JPH10136601A - モータの口出し線用絶縁チューブおよび相間絶縁素子 - Google Patents
モータの口出し線用絶縁チューブおよび相間絶縁素子Info
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- JPH10136601A JPH10136601A JP29064396A JP29064396A JPH10136601A JP H10136601 A JPH10136601 A JP H10136601A JP 29064396 A JP29064396 A JP 29064396A JP 29064396 A JP29064396 A JP 29064396A JP H10136601 A JPH10136601 A JP H10136601A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性、吸湿性、オリゴマー発生量、耐加水
分解性に優れたモータの口出し線用絶縁チューブおよび
相間絶縁素子を提供する。 【解決手段】 第1および第2の平坦絶縁片10a,1
0bが少なくとも1本の連結子10cにより互いに連結
されてなる相間絶縁素子10であって、少なくとも前記
平坦絶縁片10a,10bは、ポリエチレンナフタレー
トフィルムからなり、口出し線用絶縁チューブもポリエ
チレンナフタレートフィルムからなる。
分解性に優れたモータの口出し線用絶縁チューブおよび
相間絶縁素子を提供する。 【解決手段】 第1および第2の平坦絶縁片10a,1
0bが少なくとも1本の連結子10cにより互いに連結
されてなる相間絶縁素子10であって、少なくとも前記
平坦絶縁片10a,10bは、ポリエチレンナフタレー
トフィルムからなり、口出し線用絶縁チューブもポリエ
チレンナフタレートフィルムからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はモータの口出し線
用絶縁チューブおよび相間絶縁素子に関する。
用絶縁チューブおよび相間絶縁素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、冷凍機用モータ、圧縮機用モ
ータの口出し線用絶縁チューブとして、アラミッド紙、
ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィ
ルムなどに超音波シール加工を施して成形された絶縁チ
ューブが採用されている。また、冷凍機用モータ、圧縮
機用モータの相間絶縁素子として、ポリエチレンテレフ
タレートからなる1対の平坦部どうしをポリエチレンテ
レフタレート、またはポリエステル単繊条からなる連結
子によって連結した構成のものが提案されている(特公
平5−27329号公報参照)。
ータの口出し線用絶縁チューブとして、アラミッド紙、
ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィ
ルムなどに超音波シール加工を施して成形された絶縁チ
ューブが採用されている。また、冷凍機用モータ、圧縮
機用モータの相間絶縁素子として、ポリエチレンテレフ
タレートからなる1対の平坦部どうしをポリエチレンテ
レフタレート、またはポリエステル単繊条からなる連結
子によって連結した構成のものが提案されている(特公
平5−27329号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】冷凍機用モータ、圧縮
機用モータは、冷凍機、圧縮機と共に密閉容器内に収納
されることが多いのであるから、これらに用いられる絶
縁物としては、耐熱性に優れていることはもちろん、オ
リゴマー発生量が少なく、しかも、耐加水分解性に優れ
たものを採用することが好ましい。
機用モータは、冷凍機、圧縮機と共に密閉容器内に収納
されることが多いのであるから、これらに用いられる絶
縁物としては、耐熱性に優れていることはもちろん、オ
リゴマー発生量が少なく、しかも、耐加水分解性に優れ
たものを採用することが好ましい。
【0004】しかし、前記アラミッド紙は吸湿性が著し
く高く、オリゴマー発生量、耐加水分解性は到底評価で
きないものであり、前記ポリイミドは吸湿性、オリゴマ
ー発生量が大きく、耐加水分解性が低いものであり、前
記ポリエチレンテレフタレートは吸湿性、オリゴマー発
生量がポリイミドよりも小さいけれどもかなり大きく、
耐加水分解性がポリイミドよりも高いけれどもかなり低
いものである。
く高く、オリゴマー発生量、耐加水分解性は到底評価で
きないものであり、前記ポリイミドは吸湿性、オリゴマ
ー発生量が大きく、耐加水分解性が低いものであり、前
記ポリエチレンテレフタレートは吸湿性、オリゴマー発
生量がポリイミドよりも小さいけれどもかなり大きく、
耐加水分解性がポリイミドよりも高いけれどもかなり低
いものである。
【0005】したがって、冷凍機用モータ、圧縮機用モ
ータの口出し線用絶縁チューブ、相間絶縁素子として十
分な吸湿性、オリゴマー発生量、耐加水分解性を達成す
ることができない。特に、口出し線はモータの固定子巻
線に対して電源電圧を印可し、電流を供給するものであ
る関係上、モータのケーシングから引き出され、かつ冷
凍機、圧縮機のケーシングからも引き出されることにな
り、広範囲にわたって十分な絶縁性を確保することが必
要になる。したがって、口出し線用絶縁チューブとして
十分な吸湿性、オリゴマー発生量、耐加水分解性を達成
することができないことは、冷凍機用モータ、圧縮機用
モータの長期信頼性、ひいては冷凍機、圧縮機の長期信
頼性を大幅に損なうことになる。また相間絶縁素子は、
固定子巻線のうち、固定子コアのスロットに収納されて
いない部分において、各相の固定子巻線どうしの絶縁を
確実化するものであるから、潤滑油が流動しやすい箇所
に配置されており、上述のように十分な吸湿性、オリゴ
マー発生量、耐加水分解性を達成することができない場
合には、モータの長期信頼性、ひいては冷凍機、圧縮機
の長期信頼性を大幅に損なってしまうことになる。
ータの口出し線用絶縁チューブ、相間絶縁素子として十
分な吸湿性、オリゴマー発生量、耐加水分解性を達成す
ることができない。特に、口出し線はモータの固定子巻
線に対して電源電圧を印可し、電流を供給するものであ
る関係上、モータのケーシングから引き出され、かつ冷
凍機、圧縮機のケーシングからも引き出されることにな
り、広範囲にわたって十分な絶縁性を確保することが必
要になる。したがって、口出し線用絶縁チューブとして
十分な吸湿性、オリゴマー発生量、耐加水分解性を達成
することができないことは、冷凍機用モータ、圧縮機用
モータの長期信頼性、ひいては冷凍機、圧縮機の長期信
頼性を大幅に損なうことになる。また相間絶縁素子は、
固定子巻線のうち、固定子コアのスロットに収納されて
いない部分において、各相の固定子巻線どうしの絶縁を
確実化するものであるから、潤滑油が流動しやすい箇所
に配置されており、上述のように十分な吸湿性、オリゴ
マー発生量、耐加水分解性を達成することができない場
合には、モータの長期信頼性、ひいては冷凍機、圧縮機
の長期信頼性を大幅に損なってしまうことになる。
【0006】ここで、オリゴマーは、それ自体またはそ
れに起因する複雑な化合物によって冷凍機、圧縮機の冷
媒循環流路に詰まりを生じさせる原因になるのであるか
ら、その発生量は可能な限り少ないことが好ましい。特
に、長期間にわたって運転が停止されるような場合にオ
リゴマーの影響が顕著に現れるので、このような場合に
は、オリゴマー発生量を特に少なくすることが要求され
る。
れに起因する複雑な化合物によって冷凍機、圧縮機の冷
媒循環流路に詰まりを生じさせる原因になるのであるか
ら、その発生量は可能な限り少ないことが好ましい。特
に、長期間にわたって運転が停止されるような場合にオ
リゴマーの影響が顕著に現れるので、このような場合に
は、オリゴマー発生量を特に少なくすることが要求され
る。
【0007】また、吸湿性は絶縁性に影響を及ぼすとと
もに、耐加水分解性に影響を及ぼし、耐加水分解性が低
いと、比較的容易に相間絶縁素子が加水分解されてしま
い、この結果、相間絶縁素子として機能しなくなってし
まう。したがって、吸湿性が低いとともに、耐加水分解
性が高いことが要求される。特に、冷凍機用モータ、圧
縮機用モータの潤滑油は冷媒とマッチするものが採用さ
れるのであるから、冷媒として代替フロンが採用される
場合に採用される潤滑油としては、吸湿性が高く、しか
も脱水、脱湿が著しく困難なものが採用される可能性が
高い。したがって、冷媒としてフロンを採用していた場
合には余り問題にならなかった吸湿性、耐加水分解性が
重視されることになる。
もに、耐加水分解性に影響を及ぼし、耐加水分解性が低
いと、比較的容易に相間絶縁素子が加水分解されてしま
い、この結果、相間絶縁素子として機能しなくなってし
まう。したがって、吸湿性が低いとともに、耐加水分解
性が高いことが要求される。特に、冷凍機用モータ、圧
縮機用モータの潤滑油は冷媒とマッチするものが採用さ
れるのであるから、冷媒として代替フロンが採用される
場合に採用される潤滑油としては、吸湿性が高く、しか
も脱水、脱湿が著しく困難なものが採用される可能性が
高い。したがって、冷媒としてフロンを採用していた場
合には余り問題にならなかった吸湿性、耐加水分解性が
重視されることになる。
【0008】もちろん、十分な耐熱性、加工性も優れて
いることが要求される。
いることが要求される。
【0009】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、耐熱性、吸湿性、オリゴマー発生量、耐
加水分解性に優れたモータの口出し線用絶縁チューブお
よび相間絶縁素子を提供することを目的としている。
たものであり、耐熱性、吸湿性、オリゴマー発生量、耐
加水分解性に優れたモータの口出し線用絶縁チューブお
よび相間絶縁素子を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1のモータの口出
し線用絶縁チューブは、モータの口出し線を包囲する絶
縁チューブであって、ポリエチレンナフタレートからな
るものである。請求項2のモータの相間絶縁素子は、第
1および第2の平坦絶縁片が少なくとも1本の連結子に
より互いに連結されてなり、少なくとも前記平坦絶縁片
として、ポリエチレンナフタレートからなるものを採用
している。
し線用絶縁チューブは、モータの口出し線を包囲する絶
縁チューブであって、ポリエチレンナフタレートからな
るものである。請求項2のモータの相間絶縁素子は、第
1および第2の平坦絶縁片が少なくとも1本の連結子に
より互いに連結されてなり、少なくとも前記平坦絶縁片
として、ポリエチレンナフタレートからなるものを採用
している。
【0011】
【作用】請求項1のモータの口出し線用絶縁チューブで
あれば、モータの口出し線を包囲する絶縁チューブであ
って、ポリエチレンナフタレートからなるのであるか
ら、JEC6147規格の耐熱クラスFをクリアでき、
しかも、吸湿性が大きい潤滑油を採用した場合であって
も、水分による影響を十分に小さくすることができ、さ
らに、発生するオリゴマーまたはこのオリゴマーに起因
する複雑な化合物の量を十分に少なくすることができ、
ひいては冷媒循環流路に与える影響(これらの堆積によ
る冷媒循環流路の内径の減少、詰まり)を殆ど皆無にす
ることができる。
あれば、モータの口出し線を包囲する絶縁チューブであ
って、ポリエチレンナフタレートからなるのであるか
ら、JEC6147規格の耐熱クラスFをクリアでき、
しかも、吸湿性が大きい潤滑油を採用した場合であって
も、水分による影響を十分に小さくすることができ、さ
らに、発生するオリゴマーまたはこのオリゴマーに起因
する複雑な化合物の量を十分に少なくすることができ、
ひいては冷媒循環流路に与える影響(これらの堆積によ
る冷媒循環流路の内径の減少、詰まり)を殆ど皆無にす
ることができる。
【0012】請求項2のモータの相間絶縁素子であれ
ば、第1および第2の平坦絶縁片が少なくとも1本の連
結子により互いに連結されてなり、少なくとも前記平坦
絶縁片として、ポリエチレンナフタレートからなるもの
を採用しているのであるから、JEC6147規格の耐
熱クラスFをクリアでき、しかも、吸湿性が大きい潤滑
油を採用した場合であっても、水分による影響を十分に
小さくすることができ、さらに、発生するオリゴマーま
たはこのオリゴマーに起因する複雑な化合物の量を十分
に少なくすることができ、ひいては冷媒循環流路に与え
る影響(これらの堆積による冷媒循環流路の内径の減
少、詰まり)を殆ど皆無にすることができる。
ば、第1および第2の平坦絶縁片が少なくとも1本の連
結子により互いに連結されてなり、少なくとも前記平坦
絶縁片として、ポリエチレンナフタレートからなるもの
を採用しているのであるから、JEC6147規格の耐
熱クラスFをクリアでき、しかも、吸湿性が大きい潤滑
油を採用した場合であっても、水分による影響を十分に
小さくすることができ、さらに、発生するオリゴマーま
たはこのオリゴマーに起因する複雑な化合物の量を十分
に少なくすることができ、ひいては冷媒循環流路に与え
る影響(これらの堆積による冷媒循環流路の内径の減
少、詰まり)を殆ど皆無にすることができる。
【0013】
【発明の実施の態様】以下、添付図面を参照しながらこ
の発明の実施態様を詳細に説明する。図1はモータの固
定子の一例を示す概略斜視図である。この固定子は、三
相モータの固定子であり、多数枚のケイ素鋼板を積層
し、一体化してなる固定子コア1と、固定子コア1の内
周側に形成された複数のスロット2に収納された各相の
固定子巻線3と、各相の固定子巻線3を外部の電源供給
端子と接続するための口出し線4と、各口出し線4を包
囲する口出し線用絶縁チューブ5と、各相の固定子巻線
3どうしを固定子コア1の外部において絶縁する(絶縁
を確実化する)相間絶縁素子10とを有している。な
お、図1中において、6は固定子巻線3を結束するため
の結束糸、7はサーモスタット用絶縁チューブ、8はス
ロットライナー、9はウエッジである。
の発明の実施態様を詳細に説明する。図1はモータの固
定子の一例を示す概略斜視図である。この固定子は、三
相モータの固定子であり、多数枚のケイ素鋼板を積層
し、一体化してなる固定子コア1と、固定子コア1の内
周側に形成された複数のスロット2に収納された各相の
固定子巻線3と、各相の固定子巻線3を外部の電源供給
端子と接続するための口出し線4と、各口出し線4を包
囲する口出し線用絶縁チューブ5と、各相の固定子巻線
3どうしを固定子コア1の外部において絶縁する(絶縁
を確実化する)相間絶縁素子10とを有している。な
お、図1中において、6は固定子巻線3を結束するため
の結束糸、7はサーモスタット用絶縁チューブ、8はス
ロットライナー、9はウエッジである。
【0014】図2は口出し線用絶縁チューブの一実施態
様を示す概略斜視図である。この口出し線用絶縁チュー
ブ5は、ポリエチレンナフタレートからなるフィルムを
螺旋条に捲回し、超音波シール加工などによって筒状に
形成してなるものである。ただし、十分に長尺のフィル
ムを1回だけ捲回し、超音波シール加工などによって筒
状に形成してなる1層構造のものであってもよく、2回
以上捲回してなる多層構造のものであってもよい。
様を示す概略斜視図である。この口出し線用絶縁チュー
ブ5は、ポリエチレンナフタレートからなるフィルムを
螺旋条に捲回し、超音波シール加工などによって筒状に
形成してなるものである。ただし、十分に長尺のフィル
ムを1回だけ捲回し、超音波シール加工などによって筒
状に形成してなる1層構造のものであってもよく、2回
以上捲回してなる多層構造のものであってもよい。
【0015】前記ポリエチレンナフタレートは、ナフタ
レンジカルボン酸とエチレングリコールの縮合重合によ
って得られるものであり、ナフタレンジカルボン酸とし
ては、何れの異性体を採用してもよい。前記の構成の口
出し線用絶縁チューブ5の吸湿性は水分率が0.3%、
発生オリゴマー量は0.15%、耐加水分解性は130
℃のオートクレーブ中に200時間保持した場合の伸度
保持率が60%であった。また、耐熱温度は160℃以
上であった。
レンジカルボン酸とエチレングリコールの縮合重合によ
って得られるものであり、ナフタレンジカルボン酸とし
ては、何れの異性体を採用してもよい。前記の構成の口
出し線用絶縁チューブ5の吸湿性は水分率が0.3%、
発生オリゴマー量は0.15%、耐加水分解性は130
℃のオートクレーブ中に200時間保持した場合の伸度
保持率が60%であった。また、耐熱温度は160℃以
上であった。
【0016】なお、ここで、吸湿性の測定方法として
は、10mm×10mmにカットした試料(重量が30
g)を、室温(25℃、70%RH)で48時間放置し
た後、試料を乾燥器で一定時間乾燥し(150℃、16
時間)、乾燥前後の試料の重量差から吸湿性を測定する
方法を採用した。具体的には、乾燥前の試料の重量をw
0(g)で表し、乾燥後の試料の重量をw1(g)で表
した場合に、{(w0−w1)/w0}×100の演算
を行って吸湿性(水分率)(%)を求める。
は、10mm×10mmにカットした試料(重量が30
g)を、室温(25℃、70%RH)で48時間放置し
た後、試料を乾燥器で一定時間乾燥し(150℃、16
時間)、乾燥前後の試料の重量差から吸湿性を測定する
方法を採用した。具体的には、乾燥前の試料の重量をw
0(g)で表し、乾燥後の試料の重量をw1(g)で表
した場合に、{(w0−w1)/w0}×100の演算
を行って吸湿性(水分率)(%)を求める。
【0017】また、発生オリゴマー量の測定方法として
は、50mm×50mmにカットした試料(重量が約1
2g)の表面をメタノールを用いて洗浄し、試料を(1
40±5)℃の温度で(120±5)分間乾燥後、45
分間冷却し、再び試料の重量をmg単位まで測定し、5
00cc冷却管付き容器(セパラブルフラスコ)に試料
を入れ、特級試薬キシレン約150ccを用いてキシレ
ン沸騰状態中(139℃)で24時間抽出操作を行い、
抽出操作完了後、試料をキシレンで洗浄し、160℃の
温度で8時間乾燥し、抽出操作の前後の試料の重量から
オリゴマー量を求める方法を採用した。具体的には、抽
出操作前の試料の重量をw2(g)で表し、抽出操作後
の試料の重量をw3(g)で表した場合に、{(w2−
w3)/w2}×100の演算を行ってオリゴマー量
(wt%)を求める。
は、50mm×50mmにカットした試料(重量が約1
2g)の表面をメタノールを用いて洗浄し、試料を(1
40±5)℃の温度で(120±5)分間乾燥後、45
分間冷却し、再び試料の重量をmg単位まで測定し、5
00cc冷却管付き容器(セパラブルフラスコ)に試料
を入れ、特級試薬キシレン約150ccを用いてキシレ
ン沸騰状態中(139℃)で24時間抽出操作を行い、
抽出操作完了後、試料をキシレンで洗浄し、160℃の
温度で8時間乾燥し、抽出操作の前後の試料の重量から
オリゴマー量を求める方法を採用した。具体的には、抽
出操作前の試料の重量をw2(g)で表し、抽出操作後
の試料の重量をw3(g)で表した場合に、{(w2−
w3)/w2}×100の演算を行ってオリゴマー量
(wt%)を求める。
【0018】さらに、耐熱温度としては、耐熱絶縁材料
の熱劣化が初期値の50%以下に低下しないと推定され
る温度を採用した。ここで、熱劣化は、連続20,00
0時間を経過した後における引張り伸び率に基づいて評
価される。この引張り伸び率は、熱風循環式恒温器(測
定範囲40℃〜300℃)内において、所定の試料を円
盤上部にセットし、下端に荷重を取り付け、複数の温度
(130℃〜180℃の範囲内の温度)でエージング
し、初期値の50%値に到達する時間を求め、このよう
にして求められた3点以上の到達時間を、図4に示すよ
うに、対数グラフ上にプロットし、図4中に破線で示す
ように、その延長線上が20,000時間となる摂氏の
温度で推定する(JIS−C−2318参照)。この耐
熱温度が160℃であるから、JEC−6147規格の
耐熱クラスFをクリアできる。
の熱劣化が初期値の50%以下に低下しないと推定され
る温度を採用した。ここで、熱劣化は、連続20,00
0時間を経過した後における引張り伸び率に基づいて評
価される。この引張り伸び率は、熱風循環式恒温器(測
定範囲40℃〜300℃)内において、所定の試料を円
盤上部にセットし、下端に荷重を取り付け、複数の温度
(130℃〜180℃の範囲内の温度)でエージング
し、初期値の50%値に到達する時間を求め、このよう
にして求められた3点以上の到達時間を、図4に示すよ
うに、対数グラフ上にプロットし、図4中に破線で示す
ように、その延長線上が20,000時間となる摂氏の
温度で推定する(JIS−C−2318参照)。この耐
熱温度が160℃であるから、JEC−6147規格の
耐熱クラスFをクリアできる。
【0019】これに対して、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムからなる口出し線用絶縁チューブの吸湿性は
0.40%、発生オリゴマー量は0.46%、耐加水分
解性は144℃、80%RHの雰囲気中に23時間保持
した場合の伸度保持率が10%であった。また、ポリイ
ミドからなる口出し線用絶縁チューブの吸湿性は2.2
%、発生オリゴマー量は0%、耐加水分解性は155
℃、飽和水蒸気中に5日間保持した場合の伸度保持率が
10%であった。
トフィルムからなる口出し線用絶縁チューブの吸湿性は
0.40%、発生オリゴマー量は0.46%、耐加水分
解性は144℃、80%RHの雰囲気中に23時間保持
した場合の伸度保持率が10%であった。また、ポリイ
ミドからなる口出し線用絶縁チューブの吸湿性は2.2
%、発生オリゴマー量は0%、耐加水分解性は155
℃、飽和水蒸気中に5日間保持した場合の伸度保持率が
10%であった。
【0020】さらに、アラミッド紙からなる口出し線用
絶縁チューブの吸湿性は著しく大きく、発生オリゴマー
量、耐加水分解性は前記と同様の方法では評価すること
ができなかった。図3は相間絶縁素子の一実施態様を示
す概略正面図である。この相間絶縁素子10は、各相の
固定子巻線3のうち、固定子コア1のスロット2の外部
に位置し、かつ結束糸により結束された部分どうしの間
の絶縁を確実化すべく所定形状に形成された1対の平坦
部10a,10bと、1対の平坦部10a,10bどう
しを連結する2本の連結子10cとを有している。
絶縁チューブの吸湿性は著しく大きく、発生オリゴマー
量、耐加水分解性は前記と同様の方法では評価すること
ができなかった。図3は相間絶縁素子の一実施態様を示
す概略正面図である。この相間絶縁素子10は、各相の
固定子巻線3のうち、固定子コア1のスロット2の外部
に位置し、かつ結束糸により結束された部分どうしの間
の絶縁を確実化すべく所定形状に形成された1対の平坦
部10a,10bと、1対の平坦部10a,10bどう
しを連結する2本の連結子10cとを有している。
【0021】ここで、前記平坦部10a,10bは、各
相の固定子巻線3どうしの間の絶縁を確実化できるので
あれば、いかなる形状であってもよいが、この実施態様
においては、前記平坦部10aは、左右がそれぞれ互い
に線対称な台形状であるとともに、両台形状部どうしを
連結する連結部を有する形状であり、前記平坦部10b
は、長方形の一方の長辺に属する角部を折れ線状に切除
し、該長辺の中央部を二等辺三角形状に切除し、他方の
長辺の中央部を二等辺三角形状に切除し、この二等辺三
角形状の切除部の最も内奥部を逆U字状に切除し、この
他方の長辺の残余の部分を8箇所において逆U字状に切
除した形状である。
相の固定子巻線3どうしの間の絶縁を確実化できるので
あれば、いかなる形状であってもよいが、この実施態様
においては、前記平坦部10aは、左右がそれぞれ互い
に線対称な台形状であるとともに、両台形状部どうしを
連結する連結部を有する形状であり、前記平坦部10b
は、長方形の一方の長辺に属する角部を折れ線状に切除
し、該長辺の中央部を二等辺三角形状に切除し、他方の
長辺の中央部を二等辺三角形状に切除し、この二等辺三
角形状の切除部の最も内奥部を逆U字状に切除し、この
他方の長辺の残余の部分を8箇所において逆U字状に切
除した形状である。
【0022】そして、前記平坦部10a,10bは、ポ
リエチレンナフタレートフィルムを上述の形状に形成す
ることにより得られる。また、フィルムの厚みは任意に
設定できるが、この実施態様においては125μmに設
定されている。前記連結子10cは、1対の平坦部10
a,10bどうしを連結できるものであればどのような
ものであってもよいが、この実施態様においては、ポリ
エチレンナフタレートフィルムまたは、ポリエチレンナ
フタレートモノフィラメントからなる連結子を採用して
いる。また、フィルムの厚みは任意に設定できるが、こ
の実施態様においては125μmに設定されている。
リエチレンナフタレートフィルムを上述の形状に形成す
ることにより得られる。また、フィルムの厚みは任意に
設定できるが、この実施態様においては125μmに設
定されている。前記連結子10cは、1対の平坦部10
a,10bどうしを連結できるものであればどのような
ものであってもよいが、この実施態様においては、ポリ
エチレンナフタレートフィルムまたは、ポリエチレンナ
フタレートモノフィラメントからなる連結子を採用して
いる。また、フィルムの厚みは任意に設定できるが、こ
の実施態様においては125μmに設定されている。
【0023】また、前記1対の平坦部10a,10b
と、前記連結子10cとの連結は、種々の方法で達成で
きるが、オリゴマーの発生などを考慮すれば、超音波シ
ール加工により達成することが好ましい。前記の構成の
相間絶縁素子10の吸湿性は0.3%、発生オリゴマー
量は0.15%、耐加水分解性は130℃のオートクレ
ーブ中に200時間保持した場合の伸度保持率が60%
であった。また、耐熱温度は160℃以上であった。な
お、ここで、吸湿性の測定方法、発生オリゴマー量の測
定方法は、前記と同じ方法を採用した。
と、前記連結子10cとの連結は、種々の方法で達成で
きるが、オリゴマーの発生などを考慮すれば、超音波シ
ール加工により達成することが好ましい。前記の構成の
相間絶縁素子10の吸湿性は0.3%、発生オリゴマー
量は0.15%、耐加水分解性は130℃のオートクレ
ーブ中に200時間保持した場合の伸度保持率が60%
であった。また、耐熱温度は160℃以上であった。な
お、ここで、吸湿性の測定方法、発生オリゴマー量の測
定方法は、前記と同じ方法を採用した。
【0024】これに対して、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムからなる相間絶縁素子の吸湿性は0.4%、
発生オリゴマー量は0.46%、耐加水分解性は144
℃、80%RHの雰囲気中に23時間保持した場合の伸
度保持率が10%であった。以上から明らかなように、
この発明の口出し線用絶縁チューブおよび相間絶縁素子
を採用することにより、十分な耐熱性を達成できるだけ
でなく、吸湿性が十分に低く、かつ耐加水分解性が十分
に優れているので、長期間にわたって安定に絶縁性を保
持し続けることができ、しかも発生オリゴマー量が十分
に少ないので、オリゴマーまたはオリゴマーに起因する
複雑な化合物による影響を殆ど皆無にすることができ
る。
トフィルムからなる相間絶縁素子の吸湿性は0.4%、
発生オリゴマー量は0.46%、耐加水分解性は144
℃、80%RHの雰囲気中に23時間保持した場合の伸
度保持率が10%であった。以上から明らかなように、
この発明の口出し線用絶縁チューブおよび相間絶縁素子
を採用することにより、十分な耐熱性を達成できるだけ
でなく、吸湿性が十分に低く、かつ耐加水分解性が十分
に優れているので、長期間にわたって安定に絶縁性を保
持し続けることができ、しかも発生オリゴマー量が十分
に少ないので、オリゴマーまたはオリゴマーに起因する
複雑な化合物による影響を殆ど皆無にすることができ
る。
【0025】この結果、吸湿性が高い潤滑油を用いる場
合であっても、十分な耐熱性、長期間にわたる絶縁性の
保持、オリゴマーまたはオリゴマーに起因する複雑な化
合物による影響の十分な抑制を達成することができる。
合であっても、十分な耐熱性、長期間にわたる絶縁性の
保持、オリゴマーまたはオリゴマーに起因する複雑な化
合物による影響の十分な抑制を達成することができる。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明は、JEC−6147規
格の耐熱クラスFをクリアでき、しかも、吸湿性が大き
い潤滑油を採用した場合であっても、水分による影響を
十分に小さくすることができ、さらに、発生するオリゴ
マーまたはこのオリゴマーに起因する複雑な化合物の量
を十分に少なくすることができ、ひいては冷媒循環流路
に与える影響(これらの堆積による冷媒循環流路の内径
の減少、詰まり)を殆ど皆無にすることができるという
特有の効果を奏する。
格の耐熱クラスFをクリアでき、しかも、吸湿性が大き
い潤滑油を採用した場合であっても、水分による影響を
十分に小さくすることができ、さらに、発生するオリゴ
マーまたはこのオリゴマーに起因する複雑な化合物の量
を十分に少なくすることができ、ひいては冷媒循環流路
に与える影響(これらの堆積による冷媒循環流路の内径
の減少、詰まり)を殆ど皆無にすることができるという
特有の効果を奏する。
【0027】請求項2の発明は、JEC−6147規格
の耐熱クラスFをクリアでき、しかも、吸湿性が大きい
潤滑油を採用した場合であっても、水分による影響を十
分に小さくすることができ、さらに、発生するオリゴマ
ーまたはこのオリゴマーに起因する複雑な化合物の量を
十分に少なくすることができ、ひいては冷媒循環流路に
与える影響(これらの堆積による冷媒循環流路の内径の
減少、詰まり)を殆ど皆無にすることができるという特
有の効果を奏する。
の耐熱クラスFをクリアでき、しかも、吸湿性が大きい
潤滑油を採用した場合であっても、水分による影響を十
分に小さくすることができ、さらに、発生するオリゴマ
ーまたはこのオリゴマーに起因する複雑な化合物の量を
十分に少なくすることができ、ひいては冷媒循環流路に
与える影響(これらの堆積による冷媒循環流路の内径の
減少、詰まり)を殆ど皆無にすることができるという特
有の効果を奏する。
【図1】モータの固定子の一例を示す概略斜視図であ
る。
る。
【図2】口出し線用絶縁チューブの一実施態様を示す概
略斜視図である。
略斜視図である。
【図3】相間絶縁素子の一実施態様を示す概略正面図で
ある。
ある。
【図4】引張り伸び率の判定方法を説明する図である。
5 口出し線用絶縁チューブ 10 相間絶縁素子 10a,10b 平坦部 10c 連結子
Claims (2)
- 【請求項1】 モータの口出し線を包囲する絶縁チュー
ブであって、ポリエチレンナフタレートからなることを
特徴とするモータの口出し線用絶縁チューブ。 - 【請求項2】第1および第2の平坦絶縁片(10a)
(10b)が少なくとも1本の連結子(10c)により
互いに連結されてなる相間絶縁素子(10)であって、
少なくとも前記平坦絶縁片(10a)(10b)は、ポ
リエチレンナフタレートからなることを特徴とするモー
タの相間絶縁素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29064396A JPH10136601A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | モータの口出し線用絶縁チューブおよび相間絶縁素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29064396A JPH10136601A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | モータの口出し線用絶縁チューブおよび相間絶縁素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10136601A true JPH10136601A (ja) | 1998-05-22 |
Family
ID=17758629
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29064396A Pending JPH10136601A (ja) | 1996-10-31 | 1996-10-31 | モータの口出し線用絶縁チューブおよび相間絶縁素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10136601A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008253037A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Toyota Industries Corp | 相間絶縁体 |
CN101989777A (zh) * | 2009-07-30 | 2011-03-23 | 日本电产株式会社 | 电机及电机的制造方法 |
CN113809861A (zh) * | 2021-08-13 | 2021-12-17 | 松下压缩机(大连)有限公司 | 一种适用于压缩机的f级绝缘电机的绝缘结构及其绝缘性提升方法 |
-
1996
- 1996-10-31 JP JP29064396A patent/JPH10136601A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008253037A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-16 | Toyota Industries Corp | 相間絶縁体 |
CN101989777A (zh) * | 2009-07-30 | 2011-03-23 | 日本电产株式会社 | 电机及电机的制造方法 |
US8350441B2 (en) | 2009-07-30 | 2013-01-08 | Nidec Corporation | Motor including wires with insulating tubes and method of manufacturing motor |
CN113809861A (zh) * | 2021-08-13 | 2021-12-17 | 松下压缩机(大连)有限公司 | 一种适用于压缩机的f级绝缘电机的绝缘结构及其绝缘性提升方法 |
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