JPH1013102A - 高周波透過窓構体およびその製造方法 - Google Patents

高周波透過窓構体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH1013102A
JPH1013102A JP15988896A JP15988896A JPH1013102A JP H1013102 A JPH1013102 A JP H1013102A JP 15988896 A JP15988896 A JP 15988896A JP 15988896 A JP15988896 A JP 15988896A JP H1013102 A JPH1013102 A JP H1013102A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission window
transmissive window
carbon
waveguide
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15988896A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Gonbei
勝弘 権瓶
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP15988896A priority Critical patent/JPH1013102A/ja
Publication of JPH1013102A publication Critical patent/JPH1013102A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Microwave Tubes (AREA)
  • Waveguide Connection Structure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過窓からの2次電子放出が少ない高周波透
過窓構体およびその製造方法を提供すること。 【解決手段】 導波管11、13の管内を遮断するよう
に配置される誘電体セラミックス製の透過窓12aを具
備した高周波透過窓構体12において、透過窓12aの
表面から所定深さに炭素注入領域12cが形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クライストロン等
のマイクロ波管に使用される高周波透過窓構体、および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クライストロンや進行波管、ジャイロト
ロンなどのマイクロ波管は、その出力部に接続される導
波管内部を真空に保持するために、高周波透過窓構体が
利用されている。高周波透過窓構体は、マイクロ波が透
過できるように誘電体セラミックス製の透過窓が設けら
れ、その透過窓部分が導波管の管内を遮断するように配
置される。
【0003】例えば、クライストロンは、大型加速器の
高周波電力源として、あるいは、核融合炉のプラズマ加
熱用の高周波源として用いられている。クライストロン
の場合、高周波透過窓構体を構成する透過窓の材料に
は、誘電体損失が小さく気密が容易なアルミナが使用さ
れている。しかし、透過窓にアルミナを使用した場合、
大電力が透過した際にアルミナの温度が局所的に上昇す
る性質がある。そして、温度上昇によって、クラックが
発生したり、ピンホールが発生したりする。
【0004】アルミナの温度上昇は、アルミナ自身の誘
電体損失、マルチパクタ放電で生じる電子の衝突、ある
いは、主ビームのホッピング電子の衝突などが原因と考
えられている。このようなアルミナの温度上昇を抑制す
るために、従来、透過窓のアルミナ表面に窒化チタンを
塗布する方法が実用化されている。
【0005】ここで、透過窓のアルミナ表面に窒化チタ
ンを塗布した従来の高周波透過窓構体について図3を参
照して説明する。符号31は、マイクロ波管例えばクラ
イストロン(図示せず)の出力部に接続された導波管
で、導波管31は高周波透過窓構体32を介して出力側
の導波管33に接続されている。高周波透過窓構体32
は、板状のアルミナセラミックスで形成された透過窓3
2aや、透過窓32aを冷却する冷却用水路32bなど
から構成され、冷却用水路32bはその上下で冷却水の
出入管34に連結されている。そして、透過窓32aの
図の左右両面には窒化チタン膜32cが形成されてい
る。なお、クライストロンに接続された導波管31内は
真空に保持され、出力側の導波管33内は真空もしくは
絶縁ガスが封入されている。
【0006】上記した構成の高周波透過窓構体32は、
その動作時において、クライストロンの電子銃から発生
した散乱電子、あるいは、散乱電子の衝突で透過窓32
aから発生した2次電子が、透過窓32aに繰り返し衝
突し透過窓32aの温度が上昇する。このような透過窓
32aの温度上昇を小さくするために、透過窓32aの
表面に窒化チタン膜32cが形成され、あるいは、冷却
用水路32bを流れる冷却水によって冷却されている。
【0007】透過窓32aの表面に形成される窒化チタ
ン膜32cは、アルミナセラミックスの2次電子放出係
数を小さくする特性をもっており、マルチパクタ放電の
発生を抑え、温度上昇を小さくしている。ここで、窒化
チタン膜32cが形成されたアルミナセラミックスの2
次電子放出係数について図4で説明する。
【0008】図4の縦軸は2次電子放出係数δを示し、
横軸は電子エネルギー(単位:KeV)を示し、2次電
子放出係数が○印や●印で示されている。これらの特性
は、アルミナセラミックスの表面に窒化チタン膜を60
オングストロームの厚さに形成した例で、○印は焼成し
ない場合、●印は焼成した場合である。図の特性から分
かるように、1次電子エネルギーが1KeV以下では2
次電子放出係数δは1よりも大きいが、1次電子エネル
ギーがほぼ2.5KeV以上になると2次電子放出係数
δは1よりも小さくなっている。
【0009】ところで、Sバンドのパルスクライストロ
ンでは、高周波出力が30MWの場合、アルミナセラミ
ックスの表面に衝突する電子エネルギーは最大10Ke
V程度と見られている。この電子エネルギーでは2次電
子放出係数δは1よりも小さい。したがって、マルチパ
クタ放電は起こりにくい。
【0010】なお、大電力クライストロンは、通常、数
10MWの出力で使用される。このため、出力領域では
δは1以下となる。しかし、大電力クライストロンを動
作させる際、出力は所定の値まで一気に上がらず徐々に
上げる方法が取られる。このため、数MWの出力領域に
おいてδ>1となる。したがって、出力を上げていく過
程でマルチパクタ放電が発生することがある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の高周波透過窓構
体は、透過窓の表面に窒化チタン膜を形成し、透過窓で
発生する2次電子を少なくしている。しかし、チタンは
ゲッタなどに用いられる材料ということもあり、透過窓
の表面に形成された窒化チタン膜が大気に晒されると、
吸収や吸着、内部拡散などによって窒化チタン膜中に酸
素が取り込まれ酸化物が形成される。酸化物は、導電体
である窒化チタン膜に比べ2次電子放出係数が大きい。
このため、窒化チタン膜による2次電子抑制の効果が低
下し、透過窓の温度上昇が避けられない。
【0012】この発明は、透過窓からの2次電子放出が
少ない高周波透過窓構体およびその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、導波管の管
内を遮断するように配置される誘電体セラミックス製の
透過窓を具備した高周波透過窓構体において、前記透過
窓の表面から所定の深さまで炭素が所定濃度分布で注入
されていることを特徴としている。
【0014】また、この発明の高周波透過窓構体の製造
方法は、導波管の管内を遮断するように配置される誘電
体セラミックス製の透過窓の表面から所定の深さまで炭
素イオンを所定濃度分布で注入する工程と、炭素イオン
が注入された前記透過窓を真空中または不活性ガス雰囲
気中で加熱処理する工程とからなっている。
【0015】また、透過窓表面から所定の深さまでの炭
素イオンの注入がイオン打込み技術またはイオンプレー
ティング技術で行われている。
【0016】上記した構成によれば、透過窓を構成する
誘電体セラミックス、例えばアルミナセラミックスの表
面から所定の深さまで所定濃度分布で炭素が注入されて
いる。このような炭素の注入によって、透過窓の2次電
子放出を少なくでき、マルチパクタ放電などを抑制し、
透過窓の温度上昇を低くできる。したがって、透過窓の
クラック発生や溶融によるピンホールの発生を防止でき
る。また、誘電体セラミックス表面に所定の深さまで炭
素イオンなどを所定濃度分布で注入する構成であるため
密着強度が強く、塗布法や蒸着法で形成した場合のよう
な被膜の剥離、あるいは被膜からのガス放出が少なくな
る。
【0017】また、透過窓の誘電体セラミックス表面に
所定の深さまで炭素イオン注入した後、これを真空中あ
るいは非酸化性雰囲気中で加熱処理している。この場
合、加熱処理によって、イオン打ち込みなどで生じた透
過窓表面における結晶の損傷を回復できる。
【0018】また、炭素イオンの注入をイオン打込み技
術やイオンプレーティング技術を用いた場合、透過窓の
表面から所定の深さまで所定濃度分布での炭素イオンの
注入を容易に実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態について図
1を参照して説明する。符号11は、マイクロ波管例え
ばクライストロン(図示せず)の出力部に接続された導
波管で、導波管11は高周波透過窓構体12を介して出
力側の導波管13に接続されている。高周波透過窓構体
12は、誘電体セラミックス例えばアルミナセラミック
スで形成された透過窓12aや、透過窓12aを冷却す
る冷却用水路12bなどから構成され、また、冷却用水
路12bはその上下で冷却水の出入管14に連結されて
いる。そして、高周波透過窓構体12を構成する透過窓
12aの左右の表面から所定の深さまで、あるいは表面
の近傍に、イオン打込み法などで炭素イオンが所定濃度
分布で注入された炭素注入領域12cが形成されてい
る。なお、クライストロンに接続された導波管11内は
真空で、出力側の導波管13内は真空もしくは絶縁ガス
が封入されている。
【0020】ここで、透過窓12aの表面から所定の深
さまで、あるいは表面の近傍に炭素注入領域12cを、
イオン打込み法で形成する方法について説明する。炭素
注入領域12cを形成する炭素イオンは、例えば、二酸
化炭素を放電させ酸素イオンと炭素イオンに分離し、こ
れらのイオンを質量分離器に導入して取り出される。そ
して、炭素イオンを加速管で所定のエネルギーまで加速
し、109 〜1013(原子/cm2 )の範囲で透過窓1
2aを構成するアルミナセラミックス表面に打ち込む。
その後、炭素イオンを打ち込んだアルミナセラミックス
を加熱処理する。この場合、加熱処理は、真空中または
アルゴンのような不活性ガスの雰囲気中で行ない、加熱
する温度や時間は、それぞれ350〜550℃、10〜
60分の範囲に設定する。なお、加熱処理した場合、イ
オン打ち込みで生じたアルミナセラミックス表面の結晶
の損傷を回復できる。
【0021】上記したように透過窓12aの表面から所
定の深さに炭素注入領域12cを形成することによっ
て、透過窓12aの2次電子放出係数が小さくなるが、
ここで、カーボン膜の2次電子放出係数について図2を
参照して説明する。図2の縦軸は2次電子放出係数δを
示し、横軸は1次電子エネルギー(単位:V)を示して
いる。特性(a)は表面が滑らかな場合、特性(b)は
表面がすすけた状態の場合、そして、特性(c)は11
50℃でガス出しした場合である。これらの特性で示さ
れるように、カーボン膜によって低エネルギーから高エ
ネルギーに亘って2次電子放出係数δはδ<1となって
いる。したがって、低電子エネルギー(V=2KeV以
下)領域でのアルミナ透過窓の2次電子放出係数δを低
減できる。なお、カーボン膜はもろく、うまく成膜しな
いとすす状になり、密着強度が極端に弱くなる性質があ
る。しかし、この発明の場合は、アルミナセラミックス
表面に例えばイオン打ち込み法で炭素注入領域を形成し
ている。この方法は、制御性がよく、密着強度も強くな
る。また、炭素は耐熱性に優れているので、真空中での
熱処理も問題がなく、排気工程で蒸発するようなことも
ない。
【0022】また、上記した実施の形態では炭素注入領
域の形成をイオン打込み技術でおこなっている。しか
し、イオン打込み技術に限らず、例えば、アルミナセラ
ミックス表面に炭素イオンを低エネルギーで付着させ、
加熱処理して所定の深さまで浸透させるイオンプレーテ
ィング技術を用いることもできる。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、透過窓からの2次電
子放出の少ない高周波透過窓構体およびその製造方法を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態に係わる高周波透過窓構体
を示す縦断面図である。
【図2】この発明の実施形態を説明する特性図である。
【図3】従来の高周波透過窓構体を示す縦断面図であ
る。
【図4】従来例を説明する特性図である。
【符号の説明】
11、13…導波管 12…高周波透過窓構体 12a…透過窓 12b…冷却用水路 12c…炭素注入領域 14…出入管

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導波管の管内を遮断するように配置され
    る誘電体セラミックス製の透過窓を具備した高周波透過
    窓構体において、前記透過窓の表面から所定の深さまで
    炭素が所定濃度分布で注入されていることを特徴とする
    高周波透過窓構体。
  2. 【請求項2】 導波管の管内を遮断するように配置され
    る誘電体セラミックス製の透過窓の表面から所定の深さ
    まで炭素イオンを所定濃度分布で注入する工程と、炭素
    イオンが注入された前記透過窓を真空中または不活性ガ
    ス雰囲気中で加熱処理する工程とからなる高周波透過窓
    構体の製造方法。
  3. 【請求項3】 透過窓表面から所定の深さまでの炭素イ
    オンの注入がイオン打込み技術またはイオンプレーティ
    ング技術で行われることを特徴とする請求項2記載の高
    周波透過窓構体の製造方法。
JP15988896A 1996-06-20 1996-06-20 高周波透過窓構体およびその製造方法 Pending JPH1013102A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15988896A JPH1013102A (ja) 1996-06-20 1996-06-20 高周波透過窓構体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15988896A JPH1013102A (ja) 1996-06-20 1996-06-20 高周波透過窓構体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1013102A true JPH1013102A (ja) 1998-01-16

Family

ID=15703377

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15988896A Pending JPH1013102A (ja) 1996-06-20 1996-06-20 高周波透過窓構体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1013102A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009193896A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子加速装置
JP2010186756A (ja) * 2010-05-20 2010-08-26 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子加速装置
CN113422178A (zh) * 2021-05-24 2021-09-21 中国原子能科学研究院 一种波导窗

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009193896A (ja) * 2008-02-18 2009-08-27 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子加速装置
JP4576437B2 (ja) * 2008-02-18 2010-11-10 株式会社日立ハイテクノロジーズ 荷電粒子加速装置
US8067907B2 (en) 2008-02-18 2011-11-29 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle accelerator
US8659243B2 (en) 2008-02-18 2014-02-25 Hitachi High-Technologies Corporation Charged particle accelerator
JP2010186756A (ja) * 2010-05-20 2010-08-26 Hitachi High-Technologies Corp 荷電粒子加速装置
JP4691610B2 (ja) * 2010-05-20 2011-06-01 株式会社日立ハイテクノロジーズ 電子顕微鏡
CN113422178A (zh) * 2021-05-24 2021-09-21 中国原子能科学研究院 一种波导窗

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Rocca et al. Glow‐discharge‐created electron beams: Cathode materials, electron gun designs, and technological applications
US6927148B2 (en) Ion implantation method and method for manufacturing SOI wafer
JPH0616384B2 (ja) マイクロ波イオン源
WO1986001032A1 (en) Microwave electron gun
JPH1013102A (ja) 高周波透過窓構体およびその製造方法
JP2004003032A (ja) 重イオン加速用銅製1/4波長共振空洞にニオビウムの超伝導薄膜をスパッタリングするための方法および装置
Kneisel et al. On breakdown fields of a superconducting niobium cavity at S band
JPS6293834A (ja) イオン源
JPH07135093A (ja) プラズマ処理装置及び処理方法
US6856080B2 (en) Carbonized resin coated anode
Zhang et al. S-band klystron with 300 MHz bandwidth at 850 kW peak power and 20 kW average power
JP3028834B2 (ja) 高周波透過窓構体及びその製造方法
JP3075752B2 (ja) 高周波導波管の気密窓
JPH09104978A (ja) 電子管及びその製造方法
JP2000243599A (ja) 高電界小形定在波線形加速器
GB2297190A (en) Electron tubes with graphite coating to reduce multipactor dishcarge and diamond layer to conduct away heat
Proskurovsky et al. Treatment of the electrode surfaces with intense charged-particle flows as a new method for improvement of the vacuum insulation
JP4617420B2 (ja) ジャイロトロン装置の製造方法
EP0702388A1 (en) Slow-wave circuit assembly for traveling-wave tube and method of manufacturing a slow-wave circuit assembly
JP2560451B2 (ja) OイオンミキシングによるA▲l▼Nセラミック材のCuメタライズ方法
JPH0421766A (ja) 超電導キャビティの製造方法
JP3727519B2 (ja) 熱陰極構体用スリーブ及びその製造方法
JPH0794072A (ja) 電子ビーム照射用の熱陰極およびその熱陰極の製造方法およびその熱陰極を用いた電子ビーム加工装置
JPS6319064B2 (ja)
Zhanwen et al. The development of an electron cyclotron resonance ion source for the heavy ion research facility in Lanzhou