JPH10164975A - 撥水性抑制型ピートモス及び農園芸用資材 - Google Patents

撥水性抑制型ピートモス及び農園芸用資材

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JPH10164975A
JPH10164975A JP8331930A JP33193096A JPH10164975A JP H10164975 A JPH10164975 A JP H10164975A JP 8331930 A JP8331930 A JP 8331930A JP 33193096 A JP33193096 A JP 33193096A JP H10164975 A JPH10164975 A JP H10164975A
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moss
peat moss
nonionic surfactant
peat
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JP8331930A
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Shiro Yamazaki
詞朗 山崎
Touji Suzuki
塘二 鈴木
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 撥水性が抑制された状態で長期にわたって保
存し、使用することが可能な保存安定性に優れたピート
モスおよびそれを含有する農園芸用資材を提供する。 【解決手段】 ピートモスは、エチレンオキシドとプロ
ピレンオキシドとを開環重合して得られる共重合状態の
エーテル結合を構造中に有し、かつ、両末端にヒドロキ
シル基を有するか、または一端にヒドロキシル基を有
し、他端にアルコキシ基を有する非イオン系界面活性剤
で処理されたものである。このピートモスは、土壌、鉱
物等の配合原料と混合して農園芸用資材を作製するのに
使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、撥水性抑制処理が
施され、保存安定性に優れたピートモス及び撥水性抑制
処理型ピートモスを含有する農園芸用資材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ピートモスは、保水性、通気性、保肥性
に優れている点、植物病原菌の汚染がない点、分解の速
度が遅い点、肥料成分を殆ど含んでいない点などの利点
を有しているために、農園芸用資材に利用され、通常、
その低いpH(一般的に、pH=3.5〜5.5)の酸
度を矯正して、野菜や水稲の育苗床、花卉、芝などの園
芸用培土の配合材料として広く使用されている。
【0003】ところで、ピートモスは、乾燥状態におい
て撥水性を示すという性質を有しており、保存中または
農園芸用資材の他の配合材料と混合する等により、表面
の水分が失われると、ピートモスの撥水性が顕在化し
て、水分を吸収し難くなったり、排水性が悪くなったり
して、農園芸用資材としての使用に悪い影響を及ぼすこ
とが知られている。
【0004】従来、その撥水性を抑制する目的で、ピー
トモスを非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤
或いは陽イオン系界面活性剤等の界面活性剤によって処
理することが提案されている(例えば、特開昭54−1
5808号公報、特開平7−241139号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来提
案されている、撥水性を抑制する目的で界面活性剤で処
理したピートモスを含有する農園芸用資材は、高温条件
での保存後や、長期間の保存後に使用すると、ピートモ
スの撥水性が顕在化して、界面活性剤による湿潤効果が
顕著に低下し、灌水後の水引(排水性)が悪いこと、鉢
の内部まで水が浸透しないこと等により、農園芸用資材
を使用する際に、作業性を著しく損ねるという問題があ
った。したがって、ピートモスを含有する農園芸用資材
は、その保存方法に注意が必要であった。
【0006】また、上記の問題を改善して保存安定性を
持たせる目的で、初期の界面活性剤の添加量を増加する
と、保存中の湿潤効果にある程度の持続性は認められる
が、植物に影響が少ないとされる非イオン系界面活性剤
或いは陽イオン系界面活性剤の場合でも、界面活性剤に
よる種子発芽、根の伸長および苗の生育等に障害を起こ
すことがあった。したがって、従来、これらの問題点に
対して、より実用に耐え得る農園芸用資材の開発が望ま
れている。
【0007】したがって、本発明の目的は、撥水性が抑
制された状態で長期にわたって使用することが可能な保
存安定性に優れたピートモスを提供することにある。本
発明の他の目的は、上記ピートモスを含有する保存安定
性に優れた農園芸用資材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、次の事実
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、ピー
トモスを、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを
開環重合して得られる共重合状態のエーテル結合を構造
中に有し、かつ、両末端にヒドロキシル基を有するか、
または一端にヒドロキシル基を有し、他端にアルコキシ
基を有する非イオン系界面活性剤によって処理して、ピ
ートモスの撥水性を抑制し湿潤性を持たせることによ
り、保存中の湿潤効果の持続性が極めて良好であるこ
と、そして、このピートモスを含有する農園芸用資材に
おいても、保存中の湿潤効果の持続性が極めて良好に維
持されることを見出した。したがって、本発明のピート
モスは、撥水性抑制型のものであって、エチレンオキシ
ドとプロピレンオキシドとを開環重合して得られる共重
合状態のエーテル結合を構造中に有し、かつ、両末端に
ヒドロキシル基を有するか、または一端にヒドロキシル
基を有し、他端にアルコキシ基を有する非イオン系界面
活性剤で処理されたことを特徴とする。また、本発明の
農園芸用資材は、ピートモスと上記の非イオン系界面活
性剤を含有することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
まず、本発明の撥水性抑制型ピートモスについて説明す
る。本発明において、その撥水性を改良し、保存中の湿
潤効果の持続性を持たせる処理対象物であるピートモス
は、北緯40〜60度間の寒地沼沢湿地帯に広く分布
し、フィンランド、シベリア、アラスカ、カナダ、アイ
ルランド、スコットランド、スカンジナビア等に産す
る、ミズゴケが堆積してできた泥炭状のものとして周知
のものであって、農園芸資材としては、水洗し乾燥した
資材として提供されている。本発明において撥水性抑制
処理されるピートモスは、その産地に特に制限はなく、
上記以外のもの、例えば、国内産のものであっても、南
半球産のものであっても何等差し支えない。
【0010】本発明において、ピートモスに撥水性制御
処理を施すために使用する非イオン系界面活性剤は、エ
チレンオキシドとプロピレンオキシドとを開環重合して
得られる共重合状態のエーテル結合を構造中に有し、か
つ、両末端にヒドロキシル基を有するか、または一端に
ヒドロキシル基を有し、他端にアルコキシ基を有するも
のであって(以下、「非イオン系界面活性剤A」とい
う。)、例えば、エチレンオキシドとプロピレンオキシ
ドとを開環重合して得られる両末端に水酸基を有する共
重合物、および、脂肪族アルコール化合物にエチレンオ
キシドとプロピレンオキシドとを開環重合して得られる
一端がヒドロキシル基であり、他端が脂肪族アルコール
によってエーテル化された共重合物等が使用できる。
【0011】非イオン系界面活性剤Aとしては、具体的
には、例えば次のものを例示することができる。 エチレンオキシドとプロピレンオキシドとを、ナトリ
ウム或いはカリウム等のアルカリ金属の水酸化物または
アルコラート等の塩基性化合物を触媒として、開環重合
させることにより得られる共重合物であるポリオキシエ
チレン−ポリオキシプロピレングリコール(以下、「非
イオン系界面活性剤A−1」という。)。
【0012】上記の非イオン系界面活性剤A−1は、分
子鎖の両末端にヒドロキシル基を有するものであって、
エチレンオキシド/プロピレンオキシドの共重合比は、
90〜10/10〜90(重量%)、好ましくは、80
〜15/30〜85(重量%)、より好ましくは、60
〜20/50〜80(重量%)の範囲のものである。ま
た、その平均分子量は、300〜20000、好ましく
は、500〜10000、より好ましくは、900〜5
000の範囲のものが使用される。また、エチレンオキ
シドとプロピレンオキシドの共重合形態は、ブロック共
重合体、ランダム共重合体のいずれの形態であってもよ
いが、ブロック共重合体の形態が好ましい。
【0013】脂肪族アルコールに、エチレンオキシド
とプロピレンオキシドとを、ナトリウム或いはカリウム
等のアルカリ金属の水酸化物、アルコラート等の塩基性
化合物を触媒として、開環重合させて得られるポリオキ
シエチレン−ポリオキシプロピレングリコール・モノア
ルキルエーテル(以下、「非イオン系界面活性剤A−
2」という。)。
【0014】上記非イオン系界面活性剤A−2は、その
分子の両末端のヒドロキシル基のいずれか一方が脂肪族
アルコールとエーテル結合した形になっているものであ
って、エチレンオキシド/プロピレンオキシドの共重合
比は、90〜10/10〜90(重量%)、好ましく
は、80〜15/30〜85(重量%)、より好ましく
は、60〜20/50〜80(重量%)の範囲のもので
ある。また、その分子量は300〜20000、好まし
くは、500〜10000、より好ましくは、900〜
5000の範囲のものが使用される。
【0015】上記の非イオン系界面活性剤A−2におけ
るエチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合形態
は、ブロック共重合体、ランダム共重合体のいずれの形
態であってもよいが、ブロック共重合体の形態が好まし
い。その場合、脂肪族アルコールによってエーテル化さ
れるヒドロキシル基は、共重合物の両末端のいずれであ
ってもよいが、ポリエチレングリコール側のヒドロキシ
ル基がエーテル結合になっているのが好ましい。
【0016】上記非イオン系界面活性剤A−2の調製に
使用する脂肪族アルコールとしては、炭素数1〜18、
好ましくは1〜12、より好ましくは、4〜8の鎖状ま
たは環状の脂肪族1価アルコールが含まれ、具体的に
は、次の化合物を例示することができる。メチルアルコ
ール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチル
アルコール、3−メチルブチルアルコール、ヘキシルア
ルコール、4−メチルペンチルアルコール、オクチルア
ルコール、ドデシルアルコール。なお、本発明におい
て、非イオン系界面活性剤Aとしては、非イオン系界面
活性剤A−2が特に好ましく使用することができる。
【0017】ピートモスを上記の非イオン系界面活性剤
Aによって処理するには、非イオン系界面活性剤Aと水
(水の使用量は、ピートモス100重量部に対して、約
10〜70重量部である)との混合物と、ピートモスと
をよく混ぜ合わればよい。この場合、ピートモスに上記
混合物を少量ずつ振りかけるように添加するのが好まし
く、例えば、霧状にして添加するのが好ましい。その
後、乾燥することによって本発明の撥水性抑制型ピート
モスを製造することができる。非イオン系界面活性剤A
のピートモス(水分含有量を60%に換算。以下、同
様)100重量部に対する含有量は、0.05〜5重量
部、好ましくは、0.1〜4重量部、より好ましくは、
0.3〜3重量部の範囲である。非イオン系界面活性剤
の含有量が0.05重量部より低いと、十分な保存安定
性が得られなく、また、5重量部より多くなると、それ
以上の添加効果が得られなくなる。
【0018】次に、本発明の農園芸用資材について説明
する。ピートモスと上記非イオン系界面活性剤を含有さ
せる農園芸用資材は、配合原料として、土壌、鉱物、肥
料、炭化物等の1種または2種以上の組み合わせより構
成される。さらにその他の配合剤として、pH調節剤、
肥料、殺菌剤、植物生長調節剤等を適宜含有させること
ができる。また、成型助剤として、接着性を有する合成
高分子、半合成高分子、天然高分子等を配合することも
できる。
【0019】配合原料である土壌としては、日本農学会
の土性型で分類された、砂土、砂壌土、壌土、埴壌土、
埴土のいずれも使用することができる。さらに、水成岩
粉砕物、軽石粉砕物及び火山灰土等を適宜混合して、人
為的に所望する土性型に調整した土も使用することがで
きる。これらの土壌の中でも、埴壌土程度の細土、中粘
土含有量の土を好ましく使用することができる。鉱物と
しては、バーミキュライト、パーライト、軽石、ゼオラ
イト等をあげることができる。肥料としては、窒素肥
料、リン酸肥料、カリ肥料、水酸化カルシウム等のカル
シウム化合物、水酸化マグネシウム等のマグネシウム化
合物、酸化亜鉛等の亜鉛化合物をあげることができる。
【0020】炭化物としては、植物質、石炭質、石油
質、その他(有機質廃物、パルプ廃液等)を出発原料に
するものを使用することが可能であり、具体的には、木
炭、竹炭、ヤシガラ炭、藁灰、消炭、製紙スラッジ灰等
をあげることができる。
【0021】pH調節剤は、ピートモスからの酸による
植物の障害を防止する目的で添加されるものであって、
具体的には、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、酸化
マグネシウム、炭酸カルシウムなどが使用できる。取扱
いやすさの点では水酸化カルシウムが好ましく、添加量
は、原料ピートモスのpH、対象作物によって、調整に
必要な量を適宜に選択して設定することができる。
【0022】農園芸用資材の上記配合原料の形状は、特
に制限されるものではなく、粒状であっても、粉状であ
って差し支えない。例えば、土壌、好ましくは、鉱物、
肥料及び炭化物の少なくとも1種類と土壌とを、必要に
応じて、その他の原料も含めて、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム塩等の接着性を有する合成高分子、半合成高分
子、天然高分子を使用して、予め、粒状等に成型して、
農園芸用資材の配合原料とすることができる。
【0023】本発明において、農園芸用資材の配合原料
の配合量には特に制限はなく、対象とする植物の種類や
その生育段階に応じて適宜に選択することが可能であ
る。配合量の一応の目安として、次のような数値を示す
ことができる。
【0024】配合原料として、土壌を使用する場合の使
用量は、ピートモス100重量部に対して、好ましく
は、30〜4000重量部、より好ましくは、60〜2
000重量部である。配合原料として鉱物を使用する場
合の使用量は、ピートモス100重量部に対して、好ま
しくは、80〜500重量部、より好ましくは120〜
300重量部である。
【0025】本発明の農園芸用資材は、上記のようにし
て非イオン系界面活性剤Aによって処理されたピートモ
スを、農園芸用資材の上記の配合原料と混合して製造し
てもよいが、例えば、次の様にして製造することもでき
る。すなわち、非イオン系界面活性剤Aと水との混合物
とピートモスとをよく混ぜ合わせ、次いで、土壌や鉱物
を使用する場合には、非イオン系界面活性剤A、水及び
ピートモスの混合物に、土壌および/または鉱物を添加
して、よく混合することにより、撥水性抑制型ピートモ
ス含有農園芸用資材を製造することもできる。この混合
過程において、pH調節剤、肥料、殺菌剤、植物生長調
節剤等を適宜添加しても差し支えない。また、土壌、鉱
物以外の配合原料を用いる場合も、上記と同様にして農
園芸用資材を製造することができる。
【0026】上記の様にして得られる本発明の農園芸用
資材は、そのままの形態で使用することができるが、さ
らに、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム塩等の接着性を有す
る合成高分子、半合成高分子、天然高分子を成型助剤と
して用いて、粒状、シート状、マット状に成型して使用
することもできる。
【0027】本発明の農園芸用資材は、高温条件での保
存安定性や、長期間の保存安定性に優れており、調製直
後に使用しても保存後に使用しても、種子発芽、根の伸
長及び、苗の生育等に障害を起こすことがない。本発明
の農園芸用資材は、例えば、市販のセルトレーと組み合
わせて使用すると、キャベツ、ハクサイ、ブロッコリ
ー、チンゲン菜、カリフラワー、レタス、京菜、セロ
リ、キュウリ、カボチャ、トマト、ナス、ピーマン、ス
イカ、メロン、ネギ、タマネギ、ニラ、花卉類(カスミ
草、ストック、スターチス等)の育苗に好ましく使用す
ることができる。
【0028】
【実施例】以下、製造例、比較製造例、保存試験例、育
苗試験例、透水性試験例を示し、本発明を具体的に説明
する。なお、本発明は、その要旨を越えない限り以下の
製造例、比較製造例、保存試験例、育苗試験例、透水性
試験例に限定されるものではない。なお、実施例では、
いずれも市販品を使用した。
【0029】・ピートモス:カナダ産ピートモスを解き
ほぐし粉砕後12メッシュの篩いを通したもの。外観、
褐色。水分含有量60%。 ・非イオン系界面活性剤(A−1−1):ニューカルゲ
ン3429PB[竹本油脂(株)製、ポリオキシエチレ
ン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、HLB=
7、平均分子量2900、エチレンオキシド/プロピレ
ンオキシド=34/66(重量%)] ・非イオン系界面活性剤(A−2−1):ニューカルゲ
ン2517EHB[竹本油脂(株)製、ポリオキシエチ
レン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体のモノア
ルキルエーテル、平均分子量1700、エチレンオキシ
ド/プロピレンオキシド=25/75(重量%)] ・非イオン系界面活性剤(B−1)[比較用]:日本乳
化剤(株)製、ニューコール565(ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル) ・陰イオン系界面活性剤(C−1)[比較用]:東邦化
学(株)製、ソルポール7542(ポリオキシエチレン
アルキルスルホサクシネート) ・粒状培土:呉羽化学工業(株)製、クレハ園芸培土 ・炭化物:植物質を出発原料とする炭化物。粒径2〜3
mmの粒状物
【0030】(撥水性抑制確認試験1) 試験用試料の調製 ピートモス120gに、非イオン系界面活性剤(A−1
−1)または(A−2−1)2.25gを水30gに溶
かした溶液を添加し混合した。次いで、水分含有量を4
0%になるまで風乾した後に、撥水性抑制確認試験を行
った。次いで、2リットルのポリエチレン製瓶に試料を
入れ、50℃で14日間保存後、さらに30日間保存後
について、撥水性抑制確認試験を行った。比較のため
に、非イオン系界面活性剤(B−1)と陰イオン系界面
活性剤(C−1)を用いた場合について、同様の調製と
試験を行った。
【0031】撥水性抑制確認試験 ガラス製のシャーレ(直径150mm、深さ35mm)
に、20℃の水200mlを入れた。次いで、ロート
(脚の長さ60mm。脚の切断面は、試料を投入する開
口部の円錐の底面とほぼ水平。脚の内径17mm。試料
を投入する円錐の開口部の底面の直径95mm)の脚の
先端が、水面のほぼ中心から2cmの高さになる位置に
固定し、擦り切り一杯1mlの円柱状のガラス容器を用
いて、擦り切り一杯の試料を落下させ、水面上に落下し
た試料が、水面上に拡散して、全部が濡れるまでに要す
る時間を測定した。
【0032】得られた結果を、表1に示す。
【表1】
【0033】(製造例1)ピートモス12kgに、非イ
オン系界面活性剤(A−2−1)0.225kgを水3
kgに溶かした溶液を添加混合し、さらに、粒状培土1
10kg、炭化物4kg、消石灰0.44kgを加えて
混合した後、水15kgを添加して混合し、撥水性抑制
型ピートモス含有農園芸用資材(以下、「撥水性抑制型
資材1」という。)を調製した。
【0034】(比較製造例1)非イオン系界面活性剤
(A−2−1)に代えて、非イオン系界面活性剤(B−
1)0.225kgを使用して、製造例2と同様の操作
で、比較用ピートモス含有農園芸用資材(以下、「比較
用資材1」という。)を調製した。 (比較製造例2)非イオン系界面活性剤(A−2−1)
に代えて、陰イオン系界面活性剤(C−1)0.225
kgを使用して、製造例2と同様の操作で、比較用ピー
トモス含有農園芸用資材(以下、「比較用資材2」とい
う。)を調製した。
【0035】(保存試験例)撥水性抑制型資材1と、比
較用資材1、比較用資材2とを各々15kgを25リッ
トル入りの灰白色有孔ポリエチレン製袋(約0.5mm
の小穴を上下各4箇所に計8個有する。以下、同様)に
入れ、シールした後、農業用ビニル系樹脂フィルムで被
覆したパイプハウスに入れて、閉め切った状態で1カ月
間保存した(この間の温度は、25〜60℃で変動し
た)。以下、高温条件での保存を履歴した資材を、それ
ぞれ「撥水性抑制型資材1a」、「比較用資材1a」お
よび「比較用資材2a」という。また、撥水性抑制型資
材1、比較用資材1および比較用資材2の各々15kg
を25リットル入りの有孔ポリエチレン製袋に入れ、シ
ールした後、日射日光を避け、常温の室内で1カ月間保
存した。以下、保存した後の各資材を、それぞれ「撥水
性抑制型資材1b」、「比較用資材1b」および「比較
用資材2b」という。
【0036】(育苗試験例)セルトレー[ヤンマー農機
(株)製、128セルタイプ]に、撥水性抑制型資材1
a、撥水性抑制型資材1b、比較用資材1a、比較用資
材1b、比較用資材2aおよび比較用資材2bの各々を
充填し、ハクサイ(品種:大福75コート種子)100
粒を播種し、各々を、撥水性抑制型資材1a、撥水性抑
制型資材1b、比較用資材1a、比較用資材1b、比較
用資材2aおよび比較用資材2bで覆土した。定時灌水
管理を行い、16日後に、発芽率(%)、発芽生育した
苗の子葉幅(mm)、草丈(mm)を調査した。その結
果を表2に示す。
【0037】
【表2】 *強い撥水のため水が充分浸透しなかった。
【0038】(透水性試験例)(保存安定性を確認する
ための試験) 撥水性抑制型資材1aを60gを、有孔板(穴径2m
m)を備えた円径46mm全長250mmの円筒状ロー
トに充填し、下部にメスシリンダーをセットした後、1
00mlの水を静かに注いだ。注水開始より試料表面
(上部)より水が引き終わるまでの透水所要時間と透水
量を測定した。この操作を3回繰り返して、3回目の測
定値をもって、透水所要時間と透水量とし、次式により
透水速度を求めた。 透水速度(ml/sec)=透水量(ml)/透水所要
時間(sec)
【0039】また、撥水性抑制型資材1bおよび比較用
資材1a、比較用資材1b、比較用資材2a、比較用資
材2bを用いて同様の操作で、透水速度を求めた。その
結果を表3に示す。
【0040】
【表3】 上記の結果から、上記育苗結果で観察できる本発明のピ
ートモスの保存安定性は、高温条件での保存後の撥水性
抑制型ピートモス含有農園芸用資材を用いて、測定した
透水速度と、常温条件での保存後の撥水性抑制型ピート
モス含有農園芸用資材を用いて同様の方法で測定した透
水速度に大差ないこととよく一致していることが分か
る。
【0041】
【発明の効果】エチレンオキシドとプロピレンオキシド
とを開環重合して得られる共重合状態のエーテル結合を
構造中に有し、かつ、両末端にヒドロキシル基を有する
か、または一端にヒドロキシル基を有し、他端にアルコ
キシ基を有する非イオン系界面活性剤で処理された撥水
性抑制型ピートモスは、撥水性抑制効果が長期間保持さ
れる。したがって、この非イオン系界面活性剤およびピ
ートモスを含有する本発明の農園芸用資材は、高温条件
や、長期間の保存安定性に優れており、保存後に使用し
ても、撥水することなく種子発芽、根の伸長及び、苗の
生育等に障害を起こすこともない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンオキシドとプロピレンオキシド
    とを開環重合して得られる共重合状態のエーテル結合を
    構造中に有し、かつ、両末端にヒドロキシル基を有する
    か、または一端にヒドロキシル基を有し、他端にアルコ
    キシ基を有する非イオン系界面活性剤で処理されたこと
    を特徴とする撥水性抑制型ピートモス。
  2. 【請求項2】 ピートモスおよびエチレンオキシドとプ
    ロピレンオキシドとを開環重合して得られる共重合状態
    のエーテル結合を構造中に有し、かつ、両末端にヒドロ
    キシル基を有するか、または一端にヒドロキシル基を有
    し、他端にアルコキシ基を有する非イオン系界面活性剤
    を含有することを特徴とする農園芸用資材。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002017159A (ja) * 2000-06-30 2002-01-22 Iseki & Co Ltd 培 地
JP2007531521A (ja) * 2004-04-02 2007-11-08 アクアトロルズ コーポレイション オブ アメリカ インコーポレイテッド メチルオキシラン−オキシラン共重合体のアルキルエーテルを用いる植物成長媒体環境の改良による植物生産性の向上
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CN112048311A (zh) * 2020-09-30 2020-12-08 曾敦华 荒漠、盐碱地返盐阻隔剂及其制备方法和应用

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