JPH10152766A - プラズマ溶射トーチ - Google Patents
プラズマ溶射トーチInfo
- Publication number
- JPH10152766A JPH10152766A JP8314814A JP31481496A JPH10152766A JP H10152766 A JPH10152766 A JP H10152766A JP 8314814 A JP8314814 A JP 8314814A JP 31481496 A JP31481496 A JP 31481496A JP H10152766 A JPH10152766 A JP H10152766A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plasma
- plasma jet
- powder
- supply port
- torch
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
- Coating By Spraying Or Casting (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来のプラズマ溶射トーチにおいては、粉末
供給ポートの径、粉末供給ガスの流量を変化させるなど
して粉末粒子の飛行軌跡を調整しているが実際には有効
でなく、溶射材料の付着効率が低い、皮膜の品質が不安
定であるなどの問題がある。特に、プラズマ溶射トーチ
を使用すると陽極や陰極などの消耗が生じてプラズマジ
ェットの形状が変化し、粉末粒子の適正な飛行軌跡の再
調整が必要であるが、従来のプラズマ溶射トーチにおい
てはこのような調整が不可能である。 【解決手段】 アーク放電により陽極ノズル孔21aか
ら噴射されるプラズマジェットの流れに陽極ノズル孔2
1a上流または下流に設けられた粉末供給ポート26か
ら溶射材料の粉末粒子を供給して溶射を行うプラズマ溶
射トーチにおける粉末供給ポート26を軸方向に進退お
よびプラズマジェットの流れに対して略直角方向に移動
可能に設ける。
供給ポートの径、粉末供給ガスの流量を変化させるなど
して粉末粒子の飛行軌跡を調整しているが実際には有効
でなく、溶射材料の付着効率が低い、皮膜の品質が不安
定であるなどの問題がある。特に、プラズマ溶射トーチ
を使用すると陽極や陰極などの消耗が生じてプラズマジ
ェットの形状が変化し、粉末粒子の適正な飛行軌跡の再
調整が必要であるが、従来のプラズマ溶射トーチにおい
てはこのような調整が不可能である。 【解決手段】 アーク放電により陽極ノズル孔21aか
ら噴射されるプラズマジェットの流れに陽極ノズル孔2
1a上流または下流に設けられた粉末供給ポート26か
ら溶射材料の粉末粒子を供給して溶射を行うプラズマ溶
射トーチにおける粉末供給ポート26を軸方向に進退お
よびプラズマジェットの流れに対して略直角方向に移動
可能に設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性、耐摩耗
性、耐熱性などを付与する被膜を表面に形成するために
プラズマ溶射を行う場合などに適用されるプラズマ溶射
トーチに関する。
性、耐熱性などを付与する被膜を表面に形成するために
プラズマ溶射を行う場合などに適用されるプラズマ溶射
トーチに関する。
【0002】
【従来の技術】図2は耐食性、耐摩耗性、耐熱性などを
付与する被膜を表面に形成するためにプラズマ溶射を行
う場合などに使用されている従来のプラズマ溶射トーチ
の説明図である。図において、プラズマ溶射トーチにお
ける溶射材料の粉末粒子の供給方式には、陽極ノズル内
部に粉末供給ポートを有する内部供給方式と、陽極ノズ
ル外部の出口近傍に粉末供給ポートを有する外部供給方
式との2種類があるが、図は内部供給方式と外部供給方
式とを同時に示している。図における符号11は水冷銅
で構成されている陽極、11aはプラズマジェットを噴
出する陽極ノズル孔、12はタングステン製の陰極で、
陽極11と陰極12とは絶縁体13で電気的に絶縁され
ている。14は陽極11と陰極12とで構成されている
プラズマ発生室15にプラズマ作動ガスを供給する作動
ガス供給口である。16aと16bとは粉末供給ポー
ト、粉末供給ポート16aは内部供給方式、粉末供給ポ
ート16bは外部供給方式である。
付与する被膜を表面に形成するためにプラズマ溶射を行
う場合などに使用されている従来のプラズマ溶射トーチ
の説明図である。図において、プラズマ溶射トーチにお
ける溶射材料の粉末粒子の供給方式には、陽極ノズル内
部に粉末供給ポートを有する内部供給方式と、陽極ノズ
ル外部の出口近傍に粉末供給ポートを有する外部供給方
式との2種類があるが、図は内部供給方式と外部供給方
式とを同時に示している。図における符号11は水冷銅
で構成されている陽極、11aはプラズマジェットを噴
出する陽極ノズル孔、12はタングステン製の陰極で、
陽極11と陰極12とは絶縁体13で電気的に絶縁され
ている。14は陽極11と陰極12とで構成されている
プラズマ発生室15にプラズマ作動ガスを供給する作動
ガス供給口である。16aと16bとは粉末供給ポー
ト、粉末供給ポート16aは内部供給方式、粉末供給ポ
ート16bは外部供給方式である。
【0003】プラズマジェットは図示しない直流電源に
より陽極11と陰極12との間にアーク放電を発生さ
せ、このアーク放電によりプラズマ作動ガスが高温高速
のプラズマジェットとなって陽極ノズル孔11aから噴
出する。このプラズマジェットに図示しない粉末供給装
置から粉末供給ガスによって送給される溶射材料の粉末
粒子が粉末供給ポート16a、16bからプラズマジェ
ットに供給される。粉末粒子はプラズマジェットにより
加熱、加速され、溶射粒子となって図示しない基材表面
に付着して皮膜を形成する。
より陽極11と陰極12との間にアーク放電を発生さ
せ、このアーク放電によりプラズマ作動ガスが高温高速
のプラズマジェットとなって陽極ノズル孔11aから噴
出する。このプラズマジェットに図示しない粉末供給装
置から粉末供給ガスによって送給される溶射材料の粉末
粒子が粉末供給ポート16a、16bからプラズマジェ
ットに供給される。粉末粒子はプラズマジェットにより
加熱、加速され、溶射粒子となって図示しない基材表面
に付着して皮膜を形成する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のプ
ラズマ溶射トーチにおいては、溶射材料の粉末粒子がプ
ラズマジェットに略直角に供給されるため、粉末粒子の
飛行軌跡が粉末粒子の質量、形態、直径、供給位置など
によって異なる。プラズマジェット内における粉末粒子
の飛行軌跡は、その加熱、加速を決定する重要な過程で
ある。このように溶射材料の種類や粒度などによって粉
末粒子の飛行軌跡が異なるため、粉末供給ポート26の
径、粉末供給ガスの流量を変化させるなどして粉末粒子
の飛行軌跡を調整しているが実際には有効でなく、溶射
材料の付着効率が低い、皮膜の品質が不安定であるなど
の問題がある。特に、プラズマ溶射トーチを使用すると
陽極21や陰極22などの消耗が生じてプラズマジェッ
トの形状が変化し、粉末粒子の適正な飛行軌跡の再調整
が必要であるが、従来のプラズマ溶射トーチにおいては
このような調整が不可能である。
ラズマ溶射トーチにおいては、溶射材料の粉末粒子がプ
ラズマジェットに略直角に供給されるため、粉末粒子の
飛行軌跡が粉末粒子の質量、形態、直径、供給位置など
によって異なる。プラズマジェット内における粉末粒子
の飛行軌跡は、その加熱、加速を決定する重要な過程で
ある。このように溶射材料の種類や粒度などによって粉
末粒子の飛行軌跡が異なるため、粉末供給ポート26の
径、粉末供給ガスの流量を変化させるなどして粉末粒子
の飛行軌跡を調整しているが実際には有効でなく、溶射
材料の付着効率が低い、皮膜の品質が不安定であるなど
の問題がある。特に、プラズマ溶射トーチを使用すると
陽極21や陰極22などの消耗が生じてプラズマジェッ
トの形状が変化し、粉末粒子の適正な飛行軌跡の再調整
が必要であるが、従来のプラズマ溶射トーチにおいては
このような調整が不可能である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプラズマ溶
射トーチは上記課題の解決を目的にしており、アーク放
電により陽極ノズル孔から噴射されるプラズマジェット
の流れに上記陽極ノズル孔上流または下流に設けられた
粉末供給ポートから溶射材料の粉末粒子を供給して溶射
を行うプラズマ溶射トーチにおける上記粉末供給ポート
が軸方向に進退およびプラズマジェットの流れに対して
略直角方向に移動可能に設けられている。粉末供給ポー
トを軸方向にその位置を移動させることにより粉末粒子
がプラズマジェットへ投入される速度を変化させること
ができてプラズマジェット内における粉末粒子の飛行軌
跡を制御することができる。また、粉末供給ポートをプ
ラズマジェットの軸方向と略直角方向に移動させること
により粉末供給ポートの軸心とプラズマジェットの軸心
とを合わせることができてプラズマジェットのエネルギ
ー密度が最も高い部分に粉末粒子が供給される。特に、
本プラズマ溶射トーチを使用することにより陽極や陰極
などの消耗によるプラズマジェットの形状の変化にも十
分に対応して粉末粒子の適正な飛行軌跡を再調整するこ
とができる。
射トーチは上記課題の解決を目的にしており、アーク放
電により陽極ノズル孔から噴射されるプラズマジェット
の流れに上記陽極ノズル孔上流または下流に設けられた
粉末供給ポートから溶射材料の粉末粒子を供給して溶射
を行うプラズマ溶射トーチにおける上記粉末供給ポート
が軸方向に進退およびプラズマジェットの流れに対して
略直角方向に移動可能に設けられている。粉末供給ポー
トを軸方向にその位置を移動させることにより粉末粒子
がプラズマジェットへ投入される速度を変化させること
ができてプラズマジェット内における粉末粒子の飛行軌
跡を制御することができる。また、粉末供給ポートをプ
ラズマジェットの軸方向と略直角方向に移動させること
により粉末供給ポートの軸心とプラズマジェットの軸心
とを合わせることができてプラズマジェットのエネルギ
ー密度が最も高い部分に粉末粒子が供給される。特に、
本プラズマ溶射トーチを使用することにより陽極や陰極
などの消耗によるプラズマジェットの形状の変化にも十
分に対応して粉末粒子の適正な飛行軌跡を再調整するこ
とができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の一形態に係
るプラズマ溶射トーチの説明図である。図において、本
実施の形態に係るプラズマ溶射トーチは耐食性、耐摩耗
性、耐熱性などを付与する被膜を表面に形成するために
プラズマ溶射を行う場合などに使用されるもので、本プ
ラズマ溶射トーチにおける溶射材料の粉末粒子の供給方
式は陽極ノズル外部の出口近傍に粉末供給ポートを有す
る外部供給方式である。図における符号21は水冷銅で
構成されている陽極、21aはプラズマジェットを噴出
する陽極ノズル孔、22はタングステン製の陰極で、陽
極21と陰極22とは絶縁体23で電気的に絶縁されて
いる。24は陽極21と陰極22とで構成されているプ
ラズマ発生室25にプラズマ作動ガスを供給する作動ガ
ス供給口である。26は粉末供給ポート、27は粉末供
給ポート26の駆動装置、27aはポート支持アームで
ある。粉末供給ポート26の駆動装置27はそのポート
支持アーム27aを介して粉末供給ポート26を固定し
て支えるとともに、粉末供給ポート26をプラズマトー
チの軸方向(図における左右方向)とプラズマトーチの
軸に対して直角方向(紙面に対して直角方向)と粉末供
給ポート26の軸方向(図における上下方向)に移動さ
せるようになっている。
るプラズマ溶射トーチの説明図である。図において、本
実施の形態に係るプラズマ溶射トーチは耐食性、耐摩耗
性、耐熱性などを付与する被膜を表面に形成するために
プラズマ溶射を行う場合などに使用されるもので、本プ
ラズマ溶射トーチにおける溶射材料の粉末粒子の供給方
式は陽極ノズル外部の出口近傍に粉末供給ポートを有す
る外部供給方式である。図における符号21は水冷銅で
構成されている陽極、21aはプラズマジェットを噴出
する陽極ノズル孔、22はタングステン製の陰極で、陽
極21と陰極22とは絶縁体23で電気的に絶縁されて
いる。24は陽極21と陰極22とで構成されているプ
ラズマ発生室25にプラズマ作動ガスを供給する作動ガ
ス供給口である。26は粉末供給ポート、27は粉末供
給ポート26の駆動装置、27aはポート支持アームで
ある。粉末供給ポート26の駆動装置27はそのポート
支持アーム27aを介して粉末供給ポート26を固定し
て支えるとともに、粉末供給ポート26をプラズマトー
チの軸方向(図における左右方向)とプラズマトーチの
軸に対して直角方向(紙面に対して直角方向)と粉末供
給ポート26の軸方向(図における上下方向)に移動さ
せるようになっている。
【0007】プラズマジェットは図示しない直流電源に
より陽極21と陰極22との間にアーク放電を発生さ
せ、このアーク放電によりプラズマ作動ガスが高温高速
のプラズマジェットとなって陽極ノズル孔21aから噴
出する。このプラズマジェットに図示しない粉末供給装
置から粉末供給ガスによって送給される溶射材料の粉末
粒子が粉末供給ポート26からプラズマジェットに供給
される。粉末粒子はプラズマジェットにより加熱、加速
され、溶射粒子となって図示しない基材表面に付着して
皮膜を形成する。プラズマ溶射を行う場合はアーク放電
によりプラズマジェットを発生させ、このプラズマジェ
ットに溶射材料の粉末粒子を粉末供給ポート26から供
給して溶射材料のスプレーパターンを観察する。そし
て、溶射材料の赤熱状態が最大になるように粉末供給ポ
ート26の駆動装置27を図示しない制御装置によって
作動させる。駆動装置27の操作はプラズマ溶射の作動
中においても溶射材料のスプレーパターンを観察し、そ
の変化に応じて調整することができる。
より陽極21と陰極22との間にアーク放電を発生さ
せ、このアーク放電によりプラズマ作動ガスが高温高速
のプラズマジェットとなって陽極ノズル孔21aから噴
出する。このプラズマジェットに図示しない粉末供給装
置から粉末供給ガスによって送給される溶射材料の粉末
粒子が粉末供給ポート26からプラズマジェットに供給
される。粉末粒子はプラズマジェットにより加熱、加速
され、溶射粒子となって図示しない基材表面に付着して
皮膜を形成する。プラズマ溶射を行う場合はアーク放電
によりプラズマジェットを発生させ、このプラズマジェ
ットに溶射材料の粉末粒子を粉末供給ポート26から供
給して溶射材料のスプレーパターンを観察する。そし
て、溶射材料の赤熱状態が最大になるように粉末供給ポ
ート26の駆動装置27を図示しない制御装置によって
作動させる。駆動装置27の操作はプラズマ溶射の作動
中においても溶射材料のスプレーパターンを観察し、そ
の変化に応じて調整することができる。
【0008】このように、本プラズマ溶射トーチにおい
ては陽極21と陰極22との間にアーク放電を発生さ
せ、陽極21から高温、高速のプラズマジェットを噴出
させ、このプラズマジェットの方向に対して略直角方向
に溶射材料の粉末粒子を供給する粉末供給ポート26を
有し、この粉末供給ポート26がその軸方向および軸方
向と直角方向でプラズマジェット軸と直角方向に移動で
きるようになっており、粉末供給ポート26をその軸方
向に移動させることにより粉末粒子をプラズマジェット
へ投入する速度を変化させることが可能である。これに
より、プラズマジェット内における粉末粒子の飛行軌跡
を制御することができる。また、粉末供給ポート26を
その軸方向に対して直角方向でプラズマジェット軸と直
角方向に移動させることにより、粉末供給ポート26の
軸心とプラズマジェットの軸心とを合わせることがで
き、プラズマジェットのエネルギー密度が最も高い部分
に粉末粒子を供給することができる。これにより、粉末
粒子を加熱、加速する効率が高まって溶射材料の付着効
率の向上や皮膜品質の向上などに大きな効果がある。ま
た、特に本プラズマ溶射トーチを使用することにより陽
極21や陽極22などの消耗によるプラズマジェットの
形状の変化にも十分に対応して粉末粒子の適正な飛行軌
跡を再調整することができる。なお、本プラズマ溶射ト
ーチを用いてNi−Cv合金(粒度;20〜70μm)
のプラズマ溶射を行い、溶射材料の付着効率と未溶融粒
子の存在率を調べたところ、従来のプラズマ溶射トーチ
の場合よりも付着効率が25%向上し、未溶融粒子の存
在率は50%低減した。
ては陽極21と陰極22との間にアーク放電を発生さ
せ、陽極21から高温、高速のプラズマジェットを噴出
させ、このプラズマジェットの方向に対して略直角方向
に溶射材料の粉末粒子を供給する粉末供給ポート26を
有し、この粉末供給ポート26がその軸方向および軸方
向と直角方向でプラズマジェット軸と直角方向に移動で
きるようになっており、粉末供給ポート26をその軸方
向に移動させることにより粉末粒子をプラズマジェット
へ投入する速度を変化させることが可能である。これに
より、プラズマジェット内における粉末粒子の飛行軌跡
を制御することができる。また、粉末供給ポート26を
その軸方向に対して直角方向でプラズマジェット軸と直
角方向に移動させることにより、粉末供給ポート26の
軸心とプラズマジェットの軸心とを合わせることがで
き、プラズマジェットのエネルギー密度が最も高い部分
に粉末粒子を供給することができる。これにより、粉末
粒子を加熱、加速する効率が高まって溶射材料の付着効
率の向上や皮膜品質の向上などに大きな効果がある。ま
た、特に本プラズマ溶射トーチを使用することにより陽
極21や陽極22などの消耗によるプラズマジェットの
形状の変化にも十分に対応して粉末粒子の適正な飛行軌
跡を再調整することができる。なお、本プラズマ溶射ト
ーチを用いてNi−Cv合金(粒度;20〜70μm)
のプラズマ溶射を行い、溶射材料の付着効率と未溶融粒
子の存在率を調べたところ、従来のプラズマ溶射トーチ
の場合よりも付着効率が25%向上し、未溶融粒子の存
在率は50%低減した。
【0009】従来のプラズマ溶射トーチにおいては、粉
末供給ポート26の径、粉末供給ガスの流量を変化させ
るなどして粉末粒子の飛行軌跡を調整しているが実際に
は有効でなく、溶射材料の付着効率が低い、皮膜の品質
が不安定であるなどの問題がある。特に、プラズマ溶射
トーチを使用すると陽極や陰極などの消耗が生じてプラ
ズマジェットの形状が変化し、粉末粒子の適正な飛行軌
跡の再調整が必要であるが、従来のプラズマ溶射トーチ
においてはこのような調整が不可能である。これに対
し、本プラズマ溶射トーチにおいてはプラズマジェット
内の粉末粒子の飛行軌跡を左右する要因について多くの
実験と理論的な検討とを行った結果、粉末供給ポート2
6出口における粉末粒子の速度、即ち初速またはプラズ
マジェットへの粒子の投入速度およびプラズマジェット
との相対的な位置関係が要因であることが明らかになっ
た。特に、粉末供給ポート26の出口とプラズマジェッ
トとの距離、ならびに粉末供給ポート26の軸心とプラ
ズマジェットの軸心とのずれが重要な要因であることが
判明した。本プラズマ溶射トーチにおいては、これら2
つのパラメータを溶射前および溶射中に調整することが
可能になるように粉末供給ポート26の位置を2方向に
調整する機構を備えており、これによりプラズマ溶射ト
ーチにおける溶射材料の付着効率の向上に大きな効果が
あり、溶射材料のロスを最小にするとともに成膜速度を
増大させ、その経済的効果と生産性向上への効果が非常
に大きい。さらに、溶射皮膜の品質が向上することによ
ってプラズマ溶射を適用する製品の信頼性、耐久性など
が増加する。
末供給ポート26の径、粉末供給ガスの流量を変化させ
るなどして粉末粒子の飛行軌跡を調整しているが実際に
は有効でなく、溶射材料の付着効率が低い、皮膜の品質
が不安定であるなどの問題がある。特に、プラズマ溶射
トーチを使用すると陽極や陰極などの消耗が生じてプラ
ズマジェットの形状が変化し、粉末粒子の適正な飛行軌
跡の再調整が必要であるが、従来のプラズマ溶射トーチ
においてはこのような調整が不可能である。これに対
し、本プラズマ溶射トーチにおいてはプラズマジェット
内の粉末粒子の飛行軌跡を左右する要因について多くの
実験と理論的な検討とを行った結果、粉末供給ポート2
6出口における粉末粒子の速度、即ち初速またはプラズ
マジェットへの粒子の投入速度およびプラズマジェット
との相対的な位置関係が要因であることが明らかになっ
た。特に、粉末供給ポート26の出口とプラズマジェッ
トとの距離、ならびに粉末供給ポート26の軸心とプラ
ズマジェットの軸心とのずれが重要な要因であることが
判明した。本プラズマ溶射トーチにおいては、これら2
つのパラメータを溶射前および溶射中に調整することが
可能になるように粉末供給ポート26の位置を2方向に
調整する機構を備えており、これによりプラズマ溶射ト
ーチにおける溶射材料の付着効率の向上に大きな効果が
あり、溶射材料のロスを最小にするとともに成膜速度を
増大させ、その経済的効果と生産性向上への効果が非常
に大きい。さらに、溶射皮膜の品質が向上することによ
ってプラズマ溶射を適用する製品の信頼性、耐久性など
が増加する。
【0010】
【発明の効果】本発明に係るプラズマ溶射トーチは前記
のように構成されており、粉末供給ポートを軸方向にそ
の位置を移動させることにより粉末粒子がプラズマジェ
ットへ投入される速度を変化させることができてプラズ
マジェット内における粉末粒子の飛行軌跡を制御するこ
とができ、また粉末供給ポートをプラズマジェットの軸
方向と略直角方向に移動させることにより粉末供給ポー
トの軸心とプラズマジェットの軸心とを合わせることが
できてプラズマジェットのエネルギー密度が最も高い部
分に粉末粒子が供給されるので、粉末粒子を加熱、加速
する効率が高まって溶射材料の付着効率が向上するとと
もに皮膜の品質が安定して向上する。特に、本プラズマ
溶射トーチを使用することにより陽極や陰極などの消耗
によるプラズマジェットの形状の変化にも十分に対応し
て粉末粒子の適正な飛行軌跡を再調整することができる
ので、溶射材料の付着効率が向上して溶射材料のロスが
低減するとともに成膜速度も増大して生産性が向上す
る。
のように構成されており、粉末供給ポートを軸方向にそ
の位置を移動させることにより粉末粒子がプラズマジェ
ットへ投入される速度を変化させることができてプラズ
マジェット内における粉末粒子の飛行軌跡を制御するこ
とができ、また粉末供給ポートをプラズマジェットの軸
方向と略直角方向に移動させることにより粉末供給ポー
トの軸心とプラズマジェットの軸心とを合わせることが
できてプラズマジェットのエネルギー密度が最も高い部
分に粉末粒子が供給されるので、粉末粒子を加熱、加速
する効率が高まって溶射材料の付着効率が向上するとと
もに皮膜の品質が安定して向上する。特に、本プラズマ
溶射トーチを使用することにより陽極や陰極などの消耗
によるプラズマジェットの形状の変化にも十分に対応し
て粉末粒子の適正な飛行軌跡を再調整することができる
ので、溶射材料の付着効率が向上して溶射材料のロスが
低減するとともに成膜速度も増大して生産性が向上す
る。
【図1】図1は本発明の実施の一形態に係るプラズマ溶
射トーチの断面図である。
射トーチの断面図である。
【図2】図2は従来のプラズマ溶射トーチの断面図であ
る。
る。
21 陽極 21a 陽極ノズル孔 22 陰極 23 絶縁体 24 ガス供給口 25 プラズマ発生室 26 粉末供給ポート 27 駆動装置 27a ポート支持アーム
Claims (1)
- 【請求項1】 アーク放電により陽極ノズル孔から噴射
されるプラズマジェットの流れに上記陽極ノズル孔上流
または下流に設けられた粉末供給ポートから溶射材料の
粉末粒子を供給して溶射を行うプラズマ溶射トーチにお
いて、上記粉末供給ポートを軸方向に進退およびプラズ
マジェットの流れに対して略直角方向に移動可能に設け
たことを特徴とするプラズマ溶射トーチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8314814A JPH10152766A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | プラズマ溶射トーチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8314814A JPH10152766A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | プラズマ溶射トーチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10152766A true JPH10152766A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18057931
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8314814A Withdrawn JPH10152766A (ja) | 1996-11-26 | 1996-11-26 | プラズマ溶射トーチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10152766A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20010020643A (ko) * | 1999-07-28 | 2001-03-15 | 제라드 바르베자트; 발렌틴 폭트 | 플라즈마 분사 장치 |
EP1652956A1 (de) * | 2004-11-02 | 2006-05-03 | Sulzer Metco AG | Thermische Spritzvorrichtung, sowie ein thermisches Spritzverfahren |
JP2006132001A (ja) * | 2004-11-02 | 2006-05-25 | Sulzer Metco Ag | 溶射装置及び溶射方法 |
JP2013124378A (ja) * | 2011-12-13 | 2013-06-24 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | プラズマ溶射装置及びその制御方法 |
CN108368609A (zh) * | 2015-11-12 | 2018-08-03 | 茵诺康技术有限公司 | 用于施加涂层的设备和方法 |
-
1996
- 1996-11-26 JP JP8314814A patent/JPH10152766A/ja not_active Withdrawn
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