JPH10141941A - アスファルト混合物の厚さ測定方法 - Google Patents

アスファルト混合物の厚さ測定方法

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JPH10141941A
JPH10141941A JP31122196A JP31122196A JPH10141941A JP H10141941 A JPH10141941 A JP H10141941A JP 31122196 A JP31122196 A JP 31122196A JP 31122196 A JP31122196 A JP 31122196A JP H10141941 A JPH10141941 A JP H10141941A
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penetration
rod
layer
tip
thickness
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Application number
JP31122196A
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English (en)
Inventor
Hideyo Suzuki
英世 鈴木
Toshihiko Shinohara
俊彦 篠原
Hiromitsu Miya
洋光 宮
Hirokuni Okafuji
博国 岡藤
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Seiki Tokyu Kogyo Co Ltd
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Seiki Tokyu Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダムの遮水壁等硬さの異なる2層以上のアス
ファルト混合物により構成したアスファルト構造物の表
層の厚さを正確に測定すること。 【解決手段】 表層より貫入棒を貫入して第2層に貫入
棒の先端が達した後もある程度の深さ貫入棒の貫入を継
続し、貫入抵抗値の変化により貫入棒の先端が表層に貫
入開始したポイント及び貫入棒の先端が第2層に貫入開
始したポイントを検出し、貫入棒のその間の貫入量によ
り表層の厚さを測定するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ダムの遮水壁や
アスファルト舗装等硬さの異なる2層以上のアスファル
ト混合物により構成したアスファルト構造物の保護層等
の表層を測定する方法に関するものであり、特に厚さが
数mmと薄い表層の測定に適するものである。
【0002】ダムの法面遮水壁は、粗骨材を約40%位
含む母体アスファルトコンクリートの上に、この母体ア
スファルトコンクリートを紫外線による劣化から防止す
るために、保護層として厚さが2mm位のアスファルト
マスチックの表層が塗布してある。
【0003】しかし、このアスファルトマスチックは冬
期にダムの湖面が凍ったりすると、アスファルトマスチ
ックは柔らかいために凍結した湖面により損傷を受けそ
の部分が部分的に薄くなったり、あるいは剥離したりし
てしまい、母体アスファルトコンクリートの保護機能を
果たさなくなってしまうことがある。
【0004】そこで、アスファルトマスチックが規定の
厚さ塗布されているや否やを定期的に検査してアスファ
ルトマスチック層の厚さを0.1mm単位で測定し、測
定結果をもとにして補修工事を行う必要がある。また、
測定結果の有効性を高めるためにはダムの遮水壁をでき
るだけ多くのポイントで測定する必要がある。
【0005】
【従来の技術】ところで、従来このような場合の測定方
法として一般的に用いられている方法としては、超音波
やX線等を利用して行う非破壊検査法や、検体をコアド
リルで抜き取ったり部分的に断面を露出させたりして検
査を行ういわゆる破壊検査法がある。
【0006】また、従来からのアスファルト針入度試験
等で使用されているような針を用いて、保護層の表面か
ら針の先端が母体アスファルトコンクリートに達するま
で挿入し、針の挿入した長さによって保護層の厚さを測
定する方法が考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は従
来のこのような方法により本発明の目的である母体アス
ファルトコンクリートの上に塗布してある厚さ数mmの
アスファルトマスチック(以下「保護層」と称する場合
もある。)が測定できるものかどうか確認するため、次
のような手法1〜手法4の測定方法により測定試験を行
った。各手法の測定方法及び試験結果は次のとおりであ
った。
【0008】[手法1:針状のものを貫入させて保護層
の厚さを測定する手法]本手法については後述する。
【0009】[手法2:画像処理により保護層の厚さを
測定する手法]供試体にドリルで穴をあけ、断面をマイ
クロスコープのカメラにより撮影し、表層から境界面ま
での長さを画像処理により測定するようにして行った。
実験の結果、本手法は測定孔を正確に削孔することが困
難であり、装置の取り付け角度,焦点距離等の設定時間
を要するとともに、これらが正確に行われないと測定誤
差を生じてしまうことがわかった。したがって、本手法
は現場適応性にかけることが判明した。
【0010】[手法3:重錘を落下させて表面にできた
変形により保護層の厚さを測定する手法]先端を円錐形
とした棒を供試体の上から落下させ、できたくぼみの直
径をマイクロスコープにより測定し、供試体の保護層の
厚さと相関関係があるや否やを調べた。実験の結果、本
手法は保護層の厚さが1.0mm〜4.5mmの間で
は、くぼみの半径は0.1mm以下の大きさでしか変化
しない。したがって、保護層の厚さを0.1mm単位で
判断するためには、くぼみの半径を0.003mm程度
の分解能で測定しなければならず、実際上不可能であ
る。
【0011】[手法4:超音波測定装置により保護層の
厚さを測定する方法]母体アスファルトコンクリートの
上にアスファルトマスチックを塗布した供試体のアスフ
ァルトマスチックの厚さを超音波測定装置により読み取
ろうとしたが、母体アスファルトコンクリートとアスフ
ァルトマスチックは物質的にはほぼ同じであるため弾性
係数がほとんど同じであり、超音波の反射が層間の境界
面で起きず、本発明の目的が達成できないことがわかっ
た。
【0012】以上のように、手法2,手法3及び手法4
については本発明の目的が達成できないことが確認され
た。一方、手法1については次のようにしてその有効性
が確認されるとともに、また同時に問題点があることも
わかった。
【0013】手法1においては、アスファルトマスチッ
クの表面から貫入させた貫入棒が母体アスファルトコン
クリートの骨材に突き当たることによりその間の貫入長
さによりアスファルトマスチックの厚さが測定できるも
のとして次のような実験を行った。
【0014】厚さ3.2mmの鉄板の上に、表1に示す
アスファルトマスチックを塗布して供試体を作成し、後
の試験結果と比較するために鉄板とアスファルトマスチ
ック層の厚さをリニアゲージ変位計で測定した。
【0015】
【表1】
【0016】一方、測定装置として図1に示す測定装置
を用意した。貫入棒1はシリンダ2により保持されると
ともに、ロードセル3を介して重錘4の荷重が作用する
ようにしてある。また、変位センサ5により貫入棒1の
供試体6への貫入量が測定されるようになっている。な
お、7は貫入棒加熱用の電熱線、8は電極、9はセンサ
アンプ、10はパソコン、11は鉄板である。
【0017】そして、表2に示すように試験条件を変更
しながら測定試験を行った。なお、貫入棒1は先端がフ
ラットのものを使用した。また、重錘4は貫入棒1が保
護層を貫通できる程度の重さとした。
【0018】測定結果を表3及び表4に示す。また、代
表的な測定結果のグラフを図2に示す。なお、保護層の
厚さの判断は、重錘4により貫入棒1に荷重を作用させ
るようにして変位を計測し始めてから最終取り込みデー
タまでの変位量とした。
【0019】
【表3】
【0020】
【表4】
【0021】本結果より、実際の層厚との差が0.1m
m以上のものもあり、要求される精度を満たしていない
ことがわかった。また、測定値は概ねリニアゲージによ
る値より小さい傾向となることがわかった。これは、図
3に示すように、貫入棒の貫入開始のゼロ点のデータが
コンピュータにうまく取り込めなかったことと、もう一
つは貫入終点付近での残留変位の影響であると考えられ
る。
【0022】前者は、コンピュータのデータ取り込みの
インターバルタイム(約10点/秒)の速さの制限のた
めにロードセルと電極が接触した瞬間のデータが取り込
めなかったためであり、後者は、貫入棒の先端がフラッ
トであることに問題があると考えられる。
【0023】そこで、本発明者は次に残留変位を低減す
べく、図4に示す各種形状の貫入棒を用意して測定試験
を行った。各貫入棒の寸法は表5に示すとおりである。
なお、No.1の貫入棒は上記試験で使用したものと同
じである。供試体温度は26℃、載荷荷重は1000g
である。
【0024】
【表5】
【0025】代表的な測定結果のグラフを図5,図6及
び図7に示す。また、表6は各貫入棒の貫入状態の特性
を分類するため、図5のNo.1−1に示すように、貫
入開始からおおむね貫入が落ち着くまでに要する時間を
貫入変位で割ったものとそれ以後の残留の変位量を単位
時間で割ったものである。前者は貫入速度を、後者は残
留変位の特性を表している。
【0026】
【表6】
【0027】本試験結果より、貫入棒は荷重等による変
形がない限り、貫入棒の径はある程度細い方がよいが、
1秒程度の貫入時間でよいとすれば0.8mm以下であ
ればよい。また、先端形状はある程度尖らした方がよい
が、先端が尖っていると自重で保護層に貫入する可能性
があるため、次に供試体温度と先端形状の関係について
実験を行った。
【0028】その結果、貫入棒が自重で保護層に貫入す
るのは、No.5で供試体温度が約40℃程度であり、
No.1では50℃で5秒間たっても貫入は認められな
かった。実施の現場においては、測定時の保護層温度は
おおむね10〜20℃程度であり、No.5の貫入棒に
関しても自重による保護層への貫入は生じないと考えら
れる。したがって、貫入棒の先端は尖っている方が望ま
しいが、先端部の変形防止と耐久性向上のためには先端
は若干フラットにした方がよいと考えられる。具体的に
はNo.5の先端を0.2mm程度フラットにする。こ
れは表6のNo.4やNo.7と比較しても0.2mm
程度のフラットでは貫入特性に大きく影響しないと考え
られるからである。以後、この先端を0.2mmフラッ
トにした貫入棒をNo.8として試験を行った。
【0029】次に、保護層表面の位置検出(ゼロ点)を
明確にするために、図8に示すように測定装置を改良し
た。送りねじ12を連結したステッピングモータ13を
支柱14に取りつけるとともに、ガイドレール15に沿
って上下動可能な移動アーム16を送りねじ12に嵌合
させ、送りねじ12の回転により移動アーム16が上下
動するようにする。移動アーム16にロードセル3を取
り付け、シリンダ2で上下動可能に支持されている貫入
棒1の上端をロードセル3が押圧するしてある。なお、
17はコントローラである。そして、ステッピングモー
タ13の回転1ステップにつき移動アーム16が0.0
1mm下降する変位制御としてデータをサンプリングし
た。図1に示す装置では、荷重(重錘)と貫入棒が接触
した瞬間から0.05〜0.1秒程度までデータが取れ
ない状態で、その間の貫入量は計測できなかったが、本
装置によれば、荷重が貫入棒に接触した瞬間の変位を0
とした場合、ゼロ点の位置の検出の誤差は最大でも0.
01mm程度ですむことになる。
【0030】上記装置を用い、No.8の貫入棒を使用
して測定試験を行った結果を表7に示す。また、代表的
な測定結果のグラフを図9及び図10に示す。
【0031】
【表7】
【0032】本結果より、温度が高くなると層厚を薄く
評価する傾向があるものの、おおむね0.1mm程度の
精度で測定ができていることがわかる。一方、層厚を薄
く評価する原因としては、貫入棒の自重による測定開始
前の貫入と、アスファルトマスチックが硬く、貫入が完
全に完了していないためと考えられる。
【0033】次に、測定時間を短縮するために測定装置
を、重錘の荷重による貫入方式から、ステッピングモー
タにより1ステップごとに強制的に貫入させる変位制御
とし、保護層に接触した瞬間のゼロ点の検出は、電気接
点のトリガ信号を取り込む方式で行っていたが本変更に
より不可能となったので、貫入抵抗の変化を読み取る方
式についてNo.8の貫入棒を使用して測定試験を行っ
た。測定結果のグラフを図11に示す。なお、供試体温
度は26℃であり、供試体の厚さは4.5mmである。
【0034】本試験の結果、保護層に接触した瞬間の貫
入抵抗の変化は明確でなく、貫入抵抗の変化からゼロ点
を判別することは場合によっては困難であることがわか
った。また、No.8の貫入棒は試験中に変形が生じ、
耐久性に問題があることも確認された。
【0035】上記各種試験を行った結果、手法1による
方法により保護層の厚さを測定できることが確認でき
た。そこで、次に上記試験で供試体として使用した「鉄
板+保護層」に代えて、実際の測定対象である「母体ア
スファルトコンクリート+保護層」の供試体を作成して
試験を行った。また、貫入棒が母体アスファルトコンク
リートの砕石に当たらない場合も考えられるので、「ア
スファルトモルタル+保護層」の供試体についても試験
を行った。母体アスファルトコンクリートとアスファル
トモルタルの配合を表8及び表9に示す。
【0036】
【表8】
【0037】
【表9】
【0038】また、貫入棒としては図12及び表10に
示すA〜Iの貫入棒を使用した。このうちAはNo.8
の貫入棒と同一のものである。
【0039】
【表10】
【0040】また、測定装置としては、貫入抵抗の変化
からゼロ点を検出することは測定対象によっては困難で
あることがわかったので、貫入棒の軸方向に貫入棒と独
立して上下動可能で且つ保護層には貫入しない形状とし
た外筒を設け、貫入棒と外筒の先端を一致させた状態で
保護層表面に降下させ、外筒と貫入棒の相対変位が生じ
た点をゼロ点とし、その相対変位量を貫入量とするよう
にした。貫入棒B〜Gを用いた試験の測定条件を表11
に示す。
【0041】
【表11】
【0042】本試験の結果、図13及び図14に示すよ
うに母体アスファルトコンクリートのみでも貫入量が記
録されることがわかった。また、その貫入量にもバラつ
きがあることがわかる。これは、ほとんどの場合貫入棒
が母体アスファルトコンクリート表面の砕石に当たって
いないこと、また、砕石を押しのけて貫入する場合があ
るためと考えられる。したがって、第2層が鉄板である
上記した試験と異なり、第2層が母体アスファルトコン
クリートである場合には、貫入棒は表層であるアスファ
ルトマスチックと母体アスファルトコンクリートの境界
で停止せず、そのまま母体アスファルトコンクリート層
に貫入してしまうことが確認された。
【0043】そこで、貫入棒が母体アスファルトコンク
リートの砕石に当たる確率を高めるため貫入棒H及びI
を用いて、表12に示す条件で試験を行った。貫入棒H
は直径0.8mmの3本の貫入棒を1本に束ねたもので
あり、貫入棒Iは直径を1.5mmと太くしたものであ
る。なお、貫入棒Iは貫入抵抗が大きくなるので、電熱
線を取り付けて貫入棒を加熱するようにした。
【0044】
【表12】
【0045】測定結果のグラフを図15及び図16に示
す。グラフからわかるようにこのような貫入棒を使用し
ても母体アスファルトコンクリートの砕石に当たる確率
は30%程度であり、母体アスファルトコンクリート表
面に位置する砕石に当たる確率はもっと低いと考えられ
る。したがって、母体アスファルトコンクリート表面に
当たった時の貫入抵抗の変化から境界面を判断して層厚
を求めることは実用的でないことがわかった。
【0046】以上の結果より、表層と第2層の硬さが極
端に違わないものの表層の厚さを測るためには、表層か
ら第2層の適当な深さまで貫入棒を連続して貫入させ、
その間の貫入抵抗値の変化するポイントを検出して貫入
棒の先端が第2層に達したことを検知するようにすれば
表層の厚さを正確に測定できると考えられる。
【0047】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明に係るア
スファルト混合物の厚さ測定方法は、上記課題を解決す
るため、硬さの異なる2層以上のアスファルト混合物に
より構成したアスファルト構造物に対し、表層より貫入
棒を貫入して第2層に貫入棒の先端が達した後もある程
度の深さ貫入棒の貫入を継続し、貫入抵抗値の変化によ
り貫入棒の先端が第2層に貫入開始したポイントを検出
し(請求項1)、また貫入棒の先端が表層に貫入開始し
たポイントも貫入抵抗値の変化により検出するようにし
(請求項2)、あるいは貫入棒が基準ポイントに達した
ことを識別することにより貫入棒先端が表層に貫入開始
したことを検出し(請求項3)、貫入棒のその間の貫入
量により表層の厚さを測定するようにしたものである。
【0048】そして、前記測定において貫入抵抗値の変
化ポイントをより明確にするために測定開始時又は測定
時に、貫入棒を50℃以上に加熱しておくようにした
(請求項4)ものである。
【0049】また、貫入棒は残留変位を小さくするとと
もに、表層と第2層の硬度の差が小さい場合でも貫入抵
抗値の変化が明確に現れるようにするために、直径0.
6mm〜1.5mmとし、貫入棒の先端の角度は20度
〜50度とした(請求項5)ものである。
【0050】
【発明の実施の形態】次にこの発明に係るアスファルト
混合物の厚さ測定方法及び測定結果について説明する。
測定装置としては、基本的には図8に示す形式である
が、ステッピングモータ13により1ステップごとに貫
入棒1を強制的に貫入させる変位制御とし、貫入棒1の
軸方向に貫入棒1と独立して上下動可能で且つ保護層に
は貫入しない形状とした外筒18を設け、貫入棒1と外
筒18の先端を一致させた状態で保護層表面に降下さ
せ、外筒18と貫入棒1の相対変位が生じた点をゼロ点
とし、その相対変位量を貫入量とするようにした。
【0051】また、使用する貫入棒は前記した試験結果
に基づき、比較的好ましい形状で貫入抵抗値が変化して
いる図12に示す貫入棒EとIを用いることとする。な
お、貫入棒の形状は測定対象の硬度や表層と第2層の硬
度差等により適宜選択できるものであり、必ずしもEや
Iの形状に限定されるものではない。試験条件は表13
に示す。
【0052】
【表13】
【0053】次に、表13に示す試験条件によって測定
試験を行った結果を表14,表15及び表16に示す。
供試体としては前記試験で使用したものと同様な条件で
作成した「アスファルトモルタル+アスファルトマスチ
ック」を使用した。また、本測定結果とリニアゲージに
よる測定結果の差と試験温度の関係を図18に示す。本
試験では貫入抵抗の変化から境界面を判断するため、図
17に示すように2本の接線を引き、その交点Aからデ
ィスプレイ上で定規を用いて曲線に垂線を引きその交点
Bを貫入抵抗値の変化するポイントとし、その時の変位
量を貫入量とし保護層の層厚とした。
【0054】
【表14】
【0055】
【表15】
【0056】
【表16】
【0057】表14〜表16及び図18よりわかるよう
に、貫入棒Eはリニアゲージとの差が0付近を中心とし
て分布しているのに対し、貫入棒Iは全てマイナスの範
囲であり、その差も貫入棒Eより大きい。これは貫入棒
Iの形状特性によって残留変位が生じたためである。そ
して、軸径が太い場合には加熱しても残留変位の軽減に
はならないこともわかった。したがって、本測定対象の
場合には貫入棒Eの形状が適切であることがわかった。
但し、測定対象によっては貫入棒Iが有効な場合がある
のは上記したとおりである。
【0058】一方、貫入棒Eを使用した場合、表15,
表16及び図19に示すように供試体温度が15℃以下
であると貫入抵抗を示す勾配の差が小さく、アスファル
トマスチック層とアスファルトモルタル層の境界を判断
することが困難になることがわかる。この場合でも、貫
入棒を加熱(約70℃)しておくと、供試体温度が10
℃でもその勾配の判別ができることがわかった。したが
って、供試体の温度が低い場合は、貫入棒を適当に加熱
(約50℃以上)しておいた方が、アスファルトマスチ
ック層とアスファルトモルタル層の境界を判別しやすく
なる。
【0059】なお、図20〜図25は貫入棒Eを使用し
た測定結果を示すグラフである。
【0060】上記結果より、測定の精度を高めるために
は、測定時の検体の温度が15℃以下の場合や貫入棒が
太い(1.0mm以上)場合は、貫入棒を50℃以上に
加熱しておくのが望ましい。また貫入棒は図4及び図1
2に示す各種形状の貫入棒を試験した結果、直径0.6
mm〜1.5mmとし、貫入棒の先端の角度は20度〜
50度にしておくと、貫入抵抗値の変化点が明確になる
ことがわかる。なお、上記試験で使用した貫入棒Eは温
度70℃、直径0.9mm、先端の角度30.39度で
ある。但し、これらの条件は検査を行う検体の硬さ等に
より多少変化するものである。
【0061】なお、測定装置としては本実施例で用いた
ものに限定されず、測定対象によっては上記手法1にお
いて用いたような測定装置も使用可能である。
【0062】また、その他の形状の貫入棒を用いた場合
においても、貫入棒を第2層のある程度の深さまで貫入
させることにより、貫入棒の貫入を第2層に到達した時
点でやめてしまう場合と比べて、貫入抵抗値の変化点を
見いだすことにより第2層に貫入棒が達したポイントの
判断が容易となる。
【0063】なお、上記実施例はダムの遮水壁の測定を
する場合について説明したが、その他のアスファルト系
構造物の測定についても同様に適用可能であり、道路の
表層の上に摩耗や滑りを防止するために塗布してあるシ
ンカーペットの厚さの測定等にも適するものである。
【0064】
【発明の効果】前記のようにこの発明に係るアスファル
ト混合物の厚さ測定方法によれば、硬さの異なる2層以
上のアスファルト混合物により構成したアスファルト構
造物に対し、表層より貫入棒を貫入して第2層に貫入棒
の先端が達した後もある程度の深さまで貫入棒の貫入を
継続し、貫入抵抗値の変化により貫入棒の先端が第2層
に貫入開始したポイントを検出し、また貫入棒の先端が
表層に貫入開始したポイントも貫入抵抗値の変化により
検出するようにし、あるいは貫入棒が基準ポイントに達
したことを識別することにより貫入棒先端が表層に貫入
開始したことを検出し、貫入棒のその間の貫入量により
表層の厚さを測定するようにしたので、貫入棒の先端が
第2層に貫入したポイントを容易に検出することがで
き、したがって正確な測定を行うことができる。
【0065】また、測定開始時又は測定時に、貫入棒を
50℃以上に加熱したり、加えて貫入棒の直径を0.6
mm〜1.5mmとし、貫入棒の先端の角度は20度〜
50度とすると、残留変位を小さくすることができると
ともに、貫入棒を程よい大きさの力で貫入させることが
できるので、表層と第2層の硬度の差が微少の場合に
も、貫入抵抗値の変化により貫入棒の先端が第2層に貫
入したポイントを正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】手法1で使用した測定装置の説明図である。
【図2】手法1による測定結果を示すグラフである。
【図3】手法1による経過時間と貫入量及び貫入抵抗の
一例を示すグラフである。
【図4】手法1で使用した貫入棒の形状を示す正面図で
ある。
【図5】図4に示す貫入棒を使用して測定した結果を示
すグラフである。
【図6】図4に示す貫入棒を使用して測定した結果を示
すグラフである。
【図7】図4に示す貫入棒を使用して測定した結果を示
すグラフである。
【図8】手法1の改良した測定装置の説明図である。
【図9】図8の測定装置を使用して測定した結果を示す
グラフである。
【図10】図8の測定装置を使用して測定した結果を示
すグラフである。
【図11】貫入抵抗の変化を読み取る方式でNo.8の
貫入棒を使用して測定した結果を示すグラフである。
【図12】改良した貫入棒の形状を示す正面図である。
【図13】アスファルトコンクリートに貫入棒を貫入さ
せた結果を示すグラフである。
【図14】アスファルトコンクリートに貫入棒を貫入さ
せた結果を示すグラフである。
【図15】貫入棒Hを使用して測定した結果を示すグラ
フである。
【図16】貫入棒Iを使用して測定した結果を示すグラ
フである。
【図17】測定グラフよりアスファルトマスチック層の
層厚を測定する方法を示す図である。
【図18】貫入棒EとIを使用して測定した場合のリニ
アゲージとの差と試験温度の関係を示すグラフである。
【図19】貫入棒Eを使用して測定した場合の貫入棒の
加熱の有無による貫入抵抗の変化を示すグラフである。
【図20】本発明の方法により貫入棒Eを使用して測定
した結果を示すグラフである。
【図21】本発明の方法により貫入棒Eを使用して測定
した結果を示すグラフである。
【図22】本発明の方法により貫入棒Eを使用して測定
した結果を示すグラフである。
【図23】本発明の方法により貫入棒Eを使用して測定
した結果を示すグラフである。
【図24】本発明の方法により貫入棒Eを使用して測定
した結果を示すグラフである。
【図25】本発明の方法により貫入棒Eを使用して測定
した結果を示すグラフである。
【符号の説明】 1 貫入棒 2 シリンダ 3 ロードセル 4 重錘 5 変位センサ 6 供試体 7 電熱線 8 電極 9 センサアンプ 10 パソコン 11 鉄板 12 送りねじ 13 ステッピングモータ 14 支柱 15 ガイドレール 16 移動アーム 17 コントローラ 18 外筒
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 宮 洋光 埼玉県大宮市深作1−24−25 (72)発明者 岡藤 博国 埼玉県上尾市錦町7−5サンライズ錦203

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬さの異なる2層以上のアスファルト混
    合物により構成したアスファルト構造物に対し、表層よ
    り貫入棒を貫入して第2層に貫入棒の先端が達した後も
    ある程度の深さ貫入棒の貫入を継続し、貫入抵抗値の変
    化により貫入棒の先端が第2層に貫入開始したポイント
    を検出し、貫入棒のその間の貫入量により表層の厚さを
    測定するようにしたことを特徴とするアスファルト混合
    物の厚さ測定方法。
  2. 【請求項2】 硬さの異なる2層以上のアスファルト混
    合物により構成したアスファルト構造物に対し、表層よ
    り貫入棒を貫入して第2層に貫入棒の先端が達した後も
    ある程度の深さ貫入棒の貫入を継続し、貫入抵抗値の変
    化により貫入棒の先端が表層に貫入開始したポイント及
    び貫入棒の先端が第2層に貫入開始したポイントを検出
    し、貫入棒のその間の貫入量により表層の厚さを測定す
    るようにしたことを特徴とするアスファルト混合物の厚
    さ測定方法。
  3. 【請求項3】 硬さの異なる2層以上のアスファルト混
    合物により構成したアスファルト構造物に対し、表層よ
    り貫入棒を貫入して第2層に貫入棒の先端が達した後も
    ある程度の深さ貫入棒の貫入を継続し、貫入抵抗値の変
    化により貫入棒の先端が第2層に貫入開始したポイント
    を検出するとともに、貫入棒が基準ポイントに達したこ
    とを識別することにより貫入棒先端が表層に貫入開始し
    たことを検出し、貫入棒のその間の貫入量により表層の
    厚さを測定するようにしたことを特徴とするアスファル
    ト混合物の厚さ測定方法。
  4. 【請求項4】 測定開始時又は測定時に、貫入棒を50
    ℃以上に加熱しておくようにした請求項1,請求項2又
    は請求項3記載のアスファルト混合物の厚さ測定方法。
  5. 【請求項5】 貫入棒は、直径0.6mm〜1.5mm
    とし、貫入棒の先端の角度は20度〜50度とした請求
    項1,請求項2,請求項3又は請求項4記載のアスファ
    ルト混合物の厚さ測定方法。
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