JPH10146564A - 磁石可動型振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮機 - Google Patents
磁石可動型振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮機Info
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- JPH10146564A JPH10146564A JP30832296A JP30832296A JPH10146564A JP H10146564 A JPH10146564 A JP H10146564A JP 30832296 A JP30832296 A JP 30832296A JP 30832296 A JP30832296 A JP 30832296A JP H10146564 A JPH10146564 A JP H10146564A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F25—REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
- F25B—REFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
- F25B2309/00—Gas cycle refrigeration machines
- F25B2309/001—Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor
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- Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 磁気バネ効果のある磁石可動型振動子を得
る。磁石可動型振動子を用いた圧縮機で、振動子に磁気
バネ効果を持たせて、共振動作に必要な機械バネのバネ
定数を低減する。 【解決手段】 鉄心2に巻回したコイル1に交番電流を
流すと、可動磁石3は電磁力により振動する。ピストン
5は構造部材16によって可動磁石3と接続されて往復
運動し、ノズル18から吸入された冷媒は圧縮室17で
圧縮後排気される。可動磁石3の磁気バネ効果と板バネ
8によって、ピストン5は共振状態で動作する。可動磁
石3と鉄心4の構成を最適化することにより、振動子は
磁気バネ効果を持ち、板バネ8など機械バネ定数を低減
できる。
る。磁石可動型振動子を用いた圧縮機で、振動子に磁気
バネ効果を持たせて、共振動作に必要な機械バネのバネ
定数を低減する。 【解決手段】 鉄心2に巻回したコイル1に交番電流を
流すと、可動磁石3は電磁力により振動する。ピストン
5は構造部材16によって可動磁石3と接続されて往復
運動し、ノズル18から吸入された冷媒は圧縮室17で
圧縮後排気される。可動磁石3の磁気バネ効果と板バネ
8によって、ピストン5は共振状態で動作する。可動磁
石3と鉄心4の構成を最適化することにより、振動子は
磁気バネ効果を持ち、板バネ8など機械バネ定数を低減
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁石の磁気力によ
って往復振動をする振動子に関する。また、本発明の振
動子を用いて往復運動によりシリンダ内の作動流体に圧
力波を発生させる圧縮機に関する。
って往復振動をする振動子に関する。また、本発明の振
動子を用いて往復運動によりシリンダ内の作動流体に圧
力波を発生させる圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より振動子を用いて往復運動を行い
シリンダ内の作動流体に圧力波を発生させ、低温を作り
出す圧縮機は知られている。振動子の構成には、固定さ
れた永久磁石によって発生する磁界中に、コイルを設け
て交番電流を流すことで往復運動させるものが多いが、
その場合運動するコイルに給電する必要があり、耐久性
を確保することが困難であった。したがってコイルを固
定し、磁石が運動する振動子を使うことが考えられる。
このような磁石可動型振動子を用いた圧縮機としては、
例えば米国特許 5148066号に記載されているものがあ
る。
シリンダ内の作動流体に圧力波を発生させ、低温を作り
出す圧縮機は知られている。振動子の構成には、固定さ
れた永久磁石によって発生する磁界中に、コイルを設け
て交番電流を流すことで往復運動させるものが多いが、
その場合運動するコイルに給電する必要があり、耐久性
を確保することが困難であった。したがってコイルを固
定し、磁石が運動する振動子を使うことが考えられる。
このような磁石可動型振動子を用いた圧縮機としては、
例えば米国特許 5148066号に記載されているものがあ
る。
【0003】図23は従来の磁石可動型振動子を用いた
圧縮機を示す構成図である。図において、41はコイ
ル、42はコイル41を巻回するC型鉄心、43は可動
磁石、44は磁路を形成するI型鉄心、45はピストン
である。実際にはこのような構成のものを回転軸46の
まわりに回転してできるもので、全体として円柱形状で
ある。また、鉄心42,44間の空隙面は円筒形状とな
り、その空隙に可動磁石43が配置されている。この鉄
心42,44は板面が空隙面に対して直角方向で、かつ
板面がF方向になるように鉄板を積層して構成されてい
る。可動磁石43の中央部43aと両端部43bとは反
対方向の極となるように着磁されている。例えば、中央
部43aがN極に着磁されている場合、両端部43bは
S極に着磁されている。そこで、コイル1に交番電流を
流すと、C型鉄心42中に磁束が発生してI型鉄心4を
通る磁路を形成し、可動磁石43に磁気力を与える。こ
の磁気力によって、可動磁石43はF方向に往復運動を
行う。そして可動磁石43と連結されたピストン45は
作動流体を圧縮−膨張させ、低温を作り出す。また、図
に示す構成では、可動磁石43とI型鉄心44は進行方
向Fで対向する長さが等しくなっている。このため、可
動磁石43の往復運動の中心位置が磁気的な安定点とな
って、中心部への復元力が働く。このように、磁気力が
一種のバネ作用を有することになる。通常、これを磁気
バネと称する。上記の米国特許には、この復元力がある
と制御しにくいため、復元力をなるべく減少させるよう
な構成について、記載されている。
圧縮機を示す構成図である。図において、41はコイ
ル、42はコイル41を巻回するC型鉄心、43は可動
磁石、44は磁路を形成するI型鉄心、45はピストン
である。実際にはこのような構成のものを回転軸46の
まわりに回転してできるもので、全体として円柱形状で
ある。また、鉄心42,44間の空隙面は円筒形状とな
り、その空隙に可動磁石43が配置されている。この鉄
心42,44は板面が空隙面に対して直角方向で、かつ
板面がF方向になるように鉄板を積層して構成されてい
る。可動磁石43の中央部43aと両端部43bとは反
対方向の極となるように着磁されている。例えば、中央
部43aがN極に着磁されている場合、両端部43bは
S極に着磁されている。そこで、コイル1に交番電流を
流すと、C型鉄心42中に磁束が発生してI型鉄心4を
通る磁路を形成し、可動磁石43に磁気力を与える。こ
の磁気力によって、可動磁石43はF方向に往復運動を
行う。そして可動磁石43と連結されたピストン45は
作動流体を圧縮−膨張させ、低温を作り出す。また、図
に示す構成では、可動磁石43とI型鉄心44は進行方
向Fで対向する長さが等しくなっている。このため、可
動磁石43の往復運動の中心位置が磁気的な安定点とな
って、中心部への復元力が働く。このように、磁気力が
一種のバネ作用を有することになる。通常、これを磁気
バネと称する。上記の米国特許には、この復元力がある
と制御しにくいため、復元力をなるべく減少させるよう
な構成について、記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁石可動型振動
子を用いた圧縮機は、以上のように構成されており、磁
気バネとしての作用を積極的に利用しておらず、またこ
の作用は鉄心幅と磁石全長に起因する磁気的安定点のみ
を利用するため、比較的小さかった。また、その構成に
おいて、C型鉄心42とI型鉄心44との間に形成され
る空隙は円筒状であり、これらの鉄心42,44を構成
する積層鉄心の板面が空隙面に垂直でかつその板面はF
方向になるように積層されているため、製造する際、鉄
板を積層後加工するか、円筒軸に垂直な断面において鉄
板を多角形に配置して円形に近づけるなどの工夫が必要
であった。また、磁石43の中央部43aが長い構成で
あり、進行方向に長い磁石を用意する必要があり、磁石
の強度面で問題があった。また、磁石43が大型化する
ことで、振動子が大型化しコストも高くなる等の問題点
があった。本発明は上記のような従来の課題を解決する
ためになされたもので、磁気バネ効果を積極的に利用
し、従来のものより、磁気バネ効果が大きい磁石可動型
振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮機を得るこ
とを目的とする。また、鉄心の積層方向を振動方向と一
致させる構成とし、鉄心の設計自由度が高く製造し易い
磁石可動型振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮
機を得ることを目的とする。
子を用いた圧縮機は、以上のように構成されており、磁
気バネとしての作用を積極的に利用しておらず、またこ
の作用は鉄心幅と磁石全長に起因する磁気的安定点のみ
を利用するため、比較的小さかった。また、その構成に
おいて、C型鉄心42とI型鉄心44との間に形成され
る空隙は円筒状であり、これらの鉄心42,44を構成
する積層鉄心の板面が空隙面に垂直でかつその板面はF
方向になるように積層されているため、製造する際、鉄
板を積層後加工するか、円筒軸に垂直な断面において鉄
板を多角形に配置して円形に近づけるなどの工夫が必要
であった。また、磁石43の中央部43aが長い構成で
あり、進行方向に長い磁石を用意する必要があり、磁石
の強度面で問題があった。また、磁石43が大型化する
ことで、振動子が大型化しコストも高くなる等の問題点
があった。本発明は上記のような従来の課題を解決する
ためになされたもので、磁気バネ効果を積極的に利用
し、従来のものより、磁気バネ効果が大きい磁石可動型
振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮機を得るこ
とを目的とする。また、鉄心の積層方向を振動方向と一
致させる構成とし、鉄心の設計自由度が高く製造し易い
磁石可動型振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮
機を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成によ
る磁石可動型振動子は、交番磁界を発生するコイルと、
コイルが発生する交番磁界に対して磁路を形成する鉄心
と、鉄心によって構成される磁路の一部を切断する空隙
に配置され、振動方向に異なる極の磁界を発生する可動
磁石とを備え、可動磁石の発生磁界の両面に対向する鉄
心の磁極面のうち、一方の鉄心の磁極面の振動方向長さ
を、それと対向する可動磁石の振動方向長さとほぼ等し
くし、他方の鉄心にコイルを巻回し、その磁極面の振動
方向長さを、それと対向する可動磁石の振動方向長さよ
り短かくしたものである。
る磁石可動型振動子は、交番磁界を発生するコイルと、
コイルが発生する交番磁界に対して磁路を形成する鉄心
と、鉄心によって構成される磁路の一部を切断する空隙
に配置され、振動方向に異なる極の磁界を発生する可動
磁石とを備え、可動磁石の発生磁界の両面に対向する鉄
心の磁極面のうち、一方の鉄心の磁極面の振動方向長さ
を、それと対向する可動磁石の振動方向長さとほぼ等し
くし、他方の鉄心にコイルを巻回し、その磁極面の振動
方向長さを、それと対向する可動磁石の振動方向長さよ
り短かくしたものである。
【0006】また、本発明の第2の構成による磁石可動
型振動子は、交番磁界を発生するコイルと、コイルが発
生する交番磁界に対して磁路を形成する鉄心と、鉄心に
よって構成される磁路の一部を切断する空隙に配置さ
れ、振動方向に、N−S−S−NまたはS―N−N−S
の順に異なる4極の磁界を発生する可動磁石とを備え、
可動磁石の発生磁界の両面に対向する鉄心の磁極面のう
ち、一方の鉄心の磁極面の振動方向長さを、それと対向
する可動磁石のN−SまたはS―Nの2極分の振動方向
長さとほぼ等しくし、他方の鉄心にコイルを巻回し、そ
の磁極面の振動方向長さを、それと対向する可動磁石の
2極分の振動方向長さより短かくしたものである。
型振動子は、交番磁界を発生するコイルと、コイルが発
生する交番磁界に対して磁路を形成する鉄心と、鉄心に
よって構成される磁路の一部を切断する空隙に配置さ
れ、振動方向に、N−S−S−NまたはS―N−N−S
の順に異なる4極の磁界を発生する可動磁石とを備え、
可動磁石の発生磁界の両面に対向する鉄心の磁極面のう
ち、一方の鉄心の磁極面の振動方向長さを、それと対向
する可動磁石のN−SまたはS―Nの2極分の振動方向
長さとほぼ等しくし、他方の鉄心にコイルを巻回し、そ
の磁極面の振動方向長さを、それと対向する可動磁石の
2極分の振動方向長さより短かくしたものである。
【0007】また、本発明の第3の構成による磁石可動
型振動子は、第1または第2の構成における磁石可動型
振動子の可動磁石を、その振動方向に垂直な断面で円弧
状とし、鉄心を、可動磁石が配置される円筒状の空隙面
を有し、可動磁石の振動方向に積層されると共に、その
積層方向の厚さを空隙面に対して内周と外周で異なるも
のとし、一方の積層方向厚さを可動磁石の振動方向長さ
とほぼ等しく構成し、他方の積層方向厚さを可動磁石の
振動方向長さよりも短く構成し、コイルを積層方向厚さ
が短い鉄心に、可動磁石の振動によって交番する誘起電
圧を発生するように巻回したものである。
型振動子は、第1または第2の構成における磁石可動型
振動子の可動磁石を、その振動方向に垂直な断面で円弧
状とし、鉄心を、可動磁石が配置される円筒状の空隙面
を有し、可動磁石の振動方向に積層されると共に、その
積層方向の厚さを空隙面に対して内周と外周で異なるも
のとし、一方の積層方向厚さを可動磁石の振動方向長さ
とほぼ等しく構成し、他方の積層方向厚さを可動磁石の
振動方向長さよりも短く構成し、コイルを積層方向厚さ
が短い鉄心に、可動磁石の振動によって交番する誘起電
圧を発生するように巻回したものである。
【0008】また、本発明の第4の構成による磁石可動
型振動子は、第1または第2の構成における磁石可動型
振動子の振動方向に垂直な断面において、複数の可動磁
石を配置し、可動磁石の磁界発生方向を等角度間隔の放
射状をなすように構成したものである。
型振動子は、第1または第2の構成における磁石可動型
振動子の振動方向に垂直な断面において、複数の可動磁
石を配置し、可動磁石の磁界発生方向を等角度間隔の放
射状をなすように構成したものである。
【0009】また、本発明の第5の構成による磁石可動
型振動子は、第1ないし第3のいずれかの構成におい
て、磁石可動型振動子の磁路を構成する鉄心の、可動磁
石の磁界に向かい合う面に凹状の溝部を設け、溝部の振
動方向長さと可動磁石の着磁部の振動方向長さの総和
を、鉄心の振動方向長さとほぼ等しく構成したものであ
る。
型振動子は、第1ないし第3のいずれかの構成におい
て、磁石可動型振動子の磁路を構成する鉄心の、可動磁
石の磁界に向かい合う面に凹状の溝部を設け、溝部の振
動方向長さと可動磁石の着磁部の振動方向長さの総和
を、鉄心の振動方向長さとほぼ等しく構成したものであ
る。
【0010】また、本発明の第6の構成による磁石可動
型振動子は、第5の構成の磁石可動型振動子において、
溝部の振動方向長さをG、該溝部の深さをI、可動磁石
の振動方向長さをJ、溝部を設けた鉄心の溝部深さ方向
長さをK、可動磁石と鉄心間の空隙の距離をLとした場
合に、 G > 2L K−I > 0.5J I > L の関係を満たすような溝部としたものである。
型振動子は、第5の構成の磁石可動型振動子において、
溝部の振動方向長さをG、該溝部の深さをI、可動磁石
の振動方向長さをJ、溝部を設けた鉄心の溝部深さ方向
長さをK、可動磁石と鉄心間の空隙の距離をLとした場
合に、 G > 2L K−I > 0.5J I > L の関係を満たすような溝部としたものである。
【0011】また、本発明の第7の構成による磁石可動
型振動子は、第5の構成の磁石可動型振動子の鉄心に設
けた複数の溝部において、コイルを巻回した鉄心の磁極
中心に対向する溝部の深さを、他の溝部の深さよりも深
く構成したものである。
型振動子は、第5の構成の磁石可動型振動子の鉄心に設
けた複数の溝部において、コイルを巻回した鉄心の磁極
中心に対向する溝部の深さを、他の溝部の深さよりも深
く構成したものである。
【0012】また、本発明の第8の構成による磁石可動
型振動子は、円筒状の空隙面を有し、積層方向を円筒軸
方向とし、空隙面に対して内周と外周で異なる積層方向
長さの鉄心と、鉄心の、積層方向長さの短い方の鉄心に
巻回した交番磁界を発生するコイルと、積層方向長さの
長い方の鉄心に埋め込まれ、円筒面の円周方向に同一磁
極面で向かい合う極を形成するように着磁された可動磁
石と、可動磁石の極間部に、鉄心間の空隙長のほぼ2倍
以上の長さで配置した非磁性体とを備えたものである。
型振動子は、円筒状の空隙面を有し、積層方向を円筒軸
方向とし、空隙面に対して内周と外周で異なる積層方向
長さの鉄心と、鉄心の、積層方向長さの短い方の鉄心に
巻回した交番磁界を発生するコイルと、積層方向長さの
長い方の鉄心に埋め込まれ、円筒面の円周方向に同一磁
極面で向かい合う極を形成するように着磁された可動磁
石と、可動磁石の極間部に、鉄心間の空隙長のほぼ2倍
以上の長さで配置した非磁性体とを備えたものである。
【0013】また、本発明の第9の構成による磁石可動
型振動子を用いた圧縮機は、第1ないし第8のいずれか
の構成の磁石可動型振動子と磁石可動型振動子の振動方
向に対し垂直な面に板面を有する板バネとを有し、磁石
可動型振動子の振動によって作動流体を膨張/圧縮する
ように構成したものである。
型振動子を用いた圧縮機は、第1ないし第8のいずれか
の構成の磁石可動型振動子と磁石可動型振動子の振動方
向に対し垂直な面に板面を有する板バネとを有し、磁石
可動型振動子の振動によって作動流体を膨張/圧縮する
ように構成したものである。
【0014】また、本発明の第10の構成による磁石可
動型振動子を用いた圧縮機は、第9の構成の磁石可動型
振動子の振動方向に作用するコイル状のバネを有するも
のである。
動型振動子を用いた圧縮機は、第9の構成の磁石可動型
振動子の振動方向に作用するコイル状のバネを有するも
のである。
【0015】また、本発明の第11の構成による磁石可
動型振動子を用いた圧縮機は、第10の構成の磁石可動
型振動子の往復運動の中立点において、積層鉄心とこれ
に空隙を介して対向する磁石とを有し、積層鉄心と磁石
の振動方向長さをほぼ等しくしたものである。
動型振動子を用いた圧縮機は、第10の構成の磁石可動
型振動子の往復運動の中立点において、積層鉄心とこれ
に空隙を介して対向する磁石とを有し、積層鉄心と磁石
の振動方向長さをほぼ等しくしたものである。
【0016】
実施の形態1.まず、可動磁石と鉄心の関係を考慮す
る。図1,2において、1はコイル、2はコイル1を巻
回する鉄心、3は可動磁石、4は磁路を形成する鉄心で
ある。コイル1が発生する交番磁界に対して、鉄心2,
4によって磁路を形成する。この磁路の一部を切断する
空隙を設け、その空隙内に可動磁石3を配置する。そし
て、この可動磁石3が矢印方向に一極に着磁されている
とする。この可動磁石3は2極以上に着磁されている必
要はなく、1極でも磁石可動型振動子は構成できる。た
だし、図1のように、可動磁石3を1極とし、鉄心2,
4が図のような形状の場合、可動磁石3の配置される空
隙を通る磁束は一方向であるため、中立点が死点とな
り、コイル1に通電しても可動磁石3は一箇所で固定し
てしまい振動しない。また、図2にように鉄心2,4を
構成すれば、可動磁石3の移動方向は一意に決まり死点
をなくすことができるが、磁気的安定点は最大振幅位置
になるため、中立点方向への復元力はなく磁気バネ効果
に対しては逆効果となる。従って図1,図2のような構
成では安定して動作し、かつ中立点に対して復元力のあ
る磁気バネ効果を有する振動子を得ることができず、本
発明では、2極以上に着磁された磁石を用いるものとす
る。
る。図1,2において、1はコイル、2はコイル1を巻
回する鉄心、3は可動磁石、4は磁路を形成する鉄心で
ある。コイル1が発生する交番磁界に対して、鉄心2,
4によって磁路を形成する。この磁路の一部を切断する
空隙を設け、その空隙内に可動磁石3を配置する。そし
て、この可動磁石3が矢印方向に一極に着磁されている
とする。この可動磁石3は2極以上に着磁されている必
要はなく、1極でも磁石可動型振動子は構成できる。た
だし、図1のように、可動磁石3を1極とし、鉄心2,
4が図のような形状の場合、可動磁石3の配置される空
隙を通る磁束は一方向であるため、中立点が死点とな
り、コイル1に通電しても可動磁石3は一箇所で固定し
てしまい振動しない。また、図2にように鉄心2,4を
構成すれば、可動磁石3の移動方向は一意に決まり死点
をなくすことができるが、磁気的安定点は最大振幅位置
になるため、中立点方向への復元力はなく磁気バネ効果
に対しては逆効果となる。従って図1,図2のような構
成では安定して動作し、かつ中立点に対して復元力のあ
る磁気バネ効果を有する振動子を得ることができず、本
発明では、2極以上に着磁された磁石を用いるものとす
る。
【0017】図3は本発明の実施の形態1による磁石可
動型振動子を示す斜視図である。可動磁石3は例えば永
久磁石で構成されており、矢印に示すようにN−S−S
−N,またはS−N−N−Sの4極に着磁されている。
一方の鉄心2はC型形状を成し、コイル1が巻回されて
いる。他方の鉄心4は中央部に凹部6を有し、両端部は
それぞれ可動磁石3の2極に対向して磁極面となってい
る。さらに可動磁石3の振動方向をxとした時、鉄心4
の磁極面のx方向長さEを、可動磁石3の2極分とほぼ
等しくなるように構成している。また、コイル1を巻回
した鉄心2の磁極面のx方向長さは、対向する可動磁石
3の2極分よりも短い。本明細書中では、磁石の1極を
1セグメントと称する。
動型振動子を示す斜視図である。可動磁石3は例えば永
久磁石で構成されており、矢印に示すようにN−S−S
−N,またはS−N−N−Sの4極に着磁されている。
一方の鉄心2はC型形状を成し、コイル1が巻回されて
いる。他方の鉄心4は中央部に凹部6を有し、両端部は
それぞれ可動磁石3の2極に対向して磁極面となってい
る。さらに可動磁石3の振動方向をxとした時、鉄心4
の磁極面のx方向長さEを、可動磁石3の2極分とほぼ
等しくなるように構成している。また、コイル1を巻回
した鉄心2の磁極面のx方向長さは、対向する可動磁石
3の2極分よりも短い。本明細書中では、磁石の1極を
1セグメントと称する。
【0018】コイル1に交番電流を流すと、振動子であ
る可動磁石3を横切る磁束が、例えば矢印Aのように発
生する。可動磁石3はこの磁束が通過しやすい位置であ
るx方向の負側に移動する。そして、電流の向きが逆転
すれば逆に他方に着磁された極が鉄心2に対向するよう
にx方向の正側に移動する。このように、可動磁石3に
より発生する磁界と、交番電流によりコイル1に発生す
る磁界との相互作用によって、可動磁石3にx方向へ正
負の推力を発生し、可動磁石3は図に示す座標軸のx方
向に振動する。
る可動磁石3を横切る磁束が、例えば矢印Aのように発
生する。可動磁石3はこの磁束が通過しやすい位置であ
るx方向の負側に移動する。そして、電流の向きが逆転
すれば逆に他方に着磁された極が鉄心2に対向するよう
にx方向の正側に移動する。このように、可動磁石3に
より発生する磁界と、交番電流によりコイル1に発生す
る磁界との相互作用によって、可動磁石3にx方向へ正
負の推力を発生し、可動磁石3は図に示す座標軸のx方
向に振動する。
【0019】このような振動子は、周知の通り、バネと
接続して共振状態で動作させると効率的に動作するが、
そのためには振動子の運動として、よく知られる通り機
械系の固有振動数のω0 と電気的な駆動振動数ωの比を
1にできる限り近づけることが望ましい。この種の振動
子を商用周波数付近で共振させる場合は、ωに対しω0
は小さくなることが多いために、ω0 を大きくする必要
がある。可動部重量をm、バネ定数をkとした時、機械
系の固有振動子ω0 は式1のように表される。 ω0 =(k/m)0.5 ・・・(1) ω0 を大きくするには、可動部重量mを小さくするか、
バネ定数kを大きくすることが考えられる。ところが、
可動部重量mの低減には限界がある。また、バネ定数k
を大きくすると、バネのサイズが大きくなり、機器設計
上の制約となる。 このような状況下で、振動子自体に
磁気バネ効果があると、機械バネを不要または小さくす
ることができ、設計に自由度を有する状態となり、商用
周波数付近でも共振させることができる。
接続して共振状態で動作させると効率的に動作するが、
そのためには振動子の運動として、よく知られる通り機
械系の固有振動数のω0 と電気的な駆動振動数ωの比を
1にできる限り近づけることが望ましい。この種の振動
子を商用周波数付近で共振させる場合は、ωに対しω0
は小さくなることが多いために、ω0 を大きくする必要
がある。可動部重量をm、バネ定数をkとした時、機械
系の固有振動子ω0 は式1のように表される。 ω0 =(k/m)0.5 ・・・(1) ω0 を大きくするには、可動部重量mを小さくするか、
バネ定数kを大きくすることが考えられる。ところが、
可動部重量mの低減には限界がある。また、バネ定数k
を大きくすると、バネのサイズが大きくなり、機器設計
上の制約となる。 このような状況下で、振動子自体に
磁気バネ効果があると、機械バネを不要または小さくす
ることができ、設計に自由度を有する状態となり、商用
周波数付近でも共振させることができる。
【0020】図3に基づいて磁気バネ効果を説明する。
可動磁石3の2極分のx方向長さEと鉄心4の磁極面の
幅とがほぼ等しいために、可動磁石3と鉄心4の磁気的
な安定点は、可動磁石3と鉄心4とが対向する位置であ
る振幅中心位置となる。そのために、コイル1に通電し
た場合に、可動磁石3はx方向に力を受けて移動する
が、可動磁石3は磁気的な安定点へと磁気吸引力を受
け、これが復元力となるために磁気バネとして作用す
る。
可動磁石3の2極分のx方向長さEと鉄心4の磁極面の
幅とがほぼ等しいために、可動磁石3と鉄心4の磁気的
な安定点は、可動磁石3と鉄心4とが対向する位置であ
る振幅中心位置となる。そのために、コイル1に通電し
た場合に、可動磁石3はx方向に力を受けて移動する
が、可動磁石3は磁気的な安定点へと磁気吸引力を受
け、これが復元力となるために磁気バネとして作用す
る。
【0021】上記のように本実施の形態では、可動磁石
3で構成される振動子の磁気的安定点を振幅中心に設け
ることができ、磁気バネ効果のある振動子を構成するこ
とができる。
3で構成される振動子の磁気的安定点を振幅中心に設け
ることができ、磁気バネ効果のある振動子を構成するこ
とができる。
【0022】実施の形態2.図4は実施の形態2による
磁石可動型振動子を示す断面構成図であり、図3に示す
y方向からみた場合の断面構成図である。図中、10は
鉄心2の磁極面である。この可動磁石3は、S−N−N
−SまたはN−S−S−Nと構成された4つの極を全て
分割し、その間に着磁していない部分を介在させてい
る。即ち、1セグメントずつ分離し、鉄心4には、S−
Nの1対ごとの分割部分に対向して溝部6aを形成し、
1対の極間の分割部分に対向して溝部6bを形成する。
この溝部6a,6bの溝幅をGa,Gb、溝深さをI
a,Ibとし、可動磁石3と鉄心4間の距離をLとした
場合、Ga,Gb>2L、Ia,Ib>L程度にする
と、有為な磁気バネ効果を有する磁石可動型振動子が得
られる。
磁石可動型振動子を示す断面構成図であり、図3に示す
y方向からみた場合の断面構成図である。図中、10は
鉄心2の磁極面である。この可動磁石3は、S−N−N
−SまたはN−S−S−Nと構成された4つの極を全て
分割し、その間に着磁していない部分を介在させてい
る。即ち、1セグメントずつ分離し、鉄心4には、S−
Nの1対ごとの分割部分に対向して溝部6aを形成し、
1対の極間の分割部分に対向して溝部6bを形成する。
この溝部6a,6bの溝幅をGa,Gb、溝深さをI
a,Ibとし、可動磁石3と鉄心4間の距離をLとした
場合、Ga,Gb>2L、Ia,Ib>L程度にする
と、有為な磁気バネ効果を有する磁石可動型振動子が得
られる。
【0023】一方、コイル1が発生する磁界の磁路に対
する磁気抵抗は、鉄心4において、鉄心2の磁極面10
に対向する部分に溝部6bを設けると減少する。そし
て、溝部6bの溝幅Gbおよび溝深さIbを他の位置の
溝部(本実施の形態の場合は溝部6a)より小さくかつ
狭くしている。言い替えれば、コイル1を巻回した鉄心
2の磁極中心に対向する溝部の深さ(この場合は溝部6
a)を他の溝部(この場合は溝部6b)よりも深くして
いる。このように複数の溝の深さを構成することで、コ
イル1によって発生する磁束の磁気抵抗を減少でき、コ
イル電流が少なくても十分効率のよい磁石可動型振動子
が得られる。
する磁気抵抗は、鉄心4において、鉄心2の磁極面10
に対向する部分に溝部6bを設けると減少する。そし
て、溝部6bの溝幅Gbおよび溝深さIbを他の位置の
溝部(本実施の形態の場合は溝部6a)より小さくかつ
狭くしている。言い替えれば、コイル1を巻回した鉄心
2の磁極中心に対向する溝部の深さ(この場合は溝部6
a)を他の溝部(この場合は溝部6b)よりも深くして
いる。このように複数の溝の深さを構成することで、コ
イル1によって発生する磁束の磁気抵抗を減少でき、コ
イル電流が少なくても十分効率のよい磁石可動型振動子
が得られる。
【0024】実施の形態3.一般に磁気バネ効果は、磁
石の変位に対して磁気抵抗が大きく変化するほど、磁気
吸引力が増し、磁気バネ定数を大きくとれる。従って、
磁石をセグメント化し、そのセグメントのx方向長さと
等しい磁極幅を持つように、鉄心4に溝部6を加工する
と磁気バネ定数の上昇が期待できる。本実施の形態は、
磁石をセグメント化したものである。
石の変位に対して磁気抵抗が大きく変化するほど、磁気
吸引力が増し、磁気バネ定数を大きくとれる。従って、
磁石をセグメント化し、そのセグメントのx方向長さと
等しい磁極幅を持つように、鉄心4に溝部6を加工する
と磁気バネ定数の上昇が期待できる。本実施の形態は、
磁石をセグメント化したものである。
【0025】図5は本実施の形態による磁石可動型振動
子を示す断面構成図である。図において、11はセグメ
ント間を接続する非磁性体、6a〜6gは鉄心4の磁極
面に施した溝部で非磁性体11によって分割された可動
磁石3のx方向長さと鉄心4の磁極面の幅を一致させて
いる。このため、磁気バネ効果を強めることができる磁
石可動型振動子が得られる。
子を示す断面構成図である。図において、11はセグメ
ント間を接続する非磁性体、6a〜6gは鉄心4の磁極
面に施した溝部で非磁性体11によって分割された可動
磁石3のx方向長さと鉄心4の磁極面の幅を一致させて
いる。このため、磁気バネ効果を強めることができる磁
石可動型振動子が得られる。
【0026】溝部6a〜6gのx方向長さをそれぞれG
a〜Ggとした場合の和Gall は式1で表され、可動磁
石の分割部分3a〜3hのx方向長さをそれぞれJa〜
Jhとした場合の和Jall は式2で表される。そして、
鉄心4のx方向長さをMとした時、式3に満たすように
構成している。
a〜Ggとした場合の和Gall は式1で表され、可動磁
石の分割部分3a〜3hのx方向長さをそれぞれJa〜
Jhとした場合の和Jall は式2で表される。そして、
鉄心4のx方向長さをMとした時、式3に満たすように
構成している。
【0027】 Gall = Ga+Gb+Gc+Gd+Ge+Gf+Gg ・・・(1) Jall = Ja+Jb+Jc+Jd+Je+Jf+Jg+Jh・・・(2) M = Gall + Jall ・・・(3)
【0028】このように構成することで、磁石の変位に
対する磁気抵抗を大きく変化させることができ、磁気吸
引力が増し、磁気バネ定数を大きくできる。
対する磁気抵抗を大きく変化させることができ、磁気吸
引力が増し、磁気バネ定数を大きくできる。
【0029】実施の形態4.図3では可動磁石3からみ
てコイル1のある側の鉄心2とコイル1の逆側の鉄心4
の磁極面の幅が異なるために、可動磁石3の表裏面それ
ぞれに働く磁気吸引力は異なり、可動磁石3は磁気吸引
力の大きい方に吸引される。例えば、図3では、可動磁
石3はZ軸正方向に磁気吸引力を生じる。本実施の形態
では、これを防ぐため、複数の振動子を円周上に等間隔
配置し、可動磁石3に働く磁気吸引力を相殺したもので
ある。
てコイル1のある側の鉄心2とコイル1の逆側の鉄心4
の磁極面の幅が異なるために、可動磁石3の表裏面それ
ぞれに働く磁気吸引力は異なり、可動磁石3は磁気吸引
力の大きい方に吸引される。例えば、図3では、可動磁
石3はZ軸正方向に磁気吸引力を生じる。本実施の形態
では、これを防ぐため、複数の振動子を円周上に等間隔
配置し、可動磁石3に働く磁気吸引力を相殺したもので
ある。
【0030】図6は本実施の形態による4個の磁石可動
型振動子3a〜3dを90度間隔で配置し、X方向から
見た正面図である。このように、可動磁石3の磁界発生
方向Fを、4方向Fa,Fb,Fc,Fdとし、その方
向を、振動子の振動方向に垂直な面で等角度間隔の放射
状に配置すると、振動子の進行方向に対して直角方向
(YまたはZ方向)に働く磁気吸引力を相殺でき、安定
して往復運動を行う磁石可動型振動子が得られる。
型振動子3a〜3dを90度間隔で配置し、X方向から
見た正面図である。このように、可動磁石3の磁界発生
方向Fを、4方向Fa,Fb,Fc,Fdとし、その方
向を、振動子の振動方向に垂直な面で等角度間隔の放射
状に配置すると、振動子の進行方向に対して直角方向
(YまたはZ方向)に働く磁気吸引力を相殺でき、安定
して往復運動を行う磁石可動型振動子が得られる。
【0031】なお、同様に2個の磁石可動型振動子を1
80度(対向型)間隔で配置したり、3個の磁石可動型
振動子を120度間隔で配置したり、6個の磁石可動型
振動子を60度間隔で配置しても、磁気吸引力を相殺で
き、同様の効果が得られる。また、コイル1を巻回した
鉄心2を内周側に配置し、磁気バネ効果を有する鉄心4
を外周側に配置した構成を示したが、この内周側と外周
側を入れ替えて逆にしても同様に構成できることはいう
までもない。コイル1を外周側に配置した場合は、磁石
可動型振動子の外側から容易にコイル1を冷却できる。
一方、図のように可動磁石をコイル1の外周側に配置し
た場合には、鉄心磁路の断面積を増やすことができ、磁
石の起磁力を高めてコイル電流を減らすことができると
いう効果もある。
80度(対向型)間隔で配置したり、3個の磁石可動型
振動子を120度間隔で配置したり、6個の磁石可動型
振動子を60度間隔で配置しても、磁気吸引力を相殺で
き、同様の効果が得られる。また、コイル1を巻回した
鉄心2を内周側に配置し、磁気バネ効果を有する鉄心4
を外周側に配置した構成を示したが、この内周側と外周
側を入れ替えて逆にしても同様に構成できることはいう
までもない。コイル1を外周側に配置した場合は、磁石
可動型振動子の外側から容易にコイル1を冷却できる。
一方、図のように可動磁石をコイル1の外周側に配置し
た場合には、鉄心磁路の断面積を増やすことができ、磁
石の起磁力を高めてコイル電流を減らすことができると
いう効果もある。
【0032】実施の形態5.図3に示した可動磁石は進
行方向にN−S−S−NまたはS−N−N−Sの4極に
着磁したものを用いたが、この4極を1組として進行方
向に複数組配置してもよい。図7は本実施の形態による
磁石可動型振動子を示す断面構成図であり、この場合に
は、2組接続した振動子を示す。このとき1組はN−S
−S−Nのように着磁し、他の1組はS−N−N−Sの
ように着磁している。そして、2組の間の分離部分に対
向する鉄心4には溝部6cを設けている。このように構
成した場合は、可動磁石の幅やコイルの巻線方向に関
し、設計の自由度が増す。なお、コイルの巻線方向は図
7に示したようにx−y面で巻回してもよいし、図8に
示したように、y−z面で巻回してもよい。
行方向にN−S−S−NまたはS−N−N−Sの4極に
着磁したものを用いたが、この4極を1組として進行方
向に複数組配置してもよい。図7は本実施の形態による
磁石可動型振動子を示す断面構成図であり、この場合に
は、2組接続した振動子を示す。このとき1組はN−S
−S−Nのように着磁し、他の1組はS−N−N−Sの
ように着磁している。そして、2組の間の分離部分に対
向する鉄心4には溝部6cを設けている。このように構
成した場合は、可動磁石の幅やコイルの巻線方向に関
し、設計の自由度が増す。なお、コイルの巻線方向は図
7に示したようにx−y面で巻回してもよいし、図8に
示したように、y−z面で巻回してもよい。
【0033】実施の形態6.図3のように磁石可動型振
動子をその進行方向(x方向)に分割して配置した場合
には、鉄心2,4の積層方向がy方向となり、進行方向
(x方向)と垂直になる。このため、円周上に配置する
と、図6に示したように可動磁石3と鉄心2,4の空隙
面Cがこの図に垂直な平面となり、可動磁石3が振動中
などにx軸周りに少し回転しただけでも、可動磁石3と
鉄心2,4が接触することになる。
動子をその進行方向(x方向)に分割して配置した場合
には、鉄心2,4の積層方向がy方向となり、進行方向
(x方向)と垂直になる。このため、円周上に配置する
と、図6に示したように可動磁石3と鉄心2,4の空隙
面Cがこの図に垂直な平面となり、可動磁石3が振動中
などにx軸周りに少し回転しただけでも、可動磁石3と
鉄心2,4が接触することになる。
【0034】このような問題を解消するには、モータの
組立精度や機械強度を十分確保する必要があり、生産工
程上の問題となる。例えば、図9に示すように、可動磁
石3と鉄心2,4の空隙面を円筒形状(図に示す面では
円形状)に加工すれば、x軸周りの回転に対して可動磁
石3と鉄心2,4が接触するのをある程度防ぐことがで
きる。ところがこの構成では、鉄心2,4a〜4dの積
層方向が可動磁石3の進行方向(x方向)と垂直な方向
(y方向)であるために、組立が複雑になる。
組立精度や機械強度を十分確保する必要があり、生産工
程上の問題となる。例えば、図9に示すように、可動磁
石3と鉄心2,4の空隙面を円筒形状(図に示す面では
円形状)に加工すれば、x軸周りの回転に対して可動磁
石3と鉄心2,4が接触するのをある程度防ぐことがで
きる。ところがこの構成では、鉄心2,4a〜4dの積
層方向が可動磁石3の進行方向(x方向)と垂直な方向
(y方向)であるために、組立が複雑になる。
【0035】本実施の形態では、空隙面Cを円筒状に構
成し、さらに鉄心2,4a〜4dの積層方向が可動磁石
3の進行方向と同じ方向になるように磁気回路を設計し
ている。図10は本実施の形態による磁石可動型振動子
で構成されるモータを示す上面図であり、図10中の点
線位置で切り出した説明図を図11に示す。図10にお
いて、鉄心2,4を斜線で示している。下面からみた場
合、可動磁石3は、この逆向きに着磁される。可動磁石
3は進行方向に互いに着磁方向が異なる2セグメントの
磁石で構成される。さらに、可動磁石3の一方の側面に
は、磁石可動振動子の振動方向(x方向)において、可
動磁石3の全長とほぼ等しい長さの鉄心4を設ける。そ
して、その鉄心4に対し、可動磁石3のx方向の1セグ
メント幅と等しい幅の磁極面を持つように、溝部6を設
けている。
成し、さらに鉄心2,4a〜4dの積層方向が可動磁石
3の進行方向と同じ方向になるように磁気回路を設計し
ている。図10は本実施の形態による磁石可動型振動子
で構成されるモータを示す上面図であり、図10中の点
線位置で切り出した説明図を図11に示す。図10にお
いて、鉄心2,4を斜線で示している。下面からみた場
合、可動磁石3は、この逆向きに着磁される。可動磁石
3は進行方向に互いに着磁方向が異なる2セグメントの
磁石で構成される。さらに、可動磁石3の一方の側面に
は、磁石可動振動子の振動方向(x方向)において、可
動磁石3の全長とほぼ等しい長さの鉄心4を設ける。そ
して、その鉄心4に対し、可動磁石3のx方向の1セグ
メント幅と等しい幅の磁極面を持つように、溝部6を設
けている。
【0036】可動磁石3の全長と鉄心4の長さを等しく
することと、溝部6を設けて磁石の1セグメント幅と鉄
心4の磁極面の幅を等しくすることによって、磁石可動
型振動子の磁気的安定点を振幅の中心に設けることがで
き、磁気バネ効果を奏する。
することと、溝部6を設けて磁石の1セグメント幅と鉄
心4の磁極面の幅を等しくすることによって、磁石可動
型振動子の磁気的安定点を振幅の中心に設けることがで
き、磁気バネ効果を奏する。
【0037】また、可動磁石3の他方の側面には、可動
磁石3の振動方向長さよりも短い鉄心2を配置する。そ
して、鉄心2にはコイル1が図11中の矢印12に示す
ように巻回され、これによって可動磁石3の振動で交番
する誘起電圧を発生する。このコイル1に交番電流を流
すと、磁極面に生じる磁界と可動磁石3の磁気の相互作
用によって、可動磁石3はx方向に振動する。この構成
では空隙面が円筒形状であるため、製作する際のx軸周
りの回転に対する機械的な誤差の許容度は高くなる。ま
た、磁石可動型振動子の形状や巻線などは、通常の円筒
型回転機と同様に構成できるために、部品または設備共
用によって低コスト化できるなどの効果もある。
磁石3の振動方向長さよりも短い鉄心2を配置する。そ
して、鉄心2にはコイル1が図11中の矢印12に示す
ように巻回され、これによって可動磁石3の振動で交番
する誘起電圧を発生する。このコイル1に交番電流を流
すと、磁極面に生じる磁界と可動磁石3の磁気の相互作
用によって、可動磁石3はx方向に振動する。この構成
では空隙面が円筒形状であるため、製作する際のx軸周
りの回転に対する機械的な誤差の許容度は高くなる。ま
た、磁石可動型振動子の形状や巻線などは、通常の円筒
型回転機と同様に構成できるために、部品または設備共
用によって低コスト化できるなどの効果もある。
【0038】実施の形態7.以下、本発明の実施の形態
7による磁石可動型振動子について説明する。本実施の
形態でも、空隙面Cを円筒形状にし、かつ、鉄心2,4
の積層方向が可動磁石3の進行方向と同じ方向になるよ
うに磁気回路を設計したものである。図12は本実施の
形態による磁石可動型振動子で構成されるモータを示す
上面図であり、図12中の点線位置で切り出した説明図
を図13に示す。図12において、鉄心2,4を斜線で
示している。可動磁石3は振動方向であるx方向長さの
長い方の鉄心4中に埋め込まれ、上面からみると図中で
矢印の向きに着磁されている。即ち、円筒形状の円周方
向に、同一磁極面で向かい合う方向となる極を形成する
ように着磁されており、下面からみた場合は、この逆向
きに着磁されている。また、可動磁石3は振動方向に極
間部7を介してセグメントに分離され、逆向きに着磁さ
れている。
7による磁石可動型振動子について説明する。本実施の
形態でも、空隙面Cを円筒形状にし、かつ、鉄心2,4
の積層方向が可動磁石3の進行方向と同じ方向になるよ
うに磁気回路を設計したものである。図12は本実施の
形態による磁石可動型振動子で構成されるモータを示す
上面図であり、図12中の点線位置で切り出した説明図
を図13に示す。図12において、鉄心2,4を斜線で
示している。可動磁石3は振動方向であるx方向長さの
長い方の鉄心4中に埋め込まれ、上面からみると図中で
矢印の向きに着磁されている。即ち、円筒形状の円周方
向に、同一磁極面で向かい合う方向となる極を形成する
ように着磁されており、下面からみた場合は、この逆向
きに着磁されている。また、可動磁石3は振動方向に極
間部7を介してセグメントに分離され、逆向きに着磁さ
れている。
【0039】本実施の形態では、可動磁石3は鉄心4中
に埋め込まれているために、鉄心4で可動磁石3の保持
部材と磁気回路を兼ね備えた機能を有する。可動磁石3
により発生する磁束は、図12の鉄心2中に示した矢印
13の向きに生じ、コイル1を巻回した鉄心2と対向す
る面に磁界を作る。コイル1の作る磁界は、可動磁石3
によって作られた磁界と吸引/反発することで可動磁石
3は往復運動を行う。磁石可動型振動子の振動方向に沿
った断面は図14に示す通りであり、鉄心4の極間部7
は非磁性体で構成され、x方向長さHを空隙Lのほぼ2
倍以上の長さとしている。この極間部7によって可動磁
石3をx方向で磁気的に分離し、鉄心4内で閉じる短絡
漏れ磁束磁路を磁気的に切断する。また、実施の形態6
では鉄心2と可動磁石3、および鉄心4と可動磁石3の
間に空隙があるため、組立時に調節を行う必要がある空
隙が2箇所となっている。これに対し、本実施の形態の
構成では、空隙が1つであり、組立時の調節を簡単化で
きる。
に埋め込まれているために、鉄心4で可動磁石3の保持
部材と磁気回路を兼ね備えた機能を有する。可動磁石3
により発生する磁束は、図12の鉄心2中に示した矢印
13の向きに生じ、コイル1を巻回した鉄心2と対向す
る面に磁界を作る。コイル1の作る磁界は、可動磁石3
によって作られた磁界と吸引/反発することで可動磁石
3は往復運動を行う。磁石可動型振動子の振動方向に沿
った断面は図14に示す通りであり、鉄心4の極間部7
は非磁性体で構成され、x方向長さHを空隙Lのほぼ2
倍以上の長さとしている。この極間部7によって可動磁
石3をx方向で磁気的に分離し、鉄心4内で閉じる短絡
漏れ磁束磁路を磁気的に切断する。また、実施の形態6
では鉄心2と可動磁石3、および鉄心4と可動磁石3の
間に空隙があるため、組立時に調節を行う必要がある空
隙が2箇所となっている。これに対し、本実施の形態の
構成では、空隙が1つであり、組立時の調節を簡単化で
きる。
【0040】実施の形態8.図15は、本発明の実施の
形態8による磁石可動型振動子に係わり、実施の形態7
で示した構成の可動磁石3の構成方法を説明する分解斜
視図である。図において、3は進行方向に対し異方向に
着磁された永久磁石であり、磁石3をセグメントで構成
し、各々を保持するために、磁石3の両端に設けた非磁
性体のリング14aと中間部に設けた非磁性体のリング
14bで磁石3をはめ込む。
形態8による磁石可動型振動子に係わり、実施の形態7
で示した構成の可動磁石3の構成方法を説明する分解斜
視図である。図において、3は進行方向に対し異方向に
着磁された永久磁石であり、磁石3をセグメントで構成
し、各々を保持するために、磁石3の両端に設けた非磁
性体のリング14aと中間部に設けた非磁性体のリング
14bで磁石3をはめ込む。
【0041】このように構成した場合には、磁石3と非
磁性体リング14a,14bによってかご状の導体を形
成し、これに鎖交する変動磁界が存在することから、渦
電流が流れ損失となってしまう。これに対し、非磁性体
リング14a,14bは例えばエポキシ樹脂などを非磁
性絶縁体として用いることで、渦電流損を低減できる。
非磁性体リング14a,14bと磁石3を組み合わせた
場合の側面図を図16に示す。また、図17に非磁性体
リング14a,14bに磁石3をはめ込むために設け
た、はめあい部14cの形状を示す。
磁性体リング14a,14bによってかご状の導体を形
成し、これに鎖交する変動磁界が存在することから、渦
電流が流れ損失となってしまう。これに対し、非磁性体
リング14a,14bは例えばエポキシ樹脂などを非磁
性絶縁体として用いることで、渦電流損を低減できる。
非磁性体リング14a,14bと磁石3を組み合わせた
場合の側面図を図16に示す。また、図17に非磁性体
リング14a,14bに磁石3をはめ込むために設け
た、はめあい部14cの形状を示す。
【0042】このように製造することで、比較的簡単に
図13に示したような構成の磁石可動型振動子を製造で
きる。
図13に示したような構成の磁石可動型振動子を製造で
きる。
【0043】実施の形態9.本実施の形態は、鉄心4に
設けた溝部6の寸法を最適化するものである。図18
は、本実施の形態による磁石可動型振動子を示す図であ
り、図18(a)は要部を示す説明図、図18(b)は
実施の形態1に適用した磁石可動型振動子を示す斜視
図、図18(c)は実施の形態6に適用した磁石可動型
振動子を示す斜視図である。通常、電気機器の高効率化
のためには、磁石の磁界を最大限に利用してコイル電流
を低減することが望ましい。希土類磁石(ネオジ系磁
石)などの永久磁石を用いて設計した場合には、空隙磁
束密度Bgは最大で1T(テスラ)前後となる。本発明
における磁路は図18(a)中で矢印15に示すループ
となる。この場合、鉄心4中で磁路は断面積が(K−
I)/Jとなるために、鉄心4中の磁束密度は、ほぼB
gJ/(K−I)である。一方鉄心は、磁束密度2T程
度を越えると磁気飽和して、透磁率が減少するために、
鉄心中の最大磁束密度はこれよりも小さく設計する必要
がある。従って、J/(K−I)<2程度とするのが望
ましい。
設けた溝部6の寸法を最適化するものである。図18
は、本実施の形態による磁石可動型振動子を示す図であ
り、図18(a)は要部を示す説明図、図18(b)は
実施の形態1に適用した磁石可動型振動子を示す斜視
図、図18(c)は実施の形態6に適用した磁石可動型
振動子を示す斜視図である。通常、電気機器の高効率化
のためには、磁石の磁界を最大限に利用してコイル電流
を低減することが望ましい。希土類磁石(ネオジ系磁
石)などの永久磁石を用いて設計した場合には、空隙磁
束密度Bgは最大で1T(テスラ)前後となる。本発明
における磁路は図18(a)中で矢印15に示すループ
となる。この場合、鉄心4中で磁路は断面積が(K−
I)/Jとなるために、鉄心4中の磁束密度は、ほぼB
gJ/(K−I)である。一方鉄心は、磁束密度2T程
度を越えると磁気飽和して、透磁率が減少するために、
鉄心中の最大磁束密度はこれよりも小さく設計する必要
がある。従って、J/(K−I)<2程度とするのが望
ましい。
【0044】また、可動磁石3を分割する溝部6の最適
寸法としては、可動磁石3間の漏れ磁路は矢印Pで、そ
の最短磁路長はGとなる。一方、鉄心4中を通る磁路1
5に対しては、その磁路長さは鉄心4の磁気抵抗を無視
して、2Lとなるので、G>2L程度とすれぱ、漏れ磁
束を減らすことができ、磁石の磁界を効果的に利用でき
る。
寸法としては、可動磁石3間の漏れ磁路は矢印Pで、そ
の最短磁路長はGとなる。一方、鉄心4中を通る磁路1
5に対しては、その磁路長さは鉄心4の磁気抵抗を無視
して、2Lとなるので、G>2L程度とすれぱ、漏れ磁
束を減らすことができ、磁石の磁界を効果的に利用でき
る。
【0045】また、溝部6の深さIについては、空隙長
さをL程度とすれば、溝部6を通る磁束の磁路長が2倍
になるので、磁石移動に対し磁気抵抗が2倍程度大きく
なり、有為な磁気バネ効果を示す。もちろんIがL以下
でも相応の効果は得られることはいうまでもない。
さをL程度とすれば、溝部6を通る磁束の磁路長が2倍
になるので、磁石移動に対し磁気抵抗が2倍程度大きく
なり、有為な磁気バネ効果を示す。もちろんIがL以下
でも相応の効果は得られることはいうまでもない。
【0046】以上のように、振動子の磁路を構成する鉄
心2の可動磁石3による磁界に対向する面に対して凹状
となるように形成した溝部6の進行方向長さG、深さ
I、磁石1極分の進行方向長さJ、溝部6を設けた鉄心
4の進行方向に垂直な方向の長さK、磁石3と鉄心4間
の空隙距離Lとして、それらの関係を式4のように構成
する。
心2の可動磁石3による磁界に対向する面に対して凹状
となるように形成した溝部6の進行方向長さG、深さ
I、磁石1極分の進行方向長さJ、溝部6を設けた鉄心
4の進行方向に垂直な方向の長さK、磁石3と鉄心4間
の空隙距離Lとして、それらの関係を式4のように構成
する。
【0047】 G > 2L K−I > 0.5J ・・・(4) I > L
【0048】このように構成すれば、鉄心2,4を通ら
ずに空隙を通って可動磁石3間で短絡する磁束に対する
磁路の磁気抵抗を大きくすることができる。そして、溝
部6を有する可動磁石3は、図18(b)に示す構成の
磁石可動型振動子に適用したり、図18(c)に示す構
成の磁石可動型振動子に適用すれば、安定した効率のよ
い振動子が得られる。
ずに空隙を通って可動磁石3間で短絡する磁束に対する
磁路の磁気抵抗を大きくすることができる。そして、溝
部6を有する可動磁石3は、図18(b)に示す構成の
磁石可動型振動子に適用したり、図18(c)に示す構
成の磁石可動型振動子に適用すれば、安定した効率のよ
い振動子が得られる。
【0049】実施の形態10.図19は本発明の実施の
形態10よる磁石可動型振動子を用いた圧縮機を示す断
面構成図である。例えば図4に示した磁石可動型振動子
と、振動子の振動方向に対し垂直な面に板面を有する板
バネ8とを用いてレシプロ型冷媒圧縮機を構成した例で
ある。図中の可動磁石3に働く電磁力は、機械的に接続
されたフレーム16を介してピストン5に伝わり、往復
運動を行う。この振動子の往復運動により、ピストン5
は圧縮室17の容積を変化させ、ノズル18から作動流
体である冷媒を吸入/圧縮する。全体はシェル上のケー
シング19に納められている。
形態10よる磁石可動型振動子を用いた圧縮機を示す断
面構成図である。例えば図4に示した磁石可動型振動子
と、振動子の振動方向に対し垂直な面に板面を有する板
バネ8とを用いてレシプロ型冷媒圧縮機を構成した例で
ある。図中の可動磁石3に働く電磁力は、機械的に接続
されたフレーム16を介してピストン5に伝わり、往復
運動を行う。この振動子の往復運動により、ピストン5
は圧縮室17の容積を変化させ、ノズル18から作動流
体である冷媒を吸入/圧縮する。全体はシェル上のケー
シング19に納められている。
【0050】本実施の形態では、直線上の推力を得られ
る振動子と振動子進行方向に対し垂直な面に板面を有す
る板バネ8とを用いるために、板バネ8が振動子と冷媒
圧縮機の間に共振系を形成できる。さらに、板バネ8の
板面は振動方向に垂直な変位を拘束するために、ピスト
ン5に対し潤滑不要な軸受けとしても作用する。また、
実施の形態1〜実施の形態9で記載した磁石可動型振動
子を組み合わせることは、振動子のもつ磁気バネ効果に
より、板バネ8のバネ定数を小さくできるために、板バ
ネの枚数、大きさなどが低減できる。また、場合によっ
ては板バネ8を不必要にできる。このため、商用周波数
で動作する装置を、大きさを大きくすることなく得るこ
とができる。
る振動子と振動子進行方向に対し垂直な面に板面を有す
る板バネ8とを用いるために、板バネ8が振動子と冷媒
圧縮機の間に共振系を形成できる。さらに、板バネ8の
板面は振動方向に垂直な変位を拘束するために、ピスト
ン5に対し潤滑不要な軸受けとしても作用する。また、
実施の形態1〜実施の形態9で記載した磁石可動型振動
子を組み合わせることは、振動子のもつ磁気バネ効果に
より、板バネ8のバネ定数を小さくできるために、板バ
ネの枚数、大きさなどが低減できる。また、場合によっ
ては板バネ8を不必要にできる。このため、商用周波数
で動作する装置を、大きさを大きくすることなく得るこ
とができる。
【0051】実施の形態11.図20は本発明の実施の
形態11よる磁石可動型振動子を用いた圧縮機を示す断
面構成図である。本実施の形態では、本発明の実施の形
態1〜実施の形態9に記載した磁石可動型振動子と板バ
ネとコイルバネを組み合わせて、冷媒圧縮機に用いたも
のである。図において、9は振動子の振動方向に作用す
るコイルバネである。上記のような構成にすると、磁石
可動型振動子の磁気バネ効果とコイルバネ9により、板
バネ8のバネ定数を実施の形態10よりもさらに小さく
することができる。従って、板バネ8の枚数や厚さを減
らせるために、製作および組立が簡単化できる。
形態11よる磁石可動型振動子を用いた圧縮機を示す断
面構成図である。本実施の形態では、本発明の実施の形
態1〜実施の形態9に記載した磁石可動型振動子と板バ
ネとコイルバネを組み合わせて、冷媒圧縮機に用いたも
のである。図において、9は振動子の振動方向に作用す
るコイルバネである。上記のような構成にすると、磁石
可動型振動子の磁気バネ効果とコイルバネ9により、板
バネ8のバネ定数を実施の形態10よりもさらに小さく
することができる。従って、板バネ8の枚数や厚さを減
らせるために、製作および組立が簡単化できる。
【0052】実施の形態12.図21は本発明の実施の
形態12よる磁石可動型振動子を用いた圧縮機を示す図
であり、図21(a)は断面構成図、図21(b)は本
実施の形態に係わる磁気バネを示す斜視図である。本実
施の形態は、本発明による実施の形態1〜実施の形態9
に記載した磁石可動型振動子と板バネと磁気バネを組み
合わせて、冷媒圧縮機に用いたものである。図におい
て、20aはリング状の積層鉄心、20bはリング状の
永久磁石で、積層鉄心20aとリング状磁石20bで磁
気バネを構成し、このバネは振動子の振動方向に作用す
る。
形態12よる磁石可動型振動子を用いた圧縮機を示す図
であり、図21(a)は断面構成図、図21(b)は本
実施の形態に係わる磁気バネを示す斜視図である。本実
施の形態は、本発明による実施の形態1〜実施の形態9
に記載した磁石可動型振動子と板バネと磁気バネを組み
合わせて、冷媒圧縮機に用いたものである。図におい
て、20aはリング状の積層鉄心、20bはリング状の
永久磁石で、積層鉄心20aとリング状磁石20bで磁
気バネを構成し、このバネは振動子の振動方向に作用す
る。
【0053】図において、積層鉄心20aとリング状磁
石20bとは空隙を介して対向して設けられており、図
21(b)に示すように、例えば4極のリング状磁石2
0bを有する。この磁気バネ20を、圧縮機の振動子の
往復運動の中立点に配置し、図21(a)に示すよう
に、矢印方向に着磁された磁石20bの磁石幅Oと積層
鉄心20aの厚さNをほぼ等しくすることにより、リン
グ状磁石20bと積層鉄心20aの対向位置からの変位
に対して、磁気バネ効果を有する。また、積層鉄心20
aは板状の鉄心を積層して構成するので、振動に伴う磁
界変化に対する渦電流損失を低減させる。
石20bとは空隙を介して対向して設けられており、図
21(b)に示すように、例えば4極のリング状磁石2
0bを有する。この磁気バネ20を、圧縮機の振動子の
往復運動の中立点に配置し、図21(a)に示すよう
に、矢印方向に着磁された磁石20bの磁石幅Oと積層
鉄心20aの厚さNをほぼ等しくすることにより、リン
グ状磁石20bと積層鉄心20aの対向位置からの変位
に対して、磁気バネ効果を有する。また、積層鉄心20
aは板状の鉄心を積層して構成するので、振動に伴う磁
界変化に対する渦電流損失を低減させる。
【0054】このように本実施の形態では、振動子の磁
気バネ効果とリング状磁石20bの磁気バネにより、板
バネ8のバネ定数を小さくすることができ、板バネ8の
枚数や厚さを減らすことができるために、製作や組立が
簡単化する。もちろん、さらにコイルバネと組み合わせ
ることで、板バネ定数を小さく設計できることはいうま
でもない。
気バネ効果とリング状磁石20bの磁気バネにより、板
バネ8のバネ定数を小さくすることができ、板バネ8の
枚数や厚さを減らすことができるために、製作や組立が
簡単化する。もちろん、さらにコイルバネと組み合わせ
ることで、板バネ定数を小さく設計できることはいうま
でもない。
【0055】なお、実施の形態1〜実施の形態12で
は、鉄心2にコイル1を巻回する構成のものについて記
載したが、図22に示すように、鉄心4の溝部6に駆動
用または磁束制御用コイルを巻回すれば、溝部6のあい
ているスペースを有効に利用できる。例えば、高速振動
時に可動磁石3からの誘起電圧が上昇すれば、可動磁石
3の磁束変化に同期して、可動磁石3の起磁力を相殺す
る電流を流して弱め、界磁制御を行って、振動子速度を
広範囲なものとすることができる。
は、鉄心2にコイル1を巻回する構成のものについて記
載したが、図22に示すように、鉄心4の溝部6に駆動
用または磁束制御用コイルを巻回すれば、溝部6のあい
ているスペースを有効に利用できる。例えば、高速振動
時に可動磁石3からの誘起電圧が上昇すれば、可動磁石
3の磁束変化に同期して、可動磁石3の起磁力を相殺す
る電流を流して弱め、界磁制御を行って、振動子速度を
広範囲なものとすることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明の第1の構成によれば、交番磁界
を発生するコイルと、コイルが発生する交番磁界に対し
て磁路を形成する鉄心と、鉄心によって構成される磁路
の一部を切断する空隙に配置され、振動方向に異なる極
の磁界を発生する可動磁石とを備え、可動磁石の発生磁
界の両面に対向する鉄心の磁極面のうち、一方の鉄心の
磁極面の振動方向長さを、それと対向する可動磁石の振
動方向長さとほぼ等しくし、他方の鉄心にコイルを巻回
し、その磁極面の振動方向長さを、それと対向する可動
磁石の振動方向長さより短かくしたことにより、振動子
の磁気的安定点を振幅中心に設けることができるため
に、磁気バネ効果があり、かつ振幅中心が死点とならな
い磁石可動型振動子を提供できる効果がある。
を発生するコイルと、コイルが発生する交番磁界に対し
て磁路を形成する鉄心と、鉄心によって構成される磁路
の一部を切断する空隙に配置され、振動方向に異なる極
の磁界を発生する可動磁石とを備え、可動磁石の発生磁
界の両面に対向する鉄心の磁極面のうち、一方の鉄心の
磁極面の振動方向長さを、それと対向する可動磁石の振
動方向長さとほぼ等しくし、他方の鉄心にコイルを巻回
し、その磁極面の振動方向長さを、それと対向する可動
磁石の振動方向長さより短かくしたことにより、振動子
の磁気的安定点を振幅中心に設けることができるため
に、磁気バネ効果があり、かつ振幅中心が死点とならな
い磁石可動型振動子を提供できる効果がある。
【0057】また、本発明の第2の構成によれば、交番
磁界を発生するコイルと、該コイルが発生する交番磁界
に対して磁路を形成する鉄心と、該鉄心によって構成さ
れる磁路の一部を切断する空隙に配置され、振動方向
に、N−S−S−NまたはS―N−N−Sの順に異なる
4極の磁界を発生する可動磁石とを備え、可動磁石の発
生磁界の両面に対向する鉄心の磁極面のうち、一方の鉄
心の磁極面の振動方向長さを、それと対向する可動磁石
のN−SまたはS―Nの2極分の振動方向長さとほぼ等
しくし、他方の鉄心にコイルを巻回し、その磁極面の振
動方向長さを、それと対向する可動磁石の2極分の振動
方向長さより短かくしたことにより、振動子の磁気的安
定点を振幅中心に設けることができるために、磁気バネ
効果があり、かつ振幅中心が死点とならない磁石可動型
振動子を提供できる効果がある。
磁界を発生するコイルと、該コイルが発生する交番磁界
に対して磁路を形成する鉄心と、該鉄心によって構成さ
れる磁路の一部を切断する空隙に配置され、振動方向
に、N−S−S−NまたはS―N−N−Sの順に異なる
4極の磁界を発生する可動磁石とを備え、可動磁石の発
生磁界の両面に対向する鉄心の磁極面のうち、一方の鉄
心の磁極面の振動方向長さを、それと対向する可動磁石
のN−SまたはS―Nの2極分の振動方向長さとほぼ等
しくし、他方の鉄心にコイルを巻回し、その磁極面の振
動方向長さを、それと対向する可動磁石の2極分の振動
方向長さより短かくしたことにより、振動子の磁気的安
定点を振幅中心に設けることができるために、磁気バネ
効果があり、かつ振幅中心が死点とならない磁石可動型
振動子を提供できる効果がある。
【0058】また、本発明の第3の構成によれば、第1
または第2の構成における磁石可動型振動子の可動磁石
を、その振動方向に垂直な断面で円弧状とし、鉄心を、
可動磁石が配置される円筒状の空隙面を有し、可動磁石
の振動方向に積層されると共に、その積層方向の厚さを
空隙面に対して内周と外周で異なるものとし、一方の積
層方向厚さを可動磁石の振動方向長さとほぼ等しく構成
し、他方の積層方向厚さを可動磁石の振動方向長さより
も短く構成し、コイルを積層方向厚さが短い鉄心に、可
動磁石の振動によって交番する誘起電圧を発生するよう
に巻回したことにより、特に回転方向に対する部品精度
あるいは支持機構が簡単化できる。また、積層方向も通
常の回転型モータと同一で、磁気バネ効果のある磁気可
動型振動子を提供できる効果がある。
または第2の構成における磁石可動型振動子の可動磁石
を、その振動方向に垂直な断面で円弧状とし、鉄心を、
可動磁石が配置される円筒状の空隙面を有し、可動磁石
の振動方向に積層されると共に、その積層方向の厚さを
空隙面に対して内周と外周で異なるものとし、一方の積
層方向厚さを可動磁石の振動方向長さとほぼ等しく構成
し、他方の積層方向厚さを可動磁石の振動方向長さより
も短く構成し、コイルを積層方向厚さが短い鉄心に、可
動磁石の振動によって交番する誘起電圧を発生するよう
に巻回したことにより、特に回転方向に対する部品精度
あるいは支持機構が簡単化できる。また、積層方向も通
常の回転型モータと同一で、磁気バネ効果のある磁気可
動型振動子を提供できる効果がある。
【0059】また、本発明の第4の構成によれば、第1
または第2の構成における磁石可動型振動子において、
その振動方向に垂直な断面において複数の可動磁石を配
置し、可動磁石の磁界発生方向を等角度間隔の放射状を
なすように構成したことにより、磁気吸引力を相殺し、
磁気吸引力に対する磁石の支持機構を簡単化できる磁石
可動型振動子を提供できる効果がある。
または第2の構成における磁石可動型振動子において、
その振動方向に垂直な断面において複数の可動磁石を配
置し、可動磁石の磁界発生方向を等角度間隔の放射状を
なすように構成したことにより、磁気吸引力を相殺し、
磁気吸引力に対する磁石の支持機構を簡単化できる磁石
可動型振動子を提供できる効果がある。
【0060】また、本発明の第5の構成によれば、第1
ないし第3のいずれかの構成において、磁石可動型振動
子の磁路を構成する鉄心の、可動磁石の磁界に向かい合
う面に、凹状の溝部を設け、溝部の振動方向長さと可動
磁石の着磁部の振動方向長さの総和を、鉄心の振動方向
長さとほぼ等しく構成したことにより、磁石と溝部寸法
を的確に指定して、磁気バネ効果のより強い磁石可動型
振動子を提供できる効果がある。
ないし第3のいずれかの構成において、磁石可動型振動
子の磁路を構成する鉄心の、可動磁石の磁界に向かい合
う面に、凹状の溝部を設け、溝部の振動方向長さと可動
磁石の着磁部の振動方向長さの総和を、鉄心の振動方向
長さとほぼ等しく構成したことにより、磁石と溝部寸法
を的確に指定して、磁気バネ効果のより強い磁石可動型
振動子を提供できる効果がある。
【0061】また、本発明の第6の構成によれば、第5
の構成の磁石可動型振動子において、溝部の振動方向長
さをG、該溝部の深さをI、可動磁石の振動方向長さを
J、溝部を設けた鉄心の溝部深さ方向長さをK、可動磁
石と鉄心間の空隙の距離をLとした場合に、 G > 2L K−I > 0.5J I > L の関係を満たすような溝部としたことにより、磁石と溝
部寸法を的確に指定して、磁気バネ効果のより強い磁石
可動型振動子を提供できる効果がある。
の構成の磁石可動型振動子において、溝部の振動方向長
さをG、該溝部の深さをI、可動磁石の振動方向長さを
J、溝部を設けた鉄心の溝部深さ方向長さをK、可動磁
石と鉄心間の空隙の距離をLとした場合に、 G > 2L K−I > 0.5J I > L の関係を満たすような溝部としたことにより、磁石と溝
部寸法を的確に指定して、磁気バネ効果のより強い磁石
可動型振動子を提供できる効果がある。
【0062】また、本発明の第7の構成によれば、第5
の構成の磁石可動型振動子の鉄心に設けた複数の溝部に
おいて、コイルを巻回した鉄心の磁極中心に対向する溝
部の深さを、他の溝部の深さよりも深くしたことによ
り、磁気バネ効果とコイル発生磁気回路が両立でき、磁
気バネ効果がより強い、効率のよい磁石可動型振動子を
提供できる効果がある。
の構成の磁石可動型振動子の鉄心に設けた複数の溝部に
おいて、コイルを巻回した鉄心の磁極中心に対向する溝
部の深さを、他の溝部の深さよりも深くしたことによ
り、磁気バネ効果とコイル発生磁気回路が両立でき、磁
気バネ効果がより強い、効率のよい磁石可動型振動子を
提供できる効果がある。
【0063】また、本発明の第8の構成によれば、円筒
状の空隙面を有し、積層方向を円筒軸方向とし、空隙面
に対して内周と外周で異なる積層方向長さの鉄心と、鉄
心の、積層方向長さの短い方の鉄心に巻回した交番磁界
を発生するコイルと、積層方向長さの長い方の鉄心に埋
め込まれ、円筒面の円周方向に同一磁極面で向かい合う
極を形成するように着磁された可動磁石と、可動磁石の
極間部に、鉄心間の空隙長のほぼ2倍以上の長さで配置
した非磁性体とを備えたことにより、円筒状の空隙面を
持つために、特に回転方向に対する部品精度や支持機構
が簡単化でき、製作、組立のしやすい磁石可動型振動子
を提供できる効果がある。
状の空隙面を有し、積層方向を円筒軸方向とし、空隙面
に対して内周と外周で異なる積層方向長さの鉄心と、鉄
心の、積層方向長さの短い方の鉄心に巻回した交番磁界
を発生するコイルと、積層方向長さの長い方の鉄心に埋
め込まれ、円筒面の円周方向に同一磁極面で向かい合う
極を形成するように着磁された可動磁石と、可動磁石の
極間部に、鉄心間の空隙長のほぼ2倍以上の長さで配置
した非磁性体とを備えたことにより、円筒状の空隙面を
持つために、特に回転方向に対する部品精度や支持機構
が簡単化でき、製作、組立のしやすい磁石可動型振動子
を提供できる効果がある。
【0064】また、本発明の第9の構成によれば、第1
ないし第8のいずれかの構成の磁石可動型振動子と磁石
可動型振動子の振動方向に対し垂直な面に板面を有する
板バネとを有し、磁石可動型振動子の振動によって作動
流体を膨張/圧縮するように構成したことにより、板バ
ネが振動子と圧縮機の間に共振系を形成し、かつ振動子
の振動方向に対して垂直な方向の変位を拘束する軸受け
としても動作するため、潤滑不要な圧縮機を提供する。
磁石可動型振動子のもつ磁気バネ効果により、板バネの
バネ定数を小さくできるので、圧縮機を小形化できる効
果がある。
ないし第8のいずれかの構成の磁石可動型振動子と磁石
可動型振動子の振動方向に対し垂直な面に板面を有する
板バネとを有し、磁石可動型振動子の振動によって作動
流体を膨張/圧縮するように構成したことにより、板バ
ネが振動子と圧縮機の間に共振系を形成し、かつ振動子
の振動方向に対して垂直な方向の変位を拘束する軸受け
としても動作するため、潤滑不要な圧縮機を提供する。
磁石可動型振動子のもつ磁気バネ効果により、板バネの
バネ定数を小さくできるので、圧縮機を小形化できる効
果がある。
【0065】また、本発明の第10の構成によれば、第
9の構成の磁石可動型振動子の振動方向に作用するコイ
ル状のバネを有することにより、板バネのバネ定数を小
さくできるために、板バネの枚数や大きさなどが低減で
き、設計上の自由度が増す圧縮機が提供できる効果があ
る。
9の構成の磁石可動型振動子の振動方向に作用するコイ
ル状のバネを有することにより、板バネのバネ定数を小
さくできるために、板バネの枚数や大きさなどが低減で
き、設計上の自由度が増す圧縮機が提供できる効果があ
る。
【0066】また、本発明の第11の構成によれば、第
10の構成の磁石可動型振動子の往復運動の中立点にお
いて、積層鉄心とこれに空隙を介して対向する磁石とを
有し、積層鉄心と磁石の振動方向長さをほぼ等しくした
ことにより、渦電流損失の小さく非接触でバネ作用をも
つ磁気バネを付加することで、板バネのバネ定数を小さ
くできるために、板バネの枚数や大きさなどが低減で
き、設計上の自由度が増す圧縮機を提供できる効果があ
る。
10の構成の磁石可動型振動子の往復運動の中立点にお
いて、積層鉄心とこれに空隙を介して対向する磁石とを
有し、積層鉄心と磁石の振動方向長さをほぼ等しくした
ことにより、渦電流損失の小さく非接触でバネ作用をも
つ磁気バネを付加することで、板バネのバネ定数を小さ
くできるために、板バネの枚数や大きさなどが低減で
き、設計上の自由度が増す圧縮機を提供できる効果があ
る。
【図1】 本発明の要部構成による動作を示す説明図で
ある。
ある。
【図2】 本発明の要部構成による動作を示す説明図で
ある。
ある。
【図3】 本発明の実施の形態1による磁石可動型振動
子を示す斜視図である。
子を示す斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態2による磁石可動型振動
子を示す断面構成図である。
子を示す断面構成図である。
【図5】 本発明の実施の形態3による磁石可動型振動
子を示す断面構成図である。
子を示す断面構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態4による磁石可動型振動
子を示す上面図である。
子を示す上面図である。
【図7】 本発明の実施の形態5による磁石可動型振動
子を示す断面構成図である。
子を示す断面構成図である。
【図8】 実施の形態5による磁石可動型振動子を示す
断面構成図である。
断面構成図である。
【図9】 本発明の実施の形態6に係る磁石可動型振動
子を示す上面図である。
子を示す上面図である。
【図10】 実施の形態6による磁石可動型振動子で構
成されるモータを示す上面図である。
成されるモータを示す上面図である。
【図11】 実施の形態6に係わり、図10中の点線位
置で切り出した構成を示す説明図である。
置で切り出した構成を示す説明図である。
【図12】 本発明の実施の形態7による磁石可動型振
動子で構成されるモータを示す上面図である。
動子で構成されるモータを示す上面図である。
【図13】 実施の形態7に係わり、図12中の点線位
置で切り出した構成を示す説明図である。
置で切り出した構成を示す説明図である。
【図14】 実施の形態7に係る磁石可動型振動子の要
部を示す説明図である。
部を示す説明図である。
【図15】 本発明の実施の形態8に係る磁石可動型振
動子の可動磁石構成方法を示す分解斜視図である。
動子の可動磁石構成方法を示す分解斜視図である。
【図16】 実施の形態8に係る可動磁石構成方法の説
明図である。
明図である。
【図17】 実施の形態8に係る可動磁石構成方法の説
明図である。
明図である。
【図18】 本発明の実施の形態9に係る磁石可動型振
動子の要部の構成を示す説明図である。
動子の要部の構成を示す説明図である。
【図19】 本発明の実施の形態10による磁石可動型
振動子を用いた圧縮機を示す断面構成図である。
振動子を用いた圧縮機を示す断面構成図である。
【図20】 本発明の実施の形態11による磁石可動型
振動子を用いた圧縮機を示す断面構成図である。
振動子を用いた圧縮機を示す断面構成図である。
【図21】 本発明の実施の形態12による磁石可動型
振動子を用いた圧縮機を示す図であり、図21(a)は
断面構成図、図21(b)は磁気バネを示す斜視図であ
る。
振動子を用いた圧縮機を示す図であり、図21(a)は
断面構成図、図21(b)は磁気バネを示す斜視図であ
る。
【図22】 本発明による磁石可動型振動子を示す断面
構成図である。
構成図である。
【図23】 従来の磁石可動型振動子を用いた圧縮機を
示す構成図である。
示す構成図である。
【符号の説明】 1 コイル、2 C型鉄心、3 可動磁石、4 鉄心、
5 ピストン、6 凹状の溝部、7 極間部、8 板バ
ネ、9 コイルバネ、14a 磁石両端部の非磁性リン
グ、14b 磁石極間部の非磁性リング、14c 非磁
性リング中に設けたはめあい部、17 圧縮室、18
ノズル、19 ケーシング、20 磁気バネ、20a
積層鉄心、20b 半径方向に着磁された磁石。
5 ピストン、6 凹状の溝部、7 極間部、8 板バ
ネ、9 コイルバネ、14a 磁石両端部の非磁性リン
グ、14b 磁石極間部の非磁性リング、14c 非磁
性リング中に設けたはめあい部、17 圧縮室、18
ノズル、19 ケーシング、20 磁気バネ、20a
積層鉄心、20b 半径方向に着磁された磁石。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 正一郎 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内
Claims (11)
- 【請求項1】 交番磁界を発生するコイルと、該コイル
が発生する交番磁界に対して磁路を形成する鉄心と、該
鉄心によって構成される磁路の一部を切断する空隙に配
置され、振動方向に異なる極の磁界を発生する可動磁石
とを備え、該可動磁石の発生磁界の両面に対向する上記
鉄心の磁極面のうち、一方の鉄心の磁極面の振動方向長
さを、それと対向する上記可動磁石の振動方向長さとほ
ぼ等しくし、他方の鉄心にコイルを巻回し、その磁極面
の振動方向長さを、それと対向する上記可動磁石の振動
方向長さより短かくしたこと特徴とする磁石可動型振動
子。 - 【請求項2】 交番磁界を発生するコイルと、該コイル
が発生する交番磁界に対して磁路を形成する鉄心と、該
鉄心によって構成される磁路の一部を切断する空隙に配
置され、振動方向に、N−S−S−NまたはS―N−N
−Sの順に異なる4極の磁界を発生する可動磁石とを備
え、該可動磁石の発生磁界の両面に対向する上記鉄心の
磁極面のうち、一方の鉄心の磁極面の振動方向長さを、
それと対向する上記可動磁石のN−SまたはS―Nの2
極分の振動方向長さとほぼ等しくし、他方の鉄心にコイ
ルを巻回し、その磁極面の振動方向長さを、それと対向
する上記可動磁石の2極分の振動方向長さより短かくし
たことを特徴とする磁石可動型振動子。 - 【請求項3】 可動磁石を、その振動方向に垂直な断面
で円弧状とし、鉄心を、上記可動磁石が配置される円筒
状の空隙面を有し、上記可動磁石の振動方向に積層され
ると共に、その積層方向の厚さを上記空隙面に対して内
周と外周で異なるものとし、一方の積層方向厚さを上記
可動磁石の振動方向長さとほぼ等しく構成し、他方の積
層方向厚さを上記可動磁石の振動方向長さよりも短く構
成し、コイルを積層方向厚さが短い上記鉄心に、上記可
動磁石の振動によって交番する誘起電圧を発生するよう
に巻回したことを特徴とする請求項1または請求項2記
載の磁石可動型振動子。 - 【請求項4】 振動方向に垂直な断面において、複数の
可動磁石を配置し、該可動磁石の磁界発生方向を等角度
間隔の放射状をなすように構成したことを特徴とする請
求項1または請求項2記載の磁石可動型振動子。 - 【請求項5】 磁路を構成する鉄心の、可動磁石の磁界
に向かい合う面に凹状の溝部を設け、該溝部の振動方向
長さと上記可動磁石の着磁部の振動方向長さの総和を、
上記鉄心の振動方向長さとほぼ等しく構成したことを特
徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の磁
石可動型振動子。 - 【請求項6】 溝部の振動方向長さをG、該溝部の深さ
をI、可動磁石の振動方向長さをJ、上記溝部を設けた
鉄心の溝部深さ方向長さをK、上記可動磁石と上記鉄心
間の空隙の距離をLとした場合に、 G > 2L K−I > 0.5J I > L の関係を満たすような溝部としたことを特徴とする請求
項5記載の磁石可動型振動子。 - 【請求項7】 鉄心に設けた複数の溝部において、コイ
ルを巻回した鉄心の磁極中心に対向する上記溝部の深さ
を他の溝部の深さよりも深く構成したことを特徴とする
請求項5記載の磁石可動型振動子。 - 【請求項8】 円筒状の空隙面を有し、積層方向を円筒
軸方向とし、上記空隙面に対して内周と外周で異なる積
層方向長さの鉄心と、上記鉄心の、積層方向長さの短い
方の鉄心に巻回した交番磁界を発生するコイルと、積層
方向長さの長い方の鉄心に埋め込まれ、上記円筒面の円
周方向に同一磁極面で向かい合う極を形成するように着
磁された可動磁石と、該可動磁石の極間部に、上記鉄心
間の空隙長のほぼ2倍以上の長さで配置した非磁性体と
を備えたことを特徴とする磁石可動型振動子。 - 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
載の磁石可動型振動子と該磁石可動型振動子の振動方向
に対し垂直な面に板面を有する板バネとを有し、上記磁
石可動型振動子の振動によって作動流体を膨張/圧縮す
るように構成したことを特徴とする磁石可動型振動子を
用いた圧縮機。 - 【請求項10】 振動子の振動方向に作用するコイル状
のバネを有することを特徴とする請求項9記載の磁石可
動型振動子を用いた圧縮機。 - 【請求項11】 磁石可動型振動子の往復運動の中立点
において、積層鉄心とこれに空隙を介して対向する磁石
とを有し、上記積層鉄心と磁石の振動方向長さをほぼ等
しくしたことを特徴とする請求項9記載の磁石可動型振
動子を用いた圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30832296A JPH10146564A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 磁石可動型振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30832296A JPH10146564A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 磁石可動型振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10146564A true JPH10146564A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=17979667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30832296A Pending JPH10146564A (ja) | 1996-11-19 | 1996-11-19 | 磁石可動型振動子および磁石可動型振動子を用いた圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10146564A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100536816B1 (ko) * | 2002-09-19 | 2005-12-14 | 후지제롯쿠스 가부시끼가이샤 | 자속 누설을 저감한 자기 액추에이터 |
JP2008536462A (ja) * | 2005-04-15 | 2008-09-04 | コンパクト ダイナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 電動衝撃工具におけるリニアアクチュエータ |
CN102698951A (zh) * | 2012-04-25 | 2012-10-03 | 刘页发 | 可调电磁振动器 |
WO2019151232A1 (ja) * | 2018-02-01 | 2019-08-08 | アダマンド並木精密宝石株式会社 | リニア振動アクチュエータ |
JPWO2020170927A1 (ja) * | 2019-02-19 | 2021-10-07 | 株式会社村田製作所 | リニア振動モータ及びリニア振動システム |
-
1996
- 1996-11-19 JP JP30832296A patent/JPH10146564A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100536816B1 (ko) * | 2002-09-19 | 2005-12-14 | 후지제롯쿠스 가부시끼가이샤 | 자속 누설을 저감한 자기 액추에이터 |
JP2008536462A (ja) * | 2005-04-15 | 2008-09-04 | コンパクト ダイナミクス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 電動衝撃工具におけるリニアアクチュエータ |
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WO2019151232A1 (ja) * | 2018-02-01 | 2019-08-08 | アダマンド並木精密宝石株式会社 | リニア振動アクチュエータ |
JPWO2019151232A1 (ja) * | 2018-02-01 | 2021-01-14 | アダマンド並木精密宝石株式会社 | リニア振動アクチュエータ |
US11522430B2 (en) | 2018-02-01 | 2022-12-06 | Adamant Namiki Precision Jewel Co., Ltd. | Linear vibration actuator |
JPWO2020170927A1 (ja) * | 2019-02-19 | 2021-10-07 | 株式会社村田製作所 | リニア振動モータ及びリニア振動システム |
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