JPH10166173A - レーザ加工機 - Google Patents

レーザ加工機

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JPH10166173A
JPH10166173A JP8344562A JP34456296A JPH10166173A JP H10166173 A JPH10166173 A JP H10166173A JP 8344562 A JP8344562 A JP 8344562A JP 34456296 A JP34456296 A JP 34456296A JP H10166173 A JPH10166173 A JP H10166173A
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JP
Japan
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mask
processing
laser beam
workpiece
laser
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JP8344562A
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English (en)
Inventor
Hisashi Fukai
恒 深井
Takeshi Origasa
剛 折笠
Hiroyuki Kigami
博之 木上
Kimiyuki Hayashizaki
公之 林崎
Noriyuki Ono
敬之 小野
Masayoshi Okawa
雅由 大川
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エキシマレーザ光をマスクを介して照射する
レーザ加工において、マスクの交換や加工パターンの変
更の際に生じるマスクの位置ずれを容易にかつ速やかに
調整でき、加工タクトを短縮できるレーザ加工機を提供
する。 【解決手段】 複数の加工パターン9a、9b…を備え
たマスク9を着脱自在に保持する位置調整機構31と、
マスク9に隣接して配置された姿勢検出手段30による
マスク姿勢の検出結果に基づいてマスク9の位置や姿勢
を調整する調整手段を設け、マスクの交換や加工パター
ンの変更の際に生じるマスクの位置ずれを姿勢検出手段
30の一対の非接触式測長器30a、30bにより検出
し、その検出結果に基づいて制御系15がマスクの回動
および移動量を算出して、移動手段16を介して位置調
整機構31を作動させて、レーザ光の光軸に対するマス
ク9の位置を速やかにかつ精度良く調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスクを介してレ
ーザ光を照射することにより被加工部材を所定形状に加
工するレーザ加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、被加工部材(ワーク)に対して所
定の形状や寸法をもった孔等を加工するために、加工精
度が良くかつ微細な加工が可能であるレーザ加工が採用
されている。そして、レーザ加工機においては、通常、
加工すべき孔や溝等に対応するレーザ光透過領域からな
る加工パターンを形成したマスクを用い、このレーザ光
透過領域を複数設けたマスクを介してワークにレーザ光
を照射することにより、マスクに形成した複数のレーザ
光透過領域からなる加工パターンの形状にしたがって同
時に多数の孔や溝等の加工を行なっている。また、同一
マスク内に複数の種類の加工パターンを予め形成してお
き、加工時に、数種類の加工パターンから一つの加工パ
ターンを選定し、マスクを移動させて加工パターンを切
り換えるための機構(マスクチェンジャー)により、所
定の加工パターンをレーザ光の光軸上に位置付けするよ
うにして、一枚のマスクにより数種類のパターンの加工
ができるようにしたレーザ加工機も知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、複数の加工パターンを有するマス
クにおいて加工パターンをマスクチェンジャーによって
切り換える際に、レーザ光の光軸に対するマスクの位置
が変化することがあるために、マスクの加工パターンの
変更の度に、マスクとワークの位置調整を行なう必要が
あった。さらに、マスクをレーザ加工機に取り付ける際
にレーザ光の光軸に対するわずかなずれや傾きを避ける
ことは難しく、手動による複雑な調整を行なうことが必
要であった。
【0004】このようなマスクの取り付けや交換時、あ
るいはマスクの加工パターンの変更時に必要となるマス
クの位置調整は、複雑な調整であって、多くの時間を要
し、またマスクの交換や位置調整の作業中はレーザ加工
が中断されてしまう。そのため、加工タクト時間が長期
化し、またマスク交換時の立ち上げ期間が長期化するな
ど好ましいものではなかった。
【0005】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決の課題に鑑みてなされたものであって、マスクの
交換や加工パターンの変更の際に生じるマスクの位置ず
れを容易にかつ速やかに調整し得るようにして、加工タ
クトの短縮およびマスク交換時の立ち上げ期間の短縮を
可能とするレーザ加工機を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のレーザ加工機は、加工パターンを形成した
マスクを介して被加工部材の加工面にレーザ光を照射し
て、被加工部材に前記マスクの加工パターンに相応する
形状の加工をするレーザ加工機において、前記マスクを
着脱自在に保持しかつ該マスク内に複数設けられた加工
パターンを切り換えることができる位置調整機構と、該
位置調整機構に保持されたマスクの姿勢を検出してレー
ザ光の光軸に対して前記マスクの加工パターン部を一定
の姿勢に保つように前記マスクを調整する手段とを備え
ていることを特徴とする。
【0007】そして、本発明のレーザ加工機は、被加工
部材に加工する孔または溝に対応して所定の加工パター
ンを有して、該加工パターンを介してレーザ光を被加工
部材側へ透過するマスクと、該マスクの加工パターンを
介して被加工部材に所定形状の光像を投影する投影光学
系と、被加工部材の加工位置を測定して被加工部材を移
動させる測定系および移動制御系を具備して、レーザ光
の照射によって被加工部材に所定形状の加工をするレー
ザ加工機において、前記マスクを着脱自在に保持しかつ
該マスク内に複数設けられた加工パターンを切り換える
ことができる位置調整機構と、該位置調整機構に保持さ
れたマスクの姿勢を検出してレーザ光の光軸およびレー
ザ光を被加工部材に照射するための前記投影光学系に対
してマスクを一定の姿勢に保つように前記マスクを調整
する手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】さらに、本発明のレーザ加工機において、
マスクの姿勢を検出してレーザ光の光軸に対してマスク
の加工パターン部を一定の姿勢に保つように前記マスク
を調整する手段が、マスクの姿勢を検出するためにレー
ザ光の光軸に対して一定位置に設けられた検出手段と、
該検出手段により得られた検出結果に基づいて前記マス
クの姿勢を調整する手段とを備えていることが好まし
く、また、マスクの姿勢を検出する検出手段が少なくと
も一対の非接触式測長器であることが好ましい。
【0009】さらに、本発明のレーザ加工機において、
レーザ光にエキシマレーザ光を用いることが好ましい。
【0010】さらに、本発明のレーザ加工機において、
被加工部材を液体噴射記録ヘッドの天板として、該天板
にインク吐出口および/またはインク流路溝を加工する
ことができる。
【0011】
【作用】マスクを介してエキシマレーザ光を照射するこ
とにより加工を行なうレーザ加工機において、マスクを
保持し、マスク内に複数設けられた加工パターンを切り
換えることができる位置調整機構と、マスクの姿勢を検
出しその検出結果に基づいてマスクの位置や姿勢をレー
ザ光の光軸に対して一定に保つように調整する調整手段
を設け、マスクの交換や加工パターンの変更の際に生じ
るマスクの位置ずれを検出手段により検出し、その検出
結果に基づいて位置調整機構を移動させることによっ
て、マスクの位置ずれや傾きを容易にかつ速やかに精度
良く調整することができる。その結果、マスク交換ある
いは加工パターンの変更に要する時間および交換時の立
ち上げ期間を大幅に短縮できて、さらに加工タクトの短
縮に寄与することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0013】図1は本発明のエキシマレーザ加工機の構
成を概略的に示す図面である。図において、1はエキシ
マレーザ光を発するレーザ光源としてのエキシマレーザ
発振器であり、その出射光軸aと直交して水平方向に移
動するワークステーション2が装置フレーム3上に設け
られている。このワークステーション2には、加工面を
上記光軸aと直交するようにしてワークWが治具(図示
しない)を介して装着されている。そして、エキシマレ
ーザ発振器1から発振されるレーザ光の光軸a上には、
レーザ光をマスク9に一様に照射させるための光学系4
と、加工しようとする孔や溝等に対応してレーザ光透過
領域のパターン孔が形成され、その位置調整を行うため
の位置調整機構31に保持されたマスク9と、このマス
ク9を通って出射したマスク像をワークWに投影する投
影光学系10が配置されており、レーザ光はマスク9を
通過したマスク像をレーザ光に直交するように位置決め
されたワークWに照射してワークWに孔や溝等の加工を
するものである。
【0014】ここで、ワークWは、図4に示すような、
液体噴射記録ヘッドを構成する一部材である天板であっ
て、インク流路溝となる溝孔Gを長手方向に並列配置し
た天板部材W2 とこの天板部材W2 に一体的に形成され
た板状部材W3 とからなり、この天板において、エキシ
マレーザ発振器1から発振されるレーザ光により、イン
ク吐出口となる孔Hを溝孔Gに一致するように穿孔しよ
うとするものである。なお、ワークWはその天板部材W
2 および板状部材W3 を成形によって予め構成するとき
に、溝孔Gのみを同時に成形してもよく、あるいはこの
成形時に予定より小径の微細孔を溝孔Gとともに成形し
てもよい。さらにまた、天板部材W2 および板状部材W
3 の成形時に溝孔Gを設けることなく、溝孔Gを孔Hと
同様にレーザ加工により加工形成することも可能であ
る。
【0015】前記光軸a上に配置された光学系4は、図
2に示すように、ビーム整形用光学系5およびケラー照
明用のフライアイレンズ6およびフィールドレンズ7で
構成することができる。図2において、ビーム整形用光
学系5は、楕円形の透過孔を有するマスク5a、アナモ
フィックビームエクスパンダーを構成する凹面シリンド
リカルレンズ5bおよび凸面シリンドリカルレンズ5
c、ならびに凸レンズ5dおよび凹レンズ5eから構成
されている。エキシマレーザ発振器1から発振されるほ
ぼ長方形断面のレーザ光は先ずマスク5aによって楕円
形断面にされ、そして、アナモフィックビームエクスパ
ンダーによって、円形断面のレーザ光に調整される。そ
して凸レンズ5dおよび凹レンズ5eによって次段のケ
ラー照明に適合する光束径に調整する(すなわち、フラ
イアイレンズ6の外接円の大きさに合致させる)。な
お、フライアイレンズ6の前段にはプリズム8aおよび
8bが配置されていて、レーザ光を両プリズム8a、8
b間の間隙を通る平行光束L1と、各プリズム8a、8
bを介して分割された平行光束L2 、L3 とに分ける。
これらの各平行光束L1 、L2 、L3 はフライアイレン
ズ6の各領域61 、62、63 に入射され、フィールド
レンズ7に対する2次光源となる。フィールドレンズ7
は光軸a上において次段に配置されるマスク9を介して
投影光学系(投影レンズ)10のレンズ入射瞳に結像す
るようにレーザ光を導く。このようにして、上記光学系
4によってマスク9に形成された複数のパターン孔から
なる加工パターンに対して均等なレーザ光の照射を達成
することができる。この場合、投影光学系10のレンズ
は入射瞳の位置をフライアイレンズ6で結像される2次
光源の像と共役な位置にすると同時に、加工側の焦点位
置になるように設定される。そして、投影光学系10か
らのレーザ光はワークWの加工面W1 に対してテレセン
トリックに結像され、これによって、ワークWに光軸a
に平行な孔あけを行なうことができる。なお、ここで投
影光学系10にはマスク9の耐久性を考慮して縮小光学
系を用いることが好ましい。
【0016】マスク9は、図5に図示するように、マス
ク位置調整機構31上のマスクホルダー36に着脱自在
に装着され、加工しようとする孔または溝に対応してレ
ーザ光透過領域となる孔が1個または複数個並列されて
加工パターンを形成するように配設されている。このマ
スク9に隣接して姿勢検出手段30が付設されており、
マスク9は、後述するように、姿勢検出手段30の検出
結果に基づいて制御系15によって光軸aに対するマス
クの姿勢ならびに位置が調整される。
【0017】上記光軸aに対するワークWの向きを調整
するために、ワークステーション2に適宜な調整手段が
設けられている。例えば、天板部材W2 における溝孔G
の配列方向に並んでいる直線を軸とする回転を除く5軸
について自由度を持つステージの組合わせでワークステ
ーション2を構成することができる。なお、レーザ光の
光軸方向と、加工面W1 に沿ってかつ溝孔Gの並んでい
る方向に対して垂直な方向の軸を中心とする回転方向と
については、ワークWをワークステーション2上で正確
に位置決めできれば、調整しなくてもよいことになる。
また、回転調整のための中心をワークWの加工中心に合
わせる構成にすることで上記調整手段の制御を簡素化す
ることができる。
【0018】ワークステーション2上でのワークWの位
置決めのために、ワークWをワークステーション2に取
り付ける治具として、ワークステーション2上に配置し
たワークWの天板部材W2 の側面と板状部材W3 の前面
につき当てる複数の基準ピンで構成することができ、ま
た、治具上に、上記つき当て機構のほかに、エアー吸引
等によるクランプ機構を設けて、これをオートハンドと
一体化し、ワークステーション2へのワークWの自動供
給を可能にすることもできる。また、ワークWを複数個
同時にワークステーション2にセットすることで、とり
おき時間を短縮するようにしてもよい。ただし、この場
合には、調整手段の回転方向の1軸については、これを
ワークWの中心に位置できないので、測定の時とワーク
Wの移動の時とで基準値の変換を行なう必要があろう。
【0019】また、ワークステーション2上でのワーク
Wの孔あけ等の加工位置の測定のために、照明光学系1
1、11および12、ならびに測定系13、13が用意
されている。測定系13は、テレビカメラ13aをセン
サとして使用し、これを鏡筒13b、オートフォーカシ
ング手段13cを介して対物レンズ13dに対向させた
一対の測定器および光軸a上に配置される2面のミラー
13eより構成されており、照明光学系11は測定器に
組み込まれている。また、照明光学系12は、ワークW
と投影光学系10との間に位置されており、光軸aと直
交する方向から光源12aより光を照射し、測定時にの
み、光軸a上に進出するミラー12bによって、光を光
軸a上に載せ、ワークWに向けて照射させるものであ
る。
【0020】なお、この実施例では、照明光学系11、
11は孔あけ時または孔あけ後の孔の寸法や位置等の測
定時に使用され、そして、照明光学系12は溝孔Gの測
定時に使用される。ここで、ワークWは耐インク性に優
れたポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフ
ェニレンオキサイド、ポリプロピレン等の透光性の樹脂
で構成されており、照明光学系12からの照明光は溝孔
Gの位置を介してワークWの加工面W1 を照明する。こ
れを測定器側で計測して、溝孔Gに光軸aが一致してい
るか否かを判別する。
【0021】上記測定系13による測定結果は、画像処
理系14にもたらされ、信号処理の結果を制御系15に
送る。制御系15では、その測定結果に基づいて、ワー
クWの移動距離を算出し、ワークステーション2におけ
るステージ移動を移動手段16で行なわせる。そして、
測定系13の値が一定値になると移動手段16による位
置修正を終了し、照明光学系12の照射を完了し、ミラ
ー12bを後退させ、エキシマレーザ発振器1に対して
レーザ光の発光を行わせる信号を一定時間あるいは一定
パルス数与える。なお、ミラー12bの進出ならびに後
退は、エアシリンダ17等の手段によって行なうことが
できる。
【0022】また、エキシマレーザ発振器1の出力は、
ハーフミラー18を介してマスク付きのセンサ20で計
測され、この出力情報は制御系15にフィードバックさ
れ、インターフェース21を介してエキシマレーザ発振
器1への印加電圧等を変化させ、エキシマレーザ発振器
1の出力を一定に保つように調整を行なう。
【0023】板状部材W3 への孔あけ等の加工が完了し
たならば、照明光学系11のシャッターを開放して、孔
位置、孔径等を測定し、この結果から孔あけに関する校
正値を得ることができる。この校正のための測定は、測
定系13によって毎回行なう必要はなく、必要に応じて
時々行なえばよく、場合によってはこのような補正は行
なわなくともよく、この場合には照明光学系11は省略
することができる。
【0024】また、フライアイレンズ6およびマスク9
を用いることで、複数に分割された均等な光量のレーザ
光を用いて、ワークWの複数個について、複数箇所を同
時に孔あけすることができるために、孔あけ作業の効率
を飛躍的に向上させることもできる。
【0025】また、レーザ光をビーム整形光学系5を介
して整形することで、ワークWにおける孔の並ぶ方向お
よびレーザ光軸の方向のそれぞれに対して直交する方向
について光束を縮小させることができるから、この場合
にはマスク9の加工パターンを通る光エネルギー密度を
高める効果が得られる。
【0026】なお、加工パターンの形状を忠実にワーク
Wに再現するためには、上記マスク9を薄い金属板で構
成することが好ましく、そして、大気の雰囲気において
エキシマレーザのレーザ光が照射されても影響を受けな
いSUS等の金属、不透明なセラミック、Siなどが、
マスク9の材料として好適である。
【0027】そして、エキシマレーザは、紫外光を発振
できるレーザであり、高強度のエネルギーを出力でき、
単色性に優れ、指向性がよく、短パルス発振ができるだ
けでなく、レンズで集光することによりエネルギー密度
を大きくできる利点がある。すなわち、エキシマレーザ
発振器は希ガスとハロゲンの混合気体を放電励起するこ
とで、短パルス(15〜35ns)の紫外光を発振で
き、Kr−F、Xe−Cl、Ar−Fレーザ等がよく用
いられる。これらの発振エネルギーは数100mJ/パ
ルスであり、パルスの繰り返し周波数は30〜1000
Hzである。このように、高輝度の短パルス紫外光をポ
リマー樹脂の表面に照射すると、照射部分が瞬間的にプ
ラズマ発光と衝撃音を伴なって分解し、飛散する。所謂
“ABLATIVEPHOTODECOMPOSITION(APD)”過程を生
じ、これによってポリマー樹脂の孔あけ等の加工ができ
るのである。これは、他のレーザ、例えば赤外線である
CO2 レーザによる孔あけの場合と明らかな差が生じ
る。例えば、ポリイミド(PI)フィルムにエキシマレ
ーザ(KrFレーザ)を用いてレーザ光を照射すると、
PIフィルムの光吸収波長がUV領域にあるため、きれ
いな孔を明けることができるが、UV領域にない従来の
YAGレーザでは孔のエッジが荒れ、CO2 レーザでは
孔の周囲にクレータができてしまう。
【0028】次に、マスク9の位置調整について説明す
る。図1および図5において、30はマスク9の姿勢を
検出するための姿勢検出手段であって、マスク9に隣接
して配設され、レーザ光軸aに平行でかつ対称的に配置
された少なくとも一対の非接触式測長器30a、30b
を有している。この一対の非接触式測長器30a、30
bから得られたマスク9の位置情報に基いて、制御系1
5がマスク9の位置調整量および調整方向を算出し、移
動手段16によりマスク9の姿勢ならびに位置の調整を
行なう。
【0029】装置フレーム3上に設けられた位置調整機
構31は、図5に示すように、レーザ光の光軸aに平行
に移動可能なXステージ32、光軸aの方向と直交する
方向(Y方向)に移動可能なYステージ33、光軸aの
方向と直交しかつYステージ33の移動方向と垂直な方
向(Z方向)に移動可能なZステージ34、およびZス
テージ34上で回転可能に設けられたθステージ35を
備え、θステージ35の回転中心軸線上にマスク9を着
脱可能に保持するマスクホルダー36が取り付けられて
いる。このマスクホルダー36に保持されるマスク9に
は、加工しようとする孔や溝に対応してレーザ光透過領
域となる孔が横方向(Y方向)に1個または複数個並列
されて一加工パターンを形成し、このような加工パター
ンが上下方向(Z方向)に複数個(例えば、9a、9
b、9c)配設されており、加工に際して、Zステージ
34、さらに必要に応じてX、Yステージ32、33を
作動させて加工しようとする孔や溝に対応する加工パタ
ーンをZ方向に移動させ切り換えることにより、その所
望の加工パターンをレーザ光に対応させて、ワークWに
所望の加工パターンを加工することができる。
【0030】レーザ光の光軸aに平行でかつ対称的に配
置された一対の非接触式測長器30a、30bを有する
姿勢検出手段30をマスク9に隣接して配設したことに
よって、マスクの加工パターンの変更時あるいはマスク
の取り付けまたは交換時に、マスクの位置に傾きや位置
ずれ等が生じても、図6に示すような手法により、容易
にかつ速やかにマスク9の姿勢ならびに位置を調整する
ことができる。
【0031】マスクの加工パターンの変更時あるいはマ
スクの取り付けまたは交換時において、位置ずれや傾き
が生じた状態のマスク9を、図6の(a)に実線で図示
している。なお、破線で示す位置がマスクの正規な位置
である。姿勢検出手段30の一対の非接触式測長器30
a、30bはそれぞれマスク9に対向しており、それぞ
れのマスクの位置までの距離を測定することができるも
のである。図6の(a)において、非接触式測長器30
aはマスク9の左側部分までの距離情報l1 を検出し、
一方の非接触式測長器30bはマスク9の右側部分まで
の距離情報l2を検出する。これらの測定結果は、制御
系15に送られ、制御系15において、マスク9の移動
量が算出される。すなわち、距離情報l1 とl2 の差か
ら次式のように先ず回転角度θが算出される。 tanθ=(l2 −l1 )/2m (なお、mは、光軸aから各測長器30a、30bまで
の距離を示す。)この算出された回転角度θに基づい
て、移動手段16によりθステージ35を回動させ、そ
して両測長器30a、30bの位置情報が一致するまで
移動させる。この位置情報が一致した状態を図6の
(b)に示す。両測長器30a、30bの位置情報はl
3 で一致し、マスク9はレーザ光の光軸aに対して直交
した状態となる。 l3 =l1 +m tanθ=l2 −m tanθ=(l1 +l
2 )/2 次に、マスク9の予め設定されている正規位置の情報l
と前記の位置情報l3とにより、制御系15がその差を
算出して、その算出結果の移動量を移動手段16を介し
てXステージ32をレーザ光の光軸a方向、すなわちX
方向、に沿って移動させ、マスク9をその正規位置に調
整する(図6の(c))。また、これらの調整におい
て、θステージ35の回動とXステージ32の移動を同
時に行なわせて位置調整を行なうこともできる。
【0032】このように、マスク9が、加工パターンの
変更時等に、その位置や角度にずれが生じていても、一
対の非接触式測長器30a、30bからなる姿勢検出手
段30を用いることにより、マスク9の位置調整機構3
1を制御系15を介して自動的に作動させて、マスク9
の位置を容易にかつ速やかに調整することができ、調整
の簡素化が実現できる。
【0033】また、例えば、液体噴射記録ヘッドの天板
をワークWとして加工する際に、天板部材W2 および板
状部材W3 の成形時に、溝孔Gを成形することなく、溝
孔Gを孔Hと同様にレーザ加工により加工形成すると
き、同一マスク9内に、溝孔Gを加工する加工パターン
(例えば、9a)と、孔Hを加工するための加工パター
ン(例えば、9c)を配設しておき、これらの加工パタ
ーンを切り換えることにより、溝孔Gと孔Hをそれぞれ
レーザ加工することもできる。すなわち、先ず、マスク
9の溝孔Gを加工する加工パターン9aをレーザ光の光
軸a上に位置させて、レーザ光の照射を行ない、インク
流路溝となる溝孔Gを形成する。その後、ワークWの加
工面を変更するとともに、マスクの加工パターンの切り
換えを行なう。そして、そのマスク9の位置調整を上述
のように行なって、加工パターン9cをレーザ光の光軸
a上に位置させ、レーザ光の照射を行ないインク吐出口
となる孔Hを加工形成する。このように、マスクの加工
パターンの切り換え時に上述した手法によりマスクの位
置調整を容易にかつ速やかに行なうことができる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、上述したように構成されてい
るので、マスクの加工パターンの変更時あるいはマスク
の取り付けや交換時において、レーザ光の光軸に対する
マスクの位置ずれや傾きが生じたとしても、マスクの位
置調整を容易に速やかにかつ精度良く行なうことがで
き、マスクの加工パターンの変更やマスク交換時のマス
クの位置調整に要する時間および交換時の立ち上げ期間
を大幅に短縮でき、さらに加工タクトの短縮に寄与する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエキシマレーザ加工機の一実施例の構
成を概略的に示す図面である。
【図2】本発明のエキシマレーザ加工機におけるビーム
整形用光学系の詳細を示す図面である。
【図3】本発明のエキシマレーザ加工機における光学系
の一部を示す図面である。
【図4】ワークの一部縦断側面図である。
【図5】マスクを保持する位置調整機構および姿勢検出
手段の関係を示す模式的斜視図である。
【図6】マスクの姿勢を調整する手法を説明する図面で
ある。
【符号の説明】
1 エキシマレーザ発振器 2 ワークステーション 4 光学系 5 ビーム整形用光学系 6 フライアイレンズ 7 フィールドレンズ 9 マスク 10 投影光学系 11、12 照明光学系 13 測定系 14 画像処理系 15 制御系 16 移動手段 30 姿勢検出手段 30a、30b 非接触式測長器 31 位置調整機構 32 Xステージ 33 Yステージ 34 Zステージ 35 θステージ 36 マスクホルダー
フロントページの続き (72)発明者 林崎 公之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小野 敬之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大川 雅由 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工パターンを形成したマスクを介して
    被加工部材の加工面にレーザ光を照射して、被加工部材
    に前記マスクの加工パターンに相応する形状の加工をす
    るレーザ加工機において、前記マスクを着脱自在に保持
    しかつ該マスク内に複数設けられた加工パターンを切り
    換えることができる位置調整機構と、該位置調整機構に
    保持されたマスクの姿勢を検出してレーザ光の光軸に対
    して前記マスクの加工パターン部を一定の姿勢に保つよ
    うに前記マスクを調整する手段とを備えていることを特
    徴とするレーザ加工機。
  2. 【請求項2】 被加工部材に加工する孔または溝に対応
    して所定の加工パターンを有して、該加工パターンを介
    してレーザ光を被加工部材側へ透過するマスクと、該マ
    スクの加工パターンを介して被加工部材に所定形状の光
    像を投影する投影光学系と、被加工部材の加工位置を測
    定して被加工部材を移動させる測定系および移動制御系
    を具備して、レーザ光の照射によって被加工部材に所定
    形状の加工をするレーザ加工機において、前記マスクを
    着脱自在に保持しかつ該マスク内に複数設けられた加工
    パターンを切り換えることができる位置調整機構と、該
    位置調整機構に保持されたマスクの姿勢を検出してレー
    ザ光の光軸およびレーザ光を被加工部材に照射するため
    の前記投影光学系に対してマスクを一定の姿勢に保つよ
    うに前記マスクを調整する手段とを備えていることを特
    徴とするレーザ加工機。
  3. 【請求項3】 マスクの姿勢を検出してレーザ光の光軸
    に対してマスクの加工パターン部を一定の姿勢に保つよ
    うに前記マスクを調整する手段が、マスクの姿勢を検出
    するためにレーザ光の光軸に対して一定位置に設けられ
    た検出手段と、該検出手段により得られた検出結果に基
    づいて前記マスクの姿勢を調整する手段とを備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のレーザ加工
    機。
  4. 【請求項4】 マスクの姿勢を検出する検出手段が少な
    くとも一対の非接触式測長器であることを特徴とする請
    求項3記載のレーザ加工機。
  5. 【請求項5】 レーザ光にエキシマレーザ光を用いるこ
    とを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項記載の
    レーザ加工機。
  6. 【請求項6】 被加工部材が液体噴射記録ヘッドの天板
    であって、該天板にインク吐出口および/またはインク
    流路溝を加工するものであることを特徴とする請求項1
    ないし5のいずれか1項記載のレーザ加工機。
JP8344562A 1996-12-09 1996-12-09 レーザ加工機 Pending JPH10166173A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000289212A (ja) * 1999-02-04 2000-10-17 Toshiba Corp プリンタヘッドの製造方法とその装置及び孔加工装置
JP2015066580A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 日本電気株式会社 レーザー加工装置及びレーザー加工方法
CN106346138A (zh) * 2016-09-30 2017-01-25 广东正业科技股份有限公司 一种激光加工设备及其双工位切换装置、方法
JP2023015997A (ja) * 2021-07-20 2023-02-01 信越化学工業株式会社 不良箇所の除去方法

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