JPH101389A - 自動酸化物結晶製造方法及び装置 - Google Patents

自動酸化物結晶製造方法及び装置

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JPH101389A
JPH101389A JP15703096A JP15703096A JPH101389A JP H101389 A JPH101389 A JP H101389A JP 15703096 A JP15703096 A JP 15703096A JP 15703096 A JP15703096 A JP 15703096A JP H101389 A JPH101389 A JP H101389A
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JP
Japan
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crystal
oxide
oxide crystal
logic
liquid phase
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JP15703096A
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English (en)
Inventor
Masahiro Egami
雅裕 江上
Toru Shiobara
融 塩原
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KOKUSAI CHODENDO SANGYO GIJUTSU KENKYU CENTER
IHI Corp
Original Assignee
KOKUSAI CHODENDO SANGYO GIJUTSU KENKYU CENTER
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引き上げ方式の製造工程を自動制御で行う酸
化物結晶もしくは酸化物超電導体結晶の製造方法及び装
置を提供する。 【解決手段】 酸化物結晶の結晶成長において、結晶構
成元素を液相に補給する組成が、酸化物結晶と異なる固
相を、結晶を成長させる位置から離れた所に内包した少
なくとも結晶構成元素からなり、組成が酸化物結晶と異
なる液相を用い、固相及び液相とも異なる組成の結晶を
成長させる酸化物結晶製造方法であって、結晶構成元素
を液相に補給する組成が、酸化物結晶と異なる固相を、
結晶を成長させる位置から離れた所に内包した少なくと
も結晶構成元素からなり、組成が酸化物結晶と異なる液
相を用い、種結晶、該種結晶の回転速度及び回転方向、
炉内雰囲気をそれぞれ自動的に制御して、固相及び液相
とも異なる組成の結晶を成長させる自動酸化物結晶製造
方法及び装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動酸化物結晶製
造方法及び装置に関し、特に、引き上げ法による自動酸
化物超電導体単結晶製造方法及び装置に適用して有効な
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、酸化物結晶の作製方法として、例
えば、特開平6−122588号公報に記載されるよう
に、種結晶に単結晶を使用し、この結晶軸の向きを制御
することにより、特定の軸方向に成長した酸化物結晶を
成長させる引き上げ法によるY系123構造の単結晶を
作製する方法がある。
【0003】この作製方法によれば、引き上げの初期段
階では方位の異なった面を有する結晶が生じやすいが、
この場合は、所望の面を有する結晶を残して、他の結晶
を削除することにより、特定の結晶面を選択的に成長さ
せることができる。
【0004】すなわち、酸化物結晶の結晶成長におい
て、結晶構成元素を液相に補給する組成が、酸化物結晶
と異なる固相を、結晶を成長させる位置から離れた所に
内包した少なくとも結晶構成元素からなり、種結晶、種
結晶の回転速度及び回転方向、炉内雰囲気をそれぞれ制
御して、組成が酸化物結晶と異なる液相を用い、固相及
び液相とも異なる組成の結晶を成長させることにより、
大きい酸化物多結晶又は単結晶を作製することができ
る。これにより、Y系123構造を有する結晶を連続的
に作製することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
の技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0006】酸化物超電導体を電子デバイスなどに応用
するためには、1インチクラスの良質な単結晶が必要と
される。ここで必要となるのは良質な結晶育成技術と結
晶径や形状の制御技術である。酸化物超電導体は異方性
が強く、丸形の引き上げ結晶を育成することは従来困難
であった。
【0007】本発明の目的は、引き上げ方式の製造工程
を自動制御で行う酸化物結晶もしくは酸化物超電導体結
晶の製造方法及び装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、引き上げ方式による
酸化物結晶もしくは酸化物超電導体結晶の製造方法及び
装置において、酸化物結晶もしくは酸化物超電導体結晶
の形状を自動制御により丸形結晶を育成することが可能
な技術を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、良質で均一な酸化物
結晶もしくは酸化物超電導体結晶を再現性よく製造する
ことが可能な技術を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、異なる酸素雰囲気
中、あるいは、異なる組成の酸化物超電導材料におい
て、目標とする大きさの単結晶を育成することが可能な
技術を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、目標径との差をもと
に液表面温度を変化させることにより、結晶径を制御す
ることが可能な技術を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、軸回転数を制御する
ことにより、溶液の対流状態を制御することが可能な技
術を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、結晶成長速度で軸を
引き上げることにより、定常成長させることが可能な技
術を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、結晶成長界面温度を
推定することにより、品質管理が可能な技術を提供する
ことある。
【0015】本発明の他の目的は、結晶と溶液が分離し
ないように引き上げ速度を調整することができるので、
長時間の連続成長が可能な技術を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、結晶と溶液の分離接
触を検出することにより、実験開始の自動化や万一結晶
が液から離れても、自動的に再接触と実験再開を自動的
に行うことが可能な技術を提供することにある。
【0017】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
にする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以
下のとおりである。
【0019】(1)酸化物結晶の結晶成長において、結
晶構成元素を液相に補給する組成が、酸化物結晶と異な
る固相を、結晶を成長させる位置から離れた所に内包し
た少なくとも結晶構成元素からなり、組成が酸化物結晶
と異なる液相を用い、固相及び液相とも異なる組成の結
晶を成長させる酸化物結晶製造方法であって、結晶構成
元素を液相に補給する組成が、酸化物結晶と異なる固相
を、結晶を成長させる位置から離れた所に内包した少な
くとも結晶構成元素からなり、組成が酸化物結晶と異な
る液相を用い、種結晶、該種結晶の回転速度及び回転方
向、炉内雰囲気をそれぞれ自動的に制御して、固相及び
液相とも異なる組成の結晶を成長させる自動酸化物結晶
製造方法である。
【0020】(2)前記(1)の自動酸化物結晶製造方
法において、前記種結晶を溶液表面に接触させ、前記種
結晶を回転させながら上方に引き上げる工程と、溶液表
面温度の制御によりロードセル信号を解析し、目標径か
らの偏差を最小にするように行う工程とを有し、前記引
き上げ速度は、過冷度、軸回転数、酸素濃度からc軸方
向の成長速度を推定し、液面低下速度で補正し決定し、
前記回転数は数値計算結果を利用し、グラショフ数や結
晶径から自然対流、強制対流の合流点を一定にするよう
決定するものである。
【0021】(3)前記(1)又は(2)の自動酸化物
結晶製造方法において、前記酸化物結晶が超電導体であ
る。
【0022】(4)前記(1)乃至(3)のうちいずれ
か1つの自動酸化物結晶製造方法において、前記酸化物
結晶がY系123構造を有するものである。
【0023】(5)前記(1)乃至(4)のうちいずれ
か1つの自動酸化物結晶製造方法において、前記固相
は、Y系211構造を有する酸化物である。
【0024】(6)前記(1)乃至(5)のうちいずれ
か1つの自動酸化物結晶製造方法において、前記液相に
対して耐蝕性を有する固体であるSmBa2Cu37-x相の
棒、マグネシア単結晶棒、YBa2Cu37-x相の棒、
のうち少なくとも1つである。
【0025】(7)前記(1)乃至(6)のうちいずれ
か1つの自動酸化物結晶製造方法において、前記種結晶
の回転速度は、ロードセルによってモニターされた結晶
の重量変化に従って調節するものである。
【0026】(8)前記(1)乃至(7)のうちいずれ
か1つの自動酸化物結晶製造方法において、前記結晶を
成長させる温度は、前記結晶が安定に存在する温度以下
に保持するものである。
【0027】(9)前記(1)乃至(7)のうちいずれ
か1つの自動酸化物結晶製造方法において、炉内の雰囲
気制御により正方晶を得るものである。
【0028】(10)酸化物結晶の結晶成長において、
結晶構成元素を液相に補給する組成が、酸化物結晶と異
なる固相を、結晶を成長させる位置から離れた所に内包
した少なくとも結晶構成元素からなり、組成が酸化物結
晶と異なる液相を用い、固相及び液相とも異なる組成の
結晶を成長させる自酸化物結晶製造装置であって、種結
晶を溶液表面に接触させる手段と、該種結晶を回転させ
ながら上方に引き上げる手段と、溶液表面温度を検出す
る溶液表面温度検出手段と、該溶液表面温度検出手段の
出力からロードセル信号を解析し、目標径からの偏差を
最小にするように引き上げ速度を制御する引き上げ速度
制御手段とを備えるものである。
【0029】(11)前記(10)の自動酸化物結晶製
造装置において、前記引き上げ速度制御手段は、引き上
げ速度を過冷度、軸回転数、酸素濃度からc軸方向の成
長速度を推定し、液面低下速度で補正して決定する手段
を有するものである。
【0030】(12)前記(10)又は(11)の自動
酸化物結晶製造装置において、前記引き上げ速度制御手
段は、前記種結晶の回転数を、数値計算結果を利用し、
グラショフ数や結晶径から自然対流、強制対流の合流点
を一定にするよう決定する手段を有するものである。
【0031】前述した手段によれば、以下の作用効果を
奏する。
【0032】(イ)異なる酸素雰囲気中、あるいは、異
なる組成の酸化物超電導材料において、目標とする大き
さの単結晶を育成することができる。
【0033】(ロ)目標径との差をもとに液表面温度を
変化させることにより、結晶径を制御することができ
る。
【0034】(ハ)軸回転数を制御することにより、溶
液の対流状態を制御することができる。
【0035】(ニ)結晶成長速度で軸を引き上げること
により、定常成長させることができる。
【0036】(ホ)結晶成長界面温度を推定することに
より、成長モードを管理することができるので、品質管
理が可能となる。
【0037】(ヘ)結晶と溶液が分離しないように引き
上げ速度を調整することができるので、長時間の連続成
長が可能となる。
【0038】(ト)結晶と溶液の分離接触を検出するこ
とにより、実験開始の自動化や万一結晶が液から離れて
も、自動的に再接触と実験再開を自動的に行うことがで
きる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例を詳細に説明する。
【0040】(実施形態1)図1は本発明の実施形態1
の大型単結晶引き上げ装置の概略構成を示す模式図であ
り、1はるつぼ(例えば内径100mm、高さ100mmの
イットリアるつぼ)、2は固相(例えばY2BaCuO5
の沈澱)、3は融液(例えばBaO-CuO融液)、4
は成長結晶(例えばYBa2Cu37-xの結晶)、5は
種結晶(例えばSmBa2Cu37-x相の種棒)、6は
白金サセプター、7はヒーター(例えば高周波誘導コイ
ル)、8はチャンバー、9はロードセル、10は温度セ
ンサ、11はコンピュータからなる制御装置である。
【0041】本実施形態1の大型単結晶引き上げ装置に
よるY系123結晶の作製方法の概要は、図1に示すよ
うに、るつぼ1内に固相(例えばY2BaCuO5の沈
澱)2を1重量部下部に入れ、BaとCuのモル比が
3:5となるように炭酸バリウムと酸化銅を混合し、8
80℃で40時間仮焼した後の物質を、融液(例えばB
aO-CuO融液)3の前駆物質として4重量部上部に
入れる。
【0042】この試料が入ったるつぼ1を、白金サセプ
ター6の内部に置きヒータ(高周波誘導コイル)7によ
り白金サセプター6を加熱することにより、約1000
℃に加熱し、るつぼ1内の状態を、融液(例えばBaO
-CuO融液)3の下部に固相であるY2BaCuO5
沈澱している状態とする。このとき、るつぼ1の上下方
向に上部になるほど温度が低くなるように0〜30℃の
温度勾配をつけた。
【0043】次に、るつぼ1の下部にY2BaCuO5
沈澱している状態を保ったまま、融液(例えばBaO-
CuO融液)3の表面の温度を1010℃から960℃
の間の温度に保つ。前記の例は大気中(酸素濃度20
%)での温度であり、濃度が変化した場合は温度を変え
る。
【0044】次に、溶融凝固法により作製したSmBa
2Cu37-x相の種棒5を毎分0〜200回転で回転さ
せながら、上方向に毎時0〜0.2mmの速さで引き上げ
ることによって、Y系123結晶を上下方向に連続的に
成長させることができる。
【0045】本実施形態1の大型単結晶引き上げ装置に
よるY系123結晶の作製方法は、前記引き上げる工程
を制御装置11により自動的に行うものである。
【0046】次に、制御装置11による自動制御ロジッ
クの概念について説明する。
【0047】図2は本実施形態1の自動制御ロジックの
概略構成を示すブロック構成図であり、201は目標ロ
ードセル値作製ロジック、202はロードセルから結晶
経エラーを算出するロジック、203は目標過冷度作製
マップ、204はヒータ制御用伝達関数(アンチワイン
ドアップ)、205はオフセット表面温度決定及び表面
温度推定ロジック、206はるつぼ下温度決定ロジッ
ク、207はヒータ制御用伝達関数アンチワインドアッ
プ、208は目標回転数決定ロジック、209は結晶・
溶液接触分離検出及び丸形結晶育成用初期結晶位置制御
ロジック、210は液面低下速度検出ロジック、211
結晶径増加監視ロジック、212は結晶・融液離れ防止
ロジック、213はC軸方向結晶成長速度推定及び引き
上げ速度決定ロジック、214は切り換えスイッチ、2
15・1〜215・5はヒーター、216〜218は伝
達関数非干渉制御、219は引き上げ軸回転数、220
は引き上速度である。
【0048】次に、前記各ロジックについて図面を参照
して詳細に説明する。
【0049】(A)前記目標ロードセル値作製ロジック
201は、目的とする形状の結晶が育成しているときの
ロードセル値を算出するものであり、初期結晶径、目標
結晶径、結晶増加率等の情報及び初期ロードセル値が入
力され、目標ロードセル値が出力される。
【0050】t時間後の目標ロードセル値は、初期ロー
ドセル値に以下の項を加える。
【0051】結晶径増加に伴う表面張力増加分:4(r
ref−r0)γST 結晶面積増加に伴う溶液圧力増加分:ρLGh0{2(r
ref−r0)r0+(rref−r02} 育成した結晶の増加重量:∫△S(ν0+νm)ρSGd
t+∫r0 2(ν0+νm)ρSGdt ただし、 Re:レイノルズ数 rref:結晶径ref Rc:るつぼ径、Dsc=rref/Rc R∫-n:対流合流点(0−1) ν:動粘性係数 α:溶液膨張率 ρL:溶液密度 ρS:結晶密度 ν0:結晶引き上げ速度 νm:溶液高さ低下速度 r0:初期結晶径 △S:結晶増加面積 h0:溶液ぬれ高さ σLC:溶液の表面張力 θL:結晶側面の溶液が垂直方向となす角、γST=σLC
cosθL G:重力加速度 Gr:グラショフ数 β:数1の式で表わされる。
【0052】
【数1】
【0053】(B)前記ロードセルから結晶径エラーを
算出するロジック202は、ロードセルエラー(偏差)
を結晶径エラーに変換するものであり、ロードセルエラ
ーHの情報が入力され、結晶径エラーaの情報が出力さ
れる。
【0054】結晶径エラーaの計算式は次式の数2で表
わされる。
【0055】
【数2】
【0056】(C)前記目標過冷度作製マップ203
は、適切な結晶界面過冷度を算出するものであり、結晶
径エラーaの情報が入力され、過冷度の情報が出力され
る。2次元マップにより計算する。
【0057】(D)前記ヒーター制御用伝達関数(アン
チワインドアップ付)204は、第1,2,3,5のヒ
ーターを適切に制御するものであり、過冷度及びオフセ
ット表面温度エラーの情報が入力され、ヒーター制御指
示値が出力される。
【0058】(E)前記オフセット表面温度決定及び表
面温度推定ロジック205は、オフセット表面温度を決
定し、表面温度を推定するものであり、酸素濃度、結晶
回転数、オフセット表面温度、溶液高さ等の情報が入力
され、目標オフセット表面温度が出力される。
【0059】これにより、るつぼ中心の結晶界面位置に
設置した熱伝対と、るつぼ壁近くの溶液表面直上に設置
した熱伝対(オフセット表面温度)の温度差の関係式を
予め同定し、実際の結晶育成時の結晶成長界面温度を、
オフセット表面温度から推定する。また、目標表面温度
を実現するために必要なオフセット表面温度を指示す
る。
【0060】(F)前記るつぼ下温度決定ロジック20
6は、るつぼ下目標温度を決定するものであり、酸素濃
度の情報が入力され、るつぼ下目標温度の情報が出力さ
れる。Y系の場合は、測定した酸素濃度に対応する結晶
包晶温度より十分高温となる指示値をマップにより算出
する。
【0061】(G)前記ヒーター制御用伝達関数(アン
チワインドアップ付)207は、第4のヒーターを適切
に制御するものであり、るつぼ下温度エラーの情報が入
力され、ヒーター制御指示値が出力される。
【0062】(H)前記目標回転数決定ロジック8は、
目標結晶回転数を決定するものであり、グラショフ数、
結晶径、るつぼ径、溶液表面・るつぼ底温度差、溶液高
さ及び出力結晶回転数の情報が入力され、結晶回転数は
自然対流と強制対流の合流点が一定になるように決定す
る。本制御ロジックでは、結晶中心とるつぼまでを6:
4で分割した点に対流の合流点がくるようにする。日本
金属学会誌第59巻第10号(1995)、引き上げ法
によるYBA2Cu37−x単結晶成長における溶液対
流の影響、並川靖生、江上雅裕、塩原融のFig.5に
よると、R∫-n/Rcが0.6の時、Re15Dsc0.7
/Grは、約0.019である。
【0063】ここで、Grとωは次式の数3の関係があ
るので、回転数が決定できる。
【0064】
【数3】
【0065】(I)前記結晶・溶液接触分離検出及び丸
形結晶育成用初期結晶位置制御ロジック209は、結晶
・溶液接触分離検出を行い、丸形結晶育成のため初期結
晶位置を制御するものである。ロードセル信号及び目標
結晶位置の情報が入力され、結晶・溶液接触分離判定フ
ラグ、軸移動速度指示及び軸移動完了フラグの情報が出
力される。これにより、ロードセル信号を監視し、結晶
−溶液接触分離に伴う信号のステップ状の変化を検出
し、接触分離を判定する。初期結晶位置が指示された値
に移動するまで監視する。
【0066】(J)前記液面低下速度検出ロジック21
0は、溶液減少に伴う溶液表面の低下速度を検出するも
のであり、電気抵抗の情報が入力され、液面低下速度の
情報が出力される。これにより、平行な導線2本を上下
に移動させる。電離した溶液に接触すると抵抗が激減す
るため、そのときの位置を時系列に監視することによ
り、液面低下速度を計算する。
【0067】(K)前記結晶径増加監視ロジック211
は、目標通りに結晶径が増加するかを監視し、目標が不
適切な場合は、目標を修正するものであり、目標ロード
セル値及び観測ロードセル値が入力され、軸移動速度、
結晶増加率異常フラグの情報が出力される。これによ
り、過冷度の指示値が一定時間以上、一定過冷度以上の
指示を出し続けた場合、物理的に不可能な結晶増加率が
指示されたと判断し、増加率を一時的に減少させる。
【0068】(L)前記結晶・溶液離れ防止ロジック2
12は、結晶が溶液から離れるのを防止するものであ
り、観測ロードセル値が入力され、軸移動速度及び結晶
・溶液離れ防止フラグが出力される。これにより、ロー
ドセル値を監視し、結晶が溶液から離れる時のロードセ
ル値の減少を検出し、軸を引き下げる。
【0069】(M)前記C軸方向結晶成長速度推定及び
引き上げ速度決定ロジック213は、C軸方向結晶成長
速度を推定し、引き上げ速度を決定するものであり、過
冷度、結晶回転数、酸素濃度の情報が入力され、軸引き
上げ速度の情報が出力される。
【0070】これにより、C軸方向の結晶成長速度は過
冷度、結晶回転数及び酸素濃度の関数であるので、これ
らパラメータにより、成長速度が推定できる。この成長
速度と等しい速度で軸を引き上げると、結晶と溶液の初
期の位置関係を維持できる。
【0071】(N)前記第2のヒーター制御用伝達関数
216は、第2のヒーターを制御するものであり、第1
のヒーターの変動の影響を抑える非干渉設計で行う。酸
素濃度及び第1のヒーターの出力が入力され、第2のヒ
ーターの指示値が出力される。
【0072】(O)前記第3のヒーター制御用伝達関数
217は、第3のヒーターを制御するものであり、第1
ヒーター及び第4のヒーターの変動の影響を抑える非干
渉設計で行う。酸素濃度、第1のヒーター出力及び第4
のヒーターの出力が入力され、第3のヒーターの指示値
が出力される。
【0073】(P)前記第5のヒーター制御用伝達関数
218は、第5のヒーターを制御するものであり、第4
のヒーターの変動の影響を抑える非干渉設計で行う。酸
素濃度及び第4のヒーターの出力が入力され、第5のヒ
ーターの指示値が出力される。
【0074】(Q)前記切り換えスイッチ214は、引
き上げ速度を切り換えるものであり、結晶・溶液接触分
離判定フラグ、軸移動完了フラグ、結晶増加率異常フラ
グ、結晶・溶液離れ防止フラグ、結晶成長時軸移動速
度、位置制御時軸移動速度及び結晶・溶液接触までの軸
移動速度の情報が入力され、切り換えた軸移動速度の情
報が出力される。
【0075】これにより、結晶・溶液が未接触の場合
は、軸を引き下げ、結晶・溶液が接触した場合はフラグ
をセットし、軸を引き上げる。軸が初期位置に達したら
軸移動完了フラグをセットし、軸を引き上げる。軸移動
完了フラグがセットしている場合は以下の計算を行う。
結晶増加率異常フラグがセットされた場合は軸を引き下
げる。結晶−溶液離れ防止フラグがセットされた場合は
軸を引き下げる。なお、それぞれの軸移動時には移動速
度がそれぞれ定められている。
【0076】以下、前述の各ロジック及び各要素を詳細
に説明する。
【0077】図3は前記目標ロードセル値作製ロジック
201の概略構成を示すブロック構成図であり、201
1は引き上がった結晶の重量増加分計算ロジック、20
12は結晶径増加に伴う液体圧力増加分計算ロジック、
2013は結晶径エラー作製ロジック、2014は結晶
径増加に伴う増加表面張力計算ロジックである。
【0078】図3において、21-1は結晶径指示値、
21-2は推定許可フラグ、21-3は固体密度、21-
4は引き上げ速度、21-5は初期結晶径、21-6は定
数(ガンマ)、21-7は液体密度、21-8は初期メニ
スカス高さ、21-9は液面低下速度である。前記21-
1〜21-9は入力情報である。
【0079】21-11は目標ロードセル値、21-12
は液体圧力増加分、21-13は初期結晶径のまま引き
上がった結晶の重量増加分であり、21-11〜21-1
3は出力情報である。21-14は結晶増加面積、21-
15は初期結晶径からずれた分の重量増加分である。
【0080】前記目標ロードセル値作製ロジック201
は、図3に示すように、前記引き上がった結晶の重量増
加分計算ロジック2011、結晶径増加に伴う液体圧力
増加分計算ロジック2012、結晶径エラー作製ロジッ
ク2013、及び結晶径増加に伴う増加表面張力計算ロ
ジック2014で構成されている。
【0081】前記引き上がった結晶の重量増加分計算ロ
ジック2011は、図4に示すように、乗算手段201
11,20113,20116,20118、加算手段
20115、初期結晶径からずれた分の重量増加分手段
20117、初期結晶径のまま引き上がった結晶の増加
体積計算ロジック20112、絶対値検出手段2011
4、及び初期結晶径からずれた分の増加体積分計算ロジ
ック20116で構成されている。
【0082】この引き上がった結晶の重量増加分計算ロ
ジック2011には、前記推定許可フラグ21-2、固
体密度21-3、引き上げ速度21-4、初期結晶径21
-5、21-6は定数(ガンマ)、21-7は液体密度、
初期メニスカス高さ、液面低下速度21-9、及び結晶
径増加に伴う液体圧力増加分計算ロジック2012の出
力である結晶増加面積21-14の情報が入力され、初
期結晶径のまま引き上がった結晶の重量増加分21-1
3及び21-15は初期結晶径からずれた分の重量増加
分21-15が出力される。
【0083】前記初期結晶径のまま引き上がった結晶の
増加体積計算ロジック20112は、図5に示すよう
に、1ステップホルダ(1Step Holder)20112・
1、メモリ20112・2,20112・3、加算手段
(カウンタ)2012・4で構成されている。
【0084】前記増加体積計算ロジック20112に
は、前記推定許可フラグ21-2及び増加面積*引き上
げ速度の情報が入力され、初期結晶径のまま引き上がっ
た結晶の増加体積情報が出力される。
【0085】前記初期結晶径からずれた分の増加体積分
計算ロジック20116は、図5と同じ構成であり、前
記推定許可フラグ21-2及び増加面積*引き上げ速度
の情報が入力され、初期結晶径からずれた分の結晶の増
加体積情報が出力される。
【0086】前記結晶径増加に伴う液体圧力増加分計算
ロジック2012は、図6に示すように、乗算手段20
121、重力加速度乗算手段20122、0を1に変換
する0-1変換手段20123、乗算手段20124、
乗算手段20125、Sign20126、加算手段2
0127、乗算手段20128で構成されている。
【0087】前記0-1変換手段20123は、入力が
0か判定し、0の時は1を出力し、0以外の時は入力を
そのまま出力する。
【0088】液体圧力増加分計算ロジック2012に
は、液体密度、初期メニスカス高さ、初期結晶径、結晶
径エラーの情報が入力され、結晶径増加に伴う結晶の増
加面積及び結晶径増加に伴う液体圧力増加分の情報が出
力される。
【0089】前記0-1変換手段20123は、図7に
示すように、ゼロ検出ロジック20123・1及び加算
手段20123・2からなっている。
【0090】前記0-1変換手段20123には、液体
密度*初期メニスカス高さ*重力加速度の情報が入力さ
れ、入力そのままか、あるいは1が出力される。
【0091】前記結晶径エラー作製ロジック2013
は、図8に示すように、差を求める減算手段20131
及びリセット手段20132からなっており、結晶径指
示値、初期結晶径、及び推定許可フラグの情報が入力さ
れ、結晶径エラーの情報が出力される。
【0092】前記結晶径増加に伴う増加表面張力計算ロ
ジック2014は、図9に示すように、乗手段2014
1及び4倍増加手段20142からなっており、結晶径
エラー及び定数(ガンマ)の情報が入力され、結晶径増
加に伴う増加表面張力の情報が出力される。
【0093】図10は前記ロードセルから結晶径エラー
を算出するロジック202の概略構成を示すブロック図
であり、2021,2022は0を1に変換する0-1
変換手段、2023は係数計算ロジック、2024は予
備計算ロジック、及び2025は離散化計算ロジックで
ある。
【0094】前記ロードセルから結晶径エラーを算出す
るロジック202は、図10に示すように、0-1変換
手段2021,2022、係数計算ロジック2023、
リセット手段2024、予備計算ロジック2025、離
散化計算ロジック2026、及び乗算手段2027で構
成されている。
【0095】前記0-1変換手段2021,2022
は、それぞれ、ロードセルエラー、定数(ニュー)、定
数(ラムダ)、及び推定許可フラグの情報が入力され、
結晶径エラーの情報が出力される。
【0096】前記係数計算ロジック2023は、図11
に示すように、ニュー,ラムダからa1,a0,b1を
計算する係数計算手段20231、平方根を求めるルー
ト計算手段20232、逆数を求める逆数計算手段20
233、差を求るる減算手段20234、和を求める加
算手段20235、乗算手段20236、0.5倍計算
手段20237,20238からなっている。
【0097】前記係数計算手段20231は、図12に
示すように、−1倍計算手段20231・1、逆数計算
手段20231・2、及び乗算手段20231・3から
なっている。
【0098】前記ルート計算手段20232は、図13
に示すように、乗算手段20232・1、差を求るる減
算手段20232・2、平方根を求めるルート計算手段
20232・3、及び4倍計算手段20232・4から
なっている。
【0099】前記予備計算ロジック2024は、図14
に示すように、−1倍計算手段20241,2044、
乗算手段20242,20245、exp計算を行うe
xp計算手段20243,20246、及び差を求める
減算手段20247,20248からなっている。
【0100】前記離散化計算ロジック2025は、図1
5に示すように、乗算手段20251〜20254,2
0257,20258、和を求める加算手段2025
5,20256,202511、及びメモリ2025
9,202510で構成されている。
【0101】前記目標過冷度作製マップ203は、図1
6に示すように、ローパスフィルタ2031、結晶径エ
ラーから過冷度への変換マップ2032、変化率リミッ
タ2033、温度リミッタ2034、結晶径増加監視ロ
ジック2035で構成され、結晶径エラーaの情報が入
力され、目標過冷度、ローバスフィルタをかけた結晶径
エラー、結晶がスケージュール通り成長しているか判別
するフラグを出力する。
【0102】前記結晶径増加監視ロジック2035は、
図17に示すように、大小比較手段20351,203
52、ORロジック20353で構成され、過冷度指
示、結晶径エラー、結晶径エラーリミット、過冷度リミ
ットの情報を入力し、結晶がスケージュール通り成長し
ているか判別するフラグが出力される。
【0103】前記第1のヒータ制御伝達関数(アンチワ
インドアップ付)ロジック204は、図18に示すよう
に、オフセット表面温度決定及び表面温度推定ロジック
2041、差を求める減算手段2042、和を求める加
算手段2043、乗算手段2044、リミッタ204
5,2048,20410,20412、フラグチェッ
ク手段2046、レートリミッタ2047、ラッピング
処理手段2049、及びアンチワインドアップ付PID
コントローラ20411で構成されている。酸素濃度、
過冷度指示値、調整ゲイン、及び測定した第1のヒータ
の温度、自動制御開始フラグ、第1のヒーターのパワ
ー、及び表面オフセット温度の情報が入力され、第1の
ヒーターの温度指示値、第1のヒーターのパワー指示
値、及びオフセット表面温度と第1のヒーター温度の差
の情報が出力される。
【0104】前記フラグチェック手段2046は、例え
ば、図19に示すな等価検出手段20461からなり、
自動制御開始フラグをチェックし、リセットフラグを作
製するものである。
【0105】前記ラッピング処理ロジック2049は、
図20に示すように、前記温度指示値の初期値保持手段
20491、ラッピング変化速度上限値設定手段204
92、ラッピング選択手段20493、ラッピング実効
フラグ20494、温度測定値の初期値保持手段204
95、目標が現在値より低いことを判定する手段204
96、ラッピング変化速度下限値設定20497、目標
が現在値より高いことを判定する手段20498で構成
され、オフセット表面温度指示値、測定したオフセット
表面温度、及びリセットフラグの情報が入力され、ラッ
ピング処理温度指示値が出力される。
【0106】前記温度指示値の初期値保持手段2049
1は、図21に示すように、メモリ20491・1,2
0491・2、リミッタ20491・3,20491・
5、比較手段20491・4、加算手段、及び乗算手段
で構成されている。
【0107】ラッピング変化速度上限値設定手段204
92は、図22に示すように、メモリ20491・2、
加算手段、及び乗算手段で構成されている。
【0108】前記ラッピング選択手段20493は、図
23に示すように、差を求める減算手段20493・
1、絶対値を求める手段20493・2、及び比較手段
20493・3で構成されている。
【0109】前記ラッピング実効フラグ手段20494
は、図24に示すように、2倍手段20494・1、加
算手段20494・2、メモリ20494・3、乗算手
段20494・4、及びリミッタ20494・5,20
494・6で構成されている。
【0110】前記温度測定値の初期値保持手段2049
5は、図25に示すように、リミッタ20495・1,
20495・4、加算手段20495・2,20495
・8、乗算手段20495・3,20495・7,20
495・9、メモリ20495・5,20495・1
0、及び比較手段20495・6で構成されている。
【0111】前記目標が現在値より低いことを判定する
手段20496は、図26に示すように、10倍手段2
0496・1、加算手段20496・2、乗算手段20
496・3、リミッタ20496・4、及びメモリ20
496・5で構成されている。
【0112】前記ラッピング変化速度下限値設定手段2
0497は、図27に示すように、乗算手段20497
・1,20497・4、加算手段20497・2,20
497・5、及びメモリ20497・4で構成されてい
る。
【0113】前記目標が現在値より高いことを判定する
手段20498は、図28に示すように、−10倍手段
20498・1、加算手段20498・2、乗算手段2
0498・3リミッタ20498・4、及びメモリ20
498・5で構成されている。
【0114】前記アンチワインドアップ付PIDコント
ローラ20411は、図29に示すように、アンチワイ
ンドアップ処理手段20411・1、フラグチェック手
段20411・2、ローパスフィルター20411・
3、積分処理手段20411・4、数値処理保護機能付
逆数計算手段20411・5、疑似微分回路20411
・6、乗算手段、加算手段、NOT回路、リミッタで構
成されている。
【0115】このアンチワインドアップ付PIDコント
ローラ20411には、測定したオフセット表面温度、
オフセット表面温度指示値、比例ゲイン、積分ゲイン、
微分ゲイン、測定したヒーター1パワー、及び自動制御
開始フラグが入力され、PIDコントローラ出力(パワ
ー)が出力される。
【0116】アンチワインドアップ処理手段20411
・1は、図30に示すように、比較手段20411・1
A、AND回路、RO回路、及びNOT回路で構成さ
れ、ヒーター1パワー及び表面温度エラー(オフセット
表面温度指示値:測定したオフセット表面温度)が入力
され、アンチワインドアップフラグが出力される。
【0117】前記ローパスフィルター20411・3
は、図31に示すように、乗算手段20411・3A加
算手段20411・3B、及びメモリ20411・3C
で構成されている。
【0118】前記積分処理手段20411・4は、図3
2に示すように、乗算手段20411・4A、等価チェ
ック20411・B、積分手段20411・4C、NO
T回路、OR回路、メモリ20411・4D、及び積分
リミッタ20411・4Eで構成されている。積分リミ
ッタ20411・4Eは、図33に示すように、比較手
段20411・4E1と乗算手段20411・4E2か
らなっている。
【0119】数値処理保護機能付逆数計算手段2041
1・5は、図34に示すように、スイッチ20411・
5Aと逆数手段20411・5Bからなっている。
【0120】疑似微分回路20411・6は、図35に
示すように、積分リミッタ20411・6A、乗算手段
20411・6B、差を求める減算手段20411・6
C、メモリ20411・6D、exp計算手段2041
1・6E、リミッタ20411・6F、スイッチ204
11・6G、逆数手段20411・6Hで構成されてい
る。
【0121】前記オフセット表面温度決定及び表面温度
推定ロジック205は、図36に示すように、リミッタ
2051、乗算手段2052、和を求める加算手段20
53、差を求める減算手段2054、ローパスフィルタ
2055、及び界面・オフセット面温度補正マップ20
56で構成されている。
【0122】このオフセット表面温度決定及び表面温度
推定ロジック205には、測定したオフセット表面温
度、酸素濃度、結晶回転数、及びオフセット表面温度と
結晶界面の温度差の情報が入力され、オフセット表面温
度指示値及び結晶界面の温度推定値の情報が出力されて
いる。
【0123】前記るつぼ下温度決定ロジック206は、
図37に示すように、溶液高さの表面温度に対する影響
を付加するロジック2061、測定した酸素濃度から適
切なるつぼ下温度を計算するロジック2062、和及び
差を求める加算手段2063、リミッタ2064、ラッ
ピング処理手段2065、アンチワインドアップ付PI
Dコントローラ2066、乗算手段2067、及びフラ
グ検出手段2068で構成されている。このるつぼ下温
度決定ロジック206には、酸素濃度、過冷度指示値、
調整ゲイン、溶液高さ、自動制御開始フラグ、測定した
第4のヒーターのパワー、及び測定したるつぼ下温度の
情報が入力され、ヒーター4温度指示値及びヒーター4
パワー指示値が出力される。
【0124】前記溶液高さの表面温度に対する影響を付
加するロジック2061は、図38(a)に示すよう
に、リミッタ20611及び溶液高さによる温度補正マ
ップからなる。
【0125】前記第4ヒータ制御伝達関数(アンチワイ
ンドアップ付)ロジック207は、図38(b)に示す
ように、リミッタ20711及び酸素濃度による温度補
正マップ20712からなる。
【0126】前記目標回転数決定ロジック208は、図
39に示すように、0.001倍手段2081、逆数計
算手段2082、乗算手段2083、リミッタ208
4、Dscfk0.7乗計算手段2085、及びReの
0.67乗計算手段2086で構成されている。この目
標回転数決定ロジック208には、結晶径指示値、るつ
ぼ径、溶液体積膨張率、溶液動粘性係数、及びるつぼ底
と表面の温度差の情報が入力され、目標結晶回転数が出
力される。
【0127】前記逆数計算手段2082は、図40に示
すように、スイッチ20822、逆数計算手段2082
3、及びリミッタ20824からなっている。
【0128】前記結晶・溶液接触分離検出及び丸形結晶
育成用初期結晶位置制御ロジック209は、図41に示
すように、乗算手段2091、結晶・溶液接触分離検出
及び軸リミッタ2092、丸形結晶育成用初期結晶位置
制御ロジック2093、和を求める加算手段2094、
1/3600倍計算手段2095、積分ロジック209
6、絶対値計算手段2097、比較手段2098、NO
T回路、及びAND回路で構成されている。
【0129】この結晶・溶液接触分離検出及び丸形結晶
育成用初期結晶位置制御ロジック209には、ロードセ
ル信号、自動制御開始許可フラグ、軸引き上げ速度指示
値、初期結晶位置指示値、及び測定した軸引き上げ速度
の情報が入力され、軸引き上げ速度、結晶・溶液接触分
離検出フラグ、ロードセル初期値計算許可フラグ、結晶
・溶液接触時の上軸位置、及び上軸位置リミッタ異常フ
ラグの情報が出力される。
【0130】前記結晶・溶液接触分離検出及び軸リミッ
タ2092は、図42に示すように、ローパスフィルタ
(0.05Hz)20921、ローパスフィルタ(0.
1Hz)20922、差を求める減算手段20923、
和を求める加算手段20924、結晶・溶液接触検出ロ
ジック20925、フリップフロップ(検出フラグ記憶
素子)20926、上軸位置リミッタ(−20mm〜結
晶−溶液接触位置〜50mm)20927、−10倍計
算手段2098、及びNOT回路からなっている。
【0131】この結晶・溶液接触分離検出及び軸リミッ
タ2092には、ロートセル信号、自動制御開始許可フ
ラグ、及び軸引き上げ速度指示値の情報が入力され、結
晶・溶液接触分離検出フラグ、結晶・溶液接触時の上軸
位置、及び上軸位置リミッタ異常フラグの情報が出力さ
れる。
【0132】前記結晶・溶液接触検出ロジック2092
5は、図43に示すように、比較手段20925・1、
和を求める加算手段20925・2、乗算手段2095
・3、メモリ20925・4、及びNOT回路からなっ
ている。
【0133】前記フリップフロップ(検出フラグ記憶素
子)2096は、図44に示すように、NOT回路及び
OR回路からなっている。
【0134】前記上軸位置リミッタ(−20mm〜結晶
−溶液接触位置〜50mm)2097は、図45に示す
ように、結晶・溶液接触位置記憶ロジック20927・
1、差を求める減算手段20927・2、乗算手段20
927・3、比較手段20927・4、メモリ2092
7・5、NOT回路、及びOR回路からなっている。
【0135】前記結晶・溶液接触位置記憶ロジック20
927・1は、図46に示すように、乗算手段2092
7・1A、和を求める加算手段20927・1B、メモ
リ20927・1C、リミッタ20927・1D、等価
チェック手段20927・1Eからなっている。
【0136】丸形結晶育成用初期結晶位置制御ロジック
2093は、図47に示すように、1/3600倍計算
手段20931、積分ロジック20932、比較手段2
0933、リミッタ20934、乗算手段20935、
和を求める加算手段20936、及びNOT回路からな
っている。
【0137】前記積分ロジック20932は、図48に
示すように、メモリ20932・1、乗算手段2093
2・2、和を求める加算手段20932・3、及びリミ
ッタ20932・4からなっている。
【0138】前記C軸方向結晶成長速度推定及び引き上
げ速度決定ロジック213は、図49に示すように、リ
ミッタ2131、酸素濃度による成長速度の補正マップ
2132、乗算手段2133、和を求める加算手段21
34、Y123分解濃度依存マップ2135、差を求め
る減算手段2136、過冷度による成長速度の補正マッ
プ2137、回転数による成長速度の補正マップ213
8、1/3600倍計算手段2139、積分手段213
10、比較手段21311、及びNOT回路で構成され
ている。
【0139】このC軸方向結晶成長速度推定及び引き上
げ速度決定ロジック213には、結晶回転数、酸素濃
度、結晶指示値が増加中か一定かを指示するフラグ、結
晶がスゲジュール通り成長しているかを検出するフラ
グ、及び結晶界面の温度推定値の情報が入力され、引き
上げ速度指示値が出力される。
【0140】前記第2のヒーター制御用伝達関数(アン
チワインドアップ付)216は、図50に示すように、
乗算手段2161、酸素濃度による第1のヒータの温度
指示ロジック2162、リミッタ2163、和を求める
加算手段2164、フラグチェック手段2165、ラッ
ピング処理手段2166、アンチワインドアップ付PI
Dコントローラ2167で構成されている。
【0141】この第2のヒーター制御用伝達関数(アン
チワインドアップ付)216には、酸素濃度、過冷度指
示値、調整ゲイン、測定した第2のヒーターの温度、自
動制御開始フラグ、第2のヒーターのパワー、H2調整
ゲイン、及びオフセット表面温度とヒーター1温度の差
の情報が入力され、第2のヒーターの温度指示値及び第
2のヒーターのパワー指示値が出力される。
【0142】前記第3のヒーター制御用伝達関数(アン
チワインドアップ付)217は、図51に示すように、
乗算手段2171、酸素濃度による第3のヒータの温度
指示ロジック2172、差を求める加減算手段217
3、リミッタ2174、和を求める加算手段2175、
フラグチェック手段2176、ラッピング処理手段21
77、アンチワインドアップ付PIDコントローラ21
78で構成されている。
【0143】この第3のヒーター制御用伝達関数(アン
チワインドアップ付)217には、酸素濃度、過冷度指
示値、調整ゲイン、測定したヒーター3温度、自動制御
開始フラグ、第3のヒーターのパワー、H3調整ゲイン
(H4対応)、H4温度指示値、及びオフセット表面温
度とヒーター1温度の差、及びH3調整ゲイン(H1対
応)の情報が入力され、第3のヒーターの温度指示値及
び第3のヒーターのパワー指示値が出力される。
【0144】前記第5のヒーターの制御用伝達関数(ア
ンチワインドアップ付)218は、図52に示すよう
に、乗算手段2181、酸素濃度による第5のヒータの
温度指示ロジック2182、差を求める加減算手段21
73、リミッタ2184、和を求める加算手段218
5、フラグチェック手段2186、ラッピング処理手段
2187、アンチワインドアップ付PIDコントローラ
218768で構成されている。
【0145】前記第2のヒーター制御用伝達関数(アン
チワインドアップ付)216と同じ構成であり、H4温
度指示値、酸素濃度、過冷度指示値、調整ゲイン、測定
した第5のヒーターの温度、自動制御開始フラグ、第5
のヒーターのパワー、H5調整ゲイン(H4対応)の情
報が入力され、第5のヒーターの温度指示値、第5のヒ
ーターのパワー指示値が出力される。
【0146】(実施形態2)図53は本発明の前記実施
形態2の大型単結晶引き上げ装置における制御装置の概
略構成を示すブロック図であり、531はA/D変換手
段、532は入力共有メモリ、533はパターン制御手
段、534は自動制御手段、535は出力共有メモリ、
536は出力切換手段、537は出力切換テーブル、5
38は制御モジュールである。
【0147】前記A/D変換手段531は、計測用モジ
ュール(シーケンサ)観測量をデジタル情報に変換する
ためのものである。前記パターン制御手段532はパタ
ーン制御アルゴリズムとヒータ温度/モータ温度の目標
値を時間軸でパターン化手段からなっている。
【0148】自動制御手段534は自動制御アルゴリズ
ムと結晶重量/結晶幅の変化率を一定に制御する手段
(温度推定計算)とからなっている。
【0149】前記出力共有メモリ535は、パターン制
御出力計算結果情報及び自動制御出力計算結果情報が格
納される。
【0150】本実施形態2の制御装置は、図53に示す
ように、制御方式の切り換えのため制御アルゴリズムは
2つのブロックに分かれる。制御方式は制御対象(各ヒ
ーター、上下軸)毎に切り換えることができるようにな
っている。
【0151】前記パターン制御アルゴリズムは、制御パ
ターン(目標値)の変更が随時可能であり、内部のモデ
ルを変更する頻度は少ない。内容の変更が必要な場合、
一度自動酸化物結晶製造装置を止める必要がある。
【0152】前記自動制御アルゴリズムをMATLAB
により、随時、変更が可能である。ただし、変更時はモ
デル切換を全部の制御対象についてパターン制御アルゴ
リズム側にしておく必要がある。
【0153】制御アルゴリズムと制御モジュール538
は、入力共有メモリ532及び出力共有メモリを通して
やり取りする。制御モジュール538側でユーザーの設
定する制御方式の切換テーブル537を持ち、それに従
って数値を選択する。
【0154】本実施形態2においては、引き上げ装置の
動作を一定に保持しながら、リアルタイムで制御アルゴ
リズムの入れ換えが可能となる。以下の技術的手段を用
いて実現する。
【0155】(1)リアルタイムOSの採用と制御アル
ゴリズムの計算モジュールの多値化により、マルチタス
ク処理を行う。
【0156】(2)観測量入力モジュール制御アルゴリ
ズムと制御量出力モジュールの機能を分離する。
【0157】(3)制御アルゴリズムの切換時に発生す
る不連続状態を防ぐアンチワインドアップ機能を備え
る。
【0158】(4)計測制御データ入出力のためのモジ
ュールと制御計算用モジュールを独立させる。
【0159】(5)入れ換え可能な制御アルゴリズムの
他に、従来の制御アルゴリズムと同様のパラメータチュ
ーニングのできるものを用意する。
【0160】(6)マニュアルによる操作盤(タッチパ
ネル)を用意する。
【0161】前記の(1)、(2)により、作業者が作
成したプログラムを制御運転中の制御装置へ妨害するこ
となく送信することが可能となる。
【0162】前記3の(3)(4)(5)(6)により
制御アルゴリズムの入れ換え時に万一不具合が生じて
も、ただちに対処し、必要であれば、制御アルゴリズム
そのものも実績のある安定度の見込まれた制御アルゴリ
スムに移行することができる。
【0163】最悪の場合にも、計測も制御データ入出力
モジュール(図中計測モジュールと略記)への制御計算
の出力を遮断することにより状態を保持できる(この場
合、タッチパネルよりマニュアル操作する)。
【0164】これらにより短時間(数分〜数十分)で引
き上げプロセスを停止することなく制御アルゴリズムを
随時変更可能な制御装置を実現することができる。
【0165】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0166】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なもの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりであ
る。
【0167】(1)引き上げ方式の製造工程を自動制御
で行うので、良質の酸化物結晶もしくは酸化物超電導体
結晶を効率よく製造することができる。
【0168】(2)酸化物結晶もしくは酸化物超電導体
結晶の形状を自動制御により丸形結晶を育成することが
できる。
【0169】(3)異なる酸素雰囲気中、あるいは、異
なる組成の酸化物超電導材料において、目標とする大き
さの単結晶を育成することができる。
【0170】(4)目標径との差をもとに液表面温度を
変化させることにより、結晶径を制御することができ
る。
【0171】(5)軸回転数を制御することにより、溶
液の対流状態を制御することができる。
【0172】(6)結晶成長速度で軸を引き上げること
により、定常成長させることができる。
【0173】(7)結晶成長界面温度を推定することに
より、成長モードを管理することができるので、品質管
理が可能となる。
【0174】(8)結晶と溶液が分離しないように引き
上げ速度を調整することができるので、長時間の連続成
長が可能となる。
【0175】(9)結晶と溶液の分離接触を検出するこ
とにより、実験開始の自動化や万一結晶が液から離れて
も、自動的に再接触と実験再開を自動的に行うことがで
きる。
【0176】(10)結晶引き上げ装置において、プラ
ントの運転中に制御アルゴリズムを入れ換えることが可
能である。
【0177】(11)前記(10)により、炉の運転制
御を停止することなく、制御系の安全性や応答性を目的
とする制御アルゴリズムの変更を行うことができるの
で、従来の制御アルゴリズムの変更に伴なう時間と費用
を大幅に削減することができる。
【0178】(12)前記(10)及び(11)によ
り、結晶成長の制御アルゴリズムの確立に貢献すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の大型単結晶引き上げ装置
の概略構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態1の大型単結晶引き上げ装置の自動
制御ロジックの概略構成を示すブロック構成である。
【図3】本実施形態1の目標ロードセル値作製ロジック
の概略構成を示すブロック構成図である。
【図4】本実施形態1の引き上がった結晶の重量増加分
計算ロジックの概略構成を示すブロック構成図である。
【図5】本実施形態1の結晶の増加体積計算ロジックの
概略構成を示すブロック構成図である。
【図6】本実施形態1の結晶径増加に伴う液体圧力増加
分計算ロジックの概略構成を示すブロック構成図であ
る。
【図7】本実施形態1の0-1変換手段の概略構成を示
すブロック構成図である。
【図8】本実施形態1の結晶径エラー作製ロジックの概
略構成を示すブロック構成図である。
【図9】本実施形態1の結晶径増加に伴う増加表面張力
計算ロジックの概略構成を示すブロック構成図である。
【図10】本実施形態1のロードセルから結晶径エラー
を算出するロジックの概略構成を示すブロック構成図で
ある。
【図11】本実施形態1の係数計算ロジックの概略構成
を示すブロック構成図である。
【図12】本実施形態1の逆数計算手段の概略構成を示
すブロック構成図である。
【図13】本実施形態1のルート計算手段の概略構成を
示すブロック構成図である。
【図14】本実施形態1の予備計算ロジックの概略構成
を示すブロック構成図である。
【図15】本実施形態1の離散化計算ロジックの概略構
成を示すブロック構成図である。
【図16】本実施形態1の目標過冷度作製マップの概略
構成を示すブロック構成図である。
【図17】本実施形態1の結晶径増加監視ロジックの概
略構成を示すブロック構成図である。
【図18】本実施形態1の第1のヒータ制御伝達関数
(アンチワインドアップ付)ロジックの概略構成を示す
ブロック構成図である。
【図19】本実施形態1のフラグチェック手段の概略構
成を示すブロック構成図である。
【図20】本実施形態1のランピング処理ロジックの概
略構成を示すブロック構成図である。
【図21】本実施形態1の温度指示値の初期値保持手段
の概略構成を示すブロック構成図である。
【図22】本実施形態1のラッピング変化速度上限値設
定手段の概略構成を示すブロック構成図である。
【図23】本実施形態1のラッピング選択手段の概略構
成を示すブロック構成図である。
【図24】本実施形態1のラッピング実効フラグ手段の
概略構成を示すブロック構成図である。
【図25】本実施形態1の温度測定値の初期値保持手段
の概略構成を示すブロック構成図である。
【図26】本実施形態1の目標が現在値より低いことを
判定する手段の概略構成を示すブロック構成図である。
【図27】本実施形態1のラッピング変化速度下限値設
定手段の概略構成を示すブロック構成図である。
【図28】本実施形態1の目標が現在値より高いことを
判定する手段の概略構成を示すブロック構成図である。
【図29】本実施形態1のアンチワインドアップ付PI
Dコントローラの概略構成を示すブロック構成図であ
る。
【図30】本実施形態1のアンチワインドアップ処理手
段の概略構成を示すブロック構成図である。
【図31】本実施形態1のローパスフィルターの概略構
成を示すブロック構成図である。
【図32】本実施形態1の積分処理手段の概略構成を示
すブロック構成図である。
【図33】本実施形態1の積分リミッタの概略構成を示
すブロック構成図である。
【図34】本実施形態1の数値処理保護機能付逆数計算
手段の概略構成を示すブロック構成図である。
【図35】本実施形態1の疑似微分回路の概略構成を示
すブロック構成図である。
【図36】本実施形態1のオフセット表面温度決定及び
表面温度推定ロジックの概略構成を示すブロック構成図
である。
【図37】本実施形態1のるつぼ下温度決定ロジックの
概略構成を示すブロック構成図である。
【図38】本実施形態1の溶液高さの表面温度及び酸素
濃度に対する影響を付加するロジックの概略構成を示す
ブロック構成図である。
【図39】本実施形態1の目標回転数決定ロジックの概
略構成を示すブロック構成図である。
【図40】本実施形態1の逆数計算手段の概略構成を示
すブロック構成図である。
【図41】本実施形態1の結晶・溶液接触分離検出及び
丸形結晶育成用初期結晶位置制御ロジックの概略構成を
示すブロック構成図である。
【図42】本実施形態1の結晶・溶液接触分離検出及び
軸リミッタの概略構成を示すブロック構成図である。
【図43】本実施形態1の結晶・溶液接触検出ロジック
の概略構成を示すブロック構成図である。
【図44】本実施形態1のフリップフロップ(検出フラ
グ記憶素子)の概略構成を示すブロック構成図である。
【図45】本実施形態1の結晶・溶液接触位置記憶ロジ
ックの概略構成を示すブロック構成図である。
【図46】本実施形態1の結晶・溶液接触位置記憶ロジ
ックの概略構成を示すブロック構成図である。
【図47】本実施形態1の丸形結晶育成用初期結晶位置
制御ロジックの概略構成を示すブロック構成図である。
【図48】本実施形態1の積分ロジックの概略構成を示
すブロック構成図である。
【図49】本実施形態1のC軸方向結晶成長速度推定及
び引き上げ速度決定ロジックの概略構成を示すブロック
構成図である。
【図50】本実施形態1の第2のヒーター制御用伝達関
数(アンチワインドアップ付)ロジックの概略構成を示
すブロック構成図である。
【図51】本実施形態1の第3のヒーター制御用伝達関
数(アンチワインドアップ付)ロジックの概略構成を示
すブロック構成図である。
【図52】本実施形態1の第5のヒーターの制御用伝達
関数(アンチワインドアップ付)ロジックの概略構成を
示すブロック構成図である。
【図53】本発明の実施形態2の大型単結晶引き上げ装
置における制御装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
1…るつぼ、2…固相、3…融液、4…成長結晶、5…
種結晶、6…白金サセプター、7…ヒーター、8…チャ
ンバー、9…ロードセル、10…温度センサ、11…コ
ンピュータからなる制御装置、201…目標ロードセル
値ロジック、202…ロードセルから結晶経エラーを算
出するロジック、203…目標過冷度作製マップ、20
4…ヒータ制御用伝達関数(アンチワインドアップ付)
ロジック、205…オフセット表面温度決定及び表面温
度推定ロジック、206…るつぼ下温度決定ロジック、
207…ヒータ制御用伝達関数アンチワインドアップ、
208…目標回転数決定ロジック、209…結晶・溶液
接触分離検出及び丸形結晶育成用初期結晶位置制御ロジ
ック、210…液面低下速度検出ロジック、211結晶
径増加監視ロジック、212…結晶・融液離れ防止ロジ
ック、213…C軸方向結晶成長速度推定及び引き上げ
速度決定ロジック、214…切り換えスイッチ、215
・1〜215・5…ヒーター、216〜218…伝達関
数非干渉制御ロジック、219…引き上げ軸回転数、2
20…引き上速度、2011…引き上がった結晶の重量
増加分計算ロジック、2012…結晶径増加に伴う液体
圧力増加分計算ロジック、2013…結晶径エラー作製
ロジック、2014…結晶径増加に伴う増加表面張力計
算ロジック、2021,2022…0-1変換手段、2
023…係数計算ロジック、2024…予備計算ロジッ
ク、2025…離散化計算ロジック、2031…ローパ
スフィルタ、2032…結晶径エラーから過冷度への変
換マップ、2033…変化率リミッタ、2034…温度
リミッタ、2035…結晶径増加監視ロジック、204
1…オフセット表面温度決定及び表面温度推定ロジッ
ク、2042…差を求める減算手段、2043…和を求
める加算手段、2044…乗算手段、2045,204
8,20410,20412…リミッタ、2046…フ
ラグチェック手段、2047…レートリミッタ、204
9…ラッピング処理手段、20411…アンチワインド
アップ付PIDコントローラ、2051…リミッタ、2
052…乗算手段、2053…和を求める加算手段、2
054…差を求める減算手段2054、2055…ロー
パスフィルタ、2056…界面・オフセット面温度補正
マップ、2061…溶液高さの表面温度に対する影響を
付加するロジック、2062…測定した酸素濃度から適
切なるつぼ下温度を計算するロジック、2063…和及
び差を求める加算手段、2064…リミッタ、2065
…ラッピング処理手段、2066…アンチワインドアッ
プ付PIDコントローラ、2067…乗算手段、206
8…フラグ検出手段、2081…0.001倍計算手段
2081、2082…逆数計算手段、2083…乗算手
段、2084…リミッタ、2085…Dscfk0.7
乗計算手段、2086Reの0.67乗計算手段、20
86、2091…乗算手段、2092…結晶・溶液接触
分離検出及び軸リミッタ、2093…丸形結晶育成用初
期結晶位置制御ロジック、2094…和を求める加算手
段、2095…1/3600倍計算手段、2096…積
分ロジック、2097…絶対値計算手段、2098…比
較手段、NOT…NOT回路、OR…OR回路、AND
…AND回路、2131…リミッタ、2132…酸素濃
度による成長速度の補正マップ2132、2133…乗
算手段2133、2161…乗算手段、2162…酸素
濃度による第1のヒータの温度指示ロジック、2163
…リミッタ、2164…和を求める加算手段、2165
…フラグチェック手段、2166…ラッピング処理手
段、2167…アンチワインドアップ付PIDコントロ
ーラ、2171…乗算手段、2172…酸素濃度による
第3のヒータの温度指示ロジック、2173…差を求め
る加減算手段、2174…リミッタ、2175…和を求
める加算手段、2176…フラグチェック手段、217
7…ラッピング処理手段、2178…アンチワインドア
ップ付PIDコントローラ、2181…乗算手段、21
82…酸素濃度による第5のヒータの温度指示ロジッ
ク、2173…差を求める加減算手段、2184…リミ
ッタ、2185…和を求める加算手段、2186…フラ
グチェック手段、2187…ラッピング処理手段、21
88…アンチワインドアップ付PIDコントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩原 融 東京都江東区東雲一丁目14番3 財団法人 国際超電導産業技術研究センター 超電 導工学研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物結晶の結晶成長において、結晶構
    成元素を液相に補給する組成が、酸化物結晶と異なる固
    相を、結晶を成長させる位置から離れた所に内包した少
    なくとも結晶構成元素からなり、組成が酸化物結晶と異
    なる液相を用い、固相及び液相とも異なる組成の結晶を
    成長させる酸化物結晶製造方法であって、結晶構成元素
    を液相に補給する組成が、酸化物結晶と異なる固相を、
    結晶を成長させる位置から離れた所に内包した少なくと
    も結晶構成元素からなり、組成が酸化物結晶と異なる液
    相を用い、種結晶、該種結晶の回転速度及び回転方向、
    炉内雰囲気をそれぞれ自動的に制御して、固相及び液相
    とも異なる組成の結晶を成長させることを特徴とする自
    動酸化物結晶製造方法。
  2. 【請求項2】 前記種結晶を溶液表面に接触させ、前記
    種結晶を回転させながら上方に引き上げる工程と、溶液
    表面温度の制御によりロードセル信号を解析し、目標径
    からの偏差を最小にするように行う工程とを有し、前記
    引き上げ速度は、過冷度、軸回転数、酸素濃度からc軸
    方向の成長速度を推定し、液面低下速度で補正して決定
    し、前記回転数は数値計算結果を利用し、グラショフ数
    や結晶径から自然対流、強制対流の合流点を一定にする
    よう決定することを特徴とする請求項1に記載の自動酸
    化物結晶製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸化物結晶が超電導体であることを
    特徴とする請求項1又は2に記載の自動酸化物結晶製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記酸化物結晶がY系123構造を有す
    ることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項
    に記載の自動酸化物結晶製造方法。
  5. 【請求項5】 前記固相は、Y系211構造を有する酸
    化物であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいず
    れか1項に記載の自動酸化物結晶製造方法。
  6. 【請求項6】 前記液相に対して耐蝕性を有する固体で
    あるSmBa2Cu37 -x相の棒、マグネシア単結晶棒、Y
    Ba2Cu37-x相の棒、のうち少なくとも1つであるこ
    とを特徴とする1乃至5のうちいずれか1項に記載の酸
    化物結晶製造方法。
  7. 【請求項7】 前記種結晶の回転速度は、ロードセルに
    よってモニターされた結晶の重量変化に従って調節する
    ことを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に
    記載の自動酸化物結晶製造方法。
  8. 【請求項8】前記結晶を成長させる温度は、前記結晶が
    安定に存在する温度以下に保持することを特徴とする請
    求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の自動酸化物結
    晶製造方法。
  9. 【請求項9】 炉内の雰囲気制御により正方晶を得るこ
    とを特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか1項に記
    載の自動酸化物結晶製造方法。
  10. 【請求項10】 酸化物結晶の結晶成長において、結晶
    構成元素を液相に補給する組成が、酸化物結晶と異なる
    固相を、結晶を成長させる位置から離れた所に内包した
    少なくとも結晶構成元素からなり、組成が酸化物結晶と
    異なる液相を用い、固相及び液相とも異なる組成の結晶
    を成長させる自酸化物結晶製造装置であって、種結晶を
    溶液表面に接触させる手段と、該種結晶を回転させなが
    ら上方に引き上げる手段と、溶液表面温度を検出する溶
    液表面温度検出手段と、該溶液表面温度検出手段の出力
    からロードセル信号を解析し、目標径からの偏差を最小
    にするように引き上げ速度を制御する引き上げ速度制御
    手段とを備えること特徴とする自動酸化物結晶製造装
    置。
  11. 【請求項11】 前記引き上げ速度制御手段は、引き上
    げ速度を過冷度、軸回転数、酸素濃度からc軸方向の成
    長速度を推定し、液面低下速度で補正して決定する手段
    を有することを特徴とする請求項10に記載の自動酸化
    物結晶製造装置。
  12. 【請求項12】 前記引き上げ速度制御手段は、前記種
    結晶の回転数を、数値計算結果を利用し、グラショフ数
    や結晶径から自然対流、強制対流の合流点を一定にする
    よう決定する手段を有することを特徴とする請求項10
    又は11に記載の自動酸化物結晶製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012082087A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Sumitomo Metal Fine Technology Co Ltd 単結晶引上装置および坩堝支持装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012082087A (ja) * 2010-10-08 2012-04-26 Sumitomo Metal Fine Technology Co Ltd 単結晶引上装置および坩堝支持装置

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