JPH10137820A - 圧延用ロールの表面硬化法及びその装置 - Google Patents

圧延用ロールの表面硬化法及びその装置

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JPH10137820A
JPH10137820A JP30152696A JP30152696A JPH10137820A JP H10137820 A JPH10137820 A JP H10137820A JP 30152696 A JP30152696 A JP 30152696A JP 30152696 A JP30152696 A JP 30152696A JP H10137820 A JPH10137820 A JP H10137820A
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JP
Japan
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roll
water jet
rolling roll
rolling
hardness
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JP30152696A
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一弘 ▲廣▼瀬
Kazuhiro Hirose
Shinichi Miyazawa
真一 宮澤
Toshiaki Koizumi
俊晃 小泉
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧延用ロールの表面を、加熱処理を伴わずに、
簡易に且つ均一に所望する硬さまで硬化処理すること。 【解決手段】圧延用ロールを回転させながら該圧延用ロ
ールの表面に対して高圧力で水ジェットを所望の角度で
吹き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延機に用いる圧
延用ロールの胴部や軸部の表面を硬化させる硬化法及び
その装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属の表面を硬化させる方法として、従
来、ショットやワイヤーを金属表面に衝突させて金属表
面を硬化させる特開平8−3632 号公報等に記載のピーニ
ング法,特開平6−25825号公報等に記載の窒化処理や炭
化処理を行う化学的方法,特開平6−322449 号公報等に
記載の熱処理による焼き入れ方法等があげられる。
【0003】特に、圧延用ロールの表面を硬化させる方
法としては、熱処理による焼き入れ方法が採用されてい
る。
【0004】例えば、圧延用ロール全体を焼き入れする
には、圧延用ロール全体を電気炉やガス炉の中に入れて
加熱後、冷却させて圧延用ロールを硬化させる。
【0005】また、圧延用ロールの胴部を高硬度にする
ために、誘導加熱や火炎加熱によって、圧延用ロールの
胴部を加熱して、その後冷却させて圧延用ロールの胴部
表面の硬さを高めている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平6−322449 号公
報等に記載の熱処理による焼き入れ方法では、加熱処理
工程を含むため、加熱むら等による局部的な硬度低下部
が発生する危険性がある。このような局部的な硬度低下
部(硬度むら)が存在すると、圧延用ロールを圧延に使
用した場合に偏摩耗部が生じてしまい、正常な圧延がで
きなくなる。そのため、焼き入れによって生じるこのよ
うな偏摩耗部を防止するために、焼き入れ後に、再度部
分的な硬化処理を行う必要がある。しかし、部分的な硬
化処理は困難であり、且つ再焼き入れ処理,窒化処理及
び炭化処理等によって部分的な硬化処理を行おうとする
と、それらの加熱処理による圧延用ロールの変形という
問題を生じてしまう。つまり、従来の加熱処理を含む硬
化処理では、硬度むらの発生という問題や硬度むら発生
後の硬度むら修正が困難であるという問題があった。更
に、加熱や冷却処理には、圧延用ロールに対応する大型
の加熱処理設備や冷却処理設備を必要とし、且つその処
理に伴う複雑な加熱制御設備及び冷却制御設備が必要で
あり、設備の大型化及び設備の複雑化という問題があっ
た。
【0007】また、ショットピーニング法やワイヤーピ
ーニング法では、ショットやワイヤー各々の大きさによ
って、ミクロ的には金属表面に不均一に衝突しており、
ミクロ的に金属表面を均一に硬化させることが困難であ
った。つまり、金属表面を均一に硬化するためには、シ
ョットやワイヤーを小さくすることが考えられるが、シ
ョットやワイヤーを小さくし過ぎると硬化能力が低下
し、所望する硬度を得ることが困難になる。更に、ショ
ットやワイヤーの噴出を行うためのピーニング処理設
備、その処理に伴う複雑な噴出制御設備が必要であり、
設備の複雑化という問題があった。
【0008】本発明の目的は、圧延用ロールの表面を、
加熱処理を伴わずに、簡易に且つ均一に所望する硬さま
で硬化処理することができる圧延用ロールの表面硬化法
及びその装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の圧延用ロールの
表面硬化法は、圧延用ロールを回転させながら該圧延用
ロールの表面に対して高圧力で水ジェットを所望の角度
で吹き付けることを特徴とする。
【0010】また、本発明の圧延用ロールの表面硬化法
は、該圧延用ロールの胴部は複数の溝を有しており、該
圧延ロールの溝の面に対してほぼ垂直に前記水ジェット
を吹き付けることが望ましい。
【0011】本発明の圧延用ロールの表面硬化装置は、
圧延用ロールの円周方向から高圧力で水ジェットを該圧
延用ロールの表面に吹き付ける少なくとも一つの水ジェ
ットノズルと、該圧延用ロールを回転させる手段若しく
は該水ジェットノズルを該圧延用ロールとの距離を一定
に保ちながら該圧延用ロールの円周方向に回転させる手
段と、該圧延用ロールの表面に対して前記水ジェットを
吹き付ける吹き付け角度を調整する手段とを有すること
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明では、圧延用ロールを回転
させながら該圧延用ロールの表面に対して高圧力で水ジ
ェットを所望の角度で吹き付けることにより、圧延用ロ
ールの表面を、加熱処理を伴わずに、簡易に且つ均一に
所望する硬さまで硬化処理することができる。
【0013】つまり、高圧力で水ジェットを該圧延用ロ
ールの表面に吹き付けることによって、ロール表面層に
圧縮残留応力を発生させ、その圧縮残留応力により、表
面層を硬化することができる。
【0014】また、圧延用ロールの胴部が複数の溝を有
している場合、該圧延ロールの溝の面に対してほぼ垂直
に前記水ジェットを吹き付けることにより、加熱処理を
伴わずに、圧延用ロールの胴部の複数の溝の内面全体の
みを均一に硬化処理することができる。
【0015】つまり、圧延用ロールの胴部が複数の溝の
中に、容易に水ジェットの吹き付け口であるノズルを挿
入することができ、その溝の各面に対し、それぞれの面
に対してノズルを対向させて、その面に対してほぼ垂直
に水ジェットを吹き付けることができ、圧延用ロールの
形状に制限されることなく、十分な硬化処理を施すこと
ができる。
【0016】圧延用ロールの円周方向から高圧力で水ジ
ェットを該圧延用ロールの表面に吹き付ける少なくとも
一つの水ジェットノズルと、該圧延用ロールを回転させ
る手段若しくは該水ジェットノズルを該圧延用ロールと
の距離を一定に保ちながら該圧延用ロールの円周方向に
回転させる手段と、該圧延用ロールの表面に対して前記
水ジェットを吹き付ける吹き付け角度を調整する手段と
を有することにより、圧延用ロールを回転させるか若し
くは圧延用ロールの周辺を該水ジェットノズルを該圧延
用ロールとの距離を一定に保って水ジェットノズルを回
転させながら、該圧延用ロールの表面に対して高圧力で
水ジェットを所望の角度で吹き付けることが可能とな
る。よって、圧延用ロールの表面を、簡易に且つ均一に
所望する硬さまで硬化処理することができる。
【0017】次に、本発明を具体的に実施例に基づき以
下説明する。
【0018】(実施例1)図1は、本発明により、ロー
ルの胴部に溝を有しないロールの胴部を表面硬化する実
施例を示す。
【0019】ロール1は、軸部6及び胴部5からなり、
軸部6の直径が350mm、胴部5の直径が500mm、軸
部6の長さが900mm、胴部5の長さが2000mmの形
状を用いた。
【0020】また、そのロール1の材料成分は、重量%
で、C:0.5%,Si:0.5%,Mn:0.4%,
P:0.015%,S:0.010%,Ni:0.2%,
Cr:0.5%,Mo:0.2%及び残部が不可避的不純
物及びFeのものを用いた。
【0021】本実施例では、ロール1の回転手段として
回転ローラを用いた。つまり、ロール1を回転用ローラ
台4上に乗せ、この回転用ローラ台4を回転駆動するこ
とによりロール1を回転させる。
【0022】この回転は、回転用ローラ台回転軸7を中
心に回転用ローラ台4を回転させる。
【0023】水ジェットを吹き出す水ジェットノズル2
は、吹き付け角調整装置が取り付けられており、本実施
例では、水ジェットがロール1の面にほぼ垂直にあたる
ように、ロール1の胴部5の面に対して垂直に図1及び
図6に示すように配置した。例えば、図6では、取付台
16に水ジェットノズル2をロール1の胴部5の面に対
して垂直になるように配置した。そして、水ジェットノ
ズル2の吹き出し口とロール1の胴部5の面との距離は
10mmとした。また、図示はしないが、このような水ジ
ェットノズル2の胴部5の面に対する垂直配置及び距離
を維持しながら、ロール1の軸方向に水ジェットノズル
2を移動させる移動装置を設置した。
【0024】吹き付け角調整は、例えば、図4及び図5
に示すように、水ジェットノズル2を支持ピン14を介
して支持金具11によって支持し、支持金具11及び支
持ピン14の調整により、方向17に水ジェットノズル
2の吹き付け角を調整することができる。また、支持金
具11を支持ピン13を介して支持金具12によって支
持し、支持金具12及び支持ピン13の調整により、方
向16に水ジェットノズル2の吹き付け角を調整するこ
とができる。
【0025】このように、圧延用ロールの円周方向から
高圧力で水ジェットを該圧延用ロールの表面に吹き付け
る少なくとも一つの水ジェットノズルと、該圧延用ロー
ルを回転させる手段と、該圧延用ロールの表面に対して
前記水ジェットを吹き付ける吹き付け角度を調整する手
段とを有することにより、圧延用ロールを回転させるか
若しくは圧延用ロールの周辺を該水ジェットノズルを該
圧延用ロールとの距離を一定に保って水ジェットノズル
を回転させながら、該圧延用ロールの表面に対して高圧
力で水ジェットを所望の角度で吹き付けることが可能と
なる。
【0026】このような装置を用い、ロール1を回転用
ローラ台4に乗せて、回転用ローラ台4のローラを回転
駆動して、ロール1を毎分10回転の速度でロール1の
胴部5を回転させた。この際、ロール1の胴部面の移動
速度、つまり、周速はおおよそ15m/min である。
【0027】次に、水ジェットの吹き付け圧力をノズル
噴出口で2000kg/cm2 として毎分6リットルの工業
用水3を噴射させ、ロール1の胴部5を円周方向で表面
硬化させた。そして、水ジェットノズル2をロール1の
軸方向に毎分10mmの速度で移動させてロール1の胴部
5の全面にわたり表面硬化させた。
【0028】本実施例の水ジェット噴射によるロール1
の胴部5の表面硬化処理を施した後に、ロール1の胴部
5の残留応力を円周方向で4箇所測定した結果、本表面
硬化処理を施す前に比べて、夫々約15kg/mm2 増加し
ていた。また、表面硬度は、本表面硬化処理を施す前に
夫々35HSDであったのに対して、夫々4HSD増加
しており、本表面硬化処理に夫々39HSDであった。
【0029】また、ミクロ的な硬度のばらつきを確認す
るため、マイクロビッカース硬さ計により、硬度を測定
した。
【0030】その結果、ミクロ的にもほぼ均一であり、
硬さのばらつきが少ないことを確認した。
【0031】また、圧延ロールの材質及び作業効率等を
考慮すると、水ジェットノズル2の吹き出し口とロール
1の胴部5の面との距離を5〜20mm、周速を5〜20
m/min 、水ジェットの吹き付け圧力をノズル噴出口
(吹き付け口)で500〜4000kg/cm2 とすることで、圧
延用ロールの材質に適した硬化処理を施すことができ、
必要とする硬度アップ及び硬度の均一化が図れる。
【0032】更に、好ましくは、水ジェットノズル2の
吹き出し口とロール1の胴部5の面との距離を5〜15
mm、周速を5〜20m/min 、水ジェットの吹き付け圧
力をノズル噴出口で1000〜3000kg/cm2 とする
ことにより、更に、圧延用ロールの材質に適した硬化処
理を効率よく施すことができ、必要とする硬度アップ及
び硬度の均一化が図れる。
【0033】つまり、水ジェットノズル2の吹き出し口
とロール1の胴部5の面との距離は、5mmより少ない
と、回転するロール表面に衝突して分散する流水が吹き
付ける水流を邪魔して、良好な吹き付けができなくな
る。また、その距離が20mmより大きいと、流水が分散
し過ぎて回転するロール表面の流水衝突面で一定の圧力
を付与することができなくなる。周速は、5m/min よ
り遅いと作業効率が悪く、20m/min より速くすると
工具鋼からなる圧延用ロール表面硬度を所望の硬度にア
ップさせることが困難である。更に、ノズル噴出口での
水ジェットの吹き付け圧力を1000kg/cm2 より小さ
くすると、工具鋼のように比較的硬い材質の圧延用ロー
ルの表面硬度を高めることが困難である。また、ノズル
噴出口での水ジェットの吹き付け圧力を3000kg/cm
2 より大きくし過ぎると、局部的な流水の衝突現象とな
り、ミクロ的に均一な硬度アップが困難である。
【0034】また、本実施例では、ロール1の回転手段
として回転ローラを用いたが、水ジェットノズル2を回
転させても良い。例えば、ロール1を軸方向で直立させ
て、水ジェットノズル2を所望する距離で水ジェットが
ロール1にあたるように設置して、ロール1の周りをロ
ール円周方向に回転移動させても良い。
【0035】以上のように、本実施例では、圧延用ロー
ルの表面を、加熱処理を伴わずに、簡易に且つ均一に所
望する硬さまで硬化処理することができる。
【0036】また、本発明の硬化処理法によって、圧延
用ロールの胴部長手方向で所望の硬度分布を付加させる
ことも可能である。つまり、ロール円周方向では、硬度
の均一化を図り、ロール長手方向で、硬度を任意に変化
させることも可能である。
【0037】(実施例2)図2は、本発明により、ロー
ル1の胴部5に溝を有するロール(形鋼ロール)の表面
硬化する実施例を示す。
【0038】ロール1は、軸部6及び胴部5からなり、
軸部6の直径が400mm、胴部5の直径が700mm、軸
部6の長さが700mm、胴部5の長さが1700mmの形
状を用いた。そして、ロール1の胴部5の溝は、V型溝
であり、開口部の幅が290mm、深さ150mmである。
【0039】また、そのロール1の材料及びロール1の
回転手段は、実施例1と同様のものを用いた。
【0040】水ジェットを吹き出す水ジェットノズル2
は、吹き付け角調整装置が取り付けられており、本実施
例では、水ジェットがロール1の胴部の一方のV型溝面
8に対して垂直にあたるように、吹き付け角調整装置に
よって水ジェットノズル2を設置した。
【0041】そして、水ジェットノズル2の吹き出し口
とロール1の胴部5の面との距離は10mmとした。ま
た、実施例1で用いたロール1の軸方向に水ジェットノ
ズル2を移動させる移動装置によって別のV型溝に水ジ
ェットノズル2を移動することができる。
【0042】このような装置を用い、実施例1と同様
に、ロール1を回転用ローラ台4に乗せて、回転用ロー
ラ台4のローラを回転駆動して、ロール1を毎分10回
転の速度でロール1の胴部5を回転させた。この際、ロ
ール1の胴部面の移動速度、つまり、周速はおおよそ1
5m/min である。
【0043】次に、水ジェットの吹き付け圧力をノズル
噴出口で2000kg/cm2 として毎分6リットルの工業
用水3を噴射させて、ロール1の胴部5のV型溝面8を
円周方向で表面硬化させた。そして、V型溝面9に水ジ
ェットが垂直にあたるように水ジェットの吹き付けの傾
きを変えてV型溝面8と同様にV型溝面9を表面硬化さ
せた。この際、水ジェットノズル2をロール1の軸方向
に毎分7mmの速度で、水ジェットノズル2の吹き出し口
とロール1の胴部5の面との距離10mmを保ちながら水
ジェットノズル2を移動させた。本実施例のような形鋼
ロールでは、圧延時にV型溝のみを使用するので、V型
溝面8及び9のみを硬化処理した。
【0044】本実施例では、形鋼ロールのV型溝のよう
な狭い部位に水ジェットノズル2を簡便に挿入すること
ができ、形鋼ロールのV型溝のような狭い部位の硬化処
理を必要とする面のみの硬化処理を施すことが簡便に可
能となった。つまり、従来の焼き入れ方法では、狭い部
位の必要とする面のみの焼き入れを実施するとその周辺
に熱影響を与えてしまい、変形を生じてしまうという問
題が生じたり、狭い部位の必要とする面のみを均一に硬
化させることが困難であった。また、形鋼ロールのV型
溝の面部の硬度アップを図るために従来の焼き入れを実
施すると、V型溝の底部まで加熱処理されて硬度アップ
してしまって、V型溝の底部が脆くなり圧延使用時にV
型溝の底部から亀裂が生じてロールが割損する危険性が
あった。しかし、本実施例では、加熱処理を伴わないた
め、周辺の熱影響はなく、且つ水ジェットを使用するた
め、容易に狭い部位にそのノズルの先を挿入することが
でき、狭い部位での硬化処理を可能とし、且つ必要な部
位のみを均一に硬化させることができる。
【0045】本実施例の水ジェット噴射によるロール1
の胴部5のV型溝面8及び9の表面硬化処理を施した後
に、V型溝面8及び9の残留応力を円周方向で4箇所測
定した結果、本表面硬化処理を施す前に比べて、夫々約
18kg/mm2 増加していた。また、V型溝面8及び9の
表面硬度は、本表面硬化処理を施す前に夫々33HSDで
あったのに対して、夫々7HSD増加しており、本表面
硬化処理に夫々40HSDであった。
【0046】また、ミクロ的な硬度のばらつきを確認す
るため、マイクロビッカース硬さ計により、硬度を測定
した。その結果、ミクロ的にもほぼ均一であり、硬さの
ばらつきが少ないことを確認した。
【0047】また、実施例1と同様、圧延ロールの材質
及び作業効率等を考慮すると、水ジェットノズル2の吹
き出し口とロール1の胴部5の面との距離を5〜20m
m、周速を5〜20m/min 、水ジェットの吹き付け圧
力をノズル噴出口で500〜4000kg/cm2 とするこ
とで、圧延用ロールの材質に適した硬化処理を施すこと
ができ、必要とする硬度アップ及び硬度の均一化が図れ
る。更に、好ましくは、水ジェットノズル2の吹き出し
口とロール1の胴部5の面との距離を5〜15mm、周速
を5〜20m/min 、水ジェットの吹き付け圧力をノズ
ル噴出口で1000〜3000kg/cm2 とすることにより、
更に、圧延用ロールの材質に適した硬化処理を効率よく
施すことができ、必要とする硬度アップ及び硬度の均一
化が図れる。
【0048】以上のように、本実施例では、加熱処理を
伴わずに、圧延用ロールの胴部の複数の溝の内面全体の
みを均一に硬化処理することができる。また、圧延用ロ
ールの胴部が複数の溝の中に、容易に水ジェットの吹き
付け口であるノズルを挿入することができ、その溝の各
面に対し、それぞれの面に対してノズルを対抗させて、
その面に対してほぼ垂直に水ジェットを吹き付けること
ができ、圧延用ロールの形状に制限されることなく、十
分な硬化処理を施すことができる。
【0049】(実施例3)図3は、本発明により、ロー
ル1の胴部5と軸部6との境である軸ネック部の表面硬
化する実施例を示す。
【0050】ロール1は、軸部6及び胴部5からなり、
軸部6の直径が400mm、胴部5の直径が700mm、軸
部6の長さが700mm、胴部5の長さが2000mm、軸
ネック部のR形状がR120mmの形状を用いた。
【0051】また、そのロール1の材料及びロール1の
回転手段は、実施例1と同様のものを用いた。
【0052】水ジェットを吹き出す水ジェットノズル2
は、吹き付け角調整装置が取り付けられており、本実施
例では、水ジェットが軸ネック部のほぼ中心にあたる面
に対してほぼ垂直にあたるように、吹き付け角調整装置
によって水ジェットノズル2を設置した。
【0053】そして、水ジェットノズル2の吹き出し口
とロール1の胴部5の面との距離は10mmとした。そし
て、この距離を保つように、つまり、軸ネック部R12
0mmに沿うように、水ジェットノズル2の吹き出し口の
軌跡をR110mmとして、水ジェットノズル2の吹き出
し口を移動させるように構成した。
【0054】このような装置を用い、実施例1と同様
に、ロール1を回転用ローラ台4に乗せて、回転用ロー
ラ台4のローラを回転駆動して、ロール1を毎分10回
転の速度で回転させた。この際、ロール1の軸ネック部
の移動速度、つまり、周速はおおよそ13m/min であ
る。
【0055】次に、水ジェットの吹き付け圧力をノズル
噴出口で2000kg/cm2 として毎分6リットルの工業
用水3を噴射させて、ロール1の軸ネック部を円周方向
で表面硬化させた。この際、水ジェットノズル2を毎分
7mmの速度で、水ジェットノズル2の吹き出し口とロー
ル1の胴部5の面との距離10mmを保ちながら、水ジェ
ットノズル2の吹き出し口の軌跡をR110mmとして水
ジェットノズル2を移動させた。
【0056】本実施例では、従来困難であったR部(軸
ネック部)に水ジェットノズル2を簡便に設置してR部
面のみの硬化処理を施すことが簡便に可能となった。つ
まり、従来の焼き入れ方法では、軸部6と胴部5との段
違いとなっているR部面のみの焼き入れを実施するとそ
の周辺に熱影響を与えてしまい、変形を生じてしまうと
いう問題が生じたり、R部の必要とする面のみを均一に
硬化させることが困難であった。しかし、本実施例で
は、加熱処理を伴わないため、周辺の熱影響はなく、且
つ水ジェットを使用するため、容易にR部にそのノズル
の先を挿入することができ、R部での硬化処理を可能と
し、且つ必要なR部のみを均一に硬化させることができ
る。
【0057】本実施例の水ジェット噴射によるロール1
の軸ネック部の表面硬化処理を施した後に、軸ネック部
の残留応力を円周方向で4箇所測定した結果、本表面硬
化処理を施す前に比べて、夫々約18kg/mm2 増加して
いた。また、軸ネック部の表面硬度は、本表面硬化処理
を施す前に夫々33HSDであったのに対して、夫々7
HSD増加しており、本表面硬化処理に夫々40HSD
であった。
【0058】また、ミクロ的な硬度のばらつきを確認す
るため、マイクロビッカース硬さ計により、硬度を測定
した。その結果、ミクロ的にもほぼ均一であり、硬さの
ばらつきが少ないことを確認した。
【0059】また、実施例1と同様、圧延ロールの材質
及び作業効率等を考慮すると、水ジェットノズル2の吹
き出し口とロール1の胴部5の面との距離を5〜20m
m、周速を5〜20m/min 、水ジェットの吹き付け圧
力をノズル噴出口で500〜4000kg/cm2 とするこ
とで、圧延用ロールの材質に適した硬化処理を施すこと
ができ、必要とする硬度アップ及び硬度の均一化が図れ
る。更に、好ましくは、水ジェットノズル2の吹き出し
口とロール1の胴部5の面との距離を5〜15mm、周速
を5〜20m/min 、水ジェットの吹き付け圧力をノズ
ル噴出口で1000〜3000kg/cm2 とすることにより、
更に、圧延用ロールの材質に適した硬化処理を効率よく
施すことができ、必要とする硬度アップ及び硬度の均一
化が図れる。
【0060】以上のように、本実施例によると、圧延用
ロールの表面を、加熱処理を伴わずに、簡易に且つ均一
に所望する硬さまで硬化処理することができる圧延用ロ
ールの表面硬化法及びその装置を提供することができ
る。
【0061】
【発明の効果】本発明の圧延用ロールの表面硬化法及び
その装置によると、圧延用ロールの表面を、加熱処理を
伴わずに、簡易に且つ均一に所望する硬さまで硬化処理
することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である圧延用ロール
の硬化処理構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例である胴部に溝を有
する圧延用形鋼ロールの硬化処理構成図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例である圧延用ロール
の軸ネック部の硬化処理構成図である。
【図4】水ジェットノズル角度調整機構の上面図であ
る。
【図5】水ジェットノズル角度調整機構の横面図であ
る。
【図6】本発明の実施の形態の一例である圧延用ロール
の硬化処理構成の圧延用ロール軸端面から見た図であ
る。
【符号の説明】
1…ロール、2…水ジェットノズル、3…工業用水、4
…回転用ローラ台、5…胴部、6…軸部、7…回転用ロ
ーラ軸、8,9…V型溝面。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧延用ロールを回転させながら該圧延用ロ
    ールの表面に対して高圧力で水ジェットを所望の角度で
    吹き付けることを特徴とする圧延用ロールの表面硬化
    法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の圧延用ロールの表面硬化
    法において、該圧延用ロールの胴部は複数の溝を有して
    おり、該圧延ロールの溝の面に対してほぼ垂直に前記水
    ジェットを吹き付けることを特徴とする圧延用ロールの
    表面硬化法。
  3. 【請求項3】圧延用ロールの円周方向から高圧力で水ジ
    ェットを該圧延用ロールの表面に吹き付ける少なくとも
    一つの水ジェットノズルと、該圧延用ロールを回転させ
    る手段若しくは該水ジェットノズルを該圧延用ロールと
    の距離を一定に保ちながら該圧延用ロールの円周方向に
    回転させる手段と、該圧延用ロールの表面に対して前記
    水ジェットを吹き付ける吹き付け角度を調整する手段と
    を有することを特徴とする圧延用ロールの表面硬化装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005065885A1 (de) * 2004-01-09 2005-07-21 Mtu Aero Engines Gmbh Verfahren zur herstellung bzw. bearbeitung von bauteilen
KR100966531B1 (ko) * 2008-01-28 2010-06-29 주식회사 성진이앤아이 표면 볼 롤링 방법과 이에 의해 제조된 롤 모재
KR101477118B1 (ko) * 2013-05-31 2015-01-02 현대제철 주식회사 워크롤의 표면경도 향상방법

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