JPH101643A - 耐熱性フィルム接着剤およびその製造方法 - Google Patents
耐熱性フィルム接着剤およびその製造方法Info
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- JPH101643A JPH101643A JP15531296A JP15531296A JPH101643A JP H101643 A JPH101643 A JP H101643A JP 15531296 A JP15531296 A JP 15531296A JP 15531296 A JP15531296 A JP 15531296A JP H101643 A JPH101643 A JP H101643A
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Abstract
材料として工業的に極めて利用価値が高い耐熱性と接着
作業性を両立させた信頼性の高いフィルム接着剤を提供
する。 【解決手段】 (A)有機溶剤に可溶で、ガラス転移温
度が350℃以下のポリイミド樹脂 100重量部に対
して、(B)1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を
有するエポキシ化合物5〜100重量部、(C)多官能
性アミノ化合物0.1〜20重量部及び(D)シランカ
ップリング剤を主たる成分とする耐熱性フィルム接着剤
およびその製造方法。
Description
併せもち、エレクトロニクス用途、特に半導体実装材料
として適したシリコン基板や金属に対する接着力に優れ
たフィルム接着剤と、その製造方法に関するものであ
る。
よって大型化する一方、パッケージの大きさはプリント
回路設計上の制約、電子機器小型化の要求などから従来
と変わらない、あるいはむしろ小さな外形を要求されて
いる。この傾向に対応して、半導体チップの高密度化と
高密度実装に対応した新しい実装方式が幾つか提案され
ている。一つはメモリー素子に提案されているダイ・パ
ッドのないリードフレームの上にチップを載せるCOL
(チップ・オン・リード)構造と、その発展形であるチ
ップの上にリードを載せるLOC(リード・オン・チッ
プ)構造である。一方、論理素子には電源、グランドを
別フレームにし、さらに放熱のための金属プレートを多
層化した多層リードフレーム構造がある。これらによる
とチップ内配線やワイヤー・ボンディングの合理化、配
線短縮による信号高速化、消費電力の増大に伴って発生
する熱の放散等と素子サイズの小型化を図ることができ
る。
リードフレーム、リードフレームとプレート、リードフ
レーム同士など同種異種材質の接着界面が存在し、その
接着信頼性が素子の信頼性に非常に大きな影響を与え
る。素子組立作業時の工程温度に耐える信頼性は勿論の
こと、吸湿時、湿熱時などの接着信頼性である。さらに
接着作業性も重要な項目である。
剤や耐熱性基材に接着剤を塗布したものが使用されてい
た。エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、ゴム−フェノー
ル樹脂系の熱硬化性樹脂が接着剤として使用されている
が、イオン性不純物が多い、加熱硬化に高温長時間を必
要とし生産性が悪い、加熱硬化時に多量の揮発分が発生
しリードを汚染する、吸湿性が高い、など高信頼性接着
剤としての要求を満たしているとは言い難く、満足でき
る材料が見当らない。新しい実装形態に適した接着剤の
開発が求められている。その一つの方法としてポリイミ
ド樹脂を用いたホットメルト型のフィルム接着剤が挙げ
られる(特開平5-105850,112760,112761号 公報参
照)。ホットメルトタイプの接着剤であれば、短時間に
被着体に熱圧着することが可能であり、接着後の加熱硬
化工程が必要ではなくなり、生産性、信頼性の向上に大
きく寄与すると考えられる。しかしながら、ホットメル
ト型であるがため接着剤樹脂のガラス転移温度が高いと
加工に非常に高温を要し、被着材に熱損傷を与える恐れ
が大きい。一方、低温加工性を付与するためガラス転移
温度を下げると耐熱性が下がり、よって信頼性が低下す
るという問題点があった。
工性に優れた耐熱性フィルム接着剤を得るべく鋭意研究
を重ねた結果、特定構造のポリイミド樹脂にエポキシ化
合物および該エポキシ化合物と反応可能な活性水素基を
有する多官能性アミノ化合物、およびシランカップリン
グ剤を添加すると、上記課題を解決することができるこ
とを見出し、本発明に到達したものである。
度が350℃以下の有機溶剤に可溶なポリイミド樹脂1
00重量部に対して、1分子中に少なくとも2個のエポ
キシ基を有するエポキシ化合物5〜100重量部、該エ
ポキシ化合物と反応可能な活性水素基を有する一般式
(1)で表される多官能性アミノ化合物0.1〜20重
量部、シランカップリング剤0.1〜20重量部を主た
る接着剤樹脂成分とする耐熱性フィルム接着剤およびそ
の製造方法に関する。
(A)ポリイミド樹脂は、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−
オキシジフタル酸二無水物およびエチレングリコールビ
ストリメリット酸二無水物、無水ピロメリット酸からな
る群より選ばれた1種または2種以上のテトラカルボン
酸二無水物と芳香族ジアミンとを重合させることにより
得られたものであることが好ましい。前記ポリイミドの
製造に用いられる芳香族ジアミンとして、例えば、2,
2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プ
ロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ア
ミノフェノキシ)ヘキサフルオロプロパン、ビス−4−
(4−アミノフェノキシ)フェニルスルフォン、ビス−
4−(3−アミノフェノキシ)フェニルスルフォンなど
を挙げることができ、それらを単独、あるいは併用して
使用することができる。また前記ポリイミドのジアミン
成分の一成分として式(2)で表されるシロキサン化合
物をジアミン成分総量の5〜50モル%用いることがよ
り好ましい。
は芳香族基 R3,R4,R5,R6:1価の脂肪族基または芳香族基 k:1〜20の整数)
ジアミン成分の総量の5モル%より少ないと得られるポ
リイミドの有機溶剤への溶解性が低下し、50モル%を越
えるとガラス転移温度が著しく低下し耐熱性に問題が生
じる。さらに、一般式(2)で表されるシロキサン化合
物として具体的には、下記一般式(4)で表されるα,
ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサ
ン(APPS)が好ましく、特にkの値が4〜10の範
囲が、ガラス転移温度、接着性、耐熱性の点から好まし
い。これらのシロキサン化合物は単独で用いることは勿
論、2種類以上を併用することもできる。特にk=1
と、上記k=4〜10のものをブレンドして用いること
は、接着性を重視する用途では好ましい。
当量比は、得られるポリアミック酸の分子量を決定する
重要な因子である。ポリマの分子量と物性、特に数平均
分子量と機械的性質の間に相関があることは良く知られ
ている。数平均分子量が大きいほど機械的性質が優れて
いる。従って、実用的に優れた強度を得るためには、あ
る程度高分子量であることが必要である。本発明では、
酸成分とアミン成分の当量比rが 0.900 ≦ r ≦ 1.060 より好ましくは 0.975 ≦ r ≦ 1.025 の範囲にあることが好ましい。ただし、r=[全酸成分
の当量数]/[全アミン成分の当量数]である。rが0.
900未満では、分子量が低くて脆くなるため接着力が弱
くなる。また1.06を越えると、未反応のカルボン酸が加
熱時に脱炭酸してガス発生、発泡の原因となり好ましく
ないことがある。本発明のポリイミド樹脂の分子量制御
のため、ジカルボン酸無水物あるいはモノアミンを添加
することは、上述の酸/アミン モル比の範囲であれば
特にこれを妨げない。
反応は、非プロトン性極性溶媒中で公知の方法で行われ
る。非プロトン性極性溶媒は、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、テ
トラヒドロフラン(THF)、ジグライム、シクロヘキ
サノン、1,4−ジオキサン(1,4−DO)などであ
る。非プロトン性極性溶媒は、一種類のみ用いてもよい
し、二種類以上を混合して用いてもよい。この時、上記
非プロトン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を混合
して使用しても良い。トルエン、キシレン、ソルベント
ナフサなどの芳香族炭化水素が良く使用される。混合溶
媒における非極性溶媒の割合は、30重量%以下である
ことが好ましい。これは非極性溶媒が30重量%以上で
は溶媒の溶解力が低下しポリアミック酸が析出する恐れ
があるためである。テトラカルボン酸二無水物とジアミ
ンとの反応は、良く乾燥したジアミン成分を脱水精製し
た前述反応溶媒に溶解し、これに閉環率98%、より好
ましくは99%以上の良く乾燥したテトラカルボン酸二
無水物を添加して反応を進める。
を、続いて有機溶剤中で加熱脱水環化してイミド化しポ
リイミドにする。イミド化反応によって生じた水は閉環
反応を妨害するため、水と相溶しない有機溶剤を系中に
加えて共沸させてディーン・スターク(Dean-Stark)管
などの装置を使用して系外に排出する。水と相溶しない
有機溶剤としてはジクロルベンゼンが知られているが、
エレクトロニクス用としては塩素成分が混入する恐れが
あるので、好ましくは前記芳香族炭化水素を使用する。
また、イミド化反応の触媒として無水酢酸、β-ピコリ
ン、ピリジンなどの化合物を使用することは妨げない。
ほど良く、イミド化率が低いと使用時の熱でイミド化が
起こり水が発生して好ましくないため、95%以上、よ
り好ましくは98%以上のイミド化率が達成されている
ことが望ましい。
のままエポキシ化合物や該エポキシ化合物と反応可能な
活性水素基を有する多官能性アミノ化合物およびシラン
カップリング剤を添加し、樹脂ワニスを調整し支持体に
塗布しても良いが、該ポリイミド溶液を貧溶媒中に投入
してポリイミド樹脂を再沈析出させて未反応モノマを取
り除いて精製することが好ましい。精製、乾燥したポリ
イミド樹脂およびエポキシ化合物や該エポキシ化合物と
反応可能な活性水素基を有する化合物およびカップリン
グ剤を有機溶剤に溶解して塗布ワニスとする。この時使
用する溶剤は反応溶媒と同じでも良いが、塗布乾燥工程
の作業性を考え沸点の低い、好ましくは沸点が200℃
以下の溶剤を選択することが好ましい。200℃以下の
溶剤として、本発明ではケトン系溶剤として、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロペンタノン、シクロヘキサノンを、エーテル系溶剤
として、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグラ
イムを、アミド系溶剤として、N,N-ジメチルホルムアミ
ド、N,N-ジメチルアセトアミドを挙げることができる。
これらの溶剤は単独で使用しても良いし、2種以上を混
合して用いることもできる。
(B)エポキシ化合物は、少なくとも1分子中に2個の
エポキシ基を有するものであれば特に限定されるもので
はないが、ポリイミド樹脂の溶媒への溶解性が良好なも
のが好ましい。例えば、ビスフェノールA型のジグリシ
ジルエーテル、ビスフェノールF型のジグリシジルエー
テル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニ
ル型エポキシ樹脂等が挙げられる。前記エポキシ樹脂の
配合量は成分(A)ポリイミド樹脂100重量部に対し
て5〜100重量部、特に10〜70重量部の範囲にあ
ることが好ましい。5重量部未満では、未硬化のエポキ
シ化合物を添加し、樹脂組成物の軟化温度を下げ低温加
工性をあげるという効果が現れにくく、100重量部をこ
えるとポリイミド樹脂の耐熱性を損なうこととなり好ま
しくない。
(C)該エポキシ化合物と反応可能な活性水素基を有す
る多官能性アミノ化合物は、成分(A)のポリイミド樹
脂や成分(B)のエポキシ樹脂との相溶性、ポリイミド
樹脂の溶媒への溶解性が良好なものが好ましい。具体的
にはアニリン樹脂が挙げられる。成分(C)の配合割合
は成分(A)のポリイミド樹脂100重量部に対して
0.1〜20重量部、より好ましくは0.5〜10重量
部である。0.1重量部未満では、エポキシ化合物の反
応率が極端に低くなり本発明にて望まれる効果が現れな
い。高温時の樹脂の弾性率が低下している時の樹脂フロ
ーの制御が困難である。20重量部を越えると樹脂溶液
状態でゲルが生じやすくなり、加工性が損なわれ、また
樹脂組成物の耐熱性を損ない好ましくない。さらにアニ
リン樹脂に求められる特性として軟化点が60〜120
℃であることがより好ましい。軟化点が120℃以上で
は成形加工温度を下げることができず、60℃以下では
加工温度を下げることはできても成形物の耐熱性が著し
く低下する場合が生じ好ましくない。
用する成分(D)シランカップリング剤は、成分(A)
や成分(B)、(C)との相溶性、ポリイミド樹脂の溶
媒への溶解性が良好なものが好ましく、特にビニルシラ
ン、エポキシシラン、アミノシラン等が好適に挙げられ
る。中でも特に一般式(3)で表されるカップリング剤
(アミノ系シラン)が好ましい。
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(βメト
キシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)
エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン 、N−β(アミノエチル)
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランなどを挙げ
ることができ、これらは併用することもできる。シラン
カップリング剤の配合割合は成分(A)のポリイミド樹
脂100重量部に対して0.1〜20重量部、より好ま
しくは0.5〜10重量部である。0.1重量部未満で
は、当該樹脂組成物を接着用途に用いる場合、被着材と
の密着性を向上させる効果が現れない。20重量部をこ
えると樹脂組成物のライフが短くなり加工性が低下する
場合があり、また樹脂組成物の耐熱性を損ない、好まし
くない。
性、耐熱性を損なわない範囲で微細な無機充填材が配合
されていても良い。樹脂ワニスには表面平滑性を出すた
めの平滑剤、レベリング剤、脱泡剤などの各種添加剤を
必要に応じて添加することができる。また、溶剤の蒸発
速度を調節するために均一に溶解する範囲で芳香族炭化
水素系溶剤を使用することもできる。本発明において樹
脂ワニスをフィルム接着剤とするには、樹脂ワニスを流
延あるいは塗布して得られ、例えば耐熱性フィルム基材
を支持体として用い、その片面または両面に同様にフィ
ルム層を形成させ、支持体と共にフィルム接着剤とした
り、ロール、金属シート、ポリエステルシートなどの離
型シートの上にフローコーター、ロールコーターなどに
よりフィルムを形成させ、加熱・乾燥後剥離してフィル
ム接着剤とするなどの方法で得ることができる。
材は、ポリイミド樹脂フィルムが熱膨張係数が小さく温
度変化に対する寸法安定性に優れていること、可撓性に
富み取り扱い易いこと、本発明の樹脂との密着力が優れ
ている点で好ましい。特にガラス転移温度 350℃以上の
ポリイミド樹脂は、塗布ワニスを乾燥する工程での作業
性、安定性の点で優れている。樹脂ワニスの塗布・乾燥
は、フローコーター、ロールコーターなどの塗布設備と
熱風乾燥炉を組み合わせた装置などを用いることができ
る。樹脂ワニスを支持体に塗工後、熱風乾燥炉に導きワ
ニスの溶剤を揮散させるに十分な温度と風量でもって乾
燥する。本発明のフィルム接着剤の使用方法は特に限定
されるものではないが、所定の形状に切断して加熱した
ヒートブロックで熱圧着して接着するなど、接着テープ
として使用することができる。
溶なガラス転移温度が350℃以下のポリイミド樹脂1
00重量部に対して、1分子中に少なくとも2個のエポ
キシ基を有するエポキシ化合物5〜100重量部、多官
能性アミノ化合物0.1〜20重量部、シランカップリ
ング剤0.1〜20重量部を主たる樹脂成分として含有
されていることを特徴とする。この樹脂の見かけ上のガ
ラス転移温度は、主成分のポリイミド樹脂のガラス転移
温度より低下し低温加工性が向上する。一方、ガラス転
移温度より高温域での接着力は該ポリイミド樹脂より向
上し、IRリフローなどの熱衝撃を与えても剥離が認め
られないなどの、高温域での物性が向上する。この特異
な現象に対する詳細な機構は未だ明らかではない部分も
あるが、エポキシ化合物と該エポキシ化合物と反応可能
な活性水素基を有する多官能性アミノ化合物が反応した
低分子量の生成物は、特定構造のポリイミド樹脂に対し
て可塑剤として作用し、該ポリイミド樹脂のガラス転移
温度より低温域での弾性率を低下せしめ、よって接着
性、加工性など低温での作業性の向上をもたらす。一
方、ガラス転移温度より高温域では、その与えられた熱
によって三次元網目構造が形成され、ポリイミド樹脂の
流動性を低下せしめ、よって該ポリイミド樹脂の耐熱性
を維持あるいは向上せしめると考えられる。以上の機構
によって低温加工性と高温時の耐熱信頼性の両立がはか
られる。また、化学反応を伴う熱硬化性接着剤に比べる
と極めて短時間に接着可能である。テープ状に加工する
ことにより、接着作業性、接着部の寸法精度を優れたも
のにすることができる。以下実施例により本発明を詳細
に説明するが、これらの実施例に限定されるものではな
い。
管、冷却器、温度計、撹拌機を備えた四口フラスコに、
脱水精製したNMP791gを入れ、窒素ガスを流しな
がら10分間激しくかき混ぜる。次に2,2−ビス(4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン(BA
PP)73.8926g(0.180モル)、1,3−
ビス(3−アミノフェキシ)ベンゼン(APB)17.
5402g(0.060モル)、α,ω−ビス(3−ア
ミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(APPS 式
(4))50.2200g(平均分子量837、0.0
60モル)を投入し、系を60℃に加熱し、均一になる
までかき混ぜる。均一に溶解後、系を氷水浴で5℃に冷
却し、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物(BPDA)44.1330g(0.150
モル)、エチレングリコールビストリメリット酸二無水
物(TMEG)61.5445g(0.150モル)を
粉末状のまま15分間かけて添加し、その後3時間撹拌
を続けた。この間フラスコは5℃に保った。
キシレンを満たしたディーン・スターク管をフラスコに
装着し、系にキシレン198gを添加した。油浴に代え
て系を 175℃に加熱し発生する水を系外に除いた。
4時間加熱したところ、系からの水の発生は認められな
くなった。冷却後この反応溶液を大量のメタノール中に
投入し、ポリイミド樹脂を析出させた。固形分を濾過
後、80℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、227.
79g(収率92.1%)の固形樹脂を得た。KBr錠
剤法で赤外吸収スペクトルを測定したところ、環状イミ
ド結合に由来する5.6μmの吸収を認めたが、アミド
結合に由来する6.06μmの吸収を認めることはでき
ず、この樹脂はほぼ100%イミド化していることが確
かめられた。
ラス転移温度が148℃、引っ張り弾性率が180kg
f/mm2、ジメチルホルムアミド(DMF)、1,4−
ジオキサン(1,4−DO)に良く溶解することが確か
められた。
の合成)前記のポリイミド樹脂PI−1の合成と同様に
して、PI−2およびPI−3を得た。得られたポリイ
ミド樹脂PI−1、PI−2およびPI−3の物性を表
1に示した。
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、2,
5−ジメチル−p−フェニレンジアミンをそれぞれ表
し、APDSは1,3−ビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサン(式(2)においてk=1)を
表す。溶解性の欄のSは該当する溶媒に溶解することを
示す。ガラス転移温度はDSC測定により求めた。引張
り試験は室温、引張り速度5mm/minにて測定し
た。ヤング率は粘弾性スペクトロメーターにより求め
た。
脂PI−1、100gとDMF355gを入れ、室温で
充分に撹拌し、ポリイミドを完全に溶解させる。均一に
溶解した後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコ
ート828、油化シェルエポキシ(株)製)40gを加
え室温にて2時間撹拌した。その後均一に溶解している
ことを確認して、シランカップリング剤(トリスメトキ
シエトキシビニルシラン、KBC1003、信越化学
(株)製)5gを加え室温にて1時間撹拌した。均一に
溶解していることを確認して、アニリン樹脂PR−AF
−S(軟化点78℃、アミノ基含有量10.2重量%、
住友デュレズ(株)製)5.0gを系を撹拌しながら徐
々に加えた。引き続き2時間撹拌し塗布ワニスを作製し
た。この溶液組成物は、室温にて5日間放置してもゲル
化せず均一な溶液の状態のままであった。
ニスをリバースロールコーターでポリイミドフィルム
(商品名ユーピレックスSGA、厚み50μm、宇部興
産(株)製)の片面に塗布し、接着剤層の厚みが30μm
の接着テープを得た。乾燥温度は最高195℃で乾燥時
間20分であった。このフィルム接着剤を42アロイプ
レートに熱圧着して試験片を作製し(250℃2秒間熱
圧着し、圧を解放後250℃で30秒間アニールした。
接着面にかかる圧力はゲージ圧力と接着面積から計算の
結果4kgf/cm2であった。)、テンシロンにて180度
ピール強度を測定した結果を表2に示す。接着強度は常
態およびプレッシャークッカー(125℃、48時間、
飽和100%)で処理した後の室温での180度ピール
強度を測定したものである(引張り速度50mm/mi
n)。試験片の破断面は接着樹脂層が凝集破壊し、発泡
は全く認められなかった。
ルコーターで二軸延伸ポリエステルフィルム(商品名ダ
イヤホイル、厚さ50μm、ダイアホイルヘキスト(株)
製)に塗布し、乾燥後ポリエステルフィルムから剥離
し、30μm厚みの支持体なしの均一な単層フィルム接着
剤を得た。剥離は容易で特に支障はなかった。実施例1
と同様に42アロイのプレートに接着した結果を表2に
示す。
にして、表2に示す配合にて塗布ワニスを調整しフィル
ム接着剤を得た。得られた評価結果を表2に示す。
ることを示す。ガラス転移温度はDSC測定により求め
た。引張り試験は室温、引張り速度5 /minにて測定し
た。ヤング率は粘弾性スペクトロメーターにより求め
た。使用する成分(B)エポキシ化合物について、エピ
コート828はビスフェノールA型エポキシ化合物、油
化シェルエポキシ(株)製、YX−4000Hはビフェ
ニル型エポキシ化合物エピコートYX−4000H、油
化シェルエポキシ(株)製、EOCN−1020はクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬(株)をそ
れぞれ示している。使用する成分(D)カップリング剤
はKBC1003(トリスメトキシエトキシビニルシラ
ン)、、KBE1003(トリエトキシビニルシラ
ン)、KBM573(N−フェニル−γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン)信越化学(株)製を使用した。
のみの樹脂組成物あるいは成分(B)〜(D)のうちで
一種または二種加えた樹脂組成物を調整し、ポリイミド
フィルム(ユーピレックス)の片面に塗布し、フィルム
接着剤を得た。42アロイプレートとの接着強度を実施
例と同様にして測定し、その結果を表3に示した。
着剤の接着強度は吸湿加熱後でもその強度はわずかしか
低下していない。、また吸湿後熱時の接着強度は、常態
と比べて低下するものの、比較例のそれと比べて強度が
大きく低下することを防ぐことが可能である。以上のこ
とから本発明により、吸熱時の接着強度が大きく低下す
ることを防ぎ、耐熱性と成形加工性に優れたフィルム接
着剤を得られることが示される。
両立させた信頼性の高いフィルム接着剤を提供すること
が可能である。低沸点溶媒に可溶であるため残留溶媒を
ほぼ完璧になくすことが可能で、また既にイミド化され
ているため、加工時にイミド化のための高温過程が不要
で水分の発生も無い。またタックのないフィルムとして
使用することができるので連続作業性やクリーンな環境
を必要とする場合に非常に有効である。このため高信頼
性と耐熱性を要求するエレクトロニクス用材料として工
業的に極めて利用価値が高い。
Claims (7)
- 【請求項1】 (A)有機溶剤に可溶なガラス転移温度
が350℃以下のポリイミド樹脂100重量部、(B)
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物5〜100重量部、(C)一般式(1)で表さ
れる多官能性アミノ化合物0.1〜20重量部及び
(D)シランカップリング剤0.1〜20重量部を主た
る成分とする耐熱性フィルム接着剤。 【化1】 (式中、nは2から10の整数) - 【請求項2】 成分(A)が一般式(2)で表されるシ
ロキサン化合物をアミン成分総量の5〜50モル%含有
してなるポリイミド樹脂である請求項1記載の耐熱性フ
ィルム接着剤。 【化2】 (式中、R1,R2:2価の、炭素数1〜4の脂肪族基また
は芳香族基 R3,R4,R5,R6:1価の脂肪族基または芳香族基 k:1〜20の整数) - 【請求項3】 シランカップリング剤が一般式(3)で
表されることを特徴とする請求項1記載の耐熱性フィル
ム接着剤。 【化3】 (式中、Yはアミノ基を有する有機基 P1は炭素数1〜4の2価の炭化水素基 P2は炭素数1〜4のアルキル基 P3は炭素数1〜4のアルキル基 mは1〜3の整数を表す。) - 【請求項4】 (A)有機溶剤に可溶なガラス転移温度
が350℃以下のポリイミド樹脂100重量部、(B)
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物5〜100重量部、(C)一般式(1)で表さ
れる多官能性アミノ化合物0.1〜20重量部及び
(D)シランカップリング剤0.1〜20重量部を主た
る成分とする樹脂組成物を、支持体の片面又は両面に流
延成形する耐熱性フィルム接着剤の製造方法。 - 【請求項5】 (A)有機溶剤に可溶なガラス転移温度
が350℃以下のポリイミド樹脂100重量部、(B)
1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポキ
シ化合物5〜100重量部、(C)一般式(1)で表さ
れる多官能性アミノ化合物0.1〜20重量部及び
(D)シランカップリング剤0.1〜20重量部を主た
る成分とする樹脂組成物を、支持体の上に流延成形後、
乾燥後、支持体から剥離して得る耐熱性フィルム接着剤
の製造方法。 - 【請求項6】 成分(A)が一般式(2)で表されるシ
ロキサン化合物をアミン成分総量の5〜50モル%含有
してなるポリイミド樹脂である請求項4又は5記載の耐
熱性フィルム接着剤の製造方法。 - 【請求項7】 シランカップリング剤が一般式(3)で
表されることを特徴とする請求項4又は5記載の耐熱性
フィルム接着剤の製造方法。
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1996
- 1996-06-17 JP JP15531296A patent/JP3695848B2/ja not_active Expired - Fee Related
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