JPH10168855A - 浮遊空気圧式防舷材用固定ネット - Google Patents

浮遊空気圧式防舷材用固定ネット

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JPH10168855A
JPH10168855A JP8342715A JP34271596A JPH10168855A JP H10168855 A JPH10168855 A JP H10168855A JP 8342715 A JP8342715 A JP 8342715A JP 34271596 A JP34271596 A JP 34271596A JP H10168855 A JPH10168855 A JP H10168855A
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JP
Japan
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cloth
flat belt
belt
floating pneumatic
fixed net
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JP8342715A
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English (en)
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Hideo Yamanishi
秀男 山西
Kiyoshi Nishii
清 西井
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NAIGAI SEIKO KK
Original Assignee
NAIGAI SEIKO KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接舷や接岸の際に舷側が不用意に傷付けられる
のをうまく防止できる浮遊空気圧式防舷材用固定ネット
を提供する。 【解決手段】浮遊空気圧式防舷材8の周囲に被されてこ
れを岸壁や舷側に固定するための固定ネット8が、糸条
を組織して広幅に構成された布製の平ベルト3と、その
表面を覆うゴム層4とから成る帯状体2で構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浮遊空気圧式防舷
材用固定ネット、更に詳しくは、複数ゴム層が一体加硫
されて高い気密性を備えた風船様本体内に空気を注入し
て所定の圧力に保ち、この風船様本体を船舶の舷側に取
り付けて洋上接舷用に、或いは岸壁に固定して岸壁用等
として用いられる浮遊空気圧式防舷材を保護そして固定
するためのネットに関する。
【0002】
【従来の技術】上記の浮遊空気圧式防舷材(ソフトフェ
ンダー)は既に開発され、現実に市販されていて各種の
用途、現場に採用されている。旧来の古タイヤや木材等
(ハードフェンダー)と違って、多くのメリットを備え
大変使い勝手が良く、産業利用上多大の価値を備えるも
のである。具体的には、全体的な形状は俵形或いはソー
セージ形で、全長が1000〜12000mm、直径が
500〜4500mmの範囲で各種の大きさに形成さ
れ、また、素材としては抗張力、耐摩耗性、耐カット性
に優れた外層ゴム、特殊タイヤコードが採用されて成る
補強ゴム、機密性に優れた内層ゴムの三層が一体加硫さ
れ、お互いが強固に固着されて、長さ方向の両端或いは
片側には、空気を入れたり、空気圧を計るためのエアー
バルブや安全弁を取り付ける口金が設けられている。
【0003】ところでこの浮遊空気圧式防舷材は、前記
の通り、舷側や岸壁に固定されて使用されるものである
が、従来からこの浮遊空気圧式防舷材の固定には、チェ
ーンやワイヤーロープ等01を格子状に繋ぎ合わせ、目
合いが25〜120mm四方程のネット02を形成し、
このネット02を浮遊空気圧式防舷材03の周囲に被
せ、両端を絞り込んで結び付け、この両端から金属製の
連繋具04等を介して延設させたガイドチェーン05を
適宜に舷側や岸壁のアンカー06等に係留することによ
って行われていた。また、大型のものは、このネットに
古タイヤ07とラバースリーブ08が組み込まれていた
りする(図6、図7参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらチェー
ンやワイヤーロープで形成される固定ネットは、海水に
晒される為に、先ず、早期の内に腐食する。海棲生物、
殊にうつぼや各種貝類が付着し易い。重くて取扱が不
便、そして高価である等のデメリットがある。更に、こ
れらチェーンやワイヤーロープは顕微鏡的な見方をすれ
ば、それらの膨らみ部分が舷側に対して点接触となり、
また、巨視的な見方をすれば、線接触となり、いずれに
しても舷側や浮遊空気圧式防舷材を不用意に傷め、海棲
生物、殊に貝類が付着し易いことによって、この舷側を
傷つける事態に一段と拍車がかかり、対応策が種々検討
されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、この
従来の手段の欠点を解消するために種々研究の結果発案
されたもので、従来の固定具がチェーンやワイヤーロー
プで形成されていて、そのネットの目合いを形成する紐
状体が舷側や浮遊空気圧式防舷材に対して点や線で接触
する構造に代えて、抗菌性を備える布製で広幅な帯状体
で形成することとしている。そして、このネットを抗菌
性を備える布製で広幅な帯状体で構成することによっ
て、浮遊空気圧式防舷材を覆うネットは舷側に対して面
で接触し、併せて海棲生物、殊にうつぼや各種貝類の付
着を効果的に予防して、接舷や接岸の際に舷側が不用意
に傷付けられるのをうまく防止している。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、浮遊空気圧式防舷材の
周囲に被されてこれを岸壁や舷側に固定するための固定
ネットにおいて、ネットを形成する紐状体が、糸条を組
織して広幅に構成され、且つ、表面がゴムで被覆された
帯状体から成るものである。
【0007】広幅な帯状体の基礎となる布製の平ベルト
は、例えば平織り組織、綾織り組織、更には杉綾織り組
織等の単独の平ベルトや、或いはこりら平ベルトの複数
枚を重合させて一体に織成した多層織ベルトが採用さ
れ、幅は75〜200mm、また、厚みは3〜6mmの
範囲で適宜に構成される。尚、組織は上記以外にも各種
の組織を採用できるが、製造効率、強度、価格等を総合
的に判断して、前記の平織り組織や綾織り組織が好まし
い。
【0008】この布製の平ベルトの表面をゴムで被覆す
る手段としては、一般のゴム製の接着剤をこの布製の平
ベルトの表面に塗布し、これにゴムの平板を接着させる
手段や、ゴムを布製の平ベルトの表面に直にコーティン
グしたり塗布したり、更には逢着する等の手段が採用さ
れる。このコーティングや塗布と言う手段は積極的に接
着剤を使用しないが、組織の織り目にゴムが流れ込んで
行って固化すると、アンカー効果が発揮され容易には剥
離せず、単にゴムをコーティングや塗布するだけの手段
でもうまくゴム被覆できる。ゴムの厚みは5〜100m
mの範囲で適宜に選択され、また、使用されるゴムは天
然ゴム、合成ゴムいずれも採用できる。
【0009】このゴムは、海棲生物、殊にうつぼや各種
貝類の付着を予防する機能があり、布製の平ベルトの表
面にゴム板を貼着させたり、ゴムをコーティングや塗布
することによって、所謂抗菌性の備わった帯状体が得ら
れる。一般にゴムは各種の配合剤が添加されて得られる
ものであり、特に加硫剤としての硫黄等が良好な抗菌性
を備えていることが原因していると考えられる。
【0010】また、布製の平ベルトを形成する糸状とし
ては、天然繊維、化学繊維(合成繊維、再生繊維、半合
成繊維)のいずれも採用できるが、海棲生物、殊にうつ
ぼや各種貝類の付着をより効果的に防止するために、好
ましくは合成繊維が採用される。合成繊維は、アクリル
繊維、ポリエステル繊維、ナイロン、塩化ビニリデン繊
維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、アラミド系
繊維等、特に不適合な素材は無いが、強いて言うならビ
ニロンは好ましくない。
【0011】また、合成繊維の中でも、殊にテトロン
(登録商標)等のポリエステル系が好ましいが、必要に
応じ特に耐摩性のあるナイロン等のポリアミド系合成繊
維を使用できることは言うまでもない。
【0012】また、固定ネットは、その浮遊空気圧式防
舷材への装着をより簡便に、且つ、効率的に行うため
に、前記帯状体が縦横に所定間隔置きに配され、かつ、
互いに十文字に重なる部分が固定されて成り、且つ、縦
横各帯状体の両端はループに形成されているとともに、
浮遊空気圧式防舷材の長軸方向に沿う帯状体の両端近く
には一つ、又は、前記長軸方向に沿って所定の間隔置き
に複数個の緊締用ロープの挿通ループが設けられると良
い。
【0013】海棲生物、殊にうつぼや各種貝類の付着を
より効果的に予防するために、布製の平ベルトやこの表
面を覆うゴムには以下の通りの抗菌処理が施されるのが
効果的である。一例として有機スズ化合物,有機スズ
重合体,カルバミン酸等の有機系の殺菌剤を含む塗料、
亜酸化銅,ロダン化銅等の銅系の殺菌剤を含む塗料、
銅イオンを含む溶解性ガラスを含む塗料等が塗布され
る。
【0014】また、別の手段としては布製の平ベルトを
形成する糸状に有機系抗菌剤や無機系抗菌剤を練り込む
手立てが採用される。有機系抗菌剤としては、一般にジ
フェニルエーテル系,クロルヘキシジン系,チオベダゾ
ール系,イミダゾール系等が使用される。更に、無機系
抗菌剤としては、銅イオンや銀イオンをイオン交換した
ゼオライトが使用される。
【0015】また、環境保護上は言うまでもなく、加工
性能上からも、上記の如き抗菌剤に代えて銅、銀、亜鉛
から選ばれた一つ若しくは二つ以上の金属イオンを含有
する溶解性ガラス粉末を、布製の平ベルトを形成する糸
状に混入させる手段がより効果的である。
【0016】以上のように構成された浮遊空気圧式防舷
材用固定ネットを構成する布製の平ベルトの表面を覆う
ゴムは、従来のチェーンやワイヤーロープを採用したネ
ットと違って、海棲生物、殊に各種の貝類の付着が効果
的に阻害される傾向がみられ、船を接岸したり接舷させ
るに当たり、不用意に舷側を傷つける危険性を効果的に
防止するように働く。
【0017】また、本発明の浮遊空気圧式防舷材用固定
ネットを構成する布製の平ベルトは、従来のチェーンや
ワイヤーロープを採用したネットと違って、舷側や浮遊
空気圧式防舷材に対して常時面で接触することによっ
て、これらを不用意に傷つける危険性を更に効果的に防
止するように働く。
【0018】また、布製の帯状体は、従来のチェーンや
ワイヤーロープを採用したネットに違って、ネット全体
の重量軽減に格段に貢献するように働く。
【0019】浮遊空気圧先防舷材の周方向に沿って掛け
渡される帯状体の両端に備えられたループは、この両端
のループ同志を互いにロープなどで簡便に緊締して、ネ
ットを浮遊空気圧先防舷材に装着させる連繋緊縛作業の
簡素化並びに効率化に寄与する。また、浮遊空気圧式防
舷材の長軸方向に沿う帯状体の両端近くに設けられた緊
締用ロープの挿通ループは、防舷材の長軸方向の長さ、
そして端末の形状に合わせたネットの両端の絞り込みを
適切に行わせるのに貢献する。
【0020】ゴム層に施される抗菌処理、或いは合成繊
維から成る糸状や布製の平ベルトに含浸されたり、合成
繊維から成る糸状に配合された抗菌剤、更には糸状に添
加された銅、銀、亜鉛から選ばれた一つ若しくは二つ以
上の金属イオンを含有する溶解性ガラス等は、海棲生
物、殊に各種の貝類の帯状体への付着を効果的に防止す
るように働く。
【0021】
【実施例】次に本発明の一実施例を図面に基づいて説明
すると、図1において、固定ネット1は、長さ方向を縦
方向(図上右肩上がり方向)に沿わせて4本、また、横
方向(図上左肩上がり方向)に沿わせて8本の、夫々幅
150mmで厚さ9mmに形成された帯状体2が、それ
ぞれ縦方向に沿わせたもの同士は約100mmの間隔
を、また、横方向に沿わせたもの同士は約75mmの間
隔を開けると共に、縦、横の互いの重合部分がミシン縫
されて一体化されて、図例では縦9500mm、横65
00mmの、ネット状に形成されている。
【0022】これら帯状体2は、図2(A),(B)に
示されるように、布製の多層織りの平ベルト3とその表
面に設けられたゴム層4とから構成されている。
【0023】前記布製の多層織りの平ベルト3は、ポリ
エステル系の原糸(ユニチカ製ポリエステル長繊維:1
000D /96F )が採用されていて、引張強さが18
tfの平組織のベルト3Aを3層に重合させ絡み糸を用い
て一体化されていたり(同図A)、或いは、杉綾織のベ
ルト3Bを5層に重合させ、その幅をほぼ4等分するよ
うに全長にわたってミシン掛けして一体化されて成る
(同図B)ものであり、特別に組織を選ぶものではな
く、また、図面に示される通りの、多層にすることな
く、一層でも採用できることは言うまでもない。要する
ところ、本発明の所期の目的を逸脱しない範囲におい
て、ベルトの織成、組織にはいかなる手段も採用できる
ものである。
【0024】因みに、図Aに示された多層織りの平ベル
ト3は、幅150mmの平織り組織で、1000デニー
ル2本合糸、1228本の経系と、同じく2本合糸を緯
糸とし、緯糸密度21本/25mmで平織りに織成され
た厚さ1.5mmの平織りベルト3Aを3層に重ね、か
らみ糸を用いて一体重合されている。また、この平織り
ベルト3Aは、無組織で実質的に平行に配した606本
のフィラメント糸で芯部を設ける構成も採用できる。そ
して、この芯部が備わった構成では平織りされたベルト
を3.1〜3.9mm程度の厚さに形成できるので、前
記の通り、必要に応じて、一層構造としても適用でき
る。
【0025】また、同図Bに示される多層織りの平ベル
ト3は、ナイロン66の1260デニール2本合糸、9
8本の経糸と、同じく2本合糸の緯糸とし、緯糸密度1
9本/25mmで2山杉綾織に構成された厚み1.2m
mの杉綾織りベルト3Bが5層に重ねられ、幅をほぼ4
等分するように長手方向に全長にわたってミシン掛けし
て一体化されている。
【0026】以上は、単に一例を示したに過ぎないもの
であるから、糸の種類は言うまでもなく、布製の平ベル
ト3の幅や厚さ、更には引張強さ等、必要に応じて種々
採用されることは言うまでもない。
【0027】このように構成された多層織りの平ベルト
3の表面には、5mm厚さで合成ゴムの一例であるウレ
タンゴム4が接着剤5を介して貼着されている。
【0028】そして各ベルト3の両端部分は折り返えさ
れて端部がベルト3に一体に逢着されてなるループ6が
形成されている。縦方向(図上右肩上がり方向に沿う方
向)の多層織りの平ベルト31の両端部に備わったルー
プ6は、同じベルト31のこの縦方向端部同志を直に連
繋緊縛するために用いられる。また、横方向(図上左肩
上がり方向に沿った方向)の多層織りの平ベルト32の
両端部に備わったループ6はロープを挿通させて、絞り
込み、且つ、緊縛のために用いられる。
【0029】更に、前記横方向の多層織りの平ベルト3
2の両端部近傍の表面には、一つの緊締用ロープの挿通
ループ7が設けられている。このループ7は、ロープが
挿通され、前記横方向の多層織りの平ベルト32の縦方
向の相互の間隔を絞り込んで緊締するのに用いられる。
【0030】以上のように構成された固定ネット1は、
図3に示されるように、浮遊空気圧式防舷材8の周囲を
覆ってこれに装着され、適宜に岸壁(図4)や舷側(図
5)に取付けられる。具体的には、縦方向の帯状体2は
この浮遊空気圧式防舷材8の胴回りに、周方向に沿って
巻き付れられ、前記両端のループ6同志をロープ(図
外)で緊縛されて固定される。これによって、横方向の
帯状体2もこの浮遊空気圧式防舷材8の軸方向に沿って
その胴回りに巻き付く。次いで、前記横方向の帯状体4
の端部近傍に設けられた前記緊締用ロープの挿通ループ
7に挿通されたロープ9、そしてこの横方向の帯状体4
の端部に設けられた前記ループ6に挿通された緊締用ロ
ープ10を絞り込むことによって、この横方向の帯状体
2が中心側に絞り込まれ、浮遊空気圧式防舷材8の軸方
向の端部の形状に沿って緊締密着され、もってしっかり
と浮遊空気圧式防舷材8の周囲を覆い包むことになる。
この横方向の帯状体2の端部に設けられた前記ループ6
に挿通された緊締用ロープ10、或いはこれに緊縛連接
された連繋用のロープ11の端部が、図4や図5に示さ
れるように、岸壁や舷側に設けられたアンカーに緊縛連
繋される。
【0031】このようにして浮遊空気圧式防舷材8の周
囲を覆い包んだ固定ネット1は、表面がゴムで覆われて
いるので、海棲生物、殊に貝類の付着をうまく防止でき
る。併せて帯状体2は、従来のチェーンやワイヤーロー
プと違って、面で舷側や浮遊空気式防舷材に接触するこ
とになる。従って、接岸や接舷の際に舷側が固定ネット
1に接触しても、従来のものと違って、舷側を擦過する
ような不慮の事態をうまく防止でき、操船を気兼ねなく
軽快に行える。
【0032】また、固定ネット1の構成素材である帯状
体2の多層織りの平ベルト3は布製であるから、表面に
ゴム層4を備えても、従来品に比べて、その全体重量が
格段に軽量で、固定ネット1の運搬や装着にも大型の重
機でしかも煩雑な作業を必要とする従来品に比べて、取
扱いが飛躍的に改善され、浮遊空気圧式防舷材8への装
着作業、岸壁や舷側への取付け作業が格段に容易、簡便
に行える。また、廉価に製造、かつ、提供できる。
【0033】次に、前記帯状体2の抗菌性を更に高める
ために、前記多層織りの平ベルト3を形成する糸状に銅
イオンおよび/又は銀イオン、或いは亜鉛イオンを含有
する溶解性ガラスを配合させる手段を講じた。周知の通
り、銅イオン、銀イオン、亜鉛イオン等が抗菌性を有す
ることは古くより知られているところであり、例えば銀
イオンは硝酸銀の溶液の形態で消毒剤や殺菌剤として広
く利用されて来ている。近年、海草類、貝類等の付着の
少ないロープ、ネット、魚網、シート等を得るために上
記のような銅イオンおよび/又は銀イオン、或いは亜鉛
イオンを含有する溶解性ガラスを糸状に練り込む技術が
多く提案されたり、実施されている。一例として、特公
昭63−54013号公報、特開平1−213410号
公報、同3−82810号公報、同3−124810号
公報等に示された技術である。
【0034】また、前記以外の手段として次の技術も採
用される。 銅や銀などの金属細粉末などを直に糸状に混入させた
り、銅線を糸状と交撚させたり、更には銅粉末を含む樹
脂を繊維表面に付着させたりすることで抗菌・防藻性繊
維を得る。 或いは有機スズ化合物、有機スズ重合体、カルバミン
酸などの有機系の殺菌剤を含む塗料、亜酸化銅、ロダン
化銅などの銅系の殺菌剤を含む塗料、銅イオンを含有す
る溶解性ガラスを含む塗料等を糸状やベルトの表面に付
着させて抗菌・防藻性繊維を得る。 但し、製造効率や環境保護、更には殺菌作用の有効性等
の見地からは、前記の金属イオンを含有する溶解性ガラ
スを糸状に練り込む手段を採用するのが望ましい。
【0035】また、前記ゴム層4の表面に、有機スズ化
合物、有機スズ重合体、カルバミン酸などの有機系の殺
菌剤を含む塗料、亜酸化銅、ロダン化銅などの銅系の殺
菌剤を含む塗料、金属イオンを含有する溶解性ガラスを
含む塗料等を付着させることによって一層の抗菌・防藻
効果が期待できる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る浮遊
空気圧式防舷材用固定ネットは、ネットを構成する布製
の平ベルトの表面をゴムで覆ったので、従来のチェーン
やワイヤーロープを採用したネットと違って、海棲生物
の付着が効果的に阻害される傾向がみられ、併せて布製
の平ベルトは舷側や浮遊空気式防舷材に対して常時面で
接触するから、船を接岸したり接舷させるに当たり、不
用意に舷側を傷つける危険性を効果的に防止でき、操船
者は操船を気兼ねなく軽快に行える。
【0037】また、固定ネットの構成素材である帯状体
の平ベルトは布製であるから、表面にゴム層を備えて
も、従来品に比べて、その全体重量が格段に軽量で、固
定ネットの運搬や装着にも大型の重機でしかも煩雑な作
業を必要とする従来品に比べて、取扱いが飛躍的に改善
され、浮遊空気圧式防舷材への装着作業、また、固定ネ
ットを装着した浮遊空気圧式防舷材を岸壁や舷側へ取付
ける作業が格段に容易、簡便に行える。また、廉価に製
造、かつ、提供できる。
【0038】浮遊空気圧式防舷材の周方向及び長軸方向
に沿って掛け渡される帯状体の両端に備えられたループ
と、浮遊空気圧式防舷材の長軸方向に沿う帯状体の両端
近くに設けられた緊締用ロープの挿通ループとによっ
て、帯状体端部同志の連繋緊縛作業の簡素化並びに効率
化を格段の高めることができ、ネットの浮遊空気圧式防
舷材の胴回りへの装着作業や、防舷材の長軸方向の長
さ、そして端末の形状に合わせた両端の絞り込みが適切
に行え、もって、現場においてでも、ネットを浮遊空気
圧式防舷材に簡便に、しかも能率良く装着できる。
【0039】抗菌性のある物質を合成繊維から成る糸状
や布製の平ベルトに塗布したり含浸させたり、合成繊維
から成る糸状に配合させたり、更には糸状に配合させた
りすることによって、海棲生物、殊に各種の貝類の帯状
体への付着が一層効果的に防止でき、長年月にわたって
好ましい防舷作用が可能になる。
【0040】特に、布製の平ベルトに対する前記抗菌処
理を、布製の平ベルトを構成する糸状に銅、銀、亜鉛か
ら選ばれた一つ若しくは二つ以上の金属イオンを含有す
る溶解性ガラスを配合させることで達成する手段は、環
境保護上理想的な効果が期待できる上に、前記金属イオ
ンが持続的に水中に溶出するので、長期にわたり、しか
も安定的に抗菌作用が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浮遊空気圧式防舷材用固定ネット
の一実施例を示し、ネットの外観図である。
【図2】本発明に係る浮遊空気圧式防舷材用固定ネット
の一実施例を示し、布製の平ベルトの要部の部分拡大縦
断面図で、(A)は、平織り組織を示し、(B)は杉綾
織り組織を示す。
【図3】本発明に係る浮遊空気圧式防舷材用固定ネット
の一実施例を示し、浮遊空気圧式防舷材に本発明固定ネ
ットを装着した状態を説明する外観図である。
【図4】本発明に係る浮遊空気圧式防舷材用固定ネット
の一実施例を示し、岸壁に適用したときの作用の説明図
である。
【図5】本発明に係る浮遊空気圧式防舷材用固定ネット
の一実施例を示し、舷側に適用したときの作用の説明図
で、(A)は側面図、(B)は正面図である。
【図6】従来の浮遊空気圧式防舷材用固定ネットの一例
を示す説明図である。
【図7】従来の浮遊空気圧式防舷材用固定ネットの一例
を示し、岸壁に適用した場合の作用の説明図である。
【符号の説明】
1…固定ネット、2…帯状体、3…布製の平ベルト、4
…ゴム層、6…ループ、7…緊締用ロープの挿通ルー
プ、8…浮遊空気圧式防舷材、9,10…緊締用ロー
プ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮遊空気圧式防舷材の周囲に被されてこ
    れを岸壁や舷側に固定するための固定ネットにおいて、
    ネットを形成する紐状体が、糸条を組織して広幅に構成
    された布製の平ベルトと、その表面を被覆したゴム層と
    で成る帯状体で形成されていることを特徴とする浮遊空
    気圧式防舷材用固定ネット。
  2. 【請求項2】 固定ネットは前記帯状体が縦横に所定間
    隔置きに配され、かつ、互いに十文字に重なる部分が固
    定されて成り、且つ、縦横各帯状体の両端はループに形
    成されているとともに、浮遊空気圧式防舷材の長軸方向
    に沿う帯状体の両端近くには一つ、又は、前記長軸方向
    に沿って所定の間隔置きに複数個の緊締用ロープの挿通
    ループが設けられていることを特徴とする請求項1記載
    の浮遊空気圧式防舷材用固定ネット。
  3. 【請求項3】 前記布製の平ベルトの表面を被覆するゴ
    ムは、抗菌処理されている請求項1又は請求項2のいず
    れかに記載の浮遊空気圧式防舷材用固定ネット。
  4. 【請求項4】 前記布製の平ベルトを形成する糸状は、
    合成繊維である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の浮遊空気圧式防舷材用固定ネット。
  5. 【請求項5】 前記布製の平ベルトは、抗菌処理が施さ
    れている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の浮遊
    空気圧式防舷材用固定ネット。
  6. 【請求項6】 布製の平ベルトに対する前記抗菌処理
    は、布製の平ベルトに抗菌剤が含浸されて成る請求項5
    記載の浮遊空気圧式防舷材用固定ネット。
  7. 【請求項7】 布製の平ベルトに対する前記抗菌処理
    は、布製の平ベルトを形成する糸状に抗菌剤が含浸され
    て成る請求項5記載の浮遊空気圧式防舷材用固定ネッ
    ト。
  8. 【請求項8】 布製の平ベルトに対する前記抗菌処理
    は、布製の平ベルトを構成する糸状に銅、銀、亜鉛から
    選ばれた一つ若しくは二つ以上の金属イオンを含有する
    溶解性ガラスが配合されて成る請求項5記載の浮遊空気
    圧式防舷材用固定ネット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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