JPH10156501A - 連続鋳造用軽圧下装置 - Google Patents

連続鋳造用軽圧下装置

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JPH10156501A
JPH10156501A JP33457796A JP33457796A JPH10156501A JP H10156501 A JPH10156501 A JP H10156501A JP 33457796 A JP33457796 A JP 33457796A JP 33457796 A JP33457796 A JP 33457796A JP H10156501 A JPH10156501 A JP H10156501A
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roll
slab
pressure
light
continuous casting
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JP33457796A
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Terunaga Yaake
輝修 八明
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Aichi Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本願発明は、圧下量が安定している挿入用ス
ペーサ方式により、オンラインで連続的に鋳片の中心偏
析を改善できる連続鋳造用軽圧下装置を提案することに
ある。 【構成】 連続鋳造鋳片を1つ又は複数のロール対で軽
圧下して、鋳片の中心偏析を改善する装置であって、連
続鋳造機のモールド下流において、鋳片を挟み込むよう
に対向する軽圧下ロールと、該軽圧下ロールに押圧力を
付与する圧力制御装置と、該圧力制御装置からの押圧力
を抑止し、かつ前記軽圧下ロールの少なくとも一方のロ
ールに対し傾斜面を摺動させることによりロールの位置
決めを行う斜行装置からなることを特徴とする連続鋳造
用軽圧下装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続鋳片の軽圧下
装置に関し、該鋳片の中心偏析を改善するための微妙な
軽圧下を安定して付与できる連続鋳造用軽圧下装置を提
案する。
【0002】
【従来の技術】従来、連続鋳造設備による鋼の鋳片を製
造するにあたって、鋳片が冷却段階の凝固末期に、鋳片
の中心部で溶鋼成分が偏析する(中心偏析という)。こ
れは、鋳片の中心部、すなわち最終凝固部が部分的に濃
化するために、鋳片成分の均質性を損ない鋳片の靱性が
低下することが起因し、亀裂発生の原因ともなってい
た。そのため、後工程の加工に伴う塑性変形において、
偏析部分が割れの原因となりやすく、また同一ロットす
べてにその発生の疑いが広がり、その影響は多大なもの
であった。防止策として、低温鋳造や電磁攪拌による凝
固組織の微細化を狙った方法も見出されているが、特に
凝固時の溶鋼成分の流動を防止することが重要視されて
おり、その実現できる技術として、鋳片凝固末期におけ
る軽圧下が有効であるとされている。
【0003】例えば、特開昭63年第238965号公
報においては、連続鋳造設備の軽圧下装置として、軽圧
下用の圧下ロールを油圧シリンダーにより、挟込方向に
油圧制御させて鋳片凝固末期部分周辺を軽圧下する装置
を明示している。また特開平5年第8004号公報にお
いては、操業条件における鋳造速度の変動に対応して、
軽圧下する位置を変化させる装置を明示している。上記
の両装置に代表される方法は、すなわち、鋳片に当接す
るロール群の位置を監視して、油圧シリンダーの圧力を
制御し、ロール群の位置を所定位置に調整しながら、鋳
片を均一に軽圧下する直接油圧圧下方法である。
【0004】他の方法としては、特公平6年第2879
0号公報において、図13に示すように、鋳片に当接す
るロール群を油圧シリンダーを介して押圧するととも
に、前記油圧シリンダーの押圧を抑止する装入用スペー
サでロール群の位置決めを行うように構成されている機
械式圧下方法がある。この方法は、前記油圧シリンダー
の押圧は最大圧域にして、その先端側に位置するロール
群が鋳片の圧下に伴い逆方向に押し戻されないようにし
て、ロール位置を安定させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の連続鋳
造用軽圧下装置においては、次のような問題が生じる。
すなわち、連続鋳造作業では鋳片の寸法バラツキや周辺
温度の変化に伴う鋳片の硬さのバラツキなど、鋳片を圧
下しようとする場合の条件が絶えず微妙に変化してい
る。ところが、前者の方法では、油圧シリンダーを介し
て直接ロール群に押圧を与えているため、ロール群の位
置を監視し、油圧シリンダーを圧力調整することにより
ロールの位置決めを行うのであるが、圧下量を一定に保
つように油圧を制御しても油圧の安定性が低く、また油
圧シリンダーの追従では、遅れがちである。またロール
の圧下量は、大体1〜2mm程度であり、かつ圧下量誤
差を0.1〜0.2mm内に抑えることが必要である
が、上記の状況下では油圧により、調整することは大変
困難となってしまう。
【0006】一方、後者の方法では、挿入用スペーサの
位置によりロールの圧下量が決定されることになるた
め、鋳片の寸法バラツキや周辺温度の変化に伴う鋳片の
硬さのバラツキ、鋳片の材質など、鋳片を圧下しようと
する場合の操業条件の変化に応じて、挿入用スペーサの
厚みを可変することが望ましいが、容易に変化させるこ
とができない。そこで、近年では挿入用スペーサを鋳片
の圧延前に複数枚挿入しておき、複数段階に調整するこ
とにより、ロールの位置を数パターン設けて、好ましい
位置に固定して軽圧下することも考えられる。しかし、
ロールによる鋳片への圧下状況に常に追従する必要があ
るため、例えば、複数の挿入用スペーサの挿入状態から
一旦抜き取ると、再び挿入用スペーサを挿入することは
できない。すなわち、挿入するためには、オンラインで
の挿入は不可能であるといった問題があった。
【0007】したがって、前者の油圧制御の方法では、
任意に圧下量を調整できるものの、かなり設備として高
価なものになってしまうとともに、極めて微妙に変化す
る圧下量を絶えず一定に維持させることが難しく、安定
性に欠けてしまう。また後者の挿入用スペーサの方法で
は、簡易機械的な構造であるため安価に製造できるとと
もに、油圧制御方法に較べて圧下量が一定し安定してい
るものの、挿入用スペーサにて設定した圧下量で固定さ
れてしまう。本願発明は、上記に係る問題点を解決する
ためになされたものであって、圧下量が安定している挿
入用スペーサ方式により、オンラインで連続的に鋳片の
中心偏析を改善できる連続鋳造用軽圧下装置を提案する
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、次の通りである。すなわち、連続鋳造鋳片の未凝
固部周辺を1つ又は複数のロール対で連続的に軽圧下し
て、鋳片の中心偏析を改善する装置であって、連続鋳造
機のモールド下流において、鋳片を挟み込むように対向
する軽圧下ロールと、該軽圧下ロールに押圧力を付与す
る圧力制御装置と、該圧力制御装置からの押圧力を抑止
し、かつ軽圧下ロールの少なくとも一方のロールに対し
傾斜面を摺動させることによりロールの位置決めを行う
斜行装置から構成されていることである。すなわち、本
発明は前記斜行装置の傾斜面を用いることにより、前記
軽圧下ロールにおけるロールの位置決めを行うもので、
これにより、機械的に軽圧下ロールを安定して位置決め
できるとともに、構造を簡易にできる。
【0009】そして構成部材の詳細として、前記軽圧下
ロールは、鋳片下方方向から押圧するとともに下方にロ
ール軸受により軸支され回転可能な下側ロールと、該下
側ロールに対向し、かつ鋳片上方方向から鋳片を押圧す
るとともにロール軸受により軸支され回転可能な上側ロ
ールと、前記両ロールを鋳片の厚み方向に案内するロー
ルスタンドからなり、また前記圧力制御装置は、前記軽
圧下ロールの少なくとも一方のロールをその押圧方向に
進退させ得る圧力装置と、該圧力装置と前記軽圧下ロー
ルのロール軸受とを連結するハウジング部材からなり、
また前記斜行装置は、前記圧力制御装置により進退する
ストッパー部材と、該ストッパー部材を進退させる斜行
圧力装置からなり、前記軽圧下ロールの少なくとも一方
のロール軸受と前記ストッパー部材には、互いが当接し
て摺動するための傾斜面を有することにより、前記スト
ッパー部材の進退により前記逆斜部材の位置が抑止さ
れ、上側ロールと下側ロールとの間隙が位置決めされる
ことを特徴としている。
【0010】また前記ストッパー部材と前記逆斜部材と
は、互いの当接して摺動するための傾斜を有することが
望ましい。これにより、ストッパー部材の進退で当接す
る逆斜部材の停止位置を容易に可変し、しかもその傾斜
の角度を鋭角にすることにより、ストッパー部材の大き
な変位で逆斜部材の僅かな変位を連動させることができ
る。さらに、前記ストッパー部材はその前進方向に対
し、先細り状に傾斜を有するとともに、前記各ロールの
ロール軸受の少なくとも一方には、前記ストッパー部材
の後退方向に対し、先細り状に傾斜を有し、その互いが
当接して摺動することが望ましい。これにより、前記ス
トッパー部材の進退方向の前進、後退をスムーズに行う
ことができる。
【0011】また前記斜行装置は、その傾斜方向を鋳片
長手方向又はその直角方向とすることが望ましい。これ
により、斜行装置を設置する際に周辺スペースの状態か
ら、任意に選択設置できる。また前記軽圧下ロールは、
複数の下側ロールとその対向する複数の上側ロールを有
するロール群とすることが望ましい。これにより、軽圧
下を特定ロールのみで行うだけではなく、鋳片の長手方
向に対し、連続的にかつ段階的に行うことができる。な
お前記斜行圧力装置によるストッパー部材の進退につい
ては、油圧、空気圧などのような流体制御による手段や
螺旋シャフトの回転に伴う機械手段に限定されるもので
はない。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態としては、連
続鋳造鋳片の未凝固部周辺を複数のロール対で連続的に
軽圧下して、鋳片の中心偏析を改善する装置であって、
連続鋳造機のモールド下流において、鋳片を挟み込む対
向する軽圧下ロールと、該軽圧下ロールに押圧力を付与
して鋳片を圧下させるための圧力制御装置と、該圧力制
御装置からの押圧力を抑止し、軽圧下ロールの少なくと
も一方のロールを位置決めを操作する斜行装置からな
り、斜行装置により軽圧下ロールの位置決めが行われる
ものである。また前記軽圧下ロールの少なくとも一方の
ロールは、前記ストッパー部材の進退により前記逆斜部
材の位置が抑止されて位置決めする。この前記ストッパ
ー部材と前記逆斜部材には、当接面に傾斜を設けること
により、前記ストッパー部材が進退することにより、前
記逆斜部材の停止位置が変位し、しかも前記逆斜部材か
らの押圧力を逃すことなく受け止める。特に前記ストッ
パー部材はその前進方向に対し、先細り状に傾斜を有す
るとともに、前記逆斜部材は前記ストッパー部材の後退
方向に対し、先細り状に傾斜を有し、その互いの傾斜に
て当接する。
【0013】以下、実施例1〜3により本発明を具体的
に説明する。 実施例1 まず、本発明に係る実施例1を図1〜図5に基づいて説
明する。図1に本発明の連続鋳造用軽圧下装置のの正面
図、図2に側面図、図3に本発明の連続鋳造機の全体構
成図、図4に本発明の連続鋳造用軽圧下装置のストッパ
ー部材の停止位置変化を示す正面図、図5に逆斜部材と
ストッパー部材関係を示す説明図を示す。
【0014】本発明の連続鋳造用軽圧下装置は、連続鋳
造鋳片Wの未凝固部周辺を複数のロール対で連続的に軽
圧下して、鋳片の中心偏析を改善する装置である。この
連続鋳造機の全体構成図(図3)から連続鋳造用軽圧下
装置の位置関係を説明する。円弧状の連続鋳造機50
は、まず電気炉(図示せず)にてスクラップを鋼原料と
して溶解して取鍋51に溶鋼wを満たす。そして、前記
取鍋51の底部に設けられた取鍋ノズル52の開閉によ
り、溶鋼wが前記取鍋ノズル52の筒孔から流出し、下
方のタンディッシュ53に一旦貯蔵される。前記取鍋ノ
ズル52は、前記取鍋51内から流出する溶鋼wの流量
を調整する役目を持っているとともに、溶鋼w上部に浮
遊したスラグとの分離を行う。また前記タンディッシュ
53は、前記取鍋51と鋳型54との中間に位置し、耐
火物で内張りした容器であり、鋳型54への溶鋼供給量
の調節やスラグの分離等を行う。前記タンディッシュ5
3に一旦貯蔵された溶鋼wは、前記タンディッシュ53
の底部に設けられたタンディッシュノズル55にて溶鋼
流を安定して鋳型54に流し込むとともに、タンディッ
シュ53内の溶鋼w上部に浮遊したスラグとを分離す
る。
【0015】前記鋳型54に流れ込んだ溶鋼wは、その
後、その溶鋼w表面が冷却されて凝固して、鋳片Wとし
て複数のガイドロール群56によって、連続鋳造機50
の円弧状に沿って湾曲するように誘導される。また鋳片
Wの表面が凝固し、中心部分が未凝固の段階で、鋳片W
の外周側から電磁攪拌装置57により、内部の未凝固成
分が攪拌されて、凝固後の成分が均一になるように施さ
れる。その後、連続鋳造用軽圧下装置1を介して、次工
程へと送られるよう複数の載置ローラ群58が構成され
ている。
【0016】前記連続鋳造用軽圧下装置1は、鋳片Wが
冷却段階の凝固末期に、鋳片の中心部で溶鋼成分が偏析
しないように軽圧下を施すもので、図1および図2に示
すように、鋳片Wを挟み込む対向する軽圧下ロール11
と、該軽圧下ロール11に押圧力を付与して鋳片を圧下
させるための圧力制御装置15と、該圧力制御装置15
からの押圧力を抑止し、軽圧下ロール11の少なくとも
一方のロールを位置決めを操作する斜行装置18が、鋳
片Wの長手方向に複数連なって構成されている。また前
記軽圧下ロール11は、鋳片をその上部に載置するとも
に、回転可能に固定してある下側ロール12と、該下側
ロール12に対向し、かつ鋳片上方方向から鋳片を押圧
するとともに回転可能な上側ロール13と、前記両ロー
ルを鋳片の厚み方向に案内するロールスタンド14から
なっている。
【0017】前記上側ロール13及び前記下側ロール1
2は、ともに同一形状、すなわち平滑円柱状を有してお
り、平滑部とその側面から延びるロール軸から構成され
ている。本実施例1においては、前記上側ロール13と
下側ロール12のロール長は約600mm、直径は約4
00mmを有するが、この寸法に限定されるものではな
い。
【0018】また前記圧力制御装置15は、図1にしめ
すように、前記軽圧下ロール11の上側ロール13を下
方の押圧方向に進退させ得る圧力装置である油圧シリン
ダー16と、該油圧シリンダー16と前記上側ロール1
3とを連結するハウジング部材17と、該ハウジング部
材17に固定されて前記斜行装置18と当接する逆斜部
材19から構成されている。これにより、前記油圧シリ
ンダー16を油圧制御して、前記上側ロール13の押圧
力として軽圧下の付与するものである。
【0019】また前記斜行装置18は、前記圧力制御装
置15により進退する前記逆斜部材19と対向して当接
するストッパー部材20と、該ストッパー部材20を進
退させる斜行圧力装置である斜行用エアーシリンダー2
1と、前記ストッパー部材20と斜行用エアーシリンダ
ー21とを載置するとともに、前記ストッパー部材20
の進退を案内する固定台22から構成されている。そし
て、前記斜行用エアーシリンダー21へのエアー制御に
て、前記斜行用エアーシリンダー21のシリンダーヘッ
ド部分に固定している前記ストッパー部材20が伸縮
し、前記ストッパー部材20が前記固定台22の上部で
案内されながら進退する構造を有している。これによ
り、図4(a)(b)(c)に示すように、前記ストッ
パー部材20の進退により、前記逆斜部材19を介して
前記上側ロール13を昇降させて、該上側ロール13と
前記下側ロール12との間隙を可変させることができ
る。またこの前記上側ロール13の昇降に際し、前記上
側ロール13および前記下側ロール12は鋳片Wの厚み
方向にロールスタンド14で案内されている。
【0020】次にハウジング部材17の周辺について詳
細する。図2に示すように、ハウジング部材17は前記
圧力制御装置15の油圧シリンダー16におけるシリン
ダーヘッド部分に係合ピン175にて連結されている。
またハウジング部材17の下方には、上側ロール13の
ロール軸を回転可能に軸支するロール軸受23と連結さ
れており、油圧シリンダー16の作動によるシリンダー
ヘッド部分の伸縮により、前記ハウジング部材17に連
結された上側ロール13のロール軸を軸支するロール軸
受23を移動させることができる。
【0021】また図5に示すように、前記ハウジング部
材17には逆斜部材19が固定されており、この逆斜部
材19の有する傾斜面195とこの傾斜面195と対向
し、当接するように傾斜面205を有するストッパー部
材20が設けてある。すなわち、ストッパー部材20の
先細り状側が逆斜部材19の先太り状側に、かつストッ
パー部材20の先太り状側が逆斜部材19の先細り状側
に当接していることになる。この前記傾斜面195の傾
斜角θ1および前記傾斜面205の傾斜角θ2は約2、
3度に構成されており、前記逆斜部材19のX1−X2
方向の幅が500mm、固定台22により案内されてX
1−X2方向へ進退するストッパー部材20は幅100
0mmを有する。そのため、ストッパー部材20がX1
−X2方向に進退することにより、逆斜部材19の高さ
位置(Y1−Y2方向)を可変する構造となっている。
尚、この傾斜角が本実施例1の角度に限定されるもので
はなく、押圧力や
【0022】次に、前記ストッパー部材20と固定台2
2の構成について説明すると、図2に示すように、固定
台22の上部には凹溝があり、一方、ストッパー部材2
0の下部には前記凹溝に嵌合する凸部があって、この凹
溝に案内されることで、ストッパー部材20の進退方向
を安定させている。さらに前記逆斜部材19やストッパ
ー部材20、固定台22は、鋳片Wの長手方向に対し軽
圧下ロール11の前後にそれぞれ設けてある。これによ
り、鋳片Wへの軽圧下の付加する軽圧下装置のバランス
を保ちやすくしている。
【0023】次に、これらの構成において鋳片Wの製造
にあたり、軸受鋼の溶鋼wを約1450℃にて鋳型54
へ流し込み、鋳片サイズが厚み約370mm×幅約48
0mmの形状を軽圧下する過程を説明する。鋳片Wへの
軽圧下にあたり、鋳片Wの凝固末期の最終凝固部が軽圧
下装置1の周辺位置になるように、鋳片温度や鋳造速度
等を制御する。この時、軽圧下装置が複数連続して設置
してある場合は、最終凝固部周辺となる軽圧下装置にて
軽圧下すればよい。軽圧下装置1において、予め得られ
た鋳片温度や鋳造速度等のデータから軽圧下する押圧力
を定め、鋳片Wの寸法からその圧下量を算出する。そし
て、まず圧下制御装置15により油圧シリンダー16へ
油圧力を付与する。この油圧力の程度は、鋳片への圧下
に際し、過負荷がかかってもその負荷圧に押し戻されな
い程度が好ましい。
【0024】また、その圧下量に伴い上側ロール13の
位置を昇降させ、圧下量付与に必要な上側ロール13の
位置を制御することが必要になる。この昇降には、斜行
油圧シリンダー21の進退量を制御して、逆斜部材19
の位置を上昇または下降させることによって行う。した
がって、前記軽圧下ロール11の上側ロール13は、前
記ストッパー部材20の進退により前記逆斜部材19の
位置が抑止されて位置決めされているとともに、油圧シ
リンダー16による油圧力を上側ロール13には付与さ
れていることになる。
【0025】つまり、鋳片Wが上側ロール13と下側ロ
ール12により挟み込んで軽圧下されるにあたって、上
側ロール13の高さ、すなわち上側ロール13と下側ロ
ール12との間隔により、圧下量が決定されている。特
に、軽圧下操業に際し常に圧下量が常に一定の場合のみ
ならず、鋳片温度のバラツキや鋳片厚みのバラツキ等に
より圧下量を変化させたい場合であっても、オンライン
で斜行油圧シリンダー21を制御することにより圧下量
を変化させ得る。なお本実施例においては、圧力制御装
置15における油圧シリンダー16の圧力を約120k
g/cm2 で常に一定に維持していた。また斜行用エア
ーシリンダー21は約4kg/cm2 の圧力によりスト
ッパー部材20の位置を移動させた。この時、ストッパ
ー部材20を約25.0mm移動させると逆斜部材19
を介して、上側ロール13を約1.0mm昇降させ得る
ことができる。
【0026】本発明の実施例1によれば、斜行用エアー
シリンダー21の大きく制御することによっても、上側
ロール13の高さ方向を微妙に調整が可能であって、し
かも、上側ロール13に圧下力を付与する油圧は一定の
ままで可変する必要がない。またもしも、鋳片から過負
荷としての反押圧があったとしても、油圧シリンダー1
6の油圧量が押し戻されないように設定してあるので、
上側ロール13の高さ方向の変動は生じず、ストッパー
部材20により制御された高さにて位置決めされた状態
で維持される。したがって、鋳片Wを安定した上下ロー
ル間隔で押圧することができ、その結果、鋳片の中心部
に起こる中心偏析を未然に防止することに効果がある。
【0027】実施例2 次に、本発明に係る実施例2を図6に基づいて説明す
る。図6に本発明の連続鋳造用軽圧下装置の正面図を示
す。実施例2の連続鋳造用軽圧下装置2の全体構成は実
施例1と同様とする。軽圧下装置2は、図10に示すよ
うに、鋳片Wを挟み込むように対向する軽圧下ロール6
1と、該軽圧下ロール61に押圧力を付与して鋳片を圧
下させるための圧力制御装置65と、該圧力制御装置6
5からの押圧力を抑止し、かつ軽圧下ロールの一方のロ
ールに対し傾斜面を摺動させることによりロールの位置
決めを行う斜行装置88が鋳片Wの長手方向に複数連な
って構成されている。また前記軽圧下ロール61は、鋳
片Wをその上部に載置するともに、ロール軸受62aに
より回転可能に固定してある下側ロール62と、該下側
ロール62に対向し、かつ鋳片Wを上方方向から押圧す
るとともにロール軸受63aにより回転可能な上側ロー
ル63と、前記両ロールを鋳片の厚み方向に案内するロ
ールスタンド64からなっている。
【0028】また前記斜行装置88は、斜行用油圧シリ
ンダー81と、該斜行用油圧シリンダー81のシリンダ
ーヘッドに固定されたストッパー部材70からなり、該
ストッパー部材70は前記ロール軸受62aと63aの
間に挿設されている。そしてストッパー部材70と上側
ロール63のロール軸受63aとの当接摺動面には、傾
斜角を有している。また、前記圧下制御装置65は、油
圧シリンダー66を有しており、該油圧シリンダー66
のシリンダーヘッドに固定されたロール軸受63aを押
圧することにより、上側ロール63を前記上側ロール6
3に押圧力を付与することができる。
【0029】これらの構成により、油圧シリンダー66
により押圧力の付与がロール軸受63aを介して上側ロ
ール63にされる。一方、該ロール軸受63aは斜行装
置88のストッパー部材70により、上側ロール63は
位置決めされている。したがって、鋳片がロール間に挿
入されると、位置を固定された下側ロール62とストッ
パー部材70により位置決めされて固定された上側ロー
ル63により押圧されることになる。この状態で鋳片の
軽圧下条件が変わった場合であっても、ストッパー部材
70の挿設量を変化させることにより、簡単に調整およ
び可変することが容易になった。
【0030】実施例3 次に、本発明に係る実施例3を図7および図8に基づい
て説明する。図7に連続鋳造用軽圧下装置のの正面図、
図8にその側面図を示す。なお実施例3における符号
は、実施例2と同一符号で表記する。実施例3では、実
施例2と異なる方向、すなわち鋳片の進行方向にストッ
パー部材70が進退するように設置されている。
【0031】したがって、実施例2に比べ、斜行装置8
8のストッパー部材70の進退方向がロール間に干渉さ
れることがないため、進退量を大きく変化させることが
できる。また、実施例1および実施例2と同様、オンラ
インで軽圧下ロールの調整が容易にできるため、生産性
の向上を図ることができた。
【0032】
【発明の効果】従来のように油圧シリンダーの圧力を制
御し、鋳片を均一に軽圧下する直接油圧圧下方法では、
鋳片の寸法バラツキや温度バラツキなどの変化に対し
て、油圧制御では安定性が低いが、本発明によれば、圧
力制御装置の圧力は一定に維持させたままで、斜行装置
を操作して上側ロールと下側ロールの間隙、すなわちロ
ール間距離を一定に保つ間接圧下方法でかつロール間制
御方法であるといえる。そのため、油圧の圧力を一定圧
程度の制御機能を持たせるだけで済み、従来のように、
数mm単位の微妙な制御を行う必要がない。また油圧制
御機能を厳密に制御して上側ロールの圧下量を操作する
のではなくため、圧力制御装置を単純化できる。
【0033】一方、上側ロールを一定位置で固定させる
図9に示す従来技術の機械式圧下方式では、挿入用スペ
ーサの厚みにより上側ロールと下側ロールとのロール間
隔が固定されてしまうので、鋳片の寸法バラツキや温度
バラツキなどの変化に対して、追従できないといった問
題があったが、本発明によれば、ロール間距離を可変で
きるとともに、微妙なロール間隔の変化に対しても、オ
ンラインで制御可能である。
【0034】よって本技術によれば、斜行装置を介して
ロール間隔を制御する機構をとっているので、斜行装置
の有する傾斜角度によって、任意にロール位置の昇降量
を変えることができる。したがって、傾斜角度を鋭角ほ
どロール位置の昇降量を少なく、すなわち微妙にできる
し、傾斜角度を鈍角ほどロール位置の昇降量を大きくで
きる。しかし、傾斜角度を30度以下にすることで圧力
制御装置からの押圧力が、軽圧下ロールへ確実に付加さ
れない。
【0035】したがって、斜行装置を有する本軽圧下装
置によれば、鋳片Wを安定した圧下量で押圧することが
できるとともに、その結果、鋳片の中心部に起こる中心
偏析を未然に防止することができる。特に、鋳片の寸法
変動や周辺温度によるバラツキ等に対して、追従して軽
圧下ロールのロール間隔を制御することができるので、
鋳片の最終凝固部の長手方向への変化に対しても、容易
に制御し対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る連続鋳造用軽圧下装置
の正面図である。
【図2】本発明の実施例1に係る連続鋳造用軽圧下装置
の側面図である。
【図3】本発明の実施例1に係る連続鋳造機における全
体構成図である。
【図4】本発明の実施例1に係る連続鋳造用軽圧下装置
のストッパー部材の停止位置の変化を示す正面図であ
る。
【図5】本発明の実施例1に係る逆斜部材とストッパー
部材の関係を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例2に係る連続鋳造用軽圧下装置
の正面図である。
【図7】本発明の実施例3に係る連続鋳造用軽圧下装置
の正面図である。
【図8】本発明の実施例3に係る連続鋳造用軽圧下装置
の側面図である。
【図9】従来技術の連続鋳造用軽圧下装置の説明図であ
る。
【符号の説明】
w;溶鋼、W;鋳片1、2;軽圧下装置、11、61;
軽圧下ロール、12、62;下側ロール、13、63;
上側ロール、14、64;ロールスタンド 15、65;圧力制御装置、16、66;油圧シリンダ
ー、17、67;ハウジング部材、18、88;斜行装
置、19;逆斜部材、20、70;ストッパー部材、2
1、71;斜行圧力装置、22、72;固定台、23、
73;ロール軸受、50;連続鋳造機、51;取鍋、5
2;取鍋ノズル、53;タンディッシュ、54;鋳型、
55;タンディッシュノズル、56;ガイドロール、5
7;電磁攪拌装置、58;載置ローラ群

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続鋳造鋳片を1つ又は複数のロール対
    で軽圧下して、鋳片の中心偏析を改善する装置であっ
    て、 連続鋳造機のモールド下流において、鋳片を挟み込むよ
    うに対向する軽圧下ロールと、該軽圧下ロールに押圧力
    を付与する圧力制御装置と、該圧力制御装置からの押圧
    力を抑止し、かつ前記軽圧下ロールの少なくとも一方の
    ロールに対し傾斜面を摺動させることによりロールの位
    置決めを行う斜行装置からなることを特徴とする連続鋳
    造用軽圧下装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記軽圧下ロール
    は、鋳片下方方向から鋳片を押圧するとともにロール軸
    受により軸支され回転可能な下側ロールと、該下側ロー
    ルに対向し、かつ鋳片上方方向から鋳片を押圧するとと
    もにロール軸受により軸支され回転可能な上側ロール
    と、前記両ロールを鋳片の厚み方向に案内するロールス
    タンドからなり、 また前記圧力制御装置は、前記軽圧下ロールの少なくと
    も一方のロールをその押圧方向に進退させ得る圧力装置
    と、該圧力装置と前記軽圧下ロールのロール軸受とを連
    結するハウジング部材からなり、 また前記斜行装置は、前記圧力制御装置により進退する
    ストッパー部材と、該ストッパー部材を進退させる斜行
    圧力装置からなり、 前記軽圧下ロールの少なくとも一方のロール軸受と前記
    ストッパー部材には、互いが当接して摺動するための傾
    斜面を有することにより、前記ストッパー部材の進退に
    よって前記逆斜部材の位置が抑止され、上側ロールと下
    側ロールとの間隙が位置決めされることを特徴とする連
    続鋳造用軽圧下装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ストッパー部材
    はその前進方向に対し、先細り状に傾斜を有するととも
    に、前記逆斜部材は前記ストッパー部材の後退方向に対
    し、先細り状に傾斜を有し、その互いの傾斜にて当接す
    ることを特徴とする連続鋳造用軽圧下装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいづれか1つにおいて、
    前記斜行装置はその傾斜方向を鋳片長手方向又はその直
    角方向とすることを特徴とする連続鋳造用軽圧下装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいづれか1つにおいて、
    前記軽圧下ロールは複数の下側ロールとその対向する複
    数の上側ロールを有するロール群であることを特徴とす
    る連続鋳造用軽圧下装置。
JP33457796A 1996-11-29 1996-11-29 連続鋳造用軽圧下装置 Pending JPH10156501A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011056552A (ja) * 2009-09-10 2011-03-24 Kobe Steel Ltd 連続鋳造設備の鋳片圧下ロールスタンド
JP2011143448A (ja) * 2010-01-14 2011-07-28 Kobe Steel Ltd 連続鋳造設備の鋳片圧下ロールスタンド
JP2023056713A (ja) * 2021-10-08 2023-04-20 曙機械工業株式会社 裁断機および裁断機のストッパー

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