JPH10170329A - 多数の物品に付されたデータの一括読み取り方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多数の物品に付された管理データを短時間
で、簡単に取ることができ、かつ読み取り漏れがないこ
とを確認できるようにする。 【解決手段】 多数の物品の各々に、アンテナから電波
による給電を受けると記録されたデータを前記アンテナ
へ電波で送り返すタグを取り付け、それぞれのタグに当
該物品の管理データと重量を記録する。前記タグを取り
付けた物品の集合体に前記アンテナを接近させることに
より個々のタグに記録された管理データと重量を一括し
て読み取ると共に、読み取った重量の合計を計算する。
その一方で前記タグを取り付けた物品の集合体の総重量
を測定する。計算した合計重量と測定した総重量とを比
較し、その結果から全部のタグを読み取ったか否かを判
定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、多数の物品に付さ
れたデータを一括して読み取る方法と、それに用いる装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、貴金属や宝石などの小型高額商
品を販売する店では、正確な在庫管理を行うため、開店
前に全商品の識別番号を確認し、営業中は販売された商
品の識別番号を開店前に確認した識別番号から除外し、
閉店後に再び全商品の識別番号を確認するという作業が
行われる。識別番号の確認は、個々の商品にバーコード
用のタグを取り付け、そのタグに当該商品の識別番号、
価格などをバーコードで記録しておいて、それらのタグ
をバーコードリーダーで一つ一つ読み取るという方法が
一般的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法では多数の商品の識別番号や価格などの管理データを
１個ごとに読み取らなければならないため、読み取り作
業が面倒で、非常に時間がかかるという問題がある。こ
のような問題は、貴金属や宝石の販売に限らず、多数の
物品についてその存在の有無や価格などを一つ一つ管理
する場合にも同様に発生する。

【０００４】この問題を解決するため次のような方法が
検討されている。すなわち、多数の物品の各々に、アン
テナから電波による給電を受けると記録されたデータを
前記アンテナへ電波で送り返すタグを取り付け、それぞ
れのタグに当該物品の管理データを記録しておいて、前
記タグを取り付けた多数の物品を適当な容器や袋などに
入れたまま前記アンテナに近づけることにより個々の物
品の管理データを一括して読み取る、という方法であ
る。

【０００５】この方法によると多数の物品の管理データ
を一括して読み取ることができるので、非常に能率的で
ある。しかしこの方法は、全部のタグを読み取ったか否
かの確認をすることができないため、読み取り漏れが発
生するおそれがあり、信頼性の点で問題がある。

【０００６】本発明の目的は、以上のような問題点に鑑
み、多数の物品に付されたデータを短時間で、簡単に、
しかも確実に読み取ることのできる方法および装置を提
供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１の本発明は、多数の物品の各々に、アンテナか
ら電波による給電を受けると記録されたデータを前記ア
ンテナへ電波で送り返すタグを取り付け、それぞれのタ
グに当該物品の管理データと重量（タグ込みの重量でも
可）を記録し、前記タグを取り付けた物品の集合体と前
記アンテナとを接近させることにより個々のタグに記録
された管理データと重量を一括して読み取ると共に、読
み取った重量の合計を計算し、その一方で前記タグを取
り付けた物品の集合体の総重量を測定することを特徴と
するものである。

【０００８】このようにすると、個々の物品に付された
管理データを一括して読み取ることができると共に、タ
グから読み取った重量の合計と、測定した総重量とが分
かるため、この両者が誤差の範囲内で一致していれば、
全部のタグを読み取ったことが確認できる。もし一致し
ていないときは読み取り漏れがあることになるから、読
み取りをもう一度やり直せばよい。

【０００９】また請求項２の発明は、上記の方法に、計
算した合計重量と測定した総重量とを比較し、その結果
から全部のタグを読み取ったか否かを判定する手順を付
加したものである。このようにすると、全部のタグを読
み取ったか否かの判定結果が得られるので、さらに効率
的になる。

【００１０】また請求項３の発明は、請求項１の発明の
実施に好適な装置を提供するもので、その構成は、多数
の物品の各々に取り付けられ、当該物品の管理データと
重量（タグ込みの重量でも可）が記録されたタグと、前
記タグを取り付けた物品の集合体に向けて電波を送り、
前記タグから信号を受信するアンテナと、このアンテナ
に前記タグ向けの電力を供給し、アンテナで受信した信
号から各タグに記録された管理データと重量を読み取る
送受信機と、読み取った管理データを記録する記録部
と、読み取った重量の合計を計算する演算部と、前記タ
グを取り付けた物品の集合体の総重量を測定する重量測
定器、を備えていることを特徴とするものである。

【００１１】また請求項４の発明は、上記の装置に、演
算部で計算した合計重量と重量測定器で測定した総重量
とを比較し、その結果から全部のタグを読み取ったか否
かを判定する判定部をさらに付加したものである。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して詳細に説明する。図１は本発明の一実施形態を
示す。図において、１は貴金属や宝石などの小型高額商
品、３は各商品１に取り付けられたタグ、５はタグ３を
取り付けた多数の商品１を収容した容器、３Ａは容器５
に取り付けられたタグである。この実施形態は、図示の
ように、多数の商品１を容器５に収容したままの状態で
タグ３に記録された商品の識別番号を一括して読み取ろ
うとするものである。

【００１３】多数の商品１を入れた容器５は重量測定器
７に載せられる。重量測定器７の上方には誘導無線のア
ンテナ９が設置されている。なおアンテナ９の設置位置
は、重量測定器７の上方でなくとも、重量測定器７に載
せたときに容器５の側方でもよい。またアンテナ９は重
量測定器７の荷台７ａと一体化されていてもよい。作業
性の良さからいえば、アンテナ９は荷台７ａと一体化さ
れていることが好ましい。容器５の材質は木またはプラ
スチック等の非磁性体である。

【００１４】ここで用いるタグ３、３Ａは、内部にＩＣ
チップと送受信アンテナが組み込まれていて、外部のア
ンテナ９から誘導無線周波数の電波による給電を受ける
と、ＩＣチップに記録されたデータを外部のアンテナ９
へ電波で送り返す機能を有するものである。したがって
電池は不要である。タグ３、３Ａのデータ容量は例えば
２５６バイト程度である。

【００１５】商品１に取り付けられたタグ３には、当該
商品の識別番号、品名、価格、入庫日時等の管理データ
の外に、商品１の重量（商品のみの重量でも商品とタグ
を含む重量でもよいが、この実施形態では後者とする）
が記録される。容器５に取り付けられたタグ３Ａには、
その容器の識別番号、仕向け先等の管理データの外に、
容器５の重量（容器のみの重量でも容器とタグを含む重
量でもよいが、この実施形態では後者とする）が記録さ
れる。またタグ３、３Ａには書換可能な紙が張り付けら
れていて、その紙に上記のデータが文字で印刷されてい
る。したがってタグ３、３Ａに記録されているデータは
目視で確認することもできる。重量は管理データの一部
である場合もある。

【００１６】なおこの実施形態では、説明を簡単にする
ために、タグ３には商品１の識別番号と重量のみが記録
され、タグ３Ａには容器５の識別番号と重量のみが記録
されているものとする。

【００１７】前記アンテナ９には送受信機１１が接続さ
れている。この送受信機１１はアンテナ９に誘導無線周
波数の電力を供給すると共に、アンテナ９で受信した信
号からタグ３、３Ａに記録されたデータを読み取るもの
である。送受信機１１で読み取ったデータはＩ／Ｏ部１
３を通して制御部１５に入力される。また制御部１５に
はＩ／Ｏ部１３を通して重量測定器７からのデータも入
力される。制御部１５は識別番号一括読み取りのための
各種信号処理を行う部分であり、マイクロプロセッサ及
びその周辺装置で構成される。

【００１８】制御部１５は、読み取った識別番号を記録
部１７に記録する機能、読み取った重量の合計を計算す
る演算部としての機能、計算した合計重量と重量測定器
７で測定した総重量とを比較して、その結果から全部の
タグを読み取ったか否かを判定する判定部としての機
能、判定結果を表示部１９に表示する機能などを備えて
いる。

【００１９】制御部１５での信号処理手順の一例を示す
と図２のとおりである。まずＳ１０１でアンテナ９およ
び送受信機１１が各タグ３から読み取った商品１および
容器５の識別番号と重量を入力する。次にＳ１０２で入
力されたデータのうち識別番号を記録部１７に記録す
る。次にＳ１０３で入力された重量の合計を計算する。
次にＳ１０４で新たな識別番号の入力があるか否かを確
認し、ある場合にはＳ１０１に戻る。Ｓ１０１〜Ｓ１０
４を新たな識別番号の入力がなくなるまで繰り返し、な
くなった場合にはＳ１０５で重量測定器７で測定した全
商品１および容器５の総重量を入力する。次にＳ１０６
で計算した合計重量と測定した総重量を比較し、両者が
所定の誤差の範囲内で一致しているときはＳ１０７でタ
グの読み取り漏れがない旨を表示部１９に表示する。こ
れで容器５に収容された全商品１の識別番号の読み取り
が完了したことになる。

【００２０】一方、Ｓ１０６の比較で、計算した合計重
量と測定した総重量が一致しないときは、Ｓ１０８でタ
グの読み取り漏れがある旨を表示部１９に表示し、Ｓ１
０９でそれまでに記録した識別番号を消去する。この場
合は何らかの原因で全商品１の識別番号の読み取りがで
きなかったわけであるから、容器１を適正位置に移動す
るなどして再びＳ１０１から読み取りをやり直す。

【００２１】以上の実施形態では多数の商品を容器に入
れた状態で識別番号の読み取りを行ったが、商品の種類
によっては、容器に入れないでバラのまま集合した状態
で管理データの読み取りを行うこともできるし、容器の
代わりに袋を用いることもできる。

【００２２】また上記の実施形態では、タグに記録する
重量は商品とタグを含む重量としたが、タグに記録する
重量は商品のみの重量とすることもできる。その場合は
商品の重量の合計に、商品の個数分のタグの重量（既
知）を加算して、測定した総重量と比較すればよい。ま
た商品の重量に対してタグの重量が十分に小さい場合に
は、タグの重量を無視することもできる。また容器には
タグを付けずに、測定した総重量から容器の重量（風
袋、既知）を差し引いて、計算した合計重量と比較する
ようにしてもよい。

【００２３】また物品の集合体の大きさに比較してアン
テナが小さい場合には、物品の集合体をアンテナに対し
て移動させるか、逆にアンテナを物品の集合体に対して
移動させて、アンテナからの電波が物品の集合体全体に
及ぶようにすればよい。本発明の一括読み取りとはこの
ような場合も含むものとする。

【００２４】また上記の実施形態では、貴金属や宝石な
どの小型高額商品の識別番号の一括読み取りについて説
明したが、本発明の用途はこれに限られるものではな
く、例えば配送センター等でケージに入れられている多
数の配送品の管理データを一括して読み取る場合や、洗
濯屋で一つの袋に入れられている多数の洗濯物の管理デ
ータを一括して読み取る場合などにも適用可能である。
また本発明は、多数の物品の価格を一括して読み取って
その合計を算出する場合などにも適用可能である。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、多
数の物品の各々に付されたデータを一括して読み取るこ
とができるので読み取り時間を大幅に短縮することがで
きると共に、読み取り漏れの確認ができるので信頼性の
高い読み取りを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施形態を示すブロック図。

【図２】 図１の実施形態における制御部の動作を示す
フローチャート。

【符号の説明】

１：小型高額商品 ３、３Ａ：タグ ５：容器 ７：重量測定器 ９：アンテナ １１：送受信機 １３：Ｉ／Ｏ部 １５：制御部 １７：記録部 １９：表示部

フロントページの続き (72)発明者 喜多村 重男 東京都千代田区神田佐久間町２丁目８番１ 号 マイクロ・トーク・システムズ株式会 社内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多数の物品の各々に、アンテナから電波に
   よる給電を受けると記録されたデータを前記アンテナへ
   電波で送り返すタグを取り付け、それぞれのタグに当該
   物品の管理データと重量（タグ込みの重量でも可）を記
   録し、前記タグを取り付けた物品の集合体と前記アンテ
   ナとを接近させることにより個々のタグに記録された管
   理データと重量を一括して読み取ると共に、読み取った
   重量の合計を計算し、その一方で前記タグを取り付けた
   物品の集合体の総重量を測定することを特徴とする多数
   の物品に付されたデータの一括読み取り方法。
2. 【請求項２】計算した合計重量と測定した総重量とを比
   較し、その結果から全部のタグを読み取ったか否かを判
   定することを特徴とする請求項１記載の一括読み取り方
   法。
3. 【請求項３】多数の物品の各々に取り付けられ、当該物
   品の管理データと重量（タグ込みの重量でも可）が記録
   されたタグと、 前記タグを取り付けた物品の集合体に向けて電波を送
   り、前記タグから信号を受信するアンテナと、 このアンテナに前記タグ向けの電力を供給し、アンテナ
   で受信した信号から各タグに記録された管理データと重
   量を読み取る送受信機と、 読み取った管理データを記録する記録部と、 読み取った重量の合計を計算する演算部と、 前記タグを取り付けた物品の集合体の総重量を測定する
   重量測定器、 を備えていることを特徴とする多数の物品に付されたデ
   ータの一括読み取り装置。
4. 【請求項４】演算部で計算した合計重量と重量測定器で
   測定した総重量とを比較し、その結果から全部のタグを
   読み取ったか否かを判定する判定部をさらに備えている
   ことを特徴とする請求項３記載の一括読み取り装置。