JPH10143412A - データベース管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 揮発性メモリの主記憶と磁気ディスク等によ
る二次記憶を用いてデータベースを管理するのでは、高
速性やリアルタイム処理に対応できない。 【解決手段】 データベース管理システムが管理する記
憶領域として、揮発性メモリによる主記憶部１と、磁気
ディスク等による二次記憶部２の他に、不揮発性メモリ
による中間記憶部３を設け、トランザクション処理によ
るデータを中間記憶部と主記憶部の併用により保持す
る。トランザクションのコミット時に、トランザクショ
ン内で参照／変更したデータを中間記憶部に保持し、コ
ミット完了時に中間記憶部内の変更データを二次記憶部
に複写し、処理が失敗した場合に中間記憶部内の変更デ
ータを保持し、トランザクションのアボート時には主記
憶部と中間記憶部内の変更データを取り除く。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、監視制御システム
などで設備の状態や機器からの計測値などをデータベー
スで管理するためのデータベース管理システムに係り、
特にトランザクション処理におけるデータの永続性を保
証するためのデータ記憶領域管理方式に関する。

【０００２】

【従来の技術】監視制御システム等が搭載するアプリケ
ーションをデータベースを利用して実行するに際して、
データベースへの参照（読出し）と更新（書込み）操作
を１つのまとまりとして行うトランザクション処理でな
される。

【０００３】このトランザクション処理において、デー
タの参照・更新操作の実行の正当性（アトミック性）を
保証するためには、以下のようなデータベース管理方式
がある。

【０００４】（１）揮発性メモリによる主記憶と磁気デ
ィスク等による二次記憶を用いてデータベースを管理す
る。二次記憶に保存されているデータは、参照あるいは
更新のために主記憶にコピーされ、更新された場合に
は、データベース操作の完了時に二次記憶に書き戻され
る。

【０００５】（２）高速性が要求される用途では、デー
タベース全体を主記億に置き、参照と更新の全てを主記
憶上で行う方式。この方式においては、主記憶の揮発性
を補うために適当な間隔で主記憶上のデータベースを二
次記憶に複写する操作を別途行う。

【０００６】（３）上記の（２）ほどではないが、二次
記憶への操作を高速化したいという場合には、磁気ディ
スク等を並列に接続して同時に操作するＲＡＩＤ型の二
次記憶装置を用いる方式。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】従来の各方式では以下
の問題がある。

【０００８】（１）揮発性メモリと磁気ディスク等を用
いる通常の方式。

【０００９】データを永続化するために磁気ディスク等
に書き込む操作と、障害回復に用いるログを磁気ディス
ク等に書き込む操作とが必要になるが、磁気ディスク等
のデータ入出力が低速であるため、データベースシステ
ムとしての高速性を実現することが困難である。

【００１０】また、磁気ディスク等の特性として、デー
タの入出力に要する時間にバラツキがあり、トランザク
ションの効果的なスケシューリングが困難である。これ
はリアルタイム処理においては問題となる。

【００１１】（２）データベース全体を揮発性メモリで
ある主記憶に置き、参照と更新の全てを主記憶上で行う
方式。

【００１２】システムの障害に対してデータの永続性を
保証するため、主記憶上のデータベースを二次記憶に複
写する操作が必要となる。また、障害回復に用いるログ
を磁気ディスク等に書き込む操作は前記（１）と同様に
必要である。

【００１３】磁気ディスク等のデータ入出力が低速であ
るため、あまり大きなデータベースには用いることがで
きない。また、ログの書き込み速度がデータベースシス
テムの処理速度のボトルネックとなる可能性がある。

【００１４】（３）ＲＡＩＤ型の磁気ディスク装置等を
二次記憶に用いる方式。

【００１５】前記（１）の方式の速度上の問題点を若干
改善するが、基本的には（１）の方式と同様な問題をも
つ。

【００１６】本発明の目的は、トランザクション処理に
おけるデータの永続性を保証しながらデータベースの高
速の更新を確実、容易にするデータベース管理システム
を提供することにある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】本発明は、データベース
管理システムが管理する記憶領域として、揮発性メモリ
による主記憶部と、磁気ディスク等による二次記憶部の
他に、不揮発性メモリによる中間記憶部を設け、トラン
ザクション処理によるデータを中間記憶部と主記憶部の
併用により保持し、不揮発性メモリが磁気ディスクなど
に比べれば書き込み所用時間は短く、また、所要時間の
バラツキが少ないという特徴を利用することでトランザ
クション処理におけるデータの永続性を保証しながらデ
ータベースの高速の更新を確実、容易にするもので、以
下の構成、データベースに対してトランザクション処理
によりデータの参照と更新操作を行うためのデータベー
ス管理システムにおいて、前記データベース管理システ
ムが管理する記憶領域として、揮発性メモリ構成の主記
憶部と、磁気ディスク等で構成する二次記憶部と、前記
主記憶部と二次記憶部の間に不揮発性メモリ構成の中間
記憶部を設け、前記トランザクション処理により参照／
更新したデータをトランザクションの終了まで前記主記
憶部と中間記憶部を併用して保持する手段と、前記トラ
ンザクションのコミット時に、トランザクション内で参
照／変更したデータを前記中間記憶部に保持し、コミッ
ト完了時に前記中間記憶部内の変更データを前記二次記
憶部に複写する手段と、前記手段による処理が失敗した
場合に前記中間記憶部内の変更データを保持する手段
と、トランザクションのアボート時には、前記主記憶部
と中間記憶部内の変更データを取り除く手段とを備えた
ことを特徴とする。

【００１８】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施形態を示す
データ記憶領域の構成図である。データベース管理シス
テムが管理する記憶領域として、揮発性メモリによる主
記憶部（ＳＷＡＰを禁止する領域１Ａと許可する領域１
Ｂ）１と、磁気ディスク等による二次記憶部２、および
不揮発性メモリによる中間記憶部３を設ける。

【００１９】この構成において、不揮発性メモリには、
例えば、フラッシュメモリを使用する。フラッシュメモ
リは、一般に、データの読み出し所用時間は揮発性メモ
リとほぼ同等であるが、データの書き込み所用時間は揮
発性メモリよりも長い。但し、磁気ディスクなどに比べ
れば書き込み所用時間は短く、また、所要時間のバラツ
キが少ないという特徴を持つ。

【００２０】このことから、トランザクション処理によ
り参照／更新したデータをトランザクションの終了まで
主記憶部と中間記憶部を併用して保持することでトラン
ザクション処理におけるデータの永続性を保証しながら
データベースの高速の更新を確実、容易にする。

【００２１】以下、図２及び図３と共にデータ領域管理
方式を説明する。

【００２２】図２に示すフローチャートは、アプリケー
ション４がトランザクション内でデータを参照したと
き、そのデータが主記憶部１に書き込まれ、参照可能に
なるまでの手順を示したものであり、データベース管理
システムが管理する主記憶部１上のＳＷＡＰ禁止領域１
Ａにある要求データをアプリケーション４に与える。こ
のためのデータ領域管理を以下のようにする。なお、図
１には各処理と対応する部分を矢印で示す。

【００２３】（Ｓ１）要求データが主記憶部１上のＳＷ
ＡＰ禁止領域１Ａに有るか否かをチェックし、有る場合
は、それを与える。

【００２４】（Ｓ２）要求データが主記憶部１上のＳＷ
ＡＰ禁止領域１Ａに無い場合、中間記憶部３上に要求デ
ータが有るか否かをチェックし、有る場合は、それを与
える。

【００２５】（Ｓ３）主記憶部１上のＳＷＡＰ禁止領域
１Ａに要求データを保持するための空きが有るか否かを
チェックする。

【００２６】（Ｓ４）処理Ｓ３でＳＷＡＰ禁止領域１Ａ
に空きが無い場合、適当な規則に従って他のデータを主
記憶部１上のＳＷＡＰ禁止領域１Ａから取り除くため
に、取り除かれるデータが中間記憶部３に存在しない
か、存在しても値が変更されているか否かをチェックす
る。

【００２７】（Ｓ５）取り除かれるデータが中間記憶部
３に無いか、又は変更されている場合、中間記憶部３に
空きがあるか否かをチェックする。

【００２８】（Ｓ６）中間記憶部３に空きがある場合、
主記憶部１のＳＷＡＰ禁止領域１Ａから取り除くデータ
を中間記憶部３に移動し、ＳＷＡＰ禁止領域１Ａに要求
データのための空きを確保する。

【００２９】（Ｓ７）中間記憶部３に空きが無い場合、
中間記憶部３から取り除こうとするデータがトランザク
ションによって現在も使用されているか否かをチェック
する。使用されていない場合には当該データを取り除
き、処理Ｓ６に進んでＳＷＡＰ禁止領域１Ａから取り除
くデータを中間記憶部３に移動する。

【００３０】（Ｓ８）上記のチェックで中間記憶部３か
ら取り除くデータがトランザクションによって現在も使
用されている場合、この取り除くデータを中間記憶部３
から主記憶部１のＳＷＡＰ許可領域１Ｂに移動する。こ
れにより、中間記憶部３に空きを確保し、処理Ｓ６に進
んで空き領域にＳＷＡＰ禁止領域１Ａから取り除くデー
タを移動する。

【００３１】（Ｓ９）処理Ｓ３とＳ４及びＳ６により、
主記憶部１のＳＷＡＰ禁止領域１Ａにアプリケーション
が要求するデータの空きが確保されており、この状態で
主記憶部１ＡのＳＷＡＰ許可領域１Ｂに要求されたデー
タが有るか否かをチェックする。

【００３２】（Ｓ１０）ＳＷＡＰ許可領域１Ｂに要求デ
ータが有る場合、このデータをＳＷＡＰ禁止領域１Ａに
移動し、アプリケーションに与える。

【００３３】（Ｓ１１）ＳＷＡＰ許可領域１Ｂに要求デ
ータが無い場合、要求データを二次記憶部２からＳＷＡ
Ｐ禁止領域１Ａに読み込み、アプリケーションに与え
る。

【００３４】図３に示すフローチャートは、アプリケー
ションがトランザクションをコミット（ｃｏｍｍｉｔ）
したとき、そのデータが安定化するまでの手順を示した
ものであり、トランザクション内で値が参照／変更され
たデータを中間記憶部３に保持し、トランザクション内
で値が変更されたデータを中間記憶部３から二次記憶部
２に複写する。

【００３５】（Ｓ２１）トランザクション内で値が参照
／変更されたデータが中間記憶部３上に有るか否かをチ
ェックする。

【００３６】（Ｓ２２）中間記憶部３上に上記データが
有る場合、主記憶部１上のＳＷＡＰ禁止領域１Ａにもデ
ータが有るか否かをチェックする。

【００３７】（Ｓ２３）ＳＷＡＰ禁止領域１Ａにもデー
タが存在する場合、これが変更されているか否かチェッ
クする。変更されていない場合には中間記憶部３のデー
タを保持したまま、ＳＷＡＰ禁止領域１Ａのデータは取
り除く。

【００３８】（Ｓ２４）処理Ｓ２４のチェックでＳＷＡ
Ｐ禁止領域１Ａにも存在するデータが変更されている場
合、ＳＷＡＰ禁止領域１Ａのデータを中間記憶部３に移
動する。

【００３９】（Ｓ２５）処理Ｓ２１のチェックで、トラ
ンザクション内で値が参照／変更されたデータが中間記
憶部３上に存在しない場合、中間記憶部３上に参照／変
更されたデータを保持するための空きがあるか否かをチ
ェックする。

【００４０】（Ｓ２６）中間記憶部３上に空きが無い場
合、空きを確保するために中間記憶部から取り除こうと
する他のデータがトランザクションによって現在使用さ
れているか否かをチェックする。使用されていないとき
は他のデータを適当な規則に従って中間記憶部３から取
り除く。

【００４１】（Ｓ２７）処理Ｓ２６のチェックで、取り
除こうとする他のデータがトランザクションによって使
用されている場合、他のデータを中間記憶部３から主記
憶部１のＳＷＡＰ許可領域１Ｂに移動／退避させる。

【００４２】（Ｓ２８）処理Ｓ２５〜Ｓ２７により中間
記憶部３にデータを保持する空きが確保された後、主記
憶部１のＳＷＡＰ禁止領域１Ａにトランザクションで参
照／変更されたデータが有るか否かチェックする。デー
タがＳＷＡＰ禁止領域１Ａに有る場合には処理Ｓ２４に
進み、データをＳＷＡＰ禁止領域１Ａから中間記憶部３
に移動し、中間記憶部３にデータを保持する。

【００４３】（Ｓ２９）処理Ｓ２８のチェックで、主記
憶部１のＳＷＡＰ禁止領域１Ａにデータが無い場合、処
理Ｓ２７により退避させていたデータをＳＷＡＰ許可領
域１Ｂから中間記憶部３に移動する。

【００４４】（Ｓ３０）トランザクション内で値が変更
されたデータを、中間記憶部から二次記憶部に複写す
る。

【００４５】

【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、主記憶
部と二次記憶部の間に不揮発性メモリによる中間記憶部
を設けることにより、トランザクション処理におけるデ
ータの永続性を保証するため、以下の効果が得られる。

【００４６】（１）データの読み出し所用時間が揮発性
メモリとほぼ同等であることから、主記憶部の容量を補
う高速なページバッファとしての効果がある。

【００４７】（２）データの書き込み所用時間が磁気デ
ィスクなどより短いことから、高速なデータベース更新
が可能になる。また、所用時間のバラツキが少ないこと
から、リアルタイム応用などでのトランザクションスケ
ジューリングが、比較的容易になる可能性がある。但
し、磁気ディスクなどを併用している部分での不確定要
素は残る。

【００４８】（３）二相コミット方式によるデータベー
ス更新時に、中間記憶部への保存を第一段階とすれば、
第一段階の完了によってデータの安定化が確定するの
で、その後の二次記憶部への複写完了を待たずにデータ
ベースの更新完了とすることができ、高速なデータベー
ス更新が可能になる。第一段階で失敗した場合はトラン
ザクションの失敗となる。また、二次記憶部への複写が
完了するまでは、中間記憶部の再利用を禁止する。

【００４９】（４）中間記憶部におけるデータの安定化
に失敗した場合は、二次記憶部のデータを用いてトラン
ザクション開始前の状態に戻ることができ、二次記憶部
におけるデータの安定化に失敗した場合は、中間記憶部
のデータを用いて二次記憶部の更新を再試行することが
できる。この意味において、データベースの障害回復の
ためにログを別途管理する必要が無く、データベース管
理システムの構造の単純化と、処理の高速化が可能にな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態を示すデータ記憶領域の構成
図。

【図２】実施形態におけるトランザクション処理でのデ
ータ参照フロー。

【図３】実施形態におけるコミットデータの安定化のた
めのフロー。

【符号の説明】

１…主記憶部 １Ａ…ＳＷＡＰ禁止領域 １Ｂ…ＳＷＡＰ許可領域 ２…二次記憶部 ３…中間記憶部 ４…アプリケーション

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 データベースに対してトランザクション
   処理によりデータの参照と更新操作を行うためのデータ
   ベース管理システムにおいて、 前記データベース管理システムが管理する記憶領域とし
   て、揮発性メモリ構成の主記憶部と、磁気ディスク等で
   構成する二次記憶部と、前記主記憶部と二次記憶部の間
   に不揮発性メモリ構成の中間記憶部を設け、 前記トランザクション処理により参照／更新したデータ
   をトランザクションの終了まで前記主記憶部と中間記憶
   部を併用して保持する手段と、 前記トランザクションのコミット時に、トランザクショ
   ン内で参照／変更したデータを前記中間記憶部に保持
   し、コミット完了時に前記中間記憶部内の変更データを
   前記二次記憶部に複写する手段と、 前記手段による処理が失敗した場合に前記中間記憶部内
   の変更データを保持する手段と、 トランザクションのアボート時には、前記主記憶部と中
   間記憶部内の変更データを取り除く手段とを備えたこと
   を特徴とするデータベース管理システム。