JPH101424A - 濃厚液体洗浄剤組成物 - Google Patents

濃厚液体洗浄剤組成物

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JPH101424A
JPH101424A JP21191196A JP21191196A JPH101424A JP H101424 A JPH101424 A JP H101424A JP 21191196 A JP21191196 A JP 21191196A JP 21191196 A JP21191196 A JP 21191196A JP H101424 A JPH101424 A JP H101424A
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JP
Japan
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isotropic
polyalkylene glycol
weight
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type nonionic
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JP21191196A
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English (en)
Inventor
Hideo Amano
英男 天野
Tei Iihara
禎 飯原
Masao Nishida
誠男 西田
Tomomichi Okano
知道 岡野
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装容器の削減、携帯のしやすさ、流通の効
率化等を改善した、洗浄力、流動性、ガラス表面の洗浄
におけるウォ−タ−スポットの改善された優れた濃厚液
体洗浄剤組成物を提供する。 【解決手段】 全界面活性剤含有率40〜90重量%の
流動性の良好な高濃度等方性組成物であって、該組成物
が下記(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有
することを特徴とする濃厚液体洗浄剤組成物。 (A)ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性
剤 10〜85重量% (B)(A)成分を等方化させる作用を有する、半極性
界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤か
ら選ばれる界面活性剤等方化剤成分 5〜45重量% (C)粒状の水不溶性無機化合物 0.1〜40重量

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、包装容器の削減、
携帯しやすさ、流通の効率化等を改善した、洗浄力、マ
イルド性、流動性等にも優れ、特に硬表面でのウォ−タ
−スポットを改善した濃厚液体洗浄剤組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、界面活性剤は、イオン性、非
イオン性を問わず、特定の濃度範囲、一般的には高濃度
領域において、ヘキサゴナル液晶、ラメラ液晶に代表さ
れるリオトロピック液晶などの、高粘度の高次会合構造
を形成することが知られている。例えば、代表的なアニ
オン性界面活性剤のひとつである、アルキルエトキシサ
ルフェート塩は、高濃度水溶液系では、まったく流動性
のない液晶を形成するし、典型的な非イオン性界面活性
剤であるポリエチレングリコールモノアルキルエーテル
も、高濃度水溶液系では、かなり広範な濃度領域で高粘
度の液晶を形成する(Mitchell D.J. et al., J. Chem.
Soc., Faraday Trans. 79, 975 (1983))。
【0003】この性質は、従来の界面活性剤濃度が5〜
25重量%の水溶液である液体洗浄剤の場合には、何の
影響も及ぼさなかったが、近年、包装容器の削減による
省資源化、環境保護、および消費者の携帯しやすさ、使
いやすさ、さらには流通の効率化などの時代のニーズか
ら、必然的に求められるようになってきた、液体洗浄剤
の高濃度化を実現する上では重大な問題である。すなわ
ち、界面活性剤の濃度を高くすると、前記の流動性の極
めて乏しい高粘度の高次会合構造が形成されるため、消
費者に許容される範囲のハンドリング性、希釈時の分散
性、使いやすさ、さらには泡性能を提供することが困難
であった。また、そのような高粘度の組成物を製造する
ことにも無理があった。
【0004】界面活性剤濃度が高い洗浄剤組成物を実現
する方法としては、エタノールなどの低級アルコールを
ハイドロトロープ剤として添加する方法が従来より知ら
れており、実際に多くの液体洗浄剤でも用いられてきた
が、このような低級アルコールからなるハイドロトロー
プ剤は、界面活性能を有さないため、過剰量を添加した
場合には、界面活性剤本来の高い洗浄性能や乳化性能を
損なうこともあった。そのため、低級アルコール系のハ
イドロトロープ剤の添加に代わる方法の開発が強く望ま
れていた。
【0005】しかし、このような高粘度会合相の形成
は、ほとんどすべての界面活性剤に共通する性質であ
り、逆に言えば、分子中に疎水基と親水基を有し、ミセ
ルなどの会合体を形成することにより、多くの機能を発
現する、界面活性剤の本質に由来する現象である。その
ため、従来知られている方法で、高い界面活性能や洗浄
性能を維持したまま、この相の形成を抑制することは極
めて困難であったが、この技術課題を解決できるような
新規技術の開発は、多くの研究者、技術者が熱望すると
ころであった。
【0006】ポリアルキレングリコール型非イオン性界
面活性剤は、洗浄剤や乳化剤として通常よく用いられて
いる界面活性剤である。該ポリアルキレングリコール型
非イオン性界面活性剤は、希薄水溶液中では洗浄などの
界面特性を司るミセルを形成するが、高濃度水溶液中で
はヘキサゴナル液晶やラメラ液晶などの、光学的に異方
性で、粘度が高く、流動性に乏しい、リオトロピック液
晶を形成することが良く知られている。ポリアルキレン
グリコール型非イオン性界面活性剤が40〜70重量%
の濃厚水溶液中で形成しやすいヘキサゴナル液晶は無限
会合体の一種であり、無数の界面活性剤分子が円筒状に
会合した紐状会合体が、断面で見ると六方晶系に密に充
填した構造をしている。この紐状会合体は空間的な絡み
合いも起こし得るため、系の運動性という点から見る
と、非常に自由度が小さい。従って、ヘキサゴナル液晶
は極めて高粘度であり、流動性がまったくない。一方、
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤が7
0〜90重量%の濃厚水溶液中で形成しやすいラメラ液
晶もまた無限会合体の一種であり、無数の界面活性剤分
子が平板状に2次元に広がり、その平板が疎水基面は疎
水基面と、親水基面は親水基面と向き合って、層状に積
み重なった構造となっている。ラメラ液晶中に存在する
水は非常に少なく、存在していてもそのほとんどが通常
の自由水とは異なり、親水基近傍で構造化された、運動
性が非常に乏しい層間水と呼ばれる水であり、また、界
面活性剤分子同士のパッキングも密であるため、ラメラ
液晶も非常に高粘度である。
【0007】この界面活性剤においても、高濃度水溶液
での液晶構造を破壊するために、エタノールなどの低級
アルコールをハイドロトロープ剤として添加する方法が
従来より知られているが、これらのハイドロトロープ剤
は、前記したように、界面活性能を有さないため、過剰
量を添加した場合には、本来のポリアルキレングリコー
ル型非イオン性界面活性剤などの高い洗浄性能や乳化性
能を損なうという問題があった。
【0008】そこで本発明者らは、前記課題を解決すべ
く鋭意検討を重ねた結果、先に、必須成分として下記
(A)および(B)の2成分を含有することを特徴とす
る濃厚液体洗浄剤組成物、即ち、本発明の成分(A)で
あるポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤
と、本発明の成分(B)である、ポリアルキレングリコ
ール型非イオン性界面活性剤との混合時の、下記数式
(1)で求められる分子間相互作用パラメーターβの値
が−1.0〜1.0と小さく、ポリアルキレングリコー
ル型非イオン性界面活性剤が高濃度水溶液中で形成する
高次会合構造を光学的に等方化させる作用を有する、少
なくとも一種以上の等方化剤成分とを含有し、水分含有
率50重量%以下の濃厚液体洗浄剤組成物を提案した。
【数1】β=ln(αD1211)/(1−χ1)2
【数2】χ1 2ln(αD1211)=(1−χ1)2ln
[(1−α)D12/(1−χ1)D2] {式中、βは、溶液相の混合ミセル中における、(A)
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤の分
子と(B)等方化剤成分の分子との間の相互作用パラメ
ーターであり、αは、溶液相における、(A)ポリアル
キレングリコール型非イオン性界面活性剤と(B)等方
化剤との総量中の、(A)ポリアルキレングリコール型
非イオン性界面活性剤のモル分率を表し、χ1は、上記
数式(2)を解くことにより求められる、混合ミセル中
における、(A)ポリアルキレングリコール型非イオン
性界面活性剤と等方化剤との総量中の、(A)ポリアル
キレングリコール型非イオン性界面活性剤のモル分率を
表し、D1、D2およびD12はそれぞれ、(A)ポリアル
キレングリコール型非イオン性界面活性剤の臨界ミセル
濃度、(B)等方化剤の臨界ミセル濃度、および所定の
αにおける混合系の臨界ミセル濃度を表す。}
【0009】この濃厚液体洗浄剤組成物は人工油脂汚垢
を付着させたプロピレンカップの洗浄力や目盛り付きガ
ラス管の振とうによる起泡力、蛋白変成によるマイルド
性に対して良好な性能を発揮する。一方、この様な洗浄
剤組成物の実際の一用途である各種の食器、調理器や住
居用に用いられているガラス、陶器などをはじめとする
硬表面における洗浄において、近年、従来の泡性能、洗
浄性能、マイルド性の性能の他に、ガラス表面のウォ−
タ−スポットの問題点が指摘されている。すなわち、一
般に親水性表面のガラスの場合には、疎水性物質が付着
した場合、すすぎ処理のみでは容易に落ちず、ガラスの
透明感が損われるという問題を生じるが、上記濃厚液体
洗浄剤は、泡性能・洗浄性能では良好な性能を発揮する
ものの、ガラス表面のウォ−タ−スポットについて十分
満足しうるものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記課題を
解決した家庭品や化学品など多岐の分野で広範に使用さ
れ、しかも、包装容器の削減による省資源化、環境保護
および消費者の携帯しやすさ、使いやすさ、さらには流
通の効率化などの時代のニーズに答え、液体洗浄剤の高
濃度化を実現し、ポリアルキレングリコール型非イオン
性界面活性剤を有効に活用せしめた、特に、ガラス表面
のウォ−タ−スポット性を改善し、更には洗浄力、マイ
ルド性、流動性等の洗浄剤性能にも優れた、高濃度の液
体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、全界面
活性剤含有率40〜90重量%の流動性の良好な高濃度
等方性組成物であって、該組成物が下記(A)成分、
(B)成分、および(C)成分を含有することを特徴と
する濃厚液体洗浄剤組成物が提供される。 (A)ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性
剤 10〜85重量% (B)(A)成分を等方化させる作用を有する、半極性
界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤か
ら選ばれる界面活性剤等方化剤成分 5〜45重量% (C)粒状の水不溶性無機化合物 0.1〜40重量
% 更に、本発明によれば、前記(C)成分が、シリカ系化
合物、スメクタイトおよび粘土鉱物から選ばれた少なく
とも1種であることを特徴とする前記濃厚液体洗浄剤組
成物が提供される。
【0012】即ち、本発明は、前記成分(B)である特
定の構造および性質を有する等方化剤を、前記成分
(A)であるポリアルキレングリコール型非イオン界面
活性剤に配合した時、該ポリアルキレングリコール型非
イオン性界面活性剤が高濃度水溶液中で形成するリオト
ロピック液晶構造が破壊され、流動性の良い高濃度洗浄
剤組成物を得られる等方化効果を活用した上で、この成
分(A)と成分(B)とを含有する濃厚液体洗浄剤組成
物に、更に、成分(C)粒状の水不溶性無機化合物を、
0.1〜40重量%配合し、かつ全界面活性剤含有率4
0〜90重量%の組成物とすることによって、ガラス表
面におけるウォ−タ−スポットが十分改善された、高濃
度の液体洗浄剤組成物が得られるという新規な知見に基
づいてなされたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の第一の特徴は、前記
(A)ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性
剤10〜85重量%と、(B)等方化剤成分5〜45重
量%、および(C)粒状の水不溶性無機化合物0.1〜
40重量%を必須成分として含有する液体洗浄剤組成物
において、全界面活性剤含有率40〜90重量%とする
ことである。このように、全界面活性剤含有率を40〜
90重量%と高濃度とすることにより、光学的に等方性
で、粘度が低く、流動性が高く、同時に使用目的である
各種の食器、調理器、住居に用いられているガラス・陶
器等の硬表面での洗浄時の起泡性、泡持続性、陶器皿・
ガラス容器の洗浄性に優れ、しかも流通コストの削減や
包装材料の低減による環境保全に対する効果の大きい流
動性高濃度等方性液体洗浄剤組成物が得られる。本発明
において、前記したように全界面活性剤含有率は40〜
90重量%であるが、50〜80重量%が好ましく、6
0〜80重量%がさらに好ましい。
【0014】また、本発明の第二の特徴は、前記(A)
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤と前
記(B)等方化剤成分と、更に前記(C)粒状の水溶性
無機化合物とを併用することである。このように(C)
成分を配合することによって、ガラス表面におけるウォ
−タ−スポットを改善することができる。
【0015】本発明において、液体洗浄剤組成物の洗浄
機能を発揮する主な成分である前記(A)成分の含有率
は10〜85重量%であり、好ましくは20〜60重量
%、さらに好ましくは30〜50重量%である。また、
該(A)成分を等方化させる作用を有する前記(B)成
分の含有率5〜45重量%であり、好ましくは10〜4
0重量%、さらに好ましくは15〜35重量%である。
尚、(A)ポリアルキレングリコール型非イオン性界面
活性剤と、(B)等方化剤成分との混合比率は、8:2
〜4:6であることが特に好ましい。(A)成分または
(B)成分の含有率が少なすぎ、どちらか一方の成分に
偏りすぎると、混合による活性剤分子の配向性を乱す作
用が不十分なため、完全に光学的に等方性にはできず、
粘度低下も十分でないことがある。更に、ガラス表面に
おけるウォ−タ−スポットを改善させる作用を有する前
記(C)成分の含有率は、0.1〜40重量%であり、
好ましくは10〜40重量%である。(C)成分の含有
率が0.1重量%未満では、目的とするウォ−タ−スポ
ットの改善を十分発揮することができず、一方40重量
%を超えると洗浄剤組成物の安定性が損なわれるため好
ましくない。
【0016】以上、各成分について詳細に説明する。先
ず、本発明の(A)ポリアルキレングリコール型非イオ
ン性界面活性剤成分は、前記したように洗浄剤や乳化剤
として通常良く用いられる公知の界面活性剤である。具
体的に好ましい構造を例示すると、下記一般式(1)で
示されるポリアルキレングリコール型非イオン性界面活
性剤が挙げられる。
【化1】 R1−O−(AO)n−R2 (1) (式中、R1は炭素数8〜18の直鎖または分岐鎖のア
ルキル基またはアルケニル基であり、好ましくは炭素数
10〜14の直鎖または分岐のアルキル基であり、さら
に好ましくは炭素数9〜12の脂肪族炭化水素である。
具体的にはオクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラ
デシル基、オレイル基等である。R2は水素原子または
炭素数1〜3のアルキル基であり、さらに好ましくは水
素原子、メチル基、エチル基である。また、AOは炭素
数2〜4の直鎖または分岐鎖のオキシアルキレン基であ
り、オキシエチレン基やオキシプロピレン基は特に好ま
しい。さらにまた、nは3〜25の数を表し、7〜15
が特に好ましい。)
【0017】本発明で使用する、前記一般式(1)で表
されるポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性
剤の具体例としては、オキシエチレン基の平均重合度が
5のポリエチレングリコールドデシルエーテル、オキシ
エチレン基の平均重合度が10のポリエチレングリコー
ルドデシルエーテル、オキシエチレン基の平均重合度が
15のポリエチレングリコールドデシルエーテル、オキ
シエチレン基の平均重合度が25のポリエチレングリコ
ールドデシルエーテル、オキシエチレン基の平均重合度
が7のポリエチレングリコールデシルエーテル、オキシ
エチレン基の平均重合度が15のポリエチレングリコー
ルテトラデシルエーテル、オキシエチレン基の平均重合
度が15のポリエチレングリコールオレイルエーテル、
オキシプロピレン基の平均重合度が5、オキシエチレン
基の平均重合度が10のポリエチレングリコールポリプ
ロピレングリコール共重合体のドデシルエーテル、オキ
シエチレン基の平均重合度が5のポリエチレングリコー
ルモノメチルドデシルエーテル、オキシエチレン基の平
均重合度が10のポリエチレングリコールモノメチルド
デシルエーテル、オキシエチレン基の平均重合度が15
のポリエチレングリコールモノメチルドデシルエーテ
ル、オキシエチレン基の平均重合度が25のポリエチレ
ングリコールモノメチルドデシルエーテル、オキシエチ
レン基の平均重合度が7のポリエチレングリコールモノ
メチルデシルエーテル、オキシエチレン基の平均重合度
が15のポリエチレングリコールモノメチルテトラデシ
ルエーテル、オキシエチレン基の平均重合度が15のポ
リエチレングリコールモノメチルオレイルエーテル、オ
キシプロピレン基の平均重合度が5、オキシエチレン基
の平均重合度が10のポリエチレングリコールポリプロ
ピレングリコールモノメチルドデシルエーテル等が挙げ
られるが、これらに限られるものではない。
【0018】次に、本発明で使用する(B)等方化剤成
分について説明する。本発明で使用する(B)等方化剤
成分は、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活
性剤との混合時の、前記数式(1)で求められる分子間
相互作用パラメーターβの値が−1.0〜1.0と小さ
く、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤
が高濃度水溶液中で形成する高次会合構造を光学的に等
方化させることができる化合物である。
【0019】先に述べたように、(A)ポリアルキレン
グリコール型非イオン性界面活性剤成分のリオトロピッ
ク液晶構造を崩壊せしめるには、ポリアルキレングリコ
ール型非イオン性界面活性剤分子と等方化剤成分が良く
相溶することはもちろんのこと、両分子間に働く相互作
用が非常に重要である。すなわち、両分子間に引力的な
相互作用が強く働くと、混合することにより幾何学的な
立体効果で分子の配向を乱す作用があったとしても、引
力的な分子間相互作用で分子同士のパッキングはより密
になってしまうので、結果としては液晶形成は促進さ
れ、系は等方化されず、粘度も高いままで、ハンドリン
グ性も改善されない。従って、混合したときに、幾何学
的な立体効果による配向性、パッキングの乱れが優先的
に作用するためには、分子間の引力的な相互作用が小さ
い等方化剤が必要である。この分子間相互作用は、Rose
n M.J.らが提唱した(Rosen M.J., J.Colloid Interfac
e Sci., 86, 164 (1982))、β値という希薄溶液中で形
成されるミセル中での相互作用パラメーターで見積もる
ことができる。すなわち、2種の異なる界面活性剤を混
合すると、その分子間には同一分子同士が隣り合わせて
いたときとは異なる引力的または斥力的な相互作用が働
くため、表面吸着現象や臨界ミセル濃度に単独系の挙動
からだけでは考察できない変化が生じる。この変化を、
ギブスの自由エネルギーの式に基づいて誘導した、下記
の数式(1)、(2)を用いて解析すると、2つの異な
る分子間に働く相互作用を、斥力的相互作用はプラス、
引力的相互作用はマイナスの数値として定量することが
でき、相互作用が強いほど絶対値として大きな値にな
る。従って、本発明においてはポリアルキレングリコー
ル型非イオン性界面活性剤との相溶性が悪くなるほどに
は斥力的相互作用がなく、かつ引力的相互作用が小さい
等方化剤が好ましい、すなわち、βの絶対値が小さいも
のが好ましい。
【数1】β=ln(αD1211)/(1−χ1)2
【数2】χ1 2ln(αD1211)=(1−χ1)2ln
[(1−α)D12/(1−χ1)D2] {式中、βは、溶液相の混合ミセル中における、(A)
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤の分
子と(B)等方化剤成分の分子との間の相互作用パラメ
ーターであり、αは、溶液相における、(A)ポリアル
キレングリコール型非イオン性界面活性剤と(B)等方
化剤との総量中の、(A)ポリアルキレングリコール型
非イオン性界面活性剤のモル分率を表し、χ1は、上記
数式(2)を解くことにより求められる、混合ミセル中
における、(A)ポリアルキレングリコール型非イオン
性界面活性剤と等方化剤との総量中の、(A)ポリアル
キレングリコール型非イオン性界面活性剤のモル分率を
表し、D1、D2およびD12はそれぞれ、(A)ポリアル
キレングリコール型非イオン性界面活性剤の臨界ミセル
濃度、(B)等方化剤の臨界ミセル濃度、および所定の
αにおける混合系の臨界ミセル濃度を表す。}
【0020】前記数式(1)で求められるポリアルキレ
ングリコール型非イオン性界面活性剤分子との間の分子
間相互作用パラメーターβ値が小さく、−1.0〜1.
0の範囲にあるものが、混合したときに、会合体の構造
化を促進するような引力的相互作用が働くことなく、幾
何学的にランダム化する作用により、ポリアルキレング
リコール型非イオン性界面活性剤が高濃度水溶液中で形
成するリオトロピック液晶などの高次会合構造を効果的
に崩壊しうる。
【0021】本発明で使用する(B)等方化剤成分は、
分子中に炭素数が8〜14のアルキル基を有する化合物
が特に好ましい。その場合、アルキル基の炭素数が10
〜12であることはさらに好ましく、具体的な例として
は、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル
基などが挙げられるが、これらに限られるものではな
い。このアルキル基が短すぎると、ポリアルキレングリ
コール型非イオン性界面活性剤と分子レベルで完全には
相溶しなくなったり、界面活性能を低下させ、洗浄力な
どの機能を損なう恐れがある。また、逆に長すぎる場合
には、ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性
剤と混合した場合に、疎水基間の引力的相互作用が強く
なりすぎるため、リオトロピック液晶の高次構造を破壊
するどころか、むしろ構造化を促進してしまうケースが
多い。
【0022】また、本発明で使用する(B)等方化剤成
分としては、分子中に窒素原子を含む立体的にバルキー
な極性基を有する化合物は特に好ましい。具体的な極性
基の例を挙げると、アミンオキシド基、カルボキシベタ
イン基、スルホベタイン基、アミドプロピルカルボキシ
ベタイン基、トリメチルアンモニウムハライド基、ピリ
ジニウムハライド基等が挙げられるが、これらに限られ
るものではない。ポリアルキレングリコール型非イオン
性界面活性剤が、リオトロピック液晶などの、高粘度の
高次構造を形成するドライビングフォースは、先にも述
べたように活性剤分子同士がパッキング良く、秩序的に
密に配向することによるので、(B)等方化剤成分の極
性基は立体的にバルキーである方が、混合したときにリ
オトロピック液晶を形成しているポリアルキレングリコ
ール型非イオン性界面活性剤分子の配向性を乱す効果が
大きいので好ましい。また、ポリアルキレングリコール
型非イオン性界面活性剤の極性基であるポリアルキレン
グリコール基は、アニオン性に分極したエーテル酸素を
有するため、水溶液中では水と強く水和し、見かけ上極
性基としてはカチオン性の挙動を示すことが知られてい
る(Rosen M.J., J.Colloid Interface Sci., 95, 443
(1983))。従って、アニオン性の極性基を有する分子と
混合した場合には、水を介して分子間に引力的な相互作
用が強く働くため、ポリアルキレングリコール型非イオ
ン性界面活性剤が高濃度水溶液中で形成するリオトロピ
ック液晶などの高次構造化を促進してしまう。よって、
(B)等方化剤成分としてはカチオン性の荷電を帯びた
窒素原子を含む極性基を分子中に有することが好まし
い。
【0023】本発明において、(B)等方化剤成分は、
単独で使用することも可能であるが、2種以上を混合し
ても好ましく使用することができる。その場合、2つの
(B)等方化剤成分の混合比率が重量比で2:8〜8:
2であることは特に好ましい。本発明で使用する好まし
い等方化剤成分の幾つかの具体例を以下に挙げるが、本
発明はこれらに限られるものではない。
【0024】本発明においては、下記一般式(2)で示
されるアミンオキシド誘導体は、等方化剤成分として非
常に好ましい化合物である。
【化2】 (式中、R3は炭素数6〜13のアルキル基であり、好
ましくは炭素数6〜11である。また、R4およびR5
メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基であり、
メチル基が特に好ましい。また、Yはメチレン基または
−CH2−C(=O)−NH−C24−、−CH2−C
(=O)−NH−C36−、−CH2−C(=O)−N
H−C48−である。) 該一般式(2)で示されるアミンオキシド誘導体の好ま
しい具体例としては、デシルジメチルアミンオキシド、
ドデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチ
ルアミンオキシド、やし油アルキルジメチルアミンオキ
シド、ドデシルジエチルアミンオキシド、ドデシルジエ
タノールアミンオキシド、ドデカン酸アミドエチルジメ
チルアミンオキシド、ドデカン酸アミドプロピルジメチ
ルアミンオキシド、ドデカン酸アミドブチルジエタノー
ルアミンオキシド等が挙げられる。
【0025】また、本発明においては、下記一般式
(3)で示されるベタイン誘導体も、等方化剤成分とし
て非常に好ましい化合物である。
【化3】 (式中、R6は炭素数6〜13のアルキル基であり、好
ましくは炭素数6〜11のアルキル基である。また、R
7およびR8はメチル基、エチル基またはヒドロキシエチ
ル基であり、メチル基は特に好ましい。また、Y’はメ
チレン基または−CH2−C(=O)−NH−C2
4−、−CH2−C(=O)−NH−C36−、−CH2
−C(=O)−NH−C48−である。さらにまた、Z
はカルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−
スルホニルプロピル基、または2−ヒドロキシ−(3−
スルホニル)−プロピル基である。) 該一般式(3)で示されるベタイン誘導体の好ましい具
体例としては、オクチルカルボキシベタイン、ドデシル
カルボキシベタイン、デカン酸アミドエチルカルボキシ
ベタイン、ドデカン酸アミドプロピルカルボキシベタイ
ン、デシルスルホベタイン、ドデシルスルホベタイン、
ドデシルスルホヒドロキシベタイン等が挙げられる。
【0026】さらにまた、本発明においては、下記一般
式(4)で示される四級アンモニウム塩誘導体も、等方
化剤成分として非常に好ましい化合物である。
【化4】R9−W+・Q- (4) (式中、R9は炭素数8〜14のアルキル基であり、好
ましくは炭素数8〜12のアルキル基である。また、W
+はトリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム
などの炭素数1〜4のトリアルキルアンモニウム基また
は、置換もしくは無置換のピリジニウム基であり、トリ
メチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、ト
リブチルアンモニウム基、ピリジニウム基は特に好まし
い。さらにまた、Q-は塩素、臭素などのハロゲンアニ
オンまたはメチル硫酸アニオンなどの1価に相当するア
ニオンである。) 該一般式(4)で示される四級アンモニウム塩誘導体の
好ましい具体例としては、オクチルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロラ
イド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、デ
シルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリ
メチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリエチルア
ンモニウムブロマイド、デシルトリブチルアンモニウム
クロライド、デシルピリジニウムクロライド、ドデシル
ピリジニウムブロマイド、メチル硫酸オクチルピリジニ
ウム等が挙げられる。
【0027】前記したように、本出願人が先に提案し
た、前記(A)ポリアルキレングリコール型非イオン性
界面活性剤と、前記(B)等方化剤成分と、50重量%
以下の水分とを必須成分として含有する2成分系の濃厚
液体洗浄剤組成物は、光学的に等方性で、粘度が低く、
流動性が高く、人工油脂汚垢を付着させたプロピレンカ
ップの洗浄力や目盛り付きガラス管の振とうによる起泡
力、蛋白変成によるマイルド性に対して良好な性能を発
揮するものであるが、親水性表面のガラス容器等に適用
した場合には、疎水性物質が付着し、すすぎ処理のみで
は容易に落ちず、ガラス表面にウォータースポットが生
じ、ガラスの透明感が損われるという問題点があった
が、本発明の濃厚液体洗浄剤組成物は、前記の(A)ポ
リアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤と、
(B)等方化剤成分により光学的に等方性で、粘度が低
く、流動性が高いという特徴を損なわずに、さらに
(C)粒状の水不溶液性無機化合物を必須成分として加
えたものであり、ガラス表面洗浄時におけるウォ−タ−
スポットが十分改善された優れた高濃度等方性液体洗浄
剤組成物である。
【0028】次に、本発明で使用する(C)成分の粒状
の水不溶性無機化合物について説明する。(C)成分
は、粒状の水不溶性無機化合物であり、該化合物として
は、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積が20
0m2/g以下、特に、100m2/g以下のものが好ま
しい。すなわち、比表面積が200m2/gを超える
と、洗浄の際にガラス表面に不溶性固体が粉末状のまま
で残り、好ましくなく、また100m2/g以下のもの
は組成物の流動性が長期に亘って安定しており特に好ま
しい。また、水不溶性無機化合物の平均粒径は、ウォー
タースポットの改善度と組成物の安定度からみて、0.
1〜2,000μmが好ましく、更に好ましくは0.1
〜200μmである。
【0029】成分(C)の粒状の水不溶性無機化合物と
しては、たとえば、沈降性シリカ、シリカゲル、アルミ
ノシリケ−ト、ジルコノシリケ−ト等のシリカ系化合
物、また、モンモリロナイト、ノントロナイト、サポノ
イト、ヘクトライト、バ−ミキュライト、アタパルジャ
イト、セピオライト、バイデライト、ソ−コナイト、ス
チブンサイトなどのスメクタイト、また,カオリナイ
ト、雲母、タルクなどの粘土鉱物、更に、第二リン酸カ
ルシウム・二水和物及び無水物、ピロリン酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、
炭酸マグネシウム、第三リン酸マグネシウム、不溶性メ
タリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、酸化
チタン、ゼオライト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ジル
コニウム、方解石、石英、ケイソウ土、パ−ライト、長
石、ケイ石、軽石、ヘマタイト、シリカバル−ン、シラ
スバル−ン、ガラスバル−ンなどを挙げることができ
る。これらは、単独で、又は2種類以上を混合して使用
することができる。本発明においては、組成物の安定性
の点から見て、上記シリカ系化合物、スメクタイト、粘
土鉱物が特に好ましい。
【0030】本発明は、前記したように、前記(A)ポ
リアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤10〜
85重量%と、(B)等方化成分5〜45重量%および
(C)粒状の水不溶性無機化合物0.1〜40重量%を
必須成分として含有し、全界面活性剤含有率を40重量
%以上とすることにより、光学的に等方性で、粘度が低
く、流動性が高く、同時に使用目的である各種の食器、
調理器、住居に用いられるガラス表面での洗浄時のウォ
−タ−スポットが改善された優れた流動性高濃度等方性
液体洗浄組成物が得られる。
【0031】また、本発明の濃厚液体洗浄剤組成物は、
必須構成成分以外に、光学的に等方性で、粘度が低く、
流動性が高いという特徴を損なわない範囲で、他の界面
活性剤と組み合わせて用いることも可能である。具体例
としては、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核
油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノー
ルアミド、オレイン酸ジメタノールアミド等の水溶性ア
ミドが挙げられる。また、C6〜C16のポリオキシエチ
レンソルビタンエステル(エチレンオキシド付加モル数
1〜10)、C6〜C16のソルビタンエステル、C6〜C
16のソルビトールエステル、C6〜C16のショ糖脂肪酸
エステル、C6〜C16のメチルグルコシドエステル、C6
〜C16のメチルマンノシドエステル、C6〜C16のエチ
ルグルコシドエステル、C6〜C16のN−メチルグルカ
ミド、C6〜C16の環状N−メチルグルカミド、C6〜C
16のアルキルグルコシド、C6〜C16のアルキルポリグ
ルコシド、C6〜C16のアルキルグリセリルエーテルな
どを挙げることができる。さらにC10〜C18のポリオキ
シエチレンアルキル硫酸エステル塩(エチレンオキシド
付加モル数0.5〜8)、C10〜C18のアルファオレフ
ィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、C
10〜C18のアルキルエーテルカルボン酸塩、C8〜C18
のアシルアミノ酸塩などが挙げられる。また、本発明の
濃厚液体洗浄剤組成物には、必要に応じて上記界面活性
剤以外にも各種配合剤を配合することができる。すなわ
ち、本発明の目的を損なわない範囲で家庭用洗浄剤に配
合される配合剤、例えば、無機または有機ビルダー、酵
素、漂白剤、漂白活性化剤、保湿剤、粘度調整剤、ハイ
ドトロープ剤、防腐剤、殺菌剤、酸化防止剤、香料、色
素、紫外線吸収剤、等を配合することができる。ここ
で、ハイドトロープ剤としては、組成物の流動性、低温
安定性に優れた効果をもたらすものであるため、エタノ
ール、プロピレングリコールなどの分子量が150以下
のアルコール系低分子有機化合物を、6重量%未満程度
に低減して使用することも可能である。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて更に具体的
に説明するが、本発明はこの実施例で限定されるもので
はない。
【0033】実施例および比較例として、下記の化合物
を用いて、表1に示した組成物を調製し、その光学的性
質、流動性、ガラス表面のウォ−タ−スポット改善性、
保存安定性、および(A)成分および(B)成分間のβ
値を、下記の方法で測定した。これらの結果を表1に示
した。
【0034】A群:ポリアルキレングリコール型非イオ
ン性界面活性剤 C10EO5:C1021O(C24O)5H C12EO15:C1225O(C24O)15H C12PO3EO10:C1225O(C36O)3(C2
4O)10H B群:等方化剤成分 C12DMAX:ドデシルジメチルアミンオキシド C12APCBE:ドデカン酸アミドプロピルカルボキシ
ベタイン C10TMAC:デシルトリメチルアンモニウムクロライ
ド C12PBR:ドデシルピリジニウムブロマイド C群:水不溶性無機化合物 第二リン酸カルシウム:比表面積 6m2/g 水酸化アルミニウム:比表面積 3.3m2/g ジルコノシリケ−ト:比表面積 20m2/g アルミノシリケ−ト:比表面積 80m2/g 沈降性シリカ :比表面積 40m2/g 炭酸カルシウム:比表面積 5m2/g シラスバル−ン:比表面積 7m2/g ゼオライト :粒径 5μm スメクタイト:粒径 0.2μm カオリナイト:比表面積 5m2/g 雲母 :粒径 10μm タルク :粒径 8μm D群: EtOH:エタノ−ル ヤシ油DEA:ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド C12DEA:ラウリン酸ジエタノールアミド C12AES5:C1215O(C24O)5SO3Na C14AOS:C14アルファオレフィンスルホン酸ナトリ
ウム塩 ポリアクリル酸ナトリウム キサンタンガム PEG1000:平均分子量1000のポリエチレング
リコール グリセリン
【0035】〈光学的性質〉各組成物5gを10mlの
ネジ口つき試験管にとり、90゜傾きをずらした2枚の
偏光板の間にセットし、蛍光灯の光を透過させたときの
状態を観察し、以下の通り判定した。 等方性:系中に規則構造がまったくないため、光がまっ
たく通過せず、黒く見える。 異方性:系中にヘキサゴナル液晶、ラメラ液晶などの規
則構造が存在するため、異方性を示し、光が偏光板を通
過して明るく光って見える。 〈β値〉 (A)ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性
剤、(B)等方化剤成分のそれぞれ単独の水溶液、およ
び両成分の各種モル比の混合水溶液について、種々の濃
度での表面張力を測定し、得られた表面張力−濃度曲線
の屈曲点から臨界ミセル濃度(CMC)をそれぞれ求め
た。次いで、下記数式(1)および(2)に値を代入し
て、相互作用パラメーター:βを算出した。なお、各水
溶液の表面張力は、協和界面科学(株)製のペンダント
ドロップ式表面張力計:PD−Zを用いて測定した。
【数1】β=ln(αD1211)/(1−χ1)2
【数2】χ1 2ln(αD1211)=(1−χ1)2ln
[(1−α)D12/(1−χ1)D2] {式中、βは、溶液相の混合ミセル中における、(A)
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤の分
子と(B)等方化剤成分の分子との間の相互作用パラメ
ーターであり、αは、溶液相における、(A)ポリアル
キレングリコール型非イオン性界面活性剤と(B)等方
化剤との総量中の、(A)ポリアルキレングリコール型
非イオン性界面活性剤のモル分率を表し、χ1は、上記
数式(2)を解くことにより求められる、混合ミセル中
における、(A)ポリアルキレングリコール型非イオン
性界面活性剤と(B)等方化剤との総量中の、(A)ポ
リアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤のモル
分率を表し、D1、D2およびD12はそれぞれ、(A)ポ
リアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤の臨界
ミセル濃度、(B)等方化剤の臨界ミセル濃度、および
所定のαにおける混合系の臨界ミセル濃度を表す。} 〈流動性〉各組成物5gを10mlのネジ口つき試験管
にとり、室温で試験管を上下反転させたときの状態を観
察し、以下の基準で判定した。 ○:組成物は良好な流動性を有しており、速やかに反対
側に流れ落ちた。 △:やや粘度が高く、ゆっくりと流れていった。 ×:流動性がなく、試験管上部から落ちてこない。 〈ガラス表面のウオ−タ−スポット改善性〉洗浄剤組成
物0.05%を含む水溶液を調整し、その3リットルを
直径30cm、深さ12cmのバットに入れ、液温25
℃において、空気を含んだスポンジを液中で圧縮する操
作を10回繰り返して泡立てた後、1個当たりバタ−
0.5gを塗布したガラス皿の表面を10回、裏面を5
回ずつスポンジでこすり洗いし、流水ですすぎ、乾燥さ
せた後の仕上がり性を目視評価する。 ウォ−タ−スポットの評点 5点:ウオ−タ−スポットが全くない。 4点:ウオ−タ−スポットが1個見られる。 3点:ウオ−タ−スポットが2〜3個見られる。 2点:ウオ−タ−スポットが5個見られる。 1点:多くのウオ−タ−スポットが見られる。 〈安定性〉100ccのサンプル瓶に洗浄剤組成物80
ccを入れ、ふたをして25℃に保つ。四週間経過後、
外観により、沈殿などを目視評価する。 ○:沈殿などがない。 ×:沈殿している。
【0036】
【表1−(1)】
【0037】
【表1−(2)】
【0038】表1から明らかなように、本発明の濃厚液
体洗浄剤組成物は、光学的に等方性で、流動性も良く、
しかも、ガラス表面でのウォ−タ−スポットの改善され
た優秀な洗浄剤組成物であることが判る。従って、本発
明の濃厚液体洗浄剤組成物は、台所用洗浄剤、食品用洗
浄剤、ボディーシャンプー、シャンプー、その他家庭用
洗浄剤など、皮膚毛髪用洗浄剤から硬質表面用洗浄剤、
特に、食器、調理器や住居用に用いられるガラス表面を
有するガラス用洗浄剤まで、家庭用、業務用を問わず、
多目的の濃厚液体洗浄剤として好適であり、しかも従来
品使用時より大幅に容積が縮小されるので、流通コスト
の削減、さらには包装材料の低減による環境保全に極め
て有用である。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の濃厚液体洗浄剤
組成物は、(A)ポリアルキレングリコール型非イオン
性界面活性剤10〜85重量%、(B)等方化剤成分5
〜45重量%、および(C)粒状の水不溶性無機化合物
0.1〜40重量%を含有し、界面活性剤含有率が40
〜90重量%の極めて高濃度の界面活性剤組成物である
が、このような高濃度であるにも拘わらず、光学的に等
方性で、粘度が低く、流動性の高い、ハンドリング性の
極めて良いものである。そのため、流通コストの削減
や、包装材料の低減による環境保全に非常に有効なもの
であり、また、本発明の(B)等方化剤成分は、(A)
ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性剤の利
点である、優れた洗浄性能や乳化性能、さらには耐硬水
性を損なうことがない化合物なので、当該濃厚液体洗浄
剤組成物も、優れた洗浄性能や乳化性能、耐硬水性を発
揮することができる。更に、(C)粒状の水不溶性無機
化合物を配合したことにより、特にガラス表面での洗浄
時のウォ−タ−スポットが改善される。しかも、本発明
の濃厚液体洗浄剤組成物は環境や人体に対する安全性も
非常に高いものであり、台所用洗浄剤、食品用洗浄剤、
ボディーシャンプー、シャンプー、その他家庭用洗浄剤
など、皮膚毛髪用洗浄剤から、特にガラス洗浄剤まで、
家庭用、業務用を問わず、多目的の濃厚液体洗浄剤とし
ての応用が可能である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11D 1:75 1:38 1:62 1:90 3:14) (72)発明者 岡野 知道 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全界面活性剤含有率40〜90重量%の
    流動性の良好な高濃度等方性組成物であって、該組成物
    が下記(A)成分、(B)成分、および(C)成分を含
    有することを特徴とする濃厚液体洗浄剤組成物。 (A)ポリアルキレングリコール型非イオン性界面活性
    剤 10〜85重量% (B)(A)成分を等方化させる作用を有する、半極性
    界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤か
    ら選ばれる界面活性剤等方化剤成分 5〜45重量% (C)粒状の水不溶性無機化合物 0.1〜40重量
  2. 【請求項2】 前記(C)成分が、シリカ系化合物、ス
    メクタイトおよび粘土鉱物から選ばれた少なくとも1種
    であることを特徴とする請求項1記載の濃厚液体洗浄剤
    組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002128658A (ja) * 2000-10-24 2002-05-09 Lion Corp 角質層水分量低減抑制組成物
JP2012509293A (ja) * 2008-11-20 2012-04-19 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ 個人向け洗浄用組成物
JP2013107830A (ja) * 2011-11-17 2013-06-06 Kikoh Corporation 皮膚の重金属汚染防止のための皮膚外用剤

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