JPH10138497A - インクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法

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JPH10138497A
JPH10138497A JP29876296A JP29876296A JPH10138497A JP H10138497 A JPH10138497 A JP H10138497A JP 29876296 A JP29876296 A JP 29876296A JP 29876296 A JP29876296 A JP 29876296A JP H10138497 A JPH10138497 A JP H10138497A
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Junichi Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 Si基板裏面の耐エッチングマスクのキズ部
分のエッチングによりインク供給口とその周辺に欠陥が
発生するのを、簡単かつ容易に、しかも安価に、防止で
きるようにする。 【解決手段】 Si基板1の一方の面に形成されたイン
ク吐出発生素子2に対応する位置に形成されたインク吐
出口9とこれに通じるインク流路に連通するインク供給
口10を、前記Si基板1に、同Si基板1の他方の面
に設けた耐エッチングマスク側よりSi異方性エッチン
グ技術により形成する際に、前記耐エッチングマスクの
キズ20,21を補修することを特徴とするインクジェ
ット記録ヘッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式に用いるインクジェット記録ヘッドの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】通称サイドシェーター型のインクジェッ
ト記録ヘッドは、インク吐出発生素子が形成された基板
に貫通口(インク吐出口)を設け、基板裏面よりインク
を供給する方式が取られている。この型のインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法は、例えば、特開昭62−26
4957及びUSP4789425の各公報において提
案されている。この製造方法は、まず、インク吐出発生
素子の形成された基板に、サンドブラスト加工、あるい
は超音波研削加工といった機械加工方法で、複数配列さ
れたインク吐出発生素子のすべてに対応する共通のイン
ク供給口となる一穴の貫通口を形成した後、インク流路
となるノズルを形成し(この工程は貫通口を形成する以
前に実施することも可能。)、ついで、インク吐出口を
形成した電鋳プレートを前記基板のインク流路,インク
吐出発生素子と相対する位置に接着する方法である。
【0003】また、最近では、インクジェット記録ヘッ
ドの小型化,高密度化に対応して、基板内に、半導体製
造技術を用いて、インク吐出発生素子を駆動するための
電気的制御回路(ダイオードマトリックス回路やシフト
レジスタ回路)を内蔵させる方法が提案されている。こ
のような方法で造られる高機能なインクジェット記録ヘ
ッドは、静電気や振動に非常に敏感であるため、これに
サンドブラスト,超音波研削加工のような機械加工によ
ってインク供給口を形成すれば、そのときの静電気や振
動で回路特性に悪影響を受けることになる。
【0004】そこで、こうした問題を改善する方法とし
て、Si基板を用い、これにインク供給口を基板裏面よ
り化学的にエッチングして形成する方法が提案されてい
る。この方法では、貫通口(インク供給口)を化学的な
エッチング処理で形成するので、その形成工程をインク
ジェット記録ヘッドの製造工程中のどの時点で行うか
は、任意に決定できる。つまり、インク供給口の形成工
程を、インクジェット記録ヘッドの主たる機能部分が形
成された後の最終工程で実施することができる。
【0005】機械加工によるインク供給口の形成は、通
常インクジェット記録ヘッドの製造工程の比較的最初の
工程で実施される。この点を考えれば、最終工程でイン
ク供給口を形成できることは、エッチング処理による製
造方法の利点と言える。なぜなら、比較的最初の工程で
インク供給口を形成した基板は、強度が低下し、後工程
での取り扱いで破損し易くなるからである。また、この
エッチング処理による製造方法は、製造装置での取り扱
いが複雑であると言った従来の問題も解決できる。
【0006】しかし、エッチングによりインク供給口を
形成する方法には、以下の問題点がある。
【0007】インク吐出発生素子を駆動するための回路
素子の形成には、所謂、半導体素子形成技術が用いられ
ている。そして、この技術で半導体素子を形成する際に
は、酸化膜(熱酸化)を利用している。したがって、そ
の酸化膜をSi異方性エッチングの耐エッチングマスク
に使用することは、特別の工程を付加することなく可能
である。このような理由で、これまで、Si異方性エッ
チング技術によりインク供給口を形成する場合、耐エッ
チングマスクとして酸化膜を用いてきた。
【0008】しかし、インク吐出発生素子の形成とイン
ク吐出発生素子の電気的駆動を行うための回路形成は、
多段の工程を経て行われるから、図17に示すように、
工程中のSi基板の流動、取り扱いにより、Si基板1
の裏面、すなわち、Si異方性エッチング開始面の耐エ
ッチングマスクである酸化膜3とSi基板1に、特別な
配慮を行わない限り、キズ20,21が発生する。
【0009】このキズ20,21は、図18に示すよう
なインク供給口10の欠陥(酸化膜3等のキズ20,2
1からエッチングが進むことによる欠陥)22,23に
結びつくこととなり、歩留りを悪くする要因となってい
た。その対策としては、工程中にSi基板の裏面が装置
等と接触しないようにすればよい。しかし、多段の工程
の1つ1つにそのような対策をとると装置コストがアッ
プし、処理が複雑になり、実用的ではない。
【0010】そこで、現在では、基板裏面の耐エッチン
グマスクのキズ部分のエッチングによりインク供給口と
その周辺に欠陥が発生するのを、簡単かつ容易に、しか
も安価に、防止できる技術が望まれている。
【0011】本発明は、このような技術的背景の下にな
されたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ット記録ヘッドの製造方法は、Si基板の一方の面に形
成されたインク吐出発生素子に対応する位置に形成され
たインク吐出口とこれに通じるインク流路に連通するイ
ンク供給口を、前記Si基板に、同Si基板の他方の面
に設けた耐エッチングマスク側よりSi異方性エッチン
グ技術により形成する際に、前記耐エッチングマスクの
キズをあらかじめ補修することを特徴とするものであ
る。
【0013】前記耐エッチングマスクのキズの補修は、
耐エッチングマスク上にホウ素を拡散させてなる膜を形
成することにより、可能である。また、耐エッチングマ
スク上に液状珪素化合物を塗布した後焼成してなる膜を
形成することによっても可能である。
【0014】前記インク吐出発生素子が形成されたSi
基板の一方の面は、Si結晶方位<100>面または<
110>面である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例1〜3によって図を参照しながら説明する。
【0016】本実施例では、インク吐出発生素子を使用
したインクジェット記録ヘッド、所謂バブルジェット記
録方式のインクジェット記録ヘッドの製造方法を例にし
て工程順に説明する。
【0017】図14〜図16は、下記実施例1〜3の製
造方法によって最終的に得られたインクジェット記録ヘ
ッドの構造を示す。このヘッドは、同図に示すように、
オリフィスプレート材8に、その長手方向に2列に配置
した18個のインク吐出口9と、これらに通ずるインク
流路12が設けられている。そして、上記インク吐出口
9にインク流路12を介してインクを供給するためのイ
ンク供給口10は、Si基板1に1つのスリット状の長
穴として形成され、2列に配置されたインク吐出口6の
列と列の間に配設されている。
【0018】なお、一般の半導体製造技術では、Si基
板に同様の素子を複数個配列した多数個処理が行われて
いるが、本発明のインクジェット記録ヘッドも同様の方
法の多数個取りが可能であることは言うまでもない。し
かし、実施例で用いる図面では、1つのインクジェット
記録ヘッドとして示した。
【0019】(実施例1) (1)図1に示すように、本実施例では、<100>面
の結晶方位を持つSi基板1を用いた。このSi基板1
には、半導体製造技術によりインク吐出発生素子2を駆
動させるための駆動素子が形成されている。
【0020】本発明は、半導体製造技術による、インク
吐出発生素子の駆動素子の形成そのもののに関する発明
ではないので、その工程の詳細な説明は省略する。しか
し、ここにいう駆動素子は多段の工程を経て形成される
ため、その間のSi基板1の流動により裏面の酸化膜3
に多数のキズが発生する。そこで、本実施例では、Si
基板1の裏面の酸化膜3に発生したキズを保護する工程
を下記の要領で実施した。
【0021】(2)図2に示すように、前記酸化膜3に
Si基板1を貫通するインク供給口のパターン3aをフ
ォトリソグラフィー技術により形成した。
【0022】具体的には、酸化膜3上にフォトレジスト
をスピンコーター装置等により均一に塗布した後、フォ
トマスクを用いて、露光、現像し、熱酸化膜が露出する
部分をバッファードフッ酸(NH4 F:HF=10:
1)、あるいは反応ガスを用いたドライエッチング装置
等でエッチングした。エッチング後はフォトレジストは
剥離した。
【0023】ここで、<100>面のSi基板を用いる
と、Si異方性エッチングで形成するインク供給口10
の形状はエッチング開始面からエッチング終点面に向か
って約54.7°の角度を持った傾斜で小さくなる。し
たがって、上述したことを考慮して、パターン設計をす
る必要がある。また、<110>面のSi基板を用いた
場合は、垂直にエッチングされるので、用いるSi基板
の結晶面によりパターン設計が異なる。
【0024】(3)図3に示すように、パターン形成さ
れた裏面の酸化膜3上にPoly−Si膜4を減圧CV
D装置等により2000Å程度積層した。設定膜厚は特
に限定するものではない。
【0025】(4)図4に示すように、フォトレジスト
を用いて、インク供給口9となるパターン形状に相当す
る部位にフォトレジストパターン5を形成した。これ
は、前記酸化膜3にパターンを形成したときと同様の方
法であるが、レジストパターン5は図2とは全く逆のパ
ターン形成となる。
【0026】(5)図5に示すように、高濃度ホウ素を
拡散させるための塗布液(PBF)6(Poly Bo
ron Film 東京応化工業株式会社製 品番3M
−31を用いた。)をスピンコーターにより、塗布した
後、ベーク120℃、60分行い、塗布液6中の溶媒を
除去した。
【0027】ここで、PBFとは、有機高分子にホウ素
化合物を反応させたポリマーをアルコール系溶媒に溶解
させたもので、ホウ素化合物の濃度により、被膜の膜厚
が調整可能となるため、種々のグレードのものが市販さ
れている。
【0028】(6)図6に示すように、フォトレジスト
パターン5を除去した後、更に高温(450℃)で4時
間以上焼成したところ、Poly−Si膜4にホウ素が
拡散され、フォトレジストパターン5のあった部位のP
oly−Si膜4部分は拡散が進行せず、ホウ素の拡散
されたところ(保護膜)11と拡散されないところが表
われた。
【0029】なお、他のホウ素拡散(打ち込みとも言
う)方法としては、半導体製造技術で公知のイオンイン
プラテーション技術による方法もある。
【0030】以下の(7)〜(10)の工程は、インク
ジェット記録ヘッドのインク流路、吐出口を形成し、S
i異方性エッチングによりインク供給口を形成する工程
である。下記(7)〜(9)の工程は、後述する実施例
2,3に共通である。
【0031】(7)図7は、除去可能なインク流路とな
る型材(ノズル型材)7をフォトリソグラフィー技術に
より形成した。本実施例では、ポジ型フォトレジストP
MER−AR900(東京応化工業株式会社製)を用い
所望の膜厚、パターンで形成した。
【0032】(8)図8に示すように、上記(7)の工
程で形成したインク流路となる型材7を被覆するよう
に、同型材7とSi基板1上に、オリフィスプレート材
8を積層した。
【0033】(9)図9に示すように、フォトリソグラ
フィー技術により吐出口9を形成した。オリフィスプレ
ート材8としては、感光性エポキシ樹脂を示したが、感
光性アクリル樹脂等も使用できる。ここで使用するオリ
フィスプレート材は、インクジェット記録ヘッドとし
て、常にインクと接触するため、その選択にあたっては
以下の点を考慮する必要がある。
【0034】オリフィスプレート材8がインクとの接
触によって、同材より不純物がインクに溶出しないこ
と。
【0035】オリフィスプレート材8とSi基板1と
の密着性が良く、経時変化による剥がれが起こらないこ
と。
【0036】これらの点に鑑みると、オリフィスプレー
ト材8としては、光反応によるカチオン重合化合物が適
している。
【0037】また、オリフィスプレート材8の選択は、
使用するインクによっても大きく左右されることから、
本発明者の推奨する材料以外からも可能である。要は、
目的にあった材料を選択すれば良い。
【0038】(10)図10は、上記(9)までの工程
を終えたSi基板1の裏面(インクジェット記録ヘッド
としての機能素子が形成された面の反対側)より、Si
異方性エッチングを行ってインク供給口10を形成し
た。
【0039】この工程においては、インクジェット記録
ヘッドとしての機能素子が形成された面側の材料がSi
異方性エッチング液に耐性がない場合には、その保護を
する必要がある。具体的には、比較的容易な方法とし
て、治具を作製し、Si異方性エッチング液が前記機能
素子面に入らないように工夫する。あるいは、同素子面
をSi異方性エッチング液に耐性(耐アルカリ性)のあ
る樹脂等で被覆し、Si異方性エッチング後にこれを剥
離する。
【0040】上記Si基板の異方性エッチングに用いる
エッチング液としては、アルカリ系のエッチング液、例
えばKOH,NaOH,TMAHといった溶液を用いる
のが一般的である。
【0041】本実施例では、TMAH濃度22wt%溶
液を用いて、エッチング液温度80℃にて所定の時間、
異方性エッチングを行った。このとき、インクジェット
記録ヘッドの機能素子が形成された面は、エッチング液
が触れないようにする治具、あるいは保護手段を用い
た。異方性エッチング液の濃度はエッチング速度、エッ
チング面の平滑性と相関関係があり、エッチングの温度
はエッチング速度に依存することから、異方性エッチン
グに際しては、あらかじめ実験により、その最適な条件
を設定すれば良い。
【0042】実施例1の製造方法では、Poly−Si
膜4にホウ素が拡散したところは耐エッチング性があ
り、ホウ素が拡散していないところはSi基板と同様に
エッチングされる。
【0043】Si異方性エッチングが完了したら、上記
(7)の工程で形成したインク流路の型材7を溶解除去
して、インクジェット記録ヘッドの主たる製造工程が完
了する。
【0044】(実施例2)図1の状態で、キズが生じた
酸化膜3を全て除去(エッチング)した後、図3以降の
工程を実施することでも本発明の目的は充分達成でき
る。このようにした場合には、酸化膜3のパターニング
工程である露光、現像等の工程を省略できる。
【0045】(実施例3) (1)図11に示すように、図1と同様にキズ等の欠陥
を生じた酸化膜3上に酸化珪素被膜形成材料13(東京
応化工業株式会社製 商品名OCDType10)をス
ピンコーター装置にて約2000Åの膜厚で塗布した。
【0046】ここで、酸化珪素被膜形成材料13とは、
珪素化合物及び添加剤(拡散用不純物,ガラス質形成
剤,有機バインダー)を有機溶剤(アルコール主成分,
エステル,ケトン)に溶解したもので、有機,無機系が
市販されている。この材料13の塗布方法としては、本
実施例に用いたスピンナーによる方法以外に、浸漬(デ
ィッピング),吹き付け,刷毛塗り等の方法がある。
【0047】塗布後は、有機溶剤を気散させ焼成するた
めにベークを行った。焼成温度は、400℃、焼成時間
は30分程であるが、ベーク温度の昇温は低温(約80
℃以下)から徐々に行うのが望ましい。有機溶剤を含む
塗膜に急激な温度変化を与えると、クラック,ゆずはだ
模様となる可能性があるためである。また、ベーク温度
と時間は、塗布膜厚に依存するため、各々の膜厚による
最適ベーク条件を設定する必要がある。
【0048】(2)図12に示すように、実施例1の
(7)〜(9)と同様の工程で、インク流路の型材7,
オリフィスプレート材8,インク吐出口9を形成した。
そして、Si異方性エッチングに投入するまでに、酸化
膜3,酸化珪素被膜形成材料13を同時に所望のインク
供給口のパターンとなるようにエッチングを行った。エ
ッチング方法は、前述する方法と同様、フォトリソグラ
フィー技術により行い、エッチング液としては、バッフ
ァードフッ酸による方法、反応ガスを用いたドライエッ
チング等で可能である。
【0049】(3)図13に示すように、上記(2)の
工程を終えたSi基板1の裏面(インク吐出発生素子2
が形成された面の反対側)より、Si異方性エッチング
を行ってインク供給口10を形成し、インク流路12の
型材7を溶解除去して、インクジェット記録ヘッドを得
た。
【0050】(実施例4)Si基板の異方性エッチング
面の結晶方位を<110>面とするSi基板を用いても
前記する製造方法と同様の工程設定が可能である。その
際、形成されるインク供給口の形状としては、エッチン
グ開始面とエッチング終点面の寸法がほぼ同等な垂直な
エッチング形状となる。したがって、<100>面を用
いた場合よりエッチングマスクの設計が容易である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェット記録ヘッドの製造方法によれば、以下の効果が期
待できる。
【0052】(1)比較的容易な工程で、エッチング開
始面の耐エッチングマスク材(酸化膜)のキズを補修す
ることができる。
【0053】(2)インク供給口をSi異方性エッチン
グで形成する際、エッチングする面のキズ等に起因する
エッチング欠陥が発生せず、パターン精度が良く、歩留
りの高いインク供給口を形成することができる。
【0054】(3)Si異方性エッチング面のキズ,汚
れ等の管理(チェック)が不要となり、取り扱いが容易
となるため、工程の煩雑さや製造装置のコストアップを
防止でき、結果的に安価で高品質のインクジェット記録
ヘッドを製造することができる。
【0055】(4)比較的最初の工程でSi基板にイン
ク供給口を形成すると、Si基板の剛性が弱くなり、そ
の流動の過程で破損するおそれがあるので、取り扱いに
は格別の注意を払わなければならない。
【0056】しかし、本発明においては、インク供給口
の形成工程をインクジェット記録ヘッドの製造工程の比
較的最終工程に近いところで実施できるので、Si基板
の剛性の低下による工程上の取り扱いに注意を払わなく
ても良くなる。
【0057】(5)フォトリソグラフィー技術,Si異
方性エッチング技術により、キズを補修した耐エッチン
グマスク側からSi基板をエッチングしてインク供給口
を形成するので、微細、かつ精度の良いインク供給口を
形成でき、結果的にインクジェット記録ヘッドの吐出性
能の向上と安定化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるSi基板にインク吐出発生
素子とインク吐出発生素子の駆動素子が形成されたとこ
ろを示す模式的断面図である。
【図2】 図1のSi基板の酸化膜にインク供給口のパ
ターン形成したところを示す模式的断面図である。
【図3】 図1の酸化膜上にPoly−Si膜を成膜し
たところを示す模式的断面図である。
【図4】 図3のSi基板の予定するインク供給口の部
位にレジストパターンを形成したところを示す模式的断
面図である。
【図5】 図4のPoly−Si膜にホウ素を拡散させ
るための塗布液を塗布したところを示す模式的断面図で
ある。
【図6】 図5のレジストパターンを除去した後、焼成
によりホウ素がPoly−Si膜に拡散するところと拡
散しないところが形成されたところを示す模式的断面図
である。
【図7】 図6のノズル型材にパターン形成したところ
を示す模式的断面図である。
【図8】 図7のノズル型材を被覆するようにオリフィ
スプレート材を積層したところを示す模式的断面図であ
る。
【図9】 図8のオリフィスプレート材にパターンを形
成し、インク吐出口が形成されたところを示す模式的断
面図である。
【図10】 図9のSi基板のSi異方性エッチングが
完了し、ノズル型材を除去して、インクジェット記録ヘ
ッドが完成したところを示す模式的断面図である。
【図11】 実施例3の方法において、図1と同様のS
i基板に酸化珪素被膜形成材料を形成したところを示す
模式的断面図である。
【図12】 実施例3の方法において酸化膜と酸化珪素
被膜形成材料を所望のインク供給口となる形状にパター
ン形成したところを示す模式的断面図である。
【図13】 実施例3の方法においてSi異方性エッチ
ングが完了し、ノズル型材を除去して、インクジェット
記録ヘッドが完成したところを示す模式的断面図であ
る。
【図14】 実施例1〜3の製造方法により完成したイ
ンクジェット記録ヘッドの模式的平面図である。
【図15】 図14の模式的背面図である。
【図16】 図14のA−A断面図である。
【図17】 従来のSi異方性エッチング前のSi基板
の裏面のキズを示す模式的背面図である。
【図18】 図17のSi基板にSi異方性エッチング
を行った場合に発生した欠陥を示す模式的断面図であ
る。
【符号の説明】
1 Si基板 2 インク吐出発生素子 3 酸化膜 4 Poly−Si膜 5 フォトレジストパターン 6 PBF 7 ノズル型材 8 オリフィスプレート材 9 インク吐出口 10 インク供給口 11 保護膜 13 酸化珪素被膜形成材料 20,21 キズ 22,23 欠陥

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si基板の一方の面に形成されたインク
    吐出発生素子に対応する位置に形成されたインク吐出口
    とこれに通じるインク流路に連通するインク供給口を、
    前記Si基板に、同Si基板の他方の面に設けた耐エッ
    チングマスク側よりSi異方性エッチング技術により形
    成する際に、前記耐エッチングマスクのキズをあらかじ
    め補修することを特徴とするインクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記耐エッチングマスクのキズを、耐エ
    ッチングマスク上にホウ素を拡散させてなる膜を形成す
    ることにより、補修することを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記耐エッチングマスクのキズを、耐エ
    ッチングマスク上に液状珪素化合物を塗布した後焼成し
    てなる膜を形成することにより補修することを特徴とす
    る請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記インク吐出発生素子が形成されたS
    i基板の一方の面は、Si結晶方位<100>面または
    <110>面であることを特徴とする請求項1、2また
    は3に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6757973B2 (en) 2000-07-27 2004-07-06 Samsung Electronics Co., Ltd. Method for forming throughhole in ink-jet print head
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