JPH1013304A - スペクトラム拡散通信用受信方法及び装置 - Google Patents

スペクトラム拡散通信用受信方法及び装置

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JPH1013304A
JPH1013304A JP8177218A JP17721896A JPH1013304A JP H1013304 A JPH1013304 A JP H1013304A JP 8177218 A JP8177218 A JP 8177218A JP 17721896 A JP17721896 A JP 17721896A JP H1013304 A JPH1013304 A JP H1013304A
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signal
autocorrelation
delay line
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carrier wave
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JP8177218A
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Inventor
Yasushi Kawashima
靖史 川島
Yoshitaka Inoue
義高 井上
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 搬送波再生を確実に行い、回路の簡略化と安
定動作を得ることのできるスペクトラム拡散通信用受信
装置を提供すること 【解決手段】 SAWマッチドフィルタ14で得られた
逆拡散信号に対し、第2の自動利得制御増幅器15によ
り自己相関信号のピーク部分を取り出し、それをSAW
遅延線18に与え、搬送波を再生するための基準情報で
ある前記ピーク部分と同位相の電気信号を、所定時間繰
り返し出力させる。そして、その出力された信号を、搬
送波再生回路16に与え、搬送波を再生する。よって、
たとえピーク部分の出現時間が短いとしても、そのピー
ク部分の信号と同位相の信号がその後も連続して出力さ
れ続けるので、確実に搬送波を再生することができ、ま
た、同期がとれているかの確認も、次のピーク部分の出
現を待つことなく逐次することができるので、正確に搬
送波を再生し出力することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスペクトラム拡散通
信方式における受信装置に係わり、特に同期検波方式を
実現する手段の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】スペクトラム拡散通信方式は、秘話性が
ありかつ干渉に強いため、今後に期待される通信方式の
一つであり、移動体通信,衛星通信などで一部実用化さ
れつつある。
【0003】良く知られているように、このスペクトラ
ム拡散通信方式は、送信側では、例えば搬送波を情報信
号でPSK等で1次変調を行う。そして、その一次変調
された信号に対し、1,0(±1)のレベルをランダム
にとったPN(Pseudorandom Nois
e:疑似乱数(疑似雑音))符号系列を乗積して2次変
調(拡散変調)を行い、得られた変調信号を送信する。
一方、受信側では、係る変調信号に対し、二次変調を行
った際に用いたPN符合系列を用いて乗算し、逆拡散変
調を行う。これにより、送信側の一次変調信号と同一の
信号が再生される。よって、その再生された信号に対
し、所定の復調器(一次変調がPSKの場合には、PS
K復調器)を用いて復調する。
【0004】ところで、上記のように2回PN符号系列
を乗算することにより、元の1次変調信号を生成するた
めには、同一のPN符合系列を用いるのはもちろんのこ
と、送信側から送られてきた信号のPN符号系列発生タ
イミングと、受信側で発生させるPN符号系列のタイミ
ングとを一致させる必要がある。つまり、送信側PN符
号系列と受信側PN符号系列の位相を合わせて、乗算処
理をする必要がある。そこで、係るPN符号系列発生タ
イミングを1チップ以内の精度で推定し、受信側PN符
合系列を発生させる同期捕捉処理を行う。
【0005】そして、係る同期捕捉を短時間で行う方法
として、マッチドフィルタリング法が用いられる。すな
わち、受信信号をSAW(Surface Acous
tic Wave:弾性表面波)コリレータ(「マッチ
ドフィルタ」とも称される)に入力する。すると、出力
電極の配置パターンによって設定されたPN符号系列
(送信側のPN符号系列と同じ)に一致する符号系列が
入力された時に、相関値が高くなり、パルス状自己相関
電気信号を出力する。すなわち、出力電圧がピークとな
る。したがって、係るピーク部分を検出することによ
り、送信タイミングがわかるので同期捕捉が行える。つ
まり、マッチドフィルタの出力に搬送波生成回路を設
け、その搬送波生成回路にて送信側の搬送波に位相を合
わせた搬送波を生成し、それに基づいて受信側で復調等
所定の処理を行うようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、マッ
チドフィルタを用いると、PN系列の1周期分をサーチ
すると、ピークが1回現れるので、比較的短時間で捕捉
が可能となる。しかし、実際の信号は、相関出力に正し
い搬送波が含まれる時間が拡散符号に使用する疑似雑音
符号の2チップ分しかないため、サーチする時間が短
く、高速処理が必要となり、搬送波再生回路に非常に高
速で機能するものを用いなければならず、複雑化し、コ
スト高を招く。
【0007】しかも、上記のように2チップ分で正確に
同期捕捉できないおそれがあるが、同期がとれたか否か
は、一定時間経過後に受信する自己相関信号或いはそれ
に基づく信号と比較することにより行わなければなら
ず、高速に同期合わせをすることが困難となる。そし
て、仮に同期がとれていない場合には、非同期状態で再
生した搬送波に基づいて各種の処理が行われることにな
り、不安定となるなどの問題点があった。
【0008】本発明は、上記した背景に鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、上記した問題を解決
し、容易で正確かつ確実に搬送波を再生することがで
き、回路の簡略化と安定動作を得ることのできるスペク
トラム拡散通信用受信方法及び装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明に係るスペクトラム拡散通信用受信装置
では、受信した信号をスペクトラム逆拡散させる逆拡散
手段(実施の形態では、「SAWマッチドフィルタ1
4」)と、前記逆拡散手段によって逆拡散された信号か
ら自己相関信号のピーク部分を検出する自己相関信号検
出手段(実施の形態では「第2の自動利得制御増幅器1
5」)と、前記自己相関信号検出手段によって検出され
た前記ピーク部分の信号と同位相の信号を所定時間繰り
返して出力させる遅延線手段(実施の形態では「SAW
遅延線18」)と、前記遅延線手段から出力された信号
から搬送波を再生する搬送波再生手段(実施の形態では
「搬送波再生回路16」)と、前記自己相関信号検出手
段によって自己相関が検出された信号と前記再生された
搬送波とを混合する混合手段(実施の形態では「ミキサ
17」)とを有するように構成した(請求項1)。
【0010】また、スペクトラム拡散波を増幅する第1
の増幅手段(実施の形態では、「第1の自動利得制御増
幅器13」)と、前記第1の増幅手段によって増幅した
信号をスペクトラム逆拡散させる逆拡散手段と、前記逆
拡散手段によって逆拡散された信号と同期信号とから自
己相関信号のピークを検出する自己相関信号検出手段
と、前記自己相関信号検出手段によって検出された前記
ピーク部分の信号と同位相の信号を所定時間繰り返し出
力させる遅延線手段と、前記遅延線手段から出力された
信号から搬送波を再生する搬送波再生手段と、前記自己
相関信号検出手段によって前記自己相関が検出された信
号と前記再生された搬送波とを混合する混合手段と、前
記混合手段によって混合された信号を増幅する第2の増
幅手段(実施の形態では「増幅器20」)と、前記第2
の増幅手段によって増幅された信号から前記同期信号を
生成する同期信号生成手段(実施の形態では、「クロッ
ク生成回路22及び制御部23」)とを有するように構
成しても良い(請求項2)。
【0011】また、本発明に係るスペクトラム拡散通信
用受信方法では、受信した信号をスペクトラム逆拡散さ
せて得られた自己相関信号に基づく信号を遅延線手段に
入力することにより、前記自己相関信号のピーク部分と
同位相の信号を所定時間繰り返して出力させ、次いで、
前記遅延線手段から出力された信号から搬送波を再生
し、前記自己相関信号またはそれに基づく信号と、前記
再生された搬送波とにより検波出力を得るようにした
(請求項4)。
【0012】また、受信したスペクトラム拡散波を増幅
し、その増幅した信号をスペクトラム逆拡散させて自己
相関信号を生成し、その自己相関信号と同期信号によ
り、自己相関信号のピーク部分を検出し、その検出され
た信号を遅延線手段に入力することにより、その自己相
関信号のピーク部分と同位相の信号を所定時間繰り返し
て出力させ、次いで、前記遅延線手段から出力された信
号から搬送波を再生し、前記自己相関信号または前記ピ
ーク部分を検出した信号と、前記再生した搬送波に基づ
いて検波出力を得、さらに、その検波出力を増幅して得
られた信号から、前記ピーク部分を検出するための前記
同期信号を生成するようにしてもよい(請求項5)。
【0013】そして、好ましくは、前記遅延線手段は弾
性表面波遅延線で構成することである(請求項3,
6)。
【0014】本発明では、自己相関信号から、搬送波を
再生するに際し、自己相関信号に基づく信号(自己相関
信号自体或いはピーク部分が検出された信号)を遅延線
手段に与え、搬送波を再生するための基準情報である自
己相関信号のピーク部分と同位相の電気信号を、所定時
間繰り返し出力する。そして、その出力された遅延信号
に基づいて搬送波を再生するようになる。
【0015】したがって、たとえピーク部分の出現時間
が短いとしても、そのピーク部分の信号と同位相の信号
がその後も連続して出力され続けるので、確実に搬送波
を再生することができ、また、同期がとれているかの確
認も、次のピーク部分の出現を待つことなく逐次するこ
とができるので、正確に搬送波を再生し出力することが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用されるスペ
クトラム拡散通信方式に使用する送信装置の一例を示し
ており、図2は、同受信装置の一例を示している。ま
ず、送信装置側を説明すると、本実施の形態では、相互
関数の低い2つの同一符号長のPN符号系列(PN1,
PN2)を送信デジタルデータd(t)にそれぞれ対応
させている(図3参照)。なお、本例では、PN1の反
転信号をPN2として使用するようにしている。
【0017】そして、送信装置は、具体的には図1に示
すように、まず制御部1から一次変調器2に送信データ
d(t)を与え、また、送信データ及び制御信号をPN
符号発生器3に与えるようになっている。さらに制御部
1は、外部より送信要求があった場合に、情報信号の先
頭にあるビット数のプリアンブル(「1」の連続あるい
は「0」の連続)を付加するようになっている。
【0018】PN符号発生器3は、制御部1から受け取
った情報に基づいて、所定のある1つのPN符号系列
(p(t))を発生し、一次変調器2に与えるようにな
っている。そして、一次変調器2では、与えられた両信
号d(t),p(t)に対し、排他的論理和処理を行
う。これにより、変調信号d(t)p(t)は、情報信
号の「1」,「0」に応じて入力されるPN符号を反転
させた信号、つまり、送信データd(t)が、「1」の
時はPN符号系列のままのPN1となり、送信データd
(t)が、「0」の時はPN符号系列を反転させたPN
2となる。
【0019】そして、係る一次変調器2の出力信号d
(t)p(t)を、次段のミキサ4に与え、そこにおい
て発振器5から出力される搬送波cosωctによりB
PSK変調する。さらに、ミキサ4の出力側には、帯域
制限フィルタ(BPF)6並びに増幅器7を直列接続
し、ミキサ4から出力されるBPSK変調信号に含まれ
るイメージ周波数等の不要な信号を除去した後、増幅
し、スペクトル拡散された送信信号d(t)p(t)c
osωctを生成し、係る信号をアンテナ8を介し、電
波として出力するようになっている。
【0020】なお、各部の出力信号等は、図3に示すよ
うになっている。また、係る構成は、従来公知のもので
あるので、各部の構成の詳細な説明は省略する。そし
て、送信装置としては、図示したものに限られることは
なく、PN符号発生器3で異なる2種類のPN符号系列
(PN1,PN2)を生成して出力するようにし、それ
を用いて送信データを変調処理するようにしてもよく、
種々の構成を採ることができる。
【0021】次に本実施の形態の受信装置の基本的な構
成について、図2及び図4以降の図を用いながら、その
作用とともに説明する。受信装置は、図2に示すよう
に、従来と同様に、アンテナ10に、低雑音増幅器(L
NA:Low Noise Amplifier )11,帯域制限フィルタ
(BPF)12,第1の自動利得制御増幅器(AGC:
Automatic Gain Control)13を直列に接続している。
これにより、アンテナ10を介して受信したSS波に含
まれる不要な信号を除去し、ある一定レベルを保つため
に増幅及び減衰することにより、上記した送信装置から
出力されたスペクトラム拡散された送信信号d(t)p
(t)cosωctと等価の信号(受信信号)が生成さ
れる(図4参照)。
【0022】さらに、第1の自動利得制御増幅器13の
後段には、SAWマッチドフィルタ(「SAWコリレー
タ」とも称される)14を接続している。このSAWマ
ッチドフィルタ14は、一種の固定コード用相関器であ
り、圧電体膜上にパターン形成された所定のすだれ状電
極と、検出すべきPN符号系列に対応した出力電極とを
備えたもので、出力電極により設定されたPN符号系列
が入力されたときに、パルス状自己相関電気信号を出力
するようになっている。すなわち、一周期の期間のうち
のいずれかの時点で鋭い自己相関ピーク(ピーク部分)
が現れるように構成される。
【0023】つまり、SAWマッチドフィルタ14で
は、入力されるSS波をスペクトラム逆拡散を行うこと
になる。そして、このフィルタ14を通過することによ
り、第1の自動利得制御増幅器13から出力された受信
信号d(t)p(t)cosωctは、図4に示すよう
に、1周期のうちある時期にピーク部分がでるような逆
拡散信号SO(t)となる。なお、図から明らかなよう
に、自己相関信号のピーク部分とピーク部分の間にも、
雑音成分が発生する。
【0024】また、SAWマッチドフィルタ14の後段
には、第2の自動利得制御増幅器(AGC2)15を接
続している。この第2の自動利得制御増幅器15は、上
記した自己の出力レベルを確認しながら、利得を制御
し、入力レベルが変動しても一定の出力レベルが得られ
るように動作する第1の自動利得制御増幅器13とは異
なり、制御部23からの制御信号により自己相関信号の
ピーク部分だけを取り出して増幅させるものである。こ
れにより、上記したピーク部分とピーク部分との間に発
生する雑音成分が除去されるので、より正確に搬送波の
再生並びに送信データの再生を行うことが可能となる。
【0025】つまり、制御部23から第2の自動利得制
御増幅器15に対し、図4に示すような「H」,「L」
からなる同期信号a(t)が与えられ、制御信号が
「L」の時のみ所定の利得で増幅し、同期信号が「H」
の時には利得を0にするように動作する。そして、係る
同期信号a(t)は、後述する同期捕捉処理により再生
された搬送波信号及びその後の同期追跡処理等の同期確
立処理に基づいて制御部23により生成され、自己相関
ピーク(自己相関信号のピーク部分)が発生する部分に
同期させて「L」にするようになっている。これによ
り、第2の自動利得制御増幅器15の出力信号m(t)
は、図4に示すように雑音成分がカットされ、自己相関
ピーク部分のみが抽出された信号となる。
【0026】このように、第2の自動利得制御増幅器1
5を設けたのが第1のポイントである。これにより、上
記したようにピーク部分発生以外の期間での雑音がカッ
トされるので、その雑音により誤同期するおそれがなく
なるとともに、後段の回路・装置における雑音による誤
動作するおそれもなくなる。しかも、ピーク部分を大き
い増幅度で増幅しているので、フェーディング(例えば
マルチパス)によって影響されずに、正確なデータ復調
が可能となる。よって、温度の変化によって回路定数が
変化し、これによって誘発される誤動作も同様に回避さ
れるという効果を奏する。
【0027】ところで、従来であれば、SAWマッチド
フィルタ14の出力信号に基づいて同期検波を行うた
め、上記した第2の自動利得制御増幅器15を設けた場
合には、そのままそこから出力される信号m(t)に基
づいて同期検波をすることが考えられる。すなわち、係
る信号m(t)を搬送波再生回路(「キャリア再生回
路」とも称される)16及びミキサ17に与え、搬送波
再生回路16にて自己相関信号中の自己相関ピーク部分
の波形に位相を合わせた搬送波を再生し、その再生した
搬送波と自己相関信号とをミキサ17で乗算することに
より、搬送波成分を除去した検波出力を得るようにな
る。しかし、係る構成では、自己相関信号のピーク部分
は、1周期(あるピーク部分が出現してから次のピーク
部分が出現するまでの間)のうちの先頭のごくわずかな
時間であるので(図では、便宜上、ピーク部分を比較的
長く表わしているが、一例を示すと、1周期が4μsと
した場合に、ピーク部分が400ns程度となる)、正
確に位相を合わせた搬送波を再生することができないお
それがある。
【0028】そこで本発明では、第2の自動利得制御増
幅器15から直接搬送波再生回路16に信号を与えるの
ではなく、両者15,16の間に、遅延線手段たるSA
W遅延線18を設け、信号m(t)をSAW遅延線18
に入力し、そこにおいて自己相関信号を構成する搬送波
を時間的に持続させるようにし、そのSAW遅延線18
の出力信号を搬送波再生回路16に入力し、係るSAW
遅延線18の出力信号に基づいて搬送波を再生するよう
にしている。ここが第2のポイントである。
【0029】そして、SAW遅延線18は、図5に示す
ように、圧電体基板18aの表面に、すだれ状(櫛形)
の電極パターンを形成することにより構成される。この
電極パターンは、具体的には、入力信号をSAW(弾性
表面波)に変換する入力表面波櫛形トランスデューサ
(IDT)18bと、そのIDT18bと物理的に分離
されて形成され、IDT18bで変換されて伝送されて
きたSAWを再度電波に変換し出力するためのタップ電
極(TDL)18cとを有している。そして、両電極パ
ターン18b,18cは、ともに等間隔で所定本数のタ
ップが形成され、タップ間隔は、弾性表面波の1波長に
合わせている。また、TDL18cの長さは情報速度を
1ビット遅延させる長さとする。
【0030】これにより、図6に示すように、電気信号
(高周波電界)が、SAW遅延線18に入力されると、
IDT18bにて圧電作用により一旦超音波(弾性表面
波)に変換され、それが圧電体基板18a中を進む。こ
の時、音波(弾性波)として信号が伝搬されるので、電
波の伝搬速度に比べて非常に遅い(10−5倍程度)た
め、極めて短い距離で効率的に遅延を発生することがで
き、その弾性表面波は、TDL18cより電気信号に変
換されて取り出される。そして、多数のタップを並列接
続しているため、出力端子には、1番目のタップにより
変換された電気信号,2番目のタップにより変換された
電気信号,……というように順次、入力信号のピーク部
分に相当する電気信号と同位相の信号波形が出力される
ようになる。
【0031】したがって、このSAW遅延線18に、自
己相関信号m(t)を入力すると、自己相関信号を構成
する搬送波の信号レベル、位相情報が情報速度1ビット
分保持されて出力される。この波形が図7のh(t)で
ある。このh(t)の信号から搬送波再生回路16にて
搬送波cosωctを再生する。この時、上記したよう
にSAW遅延線18により、自己相関信号m(t)のピ
ーク部分と同位相の信号が、そのピーク部分がなくなっ
た後も連続して生成され出力されるので、確実に搬送波
を再生することができ、また、同期がとれているかの確
認も、次のピーク部分の出現を待つことなく逐次するこ
とができるので、正確に搬送波を再生し出力することが
できる。
【0032】そして、上記したように、係る搬送波co
sωctと自己相関信号m(t)をミキサ17で混合
(係る処理は、従来のものを用いることができる)する
と、その出力信号S1(t)は図7に示すように搬送波
成分の除去された検波出力となる。そして、自己相関信
号m(t)、より具体的にはピーク部分と搬送波信号c
osωctとが同位相の場合には、+側に信号が現れ、
逆位相の場合には−側に信号が現れる。
【0033】さらに、ミキサ17の後段には、従来と同
様に、低域通過フィルタ(LPF)19,増幅器20を
直列接続し、その増幅器20の出力に対してデータ化回
路21並びにクロック生成回路22を並列接続する。そ
して、それらデータ化回路21並びにクロック生成回路
22の出力信号を制御部23に与えるようになってい
る。
【0034】そして、各部における処理は、ミキサ17
からの出力信号(検波出力)S1(t)の不要信号成分
をLPF19で除去した後、増幅器20で増幅を行い、
所望の信号レベルにする。そして、データ化回路21
は、与えられた信号が正または負のしきい値を越えてい
るか否かを判断し、越えている場合には、それぞれ
「1」,「0」と判定し、次にしきい値を越えるまで、
その判定結果を保持することにより、「1/0」の2値
データを生成するようになる。これにより、図8に示す
ように、信号S1(t)に基づいて受信側のデータd
(t)が再生される。
【0035】また、クロック再生回路22では、同様に
与えられた信号(S1(t)から雑音を除去した後増幅
して得られた信号)から、自己相関信号のピークのタイ
ミング(正または負の検波出力が現れるタイミング)に
合わせた受信クロックc(t)を再生するようになって
いる。
【0036】そして、制御部23では、入力された受信
クロックc(t)により自己相関出力のピーク部分のタ
イミングと同期した同期信号a(t)を生成し、前述の
第2の自動利得制御増幅器15に印可するようになると
ともに、再生された受信側のデータd(t)を解析し、
所定の処理を行うようになっている。なお、同期信号a
(t)は、同期が確立する前は、すべて「L」にしてS
AWフィルタ14の出力信号をそのまますべて増幅する
ようにしたり、或いは、同期確立後の「L」の時の利得
よりは小さい利得(例えば半分)で増幅するようにする
と良い。
【0037】なお、上記した第2の自動利得制御増幅器
15,SAW遅延線18以外の構成は、基本的には従来
のものを用いることができるので、各部における具体的
な内部構成等の詳細な説明は省略する。
【0038】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るスペクトラ
ム拡散通信用受信方法及び装置では、自己相関信号か
ら、搬送波を再生するに際し、自己相関信号を遅延線手
段に与え、搬送波を再生するための基準情報である自己
相関信号のピーク部分と同位相の電気信号を、所定時間
繰り返し出力し、その出力された遅延信号に基づいて搬
送波を再生するようにしたため、たとえピーク部分の出
現時間が短いとしても、そのピーク部分の信号と同位相
の信号がその後も連続して出力され続けるので、確実に
搬送波を再生することができ、また、同期がとれている
かの確認も、次のピーク部分の出現を待つことなく逐次
することができる。よって、容易で正確かつ確実に搬送
波を再生することができ、回路の簡略化と安定動作を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるスペクトラム拡散通信方式
に用いられる送信装置の一例を示す図である。
【図2】本発明に係るスペクトラム拡散受信装置の実施
の形態の一例を示す図である。
【図3】送信装置の動作を説明する信号波形タイムチャ
ートである。
【図4】受信装置の動作を説明する信号波形タイムチャ
ートの一部である。
【図5】SAW遅延線を示す図である。
【図6】SAW遅延線の動作原理を説明する図である。
【図7】受信装置の動作を説明する信号波形タイムチャ
ートの一部である。
【図8】受信装置の動作を説明する信号波形タイムチャ
ートの一部である。
【符号の説明】
13 第1の自動利得制御増幅器 14 SAWマッチドフィルタ 15 第2の自動利得制御増幅器 16 搬送波再生回路 17 ミキサ 18 SAW遅延線 20 増幅器 22 クロック再生回路 23 制御部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信した信号をスペクトラム逆拡散させ
    る逆拡散手段と、 前記逆拡散手段によって逆拡散された信号から自己相関
    信号のピーク部分を検出する自己相関信号検出手段と、 前記自己相関信号検出手段によって検出された前記ピー
    ク部分の信号と同位相の信号を所定時間繰り返して出力
    させる遅延線手段と、 前記遅延線手段から出力された信号から搬送波を再生す
    る搬送波再生手段と、 前記自己相関信号検出手段によって自己相関が検出され
    た信号と前記再生された搬送波とを混合する混合手段と
    を有するスペクトラム拡散通信用受信装置。
  2. 【請求項2】 スペクトラム拡散波を増幅する第1の増
    幅手段と、 前記第1の増幅手段によって増幅した信号をスペクトラ
    ム逆拡散させる逆拡散手段と、 前記逆拡散手段によって逆拡散された信号と同期信号と
    から自己相関信号のピークを検出する自己相関信号検出
    手段と、 前記自己相関信号検出手段によって検出された前記ピー
    ク部分の信号と同位相の信号を所定時間繰り返し出力さ
    せる遅延線手段と、 前記遅延線手段から出力された信号から搬送波を再生す
    る搬送波再生手段と、 前記自己相関信号検出手段によって前記自己相関が検出
    された信号と前記再生された搬送波とを混合する混合手
    段と、 前記混合手段によって混合された信号を増幅する第2の
    増幅手段と、 前記第2の増幅手段によって増幅された信号から前記同
    期信号を生成する同期信号生成手段とを有するスペクト
    ラム拡散通信用受信装置。
  3. 【請求項3】 前記遅延線手段は弾性表面波遅延線であ
    る請求項1または2に記載のスペクトラム拡散通信用受
    信装置。
  4. 【請求項4】 受信した信号をスペクトラム逆拡散させ
    て得られた自己相関信号に基づく信号を遅延線手段に入
    力することにより、前記自己相関信号のピーク部分と同
    位相の信号を所定時間繰り返して出力させ、 次いで、前記遅延線手段から出力された信号から搬送波
    を再生し、 前記自己相関信号またはそれに基づく信号と、前記再生
    された搬送波とにより検波出力を得るようにしたスペク
    トラム拡散通信用受信方法。
  5. 【請求項5】 受信したスペクトラム拡散波を増幅し、 その増幅した信号をスペクトラム逆拡散させて自己相関
    信号を生成し、 その自己相関信号と同期信号により、自己相関信号のピ
    ーク部分を検出し、 その検出された信号を遅延線手段に入力することによ
    り、その自己相関信号のピーク部分と同位相の信号を所
    定時間繰り返して出力させ、 次いで、前記遅延線手段から出力された信号から搬送波
    を再生し、 前記自己相関信号または前記ピーク部分を検出した信号
    と、前記再生した搬送波に基づいて検波出力を得、 さらに、その検波出力を増幅して得られた信号から、前
    記ピーク部分を検出するための前記同期信号を生成する
    ようにしたスペクトラム拡散通信用受信方法。
  6. 【請求項6】 前記遅延線手段として弾性表面波遅延線
    を用いるようにした請求項5または6に記載のスペクト
    ラム拡散通信用受信方法。
JP8177218A 1996-06-19 1996-06-19 スペクトラム拡散通信用受信方法及び装置 Withdrawn JPH1013304A (ja)

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