JPH10174389A - カゴ型回転子、及びその製造方法 - Google Patents

カゴ型回転子、及びその製造方法

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JPH10174389A
JPH10174389A JP33200696A JP33200696A JPH10174389A JP H10174389 A JPH10174389 A JP H10174389A JP 33200696 A JP33200696 A JP 33200696A JP 33200696 A JP33200696 A JP 33200696A JP H10174389 A JPH10174389 A JP H10174389A
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end ring
cage
rotor core
rotor
mold
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JP33200696A
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English (en)
Inventor
Nobuo Kayaba
信雄 萱場
Koki Taneda
幸記 種田
Toshio Uchida
敏夫 内田
Heikichi Kuwabara
平吉 桑原
Yasuo Osone
靖夫 大曽根
Masaharu Senoo
正治 妹尾
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータ効率を高めるべく、導体カゴ型を融点
の高い銅で形成しても、金型の損傷を抑えて、金型の寿
命を伸ばす。 【解決手段】 銅製の導体カゴ型20の構成要素である
エンドリング22の表面のうち、回転子コア10の端面
12と対向していない表面を、銅よりも融点の低いアル
ミニウム合金で形成されたエンドリング被覆部材25で
覆う。カゴ型回転子の製作過程では、回転子コア10及
びエンドリング被覆部材25を先に形成し、この回転子
コア10及びエンドリング被覆部材25を金型内に装填
して、回転子コア10及びエンドリング被覆部材25で
覆われている空間内に、熔融銅を射出して、銅製の導体
カゴ型20を成型する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子コアの一方
の端面から他方の端面へ貫通している複数のバーと、回
転子コアの両端面にそれぞれ対向し且つ複数のバーの端
部と接続されている一対のエンドリングとから成る導電
性カゴを備えているカゴ型回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モータ用カゴ型回転子のコアは、
スロットを設けた複数枚の回転子コア片を積層固着して
製造している。この回転子でカゴ型を成す導体部分は、
機械加工等により所定の寸法に加工された複数のバーを
回転子コアの各スロットに挿入し、同じく機械加工等に
より成形された二つのエンドリングを各バーの両端にロ
ー付けや溶接により接合して製造している。
【0003】また、カゴ型を成す導体部分は、以上のロ
ー付けや溶接で部材を接合する方法の他、金型を用いて
各部材を一体的に形成するダイキャスト法によっても製
造される。このダイキャスト法では、回転子コアの収ま
るキャビティが形成されている金型を準備し、この金型
内に回転子コアを入れてから、金型内に導電材料である
アルミニウム又はアルミニウム合金を流し込み、回転子
コアのスロット内に位置するバー、及びバーの両端部を
つなぐエンドリングを形成している。カゴ型を成す導体
部分の材料としては、以上のアルミニウム又はアルミニ
ウム合金の他、特開平6−86516号公報に記載され
ているもののように、アルミニウムよりも電気抵抗の低
い銅を用いるものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロー付
けや溶接の場合、複数のスロットバーと二つのエンドリ
ングとを接合するのに手間がかかる上に、スロット形状
が比較的複雑な形状になると、ここに収まるスロットバ
ーの機械加工にも非常に手間がかかってしまい、生産効
率を高めることが難しいという問題点がある。さらに、
冷却用の羽根やバランス取り用のピンをエンドリングに
ロー付け等するとなると、より一掃の手間がかかってし
まう。また、ロー付けや溶接の場合、ロー付け近傍、又
は溶接近傍の部材変形が危惧され、精度が悪くなりがち
であるという問題点もある。
【0005】一方、ダイキャスト法では、金型さえ正確
に製作すれば、精度の高い製品を容易に製造でき、以上
のロー付けや溶接で部材を接合する方法における生産効
率や精度に関する問題を生じないものの、モータの高効
率化を図るために、カゴ型を成す導体部分を導電率の高
い銅あるいは銅合金で製造しようとすると、銅の融点が
高いために、アルミニウムを導体に使用する場合より
も、遥かに金型の損傷が激しく、金型寿命が著しく低下
してしまう。このため、カゴ型回転子を多数製造しよう
とすると、高価な金型が多数必要となり、結果として生
産コストが嵩んでしまうという問題点がある。
【0006】本発明は、以上のような従来の問題点に着
目して成されたもので、ダイキャスト法で製造する場合
のように、高い生産効率及び高い精度を確保しつつ、モ
ータ効率を高めても生産コストを抑えることができるカ
ゴ型回転子、及びこの製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のカゴ型回転子は、磁性材によって回転軸を中心として
円筒状に形成されている回転子コアと、導体で形成され
円筒状の該回転子コアの一方の端面から他方の端面へ貫
通している複数のバーと、導体で形成され円筒状の該回
転子コアの両端面にそれぞれ対向し且つ複数の該バーの
端部と接続されている一対のエンドリングとを備えてい
るカゴ型回転子において、前記バー及び前記エンドリン
グは、銅又は銅合金で形成され、前記バー及び前記エン
ドリングを形成している金属よりも融点の低い金属で形
成され、前記エンドリングの表面のうち、前記回転子コ
アの前記端面と対向していない表面を覆うエンドリング
被覆部材を備えていることを特徴とするものである。
【0008】ここで、前記エンドリング被覆部材は、ア
ルミニウム又はアルミニウム合金で形成されているもの
であっても、亜鉛合金で形成されているものであっても
よい。また、前記エンドリング被覆部材には、冷却用羽
根及び/又はバランスピンを形成してもよい。
【0009】また、以上の各カゴ型回転子において、導
体で形成されている前記バー及び前記該エンドリング
と、磁性材で形成されている前記回転子コアとの間に配
されている絶縁材を設ける場合には、前記絶縁材は、セ
ラミックスで形成することが好ましい。
【0010】また、前記目的を達成するためのカゴ型回
転子の製造方法は、回転子コアを形成する回転子コア形
成行程と、エンドリングの表面のうち、前記回転子コア
の端面と対向していない表面を覆うエンドリング被覆部
材を、バー及びエンドリングを形成する材料よりも融点
の低い金属で形成する被覆部材形成行程と、完成した段
階でのカゴ型回転子が収まる空間が内部に形成されてい
る金型を用い、該金型の内部空間に、前記被覆部材形成
行程で形成した前記エンドリング被覆部材及び前記回転
子コア形成行程で形成した前記回転子コアを装填し、銅
又は銅合金を溶融し、この溶融金属を該金型の該内部空
間であって前記エンドリング及び前記バーが占める空間
に注入して、該エンドリング及び該バーを形成する導体
カゴ型形成行程と、を有していることを特徴とするもの
である。
【0011】ここで、銅又は銅合金で形成される前記バ
ー及び前記該エンドリングと、磁性材で形成される前記
回転子コアとの間に配され、該バー及び該エンドリング
を形成する金属よりも融点の高い絶縁材を形成する絶縁
材形成行程を有する場合には、前記回転子コア形成行程
後であって前記カゴ型形成行程前に、前記絶縁材形成行
程を行なって、前記回転子コアに前記絶縁材を施すこと
が好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る各種実施形態
としてのカゴ型回転子及びその製造方法について、図面
を用いて説明する。
【0013】まず、図1を用いて本発明に係る第1の実
施形態としてのカゴ型回転子について説明する。このカ
ゴ型回転子は、磁性材である鋼材よって円筒状に形成さ
れている回転子コア10と、導体である銅で形成され円
筒状の回転子コア10の一方の端面12から他方の端面
12へ貫通している複数のバー21,21,…と、同じ
く導体である銅で形成され円筒状の回転子コア10の両
端面12,12にそれぞれ対向し且つ複数のバー21の
端部と接続されている一対のエンドリング22,22
と、複数のバー21,21,…と一対のエンドリング2
2,22とで構成されている導体カゴ型20と磁性材で
形成されている回転子コア10との間に配されている絶
縁材15と、銅よりも融点の低いアルミニウム合金で形
成され、エンドリング22,22の表面のうち、回転子
コア10の端面12と対向していない表面を覆うエンド
リング被覆部材25,25と、を備えている。なお、こ
のエンドリング被覆部材25は、後述するように、銅製
の導体カゴ型20を成型する際に、熔融銅が金型に直接
接触するのを防ぐことを主目的としているため、その厚
さは、比較的薄く、この実施形態では2〜4mmである。
【0014】次に、本発明に係る第2の実施形態として
のカゴ型回転子について、図2を用いて説明する。この
カゴ型回転子も、第1の実施形態と同様、鋼材で形成さ
れている回転子コア10と、導体カゴ型20と、両者1
0,20間に配されている絶縁材15と、導体カゴ型2
0のエンドリング22,22の表面を覆うエンドリング
被覆部材25aとを備えている。この実施形態における
エンドリング被覆部材25aは、第1の実施形態と異な
り、冷却用羽根26及びバランスピン27が形成されて
いる。
【0015】次に、以上の各カゴ型回転子の製造方法に
ついて説明する。まず、図3に示すように、磁性材であ
る鋼板で円板状の多数の回転子コア片11,11,…を
形成する。この回転子コア片11は、その中心にモータ
回転軸が挿通される回転軸挿通孔14が形成されている
と共に、導体カゴ型20のバー21が挿通されるスロッ
ト13が回転軸挿通孔14を中心として多数形成されて
いる。多数の回転子コア片11,11,…は、それぞれ
の回転軸挿通孔14及びスロット13の位置が一致する
ように積層した後、相互にバラバラにならないようかし
め等により仮固定し、回転子コア10を形成する。
【0016】次に、図4に示すように、円筒状の回転子
コア10のスロット13の内周面と、円筒状の回転子コ
ア10の端面12,12に、セラミックス皮膜を施し、
これを絶縁材15とする。次に、又は以上の行程の前
に、図5に示すように、一対のエンドリング被覆部材2
5a,25a(又は25,25)をアルミニウム合金の
ダイキャストで形成する。この際、図2の回転子と同様
に、冷却用羽根26やバランスピン27が必要な場合に
は、これらを形成するためのキャビティが形成されてい
る金型を用いて、エンドリング被覆部材25aを形成す
る。
【0017】次に、導体カゴ型20を銅のダイキャスト
で形成する。そこで、ここでは、以下のような金型を使
用する。金型は、図6に示すように、固定金型30と可
動金型40とを有している。固定金型30は、一対のエ
ンドリング被覆部材25a,25aのうちの一方のエン
ドリング被覆部材25aが収まる空間32が形成されて
いる固定側入れ子31と、固定側入れ子31の空間32
に出没自在で且つこの空間内に装填されたエンドリング
被覆部材25aを押える押え部材33,34と、押え部
材33,34を可動金型側へ押すバネ35,36と、こ
れらを覆う固定金型枠48とを有している。また、可動
金型40は、一対のエンドリング被覆部材25a,25
aのうちの他方のエンドリング被覆部材25a及び回転
子コア10が収まる空間42が形成されている可動側入
れ子41と、可動側入れ子41の空間42に出没自在で
且つこの空間内に装填されたエンドリング被覆部材25
aを押える押え部材43,44と、押え部材43,44
を固定金型側へ押すバネ45,46と、可動側入れ子4
1の空間42内に形成されたカゴ型回転子をこの空間4
2から押し出すエジェクタピン47と、これらを覆う可
動金型枠48とを有している。固定金型30の可動金型
側の端面、及び可動金型40の固定金型側の端面には、
各入り子31,41内の空間32,42に溶融金属を導
くためのランナ39,49が形成されている。各入れ子
31,41は、例えば、合金工具鋼の一種であるSKD
61で形成されている。
【0018】以上の金型がセットされる鋳造機は、金属
を溶かす溶解鍋(図示されていない)と、溶解鍋内の溶
融金属を金型内に射出するプランジャー61と、固定金
型30を固定しておくと共に可動金型40を固定金型3
0に対して相対移動させる型締め機(図示されていな
い)とを有している。
【0019】まず、金型内のヒータ(図示されていな
い)又はガスバーナ等で金型30,40を所定の温度ま
で予熱すると共に、エンドリング被覆部材25a,25
a、及び絶縁材15が施された回転子コア10も予熱す
る。これと並行して、溶解鍋内をアルゴンガス等の不活
性ガス雰囲気にして、この中で、導体カゴ型20の材料
である銅を不純物が入らないよう注意して溶融する。
【0020】次に、図7に示すように、予熱された型開
き状態の金型30,40の各入り子31,41内に、同
じく予熱されたアルミニウム合金製のエンドリング被覆
部材25a,25aを装填する。次に、図8に示すよう
に、可動金型40の入り子41内に、予熱された回転子
コア10を装填する。そして、図9に示すように、可動
金型40を型締め機で移動させて、可動金型40の端面
と固定金型30の端面12とを密着させる、すなわち型
締めする。この型締めの過程で、可動側入り子41内の
エンドリング被覆部材25aは、固定側入り子31内の
エンドリング被覆部材25aから、回転子コア10を介
して圧力を受け、可動側のバネ45,46が縮んで、可
動側入り子41及び可動側押え部材43,44に密着す
る。同様に、固定側入り子31内のエンドリング被覆部
材25aは、可動側入り子41内のエンドリング被覆部
材25aから、回転子コア10を介して圧力を受け、固
定側のバネ35,36が縮んで、固定側入り子31及び
固定側押え部材33,34に密着する。
【0021】次に、溶解鍋内で溶融している銅をプラン
ジャー61で金型30,40内に高速で射出する。熔融
銅は、金型30,40のランナ39,49及びゲートを
通って、回転子コア10の端面12とエンドリング被覆
部材25aとで覆われた空間29,29、及び回転子コ
ア10のスロット13,13,…内に充填される。回転
子コア10の端面12とエンドリング被覆部材25aと
で覆われた空間29,29、及び回転子コア10のスロ
ット13内に充填された銅は、エンドリング22,22
及びバー21,21,…を形成する。
【0022】ところで、エンドリング被覆部材25aを
形成しているアルミニウム合金の融点は、680℃程度
で、導体カゴ型20を形成する銅の融点は、1080℃
程度である。また、この実施形態で絶縁材15を形成し
ているセラミックスの軟化点は、空気中で1500℃以
上、不活性ガス雰囲気では2000℃以上である。
【0023】このため、銅製のエンドリング22とアル
ミニウム合金製のエンドリング被覆部材25aとの境界
面は、両金属が熔融し合う。この結果、エンドリング被
覆部材25aは、エンドリング22に接合される。ま
た、絶縁材15は、熔融銅と接触しても軟化しないの
で、絶縁材15とエンドリング22、及び、絶縁材15
とバー21は、両部材が密着するものの、両部材が接合
するという程度にまでは至らない。
【0024】金型30,40内に射出した銅が硬化し
て、エンドリング22,22及びバー21,21,…が
形成されると(導体カゴ型20の完成)、型開きした
後、エジェクタピン47を動作させ、可動金型40内か
ら、完成したカゴ型回転子を離型する。
【0025】以上、この実施形態では、導体カゴ型20
をダイキャスト法で一体形成しているので、複数のスロ
ットバー21と一対のエンドリング22を接合する手間
や、これらを機械加工する手間を省くことができると共
に、導体カゴ型20を正確な形状に形成することができ
る。また、冷却用羽根26やバランスピン27も、エン
ドリング被覆部材25aと共に、ダイキャスト法で形成
しているので、これらを別途、エンドリング22に接合
する手間等も省くことができる。したがって、金型3
0,40さえ正確に製作すれば、精度の高い製品を容易
に多数製造することができる。
【0026】また、導体カゴ型20は、アルミニウムよ
りも遥かに導電率の高い銅で形成しているので、モータ
効率を高めることができる。しかも、ダイキャスト法で
導体カゴ型20を形成する過程において、導体カゴ型2
0を形成する熔融銅は、回転子コア10に施されている
セラミックス製絶縁材15や、アルミニウム合金製エン
ドリング被覆部材25aと接触し、金型自体には、ラン
ナ部分のみしか接触しないので、金型30,40の損傷
を押えることができる。また、エンドリング被覆部材2
5aは、融点の低いアルミニウム合金で形成されている
ので、これを製造する過程で使用する金型に関しても、
損傷を抑えることができる。従って、モータ効率を高め
るため導体カゴ型20を銅のダイキャスト法で形成して
いるものの、金型寿命が長くなり、生産コストを抑える
ことができる。
【0027】なお、以上の実施形態では、導体カゴ型2
0を純銅で形成したが、この換わりに、黄銅や青銅等の
銅合金で形成してもよい。また、以上の実施形態では、
エンドリング被覆部材25aをアルミニウム合金で形成
したが、導体カゴ型20を形成する金属よりも融点の低
い金属であればよく、例えば、純アルミニウム、亜鉛合
金等で形成してもよい。但し、亜鉛合金は、融点が約3
80℃と低くダイキャスト性が良いものの、導電率がア
ルミニウムやアルミニウム合金と比べて低いため、エン
ドリング被覆部材25aもエンドリング22と同じ機
能、つまり各バー21を電気的に接続するための機能を
持たせたい場合には、好ましくない。
【0028】次に、以上のカゴ型回転子を形成する金型
の他の実施形態について、図10及び図11を用いて説
明する。この実施形態の金型は、図10及び図11に示
すように、固定金型30及び可動金型40の他に、両者
間に配される中間金型50を有している。
【0029】固定金型30a及び可動金型40aは、い
ずれも、エンドリング被覆部材25aが収まる空間32
a,42aが形成されている入れ子31a,41aと、
入れ子31a,41aの空間32a,42aに出没自在
で且つこの空間内に装填されたエンドリング被覆部材2
5aを押える押え部材34a,44aと、押え部材34
a,44aを他方の金型側へ押すバネ36,46と、こ
れらを覆う金型枠38a,48aを有している。また、
可動金型40aは、以上の他、先の実施形態の可動金型
40と同様に、エジェクタピン47も有している。な
お、各金型30a,40aの入れ子31a,41aの内
周面の一部は、先の実施形態の入れ子と異なり、エンド
リング被覆部材25aの外周面に対応した形状に形成さ
れている。また、中間金型50は、エンドリング被覆部
材25aの内周面に対応した面が形成され、固定側入れ
子31a及び可動側入れ子41aと共同して、一対のエ
ンドリング被覆部材25a,25aを形成するための一
対の空間32a,42aを形成する第1の中間入れ子5
1(図10に示す)と、回転子コア10が収まる空間5
7が形成されている第2の中間入れ子56(図11に示
す)と、これらの中間入れ子51,56のいずれもが装
着可能な中間金型枠55とを有している。第1の中間入
れ子51の固定金型側の端面には、一方のエンドリング
被覆部材25aを形成するための空間32aに、プラン
ジャー61からの熔融金属を導くための主ランナ52が
形成さている。この主ランナ52と、一方のエンドリン
グ被覆部材25aを形成するための空間32aとの境の
ゲート53は、φ2〜4mm程度の孔径である。また、第
1の中間入れ子51には、一方のエンドリング被覆部材
25aを形成するための空間32aから他方のエンドリ
ング被覆部材25aを形成するための空間42aへ熔融
金属を導くための副ランナ54も形成されている。
【0030】以上の金型30a,40a,50がセット
される鋳造機は、基本的には、先の実施形態と同様であ
るが、溶解鍋として、アルミニウム合金溶解用の溶解鍋
(図示されていない)と、銅溶解用の溶解鍋(図示され
ていない)とがある。
【0031】まず、図10に示すように、中間金型枠5
5に第1の中間入れ子51をセットし、型締めする。続
いて、金型30a,40a,50を予熱すると共に、溶
解鍋内で、エンドリング被覆部材25aを形成するアル
ミニウム合金を溶解する。
【0032】次に、溶解鍋内で熔融しているアルミニウ
ム合金をプランジャー61で金型内に高速で射出する。
熔融アルミニウム合金は、金型の主ランナ52及びゲー
ト53を通って、固定側入れ子31aと第1の中間入れ
子51との間に形成されている、一方のエンドリング被
覆部材25aを形成するための空間32aに流れ込むと
共に、この空間32aから、副ランナ54及びゲートを
通って、可動側入れ子41aと第1の中間入れ子51と
の間に形成されている、他方のエンドリング被覆部材2
5aを形成するための空間42aに流れ込む。これらの
空間32a,42aに充填されたアルミニウム合金が固
まり、一対のエンドリング被覆部材25aが金型内に形
成されると、型開きして、一対のエンドリング被覆部材
25aを金型から取り出す。
【0033】次に、図11に示すように、中間金型枠5
5に、第1の中間入れ子51の換わりに第2の中間入れ
子56をセットする。そして、型開き状態の金型30
a,40a,50、一対のエンドリング被覆部材25
a,25a及び回転子コア10を予熱すると共に、溶解
鍋内で、導体カゴ型20を形成する銅を溶解する。
【0034】次に、予熱された型開き状態の固定金型3
0aの入り子31a及び可動金型40aの入り子41a
内に、同じく予熱されたアルミニウム合金製のエンドリ
ング被覆部材25aをそれぞれ装填すると共に、中間金
型50の第2の中間入り子56内に回転子コア10を装
填する。そして、以下は、先の実施形態と同様、型締め
して、この金型30a,40a,50内に熔融銅を射出
し、導体カゴ型20のバー21及びエンドリング22を
形成する。
【0035】以上、この実施形態の金型30a,40
a,50を用いた場合も、先の実施形態と同様に、導体
カゴ型20を銅のダイキャストで形成しているので、精
度の高い製品を容易に多数製造することができる。ま
た、モータ効率を高めるため導体カゴ型20を銅のダイ
キャスト法で形成しているものの、導体カゴ型20を形
成する熔融銅は、金型とほとんど接触しないので、金型
の損傷を抑えられ、金型寿命を伸ばすことができる。ま
た、先の実施形態では、導体カゴ型20とエンドリング
被覆部材25aとを、それぞれ、まったく別の金型で形
成したが、この実施形態では、それぞれを、共有部分
(固定金型30a、可動型金型40a、中間金型枠5
5)を有する金型30a,40a,50で形成したの
で、金型製造コストを低減することができる。
【0036】なお、この実施形態では、熔融銅が通るプ
ランジャー61等と、熔融アルミニウム合金が通るプラ
ンジャー61等とは、同一のものであるが、それぞれの
金属専用のプランジャー61等を設けてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、複数のバー及び一対の
エンドリングで形成される導体カゴ型をダイキャスト法
で一体成型しているので、複数のスロットバーと一対の
エンドリングとを接合する手間や、これらを機械加工す
る手間を省くことができると共に、金型さえ正確に製作
すれば、精度の高い製品を容易に多数製造することがで
きる。
【0038】また、導体カゴ型は、導電率の高い銅又は
銅合金で形成しているので、大きな電流を流しても発熱
量が小さく、2次銅損が低減でき、モータ効率を向上さ
せることができる。しかも、ダイキャスト法で導体カゴ
型を形成する過程において、導体カゴ型を形成する熔融
銅は、回転子コアやエンドリング被覆部材と接触し、金
型自体には、ほとんど接触しないので、金型の損傷を押
えることができる。また、エンドリング被覆部材は、導
体カゴ型を形成する金属の融点よりも低い融点の金属で
形成されているので、このエンドリング被覆部材を製造
する過程で使用する金型に関しても、損傷を抑えること
ができる。従って、モータ効率を高めるため導体カゴ型
を銅のダイキャスト法で形成しているものの、金型寿命
が長くなり、生産コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態としてのカゴ型回
転子の断面図である。
【図2】本発明に係る第2の実施形態としてのカゴ型回
転子の断面図である。
【図3】本発明に係る第1及び第2の実施形態としての
カゴ型回転子の回転子コア片の斜視図である。
【図4】本発明に係る第1及び2の実施形態としてのカ
ゴ型回転子の回転子コアの断面図である。
【図5】本発明に係る第2の実施形態としてのカゴ型回
転子のエンドリング被覆部材の断面図である。
【図6】本発明に係る第2の実施形態としてのカゴ型回
転子を形成するための金型(型開き状態)の断面図であ
る。
【図7】本発明に係る第2の実施形態としてのカゴ型回
転子を形成するための金型(型開き状態で、エンドリン
グ被覆部材の装填状態)の断面図である。
【図8】本発明に係る第2の実施形態としてのカゴ型回
転子を形成するための金型(型開き状態で、エンドリン
グ被覆部材及び回転子コアの装填状態)の断面図であ
る。
【図9】本発明に係る第2の実施形態としてのカゴ型回
転子を形成するための金型(型締め状態)の断面図であ
る。
【図10】本発明に係る第2の実施形態としてのカゴ型
回転子を形成するための他の金型(エンドリング被覆部
材の成型時)の断面図である。
【図11】本発明に係る第2の実施形態としてのカゴ型
回転子を形成するための他の金型(導体カゴ型の成型
時)の断面図である。
【符号の説明】
10…回転子コア、11…回転子コア片、12…回転子
コアの端面、13…スロット、14…回転軸挿通孔、1
5…絶縁材、20…導体カゴ型、21…バー、22…エ
ンドリング、25,25a…エンドリング被覆部材、2
6…冷却用羽根、27…バランスピン、30,30a…
固定金型、31,31a…固定側入れ子、40,40a
…可動金型、41,41a…可動側入れ子、50…中間
金型、51…第1の中間入れ子、56…第2の中間入れ
子、61…プランジャー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑原 平吉 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 大曽根 靖夫 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 妹尾 正治 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所産業機器事業部内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材によって回転軸を中心として円筒状
    に形成されている回転子コアと、導体で形成され円筒状
    の該回転子コアの一方の端面から他方の端面へ貫通して
    いる複数のバーと、導体で形成され円筒状の該回転子コ
    アの両端面にそれぞれ対向し且つ複数の該バーの端部と
    接続されている一対のエンドリングとを備えているカゴ
    型回転子において、 前記バー及び前記エンドリングは、銅又は銅合金で形成
    され、 前記バー及び前記エンドリングを形成している金属より
    も融点の低い金属で形成され、前記エンドリングの表面
    のうち、前記回転子コアの前記端面と対向していない表
    面を覆うエンドリング被覆部材を備えていることを特徴
    とするカゴ型回転子。
  2. 【請求項2】請求項1記載のカゴ型回転子において、 前記エンドリング被覆部材は、アルミニウム又はアルミ
    ニウム合金で形成されていることを特徴とするカゴ型回
    転子。
  3. 【請求項3】請求項1記載のカゴ型回転子において、 前記エンドリング被覆部材は、亜鉛合金で形成されてい
    ることを特徴とするカゴ型回転子。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3記載のカゴ型回転子に
    おいて、 前記エンドリング被覆部材には、冷却用羽根及び/又は
    バランスピンが形成されていることを特徴とするカゴ型
    回転子。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4記載のカゴ型回転
    子において、 導体で形成されている前記バー及び前記該エンドリング
    と、磁性材で形成されている前記回転子コアとの間に配
    されている絶縁材を備え、 前記絶縁材は、セラミックスで形成されていることを特
    徴とするカゴ型回転子。
  6. 【請求項6】磁性材によって回転軸を中心として円筒状
    に形成されている回転子コアと、導体で形成され円筒状
    の該回転子コアの一方の端面から他方の端面へ貫通して
    いる複数のバーと、導体で形成され円筒状の該回転子コ
    アの両端面にそれぞれ対向し且つ複数の該バーの端部と
    接続されている一対のエンドリングとを備えているカゴ
    型回転子の製造方法において、 前記回転子コアを形成する回転子コア形成行程と、 前記エンドリングの表面のうち、前記回転子コアの前記
    端面と対向していない表面を覆うエンドリング被覆部材
    を、前記バー及び前記エンドリングを形成する材料より
    も融点の低い金属で形成する被覆部材形成行程と、 完成した段階でのカゴ型回転子が収まる空間が内部に形
    成されている金型を用い、該金型の内部空間に、前記被
    覆部材形成行程で形成した前記エンドリング被覆部材及
    び前記回転子コア形成行程で形成した前記回転子コアを
    装填し、銅又は銅合金を溶融し、この溶融金属を該金型
    の該内部空間であって前記エンドリング及び前記バーが
    占める空間に注入して、該エンドリング及び該バーを形
    成する導体カゴ型形成行程と、 を有していることを特徴とするカゴ型回転子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】請求項6記載のカゴ型回転子の製造方法に
    おいて、 銅又は銅合金で形成される前記バー及び前記該エンドリ
    ングと、磁性材で形成される前記回転子コアとの間に配
    され、該バー及び該エンドリングを形成する金属よりも
    融点の高い絶縁材を形成する絶縁材形成行程を有し、 前記回転子コア形成行程後であって前記カゴ型形成行程
    前に、前記絶縁材形成行程を行なって、前記回転子コア
    に前記絶縁材を施すことを特徴とするカゴ型回転子の製
    造方法。
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