JPH10131651A - 跳ね上げ式門扉 - Google Patents

跳ね上げ式門扉

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JPH10131651A
JPH10131651A JP30403396A JP30403396A JPH10131651A JP H10131651 A JPH10131651 A JP H10131651A JP 30403396 A JP30403396 A JP 30403396A JP 30403396 A JP30403396 A JP 30403396A JP H10131651 A JPH10131651 A JP H10131651A
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賢治 福入
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 扉にかける手動力が通常より大きい場合にお
いても、アーム手段及び扉に急激な回動を生じさせるこ
となしに、スムーズに扉を開閉することができ、アーム
手段の激突による不快音の発生をなくし得、寿命の長い
跳ね上げ式門扉を提供する。 【解決手段】 跳ね上げ式門扉1は、立設された支柱2
と、一端4で支柱2にR方向に回動自在に支持されたア
ーム手段6と、アーム手段6の他端8に取り付けられた
扉10と、扉10及びアーム手段6の自重に抗して扉1
0の跳ね上げ方向に弾性力をアーム手段6に付与する弾
性力付与手段11と、開閉扉によるアーム手段6の回動
において当該回動に抗する粘性剪断抵抗力を、アーム手
段6に付与する粘性剪断抵抗力付与手段13とを具備し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車庫等の出入口に
用いて好適な跳ね上げ式門扉に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】この種の門扉として
は、特開平7−279564号公報等に記載のような、
支柱と、一端で支柱に回動自在に支持されたアームと、
アームの他端に取り付けられた扉と、この扉及びアーム
の自重に抗して扉の跳ね上げ方向に弾性力をアームに付
与するコイルばね及びガススプリングからなる弾性力付
与手段とを具備したものが知られている。
【0003】ところで、上記公報記載の類いの跳ね上げ
式門扉は、コイルばねとガススプリングとによって、ア
ーム及び扉のそれぞれの自重に抗するような弾性的な跳
ね上げ力をアームに付与して、手動による開扉を容易に
しているが、開扉に際して扉にかける手動力が大きい場
合には、弾性的な跳ね上げ力に加えてこの大きな手動力
がアームに加わるため、アームが勢いよく回動されるこ
ととなり、アームがストッパ等に激突して、不快な騒音
を発し、扉の寿命を縮めたりする虞がある。また、手動
による閉扉の際にも、同じく大きな手動力を扉にかける
と、同様な不都合が生じる虞がある。
【0004】本発明は、前記諸点に鑑みてなされたもの
であって、その目的とするところは、扉にかける手動力
が通常より大きい場合においても、アーム手段及び扉に
急激な回動を生じさせることなしに、スムーズに扉を開
閉することができ、アーム手段の激突による不快音の発
生をなくし得、寿命の長い跳ね上げ式門扉を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、支柱と、一端で支柱に垂直面内で回動自在に支持さ
れたアーム手段と、アーム手段の他端に取り付けられた
扉と、この扉及びアーム手段の自重に抗して扉の跳ね上
げ方向に弾性力をアーム手段に付与する弾性力付与手段
と、開閉扉によるアーム手段の回動において当該回動に
抗する粘性剪断抵抗力を、アーム手段に付与する粘性剪
断抵抗力付与手段とを具備した跳ね上げ式門扉によって
達成される。
【0006】本発明では、粘性剪断抵抗力付与手段は、
ケーシングと、このケーシング内に、ケーシングに対し
て相対的に回転自在に収容されて、ケーシングと協同し
て隙間を形成する隙間形成体と、この隙間形成体とケー
シングとの間の隙間に充填された粘性体とを具備してい
る。また、本発明においては、隙間形成体とケーシング
とのうちのいずれか一方が支柱側に固定されており、隙
間形成体が支柱側に固定される場合には、ケーシングが
回転自在とされ、これに代えて、ケーシングが支柱側に
固定される場合には、隙間形成体が回転自在とされる。
隙間形成体は、板体を具備しており、この板体には、好
ましい一つの例では、同心状に複数の突起が形成されて
おり、この場合、ケーシングには、突起を受容する凹所
が同心状に形成されている。なお、隙間形成体として
は、上記のものに限定されず、円柱体又は円筒体を具備
して構成されてもよい。
【0007】本発明では、アーム手段の回転を、隙間形
成体とケーシングとのうち支柱に対して回転自在に設け
られた方に伝達する伝達機構を具備している。伝達機構
は、アーム手段に設けられたスプロケットホイールと、
隙間形成体とケーシングとのうち支柱に対して回転自在
に設けられた方に設けられたスプロケットホイールと、
両スプロケットホイールに掛け渡されたチェーンとを具
備していても、隙間形成体とケーシングとのうち支柱に
対して回転自在に設けられた方と、アーム手段との間に
介在された歯車機構を具備していていてもよい。このよ
うな伝達機構を設けることなしに、アーム手段の回転
を、隙間形成体とケーシングとにおいて支柱に対して回
転自在に設けられた方に直接伝達すべく、当該回転自在
に設けられた方とアーム手段とを、共通軸を有して構成
してもよい。
【0008】弾性力付与手段は、好ましくは、互いにそ
の弾性係数が異なり、同心に配された一対のコイルばね
を具備して構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を、図に
示す好ましい実施例に基づいて更に詳細に説明する。な
お、本発明はこれら実施例に何等限定されないのであ
る。
【0010】
【実施例】図1から図5において、本例の跳ね上げ式門
扉1は、立設された一対の支柱2及び3と、一端4及び
5で支柱2及び3のそれぞれに垂直面内で回動自在、す
なわちR方向に回動自在に支持された一対のアーム手段
6及び7と、アーム手段6及び7のそれぞれの他端8及
び9に取り付けられた扉10と、扉10及びアーム手段
6及び7の自重に抗して扉10の跳ね上げ方向に弾性力
をアーム手段6及び7のそれぞれに付与する弾性力付与
手段11及び12と、開閉扉によるアーム手段6及び7
の回動において当該回動に抗する粘性剪断抵抗力を、ア
ーム手段6及び7のそれぞれに付与する粘性剪断抵抗力
付与手段13及び14とを具備している。
【0011】本例では、支柱2側に、弾性力付与手段1
1と粘性剪断抵抗力付与手段13とが、支柱3側に、弾
性力付与手段12と粘性剪断抵抗力付与手段14とがそ
れぞれ設けられているが、支柱2及び3側のうちいずれ
か一方にのみに弾性力付与手段と粘性剪断抵抗力付与手
段とを設けて構成してもよく、また、支柱2側には、弾
性力付与手段と粘性剪断抵抗力付与手段とのうちいずれ
か一方を、支柱3側には、弾性力付与手段と粘性剪断抵
抗力付与手段とのうちいずれか他方をそれぞれ設けて構
成してもよい。以下、支柱2側について説明し、支柱3
側は、同様に構成されているので説明を省略する。
【0012】支柱2は本例では中空体からなり、この中
空体の中に、弾性力付与手段11、粘性剪断抵抗力付与
手段13及び後述する伝達機構15とが収容されてい
る。
【0013】アーム手段6は、断面矩形状のアーム部材
21と、一端22にアーム部材21の一端4が嵌着され
た軸23とを具備しており、軸23は、支柱2に回転自
在に支持されており、これによりアーム手段6は、一端
4で支柱2にR方向に回転自在に支持されている。本例
では、アーム手段6は、一本のみのアーム部材21を具
備して構成されているが、これに代えて、特開平7−2
79564号公報に記載のような複数本のアーム部材を
具備して構成されてもよい。なお、扉10とアーム部材
21との間には、補強部材24が取り付けられている。
なお、アーム部材21の垂直回動状態以上の回動を阻止
するストッパ(図示せず)が支柱2に設けられている。
【0014】本例の扉10は、目隠し用の多数の横格子
25が取り付けられたものであるが、これに限定され
ず、縦格子を取り付けたもの等その他のものであっても
よい。
【0015】弾性力付与手段11は、軸23に固着され
たカム板31と、カム板31にピン32を介してピスト
ンロッド33の一端34が回動自在に連結され、シリン
ダ35の下端36が、支柱2に取り付けられたブラケッ
ト37にピン38を介して回動自在に連結されたガスス
プリング39と、カム板31にピン40を介して一端4
1が連結され、中間42がカム板31のカム縁43に当
接して曲げ案内され、他端44にピン45を介して回動
自在に連結された連結具46を有したチェーン47と、
それぞれの一端51及び52が連結具46の孔53に引
っかけられ、それぞれの他端54及び55が、支柱2に
取り付けられたブラケット56に取り付けられた連結具
57の孔58に引っかけられた一対のコイルばね59及
び60とを具備しており、同心に配された一対のコイル
ばね59及び60は、互いにその弾性係数が異なるもの
からなっている。カム縁43は、軸23の回転中心を中
心とした円弧縁61と、円弧縁61に連続した直線縁6
2とを具備している。
【0016】連結具57は、ねじ部65を有しており、
ねじ部65にばね力調整用のナット66が螺合されて、
ブラケット56に取り付けられており、ナット66のね
じ部65への螺合量を変えることにより、コイルばね5
9及び60によって生起される弾性力を調整することが
できる。また、本例では、弾性力付与手段11が一対の
コイルばね59及び60を具備しているため、大部分の
跳ね上げ力を一方のコイルばね59に担当させ、他方の
コイルばね60を微調整用として用いることができる。
ガススプリング39並びにコイルばね59及び60は、
それぞれの弾性力によって、図2において時計回りの方
向にカム板31を回転させるようになっている。
【0017】粘性剪断抵抗力付与手段13は、ケーシン
グ71と、ケーシング71内に、ケーシング71に対し
て相対的にR方向に回転自在に収容されて、ケーシング
71と協同してケーシング71内に隙間72を形成する
隙間形成体73と、隙間形成体73とケーシング71と
の間の隙間72に充填されたシリコンオイル等の流体か
らなる粘性体74とを具備している。ケーシング71
は、対称に形成された二つの半割部材76及び77から
なり、リベット78等によりこれらが一体化されて形成
されている。本例では、ケーシング71は、ピン75に
より支柱2にR方向に回転しないように固定されてお
り、隙間形成体73は、対向して両面に段部79が形成
された円盤状の板体80と、板体80を貫通してかつ板
体80に固着された軸81とを具備しており、軸81が
支柱2に回転自在に支持されて、ケーシング71に対し
てR方向に回転自在とされており、各段部79には、粘
性体74の漏出を防止するシールリング82が設けられ
ている。粘性剪断抵抗力付与手段13は、隙間形成体7
3の板体80のケーシング71内でのR方向の回転によ
り、粘性体74に粘性剪断抵抗力を発生させて、この発
生した粘性剪断抵抗力に基づいて、アーム手段6に粘性
剪断抵抗力を付与する。
【0018】アーム手段6のR方向の回転を隙間形成体
73に伝達する伝達機構15は、軸23に固着して設け
られたスプロケットホイール85と、隙間形成体73の
軸81に固着して設けられたスプロケットホイール86
と、両スプロケットホイール85及び86に掛け渡され
たチェーン87とを具備している。伝達機構15は、ア
ーム部材21のR方向の回転を、スプロケットホイール
85の回転、チェーン87の走行及びスプロケットホイ
ール86の回転により軸81に伝達し、これにより板体
80を回転させる。
【0019】以上のように形成された跳ね上げ式門扉1
では、手動により扉10が持ち上げられると、アーム部
材21が上方にR方向に回転され、これと共にカム板3
1も同様に回転される。この回転において、コイルばね
59及び60の弾性引っ張り力及びガススプリング39
の空気弾性伸張力により、扉10等の自重が適宜打ち消
されて、手動開扉が困難なく行えるようになっている。
一方、閉扉の場合も同様であって、手動による扉10へ
の少しの下降力の付加により、コイルばね59及び60
の引っ張り力及びガススプリング39の伸張力の作用
で、容易に閉扉することができる。
【0020】更に、跳ね上げ式門扉1では、開扉又は閉
扉においては板体80のケーシング71内でのR方向の
相対回転が生じ、これにより粘性体74の粘性剪断に基
づく粘性剪断抵抗力がアーム部材21に付与されること
になり、コイルばね59及び60の弾性引っ張り力及び
ガススプリング39の空気弾性伸張力の微妙なバランス
が崩れても、これにそれほど影響されることなく、スム
ーズな開扉及び閉扉を得ることができる。また、扉10
に加える持ち上げ力又は引き下げ力が比較的大きく、ア
ーム部材21が急激にR方向に回動されようとした場
合、板体80のケーシング71内でのR方向の相対回転
がより速くなろうとする結果、粘性体74により生じる
粘性剪断抵抗力が大きくなり、この大きな粘性剪断抵抗
力をアーム部材21に付与するため、実質的にアーム部
材21には、回動速度に比例した制動力が働き、扉10
が急激に回動して、地面又はストッパに激突して、不快
な騒音を発するような事態を避けることができる。
【0021】上記の例では、凹凸のない板体80で隙間
形成体73を構成したが、これに代えて、図6に示すよ
うに、板体80の両面に同心状に複数の突起91を形成
してもよく、この場合、ケーシング71には、当該突起
を受容する凹所92を同心状に形成するとよく、このよ
うな突起91を有する隙間形成体73と、凹所92を有
するケーシング71との間の隙間72に、粘性体74を
充填して、前記と同様に作動させてもよい。また、伝達
機構15としては、隙間形成体73とケーシング71と
のうち支柱2に対して回転自在に設けられた方、上記例
では、隙間形成体73と、アーム手段6の軸23との間
に介在された複数の互いに噛み合った歯車を具備した歯
車機構から構成してもよく、更には、アーム手段6の回
動を、隙間形成体73に直接伝達すべく、隙間形成体7
3とアーム手段6とは、共通軸を有して構成されてもよ
い。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、扉にかけ
る手動力が通常より大きい場合においても、アーム手段
及び扉に急激な回動を生じさせることなしに、スムーズ
に扉を開閉することができ、アーム手段の激突による不
快音の発生をなくし得、寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施例の斜視図である。
【図2】図1に示す実施例の支柱上部の側面説明図であ
る。
【図3】図1に示す実施例の支柱下部の側面説明図であ
る。
【図4】図1に示す実施例の支柱上部の正面説明図であ
る。
【図5】図1に示す実施例の粘性剪断抵抗力付与手段の
平面断面説明図である。
【図6】図1に示す実施例に適用し得る他の粘性剪断抵
抗力付与手段の平面断面説明図である。
【符号の説明】
1 跳ね上げ式門扉 2 支柱 6 アーム手段 10 扉 11 弾性力付与手段 13 粘性剪断抵抗力付与手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支柱と、一端で支柱に垂直面内で回動自
    在に支持されたアーム手段と、アーム手段の他端に取り
    付けられた扉と、この扉及びアーム手段の自重に抗して
    扉の跳ね上げ方向に弾性力をアーム手段に付与する弾性
    力付与手段と、開閉扉によるアーム手段の回動において
    当該回動に抗する粘性剪断抵抗力を、アーム手段に付与
    する粘性剪断抵抗力付与手段とを具備した跳ね上げ式門
    扉。
  2. 【請求項2】 粘性剪断抵抗力付与手段は、ケーシング
    と、このケーシング内に、ケーシングに対して相対的に
    回転自在に収容されて、ケーシングと協同してケーシン
    グ内に隙間を形成する隙間形成体と、この隙間形成体と
    ケーシングとの間の隙間に充填された粘性体とを具備し
    ており、隙間形成体とケーシングとのうちのいずれか一
    方が支柱側に固定されている請求項1に記載の跳ね上げ
    式門扉。
  3. 【請求項3】 隙間形成体は、板体を具備しており、こ
    の板体には、同心状に複数の突起が形成されており、ケ
    ーシングには、突起を受容する凹所が同心状に形成され
    ている請求項2に記載の跳ね上げ式門扉。
  4. 【請求項4】 アーム手段の回転を、隙間形成体とケー
    シングとのうち支柱に対して回転自在に設けられた方に
    伝達する伝達機構を具備している請求項2又は3に記載
    の跳ね上げ式門扉。
  5. 【請求項5】 伝達機構は、アーム手段に設けられたス
    プロケットホイールと、隙間形成体とケーシングとのう
    ち支柱に対して回転自在に設けられた方に設けられたス
    プロケットホイールと、両スプロケットホイールに掛け
    渡されたチェーンとを具備している請求項4に記載の跳
    ね上げ式門扉。
  6. 【請求項6】 伝達機構は、隙間形成体とケーシングと
    のうち支柱に対して回転自在に設けられた方と、アーム
    手段との間に介在された歯車機構からなる請求項4に記
    載の跳ね上げ式門扉。
  7. 【請求項7】 アーム手段の回転を、隙間形成体とケー
    シングとにおいて支柱に対して回転自在に設けられた方
    に直接伝達すべく、当該回転自在に設けられた方とアー
    ム手段とは、共通軸を有している請求項2又は3に記載
    の跳ね上げ式門扉。
  8. 【請求項8】 弾性力付与手段は、同心に配された一対
    のコイルばねを具備しており、この一対のコイルばね
    は、互いにその弾性係数が異なっている請求項1から7
    のいずれか一項に記載の跳ね上げ式門扉。
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