JPH10171222A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH10171222A
JPH10171222A JP35292896A JP35292896A JPH10171222A JP H10171222 A JPH10171222 A JP H10171222A JP 35292896 A JP35292896 A JP 35292896A JP 35292896 A JP35292896 A JP 35292896A JP H10171222 A JPH10171222 A JP H10171222A
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JP35292896A
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Noriyoshi Tarumi
紀慶 樽見
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 感光体表面上に形成した低抵抗層上に一成分
現像液を保持させ、この現像液を露光及び転写電界の作
用により転写材に転写することにより、一様帯電するた
めのコロナ帯電装置を用いることなく安定した画像を形
成する。 【解決手段】 電極側から露光可能な透光性感光体2内
に露光装置を配設すると供に、その表面に、一成分現像
液を保持させる現像液供給装置と、一成分現像液を保持
した感光体表面に転写材を対向させた状態で転写電界を
形成する転写装置とを設ける。そして、感光体表面の光
導電層と現像液保持層24との間に低抵抗層26を設け
ることにより、感光体を電気的に均一な状態にして、現
像剤保持層上の画像露光を受けた部分の現像液をの液滴
を安定して均一に転写材に転移あるいは飛翔せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の画像形成装置に係り、詳しくは、
少なくとも光導電体層を有する感光体と、該感光体表面
に互いに独立した無数の微小単位の液滴状に一成分現像
液を保持させる現像剤保持層と、該一成分現像液が保持
されている感光体に像露光を行う露光装置と、該露光装
置による感光体の露光箇所において、感光体と転写材と
の間に転写電界を形成する転写装置とを備えた画像形成
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルワープロ、パーソナル
コンピュータの普及により、文書作成の電子化が促進さ
れ、小型低コストで一層性能の良い、すなわち、画質記
録速度においても、品質の良好な、プリンタへの要求が
増大している。加えて、パーソナル性を高めるのに、安
全性、環境性(環境汚染が少ないこと)、省エネルギー
性などの要求も増大している。従来、パーソナルな画像
形成装置としては、熱記録方式やインクジェット方式の
ものが普及しているが、それぞれ次のような問題点が残
されている。すなわち、熱記録方式では高記録速度を得
にくく、記録体の選択の余地が狭いという問題点があ
り、特に熱転写タイプのものではインクリボン使用によ
るランニングコストの負担増や廃棄物発生による環境汚
染という問題点がある。また、インクジェット方式で
は、インクが噴射されるノズルがつまり易く、信頼性に
問題があり、マルチノズル化が困難なため高記録速度も
得にくい。またノズルの微細化が困難なため、画質向上
にも限界がある。これらの記録方式に比して電子写真方
式の記録方法は、画質、記録速度にすぐれ、かつ種々の
記録紙を使用できるなど、大きい長所を有するため、今
後とも注目され発展性の大きい技術である。しかし画像
形成のための工程が多く、装置が大型、重い、大きい、
低コスト化が困難であった。
【0003】そこで、電子写真方式による画像形成装置
において、作像工程の簡素化、小型化、低コスト化、保
守性の向上を狙いとして、透光性基体、透光性電極層、
光導電体層より構成される透光性感光体を使用し、該透
光性感光体表面にトナー層を形成した後に、該透光性感
光体の背面側(透光性基体側)から、LEDアレイ、L
CDシャッタアレイなどよりの画像光により画像露光を
行うと同時に、光像に対応した部分の現像剤を転写紙上
に転写せしめる装置(以下、背面露光方式の画像形成装
置という)が各種提案されている。
【0004】〔従来技術1〕例えば特開昭56ー133
749号公報や特開昭52−58539号公報では、帯
電した現像剤とは逆極性に感光体を全面帯電せしめた後
に、現像剤を感光体上に一様に付着させ、外部電界の作
用下で感光体に光照射を行い、光像に対応した部分の現
像剤を転写紙上に転写せしめる装置が提案されている。
【0005】〔従来技術2〕更に、この種の背面露光方
式の画像形成装置において、高電圧をなくし、オゾン発
生を防止し、環境問題のない安全な画像形成装置の研究
もなされ、例えば特開昭59ー216161では、透明
支持体、透明電極層、光半導体と、磁性体からなる電極
を積層してなる感光体を使用し、感光体を帯電器で帯電
させることなく該電極に磁力で吸着させたトナーを、前
記透明支持体側より、前記透明電極層を、記録パターン
に応じて照射することにより、被記録体に転移させる装
置が提案されている。
【0006】〔従来技術3〕また、特開平1ー2778
49では、透明支持体上に透明電極層、光導電体層、最
表面層とを積層して形成した感光体表面上に荷電トナー
薄膜層を形成し、前記感光体裏面から画像光照射を行い
記録体上にトナー画像を形成する画像形成方法におい
て、前記最表面層を主として高濃度フッ素原子を含有す
る層とし、感光体を帯電器で帯電させることなく前記最
表面層との接触摩擦によりトナーを荷電するとともに、
前記最表面層中のフッ素原子と上記トナーとのクーロン
引力により、前記最表面上に荷電トナー薄膜層を形成す
る画像形成方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術1では、感光体の全面帯電のために帯電装置を用いる
ので、帯電装置の高電圧使用とオゾンの発生という安全
性、環境問題を有し、小型化、パーソナル化が困難であ
った。また、上記従来技術2では、磁性トナーを使用す
る必要があるため、カラー画像を形成するのには不向き
であるという問題点が残されている。また、上記従来技
術3では、乾式トナー溜り中で感光体表面を移動させて
該表面とトナーとの接触によりトナーを帯電させてその
まま記録体へのトナー画像形成に使用しているので、乾
式トナー同士の凝集により感光体表面上に付着している
帯電の不安定なトナーもそのまま記録体と対向する領域
まで搬送され、画像のカブリや汚れの原因になる恐れが
あるという問題点が残されていた。
【0008】なお、乾式トナーを使用するものでは記録
紙上にトナー像を定着する定着装置で大きなエネルギー
を必要とするという問題点もあった。この点、上記特開
昭52−58539号公報の装置では二成分現像液を使
用しているので、定着装置で使用するエネルギーを比較
的少なくできる。しかし、二成分現像液であることか
ら、二成分現像液のトナー濃度のコントロールのための
装置が必要であり、またトナー凝集による画像劣化や、
現像剤(キャリア液)の耐久性の問題も残されている。
【0009】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であり、その目的とするところは、感光体を一様帯電す
るためのコロナ帯電装置を用いることなく画像を良好に
形成できるとともに、定着に必要とするエネルギーを極
めて小さくできる形成装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1乃至5の画像形成装置は、少なくとも光導
電体層を有する感光体と、該感光体表面に互いに独立し
た無数の微小単位の液滴状に一成分現像液を保持させる
現像剤保持層と、該一成分現像液が保持されている感光
体に像露光を行う露光装置と、該露光装置による感光体
の露光箇所において、感光体と転写材との間に転写電界
を形成する転写装置とを備えた画像形成装置であって、
上記光導電体層上に低抵抗層を設けたことを特徴とする
ものである。
【0011】請求項1乃至5の画像形成装置において
は、まず、感光体表面に一成分現像液を保持させる。そ
して、一成分現像液を保持した感光体表面に転写材を対
向させるとともに該感光体と該転写材との間に転写電界
を形成する直前、あるいは、該転写電界を形成した状態
で感光体に像露光を行う。これにより、該像露光に応じ
て抵抗が低下した感光体部分上の一成分現像液を、該転
写電界により転写材に転写する。ここで、この画像形成
装置においては、感光体表面上に、互いに独立した無数
の微小単位の液滴状に前記現像液を保持させて、転写電
界下での像露光により抵抗が低下した感光体部分から、
該感光体部分上の現像液に注入された電荷が、周りの液
滴を構成する現像液へ移動しにくくする。これにより、
感光体部分からの電荷注入を、該感光体部分上の現像液
の液滴のそれぞれに対して集中的に起こして液滴のれぞ
れを転写材に向けて容易に転移あるいは飛翔させる。そ
して、この光導電体層形成時の塗布ムラ、光導電体層成
分の分散不良、ピンホール等の発生による集中放電など
によって、帯電が不均一になるおそれのある光導電体層
上に低抵抗層を設け、光導電体層に帯電ムラが生じてい
てもその上層の低抵抗層で電気抵抗の部分間での格差を
小さくする。これにより、感光体表面に保持された互い
に独立した無数の微小単位の液滴状の現像剤が均一に帯
電されるようにするとともに、現像液の転写あるいは飛
翔する電界を均一にする。
【0012】特に、請求項2の画像形成装置は、請求項
1の画像形成装置において、上記低抵抗層の比抵抗を1
3〜1012Ωcmとしたことを特徴とするものである。
【0013】請求項2の画像形成装置においては、低抵
抗層の比抵抗を1012Ωcm以下にして、低抵抗層が光導
電体層の露光部分に発生する電荷の現像液への移動がブ
ロックされることを防止し、また、低抵抗層の比抵抗を
103Ωcm以上にして、上記露光部分に発生し低抵抗層
に注入される電荷が、電荷が注入されていない低抵抗層
の部分に流れることを防止する。
【0014】また、特に、請求項3の画像形成装置は、
請求項1又は2の画像形成装置において、上記低抵抗層
を高分子化合物で形成したことを特徴とするものであ
る。
【0015】請求項3の画像形成装置においては、低抵
抗層の材質を高分子化合物で構成することで塗布によっ
て容易に形成できるようにし、低抵抗層を低抵抗あるい
は導電性微粉末をバインダーに分散せしめて塗布して形
成する方法に比して光導電体層上への均一な分散を容易
にする。
【0016】また、特に、請求項4及び5の画像形成装
置は、請求項1、2又は3の画像形成装置において、上
記現像液保持層を、上記低抵抗層よりも一成分現像液が
付着しやすい材質からなる無数の微小単位の表面部分を
上記低抵抗層上に互いに独立して散在させることにより
構成したことを特徴とするものである。
【0017】請求項4及び5の画像形成装置において
は、低抵抗層よりも一成分現像液が付着しやすい材質か
らなる無数の微小単位の表面部分に現像液を付着させる
ことで、感光体表面上に現像液を互いに独立して散在す
る無数の微小単位の液滴状に保持させる。
【0018】特に、請求項5の画像形成装置は、請求項
4の画像形成装置において、上記低抵抗層を、該低抵抗
層上に一成分現像液が付着しにくい材質で構成したこと
を特徴とするものである。
【0019】請求項5の画像形成装置においては、低抵
抗層を一成分現像液が付着しにくい材質で構成し、上記
低抵抗層よりも一成分現像液が付着しやすい材質からな
る無数の微小単位の表面部分以外の部分に現像液が付着
しにくくして、感光体表面上により容易に互いに独立し
て散在する無数の微小単位の液滴状に現像液を保持させ
る。
【0020】そして、以上の画像形成方法及びその装置
において、装置の小型化のためには、感光体として透光
性電極層上に光導電体層を積層してなるものを使用し、
像露光を該透光性電極層側、つまり感光体の背面側から
行うようにすることが望ましい。
【0021】また、一成分現像液としては、比抵抗で1
3〜1012Ωcmの範囲内の導電度を有するものを使
用することが望ましい。この範囲よりも比抵抗が小さい
と、現像液内の電荷移動速度がはやすぎて、荷電状態で
の液滴の電界移動よりも先に、感光体から現像液内注入
された電荷が液滴表面に移動して転写材へ移動してしま
い、転写材への十分な現像液移動量を確保できずに、十
分な画像濃度が得られなくなる恐れがある。また、この
範囲よりも比抵抗が大きいと、感光体から現像液への電
荷注入が困難で、現像液の帯電が難しくなる。但し、感
光体表面に高抵抗体乃至絶縁体の層を形成すれば、上記
範囲よりも小さい比抵抗の現像液を使用できる。また、
感光体との摩擦帯電や電場内での分極帯電が可能な現像
液を用いる場合には、上記範囲よりも大きな現像液を使
用できる。
【0022】更に、現像液は、電場内で動く状態を取り
得る着色液体であれは、水性、油性を問わないが、安全
性や環境汚染防止のためには、一成分現像液としては水
系の現像液(水性インク)を用いることが望ましい。
【0023】また、上記転写材として、中間転写体を用
い、該中間転写体に転写された現像液像を転写紙などの
最終的な転写材に更に転写するようにしても良い。この
中間転写体としては、導電性あいるは半導電性材料より
なるものを使用しても良いし、高抵抗あるいは絶縁性フ
ィルムからなるものを使用しても良い。また、上記中間
転写体の形状はローラ形状でもベルト形状でも良い。更
にこの中間転写体は、表面の転写層と、転写バイアス電
圧印加可能な導電性を有する電極層との積層構造で構成
しても良い。また、上記中間転写体から最終的な転写材
への現像液像の転写は、押圧手段を用いた押圧転写、あ
るいは、該押圧及び転写バイアス電圧印加による転写な
どにより行うことができる。更にこのベルト状の中間転
写体表面に対向させて、内部に感光体を含む現像液供給
装置を複数配設し、ベルト上で現像液像を重ね合わせた
後に、転写紙などに一度に転写するようにしても良い。
この感光体を含む現像液供給装置も画像形成装置本体に
対して脱着可能に構成することが望ましい。
【0024】また、例えば搬送ベルトなどにより転写紙
などの最終的な転写材を装置内で搬送し、該搬送ベルト
による転写紙搬送路に対向させて、内部に感光体を含む
現像液供給装置を複数配設し、最終的な転写材上で現像
液像を逐次重ね合わせて転写するようにしても良い。こ
の感光体を含む現像液供給装置も画像形成装置本体に対
して脱着可能に構成することが望ましい。
【0025】なお、上記内部に感光体を含む現像液供給
装置を複数配設する場合、この複数の現像液供給装置と
して、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、ブラック色
の一成分現像液をそれぞれ収容した、合計4つの現像液
供給装置を使用すれば、フルカラー画像を形成すること
ができる。
【0026】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に係る画
像形成装置の一例の主要部を示すものである。 この画
像形成装置は、電極側から露光可能な透光性感光体(以
下感光体という)2を備えている。この感光体2は、後
に図2を用いて説明するように、透光性基体23上に透
光性電極層22が形成され、該透光性電極層22上に光
導電体層21が形成され、更に、該光導電体層21の上
に一成分現像液を保持するための現像液保持層24が形
成されて構成されている。図示の例の感光体2はドラム
状構造となっているが、ベルト状構造であっても良い。
【0027】ここで、本実施形態の感光体2には、一成
分現像液(以下、現像液という)の連続層ではなく、図
1に模式的に示される如く前記一成分現像液が微小な単
体に分割された状態、すなわち液滴状であって、後述す
る如く、転写位置Tにおいて、露光Eと実質的に同時に
転写バイアス電圧を印加することにより、露光量に対し
て飛翔可能に好都合な付着力にて存する如く、現像液の
層が形成される。この液滴の大きさは、小さい方が最終
的に形成される画像の解像度を向上せしめるため望まし
く、平均粒径200μ以下より好ましくは100μ以下
である。このような液滴状に現像液を付着させるための
感光体2の構造例については後に図2及び図3を用いて
詳述する。
【0028】この感光体2の背面側、すなわち透光性基
体側(図示の例では中空のドラム状感光体内)に、露光
装置1が配設されている。この露光装置1は、例えば、
LEDアレイや、該LEDアレイ光を前記感光体1の光
導電体層の好都合な位置に焦点させるための例えばセル
フオックレンズアレイの結像光学系から構成される。L
CDシャッタアレイ、レーザー光を使用する露光系から
構成しても良い。
【0029】そして、感光体2の表面側には、該表面に
対向するように現像液供給装置3が配設されている。こ
の現像液供給装置3は、一成分現像液を収容する現像液
容器36、該現像液容器内の現像液を感光体2表面に供
給する現像液供給部材31、該現像液供給部材32によ
り感光体2表面に供給された現像液のうちの過剰分を除
去する現像液薄層形成部材32により構成される。
【0030】上記現像液供給部材31は、現像液容器3
6内の一成分湿式現像液10を、好都合な量だけ感光体
2上に均一に供給すべく設けられるものであり、通常、
現像液10を搬送可能なロ−ラが使用される。
【0031】この現像液供給部材31として好都合なロ
−ラとしては、一成分湿式現像液10と親和な表面を有
するロ−ラ、例えば、前記現像液10が水系であれば、
金属あるいは金属酸化物により形成されるロ−ラ、高分
子有機化合物中に親水性の微粒子を含有する材より形成
されるロ−ラ、加えて表面に凹凸を有するロ−ラなど使
用することができる。
【0032】また、この現像液供給部材として好都合な
ロ−ラとしては、スポンジロ−ラを考慮することができ
る。スポンジロ−ラの材質としては、ウレタンゴム、シ
リコ−ンゴム、イソプレンゴムなどのスポンジゴム、ウ
レタンフォ−ム、ポリエチレンフォ−ムなどの発泡樹脂
などの弾性多孔質材を使用することができる。前記現像
液10が水系であれば前記スポンジロ−ルが親水処理さ
れていることが望ましい。
【0033】なお、現像液供給部材31を、現像液を毛
細管現象で含み得る材質あるいは親水性を有するスポン
ジ状弾性体にて現像液供給部材31を形成することによ
り、また、下端が現像容器3の底部、すなわち現像液の
底部にまで達する如く該現像液供給部材31を設けるこ
とにより、画像濃度を維持しながら経済的に現像容器3
内の現像液を使用することができるという利点を実現で
きる。
【0034】上記現像液薄層形成部材32は、感光体2
上に形成される前記現像液の量をコントロ−ルするある
いは前記現像液の微小単位の大きさをコントロ−ルする
ために設けられるものであるが、感光体2上に形成され
る現像液の微小単位の量、大きさが前記の現像液薄層形
成部材32がなくとも好都合であれば必ずしも必要とす
るものではない。
【0035】また、感光体2の表面に対向するように、
転写装置4が配設されている。図示の例では、感光体2
の表面に間隙をおいて対向する転写電界形成用の電極と
して導電性のロ−ル(以下、転写ローラという)41が
使用されている。ローラ形状に代えベルト状の電極を用
いても良い。この転写ローラ41に、感光体電極との間
に転写バイアス電圧を印加せしめるための電源42が接
続されている。前記転写位置Tにおける転写ロ−ラ41
と感光体2との間隙及び前記転写バイアスは、前記親水
性の島241上に形成される現像液の液滴が露光装置1
による画像露光に対応して感光体より転写ロ−ラ41に
向けて転写あるいは飛翔するのに好都合に設定される。
好ましい転写ロ−ラ41と感光体2との間隙は、10μ
〜2000μ、より好ましくは50μ〜1000μであ
る。また、好ましい転写バイアス電圧は、100V〜5
000V、より好ましくは500V〜2000Vであ
る。 (以下、余白)
【0036】そして、この転写ローラ41と感光体表面
との間を、転写ロ−ラ41に接触して又感光体側の面を
感光体と好都合に離間した状態にて通過するように、図
示を省略した転写紙搬送装置により転写材としての転写
紙11が搬送されるようになっている。この搬送は、前
述の露光装置1の画像露光速度に対応した速度で転写紙
11を搬送するように行われるようになっている。な
お、感光体2は前記転写紙11の搬送速度に等しいか又
はこれより大きい周速にて駆動されることが、画像濃度
を向上するため望ましい。
【0037】以上の構成において、現像液供給装置3に
おいて、現像液供給部材31により、感光体2上に現像
液の均一な多数の微小単位による層を形成し、必要に応
じて設けられる現像液薄層形成部材32により各微小単
位の大きさ、各微小単位を形成する現像液量を、作像を
行うのに好都合に制御する。そして、この現像液による
層102を、図示されていない駆動系による感光体2の
回転で転写位置Tへ搬送する。転写位置Tにおいて、露
光と実質的に同時に転写バイアス電圧を印加することに
より感光体2上の光導電体層の露光部に対応する位置に
在る前記現像液の微小単位の全部又は一部を転写紙11
に向かって飛翔させる。これにより、転写紙11上に像
露光に応じた現像液からなる像を形成できる。像形成後
の転写紙11に対して必要に応じ送風などを行っても良
い。
【0038】なお、図1(b)は、図1(a)において
現像液供給部材31を省いた画像形成装置を示してい
る。この装置によれば、比較的簡単な構成でコストも小
さくできる。この図1(b)の画像形成装置は、簡単な
構成であるが、現像容器3内の液面が常に感光体2の表
面に接するように制御するための液面制御装置が必要で
ある。この液面制御装置としては、例えば、所望の液面
位置を検知するセンサとして光電変換素子、ピエゾ素子
により液面位置を検知することにより、液面位置を保つ
べく現像容器36を移動せしめるかあるいは新しく現像
液を補給するかする。
【0039】また、図1(a),(b)の例において
は、最終記録体である転写紙11へ直接記録する方式と
なっているが、前記のバイアスロ−ラ、あるいはバイア
スベルトを中間転写体とし、該バイアスロ−ラ、バイア
スベルト上に現像液液滴による画像を形成せしめ、第二
の転写位置にて最終転写材上に押圧転写などにより画像
形成を行うこともできる。
【0040】次に、図2及び図3を用いて、前述のよう
に、感光体2の表面に現像液10の微小な単位を、大き
さや形状が均一になるように形成せしめるのに好都合な
感光体2の構造例について説明する。ここで、環境汚染
の問題を解決するのに水系の湿式現像液を使用するのが
望ましい。よって、以下の感光体表面の構造例では、一
成分現像液10を水系とした場合の構造について説明す
る。
【0041】図2(a)〜(f)の構造例において、前
記透光性基体23、透光性電極22、光導電体層21及
び低抵抗層26は、各構造例に共通であるが、前記現像
液の微小な単位を形成するのに好都合な現像液保持層2
4の構造が互いに異なる。このうち、上記低抵抗層26
は本実施形態の特徴部なので後に詳述し、それに先だっ
て低抵抗層26以外の構成について以下に説明する。
【0042】上記透光性基体23の材料としては、各種
ガラスあるいはアクリル樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リサルフォンなど透光性を有する高分子化合物を広く使
用することができる。
【0043】また、上記透光性電極層22の材料として
は、銅、錫、銀、金、アルミニウム、パラジウムなど金
属の蒸着薄膜、ITO(In,Snの化合物)の蒸着膜
あるいはITOなど透明な導電性微粉末の透明な樹脂バ
インダ−分散体による塗布層など使用することができ
る。
【0044】また、上記光導電体層21の材料として
は、Se系材料の蒸着層、スパッタリングにより形成さ
れるアモルファスシリコン膜、ZnO、TiO2、Cd
S系材料などの無機光導電性微結晶を樹脂などのバイン
ダ−に分散した系による層、また、有機感光体など好ま
しく使用することができる。
【0045】図2(a)の例は、光導電体層21の表面
に親水性材よりなる微小な島を好都合な間隙を有して設
けたものである。感光体は通常疎水性であるから、本例
の前記水系の現像液は選択的に親水性の島に付着し、該
島の大きさに対応して、現像液の微小単位の大きさが決
定される。従って、親水性の島241の大きさは、例え
ば、円状模様に形成せしむる場合、200μ以下、好ま
しくは100μ以下に形成される。
【0046】また、前記親水性材よりなる多数の島の間
隔は、該島に形成される現像液の微小単位がそれぞれに
独立できる、すなわち、互いに近傍の前記現像液の微小
単位が接触して一体化することがない範囲内で、できる
だけ小さく決定されることが望ましい。
【0047】図2(a)の例における親水性の島241
は種々の形状を取ることができる。前記の如く感光体表
面において円形状であることが望ましいが、四角、六角
などの角状であってもよいし、不定形の微小模様であっ
ても良い。各親水性の島は規則正しく配列しても良い
し、ランダムに設けても良い。
【0048】好都合な親水性を有する材料としては、多
くの無機化合物、例えば、TiO2、ZnO、SiO2、
Al2O3などの各種酸化物、CuCO3、BaSO4、な
どの塩類など、好都合に使用することができる。また、
これらの無機化合物の表面を親水化処理を行うことによ
り好都合な材料を得ることができる。
【0049】また、親水性を有する有機化合物、特に、
親水性を付与された高分子は、特に好都合な材料であ
る。高分子が親水性を有するためには、分子鎖に沿って
親水性2極性基をもたなければならない。しかしなが
ら、あまりに該親水性基の極性が多くなると、水に溶解
してしまい、前記の感光体上に親水性の島を形成せしめ
ても前記水系の現像液に対して前記親水性の島が溶解
し、感光体上への定着性が失われ感光体の多数回使用に
耐えられなくなり、いわゆる耐久性が失われる。従っ
て、高分子を親水性化する場合、水に溶解しない程度
に、親水性の極性基を付与しなければならない。
【0050】高分子に親水性を付与する極性基の種類と
しては、下記例を挙げることができる。
【0051】
【表1】
【0052】前記の如く形成した親水性のポリマ−に対
して、架橋剤としてエポキシ基、イソシアネ−ト基など
の環能基を一分子中に2以上有する有機化合物を含有せ
しめることは、親水性ポリマ−の接着性、機械的性質、
耐久性を向上する上で望ましい。
【0053】前記図2の如く、感光体2の表面に、親水
性の島241を設ける方法としては、前記親水性の無機
化合物の場合は、感光体2の光導電体層表面に対して多
数の微小な開口を有するマスクを密着せしめた状態に
て、真空蒸着法あるいはスパッタリング法により、前記
マスクの開口部に親水性の無機化合物を付着せしめるこ
とにより、該親水性の無機化合物による多数の微小な島
を形成することができる。
【0054】感光体2の表面に親水性の島241を設け
る他の方法として、前記親水性の無機化合物の微粒子、
あるいは、セルロ−スなどの親水性有機化合物の微粒子
を、樹脂バインダ−に分散した材料を、例えば、印刷技
術により、前記感光体2の表面に対して微小な多数の島
として印刷することにより、感光体2の表面に親水性の
多数の微小な島を形成せしめることができる。こような
印刷技術としては、例えば、シルクスクリ−ン印刷など
マスクによる謄写印刷、凸版印刷、インクジェット法な
ど好都合に用いることができる。
【0055】また、前記親水性の微粒子を樹脂バインダ
−に分散した系と、前記感光体2の全面に塗設した後に
機械的に削り、好都合な寸法に、親水性の島を残すこと
により前記感光体上に親水性の島を形成することができ
る。
【0056】前記親水性のポリマ−により感光体2の表
面に、親水性の島を設ける方法としては、前記樹脂バイ
ンダ−型の親水性材料にて親水性の島を設ける方法と同
様な方法を好都合に用いることができる。
【0057】図2(b)は、図2(a)の平面状に親水
性の島を設けた場合と異なり、突状に該親水性の島を設
けた場合の構造を示している。通常、前記感光体2の表
面に形成される親水性の島は、導電性あるいは半導電性
であることが望ましく、親水性材は導電性あるいは半導
電性である(この点は、図2(a)の例でも同様。)
【0058】かくの如く、前記親水性の島が導電性ある
いは半導電性である場合、該親水性の島は電極となり、
前記の如く転写バイアスの印加と実質的に同時に感光体
背面より画像露光を行うことにより、露光部に対応する
親水性の島に感光体より電荷が注入される。このため、
図1における如く転写紙11への現像液の転移あるいは
飛翔を容易にする。よって、前記親水性の島が絶縁体で
ある場合に比して、低い転写バイアス電圧での現像液の
転写材への移動を可能にする。
【0059】図2(b)における構造は、前記の如く、
親水性の島が突状であるため、該親水性の島が導電性で
あれば、該突状の先端部の電荷密度が大きくなり、より
一層、親水性の島よりの現像液の転写材への移動を容易
にする構造となっている。また、親水性の島が突状であ
れば、先端部に付着する現像液を優先的に転写材へ向け
て移動せしめ得る。
【0060】図2(c)は、図2(a)、(b)の如
く、感光体の光導電体層21上に直接に親水性の島を設
ける構造に対して、感光体表面へ疎水性の薄層243を
形成し、該疎水性薄層の上に親水性の島を設けた構造を
示している。
【0061】図2(d)は、図2(a)、(b)に示さ
れる如く、感光体上に形成された親水性の島以外の感光
体表面が疎水性材にて被われた構造となっている。
【0062】図2(c)、(d)においては、親水性の
島241は導電性あるいは半導電性であり、疎水性材層
242は絶縁性あるいは高抵抗であることが高解像度の
画像を得る上で望ましい。
【0063】好ましい疎水性材層242としては、アク
リル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコン
樹脂、含フッ素樹脂などの有機樹脂類、シリコンオイル
などの撥水性オイル、あるいは、該オイル類を有機樹脂
中に含有せしめた材料などが使用される。
【0064】図2(e)は、感光体表面に設けた多くの
凹部を有する撥水性の材料層の凹部の底部に前記親水性
の材料を設けた構造を有している。より低い転写バイア
ス電圧にて、現像液の転写材への移動を生じさせるため
には、前記凹部の底は光導電体層21のフリ−な表面で
あることが望ましいが、必ずしも光導電体層21の表面
が表出しなくとも良い。図2(e)の構造においては、
前記凹部の内部に、凹部の形状、大きさに対応した現像
液の液滴が形成される。このため、各親水性の島241
に形成される現像液液滴の大きさが均一にコントロ−ル
されるという特徴を有する。図2(f)は、図2(b)
における突状を有する親水性の島241の存する部分の
他の感光体表面に撥水性の材料を設け、現像液の液滴形
成の信頼性をより高めた構造としたものである。
【0065】次に、本実施形態の特徴部としての低抵抗
層26について説明する。この低抵抗層26は、光導電
体層と現像液保持層24との間に設けられている。この
低抵抗層26の材料としては、ナイロン、カゼイン、セ
ルロース、ポリビニルアルコール、第4級アンモニウム
塩基、スルホン酸基、硫酸エステル基等のイオン性の官
能基を有する高分子等の高分子材料を使用することが好
ましい。また、低抵抗層26の比抵抗は、103〜10
12Ωcmとするのがよく、より好ましくは104〜1011
Ωcmとすのがよい。
【0066】ここで、上記低抵抗層26を設けない場合
は、光導電層に光導電体層形成時の塗布ムラ、光導電体
層成分の分散不良、ピンホール等の発生等によって電気
的不均一が生じ、電気力線の一点集中が起きるなどの帯
電ムラが生じることが考えられる。また、感光体の長期
に渡る使用によって感光体が部分的に電気的、機械的に
劣化し、電気的不均一が生じることが考えられる。そし
て、このような感光体の電気的不均一が生じると、現像
液保持層24上に液滴状に保持されている現像液の均一
な転移あるいは飛翔が困難になり、転移あるいは飛翔が
部分的あるいは一点集中的になるため、転写画像が著し
く損なわれるおそれがある。
【0067】本実施形態においては、光導電層と現像液
保持層24との間に低抵抗層26を設けることにより、
光導電層に電気的不均一が生じているような場合におい
ても、この低抵抗層26で電気抵抗の部分間での格差を
小さくすることができ、感光体表面に保持された現像液
を均一に帯電することができる。従って、現像液を保持
した感光体の電極層と転写材電極との間に画像露光、転
写バイアス印加する事により、現像剤保持層上の画像露
光を受けた部分の現像液をの液滴を安定して均一に転写
材に転移あるいは飛翔せしめることができ、良好な転写
画像を形成することができる。また、光導電層と現像液
保持層24との間に低抵抗層26を設けているので、感
光体の耐久性の向上を図ることができる。
【0068】また、図2(a)、(b)において、低抵
抗層26上に直接設けている微小な島241を親水性材
で形成している。この場合、低抵抗層26の材質として
は、疎水性材を用いるのがよい。低抵抗層26の疎水性
材としては、ナイロン、セルロース等の水に溶解しない
高分子材を用いることが考えられる。このように、感光
体表面を形成することにより、前記水系の現像液は選択
的に親水性の微小な島241に付着し、容易に現像液の
微小単位の液滴を形成することができる。一方、現像液
が油性である場合は、上記低抵抗材料としては、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール、前記イオン性の官能基を有
する高分子材を用いることが好ましく、上記微小な島と
しては、親油性材を用いることが好ましい。また、この
場合は、上記低抵抗層26を界面活性剤で表面処理する
ことが、より効果的である。
【0069】更に、本実施形態に示すように低抵抗層2
6上に直接現像液が付着しやすい材質からなる微小単位
を設けて、微小単位に現像液を付着させる場合は、上記
微小単位の比抵抗は、低抵抗層26の比抵抗よりも小さ
くすることが望ましい。
【0070】前記図2に記した方法の他に、光導電体層
上に親水性の多数の微小な島を形成せしめる方法とし
て、次の如き方法も用いることができる。すなわち、前
記の親水性材料により形成される微粒子、例えば、Ti
O2、ZnO2、SiO2、Al2O3、CaCO3、BaS
O4、BaTiO3などの親水性の無機化合物粒子、該無
機化合物粒子を親水性処理を施した粒子、親水性の有機
化合物粒子を前記疎水性の樹脂に分散した分散系を感光
体表面に塗設する方法を用いることができる。更にこの
方法において、必要に応じ親水性粒子を確実に表出せし
めるために、前記の塗設表面を研磨することも好都合で
ある。尚、塗設表面を研磨した後、例えば、界面活性剤
などによって親水化処理を行うことは、より好ましい。
【0071】また、前記の親水性の粒子を、図2におけ
る感光体の光導電体層中に分散せしめる方法も好都合な
方法である。この場合感光体が光導電性を有するZn
O、TiO2、CdSなどの粒子をバインダ−に分散し
た系であり、該光導電性粒子が親水性を有する場合はそ
のまま感光体表面に現像液の液滴を形成させることがで
きる。また、より確実に感光体の表面に現像液の液滴を
形成せしめるためには、前記光導電性粒子の他に確実に
親水性の粒子を、光導伝性粒子と一緒に感光体作成時に
混合分散することにより、本発明に好都合な感光体を形
成せしめることができる。
【0072】また、感光体の光導電体層が電荷発生層と
電荷移動層より構成される二層構成の有機感光体により
構成される場合は、電荷移動層中に前記親水性の粒子を
分散せしめる。このように感光体の光導電体層中に、親
水性の粒子を分散せしめる場合も、感光体表面を研磨
し、前記親水性粒子の自由表面を感光体表面に確実に表
出せしめて現像液の液滴を形成できる親水性材の多数の
島を形成することができる。この場合、低抵抗層26
は、透光性電極層と光導電体層の間に設けることが望ま
しい。
【0073】前記の現像液を担持する感光体表面と前記
転写装置の転写バイアスローラ(あるいはバイアスベル
ト)表面間の間隙は、充分に小さい方が印加するバイア
ス電圧を小さく設定することができるので望ましい。し
かしながら前記間隙を小さくする場合、前記感光体表面
とバイアスローラあるいはバイアスベルト表面との間に
転写材を通すときには前記の間隙の安定した維持は困難
である。従って感光体表面と転写材との間に、スペイサ
を設けることも好ましい方法である。
【0074】スペイサは、前記の現像液に対して親和性
のない材によって形成さることが望ましい。前記現像液
が水系であれば、スペイサ材質として例えば疎水性の材
料が使用される。疎水性の好都合な材料としては、含フ
ッ素樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹
脂、ポリエチレン樹脂など広く有機化合物を採用するこ
とができる。特に、4フッ化エチレン重合体、4フッ化
エチレン−6フッ化プロピレン共重体、ポリパーフルオ
ロアルコキン、4フッ化エチレン−エチレン共重合体な
どの含フッ素樹脂、シリコン樹脂など、非粘着性、疎水
性の大きい材料は、好ましい材料である。
【0075】また、通常、転写材は可撓性を有し変形を
発生しやすいので、転写材搬送中に安定に前記間隙を保
持するため、該スペイサが前記現像液に対して親和性の
ない材にて形成され、かつ、少なくとも転写領域におい
て転写材に現像液の転写が行われる領域の感光体表面と
転写材との間に介在して設けられることが望ましい。こ
のように、感光体表面と転写材との間に介在し、しかも
感光体表面から転写材への現像液の転移に支障を与えな
いスペイサ構造としては、メッシュスクリーン構造を用
いることができる。 (以下、余白)
【0076】前記スペイサとしてのメッシュスクリーン
の構造は、現像液が障害なくメッシュスクリーンの開口
部を通過すべく該メッシュスクリーンの開口率はできる
だけ大きく設定する。好ましくは、メッシュスクリーン
の開口部の一個一個が、前記感光体表面に形成される液
滴の一個一個と対応するべく、前記メッシュスクリーン
を形成する。この場合は感光体上の現像液液滴は、何ら
障害なく転写材へ移動することができる。
【0077】図3(a)、(b)はそれぞれ、前記スペ
イサとしてのメッシュスクリーン(以下、メッシュスク
リーンスペイサという)25を感光層21上に一体に設
けた例を示すものである。該メッシュスクリーンスペー
サ25の開口部の底部に、メッシュスクリーンスペーサ
25の厚みより小さい厚みに前記現像液と親和性のある
材料層(本例では現像液が水系であるので疎水性の材料
層)が形成され、これにより、親水性の微少な島241
が構成されている。この微小な島241を構成する上記
材料層の厚みは、前記メッシュスクリーンスペーサ25
に実質的に接して搬送される転写材の記録表面に、この
開口部内に形成される現像液の液滴の先端部が非露光時
は接触しないような厚みに形成されている。
【0078】なお、この図3(a),(b)それぞれの
例でも、図2の例と同様、透光性基体23、透光性電極
22及び光導電体層21で感光体を形成している。そし
て、図中、101は、光導電体層21上の親水性の島2
41上に形成された現像液の液滴を示している。また、
11は転写材、42は転写装置の電極である。転写電極
42と感光体電極22との間には、図示されていない転
写バイアス電圧が印加されている。該転写バイアス電圧
印加の状態で、画像露光Eを感光体の背面側(図3
(a)では透光性基体側)より照射することにより、前
記感光体表面に存する現像液の液滴101は、その全部
あるいは一部が転写材11上に移動し、像102を形成
する。
【0079】図3(b)では、図3(a)に対して親水
性の島241の表面積を小さくして、該親水性の島24
1上に形成される前記現像液の液滴の感光体表面への付
着力を小さくして、液適の大部分あるいは実質的に全部
が、一度に転写材へ向けて移動するように考慮した構造
を示している。
【0080】図3(c)、(d)はそれぞれ図3(a)
あるいは(b)のスクリーン状スペイサの構造例につい
ての平面構造例を示している。該スペイサの平面構造は
図3(c)、(d)に限定されるものではなく、必要に
応じて好都合な構造を考慮することができる。例えば、
図3(c)、(d)においては開口部251が円形であ
るが、例えば開口率を大きくするため四角形など角形と
してもよい。
【0081】これらの例では、スペイサスクリーン25
内に液滴がコンパクトされることにより、その寸法があ
る程度コントロールされるという特徴もある。
【0082】以上の感光体2の構造例は、前記したごと
く親水性の現像液を使用することを前提にしたものであ
るが、これらの基本的な構造は、疎水性の現像液を使用
することも可能である。そして、疎水性の現像液を使用
する場合には、例えば、図2の各例において、感光層2
1の上に形成される親水性の島241の部分を疎水性の
現像液と親和性のある材料にて形成し、該形成された疎
水性の島以外の感光体表面を親水化処理する。
【0083】例えば、図2(c)、(d)、(e)、
(f)において、241を該疎水性の現像液と親和性の
ある材料で形成し、242を親水性を有する前記の材料
にて形成することにより、疎水性の現像液を使用するこ
とが可能になる。
【0084】なお、前記図2の各構造例などにおいて、
多数の微少な親水性の島(あるいは疎水性の島)を形成
する場合、該親水性の島の寸法、形状は該島に付着して
形成される親水性の現像液の液滴の大きさ、付着力を決
定する要因となる。また、現像液の導電度、あるいは比
抵抗は、感光体2により前記親水性の島を通しての現像
液の帯電性を決定づける。
【0085】前記現像液の液滴の寸法は、小さい方が高
解像の画像が得られ望ましいが、この寸法が小さいほ
ど、所定の画像濃度を得るのに記録速度を小さくする必
要があるので、解像力と記録速度のバランスのとれた現
像液液滴の寸法を実現するの必要がある。また、現像液
の着色度との関係もある。また、前記感光体2上に形成
される前記親水性の島と該親水性の島に付着して形成さ
れる現像液の液滴の前記親水性の島に対する付着力は、
好ましくは前記現像液の液滴のすべて、あるいは大部分
が液滴粒子として飛翔するべく、比較的弱く形成される
ことが望ましい。
【0086】また、前記感光体2の表面に形成される現
像液の液滴の導電度は、あまりに大きい場合、転写電極
に近い前記液滴の表面の極く一部でのみ放電が発生し、
画像濃度が得られないため、前記顕像剤液滴の導電度は
比抵抗で表わす場合103〜1012Ωcmであることが
望ましい。
【0087】図4、図5は、本発明の画像形成装置にお
いて、現像液を担持する感光体2が現像液担持状態に
て、気中に長時間放置されることにより、感光体2の表
面にて現像液の固化が生ずることを防止し、常に、即座
に、すなわち感光体2上の固化した現像液をクリ−ニン
グすることなく安定して感光体表面上に現像液の均一な
液滴を形成することが可能な状態を実現するために性能
維持方法を提供するものである。
【0088】図4(a)においては、感光体2及び現像
液を有する現像容器3が一体的にユニット化されてい
る。すなわち、開口部Oを有する現像容器3内に感光体
2を設け、該開口部Oに画像形成を行わない非動作時は
これを閉鎖して現像容器3を密閉するシャッタ−を設け
ている。
【0089】かくの如く、表面に現像液を担持する感光
体2を現像液とともに現像液容器3内に密閉することに
より、現像液容器3内における現像液10の溶媒蒸気圧
を高め、前記感光体上の現像液の溶媒の蒸発による現像
液固化を防止する。図4(a)において、3は前記現像
容器、1は露光装置、2は感光体、10は現像液、32
は必要に応じて設けられた現像液量規制部材である。こ
の現像液量規制部材32として、図ではゴム材からなる
ブレイドが使用されており、該ゴム材ブレイドのエッジ
部あるいは腹部が、感光体2に対して近接あるいは接触
して設けられている。なお、図4における画像形成工程
は、図1における画像形成工程と同様に行われる。
【0090】図4(a)おいては、前記の如く、露光装
置1を内部に備えた感光体2を収容する現像容器3の開
口部Oに対してシャッタ−が設けられている。151は
シャッタ−、153及び154はシャッタ−搬送手段、
157は現像容器3の開口部の両壁に沿って感光体2の
表面に接することなくシャッタ−を搬送すべく設けられ
たシャッタ−ガイドである。このシャッタ−ガイド15
7は、現像容器3の図4における手前側、奥側両側壁と
一体に設けられるのが好ましい。152は前記搬送手段
153と連結されたスプリングコイルであり、図4にお
いては、シャッタ−が閉状態においては付勢されていな
い。155は、スプリングコイルの支点である。156
は、前記搬送手段153、154の駆動手段であり、本
例では搬送手段153、154がワイヤ状あるいはシ−
ト状であるため、該搬送手段153、154を巻き取る
構造となっている。該駆動手段156は図示されていな
い駆動機構により好都合なタイミングにて駆動される。
【0091】図4における4は図1に対応する転写装置
におけるバイアスローラであり、非画像形成時にはシャ
ッタ−157は閉状態であり、バイアスローラはシャッ
タ−への接触を避けた図4(a)の如く退避位置に在
る。また、画像形成時は図4(b)の如く、図示されて
いない制御手段により画像形成信号が発され、シャッタ
−駆動手段が付勢され、シャッタ−157が閉状態とな
り、前記バイアスローラ4が動作位置へ移動する。かく
の如くバイアスローラ4が動作位置へ位置すると図1の
如く転写材11がタイミングをとって搬送され、画像形
成工程が遂行される。画像形成工程が終了すると図4
(a)の如く、バイアスローラ4は退避位置へ移動し、
シャッタ−駆動が解除されてシャッタ−は自動的に開状
態となり、前記の如く感光体2上の現像液の固化を防止
する。
【0092】図5は、前記の如く感光体2上の現像液の
固化を防止する他の例を示している。 図5は、図4の
例に対してシャッタ−151が閉状態においては感光体
2のほぼ全表面に渡って現像液あるいは少なくとも現像
液溶剤を含むことのできるソフトな湿潤材を接触せしめ
得る状態になっていることを特徴としている。該湿潤材
の材質としては、前記図1(a)の現像液供給部材31
と同様な材質、すなわち現像液10の溶媒に対して親和
性のある材質、例えば、親水性のスポンジ剤(例えば、
親水性化されたウレタンフォ−ムなどの発泡樹脂)、毛
細管現象により前記現像液の溶媒を含む能力を有する各
種の材など好都合に使用することができる。また、該湿
潤材は感光体2と接触しても感光体2に損傷を与えない
ソフトな表面を有することが望ましく、前記スポンジ状
の他、吸湿性の大きい布材、フェルト材も好ましい材で
ある。
【0093】図5(a)において、111、112は感
光体2の表面に接するごとく設けられた湿潤材である。
また、各部を示す部材は、図1、図4に対応しており、
画像形成工程やシャッタ−機構の動作は、図1、図4の
例と同様である。但し、図5では湿潤材111、112
が感光体2に接するごとくに設けられており、湿潤材1
11は図1(a)における現像液供給部材31の働き、
また湿潤材112は、図1(a)、(b)、図4
(a)、(b)における現像液規制部材32の働きをそ
れぞれ有するため、図5の構造においては前記現像液供
給部材31や現像液規制部材32を必ずしも必要としな
い。
【0094】図5において湿潤材は111、112と2
つの部分に分割されている。このうち、湿潤材111は
現像液10の存する側の一部の感光体表面へ近接あるい
は接触して存している。該湿潤材111は感光体2の表
面に対して、近接あるいは接触する湿潤部1111及び
液汲み上げ部1112とから成り、液汲み上げ部111
2はその末端が現像容器3の底部に存するよう設けられ
ている。このように湿潤材111の液汲み上げ部111
2の末端が現像液10を収容する現像容器3の底部に存
することにより、現像液10が無くなるまで安定して感
光体2上の現像液による固化を防止し画質の安定と感光
体2の耐久性の向上とを図ることができる。また、湿潤
材112は現像液10が通常は存しないか、現像液が存
していても現像液10がある量使用された後あるいは前
記転写工程遂行時においては現像液10が存し、感光体
2の表面に対して近接あるいは接触する湿潤部1121
と、液汲み上げ部1122とからなる。液汲み上げ部1
122の端部は前記の液汲み上げ部1112と同様、現
像液10を有する現像容器3の底部に延び、現像液が無
くなるまで、感光体2の前記表面を湿潤可能に構成され
ている。
【0095】図5においては、前記湿潤材111,11
2において特に湿潤材112は、シャッター151の内
側に位置し、該シャッター151の開閉に対応して可動
に設置されている。すなわちシャッター151が閉状態
においては前記湿潤材111によって囲われない感光体
2の表面部分を実質的に全て囲うごとく、湿潤材112
は設けられた状態である。一方、シャッタ151が開い
た状態になり、前記の転写工程が可能に感光体表面が開
口部0にて表された状態においては、少なくとも転写工
程遂行可能な感光体2の必要な表面を露出させるだけ、
前記湿潤材112が移動する。図5の例においては、前
記湿潤材2の移動はシャッタ151の移動力により移動
可能に前記湿潤材2の前記シャッター151と連動して
好都合に転写工程可能に感光体表面の一部を露出すべ
く、また、転写工程終了時あるいは非画像形成時、シャ
ッター151が閉状態では再び前記の如く前記湿潤材1
11とともに感光体2表面の実質的に全体を常に湿潤可
能に囲むべき状態を形成すべく、湿潤材112の一部が
シャッター151に固定されている。
【0096】図5(a)は、シャッター151が閉状態
であり、すなわち感光体2の全表面が実質的に湿潤材1
11、112により湿潤されている状態であり、図5
(b)は、シャッター151が開状態であり、湿潤材1
12がシャッター151の移動により駆動されている。
なお、図5の例におけるシャッター151の駆動は図4
の例と同様に行われる。
【0097】図4及び図5において、現像容器3、該現
像容器内に存する感光体2、及び該感光体内部に設けら
れた露光装置1、現像液10、シャッター151、必要
に応じてシャッター151の駆動するためのシャッタ搬
送手段153、154、シャッタガイド157、スプリ
ングコイル152、スプリングコイルの支点155、駆
動手段156、更に現像容器内の感光体2に近接あるい
は接触して、必要に応じて設けられる図示されていない
現像液供給手段(図1の(a)の31)、現像液規制手
段32、図5における感光体2の表面の湿潤材111、
112などを一体的に画像形成装置本体に着脱自在な画
像形成カートリッジとすることにより画像形成装置の操
作性を大巾に向上し、また、従来の電子写真方式の画像
形成装置では困難であったメンテナンスフリー化を実現
することができる。
【0098】シャッター151の駆動手段156を駆動
する駆動機構は、前記画像形成カートリッジを本体へ装
着する場合に前記駆動手段156と係合可能であるよう
に本体側に設けられていることが望ましい。また、前記
シャッターは、少なくとも前記画像形成カートリッジが
本体外にあるときには閉の状態であることが望ましい。
【0099】また、前記画像形成カートリッジの現像容
器3の底部には、現像液残量検知センサを設けることに
より、現像液がなくなり感光体2表面の湿潤状態が失わ
れることを防止し、感光体2の耐久性を向上することが
できる。前記の現像液残量検知センサとしては、光電変
換素子、ピエゾ素子など好都合に利用することができ
る。
【0100】前記現像液残量検知センサにより現像液が
ないことが検知されると、現像液10が現像容器内に自
動的に補給される。また、前記のこどく画像形成カート
リッジを形成するものであれば、例えば本体表示部へ現
像液の補給信号が表示され画像形成カートリッジを交換
するか、画像形成カートリッジへ現像液を直接補給する
ことにより、再び画像形成可能な状態をつくることがで
きる。
【0101】図6は、図1が最終記録体である転写材1
1へ直接記録するのに対して、一旦中間転写体1a上に
中間記録した後、第二の転写位置にて、転写材へ転写
し、最終記録を行う方式の画像形成装置を提供するもの
である。
【0102】図6において、1は露光装置、2は感光体
で、該感光体2の表面には、前記一成分湿式現像剤10
を前記のごとく、多数の微少な液滴として担持すること
のできる現像剤担持層を有している。3は現像容器、1
0は本発明に使用される一成分湿式現像剤である。31
は必要に応じて設けられる現像剤供給部材であり、前記
のごとく現像剤10に対して親和性のある材にて形成さ
れ、好ましくは現像剤を汲み上げ得る構造の材料にて形
成される。現像剤を汲み上げ得る材としては現像剤と親
和性が有り、毛細管現象を発生すべく、弾性を有する多
孔質材、織物、不織布など好都合な材料である。このよ
うな材料を使用する現像剤供給部材31を用いることに
より、現像剤を効率良く、使用することが出来るととも
に、前記一成分湿式現像剤の実質的にすべてを該材料に
より形成された現像剤供給部材に含浸せしめることによ
り、現像容器3が移動したとしても、現像剤が現像容器
3の外へこぼれる可能性を小さくし、現像剤による装置
内や装置周辺の汚染を防止することができる。
【0103】図6は前記のごとく、中間転写体12が使
用されていることを特徴としており、中間転写体12上
に、露光装置1による画像光に対応した一成分湿式現像
剤からなる像が形成される工程までは、図1(a)の装
置と同様な工程が遂行される。
【0064】121、122は、中間転写体12を駆動
する第1ローラ、第2ローラであり、いずれか一方のロ
ーラが駆動ローラである。411は、中間転写体12を
転写領域Tにおいて、感光体2の表面に対して少なくと
も転写工程中は、接触あるいは近接せしめて、転写工程
を遂行するに最適な位置に駆動する、押圧ローラであ
り、該押圧ローラは必要に応じて図示されていない転写
バイアス電源により転写バイアスが印加される。転写領
域Tにおいて、図1(a)におけると同様に画像露光と
実質的に同時に転写バイアス電圧を印加することによ
り、中間転写体12上に一成分湿式現像剤10による像
が形成される。
【0104】該転写領域Tにおいて形成された前記現像
剤による像は、第2の転写位置T2において、第2の転
写ローラ412により、転写材11上に最終転写され
る。この場合押圧のみにて転写可能であるが、必要に応
じてバイアス電圧を印加することにより、より効果的に
転写工程を遂行することが出来る。中間転写体12より
転写材11への現像剤像の転写率は100%であること
が望ましいが通常は、中間転写体12上へ残トナーが生
ずる。従って、図6において、中間転写体12に対して
図示されていないがクリーニング装置を設けることが望
ましい。
【0105】中間転写体12は、転写層121、電極1
22及び支持体123より構成されるが、前記押圧ロー
ラ411が導電性であり、転写バイアス電圧の印加を行
えれば、中間転写体12は、少なくとも転写層121で
構成されていれば良い。
【0106】中間転写体12の転写層材質は、ポリエス
テルフィルム、ポリイミドフィルムなどの絶縁体のフィ
ルムでも良いが、より低い転写バイアス電圧にて転写を
行わせるには、比抵抗で103Ωcm〜1012Ωcmの
材料が好ましい。また、中間転写体12表面に現像剤フ
ィルミングが発生しないこと、第2の転写位置T2にお
いて転写率が高い(望ましくは100%転写)こと、ク
リーニング装置が不用であるか、あるいはクリーニング
装置の負担が過大でないこと、などを満足するために、
現像剤10に対して非粘着性の表面を有するよう材料選
択を行うことが望ましい。このような非粘着表面を有す
るためには、例えばポリエステルフィルム、金属フィル
ムのように滑面を有する材、含フッ素化合物、シリコー
ンゴムのごとく材料が非粘着性を有する材など、必要に
応じて選択することが望ましい。 (以下、余白)
【0107】図7は、本発明の画像形成装置をフルカラ
ー化したものである。図7の例においては、図6の場合
と同様に中間転写ベルト12が使用され、中間転写体1
2上に、イエロー現像剤による像、マゼンタ現像剤によ
る像、シアン現像剤による像、ブラック現像剤による像
がそれぞれ順次位置を合わせて重ね転写することによ
り、前記中間転写体12上に多重画像を形成せしめた
後、第2の転写位置T2にて、転写材11上に該多重画
像を転写することにより、前記転写材11上にフルカラ
ー画像を形成する。
【0108】このため、ベルト状の中間転写体12の展
張部に対向して、内部にイエロー色現像剤10Yを有す
るイエロー画像形成ユニット3Y、マゼンタ色現像剤を
内部に有するマゼンタ画像形成ユニット3M、内部にシ
アン色現像剤を有するシアン画像形成ユニット3C、及
び、内部にブラック色現像剤を有するブラック画像形成
ユニット3BKが設けられている。各ユニット3Y,3
M,3C,3BKは、図6の感光体2と現像容器3とが
一体化されたユニットと同一の構造をしており、それぞ
れ各色符号Y、M、C、Bを除けば、図6のユニットに
対応した構成部材と同一の符号を付してある。各ユニッ
ト3Y,3M,3C,3BKは、図6のユニットと同様
の作像工程にて、中間転写体12上に各色画像を形成す
る。5は、必要に応じて設けられた転写残の現像剤のク
リーニング装置である。クリーニング装置5は、図の例
ではローラクリーニング法が用いられているが、ブレイ
ドを用いても良い。
【0109】図7において、本発明の画像形成装置のフ
ルカラー化の一例を示したものであり、フルカラー化に
ついては、図7の例に限定されるものではないことはも
ちろんである。
【0110】
【発明の効果】請求項1乃至5の画像形成装置によれ
ば、光導電体層に帯電ムラが生じていてもその上層に低
抵抗層を設けて、感光体表面に保持された互いに独立し
た無数の微小単位の液滴状の現像剤が均一に帯電される
ようにするとともに、現像液の転写あるいは飛翔する電
界を均一にするので、転写電界下での露光部分の現像液
の微小単位を安定して均一に転写材に向けて転写あるい
は飛翔させることができ、感光体を一様帯電するための
コロナ帯電装置を用いることなく、高品位で良好な画像
を得ることができるとともに定着に必要とするエネルギ
ーを極めて小さくできるという効果がある。また、低抵
抗層を設けることで集中放電を起こしたり、帯電が不均
一になることを防止できるので感光体の耐久性を向上さ
せることができ、画像形成の信頼性を高めることができ
るという効果がある。
【0111】特に、請求項2の画像形成装置によれば、
低抵抗層の比抵抗を103〜1012Ωcmにすることで、
光導電体層から現像液への電荷の移動をブロックしない
ようにするととも、露光部分から低抵抗層に注入される
電荷が低抵抗層内で横方向に広がり、解像度の低下など
画質劣化を発生しないようにするために、より良好な画
像を得ることができるという効果がある。
【0112】また、特に、請求項3の画像形成装置によ
れば、光導電体層上に均一な低抵抗層を容易に形成でき
るので、更に高品位で良好な画像を得ることができると
いう効果がある。また、低抵抗層を塗布によって容易に
形成できるので、低抵抗材料を真空蒸着あるいはスパッ
タリングなどで形成する方法に比して特殊な装置を必要
とせず、低抵抗層形成における低コスト化を図ることが
できるという効果がある。
【0113】また、特に、請求項4及び5の画像形成装
置によれば、低抵抗層よりも一成分現像液が付着しやす
い材質からなる無数の微小単位の表面部分に現像液を付
着させることで、互いに独立して散在する無数の微小単
位の液滴状に現像液を保持させることが容易となるとい
う効果がある。
【0114】特に、請求項5の画像形成装置によれば、
低抵抗層よりも一成分現像液が付着しやすい材質からな
る無数の微小単位の表面部分を以外の感光体表面に現像
液が付着することを防止できるので、感光体表面上に互
いに独立して散在する無数の微小単位の液滴状に現像液
を保持させることがより容易となり、また、より良好に
均一な微小単位の液滴状に現像液を保持させることがで
きるので、この現像液をより均一に帯電することがで
き、高品位画像を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は実施形態に係る画像形成装置の主要部
の概略構成を示す正面図。(b)は同画像形成装置にお
ける現像装置の変形例を示す正面図。
【図2】(a)〜(f)はそれぞれ、同画像形成装置に
使用できる感光体の断面図。
【図3】(a)及び(b)はそれぞれ、同画像形成装置
に使用できる感光体の断面図。(c)及び(d)はそれ
ぞれ、同感光体の平面構造例を示す平面図。
【図4】(a)及び(b)は他の実施形態に係る画像形
成装置の主要部の概略構成を示す正面図。
【図5】(a)及び(b)は更に他の実施形態に係る画
像形成装置の主要部の概略構成を示す正面図。
【図6】更に更に他の実施形態に係る画像形成装置の主
要部の概略構成を示す正面図。
【図7】更に更に他の実施形態に係る画像形成装置の主
要部の概略構成を示す正面図。
【符号の説明】
1 露光装置 2 感光体 3 現像液供給装置 4 転写装置 11 転写紙 24 現像液保持層 26 低抵抗層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも光導電体層を有する感光体と、
    該感光体表面に互いに独立した無数の微小単位の液滴状
    に一成分現像液を保持させる現像剤保持層と、該一成分
    現像液が保持されている感光体に像露光を行う露光装置
    と、該露光装置による感光体の露光箇所において、感光
    体と転写材との間に転写電界を形成する転写装置とを備
    えた画像形成装置であって、 上記光導電体層上に低抵抗層を設けたことを特徴とする
    画像形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成装置において、上記低
    抵抗層の比抵抗を103〜1012Ωcmとしたことを特徴
    とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2の画像形成装置において、
    上記低抵抗層を高分子化合物で形成したことを特徴とす
    る画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3の画像形成装置におい
    て、上記現像液保持層を、上記低抵抗層よりも一成分現
    像液が付着しやすい材質からなる無数の微小単位の表面
    部分を上記低抵抗層上に互いに独立して散在させること
    により構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項4の画像形成装置において、上記低
    抵抗層を、該低抵抗層上に一成分現像液が付着しにくい
    材質で構成したことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002196571A (ja) * 2000-12-26 2002-07-12 Canon Inc 画像形成装置
JP4574006B2 (ja) * 2000-12-26 2010-11-04 キヤノン株式会社 画像形成装置

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