JPH10130885A - アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法 - Google Patents

アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法

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JPH10130885A
JPH10130885A JP8284357A JP28435796A JPH10130885A JP H10130885 A JPH10130885 A JP H10130885A JP 8284357 A JP8284357 A JP 8284357A JP 28435796 A JP28435796 A JP 28435796A JP H10130885 A JPH10130885 A JP H10130885A
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aluminum
treatment
antibacterial
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same
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Yasuo Futami
見 泰 雄 二
Yuji Goda
田 勇 治 郷
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Sankyo Aluminium Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗菌性を備えたアルミニウム製品を安価に生
産することができるアルミニウムまたはアルミニウム合
金の表面処理方法を提供する。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金に
陽極酸化処理を施したのち、生成された陽極酸化皮膜
を、銀,銅,亜鉛,ニッケルのうちの少なくとも1種の
金属塩を含む熱水あるいは沸騰水中に浸漬して陽極酸化
皮膜に抗菌性を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム系材
料の表面処理方法に係わり、アルミニウム系材料の表面
に生成させた陽極酸化皮膜に抗菌性を付与することがで
きるアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、抗菌性を備えたアルミニウム製品
として、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に
形成させた陽極酸化皮膜の微細孔に抗菌剤や防黴剤を含
浸させたものが特開昭62−182298号公報に開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た公報に記載されたアルミニウム製品においては、有機
モノマーに溶かした抗菌剤あるいは防黴剤を電気泳動に
よって酸化皮膜に含浸させたり、抗菌剤あるいは防黴剤
を溶解させた有機溶剤の液を酸化皮膜に塗布したり、あ
るいは酸化皮膜を形成させたアルミニウム地金を上記の
ような液に浸漬したりするものであるから、通常の陽極
酸化処理を施したのちに、抗菌剤あるいは防黴剤の塗布
または含浸処理工程が新たに必要となることから、設備
の増設および工数増によるコストアップが避けられない
という問題点があり、このような問題点を解消し、抗菌
性を備えたアルミニウム製品を安価に得ることのできる
方法の開発が課題となっていた。
【0004】
【発明の目的】本発明は、従来の抗菌性アルミニウム製
品における上記課題に着目してなされたものであって、
新たな設備をほとんど必要とすることなくアルミニウム
製品に抗菌性を付与することができ、抗菌性を備えたア
ルミニウム製品を安価に生産することができるアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法を提供する
ことを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
るアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法
は、アルミニウムまたはアルミニウム合金に陽極酸化処
理を施したのち、銀,銅,亜鉛およびニッケルのうちの
少なくとも1種の金属塩を含む熱水中に浸漬して陽極酸
化皮膜に抗菌性を付与する構成とし、請求項1に係わる
表面処理方法の実施態様として請求項2に係わるアルミ
ニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法において
は、熱水中に浸漬したのち、封孔処理を施す構成とした
ことを特徴としており、このような表面処理方法の構成
を前述した従来の課題を解決するための手段としてい
る。
【0006】また、本発明の請求項3に係わるアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法は、アルミ
ニウムまたはアルミニウム合金に陽極酸化処理を施した
のち、銀,銅,亜鉛およびニッケルのうちの少なくとも
1種の金属塩を含む沸騰水中に浸漬して陽極酸化皮膜に
抗菌性を付与すると同時に封孔処理を施す構成とし、ア
ルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法にお
けるこのような構成を前述した従来の課題を解決するた
めの手段としたことを特徴としている。
【0007】さらに、本発明に係わるアルミニウムまた
はアルミニウム合金の表面処理方法の実施態様として請
求項4に係わる表面処理方法においては、陽極酸化処理
ののち、得られた陽極酸化皮膜に電解着色処理を施す構
成としたことを特徴としている。
【0008】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わるアルミニウム
またはアルミニウム合金の表面処理方法においては、陽
極酸化処理を施したアルミニウムまたはアルミニウム合
金を銀,銅,亜鉛,ニッケルから選ばれる少なくとも1
種の金属塩を添加した熱水中に浸漬するようにしている
ので、これら金属を含む化合物が陽極酸化皮膜の表面に
生成することから、これら金属の有する抗菌性によっ
て、陽極酸化処理を施したアルミニウムまたはアルミニ
ウム合金に抗菌性が付与されることになる。この浸漬処
理は、例えば封孔処理用の既存設備を使用することによ
り、抗菌処理のための設備を新設する必要がないので、
抗菌性アルミニウム製品の製造コストの上昇が最小限に
抑えられることになる。
【0009】請求項1に係わるアルミニウムまたはアル
ミニウム合金の表面処理方法の実施態様として請求項2
に係わる表面処理方法においては、熱水中に浸漬したの
ち、封孔処理を施すようにしているので、陽極酸化皮膜
の細孔が塞がれることにより陽極酸化皮膜の耐食性,耐
汚染性,耐光性などが向上することになる。
【0010】本発明の請求項3に係わるアルミニウムま
たはアルミニウム合金の表面処理方法においては、陽極
酸化処理を施したアルミニウムまたはアルミニウム合金
を銀,銅,亜鉛,ニッケルから選ばれる少なくとも1種
の金属塩を添加した沸騰水中に浸漬して陽極酸化皮膜に
抗菌性を付与すると同時に封孔処理を施すようにしてい
るので、陽極酸化処理の後処理としてアルミニウム製品
に一般的に施される封孔処理と同時に抗菌性が得られる
ことになり、封孔浴中に上記した金属塩を添加するだけ
で、抗菌処理のための工程や設備を新たに加える必要が
ほとんどないことから、抗菌性アルミニウム製品の製造
コストの増加が避けられることになる。
【0011】本発明に係わるアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の表面処理方法の実施態様として請求項4に
係わる表面処理方法においては、陽極酸化処理ののち、
生成された酸化皮膜に電解着色処理を施すようにしてい
るので、抗菌性アルミニウム製品の色調バリエーション
が豊富なものとなり、商品価値が向上することになる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係わるアルミニウムまた
はアルミニウム合金の表面処理方法は、上記したよう
に、銀,銅,亜鉛およびニッケルのうちの少なくとも1
種の金属塩を含む熱水、あるいは沸騰水中に浸漬するこ
とによって、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表
面に形成された陽極酸化皮膜に抗菌性を付与するもので
あるが、アルミニウムまたはアルミニウム合金に施され
る陽極酸化処理は、特別なものではなく、例えば硫酸,
しゅう酸,クロム酸、あるいは有機酸などの酸性浴中に
おいて常法に従って行うことができる。
【0013】また、熱水あるいは沸騰水中に添加される
金属塩としては、水溶性のものであればとくに限定され
ず、銀化合物としては、例えば硝酸銀,ふっ化銀,塩素
酸銀,過塩素酸銀,酢酸銀,硫酸銀等を使用することが
でき、銅化合物としては、例えば硝酸銅,塩素酸銅,過
塩素酸銅,酢酸銅,硫酸銅,しゅう酸銅等を使用するこ
とができ、亜鉛化合物としては、例えば硝酸亜鉛,ふっ
化亜鉛,塩素酸亜鉛,過塩素酸亜鉛,酢酸亜鉛,硫酸亜
鉛,しゅう酸亜鉛,塩化亜鉛等を使用することができ、
ニッケル化合物としては、例えば硫酸ニッケル,硝酸ニ
ッケル,酢酸ニッケル,塩素酸ニッケル等を使用するこ
とができる。なお、抗菌性の得られる金属塩としては、
このほかに鉛やカドミウムの塩が考えられるが、これら
は人体への悪影響が懸念されるので除外し、本発明に係
わるアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方
法においては、上記した銀,銅,亜鉛およびニッケルの
金属塩に限定した。
【0014】また、これら金属塩の添加量としては、少
ない場合には十分な抗菌効果が得られず、逆に多過ぎて
も効果が飽和することから、0.1〜10g/L程度が
適当である。なお、これら金属塩は、単独で添加するこ
とも、数種類のものを複合的に添加することも可能であ
る。
【0015】さらに、抗菌性を得るための熱水への浸漬
時間については、熱水の温度によって大きく変化するた
め、熱水温度あるいは浸漬時間を一概に規定することは
困難であるが、熱水の温度が70℃の場合には3〜4時
間程度を要するのに対し、例えば80℃の場合には10
分程度、90℃では5分程度で抗菌性を得ることが確認
されている。
【0016】さらに、本発明に係わるアルミニウムまた
はアルミニウム合金の表面処理方法においては、陽極酸
化処理によって得られた酸化皮膜に、酸化皮膜生成後、
浸漬処理に先だって、請求項4に記載した電解着色処理
の他に、染色を施すことも可能である。
【0017】なお、このような抗菌性表面処理を施した
アルミニウム製品は、例えば、病院など医療機関のとく
に待合室や病室,洗面所、レストランの厨房、各種研究
機関の無菌室などの諸設備,サッシ,壁材,ドアノブ,
手摺などに好適なものとなる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の効果を実施例に基づいて具
体的に説明する。
【0019】実施例1 常法に基づいて、脱脂,エッチング,スマット除去の前
処理を行ったアルミニウム合金の押出形材に、硫酸濃度
130g/L,液温20℃の電解浴中において、17V
の直流により40分間の陽極電解処理を施すことによっ
て、押出形材の表面に約9μmの酸化皮膜を形成させ
た。次いで、得られた酸化皮膜を0.2g/Lの硝酸銀
を添加した80℃の熱水中に15分間浸漬したのち、沸
騰水中にて20分間の封孔処理を行った。
【0020】このような処理を施した形材から5cm×
5cmの抗菌性試験片を切り出し、この形材の抗菌性に
ついて調査した。
【0021】抗菌性試験は、MRSA(メチシリン耐性
黄色ブドウ球菌)を寒天培地において、37℃で16〜
24時間培養した菌株を寒天培地に再度接種することに
より、菌数が所定範囲となるように調整した菌液(この
実施例では、0.5mLあたり2.3×105 個)を用
意し、この菌液0.5mLを前述した5cm×5cmの
抗菌性試験片上に滴下し、この上にポリエチレンフィル
ムを被せて、35℃、相対湿度90%以上に保持した恒
温槽中に6時間静置したのちの生菌数を測定するもので
ある。なお、抗菌性試験については、財団法人日本食品
分析センターにおいて実施した。
【0022】この結果を表1に示す。なお、この抗菌性
試験においては、ブランク値(同条件、金属化合物の添
加なしの場合)に対して、生菌数が1%以下であれば抗
菌性があるものと判断した。
【0023】実施例2 実施例1と同一形材に、同様の前処理を行ったのち、実
施例1と同様の電解浴中において、同様の条件により陽
極電解処理を施すことによって約9μmの酸化皮膜を形
成させた。次いで、得られた酸化皮膜を0.2g/Lの
硝酸銀を添加した100℃の熱水中に5分間浸漬したの
ち、沸騰水中にて20分間の封孔処理を行った。
【0024】このような処理を施した形材から、実施例
1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の抗菌性試験
を行った。
【0025】この結果を表1に併せて示す。
【0026】実施例3 実施例1と同一形材に、同様の前処理を行ったのち、実
施例1と同様の電解浴中において、同様の条件により陽
極電解処理を施すことによって約9μmの酸化皮膜を形
成させた。次いで、得られた酸化皮膜を0.2g/Lの
硝酸銀を添加した沸騰水中に20分間浸漬することによ
り浸漬処理と同時に封孔処理を行った。
【0027】このような処理を施した形材から、実施例
1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の抗菌性試験
を行った。
【0028】この結果を表1に併せて示す。
【0029】実施例4 実施例1と同一形材に、同様の前処理を行ったのち、硫
酸濃度110g/L、液温20℃の電解浴中において、
17Vの直流により40分間の陽極電解処理を施すこと
によって、押出形材の表面に約9μmの酸化皮膜を形成
させた。そして、得られた酸化皮膜を硝酸銀を1.0g
/L添加した沸騰水中に20分間浸漬して、浸漬処理と
同時に封孔処理を行った。
【0030】このような処理を施した形材から、実施例
1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の抗菌性試験
を行った。
【0031】この結果を表1に併せて示す。
【0032】実施例5 実施例1と同一形材に、同様の前処理を施したのち、硫
酸濃度110g/L、液温20℃の電解浴中において、
17Vの直流により40分間の陽極電解処理を施すこと
によって、押出形材の表面に約9μmの酸化皮膜を形成
させた。次いで、得られた酸化皮膜を0.5g/Lの硝
酸銀を添加した沸騰水中に20分間浸漬して、浸漬処理
と同時に封孔処理を行った。
【0033】そして、このような処理を施した形材か
ら、実施例1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の
抗菌性試験を行った。
【0034】この結果を表1に併せて示す。
【0035】実施例6 実施例1と同一形材に、同様の前処理を施したのち、し
ゅう酸濃度30g/L、液温20℃に保持した電解浴中
において、18Vの交流により30分間の陽極酸化処理
を施すことによって、約9μmの酸化皮膜を形成させ
た。次いで、得られた酸化皮膜を0.2g/Lの硝酸銀
を添加した沸騰水中に20分間浸漬して、浸漬処理と同
時に封孔処理を行った。
【0036】そして、実施例1と同様の抗菌性試験片を
切り出し、同様の抗菌性試験を行った。
【0037】この結果を表1に併せて示す。
【0038】実施例7 実施例1と同一形材に、同様の前処理を施したのち、実
施例1と同様の電解浴中において、同様の条件により陽
極電解処理を施すことによって約9μmの酸化皮膜を形
成させた。そして、得られた酸化皮膜を0.2g/Lの
硫酸銅を添加した沸騰水中に20分間浸漬して、浸漬処
理と同時に封孔処理を行った。
【0039】このような処理を施した形材から、実施例
1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の抗菌性試験
を行った。
【0040】この結果を表1に併せて示す。
【0041】実施例8 実施例1と同一形材に、同様の前処理を施したのち、実
施例1と同様の電解浴中において、同様の条件により陽
極電解処理を施すことによって約9μmの酸化皮膜を形
成させた。そして、得られた酸化皮膜を0.2g/Lの
硫酸亜鉛を添加した沸騰水中に20分間浸漬して、浸漬
処理と同時に封孔処理を行った。
【0042】このような処理を施した形材から、実施例
1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の抗菌性試験
を行った。
【0043】この結果を表1に併せて示す。
【0044】実施例9 実施例1と同一形材に、同様の前処理を施したのち、実
施例1と同様の電解浴中において、同様の条件により陽
極電解処理を施すことによって約9μmの酸化皮膜を形
成させた。そして、得られた酸化皮膜を0.1g/Lの
硝酸銀を添加した沸騰水中に20分間浸漬して、浸漬処
理と同時に封孔処理を行った。
【0045】このような処理を施した形材から、実施例
1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の抗菌性試験
を行った。
【0046】この結果を表1に併せて示す。
【0047】実施例10 実施例1と同一形材に、同様の前処理を施したのち、実
施例1と同様の電解浴中において、同様の条件により陽
極電解処理を施すことによって約9μmの酸化皮膜を形
成させた。そして、得られた酸化皮膜を0.2g/Lの
硫酸ニッケルを添加した沸騰水中に20分間浸漬して、
浸漬処理と同時に封孔処理を行った。
【0048】このような処理を施した形材から、実施例
1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の抗菌性試験
を行った。
【0049】この結果を表1に併せて示す。
【0050】実施例11 実施例1と同一形材に、同様の前処理を施したのち、実
施例1と同様の電解浴中において、同様の条件により陽
極電解処理を施すことによって約9μmの酸化皮膜を形
成させた。次いで、55g/Lの硫酸ニッケルを含む電
解浴中において、25Vの直流による20分間の電解着
色処理を実施した。そして、ブロンズに着色された酸化
皮膜を1.0g/Lの硝酸銀を添加した沸騰水中に20
分間浸漬して、浸漬処理と同時に封孔処理を行った。
【0051】このような処理を施した形材から、実施例
1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の抗菌性試験
を行った。
【0052】この結果を表1に併せて示す。
【0053】比較例1(ブランク試験) 実施例1と同一形材に、実施例1と同様の前処理を行っ
たのち、実施例1と同様に硫酸130g/Lを含み、液
温20℃の電解浴中で、実施例1と同様の陽極酸化処理
(17V直流,40分間)を施し、金属塩の含まれてい
ない純水中において20分間の沸騰水封孔処理ののち、
同様の抗菌性試験を行った。
【0054】この結果を表1に併せて示す。
【0055】比較例2 実施例1と同一形材に、同様の前処理を行ったのち、同
様に硫酸130g/Lを含み、液温20℃の電解浴中に
おいて、実施例1と同様の陽極電解処理(17V直流交
流,40分間)を施すことによって、約9μmの酸化皮
膜を形成させたのち、得られた酸化皮膜を0.2g/L
の硫酸鉄を添加した沸騰水中に20分間浸漬することに
よって、浸漬処理と同時に封孔処理を行った。
【0056】そして、このような処理を施した形材か
ら、実施例1と同様の抗菌性試験片を切り出し、同様の
抗菌性試験を行った。
【0057】この結果を表1に併せて示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1の結果から明らかなように、常法によ
って得られた陽極酸化皮膜に、銀の化合物を含む熱水中
に浸漬したのち沸騰水中において封孔処理を施した実施
例1および実施例2、銀,銅,亜鉛,ニッケルの化合物
を含む沸騰水中に浸漬して、同時に封孔処理を施した実
施例3ないし実施例10の場合、さらに電解着色処理の
のち、銀化合物を含む沸騰水中に浸漬して同時に封孔処
理を施した実施例11の場合をには、金属塩を添加しな
い純水中において沸騰水封孔処理を行った比較例1のブ
ランク値1.9×106 に較べて、いずれも6時間後の
生菌数が大幅に減少していることが判明し、十分な抗菌
性を備えていることが確認された。
【0060】これに対し、浸漬処理を行わず、純水中に
おける沸騰水封孔処理のみを行った上記比較例1、およ
び銀,銅,亜鉛,ニッケル以外の鉄化合物を含む沸騰水
中に浸漬して、同時に封孔処理を施した実施例2の場合
には、6時間後の生菌数が初期生菌数2.3×105
りもむしろ増加するか、ほどんど減少せず、いずれも抗
菌効果がないことが確認された。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係わるアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処
理方法においては、アルミニウムまたはアルミニウム合
金に陽極酸化処理を施したのち、銀,銅,亜鉛およびニ
ッケルのうちの少なくとも1種の金属塩を含む熱水中に
浸漬するようにしているので、陽極酸化皮膜の表面にこ
れら金属を含む化合物が生成することから、これら金属
の有する抗菌性によって、陽極酸化処理を施したアルミ
ニウム製品に抗菌性が付与することができる。この浸漬
処理は、複雑な設備を必要とせず、例えば封孔処理用の
既存設備を使用することができるので、抗菌性アルミニ
ウム製品の製造コストの増加を最小限に抑えらることが
できるという極めて優れた効果がもたらされる。
【0062】請求項1に係わるアルミニウムまたはアル
ミニウム合金の表面処理方法の実施態様として請求項2
に係わる表面処理方法においては、熱水中に浸漬したの
ち、封孔処理を施すようにしているので、陽極酸化皮膜
の細孔が塞がれ、陽極酸化皮膜の耐食性,耐汚染性,耐
光性などを向上させることができる。
【0063】本発明の請求項3に係わるアルミニウムま
たはアルミニウム合金の表面処理方法においては、陽極
酸化処理を施したアルミニウムまたはアルミニウム合金
を銀,銅,亜鉛,ニッケルから選ばれる少なくとも1種
の金属塩を添加した沸騰水中に浸漬して陽極酸化皮膜に
抗菌性を付与すると同時に封孔処理を施すようにしてい
るので、陽極酸化処理の後処理としてアルミニウム製品
に一般的に施される封孔処理に際して、封孔浴中に上記
した金属塩を添加するだけで抗菌性を得ることができ、
抗菌処理のための工程や設備を新たに加える必要がほと
んどないことから、製造コストをほとんど増加させるこ
となく、抗菌性アルミニウム製品を得ることができると
いう極めて優れた効果がもたらされる。
【0064】本発明に係わるアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の表面処理方法の実施態様として請求項4に
係わる表面処理方法においては、陽極酸化処理ののち、
得られた陽極酸化皮膜に電解着色処理を施すようにして
いるので、陽極酸化皮膜に種々の着色を行うことがで
き、抗菌性アルミニウム製品の色調バリエーションが豊
富になり、ユーザーの好みに広く対応することができる
という優れた効果が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金に
    陽極酸化処理を施したのち、銀,銅,亜鉛およびニッケ
    ルのうちの少なくとも1種の金属塩を含む熱水中に浸漬
    して陽極酸化皮膜に抗菌性を付与することを特徴とする
    アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 熱水中に浸漬したのち、封孔処理を施す
    ことを特徴とする請求項2記載のアルミニウムまたはア
    ルミニウム合金の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウムまたはアルミニウム合金に
    陽極酸化処理を施したのち、銀,銅,亜鉛およびニッケ
    ルのうちの少なくとも1種の金属塩を含む沸騰水中に浸
    漬して陽極酸化皮膜に抗菌性を付与すると同時に封孔処
    理を施すことを特徴とするアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 陽極酸化処理ののち、得られた陽極酸化
    皮膜に電解着色処理を施すことを特徴とする請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載のアルミニウムまたはアルミ
    ニウム合金の表面処理方法。
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