JPH1015381A - 筒型化学反応装置 - Google Patents

筒型化学反応装置

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JPH1015381A
JPH1015381A JP17618096A JP17618096A JPH1015381A JP H1015381 A JPH1015381 A JP H1015381A JP 17618096 A JP17618096 A JP 17618096A JP 17618096 A JP17618096 A JP 17618096A JP H1015381 A JPH1015381 A JP H1015381A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応器内の反応温度を均一とし且つ温度変動
を軽減する反応温度調節装置を提供する。 【解決手段】 反応器1の内部を多孔板2によって複数
の反応領域11に区画する。これにより、原料の混合特
性にピストンフロー型の混合特性を与える。各反応領域
11に夫々温度調節部3〜6を設け、各反応領域11を
個別に温度調節する。温度制御は、反応温度検出器4と
冷却水入口温度検出器5の出力に基づいて、冷却水調節
弁6の開度を調整し、冷却水の流量を制御する。ピスト
ンフロー型の混合特性としては、流通混合パラメータU
の値を0.4以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筒型化学反応装置に
関し、更に詳しくは、逆混合特性を有する筒型反応装置
の反応温度調節技術に関する。
【0002】
【従来の技術】化学反応を伴う気体−液体二相間の反応
に用いられる反応装置はその気−液の混合状態によって
以下の3種類に大別される。第1は、管軸方向又は流れ
方向で反応成分の混合が無視できるピストンフロー特性
を有する管型反応装置である。ピストンフロー特性は、
押出し流れ(Pluy flow )特性とも呼ばれる。第2は、
槽内の組成および温度が均一になるように充分に混合さ
れた状態の完全混合特性を有する攪拌槽型反応装置であ
る。第3は、上記ピストンフロー特性と完全混合特性の
中間領域の特性である不完全混合特性を有する、気泡塔
に代表される塔式又は筒型反応装置である。
【0003】完全混合特性を有する攪拌槽型反応装置で
は、槽内が十分に混合されて反応温度が均一になるの
で、反応温度の調節が容易であるという利点を有する
が、反応転換率を上げるためには反応装置が大型化する
という欠点がある。また、ピストンフロー特性を有する
管型反応装置では、後述する逆混合が少なく、反応速度
が速いという利点を有するものの、反応熱の除去や急速
な加熱、冷却等による温度調節面で問題点がある。
【0004】不完全混合特性を有する円筒型反応装置
は、反応液の逆混合特性のために、筒内で反応速度が不
均一となり、反応熱による温度差が出来るため反応温度
の調節が難しいという問題がある。つまり、反応液は一
般に塔底から入り塔頂から生成物として流出するが、そ
の間に上昇ガス気泡群による攪拌作用を受けるため反応
液の流通方向への混合(逆混合)作用が生じる。この逆
混合は、反応液の反応達成率(転換率)や生成物の副反
応等に影響を与えるため、多孔板や邪魔板等を入れて反
応液の流れをピストンフロー流に近づける工夫が採用さ
れる。この形式の円筒型反応装置としては、特公昭51
−15007の号公報に記載されたものがあり、これを
図7に示す。垂直方向に延びる多数の冷却管が反応装置
(反応器)1内に並列配置され、これらは反応器1の横
断面方向に見て均一に分配される。各冷却管は、反応器
1の軸と直交方向に延在して反応器1を軸方向に区画す
る複数の多孔プレート(多孔板)12によって相互の離
隔距離が確保される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の筒型化学反
応装置では、反応装置内部における除熱量を、多孔プレ
ート12で区画された各反応領域で個々に設定すること
が出来ない。従って、各反応領域で発生する反応液の逆
混合によって反応速度に不均一が生じ、各反応領域間で
反応速度を均一に調節することが出来ないという問題が
ある。
【0006】また、反応装置では、生成物の時間当たり
の生産量(生産レート)を変える場合に、ガス・液体原
料、及び、触媒流量の時間当たりのフィード量を変える
必要があるが、その際には、プロセス特性が変化するの
で、反応装置内の反応温度が不安定になり、所望の範囲
内に反応温度を制御することが困難である。同様に、原
料中の不純物濃度が変化した場合にも、反応装置内の反
応速度や反応圧力等が変化し、所望の範囲内に反応温度
を制御することが困難となる。これらに起因する反応温
度の変動により、生成物の生成量(生成濃度)が変化
し、生産レートを所望の値に調整出来ないという問題も
ある。
【0007】本発明は、上記従来の筒型反応装置におけ
る反応温度の不均一性や変動を軽減することにより、生
産レートを所望の値に容易に調節可能な筒型化学反応装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の筒型化学反応装置は、2種類以上の原料を
供給して化学反応を行う筒型化学反応装置において、反
応装置の内部全体における原料の流通を可能としつつ反
応装置内部を複数の反応領域に区画すると共に原料に特
定の混合特性を与える多孔板と、前記各反応領域の夫々
に対応して配設され、対応する反応領域の反応温度を夫
々個別に制御する複数の温度調節部とを備えたことを特
徴とする。
【0009】本発明の筒型化学反応装置では、反応装置
内部を多孔板によって複数の反応領域に区画して原料に
所定の混合特性を与えると共に各反応領域の温度を個別
に制御する構成を採用したことにより、複数の反応領域
における温度の不均一性が軽減され、また、各反応領域
における温度変動も軽減される。
【0010】ここで、本発明の筒型化学反応装置は、如
何なる化学反応装置としても利用できる。また、本発明
で採用する多孔板は、反応装置内部の原料に特定の混合
特性乃至は流動特性を与えれば足り、特定の形状のもの
に限定されない。
【0011】多孔板としては、反応装置の内部における
原料の混合特性を、拡散モデルで表した時の流通混合パ
ラメータUが0.4以上であるピストンフロー型の混合
特性とするものが好ましい。
【0012】また、温度調節部が、熱交換のための冷却
媒体を通ずる冷却管と、反応領域の反応温度を検出する
第1の温度検出器と、該第1の温度検出器の検出出力が
入力される第1の温度調節器と、前記冷却媒体の入口温
度を検出する第2の温度検出器と、該第2の温度検出器
の出力が入力されると共に前記第1の温度調節器の操作
量が設定値として入力される第2の温度調節器と、該第
2の温度調節器の出力によって制御され、前記冷却媒体
の流量を調整する流量調整弁とを備える構成も好まし
い。この場合、正確な制御が得られる。
【0013】更に、上記に代えて、各温度調節部が、各
反応領域の反応温度を平均した反応温度平均値の第1の
所定値からの偏差と、前記各反応領域の反応温度の第2
の所定値からの偏差とに基づいて、前記各反応領域の温
度を制御することも好ましい態様である。この場合、反
応装置全体及び各反応領域の温度を容易に所定値に保つ
ことが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例に基づ
いて本発明の筒型化学反応装置を更に詳細にに説明す
る。図1(a)は、本発明の第1の実施形態例の筒型化
学反応装置の構成を示す断面図であり、図1(b)は、
この装置における反応の様子を示す模式的断面図であ
る。図中、符号1は円筒型の反応器を示し、その内部で
気体−液体原料による2相間の化学反応が行なわれる。
反応器1の内部は、水平方向に延在する多孔板(流動特
性調整機構)2により、垂直方向に並ぶn個(図では、
#1〜#4から成る4個)の反応領域11に仕切られて
いる。
【0015】多孔板2で仕切られた各領域#1〜#4に
は、反応温度を下げるための冷却媒体(冷却水)を通ず
る冷却コイル等の熱交換器3、反応温度を測定する温度
検出器4、冷却水の入口温度を測定する温度検出器5、
及び、冷却水流量を調節するための流量調節弁6が設け
られており、各領域#1〜#4の夫々において個別に反
応温度の調節が行なわれる。
【0016】反応器1の底部からは、液体原料7、ガス
原料8及び触媒9を夫々供給し、多孔板の作用と組み合
せたガスの攪拌効果によって、原料に逆混合特性を持た
せる。図1(b)に示すように、各反応領域は、多孔板
の孔によって原料に逆混合特性を与えつつ原料を循環さ
せる。反応器内部の反応温度の制御は各反応領域で個々
に行なわれるものの、反応自体は、反応器全体が1つの
領域として行なわれる。
【0017】反応器1の形式は、触媒液が生成物と共に
反応器1の外に抜き出される触媒循環型であってもよ
く、或いは、触媒液を反応器1の内部に閉じこめたま
ま、生成物をガスで留出させる、いわゆるガスストリッ
プ型であってもよい。
【0018】最上段の反応領域11から留出するガス・
液混合物(ストリップ型反応器の場合にはガス状生成
物)から成る出口生成物10は、必要に応じて冷却コイ
ル又はジャケット等によって冷却、又は加熱される。
【0019】以下、上記反応器における混合特性につい
て説明する。本発明の筒型化学反応装置を作用させるた
めに、反応器内の液相の混合特性は、後に詳述するよう
に、流通混合パラメータUをU≧0.4、好ましくはU
≧0.5としたピストンフロー型混合特性とする。流通
混合パラメータUには、上限は特にないが(U=∞)、
工業的にはこのパラメータUを、通常は0.4〜10
0、望ましくは0.5〜50の範囲として実施する。
【0020】上記反応器の構成自体は、公知の方法、例
えば円筒型反応器で多孔板の仕切板を複数設置する従来
の方法で製作できる。
【0021】反応器の液相の混合特性は、前述の如く、
拡散モデルを用いて表される流通混合パラメータUを指
標にして把握することができる。本発明の筒型化学反応
装置で実施されるプロセスでは、この拡散モデルで表し
た時のパラメータUの値によって、反応器内部の液相の
混合特性を表現する。
【0022】矢木ら(化学工学,第17巻,第10号,
第382〜386頁(1953))によれば、拡散モデ
ルにおける液相の混合特性は、パルス応答法によるトレ
ーサーテストにより定量化できる。上記文献によると、
反応器からの排出流体の反応器内における滞留時間と排
出頻度との関係(DanckwertsのE(φ)関数)は以下の
ようになることが示されている。
【0023】即ち、
【数1】 で定義される無次元数U(流通混合パラメータ)を用い
てE(φ)は、
【数2】 と表わされる。ここでμn は、 cot μ={(μ/U)−(U/μ)}/2 のn番目の正根である。
【0024】上式(II)について、Uをパラメータにし
てE(φ)をφに対してプロットすると図2に示した通
りである。ここで、グラフaはU=0に、bはU=0.
2に、cはU=0.4に、dはU=1.0に、eはU=
1.4に、fはU=2.0に、gはU=∞に夫々対応す
る。グラフaを示すU=0が理想的な完全混合に、グラ
フgを示すU=∞が理想的なピストンフローに夫々対応
している。そこで、トレーサーテストの応答データを規
格化して図2に合わせてみればパラメータUの値を知る
ことが出来る。規格化は、よく知られているように、ト
レーサー実験データをプロットし、なめらかな応答カー
ブを書いたときに、
【数3】 より、
【数4】 であり、 E(t)=Cw/ΣCw・Δt (V) より
【数5】 である。
【0025】本発明の反応装置は、前記の通り、例えば
円筒型反応器の内部に多孔板から成る複数の仕切板を設
置する等の方法で構成出来る。反応器内の反応生成液は
ガス・液混相であり、反応温度の調節に際しては、ま
ず、各段を成す反応領域には所定の設定温度が決められ
る。この設定値に基づいて、一般的には下記のような制
御が行われる。
【0026】検出された第i段(1≦i≦n)の反応温
度を目標値に調節するために、第i段の領域11のため
の冷却水調節弁6の調整が行われる。その際、第i段の
冷却水調節弁6は、例えば図3(a)に示すように、第
i段の反応領域11における反応温度に基づいて、PI
D(比例・積分・微分)制御を行なう温度調節装置13
によって直接に制御する。或いは、これに代えて、例え
ば図3(b)に示すように、第i段の反応温度を入力と
する第1の温度調節計(PID)13と、第i段の冷却
水入口温度を入力とする第2の温度調節計(PID)1
4とを利用することも出来る。この場合、第1の温度調
節計14の操作量出力を第2の温度調節計の設定値とし
て入力して、双方の温度調節計13、14をカスケード
接続することによって制御する。
【0027】図4は本発明の第2の実施形態例の筒型化
学反応装置を示す。また、図5は、図4の筒型化学反応
装置で行なわれる制御における反応平均温度制御アルゴ
リズムを示している。反応器内部の構成自体は先の実施
形態例と同様であり、本実施形態例では反応温度の制御
方法が先の実施形態例と異なる。図4に示すように、本
実施形態例では、各段の反応領域11毎に、反応温度検
出器4の出力を入力とする反応温度補償フィードバック
制御コントローラ(制御ブロック)15、冷却水温度検
出器5の出力を入力とし、冷却水調節弁6の開度を制御
する冷却水温度制御装置(制御ブロック)16、及び、
加算器17を設け、また、反応器1の全体に1つの反応
平均温度制御装置(制御ブロック)18を設けている。
各段の反応温度補償フィードバック制御コントローラ1
5の出力と、反応平均温度制御装置18の出力とを加算
器17で加算して、冷却水温度制御装置16の設定値と
している。
【0028】図5に示すように、まず、反応器内の各反
応領域の全て又はその一部の温度T_pv_1〜T_pv_nを検
出し、反応温度制御装置18において、後述する演算式
に基づいて反応平均温度T_avg_pvを求める(ステップ
1)。この反応平均温度T_avg_pvを目標値T_avg_spと
比較して、PID制御により第1の操作量T_avg_mvを
求める(ステップ2)。全段又は特定段に設けられた反
応温度補償フィードバック制御コントローラ15によっ
て第2の操作量T_sub_mv_iを求めておき(ステップ
3)、前記第1の操作量T_avg_mvに適切なゲインを乗
じたものと、ステップ3で求めた第2の操作量T_sub_m
v_i(1≦i≦n)とを加算器17で加えることによ
り、冷却水温度設定値T_cold_sp_iを各段毎に求める
(ステップ4)。図5ではこの部分はn段のみが例示し
てある。冷却水温度設定値T_cold_sp_iに基づいて、冷
却水温度制御装置16において、各段の反応領域11の
冷却水入口温度をフィードバック制御する。この場合、
冷却水調節弁6の開度を調節することで、この制御が行
なわれる(ステップ5)。
【0029】本実施形態例では、冷却水(冷却材)の温
度を制御し調整しているが、その他に冷却材流量の設定
値、冷却材圧力の設定値、又は、調節弁の開度を制御し
調整することによっても同様な効果が得られる。この場
合、ステップ5は夫々の制御に見合った調整方法にな
る。
【0030】演算に用いる各反応領域内の反応温度、冷
却温度又は各出力を、任意にフィルタ定数を可変とした
フィルター(例えば1次遅れ系のアナログ又はデジタル
式のフィルタ)によって平滑化することにより、上記効
果をより適切なものにすることも出来る。以下、各ステ
ップにおける演算の具体的内容を説明する。
【0031】ステップ1 下記演算式を利用し、与えられた各段の反応温度の検出
データに、任意に可変とした重ねゲインを乗算して重み
付き平均化処理を行い、反応平均温度T_avg_pvを求め
る。なお、この重み付き平均化処理に代えて単純平均を
利用してもよい。
【数6】
【0032】ステップ2 反応平均温度フィードバック制御(例えばPID)に
て、下記式により制御出力である操作量T_avg_mvを算
出する。
【数7】 反応平均温度制御の目標値は、各段の反応温度補償フィ
ードバック制御の目標値と整合性が保てるように設定し
なければならない。この場合、自動的に設定されること
が望ましい。
【0033】ステップ3 反応温度補償フィードバック制御(例えばPID)を利
用し、下記式に基づいて各段ごとに制御出力である操作
量T_sub_mv_i(1≦i≦n)を算出する。
【数8】
【0034】ステップ4 下記演算式に基づいて、与えられた反応平均温度フィー
ドバック制御出力に、任意に可変とした重ねゲインを乗
算し、次いでこれに反応温度補償フィードバック制御出
力を加算し、冷却水温度設定T_cold_sp_iを各段ごとに
求める。
【数9】 なお、ここでは、各段の冷却水温度設定値を求めている
が、これに代えて、各段の冷却水調節弁の開度設定値を
直接的に求めてもよく、この場合にも同様な効果が得ら
れる。この場合には、以下のステップ5は省略される。
【0035】ステップ5 冷却水温度フィードバック制御(例えばPID)によ
り、制御出力を算出し、冷却水調節弁開度を各段ごとに
調整する。
【数10】
【0036】実施例 従来の筒型化学反応装置(比較例)及び上記実施形態例
の筒型化学反応装置(実施例)を利用して円筒型反応器
の温度調節を行なった。原料ガス及び液体(プロピレ
ン)を下部から挿入し、ガスの攪拌効果で混合させた。
夫々の制御結果を図6(a)及び(b)に示した。
【0037】実施例の制御方法としては、上記実施形態
例で説明したような、多孔板で仕切られた4段の反応温
度の平均値をフィードバックさせる制御ブロックと、各
段の反応温度をフィードバックさせる制御ブロックの双
方の出力の和を、各段の冷却水温度制御ブロックの目標
値(設定値)として与えている。グラフの縦目盛りは目
標温度に対する温度偏差値である。
【0038】図6(a)及び(b)から理解できるよう
に、本発明によると、従来に比して反応温度の変動にお
ける振れ幅が減り、且つ、温度制御の安定化が得られ
る。ここで、反応温度に対する外乱としては、反応圧
力、周囲温度、原料組成の変動による反応率の変動等々
が考えられるが、特別に大きな外乱変動がなければ、本
温度調節装置による制御フィードバック方法で充分に補
償可能である。
【0039】以上、本発明をその好適な実施形態例に基
づいて説明したが、本発明の筒型化学反応装置は、上記
実施形態例の構成にのみ限定されるものではなく、上記
実施形態例の構成から種々の修正及び変更を施した筒型
化学反応装置も、本発明の範囲に含まれる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の筒型化学
反応装置によると、化学反応装置において、種々の外乱
要因に影響を受け難く、充分に安定で且つ均一な反応温
度が得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は夫々、本発明の実施形態例
の筒型化学反応装置の構成を示す断面図及び反応の様子
を示す模式的断面図。
【図2】流通混合パラメータUをパラメータとするE
(φ)関数のグラフ。
【図3】(a)及び(b)は夫々、図1の実施形態例の
反応温度測定装置で採用される各段の温度制御の例を示
すブロック図。
【図4】本発明の第2の実施形態例の筒型化学反応装置
の構成を示すブロック図。
【図5】図4の筒型化学反応装置で採用される制御アル
ゴリズムを示すフロー図。
【図6】(a)及び(b)は夫々、従来及び実施形態例
の反応温度測定装置による温度調節の結果を示すグラ
フ。
【図7】従来の筒型化学反応装置の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 反応器 2 多孔板 3 熱交換器 4、5 温度検出器 6 調節弁 7 液原料 8 ガス原料 9 触媒 10 出口生成物 11 反応領域 12 多孔板 13、14 温度調節計 15 温度補償フィードバック制御コントローラ 16 冷却水温度制御装置 17 加算器 18 反応温度制御装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類以上の原料を供給して化学反応を
    行う筒型化学反応装置において、 反応装置の内部全体における原料の流通を可能としつつ
    反応装置内部を複数の反応領域に区画すると共に原料に
    特定の混合特性を与える多孔板と、 前記各反応領域の夫々に対応して配設され、対応する反
    応領域の反応温度を夫々個別に制御する複数の温度調節
    部とを備えたことを特徴とする筒型化学反応装置。
  2. 【請求項2】 前記特定の混合特性が、拡散モデルで表
    した時の流通混合パラメータUが0.4以上であるピス
    トンフロー型の混合特性である、請求項1に記載の筒型
    化学反応装置。
  3. 【請求項3】 前記温度調節部が、熱交換のための冷却
    媒体を通ずる冷却管と、反応領域の反応温度を検出する
    第1の温度検出器と、該第1の温度検出器の検出出力が
    入力される第1の温度調節器と、前記冷却媒体の入口温
    度を検出する第2の温度検出器と、該第2の温度検出器
    の出力が入力されると共に前記第1の温度調節器の操作
    量が設定値として入力される第2の温度調節器と、該第
    2の温度調節器の出力によって制御され、前記冷却媒体
    の流量を調整する流量調整弁とを備える、請求項1又は
    2に記載の筒型化学反応装置。
  4. 【請求項4】 前記各反応領域の反応温度を平均した反
    応温度平均値の第1の所定値からの偏差と、前記各反応
    領域の反応温度の第2の所定値からの偏差とに基づい
    て、前記各反応領域の温度を制御する、請求項1又は2
    に記載の筒型化学反応装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8728700B2 (en) 2011-09-05 2014-05-20 Ricoh Company, Ltd. Reactor, toner production method, and toner

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8728700B2 (en) 2011-09-05 2014-05-20 Ricoh Company, Ltd. Reactor, toner production method, and toner

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