JPH10138117A - アルミホイールの研磨方法およびこれに用いる研磨用メディア並びにバレル研磨装置 - Google Patents

アルミホイールの研磨方法およびこれに用いる研磨用メディア並びにバレル研磨装置

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JPH10138117A
JPH10138117A JP29644596A JP29644596A JPH10138117A JP H10138117 A JPH10138117 A JP H10138117A JP 29644596 A JP29644596 A JP 29644596A JP 29644596 A JP29644596 A JP 29644596A JP H10138117 A JPH10138117 A JP H10138117A
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JP
Japan
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polishing
aluminum wheel
mixed
tank
metal medium
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JP29644596A
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Hideo Mori
秀雄 森
Masatomo Watanabe
昌知 渡辺
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Sintobrator Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミホイールの表面粗さを改善する研磨の
工程をバレル研磨方法により行えるアルミホイールの研
磨方法およびこの方法に用いる研磨用メディア並びにバ
レル研磨装置を提供する。 【解決手段】 球形金属メディア2と非球形金属メディ
ア3との混合金属メディアを用いて研磨するアルミホイ
ールの研磨方法およびこれに用いる研磨用メディアと、
断面形状がU字型の箱型の研磨槽19を少なくとも4箇
所以上の弾性部材21a、21bをもって機枠32上に
均等に保持させ、この研磨槽19を回転モーメントが生
じないように振動させる加振装置で振動させるようにし
たアルミホイールのバレル研磨装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ショット処理され
て梨地肌を呈するアルミホイールなどの鍍金や塗装前の
アルミホイールに施しておくことによって独特の深みの
ある光沢を有する製品とすることができるアルミホイー
ルの研磨方法およびこれに用いる研磨用メディア並びに
バレル研磨装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】主に自動車用として使用されるアルミホ
イールは、鋳造法により主要な形状を形成し、ハンドグ
ラインダ等のバリ取り工具を用いて砂、鋳肌層、バリ等
を除去し、旋盤やメディア盤などの切削工具により細か
な形状を整える第1段階の工程と、ショットブラスト法
及び/又はバフ研磨法により切削で生じたバリを除去
し、コーナーを面取りし、表面の粗さを改善する第2段
階の工程と、鍍金又は塗装により美感を向上させると共
に保護膜を形成する第3段階の工程とにより製造されて
いる。
【0003】特に、本発明の方法に係わる第2段階の工
程に関し詳細に説明すれば、アルミホイールの仕上形態
により、大きく2種類に大別される仕上方法が従来より
広く行われている。その1つはブラスト処理である。こ
の方法では、梨地様に艶の無い白色を呈する加工面が容
易に得られる点に特徴があるが、高級感の点においては
やや劣るため、近年の消費者の高級指向に応じて、前記
第3段階において不透明の塗料を重ね塗りして滑らかな
肌を得る方法等が試みられているものの、製造工程が複
雑になり製造コストが高騰する問題があった。
【0004】また、第2段階の工程の別の1つはバフ研
磨処理である。この方法では、高級感のある鏡面状の加
工面を得ることができるが、ハンドグラインダーを使用
して、熟練工が粗いものから細かいものまでの数種類の
粒度がハフ車を順次使用して長時間かけて加工すること
となり、やはり製造工程が複雑となって製造コストが高
騰する問題があって、新しい仕上方法の開発が望まれて
いた。
【0005】その他の一般的な小さなワークの光沢仕上
方法としては、振動バレル研磨装置にワークと金属メデ
ィアとコンパウンド溶液を装入し、振動を加えることに
よって金属メディアによりワーク表面の微細な凹凸を均
して光沢面を得るバリル研磨方法が従来より使用されて
いるが、この方法はバフ研磨とは異なり熟練工を必要と
せず、複雑形状のワークの全面を容易に処理することを
可能とし、また、結果的にワークの表面に圧縮残留応力
を与え、製品強度の向上ももたらす優れた加工方法であ
るが、次のような問題があってこれまでアルミホイール
の光沢仕上方法としては実用に供せられていない。
【0006】このバレル研磨方法がアルミホイールの光
沢仕上方法としては実用に供せられていない第1の理由
は、従来の金属メディアでは流動性が低い点にある。即
ち、金属メディアは寸法形状が均一であって、比重が大
きいので研磨槽内部で密に充填されて流動性が低下する
のである。従来から使用されている小さなワークの大量
処理においては、小さな複数のワークの存在が金属メデ
ィアの密な充填を妨げて必要な流動性は確保されたが、
これをアルミホイールに適用しようとする場合には、特
に凹部内の金属メディアが良好に流動せずその部分が研
磨されない問題を生ずるのである。
【0007】第2の理由は、アルミホイールを安定に研
磨することが可能な振動バレル研磨装置が提供されてい
ない点にある。即ち、従来一般に用いられている単軸式
の振動バレル研磨装置は、部分的に方向を変える小さな
渦が同時に発生しているので、表面積が大きく比重の小
さなアルミホイールを研磨しようとする場合には、複雑
な渦を生じている研磨槽内に安定に存在することができ
ず、アルミホイールが上方に移動させられ、メディアと
分離する現象(以下、浮き上がり現象とよぶ)を生じや
すく、安定に研磨を続けることが困難となる問題があっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
するところは上記の問題を解決して、アルミホイールの
製造工程のうち特に第2段階の表面粗さを改善する研磨
の工程をバレル研磨法により実施できるようにしたアル
ミホイールの研磨方法およびこれに用いる研磨用メディ
ア並びにバレル研磨装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決した
本発明は、球形金属メディアと非球形金属メディアとを
混合した混合金属メディアを装入した研磨槽内でバレル
研磨することを特徴とするアルミホイールの研磨方法
と、球形金属メディアと非球形金属メディアとを混合し
たことを特徴とする研磨用メディアと、断面形状がU字
型をした箱型の研磨槽をその底部近傍の少なくとも4箇
所以上に配置された弾性部材をもって機枠上に均等に保
持させるとともに、この研磨槽を回転モーメントが生じ
ないように振動させる加振装置を付設したことを特徴と
するアルミホイールのバレル研磨装置とよりなるもので
ある。
【0010】また、前記した請求項1に係る発明である
アルミホイールの研磨方法と、請求項6に係る発明であ
る研磨用メディアにおいて、球形金属メディアと非球形
金属メディアの具体例としては、球形金属メディア10
容量部に対し、スプートニク型の金属メディアを2〜1
0容量部混合したものが特に好ましく、これを請求項2
および請求項7に係る発明とする。さらに、前記したア
ルミホイールの研磨方法においては、研磨槽内において
アルミホイールと混合金属メディアとをコンパウンド溶
液により湿潤させ、槽底から過剰のコンパウンド溶液を
排出しながらバレル研磨したり、このバレル研磨を混合
金属メディアとコンパウンド溶液が装入されている研磨
槽内にアルミホイールの装入・排出を繰り返して行なっ
たり、或いはこのようなバレル研磨を研磨槽内で流動す
る混合金属メディアとコンパウンド溶液中にその流動方
向と平行にアルミホイールを装入して行い、排出は研磨
時とは逆方向に低速で流動させながら行うことが好まし
く、これらを請求項3〜5に係る発明とする。さらにま
た、前記したアルミホイールのバレル研磨装置における
加振装置は、研磨槽の相対する2つの側壁外面に回転可
能に設けられた偏心重量が等しい一対のカウンターウエ
イトと、一方のカウンターウエイトに連結された回転駆
動機構と、他方のカウンターウエイトを前記した一方の
カウンターウエイトと同位相で且つ同回転速度で連れ回
るように連結する連結手段とよりなるものとして、前記
したカウンターウエイトが、研磨槽にアルミホイールと
混合金属メディアとコンパウンド溶液を装入したときに
おける研磨槽の重心高さと同じ高さとなるように研磨槽
の相対する2つの側壁外面に設けたものとすることが好
ましく、これを請求項9に係る発明とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ本発明
の好ましい実施の形態を示す。図1は本発明の研磨用メ
ディアの配列を示す説明図で、1は球形金属メディア3
と非球形金属メディア2としてのスプートニク型金属メ
ディアとが混合された混合金属メディアである。このよ
うに球形金属メディア3と非球形金属メディア2とを混
合しておく理由は、図2に比較例として示す球形金属メ
ディアのみよりなる従来の研磨用メディアの場合には、
同じ形状と大きさの金属メディア3aのみがびっしりと
整列されることとなるため、球形金属メディア3aがラ
ンダムに動けなくなるからで、これを防止するために図
1に示すように球形金属メディア3に非球形金属メディ
ア2を混在させておく必要がある。即ち、球形金属メデ
ィア3に混在された形状又は/及び大きさが異なる非球
形金属メディア2は、球形金属メディア3の整列中に混
在してその規則正しい整列を乱す作用を発揮するのであ
る。
【0012】ここで、混合金属メディア1は、球形金属
メディアと2種類以上の異なる形状の金属メディアを混
合したものであればよいが、徒に多種類の金属メディア
を混合しても混合金属メディア1の管理が煩雑になるば
かりで、特に付随する効果は期待できないので、管理面
を考慮して1種の球形金属メディア3と、1種の非球形
金属メディア2の2種類の金属メディアを混合して用い
れば充分である。
【0013】なお、球形金属メディア3に混合させる非
球形金属メディア2の形状も特に規定されるものではな
いが、より効率的に不規則な空間を生じさせるために
は、図1に示すように、研磨能力に優れた球形金属メデ
ィア3に対してスプートニク型金属メディアと呼ばれる
非球形金属メディア2を混合することがより好ましい。
しかしながら、非球形金属メディア2としてのスプート
ニク型金属メディアは、球形金属メディア3に比較して
加工後のワークの光沢度が劣るから、後記するようにそ
の混合割合には好適な範囲が存在する。
【0014】また、研磨槽内においてアルミホイールと
混合金属メディアとをもって研磨するとき、アルミホイ
ールと混合金属メディアとをコンパウンド溶液により湿
潤させて槽底から過剰のコンパウンド溶液を排出しなが
ら研磨することが好ましい。その理由は混合金属メディ
アに流動を良好に行わしめる作用と、作業環境保全の作
用との2つの作用に関連する。なお、この流動に関して
は、理論的には明らかでないが、余剰コンパウンド溶液
が滞留すると滞留部分において金属メディアの流動速度
が低下するなど研磨に好ましくない現象の発生が観察さ
れる。
【0015】一方、作業環境保全に関しては、箱型の振
動バレル研磨装置を採用して研磨すると、良好な激しい
流動力を生ずるため、前記のような流動性に優れた混合
金属メディアを採用して研磨を行う場合に、余剰のコン
パウンド溶液が研磨槽内に滞留すれば、コンパウンドに
含まれる界面活性剤等が激しく発泡し、研磨槽外に飛散
する問題を生ずるが、余剰のコンパウンド溶液を速やか
に研磨槽外に排出させれば発泡は抑えられ、特に、蓋な
どを設けない場合にも作業環境を悪化させることなしに
好適に研磨を継続することが可能となるのである。
【0016】次に、前記したアルミホイールの研磨方法
には、断面形状がU字型をした箱型の研磨槽をその底部
近傍の少なくとも4箇所以上に配置された弾性部材をも
って機枠上に均等に保持させるとともに、この研磨槽を
回転モーメントが生じないように振動させる加振装置を
付設したバレル研磨装置により行なうのが特に適してい
る。その理由は、研磨槽を断面U字型とすると、研磨槽
内面に沿って流動する混合金属メディアの流れに乱れを
生ずることなしに、その流動をスムーズに行わしめるた
めである。また、この断面形状がU字型をした箱型の研
磨槽の底部近傍の少なくとも4箇所以上を機枠上に弾性
部材で均等に保持させるのは、研磨槽を均一に振動させ
るためであって、これらような保持手段は、従来から使
用されている箱型振動バレル研磨装置においても採用さ
れることのあった公知の技術であるが、単に研磨槽の底
部近傍の少なくとも4箇所以上を機枠上に弾性部材で均
等に保持させただけでは混合金属メディアの均一な流動
を生じさせるこはできない。そこで、本発明のアルミホ
イールの研磨装置では、回転モーメントを生じないよう
に研磨槽を振動させ得る加振手段を採用してメディアの
流動を更に均一なものとし、これにより初めてアルミホ
イールを箱型の振動式のバレル研磨装置により研磨可能
となるのである。
【0017】このように研磨槽を回転モーメントが生じ
ないように振動させる加振装置としては、例えば、研磨
槽の相対する2つの側壁外面に回転可能に設けられた偏
心重量が等しい一対のカウンターウエイトと、一方のカ
ウンターウエイトに連結された回転駆動機構と、他方の
カウンターウエイトを前記した一方のカウンターウエイ
トと同位相で且つ同回転速度で連れ回るように連結する
連結手段とよりなるものとして、前記したカウンターウ
エイトを研磨槽にアルミホイールと混合金属メディアと
コンパウンド溶液を装入したときにおける研磨槽の重心
高さと同じ高さとなるように研磨槽の相対する2つの側
壁外面に設けるようにしたものがコンパクトな設計とな
るので好ましい。
【0018】以下、図3及び図4に示した概念図によ
り、この加振手段の作用を更に詳しく説明する。図4は
従来型の最も一般的な箱型振動バレル研磨装置の概念図
である。この従来型においては、カウンターウエイト1
4は中心下方に1軸を設けるので、重心O’からr14
だけ離れた位置にあって、角度θの回転位置にあるカウ
ンターウエイト14に生ずる遠心力をF14とすれば、
下記のような数式となり、
【数1】ω’=r14×F14×sinθ ω’の値が研磨槽13に作用する回転モーメントとな
る。ここでr14とF14は共に0にはできないので、
必ず回転モーメントを生じてしまい、この回転モーメン
トの結果、弾性部材15、15により支持されている研
磨槽13は傾きを生ずることとなって、カウンターウエ
イト14に発生する水平方向の遠心力はこの傾き運動に
消費され、その重心の軌跡は、垂直方向に細長い楕円形
となり、また、研磨槽13内で上方のメディアはカウン
ターウエイト14とは逆の方向に回転する。このような
複雑な流動が大きなアルミホイール17の小さな範囲毎
に不均一に作用すれば、アルミホイール17は安定に研
磨槽内に留まることができず、メディアと分離する浮き
上がり現象を生ずることとなる。
【0019】これに対して図3に示した本発明のバレル
研磨装置では、アルミホイール11とメディア及びコン
パウンド溶液を装入した研磨槽6の重心O’を通る水平
面上にあって重心O’に対称に回転中心を配置したカウ
ンターウエイト7、8が回転可能に研磨槽6に固定され
ており、また、カウンターウエイト7、8は共に同位相
で且つ同回転速度で回転するように構成されているの
で、カウンターウエイト7、8が重心O’からそれぞれ
r7、r8だけ離れた位置にあって、角度θの回転位置
にある場合のカウンターウエイトに生ずる遠心力をそれ
ぞれF7、F8とすれば、下記のような数式となり、
【数2】 ω=r8×F8×cosθ−r7×F7×cosθ ωの値が研磨槽6に作用する回転モーメントとなる。こ
こでr8とr7を同じ値とし、F8とF7を同じ値とす
れば、θの値が如何なる場合であっても、ωの値は0と
なって、常に回転モーメントを生じないのである。そし
て、回転モーメントを生ずることなく研磨槽の重心O’
を静止状態の研磨槽の重心Oを中心とした円を描くよう
に振動させる場合には、流動の乱れは生ぜず部分的にも
全体的にも反時計回りの流動が持続して、アルミホイー
ルは中心やや左側に安定に位置して自転し、均一な研磨
作用を受けるのである。
【0020】次に、本発明に係るアルミホイールのバレ
ル研磨装置の1例を、図5及び図6によりさらに詳しく
説明する。振動方向の断面形状をU字型とした研磨槽1
9を、弾性部材21a、21b及び図示していない他の
2個の計4個の弾性部材により機枠32に振動可能に固
定してあり、前記した研磨槽19は仕切板20a、20
bにより3等分されて同時に3個のアルミホイールW
a、Wb及びWcを研磨することが可能としてある。ま
た、加振装置は、研磨槽19の相対する2つの側壁外面
に回転可能に設けられた偏心重量が等しい一対のカウン
ターウエイトと、一方のカウンターウエイトに連結され
た回転駆動機構と、他方のカウンターウエイトを前記し
た一方のカウンターウエイトと同位相で且つ同回転速度
で連れ回るように連結する連結手段とよりなるように、
研磨槽19の相対する側壁外面にカウンターウエイト2
2a、カウンターウエイト22d及び歯付きプーリ24
aを固定した振動軸23aとカウンターウエイト22
b、カウンターウエイト22c及び歯付きプーリ24b
を固定した振動軸23bを、アルミホイールWa、W
b、Wc及び混合金属メディアMa、Mb、Mcが研磨
槽19内に装入した状態における重心高さに回転可能に
固定し、振動軸23aは振動軸23bと同位相且つ同回
転速度で連れ廻るように歯付きプーリ24aと歯付きプ
ーリ24bにはタイミングベルト25を掛け渡し、一方
の振動軸23bは回転力のみを伝えるカップラ26によ
り回転軸27に接続して回転軸27に固定され、モータ
31の回転軸に固定したプーリ30とベルト29により
連結したプーリ28を固定して構成されている。なお、
図示しないが、モータ31は回転速度及び回転方向を設
定するための汎用の電気回路に接続してあり、図では省
略した操作板のスイッチ操作により振動速度及び振動方
向に任意に設定することができるようになっている。
【0021】このように構成されたものは、既に説明し
た通り、研磨槽19内でメディアMa、Mb、Mcは部
分的に方向を変えた乱流を生ずることなく流動し、アル
ミホイールの振動バレル研磨が可能となる。また、研磨
槽19にはその底部に液溜まり36を設け、液溜まり3
6から研磨槽19外に貫通するコンパウンド溶液排出口
は、コック37を経て配管38により排水処理機等と連
結してあるので、コック37を開いておけば、過剰なコ
ンパウンドは速やかに研磨槽外へ排出されて研磨を損う
ことがない。また、仕切板20a、20bは下方に開口
を設けてあるので、混合金属メディアを交換する必要を
生じた場合には、メディア排出口33を閉鎖している蓋
34を開けば、混合金属メディアMa、Mb、Mcは順
次メディア排出口33側へ移動して全て排出させること
が可能となる。
【0022】次に、前記したアルミホイールのバレル研
磨装置の操作方法を図7の模式図により説明する。所定
量の混合金属メディアM及び別に調整したコンパウンド
溶液Caを研磨槽19に装入して研磨槽19を振動させ
ると、過剰のコンパウンドCbは底部の研磨液排出口か
ら排出され、研磨槽19内は適度なコンパウンド溶液の
量に自動的に保たれ、混合金属メディアMはAに示した
ように好適に流動を開始する。ここで、アルミホイール
Wを、その直径1/4〜1/3程度の深さまで、研磨槽
19の振動方向と平行に、混合金属メディアMの中に埋
没させれば、混合金属メディアMの流動力により、外か
ら力を加えることなしにも更に埋没(「潜り込み現象」
とよぶ)し、安定位置に到達して自転しながら研磨され
る。
【0023】しかして、所定時間の研磨を終了した後
は、スイッチ操作によって、振動駆動モータを研磨時の
2/3程度の速度で逆転させれば、Bに示したようにメ
ディアMは逆に流動し、この際研磨中に研磨槽19の右
方向に偏在したメディアMが一団となってアルミホイー
ルWの下側に潜り込む結果、アルミホイールWはその2
/3〜3/4をメディアMより上に露出することとな
る。このタイミングで研磨槽の振動を停止させれば、特
にクレーンなどを使うことなく、容易に研磨の終了した
アルミホイールWのみを排出させることができる。そし
て、アルミホイールのみを交換しながら数回の研磨を繰
り返し、コンパウンド溶液が汚れた場合には、研磨槽1
9の上部から水を流入せしめながら、混合金属メディア
のみを流動させれば、汚れたコンパウンド溶液は洗い流
されて、研磨槽底部に設けたコンパウンド溶液排出口よ
り排出され、別に調節した新しいコンパウンド溶液を添
加すれば、前記の通りその量は自動的に適量に調節され
て、再びアルミホイールWのみを入れ換えて研磨を継続
することができる。
【0024】(実施例)次に、 このような箱型の振動
式のバレル研磨装置を使用して、直径3.2 mmの球形をし
た鉄製の金属メディアア10容量部に対して、球形部の
直径が3mmで1mmの長さのつばを備えたスプートニク型
をした鉄製の金属メディア3容量部を混合した混合金属
メディアを採用し、ブラスト加工後のアルミホイールを
仕上げたところ、20分の研磨時間で独特の深みのある
光沢面とすることが可能であった。なお、研磨中のカウ
ンターウエイトの回転数は1600rpm、コンパウンドは
界面活性剤や潤滑剤等を含んだ新東ブレータ株式会社製
仕上用コンパウンド(商品名:ラスタオールC)300 g
を5リットルの水に溶解させたものを添加した。前記コ
ンパウンドは良好な光沢を得られるものの発泡性が強
く、過剰量添加して良好な流動により強力に研磨するこ
とが可能な前記箱型振動バレル研磨装置に使用すると、
研磨槽外へ飛散するほどの発泡を生ずるが、この方法で
はコンパウンド排出口より過剰なコンパウンドを排出す
るように構成したため、研磨槽の上部を覆う必要がない
ほどに発泡は少なく良好な作業環境を保つことができ
た。
【0025】また、研磨を終了したアルミホイールの排
出は、カウンターウエイト1000rpmの速度で逆回転さ
せることにより、アルミホイールの3/4程を混合金属
メディア中より露出する状態とさせることができ、人力
によっても簡単にアルミホイールを排出することができ
た。この排出時の回転速度は、研磨時の回転速度以下に
規定されるべきものではないが、不必要に早く回転させ
ればアルミホイールが早く反対側の安定位置に移動し、
取り出し位置で停止させにくいので、排出時の回転速度
は低速である方が好ましい。
【0026】以上の操作によって、例えば、3本のアル
ミホイールを1バッチ20分間研磨し、3時間で合計2
7本のアルミホイールを研磨した後、汚れたコンパウン
ド溶液を約5分かけて洗浄し、再び研磨を繰り返したと
ころ、独特な深みのある意匠性の高い仕上げ面を付与で
きるのみならず、熟練工によらず、アルミホイール1本
当り7分で研磨を完了することができ、従来のバフ車を
装着した手工具を利用した仕上げの1本当り20分〜3
0分と比較すれば、大幅な製造コストの削減にもつなが
り、本発明の効果は誠に大なるものであることが判っ
た。
【0027】次に、前記したバレル研磨装置及びコンパ
ウンド溶液を使用し、混合金属メディアの組成のみを変
えた場合の影響に関し調べた結果を表1に示す。なお、
下記の表1において、メディアは直径3.2 mmの球形を
した鉄製メディア、メディアは球形部が直径3mmであ
って長さ1mmの鍔の付いたスプートニク型鉄製メディ
ア、メディアは直径2mm長さ5mmの円柱型鉄製メディ
アであり、その他条件は実施例1と同じ条件を採用し
た。また、金属メディアが密に詰まって流動しない場合
には、潜り込み現象を生じないことに着目し、混合金属
メディアの流動性は潜り込み現象の発生の有無及び安定
位置までの到達時間によって評価した。さらに、光沢度
は、目視検査により「良好」、「やや良好」、「不良」
の3段階に区分して示した。なお、「良好」及び「やや
良」は合格品として出荷可能なものであり、一方「不
良」は出荷できない程度の光沢度である。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果によれば、メディアのみであ
る場合(A)は潜り込み現象を生ぜず、メディアのみ
である場合(B)やメディアのみである場合(C)で
は、良好な光沢度を得られないが、メディアとメディ
アをメディア10容量部に対してメディア1容量
部を混合した混合金属メディアは、潜り込み現象を生
ずると共に良好な光沢度を得ることができ、球形金属メ
ディアと非球形金属メディアを混合して得られる混合金
属メディアが振動バレル研磨法によるアルミホイールの
光沢仕上に有効であることが判った。
【0030】また、非球形金属メディアの形状に関して
は、非球形金属メディアとしてスプートニク型金属メデ
ィアのみを10容量部混合した混合金属メディアが潜り
込みに必要な時間は5秒であるに対して、非球形金属メ
ディアの内5容量部を円柱型メディアとした場合では7
秒と長くなっており、金属メディアの流動性の改善には
スプートニク型が特に好ましいことも判った。
【0031】さらに、非球形金属メディアの混合量に関
しては、メディアの10容量部に対して、メディア
を1容量部混合した場合では、潜り込みに必要な時間が
15秒であるのに対して、メディアを2容量部混合し
た場合は9秒と大幅な改善がみられ、更にメディアを
10容量部混合した場合には潜り込みに必要な時間が5
秒と微増するが、メディアを20容量部混合した場合
は光沢度の明らかな低下を伴うので、メディアの10
容量部に対するメディアの混合部は2〜10容量部と
するのがより好適であるも判った。
【0032】
【発明の効果】本発明は前記説明から明らかなように、
球形金属メディアと非球形金属メディアとを混合した混
合金属メディアを用いることによりアルミホイールの光
沢仕上げにバレル研磨方法の適用が可能となり、従来は
熟練工による手作業に頼らざるを得なかったアルミホイ
ールの光沢仕上工程の自動化に成功し、製造原価の著し
い低減を可能とするとともに、ピーニング効果によるア
ルミホイールの強度向上とその品質の安定をもたらすも
のであって、また、その結果得られる光沢はバフ研磨に
比べて深みのある高級感の高いものである。また、本発
明のアルミホイールの研磨装置は、断面形状がU字型の
箱型の研磨槽を少なくとも4箇所以上の弾性部材をもっ
て機枠上に均等に保持させてこの研磨槽を回転モーメン
トが生じないように振動させる加振装置を付設しただけ
で前記のようなアルミホイールの光沢仕上げを効率的に
行うことができ、しかも、構造が簡単なため安価に提供
できるなどの利点がある。従って、いずれの発明も従来
アルミホイールの光沢仕上を行ううえで問題とされてい
るところを解決するうえで極めて有効なアルミホイール
の研磨方法およびこれに用いる研磨用メディア並びにバ
レル研磨装置として、産業界に寄与するところ大きいも
のがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研磨用メディアの配列状態の説明
図である。
【図2】従来の研磨用メディアの配列状態の説明図であ
る。
【図3】本発明に係るアルミホイールのバレル研磨装置
の作用説明図である。
【図4】従来の箱型振動バレル研磨装置の作用説明図で
ある。
【図5】本発明に係るアルミホイールのバレル研磨装置
の正面図である。
【図6】本発明に係るアルミホイールのバレル研磨装置
の側面図である。
【図7】(A)、(B)は共に本発明に係るアルミホイ
ールの研磨装置の操作方法の説明図である。
【符号の説明】
1 混合金属メディア 2 球形金属メディア 3 非球形金属メディア 19 研磨槽 21a 弾性部材 21b 弾性部材 22a カウンターウエイト 22b カウンターウエイト 22c カウンターウエイト 22d カウンターウエイト 32 機枠

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球形金属メディアと非球形金属メディア
    とを混合した混合金属メディアを装入した研磨槽内でア
    ルミホイールをバレル研磨することを特徴とするアルミ
    ホイールの研磨方法。
  2. 【請求項2】 球形金属メディア10容量部に対し、ス
    プートニク型の金属メディアが2〜10容量部混合され
    ている混合金属メディアを用いる請求項1に記載のアル
    ミホイールの研磨方法。
  3. 【請求項3】 研磨槽内においてアルミホイールと混合
    金属メディアとをコンパウンド溶液により湿潤させ、槽
    底から過剰のコンパウンド溶液を排出しながらバレル研
    磨する請求項1または2に記載のアルミホイールの研磨
    方法。
  4. 【請求項4】 混合金属メディアとコンパウンド溶液が
    装入されている研磨槽内にアルミホイールの装入・排出
    を繰り返してバレル研磨する請求項1または2または3
    に記載のアルミホイールの研磨方法。
  5. 【請求項5】 研磨槽内で流動する混合金属メディアと
    コンパウンド溶液中にその流動方向と平行にアルミホイ
    ールを装入してバレル研磨し、排出は研磨時とは逆方向
    に低速で流動させながら行う請求項1または2または3
    または4に記載のアルミホイールの研磨方法。
  6. 【請求項6】 球形金属メディアと非球形金属メディア
    とを混合したことを特徴とする研磨用メディア。
  7. 【請求項7】 球形金属メディア10容量部に対し、ス
    プートニク型の金属メディアが2〜10容量部混合され
    ている請求項6に記載の研磨用メディア。
  8. 【請求項8】 断面形状がU字型をした箱型の研磨槽を
    その底部近傍の少なくとも4箇所以上に配置された弾性
    部材をもって機枠上に均等に保持させるとともに、この
    研磨槽を回転モーメントが生じないように振動させる加
    振装置を付設したことを特徴とするアルミホイールのバ
    レル研磨装置。
  9. 【請求項9】 加振装置が、研磨槽の相対する2つの側
    壁外面に回転可能に設けられた偏心重量が等しい一対の
    カウンターウエイトと、一方のカウンターウエイトに連
    結された回転駆動機構と、他方のカウンターウエイトを
    前記した一方のカウンターウエイトと同位相で且つ同回
    転速度で連れ回るように連結する連結手段とよりなり、
    前記したカウンターウエイトは、研磨槽にアルミホイー
    ルと混合金属メディアとコンパウンド溶液を装入したと
    きにおける研磨槽の重心高さと同じ高さとなるように研
    磨槽の相対する2つの側壁外面に設けられている請求項
    8に記載のアルミホイールのバレル研磨装置。
JP29644596A 1996-11-08 1996-11-08 アルミホイールの研磨方法およびこれに用いる研磨用メディア並びにバレル研磨装置 Withdrawn JPH10138117A (ja)

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