JPH10128198A - 塗料のマスキング機能を有するウエルドナット - Google Patents
塗料のマスキング機能を有するウエルドナットInfo
- Publication number
- JPH10128198A JPH10128198A JP8322063A JP32206396A JPH10128198A JP H10128198 A JPH10128198 A JP H10128198A JP 8322063 A JP8322063 A JP 8322063A JP 32206396 A JP32206396 A JP 32206396A JP H10128198 A JPH10128198 A JP H10128198A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- weld nut
- foamable liquid
- liquid sealant
- coating film
- foaming
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】従来のウエルドナットでのマスキング方法で
は、ネジ山への塗料の付着の防止効果を高めると塗装後
においてマスキング材を剥す作業は困難となり、逆にマ
スキング材の剥し作業を容易にすると塗料付着の防止効
果が低下していた。 【解決手段】熱によって発泡または膨張して軟質弾性状
発泡体を形成する発泡性液状シール剤を、ウエルドナッ
トの内周部のネジ山に沿って円周状に塗布し、発泡また
は膨張がおこりにくい条件で当該発泡性液状シール材の
乾燥塗膜を形成したことを特徴とするウエルドナットを
提供する。好ましくは、前記乾燥塗膜の膜厚が、座面側
より頂面側の方を厚くなるように形成したことを特徴と
する。
は、ネジ山への塗料の付着の防止効果を高めると塗装後
においてマスキング材を剥す作業は困難となり、逆にマ
スキング材の剥し作業を容易にすると塗料付着の防止効
果が低下していた。 【解決手段】熱によって発泡または膨張して軟質弾性状
発泡体を形成する発泡性液状シール剤を、ウエルドナッ
トの内周部のネジ山に沿って円周状に塗布し、発泡また
は膨張がおこりにくい条件で当該発泡性液状シール材の
乾燥塗膜を形成したことを特徴とするウエルドナットを
提供する。好ましくは、前記乾燥塗膜の膜厚が、座面側
より頂面側の方を厚くなるように形成したことを特徴と
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエルドナットの
内周面のネジ山に塗料が付着することを防止するとも
に、塗料の付着によるボルトの締め込み抵抗の増加を防
止することを目的したマスキング機能を保有するウエル
ドナットに関わる。
内周面のネジ山に塗料が付着することを防止するとも
に、塗料の付着によるボルトの締め込み抵抗の増加を防
止することを目的したマスキング機能を保有するウエル
ドナットに関わる。
【0002】
【従来の技術】自動車のタイヤハウスなどのアンダーボ
ディー部の製造では、鋼板を締結するためにウエルドナ
ットを多数使用している。アンダーボディ部の製造工程
は、まず位置決めガイドピンによってウエルドナットを
アンダーボディ部の鋼板の所定位置に位置決めした後、
溶接機によってウエルドナットのプロジェクション部分
を溶接する。次いで、当該鋼板を外装塗料の中へどぶ漬
け浸漬によって塗装し、180℃で30分程度の乾燥条
件で外装塗料を硬化させる。さらに、防錆、防音、防振
などのために当該鋼板に粘性の高い塩化ビニル系ゾルペ
ーストを主成分とするシャーシー塗料を吹き付け塗装す
る。ところが、このシャーシー塗料がウエルドナットの
ネジ山に付着すると、ボルトによる締結行程でのボルト
の締め込みが困難となってしまう。そこで、溶接された
当該ウエルドナットのネジ山に塗料が付着しないように
種々の方法が従来から実施または提案されている。
ディー部の製造では、鋼板を締結するためにウエルドナ
ットを多数使用している。アンダーボディ部の製造工程
は、まず位置決めガイドピンによってウエルドナットを
アンダーボディ部の鋼板の所定位置に位置決めした後、
溶接機によってウエルドナットのプロジェクション部分
を溶接する。次いで、当該鋼板を外装塗料の中へどぶ漬
け浸漬によって塗装し、180℃で30分程度の乾燥条
件で外装塗料を硬化させる。さらに、防錆、防音、防振
などのために当該鋼板に粘性の高い塩化ビニル系ゾルペ
ーストを主成分とするシャーシー塗料を吹き付け塗装す
る。ところが、このシャーシー塗料がウエルドナットの
ネジ山に付着すると、ボルトによる締結行程でのボルト
の締め込みが困難となってしまう。そこで、溶接された
当該ウエルドナットのネジ山に塗料が付着しないように
種々の方法が従来から実施または提案されている。
【0003】一般的に広く用いられている方法として、
鋼板に溶接で固定されたウエルドナットを外装塗料で塗
装した後に、図1に示すようにウエルドナットの頂面側
の片面に粘着性を有するマスキングテープをひとつずつ
貼り付けて、次いでシャーシー塗料の塗装後に再び人手
によってひとつずつ剥がすという作業を行っている。
鋼板に溶接で固定されたウエルドナットを外装塗料で塗
装した後に、図1に示すようにウエルドナットの頂面側
の片面に粘着性を有するマスキングテープをひとつずつ
貼り付けて、次いでシャーシー塗料の塗装後に再び人手
によってひとつずつ剥がすという作業を行っている。
【0004】また別の方法として、マスキングテープの
代わりに樹脂製のめくら栓を挿入してマスキングする方
法も行われている。
代わりに樹脂製のめくら栓を挿入してマスキングする方
法も行われている。
【0005】前述のこれらの方法では組み付けラインで
マスキング作業を人手によってひとつずつ行う必要があ
るので、事前にシール部材を一体化させたり、マスキン
グ機能を有するシール剤をプレコート加工したウエルド
ナットなど、いくつか提案されている。
マスキング作業を人手によってひとつずつ行う必要があ
るので、事前にシール部材を一体化させたり、マスキン
グ機能を有するシール剤をプレコート加工したウエルド
ナットなど、いくつか提案されている。
【0006】たとえば、特公昭63−33008号や特
開平5−149317号には破断線を有する金属製また
は樹脂製の薄板をウエルドナットの頂面側の位置に一体
化させる方法が提案されている。また特開昭63−19
411号にはウエルドナットの頂面の外周部に凸座を形
成して、その凹部の一部だけに一体化したシール部材を
設ける方法が提案されている。
開平5−149317号には破断線を有する金属製また
は樹脂製の薄板をウエルドナットの頂面側の位置に一体
化させる方法が提案されている。また特開昭63−19
411号にはウエルドナットの頂面の外周部に凸座を形
成して、その凹部の一部だけに一体化したシール部材を
設ける方法が提案されている。
【0007】一方、実開昭62−6521号では、溶接
工程の熱で発泡してネジ山内部を充満する発泡スチロー
ルなどのような発泡性固形シール部材を、図2に示すよ
うにウエルドナットのネジ山内部に挿入しておく方法が
提案されている。なお、発泡後の形状を図3に示す。
工程の熱で発泡してネジ山内部を充満する発泡スチロー
ルなどのような発泡性固形シール部材を、図2に示すよ
うにウエルドナットのネジ山内部に挿入しておく方法が
提案されている。なお、発泡後の形状を図3に示す。
【0008】また図4に示すように非発泡性液状シール
剤を事前にウエルドナットの頂面に流し込み、硬化させ
てマスキング層を作る方法が特開平3−113111号
に提案されている。
剤を事前にウエルドナットの頂面に流し込み、硬化させ
てマスキング層を作る方法が特開平3−113111号
に提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】生産現場の塗装後にお
いて、ウエルドナットのネジ山に塗料の付着を防止する
ためのマスキングテープやめくら栓等のキャップをひと
つずつ人手によって剥す作業では効率が悪く、さらに塗
料成分が揮散している塗装後の悪環境の中で剥す作業を
行わなければならないことは作業者の健康上に関しても
問題がある。
いて、ウエルドナットのネジ山に塗料の付着を防止する
ためのマスキングテープやめくら栓等のキャップをひと
つずつ人手によって剥す作業では効率が悪く、さらに塗
料成分が揮散している塗装後の悪環境の中で剥す作業を
行わなければならないことは作業者の健康上に関しても
問題がある。
【0010】一方、破断線を有する金属製や樹脂製の薄
板をウエルドナットの頂面側の位置に一体化させる方法
は装着や剥し作業をなくすことができるが、加工コスト
が非常に高く、商業上の利用価値の上で大きな問題点を
有する。また破断線の破断強度が弱いとシャーシー塗料
の吹き付け圧力に負けて、塗料がネジ山内部に侵入して
しまうという問題点や、逆に破断強度が強すぎるとウエ
ルドナットを溶接する際の位置決めガイドピンの挿入が
困難になったり、ボルトを締め付ける際の締付抵抗を必
要以上に大きくしてしまう原因となる。
板をウエルドナットの頂面側の位置に一体化させる方法
は装着や剥し作業をなくすことができるが、加工コスト
が非常に高く、商業上の利用価値の上で大きな問題点を
有する。また破断線の破断強度が弱いとシャーシー塗料
の吹き付け圧力に負けて、塗料がネジ山内部に侵入して
しまうという問題点や、逆に破断強度が強すぎるとウエ
ルドナットを溶接する際の位置決めガイドピンの挿入が
困難になったり、ボルトを締め付ける際の締付抵抗を必
要以上に大きくしてしまう原因となる。
【0011】さらに場合によっては、ボルトを締め付け
る際に前述の金属製または固い樹脂製の一体化したシー
ル部材が車体内部に脱落して異物として残ると、自動車
の運転中における異常音の発生原因となる。
る際に前述の金属製または固い樹脂製の一体化したシー
ル部材が車体内部に脱落して異物として残ると、自動車
の運転中における異常音の発生原因となる。
【0012】次に実開昭62−6521号の熱膨張性の
シール部材を事前に挿入しておく方法では、実施例に示
されている発泡スチロールをシール剤に利用した場合で
は耐熱性が低く180℃で30分程度の外装塗装の乾燥
ラインによる熱履歴を受けると溶解して、逆に体積が収
縮してしまうという不都合が生じる。
シール部材を事前に挿入しておく方法では、実施例に示
されている発泡スチロールをシール剤に利用した場合で
は耐熱性が低く180℃で30分程度の外装塗装の乾燥
ラインによる熱履歴を受けると溶解して、逆に体積が収
縮してしまうという不都合が生じる。
【0013】また、特開平3−113111号の非発泡
性液状シール剤を事前にウエルドナットの頂面側から流
し込んで硬化させてマスキング層を作る方法では、ウエ
ルドナットの内孔部の貫通を部分的にせよ閉鎖してしま
う場合が生じ、図5、図6の波線で示す位置決めガイド
ピンが挿入された際に当該シール部材が押し出されて脱
落してしまいシール機能を発揮できないという問題点が
ある。
性液状シール剤を事前にウエルドナットの頂面側から流
し込んで硬化させてマスキング層を作る方法では、ウエ
ルドナットの内孔部の貫通を部分的にせよ閉鎖してしま
う場合が生じ、図5、図6の波線で示す位置決めガイド
ピンが挿入された際に当該シール部材が押し出されて脱
落してしまいシール機能を発揮できないという問題点が
ある。
【0014】また、この方法ではマスキング層の薄膜が
ウエルドナットを覆うように形成するために、被塗装体
を外装塗料の中にどぶ漬け浸漬して塗装するとウェルド
ナットの頂面と前記薄膜との接合箇所付近に塗料の液溜
まりができやすくなる。この塗料の液溜まりはボルトの
締め込みを阻害する要因となる。そこで、この液溜まり
ができにくくなるように、実公平7−8894号では破
断線を有する薄板状のシール部材と一体化させて塗料の
逃げ道を形成する方法や、特開平6−42519号では
ウエルドナットの座面側に環状の凸部を設けてシールす
る方法が提案されているが、完全に液溜まりを防止する
のは難しい。
ウエルドナットを覆うように形成するために、被塗装体
を外装塗料の中にどぶ漬け浸漬して塗装するとウェルド
ナットの頂面と前記薄膜との接合箇所付近に塗料の液溜
まりができやすくなる。この塗料の液溜まりはボルトの
締め込みを阻害する要因となる。そこで、この液溜まり
ができにくくなるように、実公平7−8894号では破
断線を有する薄板状のシール部材と一体化させて塗料の
逃げ道を形成する方法や、特開平6−42519号では
ウエルドナットの座面側に環状の凸部を設けてシールす
る方法が提案されているが、完全に液溜まりを防止する
のは難しい。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、溶接工程の位
置決めガイドピンを挿入する際にシール部材が邪魔にな
らず、シャーシー塗料などの塗装工程でマスキング機能
を保有してネジ山への塗料の付着を防止し、かつボルト
の締め込み時には簡単にシール部材が脱落して剥す作業
が不要となったウエルドナットに関する。なお、前述の
脱落したシール部材がたとえ車体内部に残ったとして
も、このシール部材は膨張後または発泡後の軟質弾性状
発泡体になっているので異常音を発生することもない。
置決めガイドピンを挿入する際にシール部材が邪魔にな
らず、シャーシー塗料などの塗装工程でマスキング機能
を保有してネジ山への塗料の付着を防止し、かつボルト
の締め込み時には簡単にシール部材が脱落して剥す作業
が不要となったウエルドナットに関する。なお、前述の
脱落したシール部材がたとえ車体内部に残ったとして
も、このシール部材は膨張後または発泡後の軟質弾性状
発泡体になっているので異常音を発生することもない。
【0016】さらに、図5に示すように溶接工程に使用
される位置決めガイドピン4に接触しないような厚みと
形状で、ウエルドナット3の内周部のネジ山6に沿って
円周状に発泡性液状シール剤2を塗布し、乾燥または硬
化させて塗膜を形成させる。次いで、硬化した発泡性液
状シール剤2が溶接時の熱や外装塗装ラインの加熱など
によって発泡または膨張し軟質弾性状発泡体7になるこ
とによって、ネジ山へのシャーシー塗料の付着および侵
入を防止し、ボルトの締め込み抵抗の増加を防止できる
ようにした。
される位置決めガイドピン4に接触しないような厚みと
形状で、ウエルドナット3の内周部のネジ山6に沿って
円周状に発泡性液状シール剤2を塗布し、乾燥または硬
化させて塗膜を形成させる。次いで、硬化した発泡性液
状シール剤2が溶接時の熱や外装塗装ラインの加熱など
によって発泡または膨張し軟質弾性状発泡体7になるこ
とによって、ネジ山へのシャーシー塗料の付着および侵
入を防止し、ボルトの締め込み抵抗の増加を防止できる
ようにした。
【0017】前記発泡性液状シール剤2の塗膜は図5に
示すようにウエルドナットのネジ山全面に薄く塗布して
形成する。好ましくは、図6に示すように座面側より頂
面側の塗膜を厚くするように形成する。あるいは、ウエ
ルドナットのネジ山にはまったく塗布せずに頂面側の内
周部付近のテーパー部にリング状の前記発泡性液状シー
ル剤の塗膜を形成するだけでもよい。
示すようにウエルドナットのネジ山全面に薄く塗布して
形成する。好ましくは、図6に示すように座面側より頂
面側の塗膜を厚くするように形成する。あるいは、ウエ
ルドナットのネジ山にはまったく塗布せずに頂面側の内
周部付近のテーパー部にリング状の前記発泡性液状シー
ル剤の塗膜を形成するだけでもよい。
【0018】このように頂面側の塗膜を座面側より厚く
形成すれば、当該塗膜は位置決めガイドピン4をその根
元まで挿入する際においても邪魔にならない。さらに
は、外装塗装ラインの加熱により前記発泡性液状シール
剤が発泡して当該ピンの内孔部の空隙をより閉鎖するこ
とができて、シャーシー塗料などの侵入を防止できるの
で好ましい。
形成すれば、当該塗膜は位置決めガイドピン4をその根
元まで挿入する際においても邪魔にならない。さらに
は、外装塗装ラインの加熱により前記発泡性液状シール
剤が発泡して当該ピンの内孔部の空隙をより閉鎖するこ
とができて、シャーシー塗料などの侵入を防止できるの
で好ましい。
【0019】膨張後または発泡後の軟質弾性状発泡体7
により縮孔された内部孔の直径が2mm以下であれば、
シャーシー塗料の粘性は高いのでシャーシー塗料の侵入
を完全に防止することができる。たとえ前記内孔部の直
径が2mm以上であってシャーシー塗料が内孔部へ侵入
したとても、ネジ山は発泡性液状シール剤で被覆されて
いるのでウエルドナットのネジ山へは直接に付着するこ
とはない。いづれの場合でも、膨張後または発泡後の軟
質弾性状発泡体7はボルトの締め込むことによって簡単
に剥がれて脱落するので、シャーシー塗料の付着による
ボルトの締め込みが困難になることはない。
により縮孔された内部孔の直径が2mm以下であれば、
シャーシー塗料の粘性は高いのでシャーシー塗料の侵入
を完全に防止することができる。たとえ前記内孔部の直
径が2mm以上であってシャーシー塗料が内孔部へ侵入
したとても、ネジ山は発泡性液状シール剤で被覆されて
いるのでウエルドナットのネジ山へは直接に付着するこ
とはない。いづれの場合でも、膨張後または発泡後の軟
質弾性状発泡体7はボルトの締め込むことによって簡単
に剥がれて脱落するので、シャーシー塗料の付着による
ボルトの締め込みが困難になることはない。
【0020】本発明に用いる発泡性液状シール剤組成物
としては、熱膨張性マイクロカプセルをバインダーの熱
可塑性樹脂溶液もしくはエマルジョンに分散させた組成
物、または発泡剤を配合したプラスチゾルペーストを用
いることができる。
としては、熱膨張性マイクロカプセルをバインダーの熱
可塑性樹脂溶液もしくはエマルジョンに分散させた組成
物、または発泡剤を配合したプラスチゾルペーストを用
いることができる。
【0021】前記発泡性液状シール剤組成物に用いるバ
インダーの熱可塑性樹脂溶液もしくはエマルジョンとし
てはEVA、酢ビ樹脂、アクリル樹脂などの柔軟性のあ
る各種熱可塑性樹脂用いることができるが、180℃程
度の耐熱性を考えるとアクリル樹脂のバインダーが好ま
しい。アクリル樹脂のバインダーは溶剤系のものと水系
のエマルジョンタイプのものがあり、いずれも良好に用
いることができる。
インダーの熱可塑性樹脂溶液もしくはエマルジョンとし
てはEVA、酢ビ樹脂、アクリル樹脂などの柔軟性のあ
る各種熱可塑性樹脂用いることができるが、180℃程
度の耐熱性を考えるとアクリル樹脂のバインダーが好ま
しい。アクリル樹脂のバインダーは溶剤系のものと水系
のエマルジョンタイプのものがあり、いずれも良好に用
いることができる。
【0022】本発明に用いることのできる熱膨張性マイ
クロカプセルの具体例としては松本油脂製薬株式会社や
エクスパンセル社などから市販されている有機溶剤を内
包した熱膨張性マイクロカプセルを用いることができ
る。本発明で望ましい発泡温度としては外装塗料の乾燥
条件である180℃程度の温度で速やかに膨張し、なお
かつ発泡性液状シール剤の乾燥塗膜を形成する温度では
膨張しないものを用いることが望ましいので、140℃
から180℃の温度範囲で膨張するものが特に好まし
い。
クロカプセルの具体例としては松本油脂製薬株式会社や
エクスパンセル社などから市販されている有機溶剤を内
包した熱膨張性マイクロカプセルを用いることができ
る。本発明で望ましい発泡温度としては外装塗料の乾燥
条件である180℃程度の温度で速やかに膨張し、なお
かつ発泡性液状シール剤の乾燥塗膜を形成する温度では
膨張しないものを用いることが望ましいので、140℃
から180℃の温度範囲で膨張するものが特に好まし
い。
【0023】熱膨張性マクロカプセルの添加量はバイン
ダー100重量部に対して0.5〜30重量部の範囲で
用いられる。0.5部より少ないとほとんど膨張しない
し、逆に20部以上になると膨張倍率が高すぎて膨張後
の形状が著しく不適なものになるばかりか、硬化物の強
度が著しく低下するという不都合も生じる。
ダー100重量部に対して0.5〜30重量部の範囲で
用いられる。0.5部より少ないとほとんど膨張しない
し、逆に20部以上になると膨張倍率が高すぎて膨張後
の形状が著しく不適なものになるばかりか、硬化物の強
度が著しく低下するという不都合も生じる。
【0024】一方、発泡剤を配合したプラスチゾルペー
ストはプラスチゾル、可塑剤、発泡剤を適当量配合した
ものである。ここで、プラスチゾルは大きく分けて塩化
ビニル系のプラスチゾルと非塩化ビニル系のプラスチゾ
ルに大別される。塩化ビニル系プラスチゾルとしては新
第一塩ビ株式会社、鐘淵化学社等から市販されている汎
用の商品を用いることができ、特に壁紙などに用いられ
る発泡体製造用のグレードが好ましい。
ストはプラスチゾル、可塑剤、発泡剤を適当量配合した
ものである。ここで、プラスチゾルは大きく分けて塩化
ビニル系のプラスチゾルと非塩化ビニル系のプラスチゾ
ルに大別される。塩化ビニル系プラスチゾルとしては新
第一塩ビ株式会社、鐘淵化学社等から市販されている汎
用の商品を用いることができ、特に壁紙などに用いられ
る発泡体製造用のグレードが好ましい。
【0025】しかしながら、塩化ビニル系のプラスチゾ
ルを用いた場合には溶接工程の熱で表面のシール剤の一
部が熱分解し塩素を遊離するため、この遊離塩素によっ
て鋼板の表面が腐食するという問題を発生する場合があ
るので、本発明では非塩化ビニル系のプラスチゾルを用
いることによってこの問題を解決できる。
ルを用いた場合には溶接工程の熱で表面のシール剤の一
部が熱分解し塩素を遊離するため、この遊離塩素によっ
て鋼板の表面が腐食するという問題を発生する場合があ
るので、本発明では非塩化ビニル系のプラスチゾルを用
いることによってこの問題を解決できる。
【0026】非塩化ビニル系のプラスチゾルとしては
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等のア
クリル酸エステル単量体を乳化重合、シード重合、懸濁
重合あるいは不均一溶液重合などによって製造される。
その具体例としては日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼ
オンアクリルレジンF325」(平均分子量40万、T
g107℃)や「ゼオンアクリルレジンF345」(平
均分子量20万、Tg90℃)等が上げられる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチ
ル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリ
ル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル等のア
クリル酸エステル単量体を乳化重合、シード重合、懸濁
重合あるいは不均一溶液重合などによって製造される。
その具体例としては日本ゼオン株式会社製の商品名「ゼ
オンアクリルレジンF325」(平均分子量40万、T
g107℃)や「ゼオンアクリルレジンF345」(平
均分子量20万、Tg90℃)等が上げられる。
【0027】本発明に用いることのできる好適な可塑剤
の例としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジブチ
ルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルオクチ
ルフタレート、ブチルシクロヘキシルフタレート、ジイ
ソノニルフタレート、ジカプリルフタレート、ジイソデ
シルフタレート等のフタル酸エステル、ジ−2−エチル
ヘキシルアジペート及びジイソデシルアジペートなどの
アジピン酸エステル、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
ト等のセバシン酸エステル、ジオクチルアゼレート等の
アゼライン酸エステル、トリクレジルフォスフェート
(TCP)及びトリ−2−エチルヘキシルフォスフェー
トなどのリン酸エステル、トリ−2−エチルヘキシルサ
イトレート及びアセチルブチルサイレートなどのクエン
酸エステル、グリセロールジアセテートモノラウレート
などのアセチル化グリセライド、エポキシ化大豆油及び
エポキシ化アマニ油等のエポキシ化グリセライドが上げ
られる。可塑剤の添加量はプラスチゾル樹脂100重量
部に対して50〜300重量部の範囲で用いられる。5
0部より少ないと液状にならなかったり高粘度すぎてナ
ットに樹脂を塗布することが困難となる。逆に300部
以上になるとプラスチゾル濃度が低下し、加熱後の硬化
物の強度が著しく低下するという不都合が生じる。
の例としては、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジ
ブチルフタレート、ジイソオクチルフタレート、ジブチ
ルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルオクチ
ルフタレート、ブチルシクロヘキシルフタレート、ジイ
ソノニルフタレート、ジカプリルフタレート、ジイソデ
シルフタレート等のフタル酸エステル、ジ−2−エチル
ヘキシルアジペート及びジイソデシルアジペートなどの
アジピン酸エステル、ジ−2−エチルヘキシルセバケー
ト等のセバシン酸エステル、ジオクチルアゼレート等の
アゼライン酸エステル、トリクレジルフォスフェート
(TCP)及びトリ−2−エチルヘキシルフォスフェー
トなどのリン酸エステル、トリ−2−エチルヘキシルサ
イトレート及びアセチルブチルサイレートなどのクエン
酸エステル、グリセロールジアセテートモノラウレート
などのアセチル化グリセライド、エポキシ化大豆油及び
エポキシ化アマニ油等のエポキシ化グリセライドが上げ
られる。可塑剤の添加量はプラスチゾル樹脂100重量
部に対して50〜300重量部の範囲で用いられる。5
0部より少ないと液状にならなかったり高粘度すぎてナ
ットに樹脂を塗布することが困難となる。逆に300部
以上になるとプラスチゾル濃度が低下し、加熱後の硬化
物の強度が著しく低下するという不都合が生じる。
【0028】本発明に用いることのできる発泡剤の例と
しては先に述べたマイクロカプセル型発泡剤はもちろん
であるがこの他に化学反応によって分解ガスが発生する
各種のケミカル発泡剤を用いることができる。本発明に
特に適したケミカル発泡剤の具体例としては、アゾジカ
ルボンアミド等のアゾ化合物、4,4’−オキシビス
(ベンゼンスホニルヒドラジド)、ヒドラジンカルボン
アミドなどのヒドラジン誘導体が上げられる。これらは
の発泡剤は各種の塩ビ用安定剤や、発泡助剤を添加する
ことによって任意の発泡開始温度のに調整することがで
きる。本発明では外装塗料の乾燥条件である180℃程
度の温度で速やかに発泡し発泡性液状シール剤の乾燥塗
膜を形成する温度で発泡しないことが望ましいので、1
40℃から180℃の温度範囲で分解ガスを発生する発
泡剤が特に好ましい。
しては先に述べたマイクロカプセル型発泡剤はもちろん
であるがこの他に化学反応によって分解ガスが発生する
各種のケミカル発泡剤を用いることができる。本発明に
特に適したケミカル発泡剤の具体例としては、アゾジカ
ルボンアミド等のアゾ化合物、4,4’−オキシビス
(ベンゼンスホニルヒドラジド)、ヒドラジンカルボン
アミドなどのヒドラジン誘導体が上げられる。これらは
の発泡剤は各種の塩ビ用安定剤や、発泡助剤を添加する
ことによって任意の発泡開始温度のに調整することがで
きる。本発明では外装塗料の乾燥条件である180℃程
度の温度で速やかに発泡し発泡性液状シール剤の乾燥塗
膜を形成する温度で発泡しないことが望ましいので、1
40℃から180℃の温度範囲で分解ガスを発生する発
泡剤が特に好ましい。
【0029】発泡剤の添加量はプラスチゾル樹脂100
重量部に対して0.5〜30重量部の範囲で用いられ
る。0.5部より少ないとほとんど発泡しないし、逆に
20部以上になると発泡倍率が高すぎて発泡後の形状が
著しく不適なものになるばかりか、硬化物の強度が著し
く低下するという不都合が生じる。
重量部に対して0.5〜30重量部の範囲で用いられ
る。0.5部より少ないとほとんど発泡しないし、逆に
20部以上になると発泡倍率が高すぎて発泡後の形状が
著しく不適なものになるばかりか、硬化物の強度が著し
く低下するという不都合が生じる。
【0030】本発明に用いる発泡性液状シール剤には、
この他に必要に応じて適度な揺変性を出すためにエロジ
ールやタルクなどの各種充填剤や、着色剤などを任意に
加えても良い。
この他に必要に応じて適度な揺変性を出すためにエロジ
ールやタルクなどの各種充填剤や、着色剤などを任意に
加えても良い。
【0031】発泡性液状シール剤のウエルドナットへの
塗布方法としては、当該ウエルドナットの内孔部にいっ
たん液を充填して引き上げると自重で落下し、適度な発
泡性液状シール剤の揺変性によって、適度な膜厚を形成
して塗布することができる。もちろんこの他にシール剤
をノズル先端から押し出し、自動塗布機などで塗布して
も良い。
塗布方法としては、当該ウエルドナットの内孔部にいっ
たん液を充填して引き上げると自重で落下し、適度な発
泡性液状シール剤の揺変性によって、適度な膜厚を形成
して塗布することができる。もちろんこの他にシール剤
をノズル先端から押し出し、自動塗布機などで塗布して
も良い。
【0032】発泡性液状シール剤を乾燥塗膜を形成させ
るための加工条件としては、シール剤が発泡せずに固体
状に硬化する温度範囲で行う必要があり、熱膨張性マイ
クロカプセルをバインダーの熱可塑性樹脂溶液もしくは
エマルジョンに分散させた組成物を用いる場合には、常
温から150℃までの温度範囲で乾燥させる。特にエマ
ルジョン型のバインダー樹脂を用いた場合には60℃か
ら90℃の水が沸騰しない温度範囲で30分から2時間
程度の乾燥時間で硬化させることが好ましい。発泡剤を
配合したプラスチゾルペーストの場合にはプラスチゾル
のゲル化温度以上で加熱する必要があり、80℃から1
50℃の温度範囲で1分から10分程度の加熱で硬化さ
れる。これらの加熱にはオーブンによる加熱でいが、こ
の他に誘導加熱などの生産性に優れた加熱方法も用いる
ことができる。
るための加工条件としては、シール剤が発泡せずに固体
状に硬化する温度範囲で行う必要があり、熱膨張性マイ
クロカプセルをバインダーの熱可塑性樹脂溶液もしくは
エマルジョンに分散させた組成物を用いる場合には、常
温から150℃までの温度範囲で乾燥させる。特にエマ
ルジョン型のバインダー樹脂を用いた場合には60℃か
ら90℃の水が沸騰しない温度範囲で30分から2時間
程度の乾燥時間で硬化させることが好ましい。発泡剤を
配合したプラスチゾルペーストの場合にはプラスチゾル
のゲル化温度以上で加熱する必要があり、80℃から1
50℃の温度範囲で1分から10分程度の加熱で硬化さ
れる。これらの加熱にはオーブンによる加熱でいが、こ
の他に誘導加熱などの生産性に優れた加熱方法も用いる
ことができる。
【0033】
(シール剤I)熱膨張性マイクロカプセルをバインダー
の熱可塑性樹脂のエマルジョンに分散させたものとして
は大日精化工業株式会社製、商品名「ニューダイフォー
ムW−494」を用いた。これはアクリルエマルジョン
に熱膨張性マイクロカプセルを配合したもので、発泡温
度は170℃〜180℃である。 (シール剤II)発泡性塩化ビニルプラスチゾル系シー
ル剤を次の配合で組成物を調製した。新第一塩ビ株式会
社製の塩化ビニル系プラスチゾル;商品名「ZEST
P66」100重量部、可塑剤;DOP100重量部、
永和化成工業株式会社製のアゾジカルボンアミド系発泡
剤;商品名「ビニホールFE−788」2重量部を配合
しハイパーで30分撹拌して調製した。 (シール剤III)発泡性非塩化ビニル系プラスチゾル
を次の配合で組成物を調製した。日本ゼオン(株)のア
クリル系プラスチゾル;商品名「ゼオンアクリルレジン
F325」100重量部、可塑剤;TCP150重量
部、永和化成工業株式会社製のアゾジカルボンアミド系
発泡剤;商品名「ビニホールFE−788」4重量部、
粘度調整のために充填剤としてタルク20重量部を配合
し、ハイパーで30分撹拌して調製した。
の熱可塑性樹脂のエマルジョンに分散させたものとして
は大日精化工業株式会社製、商品名「ニューダイフォー
ムW−494」を用いた。これはアクリルエマルジョン
に熱膨張性マイクロカプセルを配合したもので、発泡温
度は170℃〜180℃である。 (シール剤II)発泡性塩化ビニルプラスチゾル系シー
ル剤を次の配合で組成物を調製した。新第一塩ビ株式会
社製の塩化ビニル系プラスチゾル;商品名「ZEST
P66」100重量部、可塑剤;DOP100重量部、
永和化成工業株式会社製のアゾジカルボンアミド系発泡
剤;商品名「ビニホールFE−788」2重量部を配合
しハイパーで30分撹拌して調製した。 (シール剤III)発泡性非塩化ビニル系プラスチゾル
を次の配合で組成物を調製した。日本ゼオン(株)のア
クリル系プラスチゾル;商品名「ゼオンアクリルレジン
F325」100重量部、可塑剤;TCP150重量
部、永和化成工業株式会社製のアゾジカルボンアミド系
発泡剤;商品名「ビニホールFE−788」4重量部、
粘度調整のために充填剤としてタルク20重量部を配合
し、ハイパーで30分撹拌して調製した。
【0034】(ウエルドナットへの塗布加工)発泡性液
状シール材樹脂I〜IIIをそれぞれ内径6mmのウエ
ルドナットに図6に示す形状に塗布した。ついで、シー
ル剤Iについては80℃で1時間の条件で発泡させるこ
となく乾燥させて塗膜を得た。シール剤II,IIIに
ついては120℃で3分間の加熱条件で発泡させること
なく、その乾燥塗膜を得た。
状シール材樹脂I〜IIIをそれぞれ内径6mmのウエ
ルドナットに図6に示す形状に塗布した。ついで、シー
ル剤Iについては80℃で1時間の条件で発泡させるこ
となく乾燥させて塗膜を得た。シール剤II,IIIに
ついては120℃で3分間の加熱条件で発泡させること
なく、その乾燥塗膜を得た。
【0035】(比較例1,2)比較例1として内径6m
mのウエルドナットに図1に示すように頂面に外装塗装
後マスキングテープを貼った。比較例2としては図2に
示すようにナットの中心部に発泡スチロールの薄板を事
前に挿入したものを用いた。
mのウエルドナットに図1に示すように頂面に外装塗装
後マスキングテープを貼った。比較例2としては図2に
示すようにナットの中心部に発泡スチロールの薄板を事
前に挿入したものを用いた。
【0036】(性能試験)性能試験結果については表1
に示す。
に示す。
【0037】
【表1】
【0038】ここで、各試験の試験方法について説明す
る。 (溶接時の熱による腐食性)溶接後、25℃,50%R
Hの雰囲気中に1時間放置して、鋼板の表面に錆が発生
するかどうか確認した。
る。 (溶接時の熱による腐食性)溶接後、25℃,50%R
Hの雰囲気中に1時間放置して、鋼板の表面に錆が発生
するかどうか確認した。
【0039】(ボルトの締め込みの可否)ウエルドナッ
トの座面側からM10のボルトをインパクトレンチによ
って締め込みが可能かどうか確認した。
トの座面側からM10のボルトをインパクトレンチによ
って締め込みが可能かどうか確認した。
【0040】
【発明の効果】本発明のマスキング機能を有するウエル
ドナットは、工業的に十分に利用可能なレベルで安価に
生産することができ、本発明で目的とするシャーシー塗
料のネジ内部への付着を防止してボルトの締め込み抵抗
を増加させない。また、本発明のウエルドナットのシー
ル部材の乾燥塗膜は、溶接工程での位置決めガイドピン
の挿入に対して障害物とはならず、かつ組成物の耐熱性
が優れているので外装塗料の乾燥ラインの加熱で変質し
たり溶解したりすることもない
ドナットは、工業的に十分に利用可能なレベルで安価に
生産することができ、本発明で目的とするシャーシー塗
料のネジ内部への付着を防止してボルトの締め込み抵抗
を増加させない。また、本発明のウエルドナットのシー
ル部材の乾燥塗膜は、溶接工程での位置決めガイドピン
の挿入に対して障害物とはならず、かつ組成物の耐熱性
が優れているので外装塗料の乾燥ラインの加熱で変質し
たり溶解したりすることもない
【0041】さらに、ウエルドナットの内孔部をマスキ
ングテープなどの薄膜で覆わないので、外装塗料にどぶ
漬け浸漬による塗装をしてもウエルドナットの頂面と薄
膜との接合箇所付近での液溜まりを発生することがな
く、ボルトの締め込み抵抗を増加させることもない。ま
た、後工程のボルトの締め込みによって発泡後のシール
材は容易にウエルドナットから脱落するのでマスキング
材の剥し作業が不要となる。たとえ脱落したシール部材
が車体内部に残存しても、膨張後または発泡後の当該ソ
ール部材は軟質弾性状発泡体なので車体内での異常音発
生の原因とはならない。
ングテープなどの薄膜で覆わないので、外装塗料にどぶ
漬け浸漬による塗装をしてもウエルドナットの頂面と薄
膜との接合箇所付近での液溜まりを発生することがな
く、ボルトの締め込み抵抗を増加させることもない。ま
た、後工程のボルトの締め込みによって発泡後のシール
材は容易にウエルドナットから脱落するのでマスキング
材の剥し作業が不要となる。たとえ脱落したシール部材
が車体内部に残存しても、膨張後または発泡後の当該ソ
ール部材は軟質弾性状発泡体なので車体内での異常音発
生の原因とはならない。
【0042】本発明における発泡性液状シール材に、プ
ラスチゾル系のバインダーとして用いると有機溶剤によ
る環境汚染の問題もなく、非常に短時間の加熱処理で完
了することができる。さらに、非塩化ビニル系のプラス
チゾルや熱膨張性マイクロカプセルを有機溶剤に分散さ
せた発泡性液状シール剤を用いた場合には溶接時の加熱
によるアンダーボディー鋼板の腐食の発生の問題もな
い。
ラスチゾル系のバインダーとして用いると有機溶剤によ
る環境汚染の問題もなく、非常に短時間の加熱処理で完
了することができる。さらに、非塩化ビニル系のプラス
チゾルや熱膨張性マイクロカプセルを有機溶剤に分散さ
せた発泡性液状シール剤を用いた場合には溶接時の加熱
によるアンダーボディー鋼板の腐食の発生の問題もな
い。
【図1】従来例のマスキングテープを張り付けるウエル
ドナットの断面図
ドナットの断面図
【図2】従来例(実開昭62−6521)の発泡スチロ
ールを挿入するウエルドナットの断面図
ールを挿入するウエルドナットの断面図
【図3】前記図2のウエルドナットの発泡後の断面図
【図4】従来例(特開平3−113111)の非発泡性
シール材の薄膜を頂面に形成したウエルドナットの断面
図
シール材の薄膜を頂面に形成したウエルドナットの断面
図
【図5】ウエルドナットに位置決めガイドピンの挿入を
示す一部断面図
示す一部断面図
【図6】本発明の発泡前のウエルドナットの断面図
【図7】本発明の発泡後のウエルドナットの断面図
1 ウエルドナット本体 2 発泡性液状シール剤 3 プロテクション 4 位置決めガイドピン 5 座面 5’ 頂面 6 ネジ部 7 発泡後の軟質弾性状発泡体 8 マスキングテープ 9 発泡性固形シール部材 10 非発泡性液状シール剤 11 テーパー部
Claims (6)
- 【請求項1】 後行程の溶接行程または塗装乾燥工程の
熱などによって発泡または膨張して軟質弾性状発泡体を
形成する発泡性液状シール剤を、ウエルドナットの溶接
工程で使用される位置決めガイドピンと接触しないよう
な厚みと形状でウエルドナットの内周部のネジ山に沿っ
て円周状に塗布し、発泡または膨張がおこりにくい条件
で当該発泡性液状シール材の乾燥塗膜を形成して、ネジ
山への塗料の付着および侵入を防止することが可能でか
つボルトの締め込み抵抗の増加を防止できることを特徴
とするウエルドナット。 - 【請求項2】 前記発泡性液状シール剤の乾燥塗膜の膜
厚が、座面側より頂面側の方を厚くなるように形成した
ことを特徴とする請求項1記載のウエルドナット。 - 【請求項3】 前記発泡性液状シール剤の乾燥塗膜を、
少なくとも頂面部付近にリング状に形成したことを特徴
とする請求項1記載のウエルドナット。 - 【請求項4】 前記発泡性液状シール剤が、以下の組成
からなることを特徴とする請求項1記載のウエルドナッ
ト。 (1)熱可塑性バインダー樹脂 (2)熱膨張性マイクロカプセル (3)水もしくは有機溶剤 - 【請求項5】 前記発泡性液状シール剤が以下の組成か
らなることを特徴とする請求項1記載のウエルドナッ
ト。 (1)プラスチゾル (2)可塑剤 (3)発泡剤 - 【請求項6】 前記プラスチゾルがアクリル系プラスチ
ゾルであることをを特徴とする請求項5記載のウエルド
ナット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8322063A JPH10128198A (ja) | 1996-10-28 | 1996-10-28 | 塗料のマスキング機能を有するウエルドナット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8322063A JPH10128198A (ja) | 1996-10-28 | 1996-10-28 | 塗料のマスキング機能を有するウエルドナット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10128198A true JPH10128198A (ja) | 1998-05-19 |
Family
ID=18139507
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8322063A Pending JPH10128198A (ja) | 1996-10-28 | 1996-10-28 | 塗料のマスキング機能を有するウエルドナット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10128198A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1170516A1 (en) * | 2000-07-05 | 2002-01-09 | Emhart Inc. | Process for protecting an internal thread of a blind rivet |
JP2017020595A (ja) * | 2015-07-13 | 2017-01-26 | 株式会社青山製作所 | 塗料浸入防止手段を備えるナット及び締結方法 |
CN109372940A (zh) * | 2018-11-30 | 2019-02-22 | 重庆怡之驰机械有限公司 | 汽油机用的安装支架 |
CN114733666A (zh) * | 2022-03-30 | 2022-07-12 | 南京超州机电制造有限公司 | 一种可快速加工的钣金件及其表面加工方法 |
-
1996
- 1996-10-28 JP JP8322063A patent/JPH10128198A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1170516A1 (en) * | 2000-07-05 | 2002-01-09 | Emhart Inc. | Process for protecting an internal thread of a blind rivet |
JP2017020595A (ja) * | 2015-07-13 | 2017-01-26 | 株式会社青山製作所 | 塗料浸入防止手段を備えるナット及び締結方法 |
CN109372940A (zh) * | 2018-11-30 | 2019-02-22 | 重庆怡之驰机械有限公司 | 汽油机用的安装支架 |
CN114733666A (zh) * | 2022-03-30 | 2022-07-12 | 南京超州机电制造有限公司 | 一种可快速加工的钣金件及其表面加工方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5985435A (en) | Magnetized hot melt adhesive articles | |
JP2001503092A (ja) | 硫黄を含まない膨張性および熱硬化性ゴム成形品 | |
US6708979B2 (en) | Orifice sealing physical barrier | |
US20110024933A1 (en) | Expandable filler insert and methods of producing the expandable filler insert | |
JPH05255895A (ja) | ナット付き板金部品の製造方法並びに該方法の実施に使用するナット及びボルト・ナット・アッセンブリ | |
EP1707477A1 (en) | A part for placement within a hollow member, and corresponding foaming process | |
EP0985737A1 (en) | Method for coating faying surfaces of aluminium-alloy components and faying surfaces coated thereby | |
US5829482A (en) | Method of plugging up coating material introduction apertures formed in hollow structural member and plugs used in performing such method | |
JP2001513713A (ja) | 中空部封止物と封止法 | |
US6830799B1 (en) | Expandable compositions and methods of making and using the compositions | |
WO2012090565A1 (ja) | ペースト状加熱発泡充填材 | |
EP1362769A1 (en) | Expandible conical hole plugs | |
JP2001329208A (ja) | 防音アンダーコート用アクリルゾル | |
US7473453B2 (en) | Heat-resistant, paintable two-sided acrylic-based adhesive tape | |
CN104168521B (zh) | 扬声器载体及安装在车辆中的方法、扬声器总成 | |
JPH10128198A (ja) | 塗料のマスキング機能を有するウエルドナット | |
US20060142403A1 (en) | Pasty heat-expandable filler composition and method of sound insulation by filling closed section of car body member | |
US4680316A (en) | Hot applied, expandable sealer | |
US6852359B2 (en) | Heat-resistant, paintable two-sided acrylic-based adhesive tape and method of applying to substrates | |
JP6848494B2 (ja) | 加熱発泡性プレコート金属板及びその製造方法 | |
JP3859047B2 (ja) | 発泡性アクリル樹脂塗料組成物 | |
JPH10337531A (ja) | 耐チッピング塗装方法及びその組成物 | |
JPH07232665A (ja) | 自動車の防音処理工法 | |
JP2589392B2 (ja) | パネルの合わせ目のシール構造 | |
JP3027201B2 (ja) | 塗装用マスキング材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040406 |