JPH10157022A - 着色防滑性シート及びその製造方法 - Google Patents

着色防滑性シート及びその製造方法

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JPH10157022A
JPH10157022A JP31981896A JP31981896A JPH10157022A JP H10157022 A JPH10157022 A JP H10157022A JP 31981896 A JP31981896 A JP 31981896A JP 31981896 A JP31981896 A JP 31981896A JP H10157022 A JPH10157022 A JP H10157022A
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Japan
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slip
colored
paper
microcapsules
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JP31981896A
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English (en)
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Yasuhiko Ogi
康彦 荻
Yuji Suda
雄治 須田
Makiko Yamada
麻紀子 山田
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Daifuku Seishi Kk
Original Assignee
Daifuku Seishi Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造工程における作業性に優れるとともに、
尚、安価に製造できる着色防滑性シート、及びその製造
方法を提供する 【解決手段】紙又は湿式不織布からなる基材1の片面又
は両面に、着色防滑性層3を設けるために、紙又は湿式
不織布に樹脂加工で目止めし、或いはサイズ処理を行
う。この処理により、発泡性マイクロカプセル5を基材
の中に入らないようにして、基材1表面に添着する。着
色防滑性層の基本成分としては、前記発泡性マイクロカ
プセル5の他、発泡性マイクロカプセル5を基材に接着
するための接着剤、顔料4とからなる。上記基本成分を
基材1の表面に添着してから、発泡性マイクロカプセル
5を発泡させて着色防滑性層3を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、片面又は両面に
着色防滑性を有するため、食器類の滑り止めシート、並
びに自動車、船、列車、飛行機等の乗物内で使用する物
体の滑り止めシート等の着色防滑性シート、自動車等の
カーペットの下にひき、静電気を除去できる着色防滑性
シート、並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】紙及び不織布、乾式不織布、フィルム、
織物などの両面に防滑性層を設けた防滑性シートは種々
の物品の間に敷くだけで良好な防滑性を発揮することか
ら、テーブルクロス、カーペットや玄関マット、お風呂
マットや畳の滑り止め、地震時の食器類の滑り止め並び
に自動車や、飛行機、船、電車などの乗物内で使用する
物品の滑り止めなど、さまざまな用途が考えられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現状の滑り止
めシートは両面に弱粘着性物質を処理したものが提案さ
れているが、その場合、重ね合わした状態或いはロール
状に巻き取りした場合、粘着面同士が接着し、簡単に一
枚づつ分離して使用することが困難である。
【0004】これを防止するには粘着面上に例えばシリ
コン処理した離型紙などを合い紙として使用することが
考えられるが、この場合、非常に高価となってしまい、
さらに使用時の離型紙の処理などの問題がある。
【0005】又、弱粘着物質の場合、ゴミ、埃等が付着
しやすくその部分の滑り止め効果が低下する問題があ
り、実用化に至っていない。他のタイプとしては、発泡
性マイクロカプセルと接着剤を基本成分とする防滑性層
を設けた紙製シートの片面に、同じく片面に防滑性層を
設けた紙製のシート同士を張り合わせるか、或いは合成
樹脂基材の両面に対して、片面に防滑性層を設けた紙製
のシートを張り合わせた両面防滑シートが提案されてい
る(特開平5−237974号)。このタイプのもの
は、両面とも粘着性がないため、重ね合わせ品について
は離型紙などを使用せずに簡単に一枚づつ剥がせて使用
できるが、貼り合わせが必要なため加工工程が複雑で高
価となってしまう問題がある。
【0006】又、テーブルクロス、カーペット、玄関マ
ットに使用する場合には十分な効果が得られるものの、
例えば、食器類など面積の小さい物の下に敷く場合、或
いは各種乗物内において、物品の下に敷く場合には、車
内雰囲気に合わせるために着色防滑性が要求されるが、
シートを着色すると、発泡性マイクロカプセルを使用し
ているため、色が隠蔽されてしまい、鮮明な色が出せな
い問題がある。
【0007】なお、例えば自動車等の除電シートはカー
ボン繊維又は金属繊維等を主体的に用いシート状にして
使用され静電気除去として多く使われている。しかしな
がら、カーマットとして使用する場合、しばしばずれる
問題がある。
【0008】防滑効果があり、なお、除電性のあるマッ
トが望まれているが、発泡性マイクロカプセルを使用す
る場合、発泡部分により除電性能が大幅に低下する問題
があり、又、発泡性マイクロカプセルをマット状に均一
に付着させることは技術的に困難であり、実用化に至っ
ていない。
【0009】この発明は、上記問題点を解消し、製造工
程における作業性に優れるとともに、安価に製造できる
着色防滑性シート、及びその製造方法を提供することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この請求項1の発明においては、紙又は湿式不織
布の片面又は両面に着色防滑性層を有する着色防滑性シ
ートをその要旨としている。
【0011】請求項2の発明は、請求項1において、目
止め処理、又はサイズ処理が行われた紙又は湿式不織布
の片面又は両面に着色防滑性層を有する着色防滑性シー
トをその要旨としている。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2
において、着色防滑性層は発泡性マイクロカプセルを発
泡させて形成したことその要旨としている。請求項4の
発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項にお
いて、着色防滑性層は紙又は湿式不織布の表面に配置し
たことをその要旨としている。
【0013】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4
のうちいずれか1項において、着色防滑性層には、除電
剤を含み、除電性を備えたことをその要旨としている。
請求項6の発明は、紙又は湿式不織布からなる基材に目
止め処理、又はサイズ処理を施す第1工程と、第1工程
の後、発泡性マイクロカプセルを基材の表面に添着する
第2工程と着色を行う第3工程と、基材に添着した発泡
性マイクロカプセルを加熱して発泡させる第4工程との
各工程を備える着色防滑性シートの製造方法をその要旨
としている。
【0014】上記第2工程と第3工程の組み合わせと
は、本発明では、第2工程と第3工程とを同時に行って
も良いし、又は、第2工程の後に第3工程を行っても良
い意味である。
【0015】本発明では、防滑性層をシートの表面に設
けるために、紙又は湿式不織布に樹脂加工で目止めし、
或いはサイズ処理を行う。この処理は、発泡性マイクロ
カプセルを基材の中に入らないようにし、基材表面に添
着するための処理である。又、目止め処理、サイズ処理
を行わない場合、後に行われる発泡性マイクロカプセル
の接着剤が基材内に浸透し、この結果、紙、湿式不織布
が硬化し、引き裂き強度が低下する。
【0016】請求項7の発明は、請求項6において、第
3工程は、除電剤により着色するものであることをその
要旨としている。 (目止め用樹脂)目止め用樹脂としては、ラテックス
系、水溶系が使用可能である。
【0017】ラテックス系としては、スチレン・ブタジ
エン系ラテックス、アクリロニトリル・ブタジエン系ラ
テックス、メチルメタクリレート・ブタジエン系ラテッ
クス、アクリル酸エステル系ラテックス、酢酸ビニル系
ラテックス、塩化ビニル系ラテックス、エチレン・酢ビ
系ラテックス、及びこれらのカルボキシル変性物等が挙
げられる。
【0018】水溶系としては、ゼラチン、カゼイン等の
プロテイン類、澱粉、エーテル化澱粉、エステル化澱
粉、酸化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース
誘導体、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴム等の多糖類の
ごとき天然高分子化合物、半合成高分子化合物、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合体等を使用
できる。
【0019】(サイズ剤)又、サイズ剤については抄紙
原料中に内添できる、アルキルケテンダイマー、スチレ
ン系、ロジン系、フッ素系、ワックス系等のサイズ剤を
使用して抄紙し、サイズ度2秒以上(JIS−P812
2紙のステキヒト・サイズ度試験方法に準ずる)になる
ように添加量を調整する。
【0020】又、加工時、耐水性が必要なため、湿潤強
度剤としてエピクロルヒドリン系樹脂、ポリアクリルア
マイド系樹脂、メラミン樹脂等を添加した紙を基材とし
て使用する。
【0021】(着色剤)着色剤としては、顔料又は染料
等を用いることができる。本願明細書でいう色とは、色
彩学でいうところの色の他、白、黒、灰色等の無彩色、
金、銀等の金属色も含む。
【0022】この着色剤としての顔料又は染料と、発泡
性マイクロカプセルと、接着剤とを基本成分として、防
滑性層を基材の片面又は、両面に設ける。 (発泡性マイクロカプセル)発泡性マイクロカプセル
は、防滑性樹脂として機能し、例えば、芯物質としてn
−ブタン、ペンタン、ネオペンタンのような低沸点の炭
化水素を内包し、壁膜剤として塩化ビニリデン、アクリ
ロニトリル、メチルメタクリレートのようなメタ・アク
リル酸エステル、スチレンのような芳香族ビニル化合物
を主成分とする熱可塑性樹脂を使用したマイクロカプセ
ル、一般にマイクロスフェアー、マイクロバルーン、ホ
ローバブル、シンタクティックフォーム剤として呼ばれ
ており、市販品ではエクスパンセルDE,DU,WU
(スウェーデン製)、フィライト(英国製)、国産で
は、マツモトマイクロスフェアーF−30,F−50,
F−80(松本油脂製薬製)等が挙げられる。なお、発
泡性マイクロカプセルのみでは紙又は不織布への接着性
がないため、接着剤を混合して使用する。
【0023】(接着剤)接着剤としては、水性系として
塗布する場合にはラテックス系バインダー、或いは水溶
性バインダーがある。ラテックス系バインダーとして
は、スチレン・ブタジエン系ラテックス、アクリロニト
リル・ブタジエン系ラテックス、メチルメタクリレート
・ブタジエン系ラテックス、アクリル酸エステル系ラテ
ックス、酢酸ビニル系ラテックス、塩化ビニル系ラテッ
クス、エチレン・酢ビ系ラテックス、及びこれらのカル
ボキシル変性物等が挙げられる。
【0024】水溶性バインダーとしては、ゼラチン、カ
ゼイン等のプロテイン類、澱粉、エーテル化澱粉、エス
テル化澱粉、酸化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセ
ルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、アラビヤゴム等の
多糖類のごとき天然高分子化合物、半合成高分子化合
物、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド、マレイン酸共重合
体等のごとき合成高分子化合物が例示される。
【0025】除電性着色防滑性シートを得る場合には、
発泡性マイクロカプセル並びに上記各種バインダーと除
電剤を水分散した物を用いて除電性を付与する。なお、
除電性は表面抵抗で107 Ω以下になるように混合す
る。
【0026】除電剤としては、カーボンコンパウンドを
挙げることができるが、除電性を発揮できるものであれ
ばこれに限定されない。発泡性マイクロカプセルと各種
バインダーとの配合は、摩擦抵抗・摩擦角30度〜60
度(j.tappi紙パルプ試験法NO31−79に準
拠)になるように発泡性マイクロカプセルを調合する。
バインダー97〜30重量部に対して発泡性マイクロカ
プセルはそれぞれ3〜70重量部が望ましい。3重量部
未満であると、防滑効果が発揮できず、さらに70重量
部を超えると、基材への接着が極端に悪く実用上使用で
きない。
【0027】調合した発泡性マイクロカプセルと接着剤
とを基材に塗布する手段としては、例えば、ロールコー
ター、バーコーター、エアーナイフコーター、グラビア
コーター等が使用される。これらの手段により、塗布さ
れた結果基材に片面、又は両面に防滑性層が形成され
る。
【0028】片面当たりの防滑性層の樹脂付着量(発泡
性マイクロカプセル分を含む)としては1〜30g/m
2 程度が望ましい。又、発泡性マイクロカプセルの発泡
は、通常の塗布後の乾燥工程で行われ、乾燥条件により
防滑性層の効果が変化するため、乾燥温度80℃〜18
0℃の範囲が望ましい。なお、乾燥温度は乾燥時間との
関係で決定すればよい。
【0029】(基材)基材としては木材パルプ、マニラ
麻、三椏、雁皮、楮等を単独若しくは混合して作られ
る、上質紙、クラフト紙、含浸紙、クレープ紙等の紙、
又はレーヨン繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維、
ポリオレフィン系繊維、ナイロン繊維等の合成繊維等と
木材パルプ並びに各種の靭皮繊維と混合して作られる湿
式不織布等が上げられる。
【0030】
【実施例】以下に本発明を具体化した実施例を比較例と
ともに説明する。 (実施例1)基材は、木材パルプ(N−BKP)60%
を使用し、ビータにて叩解度SR14度にし、更にマニ
ラ麻40%を使用し、ビータにて叩解度SR20度にし
た後、混合し、湿潤強度剤としてポリアミドエピクロル
ヒドリン系樹脂0.5%及び剥離剤としてポリエチレン
系樹脂0.2%を添加し、丸網抄紙機にて坪量50g/
2 の無サイズ紙を抄造して形成した。
【0031】次に目止め用樹脂として、SBR(スチレ
ンブタジエンラバー、商品名LX430B(日本ゼオン
製))を15g/m2 になるように、前記紙に含浸させ
た後乾燥して紙の目止めを行った。
【0032】この結果、この後に形成される防滑性層及
び着色防滑性層は目止めされた基材(原紙)を使用する
ため、原紙の表面のみに形成される。次に、防滑性層を
形成するために、防滑性樹脂である発泡性マイクロカプ
セルとしてのマツモトマイクロスフェアーF−30(松
本油脂製薬製)20重量部と、バインダーとしてのポリ
オレフィンを微粒状水性ディスバージョンタイプにした
ケミパールS−100(三井石油化学工業製)80重量
部とを混合し、水50重量部を混合した後、次にバーコ
ーターを使用して前記基材(原紙)の片方の面に付着し
て樹脂付着量(防滑性樹脂の付着量)6. 0g/m2
した後、乾燥温度110℃ × 3分で処理した。な
お、このときの乾燥処理では、発泡性マイクロカプセル
は発泡していない。
【0033】さらに、基材(原紙)の反対面の表層部に
は下記のようにして着色防滑性層を形成する。すなわ
ち、防滑性樹脂としてはマツモトマイクロスフェアーF
−30(松本油脂製薬製)20重量部と、バインダーと
してはポリオレフィンを微粒状水性ディスバージョンタ
イプにしたケミパールS−100(三井石油化学工業
製)80重量部とを混合し、水50重量部を混合した。
その後、さらに、前記の混合溶液に対して、着色剤とし
て水分散した顔料を入れた後、(すなわち、エマコール
NSカーミンFB(商品名) 20重量部,及びエマコ
ールNSブルーKRN(商品名) 2重量部(ともに山
陽色素株式会社製)を混合後水150重量部を入れた
後)、バーコーターを使用して、基材(原紙)の反対面
の表層部に対し、付着量(防滑性樹脂の付着量)5. 0
g/m2 となるように付着した。その後、乾燥温度13
0℃ × 3分で処理して、発泡性マイクロカプセルを
発泡させ、紫色の防滑性シートを完成した。
【0034】上記のように形成されたシートをの防滑性
を下記のように測定した。防滑性層の摩擦角をj.tap
pi紙パルプ試験法NO31−79に準拠して測定した
結果、53度(数字が大ほど、防滑性が良い)であっ
た。
【0035】さらに、着色防滑性層は原紙の表面のみに
付着した後、従来見られる発泡性マイクロカプセルによ
る着色層は隠蔽されず、鮮明な着色防滑性層が得られ
た。なお、自動車のダッシュボードにて着色防滑性シー
トを上面にして、芳香剤のマットとして使用した結果、
車内のインテリアのカラーにマッチし、さらに、高い防
滑性があるため、通常の運転では芳香剤は動くことがな
く、安定していた。
【0036】図1は、実施例1で得られた、すなわちマ
イクロカプセルを発泡させた後の発泡後着色防滑性シー
トの断面図である。同図において、1は基材、2は基材
1の片面に設けられた着色防滑性層、3は基材1の反対
面に形成された防滑性層である。4は顔料、5は発泡性
マイクロカプセルの発泡部分、6はバインダーである。
【0037】同図に示すように、この実施例1では、基
材1に目止めのために樹脂含浸が行われているため、顔
料4及びバインダー6は基材1内に浸透していない。こ
のため、バインダー6が基材1内に浸透しないため、発
泡性マイクロカプセル5(発泡部分)を基材1に接着す
るための量が不足することはなく、確実に発泡性マイク
ロカプセル(発泡性部分)5を基材1に対して接着でき
た。又、バインダー6が基材1内に浸透していないた
め、基材1が硬化し、引き裂き強度が低下することはな
い。
【0038】さらに、顔料4は、基材1の表面に存在す
るため、発泡性マイクロカプセルの発泡部分5に覆わな
い顔料により、鮮明な着色ができたことが確認できた。 (比較例)比較例として、目止め処理のみ省略し、基材
の形成、防滑性層の形成及び着色防滑性層の形成は実施
例1と同様に行った場合、すなわち無サイズ紙にて比較
例の着色防滑性シートを製造した。
【0039】図2は、比較例で得られた着色防滑性シー
トの断面図である。同図において、前記実施例1の構成
に相当するものについては同一符号を付す(以下、同
じ)。同図においては、バインダー6aは基材1内に浸
透しており、又、顔料4も基材1内に浸透している。こ
のため、比較例では、バインダー6は、実施例1と同じ
量を使用したとしても、実質的に発泡性マイクロカプセ
ル(発泡部分)5を基材1に接着する分は少なくなって
いるため、発泡性マイクロカプセル(発泡部分)5が簡
単に剥がれ易くなっていることが確認できた。このた
め、防滑性は実施例1に比較して、低減していることが
確認できた。
【0040】又、基材1内に顔料4も入り込んでいるた
め、顔料4の着色は基材1内においても行われることに
なる。併し、この基材1内の顔料は、発泡性マイクロカ
プセル(発泡部分)5に覆われるため、鮮明の着色が得
られず、斑模様的な部分も発現した。
【0041】(実施例2)基材は、木材パルプ(N−B
KP)100%を使用し、ビータにて叩解度SR14度
にした後、湿潤強度剤としてポリアミドエピクロルヒド
リン系樹脂0. 5%及び剥離剤としてポリエチレン系樹
脂0. 2%を添加し、サイズ剤としてはスチレン系サイ
ズ剤0. 7%添加し、丸網抄紙機にて坪量50g/m2
に抄造して形成した。なお、サイズ度はステキヒトサイ
ズで11秒となった。
【0042】この結果、この後に形成される防滑性層及
び着色防滑性層としての除電性防滑性層はサイズ効果の
高い原紙を使用するために、原紙の表面のみに形成され
る。次に、除電性防滑層を形成するために、防滑性樹脂
である発泡性マイクロカプセルとしてのマツモトマイク
ロスフェアーF−30(松本油脂製薬製)30重量部
と、バインダーとしてのポリオレフィンを微粒状水性デ
ィスバージョンタイプにしたケミパールS−100(三
井石油化学工業製)70重量部とを混合し、さらに顔料
として除電性を有するカーボンコンパウンド(商品名N
C−641(日本ゼオン株式会社製)200重量部を水
100重量部に水分散した溶液を使用し、次にバーコー
ターを使用して前記基材(原紙)の片方の面に付着して
付着量10. 0g/m2 (バインダーと発泡性マイクロ
カプセル(防滑性樹脂)の合計4g/m2 、及びカーボ
ンコンパウンド6g/m2 )にした後、乾燥温度110
℃× 3分で処理した。なお、このときの乾燥処理で
は、発泡性マイクロカプセルは発泡していない。
【0043】さらに、基材(原紙)の反対面の表層部に
は、防滑性層を形成する。防滑樹脂であるマツモトマイ
クロスフェアーF−30(松本油脂製薬製)30重量部
と、バインダーとしてはポリオレフィンを微粒状水性デ
ィスバージョンタイプにしたケミパールS−100(三
井石油化学工業製)70重量部とを混合し、水50重量
部を混合した後、バーコーターを使用して樹脂付着量
6. 0g/m 2 にした後、乾燥温度130℃ × 3分
で処理し、発泡マイクロカプセルを発泡させて黒色の除
電防滑性シートを完成した。
【0044】防滑性層の防滑性は、防滑性層の摩擦角を
j.tappi紙パルプ試験法NO31−79に準拠して
測定した結果50度(数字が大程防滑性が良い)となっ
た。さらに、カーボンコンパウンドを使用した側の除電
防滑性層の表面抵抗を測定した結果105 〜106 Ωと
なり(なお、帯電防止範囲は105 〜1013Ωであるこ
とが知られている。)、静電気を十分除去できる範囲と
なった。
【0045】除電防滑性シートを使用して自動車内のカ
ーマットの下敷きにしたところ、従来見られるカーマッ
トの滑りが解消し、さらに静電気を除電できた。図3
は、この実施例2で得られた着色された除電防滑性シー
トの断面を示している。
【0046】同図に示すように、この実施例2では、基
材1はサイズ処理が行われているため、顔料4及びバイ
ンダー6は基材1内に浸透していない。このため、バイ
ンダー6が基材1内に浸透しないため、発泡性マイクロ
カプセル5(発泡部分)を基材1に接着するための量が
不足することはなく、確実に発泡性マイクロカプセル
(発泡性部分)5を基材1に対して接着できた。又、バ
インダー6が基材1内に浸透していないため、基材1が
硬化し、引き裂き強度が低下することはない。
【0047】さらに、顔料4は、基材1の表面に存在す
るため、発泡性マイクロカプセルの発泡部分5にて覆わ
ない顔料(カーボンコンパウンド)により、鮮明な着色
ができたことが確認できた。
【0048】又、この除電防滑性シートは、カーボンコ
ンパウンドを使用した側の防滑性層が均質にかつ鮮明に
黒く着色されたものとなった。なお、前記実施例に限定
されるものではなく、この発明から逸脱しない範囲で任
意に変更可能である。
【0049】(1)前記実施例1及び実施例2では、基
材の片面に着色防滑性層を形成したが、実施例1、実施
例2の防滑性層を着色防滑性層に代えることにより、基
材の両面に着色防滑性層を形成してもよい。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1乃至請求項
5の発明によれば、着色防滑性層を備えているため、乗
物等のインテリアに合わせることができるとともに、粘
着部分がないため、ゴミ、埃等が付着することはなく滑
り止め効果を減ずることがないシートとすることができ
る。又、その製造は簡単に行うことができ、コストが低
減されたシートとすることができる。又、重ね合わせる
場合、巻いたりした場合にも、自着性がないため、離型
紙、合わせ紙等が必要でない。
【0051】請求項2の発明によれば、基材に目止め処
理、サイズ処理が行われているため、着色防滑性層を形
成するときに、バインダー、顔料等が基材内に入り込む
ことがなく、鮮明な着色された着色防滑性シートとな
る。
【0052】請求項6及び請求項7によれば、目止め処
理、又はサイズ処理を行うため、その後行われる、発泡
性マイクロカプセルと着色処理が行われても、鮮明な着
色を行うことができる。
【0053】請求項6及び請求項7によれば、防滑性層
を形成する時は、シートとシートとを貼り合わせる工程
が必要でなく、その結果、製造工程を簡略化でき、コス
トを低減することができる。
【0054】又、請求項7によれば、容易に除電防滑性
層を得ることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の着色防滑性シートの断面
図。
【図2】 比較例の着色防滑シートの断面図。
【図3】 実施例2の着色防滑性シートの断面図。
【符号の説明】
1…基材、2…着色防滑性層、3…防滑性層、4…顔
料、5…発泡性マイクロカプセルの発泡部分、6…バイ
ンダー。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙又は湿式不織布の片面又は両面に着色
    防滑性層を有する着色防滑性シート。
  2. 【請求項2】 目止め処理、又はサイズ処理が行われた
    紙又は湿式不織布の片面又は両面に着色防滑性層を有す
    る請求項1に記載の着色防滑性シート。
  3. 【請求項3】 着色防滑性層は発泡性マイクロカプセル
    を発泡させて形成したことを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の着色防滑性シート。
  4. 【請求項4】 着色防滑性層は紙又は湿式不織布の表面
    に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のう
    ちいずれか1項に記載の着色防滑性シート。
  5. 【請求項5】 着色防滑性層には、除電剤を含み、除電
    性を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のう
    ちいずれか1項に記載の着色防滑性シート。
  6. 【請求項6】 紙又は湿式不織布からなる基材に目止め
    処理、又はサイズ処理を施す第1工程と、 第1工程の後、発泡性マイクロカプセルを基材の表面に
    添着する第2工程と着色を行う第3工程との組み合わせ
    と、 基材に添着した発泡性マイクロカプセルを加熱して発泡
    させる第4工程との各工程を備える着色防滑性シートの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 第3工程は、除電剤により着色するもの
    である請求項6に記載の着色防滑性シートの製造方法。
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CN102031725A (zh) * 2009-09-30 2011-04-27 大王制纸株式会社 厨房用纸

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