JPH10130166A - 免疫原含有微小球体、その製造方法及びそれを用いた動物の免疫方法 - Google Patents

免疫原含有微小球体、その製造方法及びそれを用いた動物の免疫方法

Info

Publication number
JPH10130166A
JPH10130166A JP22263597A JP22263597A JPH10130166A JP H10130166 A JPH10130166 A JP H10130166A JP 22263597 A JP22263597 A JP 22263597A JP 22263597 A JP22263597 A JP 22263597A JP H10130166 A JPH10130166 A JP H10130166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
immunogen
microsphere
microspheres
enteric
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22263597A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Suzuki
敏行 鈴木
Hirotsune Yasumi
普恒 八隅
Koichi Kusanagi
公一 草薙
Sumio Hoshi
澄夫 星
Takeshi Ihara
武志 伊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NITSUSEIKEN KK
Freund Corp
Original Assignee
NITSUSEIKEN KK
Freund Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NITSUSEIKEN KK, Freund Corp filed Critical NITSUSEIKEN KK
Priority to JP22263597A priority Critical patent/JPH10130166A/ja
Publication of JPH10130166A publication Critical patent/JPH10130166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 人または動物に適用しうる安全で安定な経口
ワクチンとして利用できる免疫原含有微小球体を提供す
る。 【解決手段】 人または動物を免疫しうる免疫原を含有
する微小球体であって、免疫原を含む芯球層と、この芯
球層を被覆する複数層の球殻層とからなる複層構造をな
し、かつ少なくとも最外殻層を常温で球体を形成する保
形性を備えた腸溶性物質で構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人または動物に適
用しうる安全で安定な経口ワクチンとして利用できる免
疫原含有微小球体、及びその製造方法並びに動物の免疫
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】人または動物の伝染病を予防するため
に、伝染病の病原体に特異的な抗体あるいは細胞傷害性
T細胞をこれらの人や動物の体内に誘導させて免疫力を
発現させる免疫原(ワクチン)を人や動物に投与する方
法が広く行なわれている。
【0003】このワクチンは、通常注射によって対象動
物に投与される場合が多いが、投与の簡便性に欠ける他
に、作用部位での接種物の遺残や、発熱、発赤、筋萎縮
症、ショック等の副作用を生じやすい欠点がある。
【0004】また、対象が動物、特に牛,豚,鶏などの
産業動物の場合は多数の動物を短時間のうち免疫処理す
る必要があるのに対し、注射時の労力がきわめて大きい
ことや、養殖魚に対しては注射という投与手法を適用し
難いため、種々の場面から対象動物に対する簡便な経口
投与法が望まれている。
【0005】ところで、免疫応答については、腸管をは
じめとする粘膜面には、粘膜免疫系を形成する豊富なリ
ンパ組織が存在し、粘膜面を侵入門戸とする多くの病原
体に対して第一線の防御機構の役割を担っていることが
知られている。また、粘膜面のBリンパ球には粘膜に共
通の循環帰巣経路が存在し、腸管で成立した免疫は全身
の粘膜で有効に働くと考えられている。
【0006】このようなことから、腸管関連リンパ組織
を刺激する免疫方法は多くの病原体に対して有効と考え
られ、生体に対して免疫原を腸管に送達させるのに最も
簡単でかつ自然な方法である経口ワクチン投与法は従来
から好ましいと一般に考えられている。
【0007】しかし上記のような意義が認められるにも
拘わらず、実際面においては、有効な経口ワクチンとし
て採用されたものは従来極めて少ない。
【0008】その理由として、免疫原が腸管に到達する
前にその活性が失われるという問題がある。すなわち、
経口での投与から腸の粘膜面に達するまでの途中で通過
する胃において、酸やタンパク質分解酵素(プロテアー
ゼ)の影響を受けて失活することが問題となる。
【0009】経口投与型の液状ワクチンとして知られた
ものとして、例えば、ポリオ、ニューカッスル病のワク
チンがあり、前者については数十年前から実用化されて
いるが、これらの免疫原についての液状ワクチンが実用
化されているのは、免疫原が酸及びプロテアーゼに対し
て耐性を有しているか、又はその作用部位が酸等の攻撃
を受ける胃よりも上部にあるという個々の免疫原に固有
の性質によっているからであり、この方法を汎用的に利
用することはできない。このため経口投与型のワクチン
として提供可能な病原体(免疫原)は従来極めて限られ
ていた。
【0010】前記問題に対処する方法としては、胃では
消化されず腸で溶解するカプセル(腸溶性カプセル)に
免疫原を包んで投与する方法が有効と考えられる。
【0011】しかしながら、主に蛋白質から構成される
免疫原は、温度,水分,光,振盪などの物理的要因によ
り不活性化され易いという問題があり、腸溶性カプセル
の構成や、製造方法として適当なものは提案されていな
い。
【0012】例えば、腸溶性の外皮を有するワクチンに
関する特公昭53−5371号公報は、ワクチン微粒子
を胃中では難溶であるが小腸中では迅速に溶解する腸溶
皮で被包し、且つ微粒子の最大直径が腸溶皮が胃液と接
触して破壊する前に幽門弁を経て胃から小腸中に速やか
に通過する大きさである約2mm以下で、球状の形状を
なす豚の胃腸炎減毒ウイルスワクチンを豚に経口的に投
与してウイルス性胃腸疾患に対して豚を予防する方法を
開示し、更にその具体的な剤形としてペレットを腸溶性
剤皮膜(フタル酸酢酸セルロース:CAP)でコーティ
ングを施すことを開示している。しかし同公報中で記載
された「ペレット」の詳細は必ずしも明らかでないし、
ペレットをCAPでコーティングする操作も記載されて
いない。そこでこれらを一般的なコーティング法で考え
ると、例えばコーティングバン中でCAPの有機溶剤溶
液をスプレーしつつ熱風で乾燥する方法が考えられる。
しかしこのような操作方法による場合、加熱と有機溶剤
の影響によりワクチンの失活を招くという問題がある
し、加えて同公報により提案されているCAPコーティ
ング皮膜では2時間以内に胃中で溶解してしまうので、
これを避けるためペレットの大きさを2.0mm以下と
して短時間内に胃を通過させるようにしており、これら
の記載からして同公報提案のペレットでは十分な腸溶性
ワクチンは得られないことがわかる。
【0013】また特開平3−173329号公報では、
人又は動物を免疫しうる免疫原と、平均分子量80,0
00〜120,000でゼリー強度150プルーム以上
を有するゼラチンとからなる乾燥球状体でかつ腸溶性で
ある安定な経口投与用免疫組成物を提案し、更に、これ
を製造する方法として、ゼラチンと免疫原を有する生理
食塩水とを低温で均一に混合し、加温しゾルとして流動
パラフィン等の疎水性液体中に注いで単一球とし、低温
乾燥することで腸溶性皮膜を施す方法を提案している。
しかしこの方法も、腸溶性皮膜の形成はフローコーター
(流動層コーティング装置)または遠心造粒機によるこ
とが記載されているから前記特公昭53−5371号と
同様の欠点を有し十分な腸溶性ワクチンは得られない。
またこの公報に記載されているのは最長6週までのワク
チンの安定性の確認のみである。特開昭62−1953
24号公報には、DDS(薬物送達システム)を目的と
して、ゼラチンのソフトカプセル上に腸溶性皮膜のポリ
アクリルポリマーをコーティングすることが記載されて
いるが、ポリアクリルポリマーをコーティングするため
前述と同様の問題がある。
【0014】なお、腸溶性のハードカプセルについての
提案(特開昭55−86463号公報、特開昭55−1
46160号公報、特開昭57−154119号公報な
ど)もあるが、このハードカプセルは、動物への投与に
適した微小なカプセルを製するには適していない。
【0015】特開平7−145082号公報には、ゼラ
チン100部に対して1〜40部のカラギーナンを加え
て架橋せしめた腸溶性カプセルが開示されている。しか
しこれに記載の方法は、2重ノズル法により粒径1mm
のシームレスカプセルを製することを記載しているだけ
であって、ワクチンについては記載するところがない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来技術に鑑み、人または動物に適用しうる安全で安
定な経口ワクチンとして利用できる免疫原含有微小球
体、及びその製造方法並びに動物の免疫方法を提供する
ことを目的としてなされたものである。
【0017】本発明者は、免疫原を腸管に作用させる搬
送法として前記の腸溶性カプセルという搬送担体(キャ
リア)が提案されているにもかかわらず、実際に適用で
きる経口ワクチンがほとんど提供されていない原因の一
つが、免疫原の失活を招かない実用的な搬送担体の製造
技術が確立されていないことにあると考えた。すなわ
ち、腸溶性が不十分で胃内でカプセルが一部溶解する結
果、内包する免疫原が失活する問題、有機溶媒との接触
や熱の作用により免疫原が失活する問題、製造操作が煩
雑であるために製造時間や製造コストがかさみ汎用化で
きないという問題、粒子径が胃を速やかに通過するのに
適した大きさでないために胃内での滞留時間が長くな
り、胃液が粒子内に浸潤したり、胃内の温度で免疫原が
失活するという問題、カプセル化した状態で市場を流通
される腸溶性ワクチンの免疫原の保存性が不十分である
ために免疫原の失活が早過ぎて実際の商品流通過程に載
せることができないという問題等々の解決を図って、実
用に供し得る腸溶性カプセルを提案せんとするものであ
る。
【0018】すなわち本発明は、免疫原を内包した腸溶
性カプセルとして、胃を適切な滞留時間で通過すること
ができる形態を有していて、製造が容易であり、かつカ
プセル製造時の免疫原の失活が十分に低減できると共
に、内包された免疫原が商品流通過程で通常求められる
期間において安定して保存できる新規な腸溶性カプセル
を提供することを目的とする。
【0019】また本発明の別の目的は、前記の目的を実
現しながら、生体に対して投与し易く、また動物に対し
ては飼料との混合による投与を行うことができるなどの
投与の形態が実用上優れている腸溶性カプセルを提供す
るところにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成する本
願発明の特徴は、前記特許請求の範囲の各請求項に記載
したところにある。
【0021】本願の請求項1の免疫原含有微小球体の発
明は、複層構造をなすものであり、人または動物を免疫
しうる免疫原を含有する微小球体(以下「カプセル」と
いう場合がある)であって、免疫原を含む芯球層と、こ
の芯球層を被覆する1層又は複数層の球殻層とからなる
複層構造をなし、かつ少なくとも最外殻層は室温におい
て球殻構造を維持することができる保形性を備えた腸溶
性物質で構成されていることを特徴とする。前記室温
は、冷蔵等の特別の条件下でない温度環境、一般的には
20℃〜25℃程度の温度環境をいう。
【0022】本発明の前記微小球体は、0.2〜8m
m、望ましくは0.5〜5mmの大きさのものが好まし
く採用される。微小球体の大きさが8mmを越えると、
経口投与に適さない傾向が大きくなり、また胃内滞留時
間が長すぎてワクチンの失活を招き易いという問題があ
る。反対に0.2mm未満では微小球体の体積に比べて
表面積が大きくなるので十分な耐胃液性を確保すること
が困難になる。このため前記範囲の大きさとされる。
【0023】本発明の微小球体は、少くとも最外殻層を
構成する材料が腸溶性物質であり、かつ前記の保形性を
有することが必須とされる。「保形性」とは、この性質
がなければ微小球体がその球形状を保持できない性質を
いい、前記の複層構造の最外殻層の材料がこの性質を有
することが必要である。これに対し保形性のある物質の
球体に腸溶性のコーティングを施す従来のカプセルの構
成では、コーティング層それ自体では保形能力がなく、
前記したように、腸溶性物質をコーティングする際に免
疫原に熱的、あるいは有機溶媒による免疫原性失活の悪
影響があるので、これを避ける必要があること、あるい
はコーティングによっては特公昭56−5371号公報
において見られるように完全な腸溶性が達成されない場
合がある。このため本発明においては、腸溶性物質層を
厚くして十分な耐胃液性と保形性を確保することが必須
とされる。
【0024】本発明の微小球体の構造は、腸溶性のカプ
セル最外殻層の内側に免疫原を含む物質を内包(被包)
した複層構造のものであり、免疫原が水性媒体や油性媒
体の液に分散したもの、油性のペースト状物や固体中に
分散したもの、水溶性の固体中に分散したもの、腸溶性
の固体中に分散したもの、免疫原とカプセル外殻層が油
性の中間層で隔てられた構造のものなど各種のものとす
ることができる。免疫原を含む層には、安定剤等の他の
添加剤を含ませることもできる。これらの形態のうち、
中間層には、室温ないし保存温度で内容物が非流動性を
示すものが、保形性や強度、製造時の偏肉(膜厚の部分
的な不均等)防止の観点から望ましい。前記安定剤は、
免疫原の免疫原性が失われないようにするために加えら
れるもので、病原体の場合、感染性が失われないように
例えば糖,タンパクが用いられる。
【0025】以上のように構成される本発明の微小球体
は、免疫原の失活を招く虞れのある有機溶媒を含まない
液(例えば水溶液)に免疫原を懸濁させた芯液と、同じ
く免疫原の失活を招く虞れのある有機溶媒を含まない腸
溶性物質を含む最外殻層液、更に必要に応じて免疫原の
失活を招く虞れのある有機溶媒を含まない中間層液を用
い、常温で複層構造の球形固体を形成するようにして製
造すればよい。なお、これらの各層を構成する物質は、
直接あるいは間接的に免疫原を失活させる熱的影響を与
えることなく球形に成形するために必要な流動性が得ら
れる温度以下であるように材料、製造法を選択して用い
ることが必要であり、免疫原を分散させる物質(好まし
くはゼラチン等の水性懸濁液)については50℃以下、
好ましくは免疫原との接触時の温度が40℃以下の物質
が用いられ、免疫原を含む芯球層を被覆する層の物質に
ついては90℃以下、好ましくは70℃以下の物質を採
用するのが好ましい場合が多い。
【0026】以上のような本発明の微小球体を構成する
ために必須とされる腸溶性物質としては、製法上、ゼラ
チンを主成分とするものが適しており、耐胃液性を付与
するために、ジェランガム、カラギーナン、キサンタン
ガム、アラビアガム等の天然ガムを加えたものがよく、
さらにこれにカルシウム、マグネシウム、アルミニウム
等の多価金属イオンを加えることもできる。これにより
良好な腸溶性能を発揮することができる。また、このゼ
ラチンにはグリセリン、プロピレングリコール、ソルビ
トールなどの可塑剤を加えてもよく、特にグリセリンが
好ましい。
【0027】本発明の微小球体は、最外殻層を前記ゼラ
チンベースの混合物とし、内包物(芯球層)は免疫原を
ゼラチン単独、または前記したゼラチンベースの腸溶性
物質として微小球体が冷却した時固化するものとするの
が好ましい。
【0028】また、3重構造のものは、中心(芯球層)
に免疫原を含有する粉末やゼラチンなどの固体、中間層
が油性あるいは親油性でかつ流動化する温度が10℃以
上、好ましくは15℃以上である物質を用いることによ
り、免疫原が最外殻や外界の水分の影響を受けにくい構
成とすることができる。油性あるいは親油性の物質とし
ては、レシチンとグリセライド、特に中鎖脂肪酸トリグ
リセライド(MCT)の混合物、蔗糖脂肪酸エステルま
たはこれとMCTとの混合物等が例示され、レシチンと
中鎖脂肪酸トリグリセライドの混合物の場合はその混合
比が1:9〜7:3が好適な範囲とされる。
【0029】3重構造のものにおいて、免疫原を含有す
る物質が粉末である場合には、製造時には免疫原の水性
液を芯液として滴下し、乾燥工程でこの水分を除去して
粉末化することができる。この場合、微小球体は芯液の
水分の除去に伴い体積が減少するが、外側の球殻層の保
形性によりカプセル形状を保持することができる。
【0030】本願発明の微小球体を形成する各層の構成
材料は、保存時及び使用時における微小球体の保形性を
確保するために、最外殻層を構成する材料の流動化する
温度が20℃以上、好ましくは25℃以上である物質か
ら構成することが好ましい。本願発明の上記微小球体を
製するには、同心多重ノズルから複数の液を吐出させか
つ少なくとも最外殻層として腸溶性物質の水溶液を吐出
させて硬化浴中に滴下し硬化させる方法を好ましい方法
として挙げることができる。この同心多重ノズルが同心
3重ノズルの場合には、同心3重ノズルの中心管から免
疫原の水性懸濁液を、中間管から疎水性物質を、最外管
から腸溶性物質水溶液をそれぞれ押し出すのがよい。硬
化液としては例えば流動パラフィン、ナタネ油、MCT
などの植物油、シリコン油などを挙げることができる。
【0031】本発明の免疫原を含有するカプセルは、ウ
シ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ミンク、ニワトリ等の
家畜動物、イヌ、ネコ、鑑賞魚等のペット、マウス、ラ
ット、モルモット、ハムスター、ウサギ、フェレット等
の実験動物、ハマチ、アユ、ウナギ、タイ、ヒラメ、コ
イ、ニジマス、ブリ等の養殖魚、タヌキ、キツネ等の野
生動物等に用いることができる。免疫原としては、不活
化ワクチン、弱毒化ワクチン、無毒化ワクチン、成分ワ
クチン(ペプチドワクチンを含む)等を用いることがで
き、また、分類方法が異なるが、遺伝子組換えワクチ
ン、DNAワクチン等を用いることもできる。
【0032】本発明のワクチンは、腸管で増殖可能な病
原体の弱毒化株を免疫原として用いた場合に特に有効で
ある。すなわちこのような弱毒ワクチン株は、腸管で増
殖することにより効率よく免疫系を刺激できるからであ
る。弱毒化株のような生きたウイルスを免疫原として用
いる場合には、その感染性を製造,使用の全工程(カプ
セル化、カプセルの使用前の保存、胃の通過)において
失活が起こらないようにすることが特に重要である。失
活の条件は、詳細には各病原体により異なる点もある
が、本発明において実現される条件、すなわち免疫原が
高い温度条件にさらされない、有機溶媒にさらされな
い、湿度の高い状態に長時間さらされない、極端なpH
にさらされないことなどの基本的な共通条件を満足でき
る。なお脂質膜をもったウイルス(エンベロープウイル
ス:以下に述べるTGEウイルスはこれに該当する)あ
るいは菌は、膜を溶かす有機溶媒に非常に弱いので本発
明の有機溶媒を用いない方法は極めて有効である。
【0033】本発明は、感染症の予防の為に人又は動物
を免疫しうる免疫原の全てに利用できる。
【0034】具体的には、不活化ワクチン(例えばイン
フルエンザ、日本脳炎、百日咳、コレラ、肺炎球菌、ワ
イル病、赤痢、腸チフス、パラチフス、発しんチフス、
しょう紅熱、流行性脳脊髄炎、ペスト、ラッサ熱、マラ
リア、黄熱、炭疽、伝染性下痢症、つつが虫病、フィフ
リア病、回帰熱、住血吸虫病、トラホーム、梅毒、淋
病、軟性下かん、そけいリンパ肉芽腫症、らい、ニュー
カッスル病、伝染性コリーザ、鶏伝染性気管支炎、鶏伝
染性フォブリキウス嚢病、マイコプラズマガリセプチカ
ム症、家禽コレラ、家禽ペスト、ひな白痢、アヒルペス
ト、ウサギウイルス性出血病、豚ポルデテラ感染性、豚
アクチノパチラス感染症、豚流行性下痢、豚ロタウイル
ス病、豚オーエスキー病、豚伝染性胃腸炎、豚アデノウ
イルス感染症、豚生殖器・呼吸器症候群(PRRS)、
豚パルボウイルス感染症、グレーサー病、アフリカ豚コ
レラ、豚水胞病、水胞性口炎、豚赤痢、馬インフルエン
ザ、馬鼻肺炎、馬ゲタウイルス感染症、馬ウイルス性動
脈炎、鼻疽、ウマ伝染性貧血、仮性皮疽、馬パラチフ
ス、アフリカ馬疫、ウイルス性馬脳炎、口蹄疫、牛疫、
牛流行熱、イバラキ病、チュウザン病、アカバネ病、牛
伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢症、牛パラインフル
エンザ感染症、牛アデノウイルス感染症、牛ロタウイル
ス感染症、牛肺疫、気腫疽、牛出血性負血症、ブルセラ
病、ヨーネ病、ピロプラズマ病、アナプラズマ病、ブル
ータング病、リフトバレー熱、悪性カタル熱、ハートウ
ォーター、羊痘、マエディービスナ病、山羊伝染性胸膜
肺炎、ネコカリシウイルス感染症、ネコウイルス性鼻気
管炎、ネコ汎白血球減少症、狂犬病、ジステンバー、イ
ヌ伝染性肝炎、イヌ伝染性喉頭気管炎、イヌパラインフ
ルエンザ病、イヌパルボウイルス病、イヌコロナウイル
ス病、イヌヘルペスウイルス病、イヌ口腔乳頭腫、ネコ
伝染性腹膜炎、ネコ白血病、魚類のビブリオ病、せっそ
う病等)、弱毒化ワクチン(例えばポリオ、麻疹、風
疹、結核(BCG)、チフス、痕そう、流行性耳下脳
炎、ニューカッスル病、鶏伝染性喉頭気管炎、鶏伝染性
気管支炎、鶏痘、鶏伝染性ファブリキウス嚢病、マレッ
ク病、鶏脳脊髄炎、豚流行性下痢、ロタウイルス病、豚
オーエスキー病、豚コレラ、豚丹毒、豚伝染性胃腸炎、
日本脳炎、牛疫、イバラキ病、アカバネ病、牛伝染性鼻
気管炎、牛ウイルス性下痢症、牛パラインフルエンザ感
染症、牛アデノウイルス感染症、ネコカリシウイルス感
染症、ネコウイルス性鼻気管炎、ネコ汎白血球減少症
等)、無毒化ワクチン(例えばジフテリア、破傷風、は
ぶトキソイド、腸チフス、ボツリヌス等)及び成分ワク
チン(例えばインフルエンザHA、B型肝炎、C型肝
炎、ヘルペス等)が挙げられる。
【0035】本発明で得られる免疫原を含有する微小球
体は、経口ワクチンとして人や動物に経口投与すること
ができ、家畜動物に対しては、乾燥した餌と混合するこ
とによって容易に自然給餌させることができる。また、
数種類のカプセルを餌に混合することにより、動物に数
種類の病原体に対する免疫を同時に与えることも出来
る。
【0036】
【発明の実施の形態】図1は微小球体を製造するための
装置の構成概要一例を示したものである。但し、微小球
体の構造は、(1)固体の分散媒体中に免疫原が分散し
た芯球層と腸溶性の外殻層から成るもの(タイプI)、
(2)免疫原を芯球層として中心に有し、油性の中間層
により腸溶性の最外殻層と隔てたもの(タイプII)の2
種類とし、それぞれ2重ノズル、または3重ノズルを用
いて製造することができ、図1ではノズル部分を3重ノ
ズルの場合として示している。したがって、タイプIの
場合は、ノズル形状及び原料液系統のための機構をより
簡単な構造の装置とできるが、これらについては基本的
な構造は同様であるので、図2でそのノズル形状を部分
的に示した。
【0037】図1の装置を用いて実施される本発明の微
小球体の製造方法を述べるが、2重ノズルの場合には符
号2,5の装置が不要となる。
【0038】微小球体の製造は次のようにして行うこと
ができる。
【0039】(1)ポンプ4にてタンク1より免疫原を
含有する芯液をノズル(同心円三重ノズル)8の内管に
送る。
【0040】(2)ポンプ5にてタンク2より中間層物
質液をノズル8の中間管に送る(ただしタイプIIを製造
する場合)。
【0041】(3)ポンプ6にてタンク3より最外殻層
液をノズル8の外管に送る。
【0042】(4)ノズル8に送られたそれぞれの液
は、液吐出口より形成管9の硬化液中に流下(滴下)し
「ジェット」を形成する。なおノズル8には振動発生機
7により振動が与えられることで均一な液滴が形成され
る。
【0043】前記の形成管9は、ポンプ16から溢流式
で硬化液が常時上方から供給されるようになっており、
ノズル8の液吐出口は硬化液中に浸漬されている。
【0044】(5)「ジェット」は、「表面張力」によ
り芯液を最外殻層液が包む形(タイプII の場合は中間
層物質液が間に存在)で球状となる。
【0045】(6)形成された滴は、振動発生機7の振
動数(一般的には10〜300Hz程度)に対応して均
一な滴状となる。この時の滴状は、ストロボビジョンス
コープ18、カラービデオカメラ11により明瞭に観察
でき、必要に応じて前記振動数を可変制御するように設
けることもできる。
【0046】(7)硬化液の流れにのって移動しながら
完全に硬化した滴は、冷却液量調節管13に送られる。
【0047】(8)冷却液量調節管13に送られた滴
は、カプセル捕集装置14に落下して硬化液と分離され
る。
【0048】(9)本例の冷却液量調節管13は、上下
することにより硬化液の流量を調節できるように設ける
ことが好ましい。
【0049】(10)滴と分離された硬化液は、脱水装
置12により水分を除去され、硬化液タンク15に送ら
れ、熱交換機17により設定温度に冷却された後、硬化
液ポンプ16にて形成管9に送られ循環する。
【0050】
【実施例】
実施例1 (微小球体の製造)前記の装置を用いて、前記タイプI
(図2参照)、タイプII(図3参照)の微小球体をそれ
ぞれ製造した。各液の処方および製造条件は下記表1に
示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1中、「h−5株」とは、豚伝染性胃腸
炎(TGE)ウイルス(脂質膜を有するウイルス)の弱
毒ウイルスであり、安定剤(10%ラクトース)等を含
む水性液とされている。この弱毒ウイルスh−5株は、
プロテアーゼ感受性となり、その感染部位を気道に移し
た株である。本ウイルスは、通常の状況では、胃内の環
境で失活するために小腸で増殖しない。腸溶性の製剤の
効果を試験する格好の材料としてh−5株を選んだが、
もとより本発明はこれに限定されるものではない。な
お、強毒TGEウイルスは、主に若齢豚の小腸に感染し
激しい水様下痢を引き起こし、7日齢以内のブタでは殆
どが死亡する。
【0053】前記表1の条件で行った製造はいずれも順
調であった。生成物を15℃、10時間で撹拌下に通気
乾燥して微小球体を得た。得られた微小球体の性質を表
2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】(微小球体の免疫性能) (1)微小球体の腸溶性試験 微小球体作製前のウイルス液量に換算して1mlを含む
カプセルを秤量し(タイプI:0.38g、タイプII:
0.71g)、別途調整した人工胃液(ペプシン0.3
2%、NaCl 0.2%、塩酸でpH1.3〜1.6
に調製)10mlに浮遊させ、37℃の温水中に90分
間浸けて加温した。約10分毎に軽く振とうさせた。人
工胃液を除去後、蒸留水(pH5.0)で1回洗浄し
た。蒸留水を除去後、10mlのPBS(pH6.8)
を加えて37℃で15〜30分間振とうして微小球体を
溶解させた。この液を10倍希釈液として、ウイルス含
有量をブタ精巣由来細胞(ST細胞)を用いて測定し
た。
【0056】すなわち、48穴プレートにST細胞の単
層培養を作り、培地を除去後10倍段階希釈した検体を
各希釈液に1穴当たり0.1mlづつ4穴に接種した。
各穴に0.5mlの細胞維持用の培養液を加えて37℃
の炭酸ガス孵卵器で1週間静置して細胞変性効果(CP
E)の出現を観察した。感染性のウイルス量はKarb
er法を用いて計算し、log10TCID50/ml(5
0%組織培養感染量)で示した(以下ウイルス量は同様
に表記する)。
【0057】
【表3】
【0058】表3に示すように、微小球体化したウイル
スは、微小球体化していないウイルスと比較して100
から1000分の1の失活率であり、どの微小球体もT
GEウイルスをよく保護していることが分かる。
【0059】なお、微小球体は同一条件で2回製造を行
ったのでその結果をロットNo.1,2として示した。
【0060】また、微小球体の形態が維持されているか
どうか目視観察した結果では、すべての微小球体の形態
は、人工胃液に入っている間は形状が保持され、人工腸
液で溶解することが認められた。
【0061】(2)ウイルスの安定性試験 微小球体化前のウイルス価9.25のワクチンを前記の
製造法により各タイプ別に微小球体化し、これをガラス
バイアルに小分けして、真空下、または真空とした後窒
素置換して密栓し、−70℃、4℃の各条件下でそれぞ
れ保存し、ウイルス含有量の推移を測定した。結果を下
記表4に示す。なお微小球体化直後のウイルス価は8.
50であった。
【0062】
【表4】
【0063】表4の結果からいずれの条件でも6ケ月間
安定な保存性が確保されていることが分かる。
【0064】(3)経口投与試験結果 タイプIIの微小球体について9.00のウイルス量に相
当する微小球体を飼料中に混ぜて2頭のブタ(No.8
6,87)に自然給飼し、それぞれのブタについて血清
中の中和抗体価を経時的に測定した。結果を表5に示
す。
【0065】
【表5】
【0066】表5の結果から、経口投与したブタは、1
7週に渡って高い抗体価を維持することが確認された。
【0067】更に、9.00の量のTGEウイルスを含
む3層構造の微小球体を妊娠後期の豚に自然給餌により
投与し、その後の血清中の中和抗体価と分娩後の乳汁中
の中和抗体価を経時的に測定し、その結果を下記表6,
7に示した。なお、母豚は微小球体投与後18日目に分
娩した。
【0068】
【表6】
【0069】
【表7】
【0070】これらの表6及び表7に示すように、母豚
の血清中の中和抗体価の上昇が認められるとともに乳汁
中にも中和抗体が検出された。このことは、微小球体の
経口投与により全身性の免疫応答(血中抗体の誘導)と
共に、局所の免疫応答(乳汁中の抗体の誘導)を成立さ
せていることを示すと考えられる。
【0071】なお、本実施例1はジェランガムを用いた
微小球体の試験結果について述べたが、アラビアガムと
カルシウム塩、カラギーナンとカルシウム塩(共にゼラ
チン9.47部、ガム0.40部、塩化カルシウム0.
13部)の組合わせによる試験でも、同様の結果が得ら
れた。
【0072】実施例2,3 実施例1と同様に微小球体を製造した。処方及び製造条
件は下記表8に示した。製造はいずれも順調であった。
製造物の乾燥条件は実施例1と同様とした。得られた微
小球体の性質を下記表9に示した。
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】(微小球体の腸溶性能)なお本試験におい
ては、人工胃液として、空腹時の豚の胃内の条件(pH
1〜3)を想定した下記人工胃液1、食餌後の胃内の条
件(pH4〜6)を想定した下記人工胃液2、及び下記
人工腸液を用いた。
【0076】人工胃液1:0.2%NaCl、1%ペプ
シン(1:10000,ナカライテスク(株)社製)、
pH1.3(HClで調整) 人工胃液2:0.2%NaCl、1%ペプシン(前
出)、pH5.6(HClで調整) 人工腸液 :0.05M KH2 PO4 、pH6.8
(NaOHで調整) 上記の人工胃液1,2及び人工腸液を用い、まず微小球
体化前の芯液(ウイルス液)1mlに相当する量の微小
球体1.23gを3検体分をそれぞれ秤とり、2検体に
ついては少量の各人工胃液1又は2で表面を1回洗浄後
10mlの同じ人工胃液を加えて37℃の温浴槽内で9
0分間振とうした。残存する微小球体をメッシュ(セル
ストレイナ;ファルコン社製)を用いて同じ人工胃液で
2回洗浄後、人工腸液10mlを加えて37℃の温浴槽
内で60分間振盪した後、外液中のウイルス量を測定し
た。なお、人工胃液処理前の微小球体中のウイルス量
は、微小球体を乳鉢でつぶした後に10mlの人工腸液
で回収して測定した。結果を下記表10に示した。
【0077】
【表10】
【0078】いずれの微小球体も、人工胃液に対して良
くウイルスを保護し、人工腸液でウイルスが放出される
ことが確かめられた。尚、微小球体化していないウイル
スを人工胃液1に90分間さらすと完全に失活し、人工
胃液2では1/1000に感染価が減少することが確か
められている。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果が奏され
る。
【0080】人または動物を免疫しうる免疫原を、微小
球体を形成する保形性を備えた腸溶性物質に含有させた
構造をなす本願の請求項1〜5の発明によれば、安全で
安定な経口ワクチンとして人または動物に利用できる免
疫原含有微小球体を提供することができ、経口投与によ
って全身性および局所性に免疫系が刺激され、特に粘膜
免疫が効果的に誘導されることから、粘膜面より侵入す
る多くの病原体に対して侵入門戸で防御が可能となるた
め、効率のよい感染防御ができるという効果が得られ
る。
【0081】また、前記発明により、実用的に利用可能
な経口投与ワクチンを提供できるので、人や動物におい
ての注射時の苦痛をなくし、産業動物においては接種作
業の労力を大幅に軽減でき、更に注射による場合の作用
部位での接種物の遺残や発熱、発赤、筋萎縮症、ショッ
ク等の副作用がないという効果が得られる。
【0082】更にまた、人または動物を免疫しうる免疫
原が含有されている微小球体であって、免疫原を含む芯
球層と、この芯球層を被覆する1層又は複数層の球殻層
とからなる複層構造をなし、かつ少なくとも最外殻層は
球体を形成する保形性を備えた腸溶性物質で構成されて
いることを特徴とする本願発明によれば、安全で安定な
経口ワクチンとして人または動物に利用できる免疫原含
有微小球体を提供することができる他、水溶液で調製で
きる腸溶性最外殻層で免疫原を含む芯層を被覆するの
で、従来のコーティング法による場合の有機溶媒と免疫
原との接触や高温にさらされることがなく、免疫原の失
活という問題を軽減できて特に弱毒病原体を用いる場合
に極めて有効である。また製造工程が簡易であるため生
産性が高く、コストも安価にできる効果が得られる。
【0083】また更に、本願発明の微小球体(カプセ
ル)では、最外殻の腸溶性物質により免疫原が直接胃液
と接触することがなく、腸に搬送する免疫原の安定性を
保持できる。また3層構造の微小球体(カプセル)では
中間層として設けた油性あるいは親油性の物質の層が外
気(水分と酸素)から芯球層を有効に遮断するため免疫
原の安定性を高く保持でき、商品流通過程での保存性を
比較的長期間に渡って維持できる。
【0084】また本願の請求項6,7の発明によれば、
複層構造の前記微小球体を生産性よく製造できるという
効果が奏される。
【0085】また本願の請求項8の発明によれば、例え
ば飼料等に混合することで動物、特に家畜動物に自然に
経口投与させることで、投与労力が実質的に必要のない
という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の免疫原含有微小球体を製造するのに用
いられる装置の構成概要を示した図。
【図2】本発明のタイプI(2重構造)の免疫原含有微
小球体を製造する時の状態を説明するものであり、
(a)は微小球体がノズルから押し出される状態、
(b)は製造された二重層構造の免疫原含有微小球体の
構造を示した図。
【図3】本発明のタイプII(3重構造)の免疫原含有微
小球体を製造する時の状態を説明するものであり、
(a)は微小球体がノズルから押し出される状態、
(b)は製造された三重層構造の免疫原含有微小球体の
構造を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草薙 公一 東京都青梅市新町2221−1 日生研株式会 社内 (72)発明者 星 澄夫 東京都青梅市新町2221−1 日生研株式会 社内 (72)発明者 伊原 武志 東京都青梅市新町2221−1 日生研株式会 社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人または動物を免疫しうる免疫原を含有
    する微小球体であって、免疫原を含む芯球層と、この芯
    球層を被覆する1層又は複数層の球殻層とからなる複層
    構造をなし、かつ少なくとも最外殻層は室温において球
    殻構造を維持することができる保形性を備えた腸溶性物
    質で構成されていることを特徴とする免疫原含有微小球
    体。
  2. 【請求項2】 前記最外殻層の流動化する温度が20℃
    以上であることを特徴とする請求項1に記載の免疫原含
    有微小球体。
  3. 【請求項3】 前記中間層の流動化する温度が10℃以
    上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の免疫
    原含有微小球体。
  4. 【請求項4】 腸溶性物質がゼラチンと、ジェランガ
    ム、カラギーナン、キサンタンガム、アラビアガムから
    選ばれる1種または2種以上のガムの混合物であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の免疫
    原含有微小球体。
  5. 【請求項5】 前記免疫原を含む芯球層が水性液である
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の
    免疫原含有微小球体。
  6. 【請求項6】 同心多重ノズルの中心管から免疫原を懸
    濁した溶液を押し出すと共に、同時にこの同心多重ノズ
    ルの最外管から腸溶性物質の水溶液を押し出して硬化浴
    中に滴下し、硬化させることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の免疫原含有微小球体の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 同心3重ノズルを用いて微小球体を製造
    する方法であって、該同心3重ノズルの中心管から免疫
    原の水懸濁液を押し出し、中間管から流動化する温度が
    10℃以上である疎水性物質を押し出し、最外管から腸
    溶性物質の水溶液を押し出すことを特徴とする請求項6
    に記載の微小球体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれかの免疫原含
    有微小球体を、動物に経口投与することを特徴とする動
    物の免疫方法。
JP22263597A 1996-08-20 1997-08-19 免疫原含有微小球体、その製造方法及びそれを用いた動物の免疫方法 Pending JPH10130166A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22263597A JPH10130166A (ja) 1996-08-20 1997-08-19 免疫原含有微小球体、その製造方法及びそれを用いた動物の免疫方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-218661 1996-08-20
JP21866196 1996-08-20
JP22263597A JPH10130166A (ja) 1996-08-20 1997-08-19 免疫原含有微小球体、その製造方法及びそれを用いた動物の免疫方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10130166A true JPH10130166A (ja) 1998-05-19

Family

ID=26522685

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22263597A Pending JPH10130166A (ja) 1996-08-20 1997-08-19 免疫原含有微小球体、その製造方法及びそれを用いた動物の免疫方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10130166A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006232799A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Bioleaders Corp ポリ−γ−グルタミン酸含有免疫補強剤組成物
JP2007060963A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Eiyo Byorigaku Kenkyusho:Kk 動物に病原体感染症を発症させるための動物用カプセル製剤およびそれを用いて動物に病原体感染症を発症させる方法
EP2218445A1 (en) 2009-02-13 2010-08-18 Freund Corporation A microparticle containing a microorganism or biological material, and a process for producing the same
JP2016539170A (ja) * 2013-12-06 2016-12-15 アドバンスド バイオニュートリション コーポレイション 生物活性剤の経口送達用組成物

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006232799A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Bioleaders Corp ポリ−γ−グルタミン酸含有免疫補強剤組成物
JP2007060963A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Eiyo Byorigaku Kenkyusho:Kk 動物に病原体感染症を発症させるための動物用カプセル製剤およびそれを用いて動物に病原体感染症を発症させる方法
EP2218445A1 (en) 2009-02-13 2010-08-18 Freund Corporation A microparticle containing a microorganism or biological material, and a process for producing the same
JP2010184913A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Freunt Ind Co Ltd 微生物または生物由来物質含有微細粒子およびその製造方法
JP2016539170A (ja) * 2013-12-06 2016-12-15 アドバンスド バイオニュートリション コーポレイション 生物活性剤の経口送達用組成物
US10272036B2 (en) 2013-12-06 2019-04-30 Intervet Inc. Composition for oral delivery of bioactive agents
US10806698B2 (en) 2013-12-06 2020-10-20 Intervet Inc. Composition for oral delivery of bioactive agents

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190192654A1 (en) Microparticulated Vaccines for the Oral or Nasal Vaccination and Boostering of Animals Including Fish
Masoomi Dezfooli et al. Encapsulation for delivering bioactives in aquaculture
US10806698B2 (en) Composition for oral delivery of bioactive agents
WO1994003159A1 (en) Controlled release implants
Calderon-Nieva et al. Veterinary vaccine nanotechnology: pulmonary and nasal delivery in livestock animals
JPH09505564A (ja) 動物のための経口投与される投与形態、その調製方法およびその使用
WO1996011707A1 (en) Renibacterium salmoninarum vaccine and method for its preparation
JP2002534459A (ja) タンパク質薬物または抗原を含む、親油性微細粒子およびそれを含む剤形
JPH01503384A (ja) 保護
Behera et al. Antigen encapsulated alginate-coated chitosan microspheres stimulate both innate and adaptive immune responses in fish through oral immunization
US20190174748A1 (en) Composition for delivery of active agents to an animal
JPH10130166A (ja) 免疫原含有微小球体、その製造方法及びそれを用いた動物の免疫方法
JP2010184913A (ja) 微生物または生物由来物質含有微細粒子およびその製造方法
Khan et al. Development and evaluation of porous chitosan nanoparticles for treatment of enterotoxigenic Escherichia coli infection
WO1998007443A1 (fr) Microspheres contenant des immunogenes, procede de fabrication et procede permettant d'immuniser des animaux a l'aide de ces microspheres
WO1997040702A1 (en) Oral delivery form having a high absorption efficiency and method for making same
Ghosh et al. Alginate microencapsulation for oral immunisation of finfish: release characteristics, ex vivo intestinal uptake and in vivo administration in Atlantic salmon, Salmo salar L.
US11850280B1 (en) Oral vaccine for peste-des-petits-ruminants virus
US20070141071A1 (en) Hot melt coating by direct blending and coated substrates
JP2004002296A (ja) 化学物質埋め込み粒子、該粒子の製造方法及び製造装置
TW200409656A (en) Nano particle embedded with chemical substances and method of producing such a particle
AU4552393A (en) Controlled release implants

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071226

A02 Decision of refusal

Effective date: 20080701

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02