JPH10162588A - 強誘電体メモリおよびその制御方法並びに強誘電体メモリシステム - Google Patents

強誘電体メモリおよびその制御方法並びに強誘電体メモリシステム

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JPH10162588A
JPH10162588A JP8316243A JP31624396A JPH10162588A JP H10162588 A JPH10162588 A JP H10162588A JP 8316243 A JP8316243 A JP 8316243A JP 31624396 A JP31624396 A JP 31624396A JP H10162588 A JPH10162588 A JP H10162588A
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memory
electric field
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Shinji Saito
藤 伸 二 斎
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体メモリの保持特性の劣化を解消し、
メモリセルの分極量を初期の状態に戻すことのできる強
誘電体メモリおよびその制御方法ならびに強誘電体メモ
リシステムを提供することを目的とする。 【解決手段】 強誘電体メモリのデータが格納されてい
る全てのメモリセルに、その分極方向とは逆方向の電界
を一旦印加して、その飽和分極量を初期の値に回復させ
る。このようにして、飽和分極量が回復されたメモリセ
ルには、再びもとのデータが書き込まれる。このような
回復操作は、メモリに電源が接続された毎に行うことが
でき、または、タイマにより管理しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電体メモリお
よびその制御方法並びに強誘電体メモリシステムに関す
る。より具体的には、メモリの保持特性を大幅に改善す
ることのできる、強誘電体メモリおよびその制御方法並
びに強誘電体メモリシステムに関する。
【0002】なお、ここで言うメモリの保持特性とは、
強誘電体で一般的に知られている残留分極量の減少(ヒ
ステリシスの狭小化)とヒステリシス特性の右(+側)
または左(−側)へのシフトによる見かけ上の残留分極
量の減少(一般的にインプリントと呼ばれる)をさす。
【0003】
【従来の技術】強誘電体メモリは、半導体RAM(ラン
ダム・アクセス・メモリ)の様にデータの書き込み速度
が速く、しかも不揮発性メモリの様にデータを半永久的
に保持できる点で、これら両者の利点を兼ね備えたメモ
リである。そして、このような利点を生かして、クレジ
ット・カードや各種の証明などの用途で用いられるIC
カードへの応用が注目されている。データを蓄積できる
メモリとしては、他にも例えば、フラッシュ・メモリや
2PROMなどが挙げられる。しかし、ICカードで
は、データを一部分のみ書き換える必要があるので、一
括消去型のフラッシュ・メモリは適さない。また、E2
PROMは、高価であり消費電力が大きく、書き換え速
度も遅いために、ICカード、特に無線カードには適さ
ない。一方、強誘電体メモリでは、部分的な書き換えが
可能であり、さらに消費電力が低く、書き換え速度も速
いという特徴を有するために、ICカードのキー・コン
ポーネントとして期待されている。
【0004】このような強誘電体メモリは、強誘電体の
分極特性を利用してデータを保持する。図5は、このよ
うな強誘電体の分極特性を表すグラフである。同図に示
したように、強誘電体の分極量は電界に対してヒステリ
シス特性を示す。同図中の矢印は、電界の印加に伴う分
極量の変化の経路を示す。
【0005】例えば、強誘電体に正の電界を印加する
と、同図の矢印Aの方向に変化し、飽和分極量+Psに
到達する。次に、電界を遮断すると同図の矢印Bの方向
に変化し、電界がゼロの状態で、+Prの残留分極量を
保持する。さらに、負の電界を印加すると、矢印Cの方
向に変化し、飽和分極量−Psの状態に到達する。そし
て、電界を遮断すると、矢印Dの方向に沿って変化し、
電界がゼロの状態で、−Prの残留分極量を保持する。
【0006】図6は、このような強誘電体を用いたメモ
リセルの回路の概略構成を表す回路図である。ここで
は、強誘電体メモリセルの一例として、2トランジスタ
・2強誘電体膜により構成された相補型の構成を示し
た。すなわち、メモリセル100は、強誘電体膜1A、
1Bと、トランジスタ2A、2Bとにより構成されてい
る。強誘電体膜1A、1Bの一端は、それぞれトランジ
スタ2A、2Bのドレインに接続され、他端はプレート
線Pに接続されている。トランジスタ2A、2Bのゲー
トには、ワード線Wが接続されている。また、トランジ
スタ2Aのソースにはビット線B1が接続され、トラン
ジスタ2Bのソースにはビット線B2が接続されてい
る。なお、ビット線B2は、反転ビット線である。
【0007】次に、このような相補型の強誘電体メモリ
セルに、データを書き込む手続を説明する。
【0008】図7(a)は、”0”データの書き込みに
際して、各配線に印加する電圧のタイミングを表したタ
イミング図である。また、図7(b)は、それぞれのタ
イミングに対応して各強誘電体膜に印加される電界と、
その結果得られる分極量を示した表である。なお、強誘
電体膜に印加される電界の方向として、トランジスタの
ドレインが負極で、プレート線が正極となる場合の電界
を正方向とした。
【0009】まず、図7(a)に示したように、ワード
線Wに電圧+Vwを印加してトランジスタ2A、2Bの
ゲートをオンにする。この電圧Vwは、通常は、電源電
圧Vccの1.5倍程度であることが多い。すなわち、
Vccが5ボルトの場合は、Vwは、約7.5ボルトで
ある。
【0010】次に、ビット線B1に電圧+Vccを印加
して状態αとする。この状態αでは、プレート線Pと反
転ビット線B2の間の電圧はゼロである。従って、強誘
電体膜1Aには、負の電界−E0が印加される。この時
の強誘電体膜1Aの分極量は、−Psに等しい。一方、
この状態αでは、強誘電体膜1Bには電界は印加され
ず、その分極量は、それ以前の状態を保持している。す
なわち、強誘電体膜1Bの分極量は、−Prまたは+P
rのいずれかである。
【0011】次に、プレート線Pに電圧+Vccを印加
して状態βとする。この状態βでは、ビット線B1には
+Vccが印加されたままであり、反転ビット線B2
は、0Vのままである。従って、強誘電体膜1Aの両端
は、いずれも+Vccの電圧が印加され、電界はゼロと
なる。従って、その分極量は、図5に示したヒステリシ
ス曲線の矢印Aに沿って変化し、残留分極量である−P
rとなる。一方、強誘電体膜1Bについてみると、この
状態βでは、ドレイン側の電圧はゼロで、プレート線P
側の電圧は+Vccである。すなわち、強誘電体膜1B
には、正電界+E0が印加される。従って、強誘電体膜
1Bの分極量は、図5のヒステリシス曲線上の飽和分極
量+Psとなる。
【0012】次に、プレート線Pの電圧をゼロにして状
態γとする。この状態γにおいても、ビット線B1には
+Vccが印加されたままであり、反転ビット線B2
は、0Vである。従って、強誘電体膜1Aには電界−E
oが印加され、その分極量は飽和分極量−Psとなる。
一方、強誘電体膜1Bに印加される電界は、ゼロとな
る。従って、その分極量は、図5の矢印Bに沿ってヒス
テリシス曲線上を変化し、残留分極量+Prとなる。
【0013】そして、最後に、図7(a)に示したよう
にワード線Wの電圧をゼロにして、トランジスタ2A、
2Bのゲートをオフにすることにより、書き込みを終了
する。この終了時の状態δでは、強誘電体膜1A、1B
ともにビット線から切り離されるために印加される電界
はゼロになる。従って、強誘電体膜1Aの分極量は残留
分極量−Prとなり、強誘電体膜1Bの分極量は残留分
極量+Prとなる。
【0014】このようにして、例えば、強誘電体膜の残
留分極量が−Prの時を「0」で、+Prの時を「1」
とすると、前述の書き込み手続により、強誘電体膜1A
には「0」が書き込まれ、強誘電体膜1Bには、「1」
が書き込まれたこととなる。したがって相補型メモリセ
ル100全体としては、「0」が書き込まれたこととな
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上に説明し
た強誘電体メモリにおいては、強誘電体の属性として、
データを書き込んだまま放置すると徐々に分極量が減っ
てくるという問題がある。これは、強誘電体の残留分極
量が時間の経過とともに低下することに起因する。この
ような残留分極量の低下は、一般に「保持特性の劣化」
と称される。このような劣化が生ずると、データとして
強誘電体膜に書き込まれた分極量が時間とともに減少す
る。そして、読み出しに必要な分極量以下に低下する
と、メモリとして機能することができなくなる。
【0016】メモリがこのような動作不良を生ずるの
は、データを書いた後に長時間メモリにアクセスしない
で放置した場合である。このような場合について、強誘
電体メモリの主要な応用製品のひとつであるICカード
を例に挙げて、以下に説明する。
【0017】ICカードを例えば銀行口座のキャッシュ
・カードやクレジット・カードとして使用するような場
合には、カードを使う時にメモリにアクセスし、所定の
データの書き込みや読み出しを行う。そして、それ以外
の時は、メモリへのアクセスはされず、ある時間は放置
されたままとされる。別の観点からみると、一般に、I
Cカードでは、個人情報などをメモリに書き込み、用途
に応じて必要なデータの読み出しや書き込みが行われ
る。つまり、メモリに格納されている全てのデータに常
にアクセスされる訳ではない。むしろ、使う必要に応じ
て必要な情報が格納されているメモリ・エリアにアクセ
スされるだけである。従って、アクセスされないメモリ
部分は、放置されぱなっしになる。
【0018】多機能ICカードであれば、例えばビルデ
ィングへの出入りのセキュリティなどに頻繁に使われた
り、職場のタイム・カードやキャッシュ・カードなどと
しても使われる。しかし、タイム・カードやキャッシュ
・カードとして使う場合であっても、使う毎に新しいデ
ータが追加され、古いデータは使用記録として保存され
るケースが殆どである。つまり、メモリが一杯にならな
い限り、通常はデータの書き換えは行われない。その結
果として、これらの用途では、かなりの時間データが保
持されることとなる。その結果として、時間の経過とと
もに、前述したような保持特性の劣化が生ずる。そし
て、データの読み出しに必要な分極量以下に低下する
と、メモリとして機能することができなくなる。
【0019】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
ある。すなわち、本発明者は、強誘電体の保持特性の劣
化に関して詳細に検討した結果、新規な知見を得るに至
った。本発明は、この知見に基づいて、強誘電体メモリ
の保持特性の劣化を解消し、メモリセルの分極量を初期
の状態に戻すことのできる強誘電体メモリおよびその制
御方法ならびに強誘電体メモリシステムを提供するもの
である。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明による
第1の強誘電体メモリは、複数のメモリセルを有し、前
記メモリセルのそれぞれに配置されている強誘電体に電
界を印加して分極させることによって所定のデータを格
納する強誘電体メモリであって、前記強誘電体メモリに
電源が接続される毎に、少なくともデータが格納されて
いる全ての前記メモリセルへアクセスする回路手段を備
えたことを特徴とするものとして構成される。
【0021】また、本発明による第2の強誘電体メモリ
は、複数のメモリセルを有し、前記メモリセルのそれぞ
れに配置されている強誘電体に電界を印加して分極させ
ることによって所定のデータを格納する強誘電体メモリ
であって、タイマにより時間を管理し、所定の設定時間
が経過した時に、少なくともデータが格納されている全
ての前記メモリセルへアクセスする回路手段を備えたこ
とを特徴とするものとして構成される。
【0022】また、本発明による第3の強誘電体メモリ
は、複数のメモリセルを有し、前記メモリセルのそれぞ
れに配置されている強誘電体に電界を印加して分極させ
ることによって所定のデータを格納する強誘電体メモリ
であって、前記所定のデータの格納に際して、その格納
された日付を表すデータが同時に格納され、その格納さ
れた日付を表すデータに基づき、最新のデータが格納さ
れた日から所定の時間が経過した時に、少なくともデー
タが格納されている全ての前記メモリセルへアクセスす
る回路手段を備えたことを特徴とするものとして構成さ
れる。
【0023】また、本発明による第4の強誘電体メモリ
は、前記の第2または第3の強誘電体メモリにおいて、
電源が接続された後であって、その電源を接続した本来
の目的である所定のデータの入出力動作を実行する前
に、少なくともデータが格納されている全ての前記メモ
リセルへアクセスする回路手段をさらに備えたことを特
徴とするものとして構成される。
【0024】また、本発明による第5の強誘電体メモリ
は、前記の第2または第3の強誘電体メモリにおいて、
電源が接続された後であって、かつ、その電源を印加し
た本来の目的である所定のデータの入出力動作を実行し
た後に、少なくともデータが格納されている全ての前記
メモリセルへアクセスする回路手段をさらに備えたこと
を特徴とするものとして構成される。
【0025】また、本発明による第6の強誘電体メモリ
は、前記の第1〜の第4の強誘電体メモリにおいて、メ
モリセルへのアクセスは、前記強誘電体メモリの行方向
のアドレスのみを選択することにより行うことを特徴と
するものとして構成される。また、本発明による第7の
強誘電体メモリは、前記第5の強誘電体メモリにおい
て、行方向のアドレスのみの選択は、前記行アドレスを
順次インクリメントして、各メモリセルの内容の読み出
し動作を行うことを特徴とするものとして構成される。
【0026】また、本発明による第8の強誘電体メモリ
は、強誘電体に第1の電界を印加することにより分極さ
せ、前記第1の電界を除去した後に残留する分極量を保
持させることによって所定の情報を記録する強誘電体メ
モリであって、前記強誘電体に前記第1の方向の電界と
は逆方向の第2の方向の電界を印加し、しかる後に前記
第1の方向の電界を再び印加することによって、前記強
誘電体の保持特性の劣化によって生ずる前記残留する分
極量の低下を回復させるようにした回路手段を備えるも
のとして構成される。
【0027】また、本発明による強誘電体メモリの制御
方法は、強誘電体に第1の方向の電界を印加することに
より分極させ、前記第1の方向の電界を除去した後に残
留する分極量を保持させることによって所定の情報を記
録する強誘電体メモリの、前記強誘電体の分極特性を回
復する制御方法であって、前記強誘電体の保持特性の劣
化によって生ずる前記残留する分極量の低下を回復させ
るために、前記強誘電体に前記第1の方向の電界とは逆
方向の第2の方向の電界を印加し、しかる後に前記第1
の方向の電界を再び印加する手段を備えたことを特徴と
するものとして構成される。
【0028】また、本発明による第2の強誘電体メモリ
の制御方法は、前記の第1の方法において、前記印加す
る手段は、前記強誘電体メモリに電源が接続される毎に
実行されることを特徴とするものとして構成される。
【0029】また、本発明による第3の強誘電体メモリ
の制御方法は、前記の第1の方法において、前記付加す
る手段は、予め設定された所定の時間毎に実行されるこ
とを特徴とするものして構成される。
【0030】また、本発明による強誘電体メモリシステ
ムは、複数のメモリセルを有し、前記メモリセルのそれ
ぞれに配置されている強誘電体に第1の方向の電界を印
加して分極させることによって所定のデータを格納する
強誘電体メモリと、前記強誘電体メモリへのデータの入
力と前記強誘電体メモリからのデータの出力とを制御す
る制御部と、前記強誘電体メモリおよび前記制御部に所
定の電圧を供給する電源部と、を備えた強誘電体メモリ
システムであって、前記強誘電体に前記第1の方向の電
界とは逆方向の第2の方向の電界を印加し、しかる後に
前記第2の方向の電界を再び印加することによって、前
記強誘電体メモリにおける前記強誘電体の保持特性の劣
化によって生ずる前記残留する分極量の低下を回復させ
るようにした回路手段を備えたことを特徴とするものと
して構成される。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明は、強誘電体メモリのデー
タが格納されている全てのメモリセルに、その分極方向
とは逆方向の電界を一旦印加して、その飽和分極量を初
期の値に回復させることを特徴のひとつとする。このよ
うにして、飽和分極量が回復されたメモリセルには、再
びもとのデータが書き込まれる。
【0032】本発明の第1の実施の形態について、以下
に図面を参照しながら説明する。
【0033】本発明においては、ICカードを例にとる
と、例えば、カードを使用する際に、必要なメモリ・エ
リアのみをアクセスするだけでなく、その使用の本来の
目的からはアクセスが必要とされないエリアも含めて、
全てのメモリセルに、それぞれの分極方向とは逆方向の
電界を印加する。そして、その後に、もとのデータを書
き込むようにする。
【0034】図1は、この動作シーケンスの一例を説明
したフロー・チャートである。すなわち、まず、ステッ
プ10では、例えば、ICカードをカード・リーダ装置
に差し込むことにより、強誘電体メモリへ電源が供給さ
れる。また、この時点で、行アドレスを示すパラメータ
nを、「1」と設定する。
【0035】ステップ12では、パラメータnで指定さ
れた強誘電体メモリのn行目の各メモリセルの内容を読
み出してラッチする。
【0036】ここで、メモリセルアレイの行方向はワー
ド線とプレート線とにより選択される。また、メモリセ
ルアレイの列方向には、各々ビット線が接続され、各ビ
ット線には、データをラッチするセンスアンプが接続さ
れている。各メモリセルの読み出しに際しては、前述し
たように、ワード線を選択し、次にプレート線を選択す
る。すると、ビット線にメモリセルの情報に従って電位
が表れる。この電位をセンスアンプでセンスして、デー
タをラッチする。このセンス動作は、前述したように行
単位で行われる。つまり、ワード線、プレート線に接続
されている全てのメモリセルがアクセスされることにな
る。従って、メモリセルへのアクセス動作は、前述した
ように、行単位に行っていけば良い。
【0037】ステップ14においては、n行目の各メモ
リセルに逆電界を印加して強誘電体の保持特性を回復さ
せる。すなわち、それぞれのメモリセルの強誘電体がデ
ータを保持していた時の分極の方向と逆の方向に分極す
るように電界を印加する。
【0038】ステップ16においては、n行目の各メモ
リセルに、もとのデータを書き込む。すなわち、ラッチ
されているそれぞれのデータを、対応するそれぞれのメ
モリセルに再度書き込む。
【0039】ステップ18では、行アドレスを表すパラ
メータnに1を加算する。
【0040】ステップ20においては、パラメータnと
メモリの最終行アドレスNとを比較し、nがNよりも小
さい場合は、ステップ12に戻る。すなわち、行アドレ
スを表すパラメータnをインクリメントしながら、順
次、回復操作と再書き込み操作を繰り返す。
【0041】ステップ22では、ユーザがカードを用い
て行うべき本来の所定の操作、すなわち、暗証番号の読
み出しや時刻の記録などのデータ入出力操作を行う。
【0042】最後に、ステップ24では、例えばICカ
ードをカード・リーダから取り出すことにより、強誘電
体メモリへの電源の供給が停止される。
【0043】以上、説明した例において、ステップ12
から20までの一連の動作については、強誘電体メモリ
のチップ内にそれらの動作を司る制御回路が内蔵されて
いても良い。また、強誘電体メモリのチップの外部にそ
のような制御回路が設けられていて、メモリの外部から
このような制御が行われるようにしても良い。また、本
発明による強誘電体メモリのメモリセルの構成として
は、例えば図6に示したような2トランジスタ・2強誘
電体の構成には限定されず、1トランジスタ・1強誘電
体の構成でも、あるいは、それ以外の構成でも良い。
【0044】本発明者は、独自に実験を行い、本発明に
おける逆方向の電界の印加が奏する作用について検討し
た。その結果として、強誘電体に逆方向の電界を印加す
ることによって、その残留分極量が顕著に改善される事
実を発見した。
【0045】本発明者が独自に知得した事実について以
下に詳しく説明する。図2は、強誘電体の分極特性を表
すグラフである。例えば、正方向の電界が因果されて、
当初は+Prの残留分極量を保持していた強誘電体を
想定する。このような強誘電体の残留分極量は、時間と
ともに低下する。ここで、ある時間が経過した後の残留
分極量を+Prとする。このように時間の経過ととも
に低下した残留分極量を回復する手段として、当業者が
通常、想到するのは、再び正方向の電界を印加すること
である。図2のグラフ中には、このように再び同一方向
に電界を印加した場合の分極量の変化も併せて示した。
すなわち、正方向の電界を印加すると同図の矢印Aに沿
って分極量が増加し、飽和電界値において飽和分極量+
Prとなる。次に、電界を遮断すると、分極量は同図
の矢印Bに沿って変化し、残留分極量は+Prとな
る。その残留分極量+Prは、当初の分極量+Pr
よりも小さい。すなわち、残留分極の方向と同方向の電
界を印加したのでは、残留分極量は完全には回復しな
い。
【0046】次に、逆方向に電界を印加した場合につい
て説明する。この場合には、分極量は、図2の矢印Cに
沿って変化する。すなわち、残留分極量は、+Pr
ら矢印Cに沿って低下し、飽和分極量−Prに達す
る。そして、次に正方向の電界を印加すると、矢印Dに
沿って変化し、飽和電界において飽和分極量+Pr
得られる。そして、さらに電界を遮断すると、分極量
は、矢印Eに沿って変化し、ゼロボルトにおける残留分
極量は、当初の値である+Prにほぼ近い値となる。
つまり、残留分極量が低下した時に、一旦、その分極の
方向とは逆の方向に電界を印加して飽和分極量に達し、
再び同方向の飽和電界を印加すると、残留分極量は、ほ
ぼ初期の値まで回復する。
【0047】このように、一旦、逆方向の電界を印加す
ると残留分極量が回復する理由については、必ずしも明
確ではない。しかし、本発明者の詳細な検討によれば、
このような特異な現象は、強誘電体が有する「インプリ
ント特性」と密接な関連を有することが推測される。こ
の「インプリント特性」とは、図2や図5に示したよう
な強誘電体の分極特性をあらわす曲線が、同図上でみた
ときに電界方向にシフトする現象である。そして、強誘
電体の残留分極量の保持特性が低下する原因のうちで、
この「インプリント特性」の影響が大きく、さらに、こ
の「インプリント特性」は、強誘電体が保持している残
留分極の方向とは、逆の方向の電界を印加することによ
って顕著に改善されることを見いだした。なお、この観
点からすると、図2において示した分極特性のヒステリ
シス曲線も実際には電界方向にシフトしていることが考
えられる。しかし、同図においては、説明の容易のため
に、便宜上シフトしていないグラフを示した。
【0048】本発明者は、この「インプリント特性」を
発生させている原因として、強誘電体の界面または内部
において存在する可動性の不純物や、強誘電体の組成の
局部的な変化などの関与を推測している。すなわち、こ
のような不純物が強誘電体の界面または内部において徐
々に移動すると、時間とともに電界強度分布を緩和さ
せ、または、分極特性を劣化させ、その結果として、イ
ンプリント特性が生ずることが推測される。また、強誘
電体の組成が時間とともに局部的にゆらぐことによって
も、このような電界強度分布の緩和や分極特性の劣化が
生じ得る。
【0049】本発明において、一旦、逆方向の電界を印
加することによって保持特性が回復するのは、このよう
な可動性の不純物を元の位置に戻し、または、強誘電体
の組成の局部的な変化を元に戻すことにより、電界強度
分布や分極特性が初期の状態に復帰することに起因して
いることが推測される。
【0050】図3は、図1に例示した動作に対応するメ
モリ内部のタイミング図である。すなわち、まず、時刻
t=tにおいて、例えばICカードがカードリーダに
挿入されることによって、メモリへの電源がオンとな
る。
【0051】次に、時刻t=tにおいて、チップ・エ
ネイブル信号/CEをオンにしてメモリをアクティブ状
態にする。また、行アドレスとしてバイナリ・データを
順次入力して、前述したように1行目からN行目まで行
毎にアクセスを行う。
【0052】このアクセスに際しては各行アドレス毎
に、データの読出しと、書き込みが繰り返され、図1に
示したように逆電界が印加される。
【0053】次に、時刻t=tにおいて、すべての行
がアクセスされた後に、ライト・エネイブル信号/WE
をオンにして、本来の操作、すなわち、データの書き込
みや書き換えなどを行う。
【0054】次に、時刻t=tにおいて、本来の操作
を終了した後に、ライト・エネイブル信号/WEとチッ
プ・エネイブル信号/CEをオフにする。
【0055】最後に、時刻t=tにおいて、メモリの
電源が遮断される、すなわち、例えば、ICカードがカ
ード・リーダから抜き取られる。
【0056】図1および図3においては、強誘電体メモ
リに電源が供給された後であって、所定のデータ入出力
操作が行われる前に、回復操作を行うこととしている。
しかし、本発明はこれに限定されるものではない。本発
明の他の実施の態様として、強誘電体メモリに電源が供
給され、所定のデータ入出力操作が行われた後に、回復
操作を行うようにしても良い。このようにすれば、電源
の投入からデータの入出力までの時間が短いような場合
においても、データの入出力を妨げることなく、強誘電
体の回復操作を行うことができる。
【0057】ここで、本発明においては、強誘電体の保
持特性の劣化を補うために、随時、各メモリセルにアク
セスして、データの読み込み・逆電界の印加・データの
再書き込み、という一連の操作を行う。従って、このよ
うなアクセスがあまり頻繁に行われると、強誘電体の疲
労による劣化が生ずる虞も考えられる。ここで、疲労に
よる劣化とは、強誘電体に対して何回もデータを書き換
えると、分極し難くなる現象であり、一般に「疲労特
性」と称される。
【0058】しかし、現実的には、例えばICカードの
場合、1日に使う回数はせいぜい数回から多くても20
回程度である。ここで、そのようなICカードを10年
間使用すると仮定すると、上述したようなメモリセルへ
のアクセスの総回数は、次式により計算できる。
【0059】 20回×365日×10年=73、000回 すなわち、約73、000回のデータの書き換えが行わ
れることとなる。しかし、疲労特性の観点からみた、現
状の強誘電体の書き換え回数の上限値は、約10の10
〜13乗回とされている。したがって、前述したような
メモリセルの回復操作を行っても、疲労特性への影響は
殆ど無いといえる。
【0060】次に、本発明の第2の実施の形態について
説明する。
【0061】例えば、通信データ処理システムなどでシ
ステムの電源が殆ど常時オン状態にあるような場合を想
定する。この場合には、前述した第1の実施の形態のよ
うな、電源のオンに伴うメモリセルの回復操作を行うこ
とができない。このような場合には、例えばタイマによ
って時間管理し、所定の時間が経過した時に全てのメモ
リセルにアクセスして、回復操作を行えば良い。ここ
で、時間をあまり短く設定すると回復操作の回数が増え
るために疲労特性に悪影響を与える。例えば、回復操作
を1日に1回行うこととすると、10年間の間に行われ
るメモリセルの書き換え操作の総回数は次式により計算
される。
【0062】1回×365日×10年=3、650回 すなわち、3、650回のデータの書き換えが行われる
こととなる。この回数は、前述した上限値10の10〜
13乗よりも充分に小さい。つまり、強誘電体の疲労特
性には、殆ど悪影響を及ぼさないといえる。
【0063】図4は、この本発明の第2の実施の形態を
表す強誘電体メモリシステムの概略構成図である。つま
り、本発明による強誘電体メモリシステム30は、メモ
リセルアレイ31と行デコーダ34と、カウンタ35と
タイマ36とによりその要部が構成されている。メモリ
セルアレイ31は、行方向のワード線33と列方向のビ
ット線32とがマトリクス状に配線された構成を有す
る。また、各ワード線33は行デコーダ34によって順
次、選択される。そして、この行デコーダ34は、カウ
ンタ35により制御され、カウンタ35は、タイマ36
により制御される。
【0064】タイマ36には、回復操作を行うまでの所
定の時間が設定される。所定の時間が経過すると、タイ
マ36からの指示によって、カウンタ35が行デコーダ
34に信号を送り、メモリセル31のワード線33を順
次選択して、前述した回復操作を実行する。このタイマ
36は、強誘電体メモリチップの内部に設置しても良い
し、外部に設置してもよい。
【0065】ここで、前述したような1日に1回のタイ
マによる回復操作は、システムの電源が常にオン状態に
あるような場合には有効である。しかし、1日のうちに
電源を数回オン・オフするようなシステムの場合には、
タイマの設定時間をもっと短く設定する必要がある。こ
こで、前述した疲労特性の観点から、回復操作の設定時
間を算出すると以下の如くである。すなわち、疲労特性
からの書き換え回数の上限値は、前述したように10の
10乗回である。したがって、疲労特性に悪影響を与え
ない書き換え数としては、その上限値の千分の1から1
万分の1の範囲を想定することができる。そこで、上限
値の1万分の1として、10の6乗回の書き換えを10
年間の間に行うとすると、書き換えの時間間隔は、次式
により計算できる。
【0066】10年×365日×24時間×60分÷1
06回=5.3分 すなわち、5.3分に1回の割合で前述した回復操作を
行っても総計で10の6乗回の書き換えに過ぎず、疲労
特性への悪影響は、殆ど無いといえる。したがって、シ
ステムの電源を比較的頻繁にオン・オフするような場合
においては、図4のタイマ16の設定時間を5分程度と
することにより、本発明による回復操作を有効に行うこ
とができる。
【0067】また、回復操作の間隔をさらに10分の1
に縮小して、0.53分に1回の割合で行うこととした
場合においても、10年間の総計は、10の7乗回であ
るので、疲労特性への悪影響は、殆ど無いといえる。し
かし、0.53分、すなわち約30秒に1回の割合で回
復操作を行うこととすると、本来のデータの入出力動作
を妨げ、システムのパフォーマンスを劣化させる要因と
なりうる。したがって、通常の用途においては、回復操
作のためのタイマ設定時間は、5分乃至数時間とするこ
とが好ましい。
【0068】また、図1に関して説明した、電源のオン
と共に行う回復操作と、図4に関して説明した、タイマ
により行う回復操作を併用してもよい。すなわち、シス
テムの電源がオンされると、まず、強誘電体メモリの回
復操作を行い、同時にタイマが作動して、以降、電源が
オンの間は、タイマに設定された所定の時間毎に再び回
復操作を行うようにしてもよい。このようにすれば、シ
ステムの電源のオン/オフが不規則に行われるような場
合であっても、確実に回復操作が行われる。すなわち、
システムの電源がオンにされている時間が、ある時は短
く、ある時は非常に長いような、不規則な使われ方がさ
れる場合には、電源のオンと共に行う回復操作と、タイ
マにより行う回復操作を併用することによって確実に回
復操作を行うことができる。
【0069】また、回復操作を実施するタイミングを決
定するに際して、メモリに格納されている日付または時
刻のデータに基づいても良い。例えば、メモリにデータ
が入出力される際に、その日付や時刻があわせて記録さ
れるような場合がある。そのような場合に、メモリに格
納されている日付や時刻のうちで最新のものを基準にし
て、その最新の日付や時刻から所定の時間が経過した時
に回復操作を行うようにすれば良い。このようにすれ
ば、データが入出力されてから所定の時間が経過して劣
化しつつある強誘電体の保持特性を確実に回復すること
ができる。
【0070】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に説明する効果を奏する。
【0071】すなわち、本発明によれば、強誘電体メモ
リの保持特性の劣化を簡単な手段によって確実に回復す
ることが可能となる。しかも、強誘電体の疲労特性に悪
影響を与えることも殆ど無い。そして、このように強誘
電体の保持特性を回復させることによって、強誘電体メ
モリの信頼性を飛躍的に改善し、各種の用途に実用化す
ることができ、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による強誘電体メモリまたはその制御方
法または強誘電体メモリシステムの動作シーケンスの一
例を説明したフロー・チャートである。
【図2】強誘電体の残留分極量の回復の様子を説明する
分極特性のグラフである。
【図3】図1に例示した動作に対応する動作のタイミン
グ図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態を表す強誘電体メモ
リまたはその制御方法または強誘電体メモリシステムの
概略構成図である。
【図5】強誘電体の分極特性を表すグラフである。
【図6】強誘電体を用いたメモリセルの回路の概略構成
を表す回路図である。
【図7】図5に示したメモリセルに”0”データの書き
込む際に、各配線に印加する電圧のタイミングを表した
タイミング図である。
【符号の説明】
30 強誘電体メモリシステム 31 メモリセルアレイ 32 ビット線 33 ワード線 34 行デコーダ 35 カウンタ 36 タイマ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のメモリセルを有し、前記メモリセル
    のそれぞれに配置されている強誘電体に電界を印加して
    分極させることによって所定のデータを格納する強誘電
    体メモリであって、 前記強誘電体メモリに電源が接続される毎に、少なくと
    もデータが格納されている全ての前記メモリセルへアク
    セスする回路手段を備えたことを特徴とする強誘電体メ
    モリ。
  2. 【請求項2】複数のメモリセルを有し、前記メモリセル
    のそれぞれに配置されている強誘電体に電界を印加して
    分極させることによって所定のデータを格納する強誘電
    体メモリであって、 タイマにより時間を管理し、所定の設定時間が経過した
    時に、少なくともデータが格納されている全ての前記メ
    モリセルへアクセスする回路手段を備えたことを特徴と
    する強誘電体メモリ。
  3. 【請求項3】複数のメモリセルを有し、前記メモリセル
    のそれぞれに配置されている強誘電体に電界を印加して
    分極させることによって所定のデータを格納する強誘電
    体メモリであって、 前記所定のデータの格納に際して、その格納された日付
    を表すデータが同時に格納され、その格納された日付を
    表すデータに基づき、最新のデータが格納された日から
    所定の時間が経過した時に、少なくともデータが格納さ
    れている全ての前記メモリセルへアクセスする回路手段
    を備えたことを特徴とする強誘電体メモリ。
  4. 【請求項4】前記強誘電体メモリに電源が接続された後
    であって、その電源を接続した本来の目的である所定の
    データの入出力動作を実行する前に、少なくともデータ
    が格納されている全ての前記メモリセルへアクセスする
    回路手段をさらに備えたことを特徴とする、請求項2ま
    たは3に記載の強誘電体メモリ。
  5. 【請求項5】前記強誘電体メモリに電源が接続された後
    であって、かつ、その電源を印加した本来の目的である
    所定のデータの入出力動作を実行した後に、少なくとも
    データが格納されている全ての前記メモリセルへアクセ
    スする回路手段をさらに備えたことを特徴とする、請求
    項2または3に記載の強誘電体メモリ。
  6. 【請求項6】前記メモリセルへのアクセスは、前記強誘
    電体メモリの行方向のアドレスのみを選択することによ
    り行うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つ
    に記載の強誘電体メモリ。
  7. 【請求項7】前記行方向のアドレスのみの選択は、前記
    行アドレスを順次インクリメントして、各メモリセルの
    内容の読み出し動作を行うことを特徴とする、請求項5
    記載の強誘電体メモリ。
  8. 【請求項8】強誘電体に第1の方向の電界を印加するこ
    とにより分極させ、前記第1の方向の電界を除去した後
    に残留する分極量を保持させることによって所定の情報
    を記録する強誘電体メモリであって、 前記強誘電体に前記第1の方向の電界とは逆方向の第2
    の方向の電界を印加し、しかる後に前記第1の方向の電
    界を再び印加することによって、前記強誘電体の保持特
    性の劣化によって生ずる前記残留する分極量の低下を回
    復させるようにした回路手段を備える、強誘電体メモ
    リ。
  9. 【請求項9】強誘電体に第1の方向の電界を印加するこ
    とにより分極させ、前記第1の方向の電界を除去した後
    に残留する分極量を保持させることによって所定の情報
    を記録する強誘電体メモリの、前記強誘電体の分極特性
    を回復する制御方法であって、 前記強誘電体の保持特性の劣化によって生ずる前記残留
    する分極量の低下を回復させるために、前記強誘電体に
    前記第1の方向の電界とは逆方向の第2の方向の電界を
    印加し、しかる後に前記第1の方向の電界を再び印加す
    る手段を備えたことを特徴とする、強誘電体メモリの制
    御方法。
  10. 【請求項10】前記印加する手段は、前記強誘電体メモ
    リに電源が接続される毎に実行されることを特徴とす
    る、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記付加する手段は、予め設定された所
    定の時間毎に実行されることを特徴とする、請求項9に
    記載の方法。
  12. 【請求項12】複数のメモリセルを有し、前記メモリセ
    ルのそれぞれに配置されている強誘電体に第1の方向の
    電界を印加して分極させることによって所定のデータを
    格納する強誘電体メモリと、 前記強誘電体メモリへのデータの入力と前記強誘電体メ
    モリからのデータの出力とを制御する制御部と、 前記強誘電体メモリおよび前記制御部に所定の電圧を供
    給する電源部と、を備えた強誘電体メモリシステムであ
    って、 前記強誘電体に前記第1の方向の電界とは逆方向の第2
    の方向の電界を印加し、しかる後に前記第1の方向の電
    界を再び印加することによって、前記強誘電体メモリに
    おける前記強誘電体の保持特性の劣化によって生ずる前
    記残留する分極量の低下を回復させるようにした回路手
    段を備えたことを特徴とする、強誘電体メモリシステ
    ム。
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