荷重演算手段
15によって、エアサスペンション圧検出手段9からの
エアサスペンション圧に基づいてトラクタ後軸荷重F2
が算出される。
【0028】次にトレーラ重心位置演算手段16によっ
て、トレーラ質量演算手段14からのトレーラ質量Ma
とトラクタ後軸荷重演算手段15からのトラクタ後軸荷
重F2とに基づいて、ステップS6においてトレーラ前
後方向重心位置Xa,Xakが算出されるとともに、トレー
ラ垂直方向重心位置Za,Zakが算出される。次いで、ス
テップS7において今回の重心位置計算はエンジン始動
後初めてか否かが判断され、今回の重心計算が初めてで
あると判断されると、ステップS8において今回重心位
置をメモリに格納した後、再びステップS1に戻り、同
じ処理を繰り返す。
【0029】ステップS7において今回の重心位置計算
がエンジン始動後初めてでないと判断されると、ステッ
プS9において今回算出した重心位置とメモリに格納さ
れている重心位置との差が算出されるとともに、その差
が所定値以上であるか否かが判断される。差が所定値以
上でないと判断されると、再びステップS1に戻り、同
じ処理を繰り返す。
【0030】ステップS9において、差が所定値以上で
あると判断されると、トレーラ2の積み荷は荷崩れの恐
れがあるとして、ステップS10において警報が行われ
る。すなわち、ECU11は警報手段10を作動してト
レーラ2の荷崩れを警報する。
【0031】このように、本例のトレーラの荷崩れ警報
装置1によれば、トラクタ4から得られるエンジン回転
数、ガバナ角度あるいはアクセル開度、車輪速度、エア
サスペンション圧、トラクタ質量Mz、およびトラクタ
4の重心位置X1,X2,Z12;Xk,Zkに基づいて、トラク
タ・トレーラの運転中に、エンジン駆動力、車両加速度
a、トレーラ質量Ma、およびトレーラ2の重心位置
a,Za;Xak,Zakを算出し、算出したトレーラ2の重
心位置がエンジン始動後初めての計算で算出したトレー
ラ2の重心位置と所定値以上の差を生じているとき、警
報手段10により警報するようにしているので、トラク
タ・トレーラの運転中でも、トレーラ2の荷崩れの恐れ
をトラクタ側で確実にかつ迅速に知ることができるよう
になる。これにより、運転者はトレーラ2の荷崩れの恐
れに対して迅速にかつ適切に対応することができるよう
になるので、トレーラ2の荷崩れの恐れが生じても、安
定した運転を行うことができるとともに、トレーラ2の
積み荷の破損を防止することができるようになる。
【0032】しかも、車両加速度a、エンジン駆動力、
トラクタ後軸荷重、トレーラ質量Ma、およびトレーラ
2の重心位置Xa,Za;Xak,Zakをそれぞれ計算により
求めているので、これらの値を得るための各種のセンサ
がトレーラ2に不要となり、トレーラの荷崩れ警報装置
1をより安価に形成することができる。
【0033】なお、前述の例では、算出したトレーラ2
の重心位置を比較するための基準値をエンジン始動後の
初めての計算で算出したトレーラ2の重心位置としてい
るが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の
変形例が可能である。
【0034】例えば基準値として、メモリに記憶されて
いる、エンジン始動後の最初の計算による重心位置に代
えて、トレーラの積み荷の切り替え後の最初の計算によ
る重心位置を用いることができる。トレーラ2の積み荷
を下ろした後、新しい荷を積載すると、重心位置が変化
してしまうが、このように新しい積み荷の重心位置を新
たに基準値とすることにより、積み荷の切り替え後の荷
崩れの恐れを確実に知ることができる。この積み荷切り
替え後の荷崩れ警報制御としては、例えば図5に示すよ
うに図4の警報制御のフローにおけるステップS7とス
テップS9との間に、ステップS11とステップS12
の各処理を挿入するようにすればよい。すなわち、ステ
ップS7で今回の重心位置の計算がエンジン始動後初め
てでないと判断されたとき、ステップS11において積
み荷の切り替えがあったか否かが判断され、積み荷の切
り替えがあったと判断されたときは、ステップS12に
おいて今回の重心位置計算は積み荷切り替え後初めてか
否かが判断される。今回の重心位置計算が積み荷切り替
え後初めてであると判断されると、ステップS8に移行
して現在メモリに格納されている重心位置に代えて、今
回の重心位置を新たに格納する。ステップS11で積み
荷の切り替えがないと判断されたとき、およびステップ
S12で今回の重心位置計算は積み荷切り替え後初めて
でないと判断されたときは、いずれもステップS9に移
行する。なお、積み荷の切り替えの判断はECU11に
よって行われ、例えば図4のステップS1においてエア
サスペンション圧検出手段9によって検出されるサスペ
ンション圧の変化、あるいはステップS4において算出
されるトレーラ質量Maの変化、あるいはステップS5
において算出されるトラクタ後軸荷重の変化を検出し、
これらの変化のいずれかがあったときは、積み荷の切り
替えが行われたと判断する。
【0035】また、運転席等に基準値を設定するスイッ
チを設けておき、運転者がこのスイッチをオンした時点
での算出されたトレーラ2の重心位置をメモリに記憶さ
せておき、基準値として、このスイッチオン時のトレー
ラ2の重心位置を用いることができる。このようにすれ
ば、運転者の所望時にトレーラ2の荷崩れの恐れを確実
に知ることができる。
【0036】更に、前回算出されたトレーラ2の重心位
置をメモリに記憶させておき、基準値として、このスイ
ッチオン時のトレーラ2の重心位置を用いることができ
る。この基準値を用いた荷崩れの検知は、積み荷の重心
位置が急速に変化して急激に荷崩れしそうなときに有効
となる。
【0037】なお、急激な荷崩れは、エンジン始動後の
最初の計算による重心位置、あるいはトレーラの積み荷
の切り替え後の最初の計算による重心位置を基準値とし
て用いた場合にも確実に検知することができることは言
うまでもない。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のトレーラの荷崩れ警報装置によれば、トレーラ重心位
置演算手段によりトレーラの重心位置を算出するととも
に、重心位置比較判断手段により、算出されたトレーラ
の重心位置を基準値と比較し、それらの差が所定値以上
であるときトレーラの積み荷の荷崩れの恐れがあるとし
て、警報手段により警報するようにしているので、トラ
クタ・トレーラの運転中でも、トレーラの荷崩れの恐れ
をトラクタ側で確実にかつ迅速に知ることができる。し
たがって、運転者はトレーラの荷崩れの恐れに対して迅
速にかつ適切に対応することができるようになり、トレ
ーラの荷崩れの恐れが生じても、安定した運転を行うこ
とができるとともに、トレーラの積み荷の破損を防止す
ることができる。
【0039】しかも、車両加速度、エンジン駆動力、ト
ラクタ後軸荷重、トレーラ質量、およびトレーラの重心
位置をそれぞれ計算により求めているので、これらの値
を得るための各種のセンサをトレーラに設ける必要がな
く、トレーラの荷崩れ警報装置をより安価に形成でき
る。
【0040】特に請求項2の発明によれば、基準値とし
てエンジン始動後の最初の計算による重心位置を用いて
いるので、エンジン始動直後の荷崩れがまったく起きる
傾向にない状態と、ある程度走行した後の荷崩れの恐れ
が生じている状態とが明確になり、トレーラの荷崩れの
恐れを確実にかつ正確に知ることができる。
【0041】同様に、請求項3の発明によれば、基準値
として積み荷の切り替え後の最初の計算による重心位置
を用いているので、積み荷を下ろして新しい荷を積載し
て重心位置が変化した場合にも、トレーラの新たな積み
荷の荷崩れの恐れを確実にかつ正確に知ることができ
る。
【0042】また、請求項4の発明によれば、運転席等
に設けた基準値設定用のスイッチをオンした時点での、
算出されたトレーラの重心位置を、基準値として用いて
いるので、運転者の所望時にトレーラの荷崩れの恐れを
確実に知ることができる。
【0043】更に、請求項5の発明によれば、積み荷の
重心位置が急速に変化して急激に荷崩れしそうな状態を
検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるトレーラの荷崩れ警報装置の
実施の形態の一例を示す図である。
【図2】 図1に示す例のトレーラの荷崩れ警報装置の
ブロック図である。
【図3】 トレーラの重心位置の算出について説明する
図である。
【図4】 トレーラの荷崩れ警報制御を行うためのフロ
ーを示す図である。
【図5】 トレーラの荷崩れ警報制御を行うための他の
例のフローを示す図である。
【符号の説明】
1…トレーラの荷崩れ警報装置、2…トレーラ、3…カ
プラ、4…トラクタ、5…車輪速センサ、6…エンジン
回転数検出手段、7…ガバナ角検出手段、8…エアサス
ペンション、9…エアサスペンション圧検出手段、10
…警報手段、11…電子制御装置(ECU)、12…車
両加減速度演算手段、13…駆動力演算手段、14…ト
レーラ質量演算手段、15…トラクタ後軸荷重演算手
段、16…トレーラ重心位置演算手段、17…トレーラ
重心位置比較判断手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カプラを介してトラクタに連結されるト
    レーラの積み荷が荷崩れを起こす恐れがあることを警報
    するトレーラの荷崩れ警報装置において、 トラクタの車輪速度から車両加速度を算出する車両加速
    度演算手段と、エンジン回転数とガバナ角度またはアク
    セル開度とに基づいてエンジン駆動力を算出する駆動力
    演算手段と、この駆動力演算手段によって算出された前
    記エンジン駆動力と前記車両加速度と既知のトラクタ質
    量とに基づいてトレーラ質量を算出するトレーラ質量演
    算手段と、前記トレーラ質量、前記トラクタ質量、既知
    のトラクタ重心位置およびトラクタ後軸荷重に基づいて
    トレーラの重心位置を算出するトレーラ重心位置演算手
    段と、このトレーラ重心位置演算手段によって算出され
    たトレーラの重心位置と基準値との差を求め、この差が
    所定値以上のとき荷崩れの恐れがあるとして警報信号を
    出力する重心位置比較判断手段と、この重心位置比較判
    断手段からの警報信号によって作動し警報を発する警報
    手段とを備えていることを特徴とするトレーラの荷崩れ
    警報装置。
  2. 【請求項2】 前記基準値は、エンジン始動後の最初の
    計算で算出されたトレーラの重心位置であることを特徴
    とする請求項1記載のトレーラの荷崩れ警報装置。
  3. 【請求項3】 前記基準値は、トレーラの積み荷の切り
    替え後の最初の計算で算出されたトレーラの重心位置で
    あることを特徴とする請求項1記載のトレーラの荷崩れ
    警報装置。
  4. 【請求項4】 基準値を設定する基準値設定手段が設け
    られており、前記基準値は、この基準値設定手段が操作
    されたときの、算出されたトレーラの重心位置であるこ
    とを特徴とする請求項1記載のトレーラの荷崩れ警報装
    置。
  5. 【請求項5】 前記基準値は、前回算出されたトレーラ
    の重心位置であることを特徴とする請求項1記載のトレ
    ーラの荷崩れ警報装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001071809A (ja) * 1999-09-07 2001-03-21 Yazaki Corp 車両用積載状態表示装置
WO2022239306A1 (ja) 2021-05-14 2022-11-17 株式会社Ihi 車両積載異常検出方法及び装置
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