JPH10130331A - 固体撮像素子パッケージ用プラスチック製リッド材およびその製造方法 - Google Patents

固体撮像素子パッケージ用プラスチック製リッド材およびその製造方法

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JPH10130331A
JPH10130331A JP8285506A JP28550696A JPH10130331A JP H10130331 A JPH10130331 A JP H10130331A JP 8285506 A JP8285506 A JP 8285506A JP 28550696 A JP28550696 A JP 28550696A JP H10130331 A JPH10130331 A JP H10130331A
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JP
Japan
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meth
lid material
solid
acrylate
monomer
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JP8285506A
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English (en)
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Takeo Ogiwara
武男 荻原
Hiroki Katono
浩樹 上遠野
Katsuichi Machida
克一 町田
Masuhiro Shoji
益宏 庄司
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Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F222/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical and containing at least one other carboxyl radical in the molecule; Salts, anhydrides, esters, amides, imides, or nitriles thereof
    • C08F222/10Esters
    • C08F222/1006Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols
    • C08F222/102Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols of dialcohols, e.g. ethylene glycol di(meth)acrylate or 1,4-butanediol dimethacrylate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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    • C08F222/1006Esters of polyhydric alcohols or polyhydric phenols
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比重が小さく、成形加工性に優れ、しかも、
透明性、接着強靱性、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、
曲げ弾性にも優れた固体撮像素子(CCD)パッケージ
用プラスチック製リッド材およびその製造方法の提供。 【解決手段】 (メタ)アクリル酸エステル系単量体1
00質量部と、これと共重合可能な単量体0〜50質量
部とよりなり、多官能性(メタ)アクリル酸エステル化
合物の割合が10〜90質量%である単量体混合物をラ
ジカル重合して得られるアクリル系架橋共重合体からリ
ッド材が構成される。また、前記単量体混合物が、ウレ
タン結合を有する(メタ)アクリル酸エステル化合物を
20〜80質量%の割合で含有することが好ましい。本
発明の製造方法において、10時間半減期分解温度が6
0℃以上であるラジカル重合開始剤の存在下に、60℃
以上の温度条件で単量体混合物を共重合することが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系架橋共
重合体からなる固体撮像素子(CCD)パッケージ用プ
ラスチック製リッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、固体撮像素子(CCD)を密閉状
態とするためのリッド材(窓材)としては、ガラス製の
ものが用いられてきた。しかし、ガラス材料は、比重が
大きく、衝撃に対して脆いものである。また、ガラス製
のリッド材を製造するにあたっては、ガラス材料を取り
扱う際に或いは切削加工を施す際に破損することがあ
り、高い歩留りが得られず、しかも、切削加工において
はチッピングが発生し易いため、後加工が必要であり、
これらは製造コストを高める要因となっている。また、
ガラス材料としては、α線等の放射線によって素子メモ
リーの誤作動が生ずることを防止するため、特殊なもの
を用いる必要がある。そのため、比重が小さく、高い強
度を有し、成形加工が容易で、加えて寸法安定性や耐久
性に優れたプラスチック製のリッド材の開発が強く望ま
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、本発明の第1
の目的は、比重が小さく、成形加工性に優れ、しかも、
透明性、接着強靱性、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性に
も優れた固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチ
ック製リッド材を提供することにある。本発明の第2の
目的は、耐熱性に極めて優れた固体撮像素子(CCD)
パッケージ用プラスチック製リッド材を提供することに
ある。本発明の第3の目的は、さらに、高い曲げ弾性率
を有し、機械的特性に優れた固体撮像素子(CCD)パ
ッケージ用プラスチック製リッド材を提供することにあ
る。本発明の第4の目的は、上記の固体撮像素子(CC
D)パッケージ用プラスチック製リッド材を有利に製造
することができる方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の固体撮像素子
(CCD)パッケージ用プラスチック製リッド材は、多
官能性(メタ)アクリル酸エステル化合物および単官能
性(メタ)アクリル酸エステル化合物よりなる(メタ)
アクリル酸エステル系単量体100質量部と、この(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単量体
0〜50質量部とよりなり、当該多官能性(メタ)アク
リル酸エステル化合物の割合が10〜90質量%である
単量体混合物をラジカル重合して得られるアクリル系架
橋共重合体からなることを特徴とする。
【0005】上記の固体撮像素子(CCD)パッケージ
用プラスチック製リッド材においては、前記単量体混合
物が、イソシアネート化合物とヒドロキシ基含有(メ
タ)アクリル酸エステルとのウレタン化反応により得ら
れるウレタン結合を有する(メタ)アクリル酸エステル
化合物を20〜80質量%の割合で含有してなるもので
あることが好ましい。
【0006】上記の固体撮像素子(CCD)パッケージ
用プラスチック製リッド材においては、下記(1)〜
(3)に示す条件を満足することが好ましい。 (1)厚みが0.1〜3mmのシート状または板状の成
形体から得られること。 (2)ビカット軟化点温度が130℃以上であること。 (3)曲げ弾性率が3000MPa以上であること。
【0007】また、本発明の固体撮像素子(CCD)パ
ッケージ用プラスチック製リッド材においては、表面に
光学的ローパス機能を有する回折格子が形成されていて
もよく、また、表面に光学的ローパス機能を有する回折
格子層が積層されていてもよい。
【0008】本発明の固体撮像素子(CCD)パッケー
ジ用プラスチック製リッド材の製造方法は、それぞれ一
面に光学的平面を有する一対のモールド板を、それぞれ
の一面が互いに対向するよう配置することにより、キャ
ビティーを形成し、このキャビティー内において、多官
能性(メタ)アクリル酸エステル化合物および単官能性
(メタ)アクリル酸エステル化合物よりなる(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体100質量部と、この(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単量体
0〜50質量部とよりなり、当該多官能性(メタ)アク
リル酸エステル化合物の割合が10〜90質量%である
単量体混合物を共重合することにより、アクリル系架橋
共重合体の成形体を得る工程を含むことを特徴とする。
また、10時間半減期分解温度が60℃以上であるラジ
カル重合開始剤の存在下に、60℃以上の温度条件で単
量体混合物を共重合することが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プ
ラスチック製リッド材は、多官能性(メタ)アクリル酸
エステル化合物および単官能性(メタ)アクリル酸エス
テル化合物よりなる(メタ)アクリル酸エステル系単量
体を必須の単量体成分として含有する単量体混合物を、
ラジカル重合することにより得られるアクリル系架橋共
重合体からなるものである。本明細書において、「(メ
タ)アクリル酸」は、「アクリル酸」または「メタクリ
ル酸」を意味し、「(メタ)アクリレート」は、「アク
リレート」または「メタクリレート」を意味する。
【0010】このアクリル系架橋共重合体を得るための
単量体混合物中における多官能性(メタ)アクリル酸エ
ステル化合物の割合は10〜90質量%、好ましくは4
0〜90質量%である。この割合が10質量%未満の場
合には、得られる架橋共重合体は架橋度が小さいものと
なり、当該架橋共重合体からなるリッド材は、寸法安定
性や耐熱性が不十分なものとなる。一方、この割合が9
0質量%を超える場合には、得られる架橋共重合体は架
橋度が過大となって脆いものとなることがある。
【0011】本発明においては、上記の(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体として、ウレタン結合を有する単
官能性(メタ)アクリル酸エステル化合物およびウレタ
ン結合を有する多官能性(メタ)アクリル酸エステル化
合物(以下、これらを「ウレタン結合含有(メタ)アク
リル酸エステル化合物」ともいう。)の一方または両方
を含有してなるものを用いることが好ましい。このよう
なウレタン結合含有(メタ)アクリル酸エステル化合物
が含有されることにより、リッド材として十分に高い強
度を有するアクリル系架橋共重合体が確実に得られる。
【0012】このウレタン結合含有(メタ)アクリル酸
エステル化合物は、イソシアネート化合物とヒドロキシ
基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下、「ヒド
ロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル」という。)
とのウレタン化反応によって得られるものである。
【0013】ウレタン結合含有(メタ)アクリル酸エス
テル化合物を得るためのイソシアネート化合物として
は、分子中に1個のイソシアネート基を有するものまた
は分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものを
用いることができ、分子中に1個のイソシアネート基を
有するイソシアネート化合物を用いる場合には、単官能
性(メタ)アクリル酸エステル化合物が得られ、分子中
に2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート
化合物を用いる場合には、多官能性(メタ)アクリル酸
エステル化合物が得られる。
【0014】分子中に1個のイソシアネート基を有する
イソシアネート化合物の具体例としては、メチルイソシ
アネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネ
ート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネ
ート、フェニルイソシアネート、メタクロルフェニルイ
ソシアネート、メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ート等が挙げられる。
【0015】分子中に2個以上のイソシアネート基を有
するイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネ
ート、ノナンメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタジイソシア
ネート、リジンジイソシアネートメチルエステル、テト
ラメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、
トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフ
タレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,
4’−ビスフェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレ
ンジイソシアネートのビウレット化反応生成物或いはト
リメチロールプロパンとイソホロンジイソシアネートか
ら誘導される3官能乃至4官能イソシアネート、2−イ
ソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサ
ノエート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネー
ト、4,4’,4”−イソシアネートトリフェニルメタ
ン等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で
若しくは2種類以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0016】ウレタン結合含有(メタ)アクリル酸エス
テル化合物を得るために用いられるヒドロキシ基含有
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレ
ート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロシキ−3−
クロロプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−ク
ロロプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−フ
ェノキシプロピルアクリレート、3−アクリロイルオキ
シグリセリンモノメタクリレート等を挙げることができ
る。これらの化合物は、単独で若しくは2種類以上を組
み合わせて用いることができる。
【0017】単量体混合物中におけるウレタン結合含有
(メタ)アクリル酸エステル化合物の割合は、20〜8
0質量%、特に30〜70質量%であることが好まし
い。この割合が20質量%未満である場合には、得られ
るアクリル系架橋共重合体は、リッド材として十分な強
度を有するものとならないことがある。一方、この割合
が80質量%を超える場合には、得られるアクリル系架
橋共重合体は耐熱性の低いものとなることがある。
【0018】(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
て用いられる、ウレタン結合含有(メタ)アクリル酸エ
ステル化合物以外の多官能性(メタ)アクリル酸エステ
ル化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス
(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、ペ
ンタエリトリットトリメタクリレート、ペンタエリトリ
ットテトラメタクリレート等が挙げられる。
【0019】(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
て用いられる、ウレタン結合含有(メタ)アクリル酸エ
ステル化合物以外の単官能性(メタ)アクリル酸エステ
ル化合物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜8であ
る低級アルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレー
ト等のアルキル基をグリシジル基やヒドロキシ基で置換
した変性アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0020】本発明においては、アクリル系架橋共重合
体を得るための単量体混合物中に、例えば、当該単量体
混合物の粘度を低下させること、重合速度を調節するこ
と、或いは得られるアクリル系架橋共重合体の屈折率等
の性能を調節すること等を目的として、上記の(メタ)
アクリル酸エステル系単量体と共重合可能な単量体(以
下、「共重合性単量体」という。)を含有させることが
できる。
【0021】このような共重合性単量体の具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和結合を有する
カルボン酸、スチレン、α−メチルスチレン、ハロゲン
化スチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼン等の
芳香族ビニル化合物等を挙げることができる。これらの
化合物は、単独で若しくは2種類以上を組み合わせて用
いることができる。
【0022】共重合性単量体の使用割合は、(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体100質量部に対して0〜5
0質量部である。この割合が50質量部を超える場合に
は、重合収率が低下し、また、得られる共重合体の切削
加工性が低下したり、得られる共重合体に脆性化が生ず
るので好ましくない。
【0023】本発明の固体撮像素子(CCD)パッケー
ジ用プラスチック製リッド材として用いるアクリル系架
橋共重合体は、上記単量体混合物をラジカル重合するこ
とによって得られる。ラジカル重合法としては、特に限
定されるものではなく、通常の重合開始剤を用いる、塊
状(キャスト)重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液
重合法等の公知の方法を採用することができるが、得ら
れるアクリル系架橋共重合体は溶融成形が困難であるの
で、成形体が直接得られるキャスト重合法を用いること
が好ましい。
【0024】キャスト重合法によりアクリル系架橋共重
合体を得る場合には、モールド材として、それぞれ一面
に光学的平面を有する、例えばガラス製の一対のモール
ド板を用いて行うことが好ましい。具体的に説明する
と、前記一対のモールド板を、その光学的平面を有する
面が互いに対向するよう一定間隔で離間して配置し、こ
れらのモールド板の側面をテープ或いはガスケットなど
の固定部材で囲うことによりキャビティーを形成し、こ
のキャビティー内に、ラジカル重合開始剤を含有する単
量体混合物を注入し、加熱或いは光照射して当該単量体
混合物を共重合させることにより、アクリル系架橋共重
合体よりなるシート状若しくは板状の成形体を得る。
【0025】このような方法によれば、単量体混合物の
共重合により、表面に光学的平面を有するアクリル系架
橋共重合体よりなる成形体を直接得ることができ、当該
成形体を必要に応じて切削加工することによりリッド材
が得られる。従って、従来のガラス製リッド材の製造に
おいて光学的平面を形成するために必須の工程である表
面研磨工程が不要となるので、リッド材を容易に製造す
ることができる。
【0026】キャスト重合法により得られるアクリル系
架橋共重合体に、更に優れた耐熱性を発現させる観点か
ら、ラジカル重合開始剤として、10時間半減期分解温
度が60℃以上である化合物(以下、このようなラジカ
ル重合開始剤を「高温分解重合開始剤」ともいう。)を
使用することが好ましい。斯かる高温分解重合開始剤の
具体例としては、ラウロイルパーオキサイド、クミルパ
ーオキシオクタエート、アセチルパーオキサイド、t−
ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、ベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオ
キシラウレート、t−ブチルパーオキシ3,5,5−ト
リメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテ
ート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブ
チルジパーオキシイソフタレート、ジクミルパーオキサ
イド、ジ−イソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイド
ロパーオキサイド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル)、1,1’−アゾビス(シク
ロヘキサン−2−カルボニトリル)、2,2’−アゾビ
スイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ルブチロニトリル)などを挙げることができる。
【0027】高温分解重合開始剤の存在下に、60℃以
上の温度条件で単量体混合物を共重合させることによ
り、極めて優れた耐熱性(ビカット軟化点温度が130
℃以上)を有するアクリル系架橋共重合体を得ることが
できる。なお、高温分解重合開始剤の存在下における単
量体混合物の重合反応は、60℃以上の温度条件が維持
されていれば、順次異なる温度で行わせてもよい。
【0028】このようにして得られるアクリル系架橋共
重合体からなる成形体は、比重が1.0〜1.5で、厚
みが0.1〜3mm、好ましくは0.4〜1.5mmの
シート状若しくは板状のものであり、可視光線透過率が
80%以上、耐熱温度(ビカット軟化点温度)70℃以
上、吸水率が3%以下の性能を有し、しかも、α線等の
放射線を放出する物質を実質上含有しておらず、固体撮
像素子(CCD)パッケージ用リッド材として極めて好
適なものである。そして、高温分解重合開始剤の存在下
に60℃以上の温度条件で単量体混合物を共重合させて
得られる成形体は、ビカット軟化点温度が130℃以
上、好ましくは140℃以上と極めて優れた耐熱性を有
すると共に、曲げ弾性率が3000MPa以上、好まし
くは3200MPa以上と優れた機械的特性(高い曲げ
弾性率)を有するものである。
【0029】本発明の固体撮像素子(CCD)パッケー
ジ用プラスチック製リッド材においては、その表面に光
学的ローパスフィルター機能を有する回折格子を設ける
ことができる。このようなリッド材は、被写体光の高空
間周波数成分を除去し、偽信号の発生を防止する光学的
ローパスフィルター機能を必要とする固体撮像装置の固
体撮像素子(CCD)パッケージ用リッド材として好適
なものである。
【0030】上記の光学的ローパスフィルター機能を有
する回折格子は、上述のアクリル系架橋共重合体からな
る成形体の表面に直接形成することにより設けられてい
てもよく、また、成形体の表面に回折格子層を積層する
ことにより設けられていてもよい。
【0031】成形体の表面に直接回折格子を形成する方
法としては、前述のキャスト重合法において、一対のモ
ールド板のうち少なくとも一方の一面(内面側表面)に
回折格子のネガパターンが形成されてなるものを用い
て、単量体混合物のキャスト重合を行うことにより、表
面に回折格子が形成された成形体を直接的に製造する方
法、成形体の表面上に、回折格子のネガパターンを刻印
したスタンパーを加熱接触することにより回折格子を形
成する方法等が挙げられる。
【0032】成形体の表面に回折格子層を積層する手段
としては、成形体の表面に例えば二酸化珪素(Si
2 )を蒸着することにより回折格子層を形成する方
法、成形体の表面に感光性樹脂を均一に塗布し、マスク
パターンを用いて回折格子パターンを露光して現像する
ことにより、当該感光性樹脂よりなる回折格子層を形成
する方法、透明性に優れた光学用樹脂を用いて回折格子
が形成されたフィルム(以下、「回折格子フィルム」と
いう。)を作製し、この回折格子フィルムを成形体に積
層して接着する方法等が挙げられる。回折格子フィルム
を成形体に積層する場合において、接着剤や粘着剤等に
より成形体と回折格子フィルムとを接着するときには、
熱硬化型或いは光硬化型の接着剤や粘着剤であって透明
性に優れたもの、例えば、エポキシ系、ウレタン系若し
くはアクリル系の接着剤、または透明性および耐候性に
優れたアクリル系の粘着剤を好ましく用いることができ
る。
【0033】更に、本発明の固体撮像素子(CCD)パ
ッケージ用プラスチック製リッド材においては、後加工
により、ハードコート層や反射防止層等を表面に形成す
ることができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
がこれらによって限定されるものではない。尚、以下に
おいて「部」は「質量部」を意味する。
【0035】<実施例1> 〔単量体組成物の調製〕ウレタン結合を有する多官能性
(メタ)アクリル酸エステル化合物として、ヘキサメチ
レンジイソシアネートの環状3量体(1モル)と2−ヒ
ドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(3モ
ル)との反応生成物45部、その他の多官能性(メタ)
アクリル酸エステル化合物としてペンタエリスリトール
テトラアクリレート5部、単官能性(メタ)アクリル酸
エステルとしてt−ブチルメタクリレート30部、共重
合性単量体としてα−メチルスチレン20部、並びに重
合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート1.5
部を用いて、単量体組成物を調製した。
【0036】〔キャスト重合〕それぞれ一面に光学的平
面を有する一対のガラス製モールド板を、1mm間隔で
互いに対向するよう配置することによりキャビティーを
形成し、このキャビティ内に上記の単量体組成物を注入
し、50℃で10時間、次いで70℃で4時間、更に1
00℃で3時間と順次異なる温度で加熱することによ
り、当該単量体組成物のキャスト重合を行い、アクリル
系架橋共重合体よりなる厚みが1mmの透明な板状の成
形体を得た。この成形体を9mm×9mmの大きさに切
断することにより、本発明の固体撮像素子(CCD)パ
ッケージ用プラスチック製リッド材を得た。
【0037】得られたリッド材について、23℃におけ
る比重、屈折率(nD )および光線透過率(JIS K
6714)を測定すると共に、下記の項目の評価を行っ
た。 〔耐熱性〕:JIS K7206 B法に準拠してビカ
ット軟化点温度を測定した。 〔成形歪〕:歪検査器PE−P(溝尻光学工業所製)を
用いて測定し、干渉縞が少ない場合を小、干渉縞が多い
場合を大として評価した。 〔切削加工性〕:ダイシングソー2H6T(ディスコ社
製)を用い、ダイヤモンド刃により切断してそのエッチ
部を観察し、チッピングが生じていない場合を○、生じ
ている場合を×として評価した。 〔接着強靱性〕:熱硬化型接着剤によりパッケージ材と
リッド材とを接着し、治具で固定した状態で0〜150
℃で2〜4時間保持した後、当該リッド材を観察し、割
れ若しくは変形が全く生じていない場合を◎、若干の変
形が生じている場合を○、接着不良または割れ若しくは
変形が生じている場合を×として評価した。 〔耐溶剤性〕:リッド材を、エチルアルコール、アセト
ン、トルエン中に、23℃で24時間浸漬した後、当該
リッド材を観察し、全く侵されていない場合を○、溶剤
に膨潤若しくは溶解、またはクラックが発生した場合を
×として評価した。 以上、結果を表1に示す。
【0038】<実施例2>単量体組成物の調製におい
て、多官能性(メタ)アクリル酸エステル化合物として
トリエチレングリコールジメタクリレート60部、単官
能性(メタ)アクリル酸エステル化合物としてメチルメ
タクリレート10部およびグリシジルメタクリレート5
部、共重合性単量体としてスチレン5部およびα−メチ
ルスチレン20部、並びに重合開始剤としてt−ブチル
パーオキシピバレート1部を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして本発明の固体撮像素子(CCD)パッケ
ージ用プラスチック製リッド材を製造し、その評価を行
った。結果を表1に示す。
【0039】<実施例3>ウレタン結合を有する多官能
性(メタ)アクリル酸エステル化合物として、ヘキサメ
チレンジイソシアネートの環状3量体(1モル)と2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(3
モル)との反応生成物35部、その他の多官能性(メ
タ)アクリル酸エステル化合物としてトリエチレングリ
コールジメタクリレート55部、単官能性(メタ)アク
リル酸エステル化合物としてグリシジルメタクリレート
10部、並びに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ
ピバレート1部を用いて、単量体組成物を調製した。こ
の単量体組成物を用い、40℃で4時間、40℃から5
0℃までに6時間かけて昇温し、次いで70℃で4時
間、更に100℃で3時間と順次異なる温度で加熱して
キャスト重合を行ったこと以外は実施例1と同様にして
本発明の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチ
ック製リッド材を製造し、その評価を行った。結果を表
1に示す。
【0040】<実施例4>単量体組成物の調製におい
て、ウレタン結合を有する多官能性(メタ)アクリル酸
エステル化合物として、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート(1モル)と2−ヒドロキシ−3−フェノキ
シプロピルアクリレート(1モル)およびグリセリンジ
メタクリレート(1モル)との反応生成物60部、単官
能性(メタ)アクリル酸エステルとして、グリシジルメ
タクリレート10部、共重合性単量体として、スチレン
20部およびα−メチルスチレン10部、並びに重合開
始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート1部を用い
たこと以外は、実施例1と同様にして本発明の固体撮像
素子(CCD)パッケージ用プラスチック製リッド材を
製造し、その評価を行った。結果を表1に示す。
【0041】<実施例5>単量体組成物の調製におい
て、多官能性(メタ)アクリル酸エステル化合物として
ペンタエリスリトールテトラアクリレート10部、ウレ
タン結合を有する単官能性(メタ)アクリル酸エステル
化合物として、メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ート(1モル)とt−ブチルアルコール(1モル)との
反応生成物50部、その他の単官能(メタ)アクリル酸
エステル化合物としてt−ブチルメタクリレート30
部、共重合性単量体としてα−メチルスチレン10部、
並びに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレー
ト1.5部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして
本発明の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチ
ック製リッド材を製造し、その評価を行った。結果を表
1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなように、実施例1〜5に
係るリッド材は、ガラス製のリッド材と比較して、同等
の透明性を有し、しかも、比重が小さく、切削加工に優
れたものであることが確認された。また、ポリカーボネ
ート製のリッド材やポリメチルメタクリレート製のリッ
ド材に比較して、成形歪みが小さく、切削加工性に優
れ、しかも、耐熱性、耐溶剤性および接着強靱性にも優
れたものであることが確認された。特に、実施例1およ
び実施例3〜5に係るリッド材は、ウレタン結合を有す
る(メタ)アクリル酸エステル化合物を特定の割合で含
有してなる単量体混合物が用いられているので、接着強
靱性が極めて高いものであった。
【0044】<実施例6>単量体組成物のキャスト重合
において、一対のガラス製モールド板のうちの一方のガ
ラス製モールド板として、キャビティーを形成する内側
表面に、二酸化珪素(SiO2 )の蒸着膜により、深さ
0.5μm、ピッチ0.1mmの台形状の回折格子のネ
ガパターンが形成されてなるものを用いたこと以外は実
施例4と同様にして、表面に回折格子が形成された本発
明の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチック
製リッド材を製造した。このリッド材により密閉された
固体撮像素子(CCD)を固体撮像装置に組み込んで実
用試験を行ったところ、良好な光学的ローパスフィルタ
ー機能を有していることが確認された。
【0045】<実施例7>実施例4と同様にしてアクリ
ル系架橋共重合体よりなる厚みが1mmの透明な板状の
成形体を得、この成形体を9mm×9mmの大きさに切
断した後、その表面に二酸化珪素(SiO2 )を蒸着す
ることにより、厚さ0.5μm、ピッチ0.05mmの
台形の線状の回折格子パターンを有する回折格子層を形
成した。このリッド材により密閉された固体撮像素子
(CCD)を固体撮像装置に組み込んで実用試験を行っ
たところ、良好な光学的ローパスフィルター機能を有し
ていることが確認された。
【0046】<実施例8> 〔単量体組成物の調製〕ウレタン結合を有する多官能性
(メタ)アクリル酸エステル化合物として、ジシクロヘ
キシルメタジイソシアネート(1モル)と2−ヒドロキ
シブチルメタクリレート(1モル)および2−ヒドロキ
シ−1,3−ジメタクリロキシプロパン(1モル)との
反応生成物60部、単官能性(メタ)アクリル酸エステ
ルとしてグリシジルメタクリレート10部、共重合性単
量体としてスチレン20部およびα−メチルスチレン1
0部、並びに重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ
3,5,5−トリメチルヘキサノエート〔高温分解重合
開始剤〕0.8部を用いて、単量体組成物を調製した。
【0047】〔キャスト重合〕それぞれ一面に光学的平
面を有する一対のガラス製モールド板を、1mm間隔で
互いに対向するよう配置することによりキャビティーを
形成し、このキャビティ内に上記の単量体組成物を注入
し、70℃で10時間、次いで90℃で4時間、更に1
20℃で3時間と順次異なる温度で加熱することによ
り、当該単量体組成物のキャスト重合を行い、アクリル
系架橋共重合体よりなる厚みが1mmの透明な板状の成
形体を得た。この成形体を9mm×9mmの大きさに切
断することにより、本発明の固体撮像素子(CCD)パ
ッケージ用プラスチック製リッド材を得た。
【0048】得られたリッド材について、23℃におけ
る比重、屈折率(nD )および光線透過率を測定すると
共に、実施例1と同様にして、耐熱性(ビカット軟化点
温度)、成形歪、切削加工性、接着強靱性、耐溶剤性に
ついて評価を行った。更に、ビカット軟化点温度と共に
150℃における変位量を測定して耐熱性を評価し、J
IS K7203に準拠して曲げ弾性率を測定して機械
的特性を評価した。以上の結果を表2に示す。
【0049】<実施例9>ウレタン結合を有する多官能
性(メタ)アクリル酸エステル化合物として、ヘキサメ
チレンジイソシアネートの環状3量体(1モル)と2−
ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(3
モル)との反応生成物57部、単官能性(メタ)アクリ
ル酸エステルとしてグリシジルメタクリレート15部、
共重合性単量体としてスチレン18部およびα−メチル
スチレン10部、並びに重合開始剤としてt−ブチルパ
ーオキシ(2−エチルヘキサノエート)〔高温分解重合
開始剤〕0.8部を用いて単量体組成物を調製した。こ
の単量体組成物を用い、それぞれ一面に光学的平面を有
する一対のガラス製モールド板を、0.5mm間隔で互
いに対向するよう配置したこと以外は実施例8と同様に
してキャスト重合を行い、アクリル系架橋共重合体より
なる厚みが0.5mmの透明な板状の成形体を得、この
成形体を9mm×9mmの大きさに切断することによ
り、本発明の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラ
スチック製リッド材を得た。得られたリッド材について
実施例8と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0050】<実施例10>ウレタン結合を有する多官
能性(メタ)アクリル酸エステル化合物として、ジシク
ロヘキシルメタジイソシアネート(1モル)とグリセリ
ンジメタクリレート(1モル)および2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート(1モル)との反
応生成物62部、単官能性(メタ)アクリル酸エステル
としてグリシジルメタクリレート10部、共重合性単量
体としてスチレン18部およびα−メチルスチレン10
部、並びに重合開始剤として1,1’−アゾビス(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)〔高温分解重合開始
剤〕0.8部を用いて単量体組成物を調製した。この単
量体組成物を用い、それぞれ一面に光学的平面を有する
一対のガラス製モールド板を、0.8mm間隔で互いに
対向するよう配置したこと以外は実施例8と同様にして
キャスト重合を行い、アクリル系架橋共重合体よりなる
厚みが0.8mmの透明な板状の成形体を得、この成形
体を9mm×9mmの大きさに切断することにより、本
発明の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチッ
ク製リッド材を得た。得られたリッド材について実施例
8と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0051】<実施例11>ウレタン結合を有する多官
能性(メタ)アクリル酸エステル化合物として、ジシク
ロヘキシルメタジイソシアネート(1モル)と2−ヒド
ロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(1モ
ル)およびグリセリンジメタクリレート(1モル)との
反応生成物60部、単官能性(メタ)アクリル酸エステ
ルとしてグリシジルメタクリレート10部、共重合性単
量体としてメチルメタクリレート20部およびα−メチ
ルスチレン10部、並びに重合開始剤として1,1’−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)〔高
温分解重合開始剤〕0.8部を用いて単量体組成物を調
製した。この単量体組成物を用いて実施例8と同様にし
てキャスト重合を行い、アクリル系架橋共重合体よりな
る厚みが1.0mmの透明な板状の成形体を得、この成
形体を9mm×9mmの大きさに切断することにより、
本発明の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチ
ック製リッド材を得た。得られたリッド材について実施
例8と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0052】<実施例12>多官能性(メタ)アクリル
酸エステル化合物として、ジシクロヘキシルメタジイソ
シアネート(1モル)と2−ヒドロキシブチルメタクリ
レート(1モル)および2−ヒドロキシ−1,3−ジメ
タクリロキシプロパン(1モル)との反応生成物70
部、単官能性(メタ)アクリル酸エステルとしてグリシ
ジルメタクリレート10部、共重合性単量体としてα−
メチルスチレン20部、並びに重合開始剤として1,
1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)〔高温分解重合開始剤〕1部を用いて単量体組成物
を調製した。この単量体組成物を用いて実施例8と同様
にしてキャスト重合を行い、アクリル系架橋共重合体よ
りなる厚みが1.0mmの透明な板状の成形体を得、こ
の成形体を9mm×9mmの大きさに切断することによ
り、本発明の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラ
スチック製リッド材を得た。得られたリッド材について
実施例8と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
【0053】<比較例1>ガラス製のリッド材を作製
し、耐熱性以外の項目について実施例8と同様にして評
価を行った。結果を表2に示す。
【0054】<比較例2>ポリカーボネート樹脂よりな
るリッド材を作製し、耐熱性以外の項目について実施例
8と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0055】<比較例3>ポリメチルメタクリレート樹
脂よりなるリッド材を作製し、実施例8と同様にして評
価を行った。結果を表2に示す。
【0056】<比較例4>単量体組成物の調製におい
て、多官能性(メタ)アクリル酸エステル化合物として
ジエチレングリコールジメタクリレート100部、およ
び重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピバレート1
部を用いたこと以外は実施例1と同様にして重合体を
得、この重合体よりなるリッド材を作製し、実施例8と
同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
【0057】<比較例5>単量体組成物の調製におい
て、多官能性(メタ)アクリル酸エステル化合物として
トリエチレングリコールジメタクリレート30部、単官
能性(メタ)アクリル酸エステル化合物としてメチルメ
タクリレート10部、共重合性単量体としてスチレン6
0部、および重合開始剤としてt−ブチルパーオキシピ
バレート1部を用いたこと以外は実施例1と同様にして
共重合体を得、この共重合体よりなるリッド材を作製
し、実施例8と同様にして評価を行った。結果を表2に
示す。
【0058】
【表2】
【0059】表2から明らかなように実施例8〜12に
係るリッド材は、ガラス製のリッド材と比較して、同等
の透明性を有し、比重が小さく、切削加工に優れたもの
であることが確認された。また、ポリカーボネート製の
リッド材やポリメチルメタクリレート製のリッド材に比
較して成形歪みが小さく、切削加工性に優れ、しかも、
耐熱性、耐溶剤性および接着強靱性にも優れたものであ
ることが確認された。特に、実施例8〜12に係るリッ
ド材は、高温分解重合開始剤の存在下に、60℃以上の
温度条件で単量体混合物を共重合させて得られるアクリ
ル系架橋共重合体によって構成されているので、ビカッ
ト軟化点温度が150℃以上と極めて優れた耐熱性を有
すると共に、曲げ弾性率が3200MPa以上と優れた
機械的特性を有するものであった。
【0060】
【発明の効果】本発明による固体撮像素子(CCD)パ
ッケージ用プラスチック製リッド材は、比重が小さく、
成形加工性に優れ、しかも、透明性、接着強靱性、耐熱
性、寸法安定性、耐溶剤性にも優れたものである。ま
た、ウレタン結合を有する(メタ)アクリル酸エステル
化合物を特定の割合で含有してなる(メタ)アクリル酸
エステル系単量体を用いることにより、固体撮像素子
(CCD)パッケージ用リッド材として十分に高い強度
を有するものとなる。
【0061】本発明の製造方法によれば、単量体混合物
の共重合により、光学的平面を有するアクリル系架橋共
重合体の成形体が直接得られるので、表面研磨工程が不
要となり、その結果、固体撮像素子(CCD)パッケー
ジ用プラスチック製リッド材を容易に製造することがで
きる。また、高温分解重合開始剤の存在下に、60℃以
上の温度条件で単量体混合物を共重合させることによ
り、極めて優れた耐熱性および機械的特性(高い曲げ弾
性率)を有する固体撮像素子(CCD)パッケージ用プ
ラスチック製リッド材を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 23/31 H01L 23/30 R 27/14 27/14 D H04N 5/335

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多官能性(メタ)アクリル酸エステル化
    合物および単官能性(メタ)アクリル酸エステル化合物
    よりなる(メタ)アクリル酸エステル系単量体100質
    量部と、この(メタ)アクリル酸エステル系単量体と共
    重合可能な単量体0〜50質量部とよりなり、当該多官
    能性(メタ)アクリル酸エステル化合物の割合が10〜
    90質量%である単量体混合物をラジカル重合して得ら
    れるアクリル系架橋共重合体からなることを特徴とする
    固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチック製リ
    ッド材。
  2. 【請求項2】 単量体混合物が、イソシアネート化合物
    とヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとのウ
    レタン化反応により得られるウレタン結合を有する(メ
    タ)アクリル酸エステル化合物を20〜80質量%の割
    合で含有してなることを特徴とする請求項1に記載の固
    体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチック製リッ
    ド材。
  3. 【請求項3】 下記(1)〜(3)に示す条件を満足す
    ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体
    撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチック製リッド
    材。 (1)厚みが0.1〜3mmのシート状または板状の成
    形体から得られること。 (2)ビカット軟化点温度が130℃以上であること。 (3)曲げ弾性率が3000MPa以上であること。
  4. 【請求項4】 表面に光学的ローパス機能を有する回折
    格子が形成されていることを特徴とする請求項1に記載
    の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチック製
    リッド材。
  5. 【請求項5】 表面に光学的ローパス機能を有する回折
    格子層が積層されてなることを特徴とする請求項1に記
    載の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラスチック
    製リッド材。
  6. 【請求項6】 それぞれ一面に光学的平面を有する一対
    のモールド板を、それぞれの一面が互いに対向するよう
    配置することにより、キャビティーを形成し、このキャ
    ビティー内において、多官能性(メタ)アクリル酸エス
    テル化合物および単官能性(メタ)アクリル酸エステル
    化合物よりなる(メタ)アクリル酸エステル系単量体1
    00質量部と、この(メタ)アクリル酸エステル系単量
    体と共重合可能な単量体0〜50質量部とよりなり、当
    該多官能性(メタ)アクリル酸エステル化合物の割合が
    10〜90質量%である単量体混合物を共重合すること
    により、アクリル系架橋共重合体の成形体を得る工程を
    含むことを特徴とする固体撮像素子(CCD)パッケー
    ジ用プラスチック製リッド材の製造方法。
  7. 【請求項7】 10時間半減期分解温度が60℃以上で
    あるラジカル重合開始剤の存在下に、60℃以上の温度
    条件で単量体混合物を共重合することを特徴とする請求
    項6に記載の固体撮像素子(CCD)パッケージ用プラ
    スチック製リッド材の製造方法。
  8. 【請求項8】 一対のモールド板のうち少なくとも一方
    の一面に、回折格子のネガパターンが形成されているこ
    とを特徴とする請求項6に記載の固体撮像素子(CC
    D)パッケージ用プラスチック製リッド材の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012161100A1 (ja) * 2011-05-23 2012-11-29 パナソニック株式会社 メタクリル系樹脂組成物及びその成形体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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