JP2003291058A - 金属製部品の研摩装置 - Google Patents

金属製部品の研摩装置

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JP2003291058A
JP2003291058A JP2002099693A JP2002099693A JP2003291058A JP 2003291058 A JP2003291058 A JP 2003291058A JP 2002099693 A JP2002099693 A JP 2002099693A JP 2002099693 A JP2002099693 A JP 2002099693A JP 2003291058 A JP2003291058 A JP 2003291058A
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metal
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shaft
revolution
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Nobuyuki Suzuki
伸行 鈴木
Naoyuki Suda
尚幸 須田
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Suzuki Motor Corp
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Suzuki Motor Corp
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、深い凹凸のある金属製部品であっ
ても、凹凸部での研摩効果を向上させ、この種の金属製
部品に対して光輝性を短時間で確実に付与することが可
能な金属製部品の研摩装置を提供することにある。 【解決手段】 研摩メディア2が投入される1つの研摩
槽3に対して1セット以上の自転および公転機構部を備
え、自転および公転機構部を構成する公転軸11と2本
の自転軸20とをほぼ平行に配置すると共に、1本の自
転軸20に1個の金属製ワーク22を角度0〜30°の
範囲で取付け、公転軸11の回転に伴って自転軸20を
回転させ、金属製ワーク22を研摩槽3内の研摩メディ
ア2中で自転および公転させることにより研摩するよう
に構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、深い凹凸のある金
属製部品、特に冷却フィンを有する自動二輪車用のアル
ミシリンダブロック、シリンダヘッドなどの表面に光輝
感を付与することが可能な研摩装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アメリカンタイプの自動二輪車では、光
輝性を有する部品(パーツ)が好まれており、光輝処理
(メタル調)された部品が多用されている。このため、
従来から、電気メッキ法、無電解メッキ法、バフ研摩
法、バレル研摩法などの各種光輝処理方法が提案されて
おり、この種の部品に光輝性を付与するようにしてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
光輝処理方法にあっては、深い凹凸のある冷却フィン付
シリンダブロック、シリンダヘッド等(特にフィン奥)
に対して、以下の理由から光輝性を付与することが非常
に困難、または処理コストが高いために、量産車に採用
された例が見当たらない。
【0004】すなわち、電気メッキ法では、ワークの凸
部に電流が集中するという特徴を有しているので、凹部
へのメッキ皮膜の形成が困難であった。これを改善する
ために、ワークの凹凸形状に対応した電極が必要となる
が、このような電極の取付けおよび取外しが煩雑とな
り、生産効率が低いという不具合を有していた。また、
無電解メッキ法では、ワーク形状に関係なく、均一な膜
厚のメッキ皮膜の形成は可能であるが、皮膜の形成時間
が電気メッキの約5〜10倍と長く、しかもメッキ液の
劣化が生じ易いので、処理コストが高くなるという問題
があった。
【0005】一方、バフ研摩法では、機械による自動運
転が困難であるため、一般に手作業で研摩が行われてい
る。このような研摩作業は熟練を要し、しかも、研摩
粉、騒音および振動が発生するので、好ましい作業環境
ではなかった。さらに、細かい凹部を磨くには多大な時
間が必要となるので、大量生産の部品の処理には適して
いないという問題があった。また、バレル研摩法として
は、回転型、振動型、流動型、遠心型などの方法があ
る。しかし、これらの方法で深い凹凸のあるワークの研
摩を行っても、凹部での研摩効果が得られないという不
具合があった。
【0006】本発明はこのような実状に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、深い凹凸のある金属製部品
であっても、凹凸部での研摩効果を向上させ、この種の
金属製部品に対して光輝性を短時間で確実に付与するこ
とが可能な金属製部品の研摩装置を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の有する課
題を解決するために、本発明においては、研摩メディア
が投入される1つの研摩槽に対して1セット以上の自転
および公転機構部を備え、該自転および公転機構部を構
成する公転軸と複数本の自転軸とをほぼ平行に配置する
と共に、1本の自転軸に1個以上の金属製ワークを角度
0〜30°の範囲で取付け、前記公転軸の回転に伴って
前記自転軸を回転させ、前記金属製ワークを前記研摩槽
内の研摩メディア中で自転および公転させることにより
研摩するように構成している。
【0008】また、本発明において、前記自転軸のそれ
ぞれに取付けられる金属製ワークは、ワーク高さの1/
2〜1の量で、互いに上下方向にずらして配置されてい
る。さらに、本発明において、前記金属製ワークは深い
凹凸を有しており、スチール製研摩メディアを使用した
場合、自転速度が100rpm以下、好ましくは15〜
50rpm、公転速度は200rpm以下、好ましくは
30〜100rpmである。そして、本発明において、
前記研摩メディアがボール形状である場合、前記金属製
ワークと前記研摩槽とのクリアランスが前記研摩メディ
アの直径の5〜10倍の大きさに設定されている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0010】図1および図2は、本発明に係る金属製部
品の研摩装置の実施形態を示している。本実施形態の研
摩装置1は、大きく分けて研摩槽部、駆動モータ部、自
転および公転機構部をそれぞれ備えている。上記研摩槽
部は、図1に示す如く、研摩メディア2が投入される研
摩槽3と、該研摩槽3を上下移動機構4で昇降可能に支
持するテーブル5と、該テーブル5上に設置され、貯留
した研摩補助液をポンプにより補給パイプ6を介して上
部から研摩槽3内に補給する補給タンク7と、研摩槽3
の下部側面に設けられ、劣化した研摩補助液を外部に排
出するドレンパイプ8とを具備している。研摩槽3内へ
の研摩メディア2の投入や、後述するワークの取付け
は、上下移動機構4により研摩槽3を下降限位置に移動
させた状態で、行われるようになっている。
【0011】ここで、研摩補助液とは、水に研摩補助剤
と防錆剤を溶かしたものをいう。研摩補助剤とは、研摩
効果を向上させる目的で、研摩メディア2に添加する固
体、もしくは液体物質であり、この研摩補助剤であるコ
ンパウンドは、ワーク表面の清浄作用を有している。ま
た、防錆剤には、スチール製研摩メディアを使用した場
合の防錆効果がある。研摩中は、ポンプによって研摩補
助液を補給タンク7から補給パイプ6を介して研摩槽3
内に補給するようにしている。そして、研摩補助剤のコ
ンパウンドは研摩と共に劣化し、研摩効果が低下するた
め、研摩中は補給パイプ6にて研摩槽3の上部から新し
い研摩補助液を供給し、劣化した研摩補助液をドレンパ
イプ8から排出することで、常に安定した研摩効果が得
られるように設定されている。研摩補助液の供給量は、
研摩メディア2の全体が湿る程度の量で良く、補給量が
多すぎると、研摩補助剤が泡立つ場合がある。また、コ
ンパウンドの投入量を多くすると、劣化したコンパウン
ドが研摩槽3内に残留しやすくなったり、あるいは防錆
剤がアルカリ性の場合は濃度を高くしすぎると、アルミ
ニウム表面がアルカリ焼けを起こして変色するなどの不
具合が発生するため、アルカリ焼けが生じない濃度にす
る必要がある。
【0012】上記駆動モータ部は、垂直部9aおよび水
平部9bからなる逆L字状の支柱9の上部に設けられて
おり、垂直部9aの上端外側に上下方向へ沿って取付け
られる駆動モータ10と、水平部9b上で間隔を置いて
配設され、駆動モータ10および公転軸11に取付けら
れる一対のプーリ12,13と、これらプーリ12,1
3間に架設されるベルト14とを備えている。したがっ
て、駆動モータ10を回転させると一方のプーリ12が
回転し、ベルト14を介して他方のプーリ13も回転す
ることになり、公転軸11が回転駆動されるように構成
されている。なお、支柱9の水平部9bと研摩槽3との
上下間には研摩槽カバー15が設けられており、この研
摩槽カバー15の上端部は水平部9bに取付けられてい
る。
【0013】一方、上記自転および公転機構部は、1つ
の研摩槽3に対して1セット以上(本実施形態では1セ
ット)が設置されるものである。このような自転および
公転機構部は、上下方向に沿って配置される公転軸11
と、該公転軸11を支持すべく内部に挿通して配置さ
れ、上端部が水平部9b上のフレーム16に固定される
中心軸17と、公転軸11から突出する中心軸17の下
端部に固定される中心ギヤ18と、公転軸11の下端部
に取付けられる公転台座19と、該公転台座19に取付
けられる複数本(本実施形態では2本)の自転軸20お
よび2個の遊星ギヤ21とを具備して構成されている。
自転軸20は、上端部が公転台座19を貫通して取付け
られ、中心軸17の周囲で公転軸11に対して外方側か
つ平行に配置されており、1本の自転軸20の下端部に
は、1個以上(本実施形態では1個)の研摩する金属製
ワーク22が図示しない簡単な治具を用いてそれぞれ取
付けられるようになっている。また、遊星ギヤ21は、
中心ギヤ18とそれぞれ噛合すべく、公転台座19の下
方位置で内部を貫通する自転軸20の外周部に設けられ
ている。したがって、自転および公転機構部おいては、
プーリ11によって公転軸11および公転台座19を回
転させると、遊星ギヤ21および自転軸20が回転し、
金属製ワーク22が研摩槽3内の研摩メディア2中を自
転運動および公転運動するように構成されている。自転
数と公転数の比は、中心ギヤ18と遊星ギヤ21のギヤ
比を変えることにより、任意に変更することができる。
【0014】本実施形態の金属製ワーク22には、図2
に示す如く、一定の間隔を置いて平行に複数の冷却フィ
ンが外周面に形成され、これら冷却フィンによって深い
凹凸部22a,22bを有するエンジン部品のシリンダ
ブロックやシリンダヘッド等が用いられている。また、
金属製ワーク22は、1本の自転軸20にそれぞれ取付
けられ、1回の研摩で2個の金属製ワーク22の研摩処
理が可能なように設定されている。複数個の金属製ワー
ク22を取付けて研摩する場合、研摩槽3が金属製ワー
ク22に対して十分大きく、かつ金属製ワーク22の取
付け間隔が広いときには、金属製ワーク22の取付け位
置を同じ高さに揃えて配置しても良い。しかし、設備投
資額を低くすべく、研摩槽3をできる限り小型化したい
場合は、金属製ワーク22を同じ高さ位置に取付ける
と、金属製ワーク22の回転と共に研摩メディア2の全
体が回転してしまい、研摩効果が低下することになる。
そこで、本実施形態の研摩装置1では、自転軸20によ
って金属製ワーク22が互いに上下方向にずらして配置
されており、これによって研摩メディア2の全体が回転
することを抑制し、研摩効果の低下を防いでいる。上下
方向にずらす量は、ワーク高さの1/2〜1が好まし
く、ワーク高さの1/2以下では研摩メディア2の回転
抑制が十分でなく、ワーク高さの1以上では研摩槽3の
小型化を図ることが困難になるからである。
【0015】また、図1で示すように、冷却フィンが水
平方向(回転方向)へ位置するように金属製ワーク22
を自転軸20に取付けた場合は、研摩時に研摩メディア
2が凹部22aの底面側(フィンの奥)まで入り込み、
凹部22aの底面側にも高い光輝性を付与することが可
能となる。一方、金属製ワーク22を自転軸20に対し
て傾けて取付けた場合は、凸部22bの外周面(フィン
の外周部)、すなわち目に見えやすい部分に研摩メディ
ア2が高い応力で衝突するため、この部分の研摩効果を
向上させることが可能となる。そこで、凸部22bの外
周面の研摩効果を高めたい場合には、金属製ワーク22
の取付け角度を0〜30°、好ましくは5〜30°、さ
らに好ましくは15〜30°の範囲に設定して自転軸2
0に取付けると良い。
【0016】上記金属製ワーク22は、研摩槽3の内壁
との間隔(クリアランス)が広くても研摩可能である
が、研摩メディア2がボール形状である場合、この間隔
を研摩メディア2の直径の5〜10倍の大きさに設定す
ると、金属製ワーク22と研摩槽3との間にある研摩メ
ディア2が金属製ワーク22の凹部22aに入り込み易
くなり、短時間で高い研摩効果が得られることになる。
ただし、この間隔を研摩メディア2の直径の5倍以下の
大きさに設定すると、金属製ワーク22の凹部22aの
間に研摩メディア2が詰まり易くなる。そのため、両者
の間隔を極端に狭くすることは好ましくない。
【0017】本発明の実施形態の研摩装置1における研
摩条件のうち、自転数と公転数は、適切に設定しないと
十分な研摩効果が得られないことになる。すなわち、こ
れらの回転数を単に速くすると、遠心力により研摩メデ
ィア2が周囲に飛散するだけでなく、金属製ワーク22
の凹部22a内に入り込まなくなるため、研摩効果が低
下してしまう。特に自転数の増加は、研摩効果に大きな
影響を与えるので、注意が必要となる。そこで、スチー
ル製研摩メディアを使用した場合は、自転速度が100
rpm以下、好ましくは15〜50rpm、公転速度が
200rpm以下、好ましくは30〜100rpmとな
るように設定する。スチール製研摩メディアよりも密度
の低いセラミックスメディア等では、更にこの影響が大
きくなるため、このような回転数の数値よりも低く設定
する必要がある。
【0018】また、本実施形態の研摩装置1において
は、研摩処理の途中で駆動モータ10の回転方向を反転
させることによって、自転および公転方向を逆回転させ
ても良い。このような反転動作を繰り返して、研摩メデ
ィア2の流れを変えると、金属製ワーク22の研摩が均
一に行われることになる。さらに、本実施形態の研摩装
置1における研摩時間は、金属製ワーク22の形状やサ
イズにもよるが、約10分以下で済み、メッキ法やバフ
研摩法と比較して短時間である。
【0019】(実施例)次に、本発明の実施の形態を具
体的な実施例に基づいて説明する。この実施例では、研
摩装置として図1に示す研摩装置1を用いると共に、金
属製ワーク22として図2に示すアルミダイカスト製シ
リンダブロックを用い、下記の表1に示すような条件で
研摩を行った。
【0020】
【表1】
【0021】まず、上下移動機構4によって研摩槽3を
下降限位置に移動させ、この状態で、研摩槽3内にスチ
ール製研摩メディア2を投入し、各自転軸20の下端部
に金属製ワーク22のアルミダイカスト製シリンダブロ
ックを互いの高さ位置を変えて取付けた。そして、この
シリンダブロックのワーク22を回転させながら研摩槽
3を上昇させて、スチール製研摩メディア2中に入れ
た。このスチール製研摩メディア2を用いた研摩では、
自転数25rpm、公転数50rpmとして、10分間
研摩した。そして、研摩開始から5分後に駆動モータ1
0の回転方向を反転させて、ワーク22の自転方向およ
び公転方向を逆転させた。また、研摩中には、ポンプに
より表1の濃度の研摩補助液を補給タンク7から補給パ
イプ6を介して研摩槽3内に供給した。このような研摩
処理により、深い凹部22aの底面(フィンの奥)を含め
た金属製ワーク22の全体に高い光輝性が付与されたア
ルミシリンダブロックの金属製部品を得ることができ
た。
【0022】本発明の実施の形態に係る研摩装置1で
は、研摩メディア2が投入される研摩槽3に対して1セ
ットの自転および公転機構部を設け、この機構部の公転
軸11と2本の自転軸20とをほぼ平行に配置し、1本
の自転軸20に凹凸部22a,22bを有する1個の金
属製ワーク22を0〜30゜の範囲でそれぞれ取付け、
駆動モータ10の回転駆動によりプーリ12、ベルト1
4およびプーリ13を回転させ、さらに公転軸11およ
び公転台座19を回転させて遊星ギヤ21および自転軸
20を回転させ、金属製ワーク22を研摩槽3内の研摩
メディア2中で自転および公転運動させることにより研
摩しているため、複雑な制御なしに研摩メディア2を金
属製ワーク22の凹部22aに通過させることが可能と
なり、従来のバレル研摩法(回転型、振動型、流動型、
遠心型)において困難であった凹部22aへの光輝性の
付与を確実に行うことができ、その結果、優れた品質の
部品をアメリカンタイプの自動二輪車等に提供すること
ができる。しかも、本実施形態の研摩装置1によれば、
自動運転で目的とする研摩効果が得られるため、バフ研
摩のような熟練した技能が一切不要となり、かつ一定し
た研摩条件の運転が可能となり、安定した品質の光輝部
品を大量に生産できる。その上、本実施形態の研摩装置
1による研摩処理時間は、メッキ法やバフ研摩法と比べ
て短時間であるため、生産性に優れている。
【0023】また、本実施形態の研摩装置1では、従来
のメッキ法で必須となっていた前処理や後処理を含む多
数の工程が不要となるため、処理コストを低減できる
上、研摩処理に伴って排出される廃棄物も少なく、環境
への負荷を少なくすることができる。しかも、本実施形
態の研摩装置1で使用する研摩メディア2や研摩補助剤
は、メッキ法で使用する薬液のように人体に有害な毒お
よび劇物に該当することはないため、作業環境および取
扱性に優れている。さらに、研摩メディア2はメッキ液
と異なり、ほとんど劣化することがないため、ランニン
グコストが安く、保守管理も容易である。それに加え、
バフ研摩のような研摩粉が発生するということはなくな
り、騒音および振動も小さいというメリットを有してい
る。また、本実施形態の研摩装置1では、金属製ワーク
22の取付けに電気メッキ法で使用するような複雑な治
具(電極)が不要であり、金属製ワーク22の取付けや
取外しも容易であるため、高い作業効率を有している。
しかも、金属製ワーク22の仕上がりに変化をつけるこ
とも簡単に行うことができる。
【0024】以上、本発明の実施の形態につき述べた
が、本発明は既述の実施の形態に限定されるものではな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形および変
更が可能である。例えば、既述の実施形態では金属製ワ
ーク22としてアルミシリンダブロックの研摩例につい
て説明したが、金属製ワーク22は自動二輪車のアルミ
シリンダブロック、シリンダヘッドに限定されるもので
はなく、凹凸のある様々な金属製ワークに適用すること
が可能である。また、金属製ワーク22の材質として
は、アルミニウム合金鋳物材、アルミニウムダイカスト
材等のアルミニウム系材料に限定されず、鉄系材料、銅
系材料、マグネシウム系材料、さらに研摩前の金属製ワ
ーク22の表面状態として、鋳肌、ショットブラストや
機械加工後の状態であっても良い。
【0025】また、本実施形態の研摩装置1の構造とし
て、研摩槽3が上昇する機構となっているが、研摩槽3
が固定されて金属製ワーク22、自転および公転機構部
分、駆動部分が上下動する機構であっても良い。また、
本実施形態では、金属製ワーク22の取付け個数が2本
の自転軸20に1個ずつ、計2個となっているが、1本
の自転軸20に複数個の金属製ワーク22を取付け、も
しくは、2本以上の自転軸20を設けても良い。さら
に、本実施形態の研摩装置1では、自転および公転機構
部が研摩槽3内に1セットのみ取付けているが、研摩槽
3を拡大して複数のセットの自転および公転機構部を取
付けても良い。さらに、研摩メディア2の材質について
は、鉄系材に限定されるものではなく、その他の金属材
メディア、またはセラミックス材メディアであっても良
い。また、メディアの形状についても、つば付きボール
だけでなく、球状、円柱状等の形状でも良い。ただし、
比重が小さいメディアでは、ワーク回転時の遠心力を受
け易く、メディアが金属製ワーク22の凹部22aに入
り込み難くなるため、回転数、特に自転数を低く設定す
る必要がある。そして、金属材メディア、セラミックス
材メディアによる研摩の後に、最終仕上げとして、有機
材メディア(木屑、クルミ、コーン等)を用いた研摩に
よって、更に高い光輝性を得ることも可能である。
【0026】
【発明の効果】上述の如く、本発明に係る金属製部品の
研摩装置は、研摩メディアが投入される1つの研摩槽に
対して1セット以上の自転および公転機構部を備え、該
自転および公転機構部を構成する公転軸と複数本の自転
軸とをほぼ平行に配置すると共に、1本の自転軸に1個
以上の金属製ワークを角度0〜30°の範囲で取付け、
前記公転軸の回転に伴って前記自転軸を回転させ、前記
金属製ワークを前記研摩槽内の研摩メディア中で自転お
よび公転させることにより研摩するように構成している
ので、1回の研摩で複数個の金属製ワークの研摩処理が
可能になると共に、深い凹凸のある金属製部品であって
も、凹凸部での研摩効果を向上させ、この種の金属製部
品に対して光輝性を短時間で確実に付与でき、優れた品
質を有する金属製部品を大量に生産することができる。
【0027】また、本発明の研摩装置では、自転軸のそ
れぞれに取付けられる金属製ワークを、ワーク高さの1
/2〜1の量で、互いに上下方向にずらして配置すれ
ば、研摩メディアが金属製ワークと共に回転することを
抑制でき、研摩効果を向上させることができる。さら
に、本発明の研摩装置では、金属製ワークが深い凹凸を
有し、スチール製研摩メディアを使用した場合、自転速
度が100rpm以下、好ましくは15〜50rpm、
公転速度が200rpm以下、好ましくは30〜100
rpmであれば、金属製ワークの凹部に高い光輝性を付
与できると共に、その表面に圧縮応力が加わり、ワーク
表面の傷つき性を向上させることができる。また、本発
明の研摩装置では、研摩メディアがボール形状である場
合、前記金属製ワークと前記研摩槽とのクリアランスを
前記研摩メディアの直径の5〜10倍の大きさに設定す
れば、金属製ワークと研摩槽との間に存在する研摩メデ
ィアが金属製ワークの凹部に入り易くなり、この部分の
研摩効果の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る金属製部品の研摩装
置を一部断面にして示す正面図である。
【図2】図1における研摩装置によって研摩される金属
製ワークを示す正面図である。
【符号の説明】
1 研摩装置 2 研摩メディア 3 研摩槽 5 テーブル 6 補給パイプ 7 補給タンク 8 ドレンパイプ 9 支柱 10 駆動モータ 11 公転軸 12,13 プーリ 14 ベルト 16 フレーム 17 中心軸 18 中心ギヤ 19 公転台座 20 自転軸 21 遊星ギヤ 22 金属製ワーク 22a 凹部 22b 凸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 研摩メディアが投入される1つの研摩槽
    に対して1セット以上の自転および公転機構部を備え、
    該自転および公転機構部を構成する公転軸と複数本の自
    転軸とをほぼ平行に配置すると共に、1本の自転軸に1
    個以上の金属製ワークを角度0〜30°の範囲で取付
    け、前記公転軸の回転に伴って前記自転軸を回転させ、
    前記金属製ワークを前記研摩槽内の研摩メディア中で自
    転および公転させることにより研摩するように構成した
    ことを特徴とする金属製部品の研摩装置。
  2. 【請求項2】 前記自転軸のそれぞれに取付けられる金
    属製ワークは、ワーク高さの1/2〜1の量で、互いに
    上下方向にずらして配置されていることを特徴とする請
    求項1に記載の金属製部品の研摩装置。
  3. 【請求項3】 前記金属製ワークは深い凹凸を有してお
    り、スチール製研摩メディアを使用した場合、自転速度
    が100rpm以下、好ましくは15〜50rpm、公
    転速度は200rpm以下、好ましくは30〜100r
    pmであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    金属製部品の研摩装置。
  4. 【請求項4】 前記研摩メディアがボール形状である場
    合、前記金属製ワークと前記研摩槽とのクリアランスが
    前記研摩メディアの直径の5〜10倍の大きさに設定さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の金属製部品の研摩装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1507096A1 (en) 2003-08-11 2005-02-16 Nissan Motor Co., Ltd. Shock absorber with a function of transmission of electric power between sprung and unsprung parts of a vehicle
JP2010005712A (ja) * 2008-06-24 2010-01-14 Sankei High Precision Kk バレル研磨方法および装置
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