JPH10151903A - 台車走行試験機用軌条輪の長寿命化法 - Google Patents
台車走行試験機用軌条輪の長寿命化法Info
- Publication number
- JPH10151903A JPH10151903A JP31036796A JP31036796A JPH10151903A JP H10151903 A JPH10151903 A JP H10151903A JP 31036796 A JP31036796 A JP 31036796A JP 31036796 A JP31036796 A JP 31036796A JP H10151903 A JPH10151903 A JP H10151903A
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- Japan
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- rail wheel
- wheel
- rail
- treads
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Abstract
(57)【要約】
【課題】台車走行試験機で、本線走行時のレールに相当
する軌条輪は、高応力の繰り返し作用によりその踏面が
欠損しやすい。そのため、軌条輪の寿命を延ばし、設備
のメンテナンス費用と低減する。 【解決手段】台車車輪11と軌条輪12の接触面である
踏面13は、従来、軌条輪1枚につき1箇所であった踏
面を軌条輪外周の非接触部にもう1箇所確保することに
より使用面の交換で軌条輪の運用上の寿命を延ばし、更
に、軌条輪の硬度を従来より高くできる材料の採用によ
り軌条輪自体の長寿命化をすすめる。
する軌条輪は、高応力の繰り返し作用によりその踏面が
欠損しやすい。そのため、軌条輪の寿命を延ばし、設備
のメンテナンス費用と低減する。 【解決手段】台車車輪11と軌条輪12の接触面である
踏面13は、従来、軌条輪1枚につき1箇所であった踏
面を軌条輪外周の非接触部にもう1箇所確保することに
より使用面の交換で軌条輪の運用上の寿命を延ばし、更
に、軌条輪の硬度を従来より高くできる材料の採用によ
り軌条輪自体の長寿命化をすすめる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は台車走行試験機用軌
条輪の長寿命化法に関する。
条輪の長寿命化法に関する。
【0002】
【従来の技術】台車走行試験機は、台上で台車の実走行
状態を模擬的に再現させ各種の試験をするものであり、
軌条輪は本線でのレールに相当する。
状態を模擬的に再現させ各種の試験をするものであり、
軌条輪は本線でのレールに相当する。
【0003】従来、台車走行試験機における軌条輪は、
台上で試験台車を連続的に走行試験を行うため、その構
造は、1本の軸に台車の左右の車輪と接触する2本のレ
ールを模した2枚の円板(軌条輪)をとりつけた構造に
なっており、本線走行時と同様、各々の輪の内側外周面
に、レールと同じ接触状態となるような踏面を形成する
ことによって無限軌道としていた。
台上で試験台車を連続的に走行試験を行うため、その構
造は、1本の軸に台車の左右の車輪と接触する2本のレ
ールを模した2枚の円板(軌条輪)をとりつけた構造に
なっており、本線走行時と同様、各々の輪の内側外周面
に、レールと同じ接触状態となるような踏面を形成する
ことによって無限軌道としていた。
【0004】軌条輪の材質は、台上試験で本線走行条件
を再現する為、また車輪とレール双方の研究を行う為、
レール材等で使われてる高炭素鋼や合金鋼が用いられて
おり、軌条輪の硬度は、熱処理上の関係もあり、本線レ
ールと同等か本線レールよりも若干高めのHs47程度
となっていた。
を再現する為、また車輪とレール双方の研究を行う為、
レール材等で使われてる高炭素鋼や合金鋼が用いられて
おり、軌条輪の硬度は、熱処理上の関係もあり、本線レ
ールと同等か本線レールよりも若干高めのHs47程度
となっていた。
【0005】関連文献:ころがり接触疲労と残留応力に
関する実験的研究(日本機械学会 第3回 交通・物流
部門大会講演論文集 No.940−57)
関する実験的研究(日本機械学会 第3回 交通・物流
部門大会講演論文集 No.940−57)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】台車走行試験機用軌条
輪の踏面には、台車の本線走行状態の再現という目的か
ら、非常に高い接触応力が作用すると共に、円板形状に
よる無限軌道化により、本線レールを遥かに超える回数
の繰り返し接触が作用する。この非常に厳しい使用条件
により、軌条輪踏面にはピッチング,疲労剥離等の表面
欠損が起こりやすくなるが、これらの表面欠損は振動計
測等の台車試験に影響を及ぼす為、欠損が発生すると軌
条輪は使用不能となり、欠損面の修正加工や、場合によ
っては廃棄等の処置が必要となる。
輪の踏面には、台車の本線走行状態の再現という目的か
ら、非常に高い接触応力が作用すると共に、円板形状に
よる無限軌道化により、本線レールを遥かに超える回数
の繰り返し接触が作用する。この非常に厳しい使用条件
により、軌条輪踏面にはピッチング,疲労剥離等の表面
欠損が起こりやすくなるが、これらの表面欠損は振動計
測等の台車試験に影響を及ぼす為、欠損が発生すると軌
条輪は使用不能となり、欠損面の修正加工や、場合によ
っては廃棄等の処置が必要となる。
【0007】従来、これらの欠損対策として多額のメン
テナンス費用が必要であること、更に対策の為に長期間
の装置休止を要する等の問題があり、軌条輪の長寿命化
が望まれていた。
テナンス費用が必要であること、更に対策の為に長期間
の装置休止を要する等の問題があり、軌条輪の長寿命化
が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、図1に示す
ように、台車車輪11と接触する軌条輪踏面13を、軌
条輪12の外周面の両端部に2箇所形成することによ
り、使用踏面の交換により、形状的に従来の軌条輪の倍
の運用寿命としている。
ように、台車車輪11と接触する軌条輪踏面13を、軌
条輪12の外周面の両端部に2箇所形成することによ
り、使用踏面の交換により、形状的に従来の軌条輪の倍
の運用寿命としている。
【0009】軌条輪の踏面硬度は、各種文献等によりそ
の表面硬度が高い方が長寿命である事が報告されている
事、また従来実績より、軌条輪の踏面硬度が走行試験に
よる繰り返し接触により加工硬化していることより、車
輪とレールの双方を研究対象としない台車の走行試験機
の場合は、軌条輪の表面硬度を高めた方が寿命に関して
は有利である。
の表面硬度が高い方が長寿命である事が報告されている
事、また従来実績より、軌条輪の踏面硬度が走行試験に
よる繰り返し接触により加工硬化していることより、車
輪とレールの双方を研究対象としない台車の走行試験機
の場合は、軌条輪の表面硬度を高めた方が寿命に関して
は有利である。
【0010】本発明の目的は、軌条輪の素材に焼入れ
性,材料強度的に優れたSNCM材を用い、熱処理によ
り踏面硬度を材料の調質限界(Hs55以上)まで高
め、軌条輪そのものの疲労寿命を高め、軌条輪の更なる
長寿命化を図ることにある。
性,材料強度的に優れたSNCM材を用い、熱処理によ
り踏面硬度を材料の調質限界(Hs55以上)まで高
め、軌条輪そのものの疲労寿命を高め、軌条輪の更なる
長寿命化を図ることにある。
【0011】軌条輪踏面部の欠損は、一般的に台車車輪
との高応力の繰り返し作用によって発生すると考えられ
ている。図2は従来の軌条輪形状及び軌条輪と台車車輪
との接触状態を示すもので、21が台車車輪、22が軌
条輪であり、理論上の両者の接触域が23、非接触域が
24である。軌条輪の踏面は、従来より本線レールでの
接触形状にあわせて加工されているが、本図の如く、軌
条輪外周面のうち実際に両者が接触する可能性がある部
分は軌条輪外周面の約半分のみであり、残りの半分は非
接触域であることより理論上は全く損傷しない。
との高応力の繰り返し作用によって発生すると考えられ
ている。図2は従来の軌条輪形状及び軌条輪と台車車輪
との接触状態を示すもので、21が台車車輪、22が軌
条輪であり、理論上の両者の接触域が23、非接触域が
24である。軌条輪の踏面は、従来より本線レールでの
接触形状にあわせて加工されているが、本図の如く、軌
条輪外周面のうち実際に両者が接触する可能性がある部
分は軌条輪外周面の約半分のみであり、残りの半分は非
接触域であることより理論上は全く損傷しない。
【0012】本発明では、従来未使用であったこの非接
触域に踏面を形成することにより、1枚の軌条輪に2箇
所の踏面をつくり、使用面の交換のみで物理的に軌条輪
の寿命を2倍にすることが可能となる。
触域に踏面を形成することにより、1枚の軌条輪に2箇
所の踏面をつくり、使用面の交換のみで物理的に軌条輪
の寿命を2倍にすることが可能となる。
【0013】軌条輪の材質,熱処理法は、従来より複数
の手法が試されているが、本発明ではSNCMの調質材
としている。一般的に金属どうしのころがり接触でその
疲労寿命を延ばすには、材料の硬度をあげることが有効
とされており、実際軌条輪でも、従来、高周波焼入れ等
により踏面硬度を上げる手法がこれまでにとられたこと
があるが、硬化層が浅く欠損正時の修正が困難であるこ
と、過酷な使用条件により硬化層部分からクラックがは
いる可能性があること等により、現在は熱処理法とし
て、絶対硬度よりもむしろ再加工性に主眼をおいた方法
がとられている。
の手法が試されているが、本発明ではSNCMの調質材
としている。一般的に金属どうしのころがり接触でその
疲労寿命を延ばすには、材料の硬度をあげることが有効
とされており、実際軌条輪でも、従来、高周波焼入れ等
により踏面硬度を上げる手法がこれまでにとられたこと
があるが、硬化層が浅く欠損正時の修正が困難であるこ
と、過酷な使用条件により硬化層部分からクラックがは
いる可能性があること等により、現在は熱処理法とし
て、絶対硬度よりもむしろ再加工性に主眼をおいた方法
がとられている。
【0014】本発明は、焼入れ性の良いSNCM材を素
材とすることで従来材料での硬度Hs47程度をHs5
5以上までひきあげることにより、軌条輪自体の疲労寿
命そのものを引き上げるものである。
材とすることで従来材料での硬度Hs47程度をHs5
5以上までひきあげることにより、軌条輪自体の疲労寿
命そのものを引き上げるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の一実施例を図1で説明す
る。図1で、11が台車車輪、12が軌条輪、13が台
車車輪と接触する軌条輪の踏面である。軌条輪12は1
3の軌条輪踏面部で11の台車車輪ところがり接触する
が、この際、実車に相当する高い荷重により、接触部分
には高いヘルツ応力が繰り返し作用し、踏面部の疲労損
傷にいたる。従来は、図2のように軌条輪1枚につきこ
の接触面が1箇所であったため、踏面が損傷した時点で
損傷面修正の為の切削加工を実施しなければならなかっ
たが、本発明の軌条輪形状では、軌条輪の取付け方向を
反転させる事により、修正加工なしですぐ軌条輪の再使
用が可能となる。
る。図1で、11が台車車輪、12が軌条輪、13が台
車車輪と接触する軌条輪の踏面である。軌条輪12は1
3の軌条輪踏面部で11の台車車輪ところがり接触する
が、この際、実車に相当する高い荷重により、接触部分
には高いヘルツ応力が繰り返し作用し、踏面部の疲労損
傷にいたる。従来は、図2のように軌条輪1枚につきこ
の接触面が1箇所であったため、踏面が損傷した時点で
損傷面修正の為の切削加工を実施しなければならなかっ
たが、本発明の軌条輪形状では、軌条輪の取付け方向を
反転させる事により、修正加工なしですぐ軌条輪の再使
用が可能となる。
【0016】また、高硬度軌条輪を実現するための一例
として、素材にSNCM439 を使用した例を以降に記す。素
材化学成分は、焼入れ性を向上するため、表1に示すよ
うに焼入れ性に関係する添加材成分をJIS上限側に設
定している。
として、素材にSNCM439 を使用した例を以降に記す。素
材化学成分は、焼入れ性を向上するため、表1に示すよ
うに焼入れ性に関係する添加材成分をJIS上限側に設
定している。
【0017】
【表1】
【0018】また熱処理は、軌条輪剥離発生時の加工代
確保及び軌条輪の耐衝撃性を考慮して調質とし、表1に
記す熱処理条件により、軌条輪の踏面表面硬度Hs55
以上を実現させている。
確保及び軌条輪の耐衝撃性を考慮して調質とし、表1に
記す熱処理条件により、軌条輪の踏面表面硬度Hs55
以上を実現させている。
【0019】
【発明の効果】1枚の軌条輪に二つの踏面を形成するこ
とにより、物理的に踏面の欠損修正のための加工は、従
来の半分の周期で済むことになる。更に、軌条輪自体の
高硬度化により材料の疲労強度をあげることにより、踏
面の欠損自体をおきにすることで、全体として、従来の
倍以上の寿命を持つ軌条輪とする事が可能となり、設備
のメンテナンス費用を大幅に低減させる事ができる。
とにより、物理的に踏面の欠損修正のための加工は、従
来の半分の周期で済むことになる。更に、軌条輪自体の
高硬度化により材料の疲労強度をあげることにより、踏
面の欠損自体をおきにすることで、全体として、従来の
倍以上の寿命を持つ軌条輪とする事が可能となり、設備
のメンテナンス費用を大幅に低減させる事ができる。
【図1】本発明の軌条輪形状及び接触状態を示す説明
図。
図。
【図2】従来の軌条輪形状及び接触状態を示す説明図。
11,21…台車車輪、12,22…軌条輪、13,2
3…軌条輪踏面、24…非接触面。
3…軌条輪踏面、24…非接触面。
Claims (1)
- 【請求項1】1枚の軌条輪に、台車車輪との接触面であ
る踏面を2箇所形成し、その使用踏面を換える事によ
り、上記軌条輪の寿命を延長することを特徴とする台車
走行試験機用軌条輪の長寿命化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31036796A JPH10151903A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 台車走行試験機用軌条輪の長寿命化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31036796A JPH10151903A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 台車走行試験機用軌条輪の長寿命化法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10151903A true JPH10151903A (ja) | 1998-06-09 |
Family
ID=18004399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31036796A Pending JPH10151903A (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 台車走行試験機用軌条輪の長寿命化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10151903A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017202396A1 (en) | 2016-05-26 | 2017-11-30 | Univerzita Pardubice | Jig for mounting samples in a test device for material contact fatigue tests |
-
1996
- 1996-11-21 JP JP31036796A patent/JPH10151903A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017202396A1 (en) | 2016-05-26 | 2017-11-30 | Univerzita Pardubice | Jig for mounting samples in a test device for material contact fatigue tests |
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