JPH10130267A - ピラゾール誘導体およびそれを用いた除草剤 - Google Patents

ピラゾール誘導体およびそれを用いた除草剤

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JPH10130267A
JPH10130267A JP29150996A JP29150996A JPH10130267A JP H10130267 A JPH10130267 A JP H10130267A JP 29150996 A JP29150996 A JP 29150996A JP 29150996 A JP29150996 A JP 29150996A JP H10130267 A JPH10130267 A JP H10130267A
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compound
alkyl
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JP29150996A
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Mineyuki Kubota
峰行 窪田
Hiroshi Yamamoto
弘志 山本
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 トウモロコシなどの畑栽培作物やイネに対し
て薬害を及ぼさず、これらの作物の栽培時に発生する広
範な種類の雑草を一度にかつ低薬量にて除草可能なピラ
ゾール誘導体、およびそれを用いた除草剤を提供する。 【解決手段】 一般式(I) 〔式中、R1はアルキル基、アルケニル基など、R2は水
素原子、アルキル基など、Xはアルキル基、ハロアルキ
ル基など、ZはO、SOr又はNR3、Qは水素原子又
は基−A−B、DはC1〜3のアルキレン基、Yはオキソ
基、アルキル基など、mは0〜6の整数、nは0、1又
は2を示す〕で表されるピラゾール誘導体またはその
塩、および上記ピラゾール誘導体および/またはその塩
を有効成分として含有する除草剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なピラゾール誘
導体およびそれを用いた除草剤に関し、さらに詳しく
は、トウモロコシなどの畑栽培作物やイネに対して薬害
を及ぼすことなく、広範な種類の雑草を低薬量で除草し
うるピラゾール誘導体、およびこのピラゾール誘導体を
有効成分とする除草剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トウモロコシなどの栽培時にはト
リアジン系除草剤であるアトラジン(atrazine)や、酸
アニリド系除草剤であるアラクロール(alachlor)およ
びメトラクロール(metolachlor)が主として用いられ
てきたが、これらの除草剤は高薬量を必要とし、地下水
汚染等の環境問題を引き起こしている。
【0003】更に、特定系列の除草剤を長期にわたり使
用した場合、ある種の雑草がこの除草剤に対して耐性を
示すようになる事実も知られており、これら耐性雑草を
含む難防除雑草が無視できない存在になりつつある。こ
のことからも新規な骨格を有する除草性の化合物および
このような化合物を含む除草性組成物に対する要求は依
然高い。
【0004】上記のトリアジン系除草剤や酸アニリド系
除草剤に代るものとしてピラゾール系除草剤が知られて
おり、例えば下記に示す構造式のものが市販されてい
る。
【0005】
【化4】 しかしながら、これ等化合物はいずれも水稲用除草剤と
して使用されており、トウモロコシ等の畑作物栽培時に
使用された例はない。
【0006】また国際公開第WO93/18031号公
報には、除草活性を有するチオクロマン環を持つピラゾ
ール誘導体が開示されている。その代表化合物の構造を
以下に示す。
【0007】
【化5】 上記化合物は、低薬量で処理を行った場合、茎葉処理で
は良好な除草効果を示すが、土壌処理では茎葉処理に比
べて効果がやや不十分であるという欠点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、トウモロコシ等の畑栽培作物やイネに対して
薬害を及ぼさず、これ等作物の栽培時に発生する広範な
種類の雑草を一度にかつ低薬量にて除草可能な、新規ピ
ラゾール誘導体を提供することを第一の目的とする。
【0009】また、本発明は上記新規ピラゾール誘導体
を有効成分として含有する除草剤を提供することを第二
の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、前記国際公開
公報のピラゾール誘導体の構造式におけるチオクロマン
環の4位の炭素原子をヘテロ原子に変換した化合物が、
より低薬量の土壌処理や茎葉処理などにより広範な種類
の雑草を防除することができ、かつトウモロコシなどの
栽培作物やイネに対してより安全であることを見出し、
この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明の第一の目的は、一般式
(I)
【化6】 {式中、R1はC1〜C4アルキル基、C2〜C4アルケニ
ル基またはC2〜C4ハロアルケニル基;R2は水素原
子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基また
はC2〜C4アルコキシアルキル基;XはC1〜C4アルキ
ル基、C1〜C4ハロアルキル基、C2〜C4アルコキシア
ルキル基、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、C1
〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル
基、ニトロ基またはC1〜C4ハロアルコキシ基;pは
0、1、2または3;ZはO、SOrまたはNR3(た
だし、rは0、1または2、R3は水素原子、C1〜C4
アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルキ
ルスルホニル基、C1〜C4ハロアルキルスルホニル基ま
たはC1〜C4アルキルカルボニル基);Qは水素原子ま
たは基−A−B[式中、Aは
【化7】 4およびR5は、それぞれ独立して水素原子またはC1
〜C4アルキル基)で示される基であり、BはC1〜C12
アルキル基、C3〜C10シクロアルキル基または
【化8】 (WはC1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、
1〜C4アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子、
kは0、1または2)で示される基である。];DはC
1〜C3の飽和または不飽和のアルキレン基;YはDで示
されるアルキレン基の炭素原子に単結合または二重結合
を介して結合するオキソ基(=O)、C1〜C4アルキル
基、C1〜C4ハロアルキル基、C2〜C4アルコキシアル
キル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキ
シ基、ハロゲン原子または水酸基、mは0〜6の整数;
nは0、1または2である。}で示されるピラゾール誘
導体またはその塩(以下、「本発明のピラゾール誘導
体」ということがある)によって達成される。
【0012】また、本発明の第二の目的は、上記一般式
(I)で表されるピラゾール誘導体および/またはその
塩を有効成分として含有する除草剤(以下、「本発明の
除草剤」ということがある)によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】まず本発明のピラゾール誘導体に
ついて説明する。
【0014】本発明のピラゾール誘導体は一般式(I)
【化9】 で示される化合物である。
【0015】一般式(I)において、R1はC1〜C4
ルキル基、C2〜C4アルケニル基またはC2〜C4ハロア
ルケニル基である。C1〜C4アルキル基の具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基およびブチル基が
挙げられ、プロピル基およびブチル基は、直鎖状、環状
または分岐を有するものでもよい。C2〜C4アルケニル
基の具体例としては、例えばビニル基、アリル基、プロ
ペン−1−イル基、プロペン−2−イル基、n−1−ブ
テン−1−イル基、n−1−ブテン−2−イル基、n−
1−ブテン−3−イル基、n−1−ブテン−4−イル
基、n−2−ブテン−1−イル基、n−2−ブテン−2
−イル基、i−ブテン−1−イル基またはi−ブテン−
3−イル基等が挙げられる。C2〜C4ハロアルケニル基
は、上記C2〜C4アルケニル基中の1〜7個の水素原子
がハロゲン原子(例えば、塩素原子、フッ素原子、臭素
原子、沃素原子)で置換されたものである。
【0016】R1は好ましくはC1〜C4アルキル基であ
り、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
【0017】一般式(I)において、R2は水素原子、
1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基またはC
2〜C4アルコキシアルキル基である。C1〜C4アルキル
基の具体例は、R1において例示したとおりである。C1
〜C4ハロアルキル基は、上記C1〜C4アルキル基中の
1〜9個の水素原子がハロゲン原子(例えば、塩素原
子、フッ素原子、臭素原子、沃素原子)で置換されたも
のであり、その具体例としては−CF3、−C25、−
24F、−CH2Cl、−CHF2、−CCl3、−C2
3Cl2、−C232、−C223、−C22
3、−C36F、−C48F、−CH2Br、−CH2
I、−C343、−C463等が挙げられる。C2
4アルコキシアルキル基は、上記アルキル基中の1個
の水素原子がC1〜C3アルコキシ基(メトキシ基、エト
キシ基、n−プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基
のいずれか)で置換されたものであり、その具体例とし
ては、例えば−CH2−OCH3、−CH2−OC25
−CH2−OC37、−CH(CH3)OCH3、−CH
(CH3)OC25、−CH2CH2OCH3、−CH2
2OC25、−C(CH32OCH3、−CH2CH
(CH3)OCH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH3
が挙げられる。
【0018】R2は好ましくは水素原子またはメチル基
である。
【0019】一般式(I)において、XはC1〜C4アル
キル基、C1〜C4ハロアルキル基、C2〜C4アルコキシ
アルキル基、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、C
1〜C4アルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル
基、ニトロ基またはC1〜C4ハロアルコキシ基である。
1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基およびC
2〜C4アルコキシアルキル基の具体例については、R2
において例示したとおりである。ハロゲン原子の具体例
としては、例えば塩素原子、フッ素原子、臭素原子、沃
素原子が挙げられる。C1〜C4アルコキシ基の具体例と
しては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基および
ブトキシ基が挙げられ、プロポキシ基およびブトキシ基
は、直鎖状、環状または分岐を有するものでもよい。C
1〜C4ハロアルコキシ基は、C1〜C4アルコキシ基中の
1〜9個の水素原子がハロゲン原子(例えば、塩素原
子、フッ素原子、臭素原子、沃素原子)で置換されたも
のであり、例えば−OCF3、−OC25、−OC24
F、−OC24Cl、−OCHF2、−OCH2F、−O
CCl3、−OC23Cl2、−OC232、−OCH2
Br、−OCH2I等が挙げられる。
【0020】Xは好ましくはC1〜C4アルキル基または
ハロゲン原子であり、特に好ましくはメチル基または塩
素原子である。
【0021】一般式(I)において、pはXの置換数を
表し、0、1、2または3であり、好ましくは1または
2である。また、Xは、ベンゾチアゼピン類のような縮
合7員環化合物では、pが1の場合は6位、pが2の場
合は6位および9位に置換しているのが好ましい。ベン
ゾチアジン類のような縮合6員環化合物では、pが1の
場合は5位または8位、pが2の場合は5位および8位
に置換しているのが好ましい。
【0022】一般式(I)において、nは硫黄原子に結
合する酸素の数を表し、0、1または2である。すなわ
ち、nが0の場合はスルフィドを、nが1の場合はスル
ホキシドを、nが2の場合はスルホンを表す。nは、好
ましくは0または2であり、特に好ましくは2である。
【0023】一般式(I)において、Zは基O、SOr
またはNR3である。ここで、rは0、1または2を示
し、R3は水素原子、C1〜C4アルキル基、C1〜C4
ロアルキル基、C1〜C4アルキルスルホニル基、C1
4ハロアルキルスルホニル基またはC1〜C4アルキル
カルボニル基を示す。このC1〜C4アルキル基およびC
1〜C4ハロアルキル基は、前記R2において例示したと
おりである。Zは好ましくは基OまたはNR3であり、
そしてNR3である場合、R3としては水素原子、メチル
基、エチル基、n−プロピル基またはイソプロピル基が
好ましい。
【0024】一般式(I)において、Qは水素原子また
は基−A−Bを表す。このうち、Aは
【化10】 を示す。A中のR4およびR5は、それぞれ独立して水素
原子またはC1〜C4アルキル基であり、C1〜C4アルキ
ル基の具体例については、R1で例示したとおりであ
る。
【0025】一方、Bは、C1〜C12アルキル基、C3
10シクロアルキル基または
【化11】 で表される基である。C1〜C12アルキル基の具体例と
しては、R1で例示したC1〜C4アルキル基の具体例の
他、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が
挙げられ、炭素数3以上のものは分岐を有していてもよ
い。C3〜C10シクロアルキル基の具体例としては、例
えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオ
クチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げら
れ、シクロアルキル基の炭素数は上記のとおり3〜10
個であり、この炭素数の範囲でシクロアルキル基は1個
または2個以上のC1〜C4アルキル基が環に置換されて
いてもよい。
【0026】Bの一態様である
【化12】 で表される基において、WはC1〜C4アルキル基、C1
〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルキル基、ニトロ
基またはハロゲン原子である。C1〜C4アルキル基、C
1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルキル基およびハ
ロゲン原子の具体例としては、R2またはXで例示した
ものが挙げられる。
【0027】kはWの置換数を表し、0、1または2で
あり、好ましくは1である。Wはフェニル基の2〜6位
のいずれにも置換することができるが、好ましい置換位
置は4位である。
【0028】好ましくはBは、エチル基、n−プロピル
基、フェニル基、2−メチルフェニル基または4−メチ
ルフェニル基である。
【0029】Qの好ましいものは、水素原子、またはQ
が基−A−Bである場合には、Aが−SO2−であっ
て、Bがエチル基、n−プロピル基、2−メチルフェニ
ル基または4−メチルフェニル基の組み合わせ、および
Aがカルボニル基であって、Bがシクロヘキシル基の組
み合わせである。
【0030】一般式において、DはC1〜C3の飽和また
は不飽和のアルキレン基を示し、好ましくは飽和アルキ
レン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基
(トリメチレン基)である。Yは、上記Dで示されるア
ルキレン基の炭素原子に単結合または二重結合を介して
結合するオキソ基(=O)、C1〜C4アルキル基、C1
〜C4ハロアルキル基、C2〜C4アルコキシアルキル
基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキシ
基、ハロゲン原子または水酸基を示す。ここで、C1
4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、C2〜C4
ルコキシアルキル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4
ハロアルコキシ基およびハロゲン原子の具体例について
は、前記R2またはXで例示したとおりである。
【0031】mはYの置換数を示し、0〜6の整数であ
る。mが2以上の場合、複数のYは、たがいに同一であ
っても、異なっていてもよい。
【0032】このD、Yについて、好ましくは、mが0
で、DがC1〜C3の飽和アルキレン基である場合、また
はmが1でYがオキソ基(=O)であって、DがC1
3の飽和アルキレン基の場合である。特に好ましく
は、Dがエチレン基またはプロピレン基(トリメチレン
基)である。
【0033】ピラゾール−4’−イルカルボニル基は、
ベンゾチアゼピン類のような縮合7員環化合物では7位
または9位に、ベンゾチアジン類のような縮合6員環化
合物では6位または8位に置換しているのが好ましい。
【0034】一般式(I)で表されるピラゾール誘導体
のうち、Qが水素原子であるピラゾール誘導体、すなわ
ち一般式(Ia)で表される化合物には、以下の4つの
互変異性体が存在するが、これらのいずれも本発明のピ
ラゾール誘導体に包含される。
【0035】
【化13】 また、一般式(Ia)で表されるピラゾール誘導体は酸
性物質であり、塩基と処理することにより容易に塩とす
ることができ、この塩も本発明のピラゾール誘導体に包
含されるものである。
【0036】ここで塩基としては公知のものであれば制
限はないが、例えばアミン類やアニリン類などの有機塩
基やナトリウム化合物やカリウム化合物などの無機塩基
が挙げられる。アミン類としてモノアルキルアミン、ジ
アルキルアミン、トリアルキルアミンなどが挙げられ
る。アルキルアミン類中のアルキル基は通常C1〜C4
ある。アニリン類としてアニリンやモノアルキルアニリ
ン、ジアルキルアニリンなどが挙げられる。アルキルア
ニリン類中のアルキル基としては通常C1〜C4アルキル
基である。ナトリウム化合物としては水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウムなどがあり、カリウム化合物として
は水酸化カリウム、炭酸カリウムなどがある。
【0037】本発明の除草剤は、一般式(I)で表され
る本発明の新規なピラゾール誘導体および/またはその
塩を有効成分として含有するものであって、これらの化
合物を溶媒などの液状担体又は鉱物質微粉などの固体担
体と混合し、水和剤、乳剤、粉剤、粒剤などの形態に製
剤化して使用することができる。製剤化に際して乳化
性、分散性、展着性などを付与するためには界面活性剤
を添加すればよい。
【0038】本発明の除草剤を水和剤の形態で用いる場
合、通常は本発明のピラゾール誘導体やその塩10〜5
5重量%、固体担体40〜88重量%及び界面活性剤2
〜5重量%の割合で配合して組成物を調製し、これを用
いればよい。また、乳剤の形態で用いる場合、通常は本
発明のピラゾール誘導体やその塩20〜50重量%、溶
剤35〜75重量%及び界面活性剤5〜15重量%の割
合で配合して調製すればよい。
【0039】一方、粉剤の形態で用いる場合、通常は本
発明のピラゾール誘導体やその塩1〜15重量%、固体
担体80〜97重量%及び界面活性剤2〜5重量%の割
合で配合して調製すればよい。さらに、粒剤の形態で用
いる場合は、本発明のピラゾール誘導体やその塩1〜1
5重量%、固体担体80〜97重量%及び界面活性剤2
〜5重量%の割合で配合して調製すればよい。ここで固
体担体としては鉱物質の微粉が用いられ、この鉱物質の
微粉としては、例えばケイソウ土、消石灰などの酸化
物、リン灰石などのリン酸塩、セッコウなどの硫酸塩、
タルク、パイロフェライト、クレー、カオリン、ベント
ナイト、酸性白土、ホワイトカーボン、石英粉末、ケイ
石粉などのケイ酸塩などを挙げることができる。
【0040】また溶剤としては有機溶媒が用いられ、具
体的にはベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素、o−クロロトルエン、トリクロロエタン、トリ
クロロエチレンなどの塩素化炭化水素、シクロヘキサノ
ール、アミルアルコール、エチレングリコールなどのア
ルコール、イソホロン、シクロヘキサノン、シクロヘキ
セニル−シクロヘキサノンなどのケトン、ブチルセロソ
ルブ、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなどの
エーテル、酢酸イソプロピル、酢酸ベンジル、フタル酸
メチルなどのエステル、ジメチルホルムアミドなどのア
ミドあるいはこれらの混合物を挙げることができる。
【0041】さらに、界面活性剤としては、アニオン
型、ノニオン型、カチオン型あるいは両性イオン型(ア
ミノ酸、ベタインなど)のいずれも用いることもでき
る。
【0042】本発明の除草剤には、有効成分として前記
一般式(I)で表わされるピラゾール誘導体やその塩と
共に、必要に応じ他の除草活性成分を含有させることが
できる。このような他の除草活性成分としては、従来公
知の除草剤、例えばフェノキシ系、ジフェニルエーテル
系、トリアジン系、尿素系、カーバメート系、チオール
カーバメート系、酸アニリド系、ピラゾール系、リン酸
系、スルホニルウレア系、オキサジアゾン系などを挙げ
ることができ、これらの除草剤の中から適宜選択して用
いることができる。
【0043】さらに、本発明の除草剤は必要に応じて殺
虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤、肥料などと混用するこ
とができる。
【0044】本発明の式(I)で示される新規ピラゾー
ル誘導体は、下記方法によって製造される。
【0045】
【化14】 反応式中、R1、R2、D、X、Y、Z、B、A、m、n
およびpは、一般式(I)のピラゾール誘導体において
定義したとおりであり、Halはハロゲン原子を表
す。) 一般式(I)のピラゾール誘導体において、Qが水素原
子である化合物[式(Ia)のピラゾール誘導体]は、
一般式(II)で示されるカルボン酸と一般式(III)で
示されるピラゾール化合物をエステル縮合させる工程1
−aおよび縮合したエステル体を転位させる工程1−b
によって製造される。
【0046】また、Qが基−A−Bである化合物(式
(Ie)のピラゾール誘導体)は、工程1で得られた式
(Ia)のピラゾール誘導体の水酸基に、さらに基−A
−Bを導入する工程2によって製造される。以下、各工
程を詳細に説明する。
【0047】工程1 (工程1−a)一般式(II)の化合物と一般式(III)
の化合物とを脱水剤、例えばDCC(N,N′−ジシク
ロヘキシルカルボジイミド)、CDI(1,1′−カル
ボニルジイミダゾール)、EDC(1−(3−ジメチル
アミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)等の存
在下、不活性溶媒中で反応させてピラゾールエステル体
(IV)を製造する。
【0048】この反応において、一般式(III)の化合
物は一般式(II)の化合物に対して1.0〜3.0倍モ
ル当量使用するのが好ましい。脱水剤は一般式(II)の
化合物に対して1.0〜1.5倍モル当量使用するのが
好ましい。不活性溶媒としては、反応に不活性なもので
あれば特に制限はないが、t−ブチルアルコール、t−
アミルアルコール、i−プロパノール等の2級ないし3
級アルコール、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタ
ン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン系溶
媒、およびジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶
媒が好ましい。反応温度は−20℃〜溶媒の沸点まで可
能であるが、室温付近(10〜30℃)が好ましい。
【0049】または、一般式(II)の化合物に、例えば
塩化チオニル、オキシ塩化リン、三臭化リン等のハロゲ
ン化剤を不活性溶媒中で作用させ、対応する酸ハライド
へと変換した後、一般式(III)の化合物と塩基の存在
下、不活性溶媒中で反応させてピラゾールエステル体
(IV)を製造することも可能である。
【0050】この反応において、ハロゲン化剤は一般式
(II)の化合物に対して1.0モル当量以上使用するの
が好ましい。反応溶媒としてはハロゲン化剤である塩化
チオニルを過剰量使用することも可能である。不活性溶
媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限はな
いが、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、四塩化
炭素、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、またはトル
エン、キシレン等の芳香族系炭化水素が好ましい。反応
温度は室温〜溶媒の沸点まで可能であるが、50〜10
0℃が好ましい。
【0051】一般式(III)の化合物は、得られた酸ハ
ライドに対して1.0〜3.0倍モル当量使用するのが
好ましい。塩基は、特に限定されないが、トリエチルア
ミン、ピリジン等の有機塩基または炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等の無機塩基を酸ハライドに対して1.0〜
3.0倍規定当量使用するのが好ましい。エステル化の
際用いる不活性溶媒としては、反応に不活性なものであ
れば特に制限はないが、塩化メチレン、1,2−ジクロ
ロエタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン
系溶媒、またはジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテ
ル系溶媒が好ましい。反応温度は−20℃〜溶媒の沸点
まで可能であるが、−20〜20℃が好ましい。
【0052】なお上記の反応において、反応試剤として
用いられる一般式(III)で表されるピラゾール化合物
は、例えば特開昭61−257974号公報に記載の方
法により合成できる。
【0053】(工程1−b)一般式(V)のピラゾール
エステル体を塩基の存在下、不活性溶媒中で反応させて
一般式(Ia)で示されるピラゾール誘導体を製造す
る。このとき、反応系内にいわゆるシアン化物源を共存
させることにより、転位反応をより穏和な温度条件下で
進行させることができる。
【0054】シアン化物源とは、反応系内にシアンイオ
ンを発生しうる化合物のことであり、例えばアセトンシ
アンヒドリン等のような有機シアンヒドリン化合物を指
す。または青酸ナトリウム、青酸カリウム等の無機シア
ン化合物と、18−クラウン−6、ベンゾ−18−クラ
ウン−6等、金属イオン包接型の相間移動触媒とを併用
することにより有機溶媒中にシアンイオンを発生させる
こともできる。
【0055】この反応に用いる塩基は、特に限定されな
いが、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基または
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基を、ピラゾ
ールエステル体に対して1.0〜3.0倍規定当量使用
するのが好ましい。シアン化物源は、反応に必ずしも必
要とするものではないが、使用する場合はピラゾールエ
ステル体に対して0.01〜0.2倍モル当量用いるの
が好ましい。不活性溶媒は反応に不活性なものであれば
特に制限はないが、ジオキサンまたはアセトニトリルが
好適である。シアン化物源を共存させる場合には室温付
近が好ましく、共存なき場合には50〜130℃が好ま
しい。
【0056】特に好ましい条件は、シアン化物源を使用
する場合はアセトニトリル溶媒中、室温付近(10〜2
5℃)にてトリエチルアミンを塩基として用いる条件で
あり、シアン化物源を使用しない場合はジオキサン溶媒
中、溶媒沸点(100℃付近)にて炭酸カリウムを塩基
として用いる条件である。
【0057】(工程1−a,b)上記反応スキーム中の
工程1−aおよび工程1−bにおいて好適な反応試薬お
よび条件を使用することにより、中間体であるピラゾー
ルエステル体を単離することなく、一反応にて一般式
(Ia)のピラゾール誘導体を製造することも可能であ
る。例えば、工程1−aにおける脱水剤としてDCCを
使用し、一般式(II)の化合物と一般式(III)の化合
物とをDCCおよび塩基の存在下、不活性溶媒中で反応
させる方法がある。
【0058】この反応において、一般式(III)の化合
物は一般式(II)の化合物に対して1.0〜3.0倍モ
ル当量使用するのが好ましい。DCCは一般式(II)の
化合物に対し、1.0〜1.5倍モル当量使用するのが
好ましい。DCCとともに用いられる塩基は特に限定さ
れないが、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を一般式
(II)の化合物に対して0.5〜2.0倍モル当量用い
るのが好ましい。不活性溶媒は、反応に不活性なもので
あれば特に制限はないが、t−ブチルアルコール、t−
アミルアルコール、i−プロパノール等の2級ないし3
級アルコールが好ましい。反応温度は室温から溶媒の沸
点まで可能であるが、50〜100℃が好ましい。
【0059】工程2 工程1で得られた化合物(Ia)を塩基の存在下、一般
式(VI)で示されるB−A−Hal(A、BおよびHa
lは先に定義したものを表す。)と不活性溶媒中で反応
させて化合物(Id)を得る。
【0060】この工程においては、化合物(Ia)と化
合物(VI)のモル比率は1:1〜1:3とするのが好ま
しく、また反応により副生するハロゲン化水素を捕捉す
るために、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチル
アミン、ピリジン等の塩基を一般式(Ia)の出発物質
に対してモル比率で当量以上用いるのが好ましい。反応
温度は、室温から用いる溶媒の沸点までの範囲とするの
が好ましい。また、反応に用いる溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル等
のエーテル系、メチルエチルケトン等のケトン系、塩化
メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙
げられる。また、これらの溶媒と水から成る二相系溶媒
を用いることもでき、この場合、反応系内に例えばクラ
ウンエーテル、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等
の相間移動触媒を加えることにより好ましい結果が得ら
れる。
【0061】上記一般式(I)のピラゾール誘導体の製
法における出発原料である一般式(II)で表される芳香
族カルボン酸のうち、Dがトリメチレン基であり、かつ
Yのうちの1つがZに隣接する炭素原子に結合している
オキソ基(=O)である化合物(IIa)は種々の方法で
製造可能であるが、例えば後記する参考製造例1〜3の
方法により合成したチオクロマン−4−オン誘導体
(a)を原料に用いて、下記の方法により合成すること
ができる。
【0062】
【化15】 (反応式中、R6はC1〜C4アルキル基、Y1はYの中か
らオキソ基(=O)を除いた基、sは0〜4の整数を示
し、X、R3、nおよびpは前記と同じである。) 〈オキシム化工程〉一般式(a)で表されるチオクロマ
ン−4−オン誘導体とヒドロキシルアミン塩を、ピリジ
ン、アニリン、アルキルアミン、酢酸ナトリウム、炭酸
ナトリウムなどの塩基、または塩酸などの酸の存在下、
溶媒(水または有機溶媒)中、室温から溶媒の還流温度
までの範囲の温度で反応させることにより、一般式
(b)で表されるチオクロマン−4−ヒドロキシイミノ
誘導体(オキシム体)に導く。
【0063】〈ベックマン転位工程〉上記オキシム化工
程で得られた一般式(b)で表されるチオクロマン−4
−ヒドロキシイミノ誘導体を、例えば硫酸、塩酸、ギ
酸、ポリリン酸、三フッ化ホウ素、p−トルエンスルホ
ニルクロリドなどの酸の存在下、不活性溶媒中若しくは
無溶媒で加熱し、あるいはピリジンなどの塩基性条件
下、p−トルエンスルホニル酸クロリドなどの触媒を用
いて加熱し、ベックマン転位を行うことにより、一般式
(c)で表されるベンゾチアゼピン誘導体に導く。
【0064】〈N−アルキル化工程〉上記ベックマン転
位工程で得られた一般式(c)で表されるベンゾチアゼ
ピン誘導体を、不活性溶媒中、水素化ナトリウムなどの
塩基の存在下で、アルキルハライドまたはジアルキル硫
酸などのアルキル化剤と氷冷下ないし溶媒の還流温度に
て反応させることにより、一般式(d)で表されるN−
アルキルベンゾチアゼピン誘導体に導く。
【0065】〈加水分解工程〉最後に、上記N−アルキ
ル化工程で得られた一般式(d)で表されるN−アルキ
ルベンゾチアゼピン誘導体を、通常のエステル加水分解
条件、例えばメタノール、エタノール、エチレングリコ
ールなどのアルコール溶媒中または水中において、エス
テルに対して1〜5倍モル当量の水酸化カリウムや水酸
化ナトリウムなどのアルカリと、室温ないし溶媒の還流
温度の範囲で反応させることにより、一般式(IIa)で
表されるカルボン酸が得られる。
【0066】一方、一般式(II)で表される芳香族カル
ボン酸のうち、Dがエチレン基であり、かつYのうちの
1つがZに隣接する炭素原子に結合しているオキソ基
(=O)である化合物(IIb)は、種々の方法で製造可
能であるが、例えば下記の方法で合成することができ
る。
【0067】
【化16】 (反応式中、R7はC1〜C4アルキル基、Y2はYの中か
らオキソ基(=O)を除いた基、Halはハロゲン原
子、tは0〜2の整数を示し、X、R3およびpは前記
と同じである。) 〈環化反応工程〉文献既知の方法により合成した一般式
(e)で表されるアミノチオフェノール誘導体と一般式
(f)で表される化合物を、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、エ
タノール、エチレングリコールなどの不活性溶媒中、室
温ないし還流温度で反応させることにより、一般式
(g)で表されるベンゾチアジン−3−オン誘導体に導
く。なお、合成したアミノチオフェノール誘導体は単離
することなく、化合物(f)を反応させても、化合物
(g)を得ることができる。
【0068】〈フリーデルクラフツ反応工程〉上記環化
反応工程で得られた一般式(g)で表されるベンゾチア
ジン−3−オン誘導体に対して、フリーデルクラフツ反
応を行うことにより、一般式(h)で表される化合物に
導く。このフリーデルクラフツ反応は一般によく知られ
た反応であり、反応条件などは、例えば「新実験化学講
座14、有機化合物の合成と反応II、799ページ(丸
善)」などに詳しく記載されており、これに従って行う
ことができる。
【0069】〈キング反応工程〉最後に、上記フリーデ
ルクラフッ反応工程で得られた一般式(h)で示される
化合物に対して、キング反応を行うことにより、一般式
(IIb)で表されるカルボン酸が得られる。このキング
反応については、例えば「J.Am.Chem.So
c.(ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・
ソサエティ)」第66巻、第1612ページ(1944
年)および同第73巻、第3803ページ(1951
年)に詳しく記載されており、これに従って行うことが
できる。
【0070】次に、本発明の一般式(I)で表されるピ
ラゾール誘導体の例を、表1、表2および表3に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】なお、表中において、Etはエチル基を、
n−Prはn−プロピル基を示す。
【0075】
【実施例】次に、本発明を製造参考例(出発原料の製造
例)、製造実施例(本発明化合物の製造例)および除草
剤実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、こ
れらの例によってなんら限定されるものではない。
【0076】(参考製造例1) 6−カルボキシル−8−クロロ−5−メチルチオクロマ
ン−4−オン1−1) 3−(2−クロロ−4−エトキシカルボニル
−5−メチルフェニルチオ)プロピオン酸の合成 4,5−ジクロロ−o−トルイル酸エチル53.7g
(231mmol)、炭酸カリウム37.0g(1.1
当量,268mmol)およびDMF215mlからな
る溶液に室温で3−メルカプトプロピオン酸23.4m
l(1.1当量,268mmol)を加えた後、120
〜125℃で2時間20分加熱撹拌した。約50℃に冷
却し、酢酸エチル、水を加えた後、DMF及び中性成分
を除くために酢酸エチルで4回、ヘキサンで1回洗浄し
た。水相に濃塩酸を加え、結晶を析出させ、しばらく放
置した後、結晶を濾取し、3回水洗した。結晶を酢酸エ
チルに溶解し、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナト
リウム上で乾燥した。溶媒を減圧留去し、3−(2−ク
ロロ−4−エトキシカルボニル−5−メチルフェニルチ
オ)プロピオン酸50.4g(収率60%)を得た。
【0077】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ 1.39(3H,t),2.58(3H,s),2.91(2H,t),3.26(2H,t),4.34(2
H,q),7.08(1H,s),7.92(1H,s)1−2) 8−クロロ−6−エトキシカルボニル−5−
メチルチオクロマン−4−オンの合成 80〜85℃に加温した20重量%P25含有ポリリン
酸167gに3−(2−クロロ−4−エトキシカルボニ
ル−5−メチルフェニルチオ)プロピオン酸47.7g
(157mmol)を加えた後、1時間20分間加熱撹
拌した。室温まで放冷後、反応溶液を炭酸ナトリウム1
91g(1.80mol)と氷に徐々に加え、室温で炭
酸ナトリウムがほぼ溶解するまで撹拌した。酢酸エチル
で2回抽出し、炭酸ナトリウム水溶液で2回、水で2
回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で
乾燥した。溶媒を減圧留去し、8−クロロ−6−エトキ
シカルボニル−5−メチルチオクロマン−4−オン4
1.3g(収率85%)を得た。
【0078】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ 1.38(3H,t),2.58(3H,s),2.9-3.1(2H,m),3.3-3.5(2H,m),
4.34(2H,q),7.81(1H,s)1−3) 6−カルボキシル−8−クロロ−5−メチル
チオクロマン−4−オンの合成 8−クロロ−6−エトキシカルボニル−5−メチルチオ
クロマン−4−オン2.0g(7.0mmol)を酢酸
10mlに溶かし、4N塩酸水溶液10mlを加えて5
時間加熱還流した。室温まで放冷後、反応溶液を水約1
00mlで希釈し、析出した固体を酢酸エチルで抽出し
た。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で有機相からカルボ
ン酸成分を抽出し、水相を5重量%塩酸水溶液で中和、
酸性化した。析出した固体を酢酸エチルで抽出し、有機
相を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥
した後、溶媒を減圧下留去することにより、白色固体状
の6−カルボキシル−8−クロロ−5−メチルチオクロ
マン−4−オン1.6g(収率90%)を得た。
【0079】mp.:190.0〜191.8℃1 H−NMRppm(アセトン−d6、TMS):δ 2.63(3H,s),3.01-3.11(2H,m),3.31-3.42(2H,m),7.90(1
H,s) (参考製造例2) 6−エトキシカルボニル−5,8−ジメチルチオクロマ
ン−4−オン2−1)3−(4−エトキシカルボニル−2,5−ジメ
チルフェニルチオ)プロピオン酸の合成 N,N−ジメチルホルムアミド400mlに70重量%
水硫化ナトリウム47g(607mmol)およびトル
エン200mlを加え、2時間加熱還流しつつ系内の水
分を留去した。放冷中混合物の温度が100℃付近まで
低下した時点で、4−ブロモ−2,5−ジメチル安息香
酸エチル54g(210mmol)を加え、同温にて6
時間反応させた、室温まで冷却後、アクリル酸42ml
(607mmol)を滴下し、次いでトリエチルアミン
84ml(607mmol)を滴下した後更に室温にて
約1日間撹拌した。上記反応操作は全て窒素ガス雰囲気
下にて行った。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで4
回、次いでn−ヘキサンで1回洗浄し、水相を12N塩
酸水溶液により酸性化した。析出した固体を減圧濾過に
より採取し水で洗浄した後、酢酸エチルに溶解させ、飽
和食塩水で洗浄し無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。
溶媒を減圧下留去することにより標題化合物34.3g
(収率58%)を得た。
【0080】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ 1.35(3H,t),2.29(3H,s),2.55(3H,s),2.72(2H,t),3.30(2
H,t),4.30(2H,q),7.25(1H,s),7.71(1H,s)2−2)6−エトキシカルボニル−5,8−ジメチルチ
オクロマン−4−オンの合成 20重量%P25含有ポリリン酸100gに3−(4−
エトキシカルボニル−2,5−ジメチルフェニルチオ)
プロピオン酸21.5g(64mmol)を加え、室温
にて混和した後40℃で2時間加熱撹拌した。放冷後、
反応液を氷水に徐々に加え、酢酸エチルで抽出し、有機
相を1重量%炭酸ナトリウム水溶液で2回、次いで水で
2回、飽和食塩水で1回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上
で乾燥させた。溶媒を減圧下留去することにより標題化
合物14.6g(収率86%)を得た。
【0081】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ 1.39(3H,t),2.30(3H,s),2.64(3H,s),2.9-3.4(4H,m),4.3
5(2H,q),7.56(1H,s) (参考製造例3)5−クロロ−6−エトキシカルボニル−8−メチルチオ
クロマン−4−オンの合成 参考製造例1−1における出発原料である4−ブロモ−
2,5−ジメチル安息香酸エチルの代わりに4−ブロモ
−6−クロロ−m−トルイル酸エチルを用いた以外は参
考製造例1−1および1−2と同様な操作を行い、標題
化合物を得た。
【0082】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ 1.39(3H,t),2.28(3H,s),2.9-3.4(4H,m),4.37(2H,q),7.4
7(1H,s) (製造実施例1)化合物11−1)オキシム化 5,8−ジメチル−6−エトキシカルボニルチオクロマ
ン−4−オン3.2g(12mmol)をエタノール−
水(3:1v/v)50mlに溶かし、ヒドロキシルア
ミン塩酸塩2.0g(2.4eq,29mmol)と酢
酸ナトリウム3.0g(3.0eq,36mmol)を
加え、4時間加熱還流した。反応終了後、水100ml
を加えた。その後、酢酸エチルで3回抽出した。有機層
を5重量%塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた粗生成物を酢
酸エチル/n−ヘキサンから再結晶させて、5,8−ジ
メチル−6−エトキシカルボニル−4−ヒドロキシイミ
ノチオクロマン3.1g(収率92%)を得た。
【0083】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ1.39(t,3H),2.31(s,3H),2.62(s,3H),2.80-3.00
(m,2H),3.10-3.30(m,2H),4.35(q,2H),7.56(s,1H)1−2)ベックマン転位 5,8−ジメチル−6−エトキシカルボニル−4−ヒド
ロキシイミノチオクロマン2.9g(10mmol)と
ポリリン酸30gの混合物を100℃の油浴中で10分
間加熱撹拌した。反応終了後、反応混合物を氷水中に加
えた。その後、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽
和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒
を留去することにより、6,9−ジメチル−7−エトキ
シカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オン
2.4g(収率83%)を得た。
【0084】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ1.40(t,3H),2.42(s,3H),2.53(s,3H),2.53(t,2
H),3.38(t,2H),4.38(q,2H),7.59(s,1H),8.33(bs,1H)1−3)加水分解 6,9−ジメチル−7−エトキシカルボニル−1,5−
ベンゾチアゼピン−4−オン2.3g(8.3mmo
l)をメタノール−水(3:1v/v)50mlに溶か
し、水酸化カリウム0.55gを加え、40℃で5時間
加熱撹拌した。反応終了後、水50mlを加えてジクロ
ロメタンで水層を洗浄した。水層を濃塩酸で中和し、酢
酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られた
粗生成物を酢酸エチル−n−ヘキサンから再結晶させ
て、6,9−ジメチル−7−カルボキシル−1,5−ベ
ンゾチアゼピン−4−オン1.7g(収率83%)を得
た。
【0085】1H−NMRppm(アセトン−d6、TM
S):δ2.48(t,3H),2.53(2s,6H),3.39(t,2H),7.69(s,1
H)1−4)エステル化 6,9−ジメチル−7−カルボキシル−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4−オン0.80g(3.2mmol)を
ジクロロメタン10mlに溶かし、1−エチル−5−ヒ
ドロキシ−ピラゾール0.40g(1.1eq,3.6
mmol)、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド
0.80g(1.2eq,3.9mmol)を加え、室
温で1日間撹拌した。その後、不溶物をろ過により、除
去した後、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、溶媒を留去することにより、6,9−ジメチル
−7−(1′−エチル−ピラゾール−5′−イル)オキ
シカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オン
1.1g(収率100%)を得た。
【0086】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ1.46(t,3H),2.54(t,2H),2.60(2s,6H),3.43(t,2
H),4.11(q,2H),6.21(d,1H),7.49(d,1H),7.84(s,1H)1−5)転位反応 6,9−ジメチル−7−(1′−エチル−ピラゾール−
5′−イル)オキシカルボニル−1,5−ベンゾチアゼ
ピン−4−オン1.1g(3.2mmol)をアセトニ
トリル10mlに溶かし、トリエチルアミン0.64g
(2.0eq,6.3mmol)、アセトンシアンヒド
リン3滴を加え、室温で1日間撹拌した。反応終了後、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で抽出し、塩化メチレン
で水層を洗浄した。水層を2%塩酸で中和し、酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去することにより、6,
9−ジメチル−7−(1′−エチル−5′−ヒドロキシ
ピラゾール−4′−イル)カルボニル−1,5−ベンゾ
チアゼピン−4−オン0.89g(収率81%)を得
た。
【0087】1H−NMRppm(アセトン−d6、TM
S):δ1.40(t,3H),2.33(s,3H),2.49(t,2H),2.55(s,3
H),3.39(t,2H),4.05(q,2H),7.33(s,1H),7.41(s,1H) IR(KBr):3100,3000,1720,1645,1410,895cm-1 (製造実施例2)化合物2 製造実施例1で得られた6,9−ジメチル−7−(1′
−エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′−イル)
カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オン0.
52g(1.5mmol)を、酢酸3.0mlに溶か
し、30%過酸化水素水溶液0.35ml(2.0e
q,3.1mmol)を加え、70℃で2時間加熱撹拌
した。反応終了後、水10mlを加えた。その後、酢酸
エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。得られ
た粗生成物を酢酸エチル−n−ヘキサンから再結晶させ
て、6,9−ジメチル−7−(1′−エチル−5′−ヒ
ドロキシピラゾール−4′−イル)カルボニル−1,5
−ベンゾチアゼピン−4−オン−1,1−ジオキシド
0.36g(収率63%)を得た。
【0088】1H−NMRppm(アセトン−d6、TM
S):δ1.26(t,3H),2.28(s,3H),2.55(t,2H),2.59(s,3
H),3.68(t,2H),3.91(q,2H),7.05(s,1H),7.25(s,1H) IR(KBr):3250,3000,1695,1630,1440,1320,118
5,870cm-1 mp.113-117℃ (製造実施例3)化合物3 製造実施例1で得られた6,9−ジメチル−7−(1′
−エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′−イル)
カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オン0.
11g(0.32mmol)を塩化メチレン2mlに溶
解し、続いて炭酸カリウム0.06g(0.43mmo
l)を水2mlに溶解して加え、さらにn−プロパンス
ルホニルクロリド0.09g(0.63mmol)と塩
化ベンジルトリエチルアンモニウム(触媒量)を加え
た。これを室温で1日間反応させ、反応終了後、塩化メ
チレン層を分取し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた
後、減圧下で溶媒を留去した。得られたオイルをシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、6,9−ジメ
チル−7−(1′−エチル−5′−n−プロパンスルホ
ニルオキシピラゾール−4′−イル)カルボニル−1,
5−ベンゾチアゼピン−4−オン0.14g(収率97
%)を得た。
【0089】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ1.18(t,3H),1.52(t,3H),2.00-2.30(m,2H),2.31
(s,3H),2.54(t,2H),2.54(s,3H),3.40(t,2H),3.60-3.85
(m,2H),4.23(q,2H),7.19(s,1H),7.51(s,1H),8.70(bs,1
H) IR(KBr):3500,3000,1695,1460,1400,1195cm-1 (製造実施例4)化合物44−1)アルキル化 60重量%水素化ナトリウム0.14g(2.0eq,
3.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド2m
lに分散させ、氷冷下で6,9−ジメチル−7−エトキ
シカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オン
0.49g(1.8mmol)を加えた、そのまま1時
間撹拌し、水素の発生が収まった後、ヨウ化メチル0.
22ml(2.0eq,3.5mmol)を加え、1時
間撹拌した。反応終了後、反応混合物を水10mlに加
えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去し、得
られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
で精製し、5,6,9−トリメチル−7−エトキシカル
ボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オン0.44
g(収率86%)を得た。
【0090】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ1.41(t,3H),2.47(s,3H),2.53(s,3H),2.53(t,2
H),3.13(s,3H),3.27(t,2H),4.39(q,2H),7.70(s,1H)4−2)加水分解 製造実施例1−3にて用いた6,9−ジメチル−7−エ
トキシカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オ
ンの代わりに、5,6,9−トリメチル−7−エトキシ
カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンを用
いた以外は製造実施例1−3と同様に操作を行い、5,
6,9−トリメチル−7−カルボキシル−1,5−ベン
ゾチアゼピン−4−オンを得た。(収率85%)1 H−NMRppm(アセトン−d6、TMS):δ2.30
-2.60(m,2H),2.49(s,3H),2.53(s,3H),3.07(s,3H),3.20-
3.40(m,2H),7.81(s,1H)4−3)エステル化 製造実施例1−4にて用いた6,9−ジメチル−7−カ
ルボキシル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンの代
わりに、5,6,9−トリメチル−7−カルボキシル−
1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンを用いた以外は製
造実施例1−4と同様に操作を行い、5,6,9−トリ
メチル−7−(1′−エチル−ピラゾール−5′−イ
ル)オキシカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4
−オンを得た。(収率48%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.47(t,3
H),2.56(s,3H),2.55(t,2H),2.59(s,3H),3.15(s,3H),3.2
6(t,2H),4.11(q,2H),6.21(d,1H),7.50(d,1H),7.95(s,1
H)4−4)転位反応 製造実施例1−5にて用いた6,9−ジメチル−7−
(1′−エチル−ピラゾール−5′−イル)オキシカル
ボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンの代わり
に、5,6,9−トリメチル−7−(1′−エチル−ピ
ラゾール−5′−イル)オキシカルボニル−1,5−ベ
ンゾチアゼピン−4−オンを用いた以外は製造実施例1
−5と同様に操作を行い、5,6,9−トリメチル−7
−(1′−エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′
−イル)カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−
オンを得た。(収率71%)1 H−NMRppm(アセトン−d6、TMS):δ1.47
(t,3H),2.34(s,3H),2.55(t,2H),2.55(s,3H),3.18(s,3
H),3.25(t,2H),4.09(q,2H),7.37(s,1H),7.43(s,1H) IR(KBr):3450,2975,2950,1660,1630,870cm-1 (製造実施例5)化合物5 製造実施例3にて用いた6,9−ジメチル−7−(1′
−エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′−イル)
オキシカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オ
ンの代わりに製造実施例4で得られた5,6,9−トリ
メチル−7−(1′−エチル−5′−ヒドロキシピラゾ
ール−4′−イル)カルボニル−1,5−ベンゾチアゼ
ピン−4−オンを用いた以外は製造実施例3と同様に操
作を行い、5,6,9−トリメチル−7−(1′−エチ
ル−5′−n−プロパンスルホニルオキシピラゾール−
4′−イル)カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−
4−オンを得た。(収率82%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.19(t,3
H),1.52(t,3H),1.90-2.30(m,2H),2.53(s,3H),2.54(t,2
H),3.16(s,3H),3.32(t,2H),3.65-3.90(m,2H),4.23(q,2
H),7.28(s,1H),7.50(s,1H) IR(KBr):3550,3000,1680,1560,1400,1195cm-1 (製造実施例6)化合物6 製造実施例5にて用いたn−プロパンスルホニルクロラ
イドの代わりに、p−トルエンスルホニルクロリドを用
いた以外は製造実施例5と同様に操作を行い、5,6,
9−トリメチル−7−(1′−エチル−5′−p−トル
エンスルホニルオキシピラゾール−4′−イル)カルボ
ニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンを得た。
(収率80%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.46(t,3
H),2.24(s,3H),2.48(s,3H),2.37-2.58(m,2H),3.19-3.36
(m,2H),4.06(q,2H),7.18(s,1H),7.40(d,2H),7.64(s,1
H),7.87(d,2H) IR(KBr):3500,3000,1680,1560,1400,1195cm-1 (製造実施例7)化合物7 製造実施例4で得られた5,6,9−トリメチル−7−
(1′−エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′−
イル)カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オ
ン0.30g(0.83mmol)をジクロロエタン
1.6mlに溶解し、ピリジン0.11ml(1.4m
mol)を加え、さらにシクロヘキサンカルボニルクロ
リド0.15g(1.0mmol)を加えた。これを室
温で8時間反応させ、反応終了後、塩化メチレン層を分
取し、5重量%塩酸、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥させた後、減圧下で溶媒を留去した。得
られたオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで
精製し、5,6,9−トリメチル−7−(1′−エチル
−5′−シクロヘキサンカルボニルオキシピラゾール−
4′−イル)カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−
4−オン0.34g(収率87%)を得た。
【0091】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ1.18-2.0(m,11H),1.44(t,3H),2.24(s,3H),2.51
(s,3H),2.50-2.71(m,2H),3.22-3.34(m,2H),4.52(q,2H),
7.25(s,1H),7.58(s,1H) IR(KBr):3500,2950,1800,1680,1560,880cm-1 (製造実施例8)化合物88−1)オキシム化 製造実施例1−1にて用いた5,8−ジメチル−6−エ
トキシカルボニルチオクロマン−4−オンの代わりに、
5−クロロ−8−メチル−6−エトキシカルボニルチオ
クロマン−4−オンを用いた以外は製造実施例1−1と
同様に操作を行い、5−クロロ−8−メチル−6−エト
キシカルボニル−4−ヒドロキシイミノチオクロマンを
得た。(収率89%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.39(t,3
H),2.30(s,3H),2.89-3.02(m,2H),3.14-3.22(m,2H),4.39
(q,2H),7.42(s,1H)8−2)ベックマン転位 製造実施例1−2にて用いた5,8−ジメチル−6−エ
トキシカルボニル−4−ヒドロキシイミノチオクロマン
の代わりに、5−クロロ−8−メチル−6−エトキシカ
ルボニル−4−ヒドロキシイミノチオクロマンオンを用
いた以外は製造実施例1−2と同様に操作を行い、6−
クロロ−9−メチル−7−エトキシカルボニル−1,5
−ベンゾチアゼピン−4−オンを得た。(収率62%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.41(t,3
H),2.54(s,3H),2.60(t,2H),3.46(t,2H),4.41(q,2H),7.5
5(s,1H),7.76(bs,1H)8−3)加水分解 製造実施例1−3にて用いた6,9−ジメチル−7−エ
トキシカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オ
ンの代わりに、6−クロロ−9−メチル−7−エトキシ
カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンを用
いた以外は製造実施例1−3と同様に操作を行い、6−
クロロ−9−メチル−7−カルボキシル−1,5−ベン
ゾチアゼピン−4−オンを得た。(収率79%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ2.40(s,3
H),2.58(t,3H),3.69(t,2H),7.11(s,1H)8−4)エステル化 製造実施例1−4にて用いた6,9−ジメチル−7−カ
ルボキシル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンの代
わりに、6−クロロ−9−メチル−7−カルボキシル−
1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンを用いた以外は製
造実施例1−4と同様に操作を行い、6−クロロ−9−
メチル−7−(1′−エチル−ピラゾール−5′−イ
ル)オキシカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4
−オンを得た。(収率48%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.45(t,3
H),2.61(s,3H),2.62(t,2H),3.51(t,2H),4.14(q,2H),6.2
7(d,1H),7.49(d,1H),7.77(s,1H),7.90(bs,1H)8−5)転位反応 製造実施例1−5にて用いた6,9−ジメチル−7−
(1′−エチル−ピラゾール−5′−イル)オキシカル
ボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンの代わり
に、6−クロロ−9−メチル−7−(1′−エチル−ピ
ラゾール−5′−イル)オキシカルボニル−1,5−ベ
ンゾチアゼピン−4−オンを用いた以外は製造実施例1
−5と同様に操作を行い、6−クロロ−9−メチル−7
−(1′−エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′
−イル)カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−
オンを得た。(収率51%)1 H−NMRppm(アセトン−d6、TMS):δ1.46
(t,3H),2.57(s,3H),2.57(t,2H),3.49(t,2H),4.13(q,2
H),7.27(s,1H),7.40(s,1H),7.81(bs,1H) IR(KBr):3350,2975,1710,1640,1380cm-1 mp.209-211℃ (製造実施例9)化合物99−1)オキシム化 製造実施例1−1にて用いた5,8−ジメチル−6−エ
トキシカルボニルチオクロマン−4−オンの代わりに、
8−クロロ−5−メチル−6−カルボキシルチオクロマ
ン−4−オンを用いた以外は製造実施例1−1と同様に
操作を行い、8−クロロ−5−メチル−6−カルボキシ
ル−4−ヒドロキシイミノチオクロマンを得た。(収率
77%)1 H−NMRppm(アセトン−d6、TMS):δ2.61
(s,3H),3.08(t,2H),3.21(t,2H),7.81(s,1H)9−2)ベックマン転位 製造実施例1−2にて用いた5,8−ジメチル−6−エ
トキシカルボニル−4−ヒドロキシイミノチオクロマン
の代わりに、8−クロロ−5−メチル−6−カルボキシ
ル−4−ヒドロキシイミノチオクロマンを用いた以外は
製造実施例1−2と同様に操作を行い、9−クロロ−6
−メチル−7−カルボキシル−1,5−ベンゾチアゼピ
ン−4−オンを得た。(収率100%)1 H−NMRppm(アセトン−d6、TMS):δ2.55
(t,2H),2.58(s,3H),3.47(t,2H),7.86(s,1H)9−3)エステル化 製造実施例1−4にて用いた6,9−ジメチル−7−カ
ルボキシル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンの代
わりに、9−クロロ−6−メチル−7−カルボキシル−
1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンを用いた以外は製
造実施例1−4と同様に操作を行い、9−クロロ−6−
メチル−7−(1′−エチル−ピラゾール−5′−イ
ル)オキシカルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4
−オンを得た。(収率100%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.46(t,3
H),2.60(s,3H),2.61(t,2H),3.52(t,2H),4.11(q,2H),6.2
2(d,1H),7.50(d,1H),8.05(s,1H)9−4)転位反応 製造実施例1−5にて用いた6,9−ジメチル−7−
(1′−エチル−ピラゾール−5′−イル)オキシカル
ボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−4−オンの代わり
に、9−クロロ−6−メチル−7−(1′−エチル−ピ
ラゾール−5′−イル)オキシカルボニル−1,5−ベ
ンゾチアゼピン−4−オンオンを用いた以外は製造実施
例1−5と同様に操作を行い、9−クロロ−6−メチル
−7−(1′−エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−
4′−イル)カルボニル−1,5−ベンゾチアゼピン−
4−オンを得た。(収率56%)1 H−NMRppm(アセトン−d6、TMS):δ1.39
(t,3H),2.34(s,3H),2.57(t,2H),3.46(t,2H),4.06(q,2
H),7.44(s,1H),7.49(s,1H) (製造実施例10)化合物1010−1)環化反応 市販の2−アミノ−4−クロロベンゾチアゾール5g
(27mmol)をエチレングリコール30mlと水2
0mlとの混合液に分散し、水酸化ナトリウム20g
(0.5mol)を室温で加えた。窒素気流下、撹拌し
ながら16時間加熱還流を行い2−アミノ−3−クロロ
チオフェノールを合成した。室温に放冷した後、氷冷下
ブロモ酢酸3.76g(27mmol)のエタノール溶
液(10ml)を滴下した。室温で3時間撹拌した後、
エバポレーターにより大半の溶媒を留去した。残渣に水
を加え氷冷しながら塩酸でpHを4にした後、酢酸エチ
ルを加え不溶物をろ過により除いた。ろ過母液の水層を
塩酸にてpHを1にした後、酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、エバポレーターにより有機溶媒を除
くことにより目的の5−クロロ−1,4−ベンゾチアジ
ン−3−オン4.15g(収率77%)を白色固形物と
して得た。
【0092】1H−NMRppm(アセトン−d6、TM
S):δ3.51(s,2H),6.90-7.50(m,3H),9.10(bs,1H)10−2)フリーデルクラフツ反応 5−クロロ−1,4−ベンゾチアジン−3−オン3.5
g(17.5mmol)とクロロアセチルクロライド3
g(26.5mmol)を30mlのテトラクロロエタ
ンに溶解し、氷冷下塩化アルミニウム7.0g(52.
4mmol)を加えた。75℃にて加熱撹拌しながら5
時間反応した後、反応物を氷水中に投入しクロロホルム
で抽出した。クロロホルム層を2回水洗した後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥しエバポレーターにて溶媒を留去し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒、クロロホルム)にて精製することにより目的の5
−クロロ−6−クロロアセチル−1,4−ベンゾチアジ
ン−3−オン2.74g(収率57%)を白色固形物と
して得た。
【0093】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ3.49(s,2H),4.61(s,2H),7.10-7.50(m,2H),8.11
(bs,1H)10−3)キング反応 5−クロロ−6−クロロアセチル−1,4−ベンゾチア
ジン−3−オン2.4g(8.7mmol)をピリジン
4mlに溶解し、1.5時間加熱還流した。エバポレー
ターによりピリジンを留去した後、残渣をエチレングリ
コール15mlと水10mlとの混合液に溶解し、水酸
化カリウム2.3g(41mmol)を加え70−80
℃にて2.5時間加熱撹拌した。放冷後、反応物に水、
クロロホルムを加え水層をクロロホルムで2回洗浄し、
塩酸にてpHを1にした。酢酸エチルで抽出した後、酢
酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、エバポレーターにより溶媒を留去すること
で目的の6−カルボキシル−5−クロロ−1,4−ベン
ゾチアジン−3−オン1.3g(収率61%)を褐色固
形物として得た。
【0094】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ3.45(s,2H),6.80-7.50(m,2H),8.25(bs,1H)10−4)カップリング、転位反応 6−カルボキシル−5−クロロ−1,4−ベンゾチアジ
ン−3−オン1.2g(4.9mmol)をtert−アミ
ルアルコール15mlに分散し、これに1−エチル−5
−ヒドロキシピラゾール0.66g(5.9mmol)
とN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド1.2g
(5.8mmol)を加え、室温で1日間撹拌した。炭
酸カリウム0.5g(3.6mmol)を加え、10時
間加熱還流した。エバポレーターにより溶媒を留去した
後、酢酸エチル、水を加え水層を酢酸エチルで洗浄し、
塩酸にてpHを1にした。酢酸エチルで抽出した後、酢
酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、エバポレーターにより溶媒を留去すること
で目的の5−クロロ−6−(1′−エチル−5′−ヒド
ロキシピラゾール−4′−イル)カルボニル−1,4−
ベンゾチアジン−3−オン0.99g(収率60%)を
得た。
【0095】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ1.45(t,3H),3.50(s,2H),4.10(q,2H),7.10-7.65
(m,2H),8.10(bs,1H)10−5)スルホニル化 5−クロロ−6−(1′−エチル−5′−ヒドロキシピ
ラゾール−4′−イル)カルボニル−1,4−ベンゾチ
アジン−3−オン0.5g(1.47mmol)を塩化
メチレン10mlと水10mlとの混合液に溶解し、炭
酸カリウム0.2g(1.47mmol)を加えた後、
n−プロパンスルホニルクロライド0.29g(2.0
5mmol)と触媒量の塩化ベンジルトリエチルアンモ
ニウムを加え、室温にて1日間反応した。反応後塩化メ
チレンで抽出し、塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウム
で乾燥、エバポレーターにより溶媒を留去した。残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、酢酸
エチル:ヘキサン=1:1)により精製することで目的
の5−クロロ−6−(1′−エチル−5′−n−プロパ
ンスルホニルオキシピラゾール−4′−イル)カルボニ
ル−1,4−ベンゾチアジン−3−オン0.52g(収
率80%)を得た。
【0096】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ1.18(t,3H),1.52(t,3H),1.90-2.40(m,2H),3.50
(s,2H),3.65-3.90(m,2H),4.22(q,2H),7.09(d,1H),7.35
(d,1H),7.49(s,1H),8.11(bs,1H) IR(KBr):1690,1555,1385,1180cm-1 (製造実施例11)化合物1111−1)環化反応 文献既知の方法(Bull. Chem. Soc. Jpn., 56, pp.
1255-1256 (1983))により合成した4−クロロ−N−メ
チル−2(3H)−ベンゾチアゾロン1.28g(6.
4mmol)をエチレングリコール5mlと水10ml
との混合液に分散し、水酸化ナトリウム5.2g(0.
13mol)を室温で加えた。窒素気流下、撹拌しなが
ら4.5時間加熱還流を行い3−クロロ−2−メチルア
ミノチオフェノールを合成した。室温に放冷した後、氷
冷下ブロモ酢酸8.9g(6.4mmol)のエタノー
ル溶液(5ml)を滴下した。室温で3時間撹拌した
後、エバポレーターにより大半の溶媒を留去した。残渣
に水を加え氷冷しながら塩酸でpHを4にした後、酢酸
エチルを加え不溶物をろ過により除いた。ろ過母液の水
層を塩酸にてpHを1にした後、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
ナトリウムで乾燥した後、エバポレーターにより有機溶
媒を除くことにより目的の5−クロロ−4−メチル−
1,4−ベンゾチアジン−3−オン0.93g(収率6
8%)を黄白色固形物として得た。
【0097】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ3.36(s,2H),3.44(s,3H),6.90-7.45(m,3H)11−2)フリーデルクラフツ反応 5−クロロ−4−メチル−1,4−ベンゾチアジン−3
−オン3.3g(15mmol)とクロロアセチルクロ
ライド2.58g(22.8mmol)を20mlの二
硫化炭素に溶解し、氷冷下塩化アルミニウム6.1g
(45.7mmol)を加えた。7時間加熱還流した
後、反応物を氷水中に投入しクロロホルムで抽出した。
クロロホルム層を2回水洗した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥しエバポレーターにて溶媒を留去した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒、クロロ
ホルム)にて精製することにより目的の5−クロロ−6
−クロロアセチル−4−メチル−1,4−ベンゾチアジ
ン−3−オン2.65g(収率60%)を黄白色固形物
として得た。
【0098】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ3.40(s,2H),3.45(s,3H),4.62(s,2H),7.20(d,1
H),7.46(d,1H) また、副生成物である5−クロロ−8−クロロアセチル
−4−メチル−1,4−ベンゾチアジン−3−オン0.
9g(収率20%)が白色固形物として得られた。
【0099】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ3.25(s,2H),3.39(s,3H),4.65(s,2H),7.40(d,1
H),7.61(d,1H)11−3)キング反応 製造実施例10−3において5−クロロ−6−クロロア
セチル−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの代わり
に、5−クロロ−6−クロロアセチル−4−メチル−
1,4−ベンゾチアジン−3−オンを用いた以外は製造
実施例10−3と同様に操作を行い、6−カルボキシル
−5−クロロ−4−メチル−1,4−ベンゾチアジン−
3−オンを得た。(収率62%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ3.41(s,2
H),3.44(s,3H),7.30-7.90(m,2H)11−4)カップリング反応、転位反応 製造実施例10−4において6−カルボキシル−5−ク
ロロ−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの代わりに、
6−カルボキシル−5−クロロ−4−メチル−1,4−
ベンゾチアジン−3−オンを用いた以外は製造実施例1
0−4と同様に操作を行い、5−クロロ−6−(1′−
エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′−イル)カ
ルボニル−4−メチル−1,4−ベンゾチアジン−3−
オンを得た。(収率66%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.53(t,3
H),3.40(s,2H),3.45(s,3H),4.10(q,2H),7.10-7.65(m,2
H)11−5)スルホニル化 実施例10−5において5−クロロ−6−(1′−エチ
ル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′−イル)カルボ
ニル−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの代わりに、
5−クロロ−6−(1′−エチル−5′−ヒドロキシピ
ラゾール−4′−イル)カルボニル−4−メチル−1,
4−ベンゾチアジン−3−オンを用いた以外は製造実施
例10−5と同様に操作を行い、5−クロロ−6−
(1′−エチル−5′−n−プロパンスルホニルオキシ
ピラゾール−4′−イル)カルボニル−4−メチル−
1,4−ベンゾチアジン−3−オンを得た。(収率71
%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.18(t,3
H),1.52(t,3H),1.95-2.30(m,2H),3.41(s,2H),3.46(s,3
H),3.60-3.90(m,2H),4.23(q,2H),7.13(d,1H),7.45(d,1
H),7.47(s,1H) IR(KBr):3400,2950,1690,1550,1390,1180cm-1 (製造実施例12)化合物1212−1)キング反応 製造実施例11−2で副生成物として得られた5−クロ
ロ−8−クロロアセチル−4−メチル−1,4−ベンゾ
チアジン−3−オン0.9g(3.1mmol)をピリ
ジン2mlに溶解し、2時間加熱還流した。エバポレー
ターによりピリジンを留去した後、残渣をエチレングリ
コール10mlと水5mlとの混合液に溶解し、水酸化
カリウム0.4g(7.1mmol)を加え80℃にて
2.5時間加熱撹拌した。放冷後、反応物に水、クロロ
ホルムを加え水層をクロロホルムで2回洗浄し、塩酸に
てpHを1にした。酢酸エチルで抽出した後、酢酸エチ
ル層を水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、エバポレーターにより溶媒を留去することで目的
の8−カルボキシル−5−クロロ−4−メチル−1,4
−ベンゾチアジン−3−オン0.58g(収率73%)
を白色固形物として得た。
【0100】1H−NMRppm(CDCl3、TM
S):δ3.31(s,2H),3.40(s,3H),7.36(d,1H),7.83(d,1
H)12−2)カップリング、転位反応 製造実施例10−4において6−カルボキシル−5−ク
ロロ−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの代わりに、
8−カルボキシル−5−クロロ−4−エチル−1,4−
ベンゾチアジン−3−オンを用いた以外は製造実施例1
0−4と同様に操作を行い、5−クロロ−8−(1′−
エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′−イル)カ
ルボニル−4−メチル−1,4−ベンゾチアジン−3−
オンを得た。(収率76%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.46(t,3
H),3.26(s,2H),3.44(s,3H),4.09(q,2H),7.46(d,1H),7.4
9(d,1H),7.61(s,1H)12−3)スルホニル化 製造実施例10−5において5−クロロ−6−(1′−
エチル−5′−ヒドロキシピラゾール−4′−イル)カ
ルボニル−1,4−ベンゾチアジン−3−オンの代わり
に5−クロロ−8−(1′−エチル−5′−ヒドロキシ
ピラゾール−4′−イル)カルボニル−4−メチル−
1,4−ベンゾチアジン−3−オンを用いた以外は製造
実施例10−5と同様に操作を行い、5−クロロ−8−
(1′−エチル−5′−n−プロパンスルホニルオキシ
ピラゾール−4′−イル)カルボニル−4−エチル−
1,4−ベンゾチアジン−3−オンを得た。(収率71
%)1 H−NMRppm(CDCl3、TMS):δ1.17(t,3
H),1.53(t,3H),1.90-2.35(m,2H),3.26(s,2H),3.44(s,3
H),3.60-3.85(m,2H),4.24(q,2H),7.42(s,2H),7.68(s,1
H) IR(KBr):3400,2950,1690,1550,1390,1180cm-1 (除草剤実施例) (1)除草剤の調製 担体としてタルク(商品名:ジークライト、ジークライ
ト工業株式会社製)97重量部、界面活性剤としてアル
キルアリールスルホン酸塩(商品名:ネオペレックス、
花王アトラス(株)製)1.5重量部およびノニオン型
とアニオン型の界面活性剤(ソルポール800A、東邦
化学工業株式会社製)1.5重量部を均一に粉砕混合し
て水和剤用担体を得た。
【0101】この水和剤用担体90重量部と本発明化合
物10重量部を均一に粉砕混合してそれぞれ除草剤を得
た。また除草剤比較例として、下記化合物(A)を用
い、同様の方法で調製した。
【0102】化合物(A):国際公開WO93/180
31号公報記載の化合物
【化17】 (2)除草効果、作物薬害の判定基準 除草効果および作物薬害の基準は、 残草重無処理比=(処理区の残草重/無処理区の残草
重)×100 で求め、以下の生物試験で適用した。
【0103】基準 除草効果 残草重無処理比(%) 0 81〜100 1 61〜80 2 41〜60 3 21〜40 4 1〜20 5 0 作物薬害 残草重無処理比(%) − 100 ± 95〜99 + 90〜94 ++ 80〜89 +++ 0〜79 (3)生物試験(畑地土壌処理試験、化合物番号1およ
び3〜9の化合物および化合物(A)) 畑地土壌を充填した1/5000アールのワグネルポッ
トに、チョウセンアサガオ、アオゲイトウ、イヌイホウ
ズキ、アキノエノコログサ、ノビエの雑草種子およびト
ウモロコシ、ダイズ、ワタの種子を播種し、覆土後、上
記(1)で得た所定量の除草剤を水に懸濁して土壌表面
に均一に散布した。その後、温室内で育成し処理後20
日目に除草効果および作物への薬害を(2)の基準に従
い判定した。結果を表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】表4の結果から、本発明の除草剤は、トウ
モロコシ、ダイズおよびワタに薬害を及ぼさず、広範囲
な畑地雑草を低薬量で選択的に防除できることが確認さ
れた。これに対して化合物(A)は、ダイズ、ワタに対
する安全性が劣ることがわかる。
【0106】(4)生物試験(畑地茎葉処理試験、化合
物番号1および3〜11の化合物および化合物(A)) 畑地土壌を充填した1/5000アールのワグネルポッ
トに、オナモミ、イチビ、チョウセンアサガオ、ノビ
エ、メヒシバの雑草種子およびトウモロコシ、ワタおよ
びビートの種子を播種し、覆土後、温室内で育成し、こ
れら植物の3〜4葉期に上記(1)で得た所定量の除草
剤を水に懸濁し2000リットル/ヘクタール相当の液
量で茎葉部に均一にスプレー散布した。その後、温室内
で育成し、処理後30日目に除草効果および作物への薬
害を(2)の基準に従い判定した。結果を表5に示す。
【0107】
【表5】
【0108】表5の結果から、本発明の除草剤は、トウ
モロコシ、ワタおよびビートに薬害を及ぼさず、且つ広
範囲な畑地雑草を低薬量で選択的に防除できることが確
認された。これに対して化合物(A)は、ワタおよびビ
ートに対する安全性が劣ることがわかる。
【0109】(5)生物試験(湛水土壌処理試験、化合
物番号3〜8および10および11の化合物および化合
物(A)) 1/15500アールの磁製ポットに水田土壌を詰め、
表層にノビエ、イヌホタルイ、タマガヤツリ、コナギ、
アゼナの種子を均一に播種して、2葉期のイネを移植し
た。その後、雑草の発芽時に上記(1)で得た除草剤の
希釈液を所定量水面に均一滴下して処理した後、温室内
で育成し、除草剤処理後20日目に除草効果、および水
稲薬害を(2)の基準に従い判定した。結果を表6に示
す。
【0110】
【表6】
【0111】表6の結果から、本発明の除草剤は、広範
な水田雑草を低薬量で選択的に防除でき、イネに対して
優れた選択性を有することが確認された。これに対して
化合物(A)は、除草効果が劣っていることがわかる。
【0112】
【発明の効果】本発明のピラゾール誘導体は、土壌処理
および茎葉処理のいずれにおいてもトウモロコシなどの
畑栽培作物に対して薬害を及ぼさず、イネ科雑草および
広葉雑草などの広範な畑地雑草を低薬量で選択的に防除
することができる。また、湛水土壌処理において、広範
な水田雑草を低薬量で選択的に防除することができ、イ
ネに対しても優れた選択性を有している。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 {式中、 R1はC1〜C4アルキル基、C2〜C4アルケニル基また
    はC2〜C4ハロアルケニル基;R2は水素原子、C1〜C
    4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基またはC2〜C4
    アルコキシアルキル基;XはC1〜C4アルキル基、C1
    〜C4ハロアルキル基、C2〜C4アルコキシアルキル
    基、ハロゲン原子、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4
    ルキルチオ基、C1〜C4アルキルスルホニル基、ニトロ
    基またはC1〜C4ハロアルコキシ基;pは0、1、2ま
    たは3;ZはO、SOrまたはNR3(ただし、rは
    0、1または2、R3は水素原子、C1〜C4アルキル
    基、C1〜C4ハロアルキル基、C1〜C4アルキルスルホ
    ニル基、C1〜C4ハロアルキルスルホニル基またはC1
    〜C4アルキルカルボニル基);Qは水素原子または基
    −A−B[式中、Aは 【化2】 4およびR5は、それぞれ独立して水素原子またはC1
    〜C4アルキル基)で示される基であり、BはC1〜C12
    アルキル基、C3〜C10シクロアルキル基または 【化3】 (WはC1〜C4アルキル基、C1〜C4ハロアルキル基、
    1〜C4アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子、
    kは0、1または2)で示される基である。];DはC
    1〜C3の飽和または不飽和のアルキレン基;YはDで示
    されるアルキレン基の炭素原子に単結合または二重結合
    を介して結合するオキソ基(=O)、C1〜C4アルキル
    基、C1〜C4ハロアルキル基、C2〜C4アルコキシアル
    キル基、C1〜C4アルコキシ基、C1〜C4ハロアルコキ
    シ基、ハロゲン原子または水酸基、mは0〜6の整数;
    nは0、1または2である。}で示されるピラゾール誘
    導体またはその塩。
  2. 【請求項2】 R1がメチル基またはエチル基である請
    求項1に記載のピラゾール誘導体またはその塩。
  3. 【請求項3】 R2が水素原子またはメチル基である請
    求項1に記載のピラゾール誘導体またはその塩。
  4. 【請求項4】 Dがエチレン基であり、かつYのうちの
    1つがZに隣接する炭素原子に結合するオキソ基(=
    O)である請求項1に記載のピラゾール誘導体またはそ
    の塩。
  5. 【請求項5】 Dがトリメチレン基であり、かつYのう
    ちの1つがZに隣接する炭素原子に結合するオキソ基
    (=O)である請求項1に記載のピラゾール誘導体また
    はその塩。
  6. 【請求項6】 ZがNHまたはNCH3である請求項1
    に記載のピラゾール誘導体またはその塩。
  7. 【請求項7】 Xがメチル基または塩素原子である請求
    項1に記載のピラゾール誘導体またはその塩。
  8. 【請求項8】 nが0または2である請求項1に記載の
    ピラゾール誘導体またはその塩。
  9. 【請求項9】 Qが水素原子である請求項1に記載のピ
    ラゾール誘導体またはその塩。
  10. 【請求項10】 Qが基−A−Bであって、AがSO2
    である請求項1に記載のピラゾール誘導体またはその
    塩。
  11. 【請求項11】 Qが基−A−Bであって、Bがn−プ
    ロピル基である請求項1に記載のピラゾール誘導体また
    はその塩。
  12. 【請求項12】 Qが基−A−Bであって、Bがトリル
    基である請求項1に記載のピラゾール誘導体またはその
    塩。
  13. 【請求項13】 Qが基−A−Bであって、Bがシクロ
    ヘキシル基である請求項1に記載のピラゾール誘導体ま
    たはその塩。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし13のいずれかに記載
    のピラゾール誘導体および/またはその塩を有効成分と
    して含有する除草剤。
JP29150996A 1996-11-01 1996-11-01 ピラゾール誘導体およびそれを用いた除草剤 Withdrawn JPH10130267A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000055158A1 (de) * 1999-03-12 2000-09-21 Basf Aktiengesellschaft Tricyclische benzoylpyrazol-derivate als herbizide
WO2019233863A1 (de) 2018-06-04 2019-12-12 Bayer Aktiengesellschaft Herbizid wirksame bizyklische benzoylpyrazole

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WO2000055158A1 (de) * 1999-03-12 2000-09-21 Basf Aktiengesellschaft Tricyclische benzoylpyrazol-derivate als herbizide
US7115545B1 (en) 1999-03-12 2006-10-03 Basf Aktiengesellschaft Tricyclic benzoylpyrazole derivatives used as a herbicide
WO2019233863A1 (de) 2018-06-04 2019-12-12 Bayer Aktiengesellschaft Herbizid wirksame bizyklische benzoylpyrazole

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