JPH10154419A - 送電線 - Google Patents

送電線

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Publication number
JPH10154419A
JPH10154419A JP8327945A JP32794596A JPH10154419A JP H10154419 A JPH10154419 A JP H10154419A JP 8327945 A JP8327945 A JP 8327945A JP 32794596 A JP32794596 A JP 32794596A JP H10154419 A JPH10154419 A JP H10154419A
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JP
Japan
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water
photocatalyst
cobalt
transmission line
photoexcitation
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Application number
JP8327945A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kitamura
厚 北村
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Insulated Conductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたり撥水性を維持可能であり、以て
送電線に水滴及び氷雪が付着することが防止され、引い
ては送電ロスを低減することが可能な送電線の提供。 【解決手段】 送電線において、基材表面に、光触媒粒
子と、撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前
記光触媒の光励起による親水化を防止するための物質と
を含有する表面層が形成されているようにする、或いは
基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリコ−ンとを含有す
る層が形成され、さらにその層表面の少なくとも一部に
は前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起による親
水化を防止するための物質が固定されているようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、降雨や着雪による
送電ロスを低減することを可能とする送電線に関する。
【0002】
【従来の技術】送電線に水滴が付着すると、水滴の形状
は下向きの円錐状となるため、放電しやすくなり、送電
ロスにつながる。また冬季には水滴がツララ状に垂れ下
がり、先端は尖って更に放電量が多くなる。更に、送電
線に氷雪が付着すると、その重みによって、例えば、送
電線の切断、鉄塔の倒壊等が生じるおそれがある。その
ため、降雪地域では頻繁に雪おろしする必要性が生じ、
多大のコストと労力を要していた。
【0003】
【発明が解決すべき課題】上記水滴付着及び着氷雪を防
止する方法としては、送電線に撥水性を付与するとよい
ことが知られている。部材表面に撥水性を付与すると、
部材表面で水滴が動き回るようになる。このため水滴が
付着しにくくなり、水滴が付着しないため、雪や氷も付
着しにくくなる。
【0004】その一方法として、送電線基材表面に撥水
性シリコ−ンからなる表面層を形成する方法がある。し
かしながら、この構成では経時的に汚れが付着すること
によって水との接触角が70゜程度に低下し、撥水性の
効果が持続しない。そこで、上記課題を解決する他の方
法として、送電線基材表面に光触媒と撥水性シリコ−ン
とからなる表面層を形成する方法がある。この方法によ
れば、光触媒の酸化分解性に基づき、経時的に付着する
汚れを分解できる。しかしながら、この構成では太陽光
に晒されることにより、光触媒の光励起によりシリコ−
ンが親水化してしまうため表面の撥水性を維持すること
ができない。本発明では、上記事情に鑑み、表面の撥水
性を長期にわたり維持しうる送電線を提供し、以て送電
線に水滴及び氷雪が付着することを防止し、引いては送
電ロスを低減することを可能とする送電線を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記課題を
解決すべく、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリコ
−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質とを含有する表面層が
形成されている、或いは基材表面に、光触媒粒子と撥水
性シリコ−ンとを含有する層が形成され、さらにその層
表面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記
光触媒の光励起による親水化を防止するための物質が固
定されていることを特徴とする送電線を提供する。コバ
ルト又はコバルト化合物のような光触媒の光励起による
親水化を防止するための物質が表面層に含有されている
ようにすることにより、光触媒の光励起によりシリコ−
ンが親水化してしまうのを防止することができる。かつ
光触媒が含有されているので、光触媒の酸化分解性に基
づき、経時的に付着する汚れを分解できる。従って、表
面の撥水性を維持することができ、送電線に水滴や氷雪
が付着するのを防止することが可能となり、引いては送
電ロスを低減することができるようになる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は、送電線の斜視図を示して
おり、本発明の一態様においては、図2に示すように、
送電線基材の表面に光触媒粒子と、シリコ−ンと、コバ
ルト又はコバルト化合物等の光触媒の光励起による親水
化を防止するための物質を含む表面層が形成されてい
る。本発明の他の態様においては、図2に示すように、
送電線基材の表面に光触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと
を含有する層が形成され、さらにその層表面の少なくと
も一部にはコバルト又はコバルト化合物等の撥水性シリ
コ−ンの光触媒の光励起による親水化を防止するための
物質が固定されている。
【0007】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、アナタ−
ゼ型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化第二鉄、三酸
化二ビスマス、三酸化タングステン、チタン酸ストロン
チウム等の酸化物が好適に利用できる。光触媒の光励起
に用いる光源としては、日中は太陽光に晒されるので、
太陽光を利用できる。
【0008】シリコ−ンには、平均組成式 RpSiO(4-p)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは0<p<2を満足する数
である)で表される樹脂が利用できる。
【0009】コバルト化合物には、コバルト合金、酸化
コバルト、塩化コバルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバル
ト、臭化コバルト、酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝
酸コバルト等が好適に利用できる。
【0010】表面層の膜厚は、0.4μm以下にするの
が好ましい。そうすれば、光の乱反射による白濁を防止
することができ、表面層は実質的に透明となる。さら
に、表面層の膜厚を、0.2μm以下にすると一層好ま
しい。そうすれば、光の干渉による表面層の発色を防止
することができる。また、表面層が薄ければ薄いほどそ
の透明度は向上する。更に、膜厚を薄くすれば、表面層
の耐摩耗性が向上する。
【0011】表面層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した表面層
は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させること
ができる。
【0012】表面層にはPt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、有機物汚れの分解性、有害気体や悪臭の分解
性を向上させることができる。
【0013】次に、基材表面に、光触媒粒子と、撥水性
シリコ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光
励起による親水化を防止するための物質とを含有する表
面層が形成されている撥水性部材の製法について説明す
る。この場合の製法は、基本的には、基材表面にコ−テ
ィング組成物を塗布し、硬化させることによる。
【0014】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒
子、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の光励起に
よる親水化を防止するための物質にシリコ−ンの前駆体
を必須構成要件とし、その他に水、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル等の溶媒や、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン
酸等のシリコ−ンの前駆体の加水分解を促進する触媒
や、トリブチルアミン、ヘキシルアミンなどの塩基性化
合物類、アルミニウムトリイソプロポキシド、テトライ
ソプロピルチタネ−トなどの酸性化合物類等のシリコ−
ンの前駆体を硬化させる触媒や、シランカップリング剤
等のコ−ティング液の分散性を向上させる界面活性剤な
どを添加してもよい。
【0015】コバルト又はコバルト化合物としては、水
溶性のコバルト化合物を用いるのが好ましい。水溶性の
コバルト化合物としては、例えば、塩化コバルト、硫酸
コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、酢酸コバル
ト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等が好適に利用でき
る。
【0016】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0017】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0018】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0019】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0020】次に、基材表面に、光触媒粒子と撥水性シ
リコ−ンとを含有する層が形成され、さらに、その層表
面の少なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光
触媒の光励起による親水化を防止するための物質が固定
されている撥水性部材の製法について説明する。この場
合の製法は、基本的には、光触媒粒子と撥水性シリコ−
ンの前駆体とを含有するコ−ティング組成物を塗布し、
硬化させた後、コバルト又はコバルト化合物等の光触媒
の光励起による親水化を防止するための物質を含有する
溶液を塗布し、表面に固定することによる。
【0021】ここでコ−ティング組成物は、光触媒粒子
と、撥水性シリコ−ンの前駆体を必須構成要件とし、そ
の他に水、エタノ−ル、プロパノ−ル等の溶媒や、塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、マレイン酸等のシリカの前駆体
の加水分解を促進する触媒や、トリブチルアミン、ヘキ
シルアミンなどの塩基性化合物類、アルミニウムトリイ
ソプロポキシド、テトライソプロピルチタネ−トなどの
酸性化合物類等のシリカの前駆体を硬化させる触媒や、
シランカップリング剤等のコ−ティング液の分散性を向
上させる界面活性剤などを添加してもよい。
【0022】ここでシリコ−ンの前駆体としては、平均
組成式 RpSiXq(4-p-q)/2 (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、p及びqは0<p<2、0<
q<4を満足する数である)で表されるシロキサンから
なる塗膜形成要素、又は一般式 RpSiX4-p (式中、Rは一価の有機基の1種若しくは2種以上から
なる官能基、又は、一価の有機基と水素基から選ばれた
2種以上からなる官能基であり、Xはアルコキシ基、又
は、ハロゲン原子であり、pは1または2である)で表
される加水分解性シラン誘導体からなる塗膜形成要素、
が好適に利用できる。
【0023】ここで上記加水分解性シラン誘導体からな
る塗膜形成要素としては、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、エチルトリブトキシシラン、フェニルトリメ
トキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニル
トリプロポキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラ
ン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシ
シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブ
トキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェ
ニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポ
キシシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、n−プ
ロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシ
シラン、n−プロピルトリプロポキシシラン、n−プロ
ピルトリブトキシシラン、γ−グリコキシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン等が好適に利用できる。
【0024】また、上記シロキサンからなる塗膜形成要
素としては、上記加水分解性シラン誘導体の部分加水分
解及び脱水縮重合、又は上記加水分解性シラン誘導体の
部分加水分解物と、テトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジエトキシジメトキシシラン等の部分加水分解
物との脱水縮重合等で作製することができる。
【0025】上記コ−ティング組成物の塗布方法として
は、スプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法
が好適に利用できる。硬化方法としては、熱処理、室温
放置、紫外線照射等により重合させて行うことができ
る。
【0026】コバルト又はコバルト化合物等の光触媒の
光励起による親水化を防止するための物質を含有する溶
液を塗布し、表面に固定する方法は、例えば、塩化コバ
ルト、硫酸コバルト、ヨウ化コバルト、臭化コバルト、
酢酸コバルト、塩素酸コバルト、硝酸コバルト等の水溶
性のコバルト化合物を、スプレ−コ−ティング法、ディ
ップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ
−ティング法、ロ−ルコ−ティング法、刷毛塗り、スポ
ンジ塗り等の方法で塗布し、光還元、熱処理、アルコ−
ル等の犠牲酸化剤を併用する還元等の方法で固定するこ
とにより行う。
【0027】
【実施例】
参考例.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、TA
−15、硝酸解膠型、pH=1)と、シリカゾル(日本
合成ゴム、グラスカA液、pH=4)と、メチルトリメ
トキシシラン(日本合成ゴム、グラスカB液)とエタノ
−ルを混合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液
を、スプレ−コ−ティング法にて5×10cm角の施釉
タイル基材(東陶機器、AB02E11)上に塗布し、
200℃で15分熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン
粒子11重量部、シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部
からなる表面層を形成した#1試料を得た。#1試料の
水との接触角は92゜であった。ここで水との接触角は
接触角測定器(協和界面科学、CA−X150)を用
い、マイクロシリンジから水滴を滴下した後30秒後の
水との接触角で評価した。次いで#1試料表面に、紫外
線光源(三共電気、ブラックライトブル−(BLB)蛍
光灯)を用いて0.3mW/cm2の紫外線照度で1日
照射し、#2試料を得た。その結果、#2試料の水との
接触角は0゜まで親水化された。次に、#1試料と、#
1試料に水銀灯を22.8mW/cm2の紫外線照度で
2時間照射して得た#3試料夫々の試料表面をラマン分
光分析した。その結果、#1試料表面で認められたメチ
ル基のピ−クが#3試料では認められず、代わりに水酸
基のブロ−ドなピ−クが認められた。以上のことから、
光触媒であるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励起により被
膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有
機基は、水酸基に置換されること、及び親水化されるこ
とがわかる。
【0028】実施例1.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、塩化コバルト六水和物と、エタノ−ルを混
合し、2〜3時間撹拌して得たコ−ティング液を、スプ
レ−コ−ティング法にて、予めアクリルシリコン樹脂か
らなるプライマ−で被覆し、さらにその上にシリコ−ン
樹脂からなるハ−ドコ−ティング剤により被覆処理した
送電線上に塗布し、90℃で熱処理して、アナタ−ゼ型
酸化チタン粒子11重量部、シリカ6重量部、シリコ−
ン5重量部、コバルト0.2重量部からなる表面層を形
成した#4試料を得た。#4試料の水との接触角は99
゜であった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和
界面科学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジ
から水滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価し
た。次いで#4試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブ
ラックライトブル−(BLB)蛍光灯)を用いて0.3
mW/cm2の紫外線照度で1日照射し、#5試料を得
た。その結果、#5試料の水との接触角は依然97゜と
撥水性を維持した。従って、以上のことから、光触媒で
あるアナタ−ゼ型酸化チタンの光励起による被膜の表面
のシリコ−ンの親水化が、コバルトにより阻害されるこ
とがわかる。これは、被膜の表面のシリコ−ン分子中の
ケイ素原子に結合した有機基の水酸基への置換がコバル
トにより阻害されるためと考えられる。
【0029】実施例2.アナタ−ゼ型酸化チタンゾル
(日産化学、TA−15、硝酸解膠型、pH=1)と、
シリカゾル(日本合成ゴム、グラスカA液、pH=4)
と、メチルトリメトキシシラン(日本合成ゴム、グラス
カB液)と、エタノ−ルを混合し、2〜3時間撹拌して
得たコ−ティング液を、スプレ−コ−ティング法にて予
めアクリルシリコン樹脂からなるプライマ−で被覆し、
さらにその上にシリコ−ン樹脂からなるハ−ドコ−ティ
ング剤により被覆処理した送電線上に塗布し、90℃で
熱処理して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子11重量部、
シリカ6重量部、シリコ−ン5重量部からなる表面層を
形成した。さらにその上にコバルト金属濃度50μmo
l/gの塩化コバルト六水和物水溶液を0.3g塗布
後、紫外線光源(三共電気、ブラックライトブル−(B
LB)蛍光灯)を用いて紫外線照度0.4mW/cm2
の紫外線を10分照射して基材上にコバルトを固定して
#6試料を得た。#6試料の水との接触角は98゜であ
った。ここで水との接触角は接触角測定器(協和界面科
学、CA−X150)を用い、マイクロシリンジから水
滴を滴下した後30秒後の水との接触角で評価した。次
いで#6試料表面に、紫外線光源(三共電気、ブラック
ライトブル−(BLB)蛍光灯)を用いて0.3mW/
cm2の紫外線照度で1日照射し、#7試料を得た。そ
の結果、#7試料の水との接触角は依然95゜と撥水性
を維持した。従って、以上のことから、光触媒であるア
ナタ−ゼ型酸化チタンの光励起による被膜の表面のシリ
コ−ンの親水化が、コバルトにより阻害されることがわ
かる。これは、被膜の表面のシリコ−ン分子中のケイ素
原子に結合した有機基の水酸基への置換がコバルトによ
り阻害されるためと考えられる。
【0030】実施例3.上記#5試料及び#7試料を2
本の支柱の間に吊した。比較のため、表面層を形成して
いない通常の送電線も、#5試料及び#7試料と平行に
吊した。そして、これらコ−ド全体に水まき用のシャワ
−を使って水をかけた。その結果、比較試料のコ−ドは
下向きに水滴が無数に付着したのに対し、#5試料及び
#7試料のコ−ドには水滴はほとんど付着しなかった。
【0031】
【発明の効果】本発明では、送電線において、基材表面
に、光触媒粒子と、撥水性シリコ−ンと、前記撥水性シ
リコ−ンの前記光触媒の光励起による親水化を防止する
ための物質とを含有する表面層が形成されているように
する、或いは基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリコ−
ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面の少な
くとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光
励起による親水化を防止するための物質が固定されてい
るようにすることにより、送電線表面は長期にわたり撥
水性を維持可能となり、以て送電線に水滴及び氷雪が付
着することが防止される。従って、引いては送電ロスを
低減することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】送電線の斜視図。
【図2】本発明に係る部材の表面構造を示す図。
【図3】本発明に係る部材の他の表面構造を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に、光触媒粒子と、撥水性シリ
    コ−ンと、前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の光励起
    による親水化を防止するための物質とを含有する表面層
    が形成されていることを特徴とする送電線。
  2. 【請求項2】 基材表面に、光触媒粒子と撥水性シリコ
    −ンとを含有する層が形成され、さらにその層表面の少
    なくとも一部には前記撥水性シリコ−ンの前記光触媒の
    光励起による親水化を防止するための物質が固定されて
    いることを特徴とする送電線。
  3. 【請求項3】 前記光触媒の光励起による親水化を防止
    するための物質は、コバルト又はコバルト化合物である
    ことを特徴とする請求項1、2に記載の送電線。
JP8327945A 1996-11-22 1996-11-22 送電線 Pending JPH10154419A (ja)

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