JPH10139414A - プラズマ式溶解装置及びそれを用いた導電性物質の溶解方法 - Google Patents
プラズマ式溶解装置及びそれを用いた導電性物質の溶解方法Info
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- JPH10139414A JPH10139414A JP29004096A JP29004096A JPH10139414A JP H10139414 A JPH10139414 A JP H10139414A JP 29004096 A JP29004096 A JP 29004096A JP 29004096 A JP29004096 A JP 29004096A JP H10139414 A JPH10139414 A JP H10139414A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、導電性を有する高融点物質を低電力
で且つ強撹拌で溶解し、短時間のうちに成分偏析の少な
い均一なインゴットを得ることの可能なプラズマ式溶解
装置及びこの装置を用いた導電性物質の溶解方法を提供
することを目的としている。 【解決手段】溶解対象の導電性物質を保持する非導電性
容器と、プラズマ・トーチと、プラズマ・トーチから噴
射されるガスに電圧を印加してアーク及びガス流を発生
させる電気回路とからなるプラズマ式溶解装置におい
て、1本のプラズマ・トーチを共用して独立した2つの
直流電源を並列に接続すると共に、該直流電源の一方を
移行型プラズマ電源、他方を非移行型プラズマ電源とし
た。
で且つ強撹拌で溶解し、短時間のうちに成分偏析の少な
い均一なインゴットを得ることの可能なプラズマ式溶解
装置及びこの装置を用いた導電性物質の溶解方法を提供
することを目的としている。 【解決手段】溶解対象の導電性物質を保持する非導電性
容器と、プラズマ・トーチと、プラズマ・トーチから噴
射されるガスに電圧を印加してアーク及びガス流を発生
させる電気回路とからなるプラズマ式溶解装置におい
て、1本のプラズマ・トーチを共用して独立した2つの
直流電源を並列に接続すると共に、該直流電源の一方を
移行型プラズマ電源、他方を非移行型プラズマ電源とし
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ式溶解装
置及び導電性物質の溶解方法に関し、特に、金属シリコ
ンのような導電性のある高融点物質を低コストで迅速に
溶解する技術に係わる。
置及び導電性物質の溶解方法に関し、特に、金属シリコ
ンのような導電性のある高融点物質を低コストで迅速に
溶解する技術に係わる。
【0002】
【従来の技術】例えば、金属シリコンのような導電性を
有する高融点物質の溶解には、これら物質を銅製の水冷
容器(以下、水冷銅容器という)内に保持し、その表面
に電子ビームを照射したり、あるいは移行型(アーク及
びガス流が被加熱物に当たる)の熱プラズマ・アークで
加熱する方法が一般的である。
有する高融点物質の溶解には、これら物質を銅製の水冷
容器(以下、水冷銅容器という)内に保持し、その表面
に電子ビームを照射したり、あるいは移行型(アーク及
びガス流が被加熱物に当たる)の熱プラズマ・アークで
加熱する方法が一般的である。
【0003】しかしながら、これらの溶解方法は、溶湯
の撹拌があまり強力でないので、溶解後に溶湯を鋳造し
ても、成分偏析の少ない均一な鋳塊(インゴット)を得
ることが期待できない。また、溶湯の撹拌に電磁力等を
利用した強制撹拌手段を併用すると、磁場の影響で電子
ビームやプラズマ・アークの方向性に乱れが生じるの
で、熱対流に依存した緩やかな撹拌を時間をかけて行っ
ているのが現状である。したがって、溶湯を容器に保持
する時間が長く、抜熱速度が速い水冷銅容器への熱量放
出が多くなり不経済なので、チタンやニオブといった比
較的高価な材料の溶解にしか使用されていない。
の撹拌があまり強力でないので、溶解後に溶湯を鋳造し
ても、成分偏析の少ない均一な鋳塊(インゴット)を得
ることが期待できない。また、溶湯の撹拌に電磁力等を
利用した強制撹拌手段を併用すると、磁場の影響で電子
ビームやプラズマ・アークの方向性に乱れが生じるの
で、熱対流に依存した緩やかな撹拌を時間をかけて行っ
ているのが現状である。したがって、溶湯を容器に保持
する時間が長く、抜熱速度が速い水冷銅容器への熱量放
出が多くなり不経済なので、チタンやニオブといった比
較的高価な材料の溶解にしか使用されていない。
【0004】一方、導電性を有しないアルミナやセラミ
ックス等の高融点物質の溶解には、非移行型(アークが
トーチ内のみで発生し、加熱は高温のガス流で行う)の
熱プラズマ溶解法が用いられる。この方法では、プラズ
マ・ガス流の溶湯撹拌力は大きいが、プラズマ・ガス流
の熱効率が上記した移行型に比べて1/3程度と低い。
従って、この方法を導電性を有する高融点物質の溶解に
用いると、電力コストが嵩むので、これも高価な材料に
限って使用されているのが現状である。さらに、溶解中
に、溶湯に酸化性あるいは還元性ガスを付与して該溶湯
の改質を行う場合、酸化あるいは還元反応が溶湯の表面
での反応が主体となる。そのため、溶湯の撹拌が弱い
と、反応時間が長くなり、結局、電力コストが高いもの
となる。
ックス等の高融点物質の溶解には、非移行型(アークが
トーチ内のみで発生し、加熱は高温のガス流で行う)の
熱プラズマ溶解法が用いられる。この方法では、プラズ
マ・ガス流の溶湯撹拌力は大きいが、プラズマ・ガス流
の熱効率が上記した移行型に比べて1/3程度と低い。
従って、この方法を導電性を有する高融点物質の溶解に
用いると、電力コストが嵩むので、これも高価な材料に
限って使用されているのが現状である。さらに、溶解中
に、溶湯に酸化性あるいは還元性ガスを付与して該溶湯
の改質を行う場合、酸化あるいは還元反応が溶湯の表面
での反応が主体となる。そのため、溶湯の撹拌が弱い
と、反応時間が長くなり、結局、電力コストが高いもの
となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を鑑み、導電性を有する高融点物質を低電力で且つ強撹
拌で溶解し、短時間のうちに成分偏析の少ない均一なイ
ンゴットを得ることの可能なプラズマ式溶解装置及びこ
の装置を用いた導電性物質の溶解方法を提供することを
目的としている。
を鑑み、導電性を有する高融点物質を低電力で且つ強撹
拌で溶解し、短時間のうちに成分偏析の少ない均一なイ
ンゴットを得ることの可能なプラズマ式溶解装置及びこ
の装置を用いた導電性物質の溶解方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、前記した移行型及び非移行型プラズマ溶解
法(以下、プラズマを省略)の長所と短所を、以下のよ
うに整理した。つまり、移行型溶解法は、プラズマ・ア
ークと共に流れるプラズマ・ガスの流速が非移行型溶解
法に比べて遅いので、ガスによって湯面に形成される凹
状部分が浅く、溶湯はあまり撹拌されない。しかし、ア
ークは、直接、湯面上に形成されるので、その熱効率
は、非移行型溶解法より3倍程度高い。一方、非移行型
溶解法は、ガスが高速のため、溶湯を撹拌する力が大き
い。
成するため、前記した移行型及び非移行型プラズマ溶解
法(以下、プラズマを省略)の長所と短所を、以下のよ
うに整理した。つまり、移行型溶解法は、プラズマ・ア
ークと共に流れるプラズマ・ガスの流速が非移行型溶解
法に比べて遅いので、ガスによって湯面に形成される凹
状部分が浅く、溶湯はあまり撹拌されない。しかし、ア
ークは、直接、湯面上に形成されるので、その熱効率
は、非移行型溶解法より3倍程度高い。一方、非移行型
溶解法は、ガスが高速のため、溶湯を撹拌する力が大き
い。
【0007】そこで、発明者は、それぞれの長所を生か
せば、もっと効率良い加熱、溶解ができると考えた。そ
して、導電性を有する高融点物質の加熱時あるいは溶解
時に、移行型と非移行型のプラズマ電源を、重畳して使
用することを着想し、本発明を完成させた。すなわち、
本発明は、溶解対象の導電性物質を保持する非導電性容
器と、プラズマ・トーチと、プラズマ・トーチから噴射
されるガスに電圧を印加してアークやガス流を発生させ
る電気回路とからなるプラズマ式溶解装置において、1
本のプラズマ・トーチを共用して独立した2つの直流電
源を並列に接続すると共に、該直流電源の一方を移行型
プラズマ電源、他方を非移行型プラズマ電源としてなる
ことを特徴とするプラズマ式溶解装置である。
せば、もっと効率良い加熱、溶解ができると考えた。そ
して、導電性を有する高融点物質の加熱時あるいは溶解
時に、移行型と非移行型のプラズマ電源を、重畳して使
用することを着想し、本発明を完成させた。すなわち、
本発明は、溶解対象の導電性物質を保持する非導電性容
器と、プラズマ・トーチと、プラズマ・トーチから噴射
されるガスに電圧を印加してアークやガス流を発生させ
る電気回路とからなるプラズマ式溶解装置において、1
本のプラズマ・トーチを共用して独立した2つの直流電
源を並列に接続すると共に、該直流電源の一方を移行型
プラズマ電源、他方を非移行型プラズマ電源としてなる
ことを特徴とするプラズマ式溶解装置である。
【0008】また、本発明は、上記非導電性容器に、別
途、溶解した導電性物質を凝固させる容器を備えたこと
を特徴とするプラズマ式溶解装置である。さらに、本発
明は、導電性物質を、プラズマ・アークやガス流で溶解
する方法であって、単一のプラズマ・トーチから、移行
型(低速)と非移行型(高速)の2種類のガス流を重畳
して発生させ、該導電性物質を溶解することを特徴とす
る導電性物質の溶解方法である。
途、溶解した導電性物質を凝固させる容器を備えたこと
を特徴とするプラズマ式溶解装置である。さらに、本発
明は、導電性物質を、プラズマ・アークやガス流で溶解
する方法であって、単一のプラズマ・トーチから、移行
型(低速)と非移行型(高速)の2種類のガス流を重畳
して発生させ、該導電性物質を溶解することを特徴とす
る導電性物質の溶解方法である。
【0009】加えて、本発明は、上記導電性物質を金属
シリコンとすることを特徴とする導電性物質の加熱・溶
解方法でもある。本発明では、導電性物質を加熱・溶解
する装置及び加熱・溶解方法を上記のような構成にした
ので、非移行型溶解法と移行型溶解法との利点が相乗効
果を発揮するようになる。その結果、導電性物質を、例
え高融点であっても、低電力で且つ強撹拌で溶解し、短
時間のうちに成分偏析の少ない均一なインゴットにする
ことが可能になる。
シリコンとすることを特徴とする導電性物質の加熱・溶
解方法でもある。本発明では、導電性物質を加熱・溶解
する装置及び加熱・溶解方法を上記のような構成にした
ので、非移行型溶解法と移行型溶解法との利点が相乗効
果を発揮するようになる。その結果、導電性物質を、例
え高融点であっても、低電力で且つ強撹拌で溶解し、短
時間のうちに成分偏析の少ない均一なインゴットにする
ことが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係るプラズマ式
加熱溶解装置の縦断面を示す。それは、1本のプラズマ
・トーチ1の陰極2を共用して、移行型プラズマ電源3
と非移行型プラズマ電源4を互いに並列になるよう接続
することを基本としている。かかる電気回路を形成する
と、非導電性容器5に保持した被溶解物6は、該非導電
性容器5の底部に配置した陽極7と、上方のプラズマ・
トーチ1の陰極2との間で導通し、トーチ1から噴射さ
れるアーク8及びガス流9で効率良く加熱・溶解される
ことになる。つまり、移行型溶解法の利点が利用され
る。一方、プラズマ・トーチ1は、該トーチ1内の陰極
2と陽極10間でアークを発生し、非移行型の高温、高
速のプラズマ・ガス流を発生する。そのため、被溶解物
6は、該ガス流9によって強力に撹拌され、溶解の迅速
化が図られるようになる。
加熱溶解装置の縦断面を示す。それは、1本のプラズマ
・トーチ1の陰極2を共用して、移行型プラズマ電源3
と非移行型プラズマ電源4を互いに並列になるよう接続
することを基本としている。かかる電気回路を形成する
と、非導電性容器5に保持した被溶解物6は、該非導電
性容器5の底部に配置した陽極7と、上方のプラズマ・
トーチ1の陰極2との間で導通し、トーチ1から噴射さ
れるアーク8及びガス流9で効率良く加熱・溶解される
ことになる。つまり、移行型溶解法の利点が利用され
る。一方、プラズマ・トーチ1は、該トーチ1内の陰極
2と陽極10間でアークを発生し、非移行型の高温、高
速のプラズマ・ガス流を発生する。そのため、被溶解物
6は、該ガス流9によって強力に撹拌され、溶解の迅速
化が図られるようになる。
【0011】なお、図1には、被溶解物の炉内供給手段
(シュート)11及び溶解物の凝固用容器12は記載さ
れているが、プラズマ発生用のガス供給手段は省略して
ある。また、上記非導電性容器5の材質は、被溶解物6
の種類によって適切なものが、選択・使用される。例え
ば、被溶解物6を金属シリコンとした場合には、シリカ
質の容器が好ましい。さらに、図1では、該容器5を水
冷銅容器14又は黒鉛製容器14で保護している状況が
示されている。加えて、該非導電性(シリカ質)容器5
の上部には、溶解物をオーバ・フローさせ、その凝固用
容器12へ移行させる湯道13も設けられている。
(シュート)11及び溶解物の凝固用容器12は記載さ
れているが、プラズマ発生用のガス供給手段は省略して
ある。また、上記非導電性容器5の材質は、被溶解物6
の種類によって適切なものが、選択・使用される。例え
ば、被溶解物6を金属シリコンとした場合には、シリカ
質の容器が好ましい。さらに、図1では、該容器5を水
冷銅容器14又は黒鉛製容器14で保護している状況が
示されている。加えて、該非導電性(シリカ質)容器5
の上部には、溶解物をオーバ・フローさせ、その凝固用
容器12へ移行させる湯道13も設けられている。
【0012】以下、このプラズマ溶解装置で金属シリコ
ン粒子を溶解した例を説明する。
ン粒子を溶解した例を説明する。
【0013】
【実施例】黒鉛製14又は水冷銅容器14で保護したシ
リカ容器5に、被溶解物6として、金属シリコン又は金
属シリコンと半導体用高純度シリコンとを重量比1:1
で混合したシリコンを15kg装入し、本発明に係る溶
解法で溶解した。その際、プラズマ電源としては、移行
型3及び非移行型4共に、100kワットの出力を有す
るものを使用した。プラズマ・ガス流9あるいはアーク
8を発生させるガスとしては、アルゴンを選択し、流量
100リットル/分でトーチに供給した。溶湯表面の8
0%が溶融状態となった後は、その状態を保つように、
粒径5〜20mmの金属シリコン又は上記混合シリコン
を連続的に上記シリカ容器5に供給し、オーバー・フロ
ーした溶湯(溶融シリコン)16を前記凝固用容器12
に受け、固めていった。従って、この供給速度が溶解速
度となる。なお、この間、移行型電源3及び非移行型電
源4の出力電圧は、常時それぞれ ボルトを維
持するように調整した。
リカ容器5に、被溶解物6として、金属シリコン又は金
属シリコンと半導体用高純度シリコンとを重量比1:1
で混合したシリコンを15kg装入し、本発明に係る溶
解法で溶解した。その際、プラズマ電源としては、移行
型3及び非移行型4共に、100kワットの出力を有す
るものを使用した。プラズマ・ガス流9あるいはアーク
8を発生させるガスとしては、アルゴンを選択し、流量
100リットル/分でトーチに供給した。溶湯表面の8
0%が溶融状態となった後は、その状態を保つように、
粒径5〜20mmの金属シリコン又は上記混合シリコン
を連続的に上記シリカ容器5に供給し、オーバー・フロ
ーした溶湯(溶融シリコン)16を前記凝固用容器12
に受け、固めていった。従って、この供給速度が溶解速
度となる。なお、この間、移行型電源3及び非移行型電
源4の出力電圧は、常時それぞれ ボルトを維
持するように調整した。
【0014】一方、本発明の実施効果を確認するため、
従来装置を用いた比較溶解実験も行った。使用装置を、
図2及び3に示す。図2は、移行型溶解法(比較例1)
の装置で、図3は非移行型溶解法(比較例−2)の装置
である。なお、使用したプラズマ・トーチ及び非溶解物
は、本発明の実施例で使用したものと同一物である。そ
して、これらの比較溶解実験の結果を、上記本発明の実
施結果と比較して表1〜3に整理した。
従来装置を用いた比較溶解実験も行った。使用装置を、
図2及び3に示す。図2は、移行型溶解法(比較例1)
の装置で、図3は非移行型溶解法(比較例−2)の装置
である。なお、使用したプラズマ・トーチ及び非溶解物
は、本発明の実施例で使用したものと同一物である。そ
して、これらの比較溶解実験の結果を、上記本発明の実
施結果と比較して表1〜3に整理した。
【0015】表1より、溶解速度は、実施例と比較例1
とでほぼ同等であるが、比較例2では、1/4〜1/3
程度遅くなることが明らかである。また、金属シリコン
と半導体用高純度シリコンとの混合シリコンを溶解して
得たシリコン・インゴット15から試料を多数採取し、
金属不純物元素の分析を行った。その結果は、表2に示
すように、実施例と比較例2の場合が最高値と最低値の
差が少なく、成分偏析の少ないほぼ均一なインゴット1
5になっていることを示した。しかし、比較例1の場合
は、成分偏析が大きく、溶解時の撹拌効果が実施例や比
較例2に比べて劣ていた。
とでほぼ同等であるが、比較例2では、1/4〜1/3
程度遅くなることが明らかである。また、金属シリコン
と半導体用高純度シリコンとの混合シリコンを溶解して
得たシリコン・インゴット15から試料を多数採取し、
金属不純物元素の分析を行った。その結果は、表2に示
すように、実施例と比較例2の場合が最高値と最低値の
差が少なく、成分偏析の少ないほぼ均一なインゴット1
5になっていることを示した。しかし、比較例1の場合
は、成分偏析が大きく、溶解時の撹拌効果が実施例や比
較例2に比べて劣ていた。
【0016】表3には、実施例及び比較例で100時間
操業した後に、使用プラズマ・トーチの電極消費量を調
査した結果を示す。実施例に用いたトーチの電極消耗量
は、比較例に比べ1/5程度となっていた。これは、プ
ラズマ・アークを形成するガスの流速が遅い比較例1
や、トーチ内部だけでアークを発生させてガス加熱する
比較例2に比べ、本発明によれば、該電極の寿命が大幅
に改善されることを示唆するものである。
操業した後に、使用プラズマ・トーチの電極消費量を調
査した結果を示す。実施例に用いたトーチの電極消耗量
は、比較例に比べ1/5程度となっていた。これは、プ
ラズマ・アークを形成するガスの流速が遅い比較例1
や、トーチ内部だけでアークを発生させてガス加熱する
比較例2に比べ、本発明によれば、該電極の寿命が大幅
に改善されることを示唆するものである。
【0017】なお、ここで説明した実施例は、被溶解物
を金属シリコンや半導体用高純度シリコンとしたが、本
発明に係る溶解装置及び方法は、これに限るものではな
く、チタンやニオブといった比較的高価な高融点金属材
料や比抵抗率1Ωcm以下の弱い導電性のある高融点材
料の溶解に用いても良い。
を金属シリコンや半導体用高純度シリコンとしたが、本
発明に係る溶解装置及び方法は、これに限るものではな
く、チタンやニオブといった比較的高価な高融点金属材
料や比抵抗率1Ωcm以下の弱い導電性のある高融点材
料の溶解に用いても良い。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、導電
性の高融点物質が効率良く溶解できるようになる。ま
た、溶湯の撹拌力が強化されたので、成分のバラツキが
大きい物質を溶解しても、偏析の少ない均一な組成のイ
ンゴットが得られるようになる。さらに、本発明では、
非移行型電源の使用でプラズマ・トーチ内での高温ガス
の対流時間を短くできるため、移行型電源で発生させる
プラズマ・アークから放出される熱を、移行型電源のみ
を使用した場合より速くトーチの外に放出できるので、
トーチ電極の消耗量が大幅に低減できる。
性の高融点物質が効率良く溶解できるようになる。ま
た、溶湯の撹拌力が強化されたので、成分のバラツキが
大きい物質を溶解しても、偏析の少ない均一な組成のイ
ンゴットが得られるようになる。さらに、本発明では、
非移行型電源の使用でプラズマ・トーチ内での高温ガス
の対流時間を短くできるため、移行型電源で発生させる
プラズマ・アークから放出される熱を、移行型電源のみ
を使用した場合より速くトーチの外に放出できるので、
トーチ電極の消耗量が大幅に低減できる。
【図1】本発明に係るプラズマ式溶解装置の縦断面図で
ある。
ある。
【図2】従来の移行型溶解法を示す図である。
【図3】従来の非移行型溶解法を示す図である。
1 プラズマ・トーチ(トーチ) 2 トーチ内の陰極 3 移行型プラズマ電源 4 非移行型プラズマ電源 5 非導電性(シリカ)容器 6 被溶解物(金属シリコン) 7 5の炉底に配置した陽極 8 プラズマ・アーク 9 プラズマ・ガス流 10 トーチの陽極 11 被溶解物の供給手段 12 凝固用容器 13 湯道(オーバ・フロー通路) 14 保護容器(黒鉛製又は水冷銅容器) 15 インゴット 16 溶湯(溶融シリコン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久能 勝己 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内 (72)発明者 安川 清 千葉市中央区川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 溶解対象の導電性物質を保持する非導電
性容器と、プラズマ・トーチと、プラズマ・トーチから
噴射されるガスに電圧を印加してアーク及びガス流を発
生させる電気回路とからなるプラズマ式溶解装置におい
て、 1本のプラズマ・トーチを共用して独立した2つの直流
電源を並列に接続すると共に、該直流電源の一方を移行
型プラズマ電源、他方を非移行型プラズマ電源としてな
ることを特徴とするプラズマ式溶解装置。 - 【請求項2】 別途、溶解した導電性物質を凝固させる
容器を備えたことを特徴とする請求項1記載のプラズマ
式溶解装置。 - 【請求項3】 導電性物質を、プラズマ・アークやプラ
ズマ・ガス流で溶解する方法であって、 単一のプラズマ・トーチから、移行型と非移行型の2種
類のガス流を重畳して発生させ、該導電性物質を溶解す
ることを特徴とする導電性物質の溶解方法。 - 【請求項4】上記導電性物質を金属シリコンとすること
を特徴とする請求項3記載の導電性物質の溶解方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29004096A JPH10139414A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | プラズマ式溶解装置及びそれを用いた導電性物質の溶解方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29004096A JPH10139414A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | プラズマ式溶解装置及びそれを用いた導電性物質の溶解方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10139414A true JPH10139414A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=17751011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29004096A Withdrawn JPH10139414A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | プラズマ式溶解装置及びそれを用いた導電性物質の溶解方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10139414A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009115326A (ja) * | 2007-11-01 | 2009-05-28 | Sharp Corp | プラズマ溶融装置、プラズマ溶融方法および坩堝 |
-
1996
- 1996-10-31 JP JP29004096A patent/JPH10139414A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009115326A (ja) * | 2007-11-01 | 2009-05-28 | Sharp Corp | プラズマ溶融装置、プラズマ溶融方法および坩堝 |
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