JPH10128083A - スラリーの分離,濃縮方法とその装置 - Google Patents

スラリーの分離,濃縮方法とその装置

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JPH10128083A
JPH10128083A JP28671996A JP28671996A JPH10128083A JP H10128083 A JPH10128083 A JP H10128083A JP 28671996 A JP28671996 A JP 28671996A JP 28671996 A JP28671996 A JP 28671996A JP H10128083 A JPH10128083 A JP H10128083A
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JP
Japan
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membrane
slurry
concentration
separation device
latex
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JP28671996A
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Kazutaka Takada
一貴 高田
Yoshio Konishi
嘉雄 小西
Katsuyoshi Tanida
克義 谷田
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Shinko Pantec Co Ltd
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Shinko Pantec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラテックス、炭酸カルシウムスラリー、活性
汚泥等のスラリーの濃縮、その他製紙排水からの水回収
等に使用されるスラリーの分離,濃縮方法とその装置に
関し、スラリーの濃縮限界を高くすることができ、よっ
てスラリーの排水処理のコストやメンテナンスを低減さ
せることができ、また膜表面の流速を速めることなく膜
の透過流束を高めることができ、それによって濃縮処理
の時間を短縮することができ、さらに膜への付着,膜の
閉塞を防止することを課題とする。 【解決手段】 振動可能な膜を備えた膜分離装置5によ
って、スラリーを濃縮液と濾過液とに分離することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラリーの分離,
濃縮方法とその装置、さらに詳しくはラテックス、炭酸
カルシウムスラリー、活性汚泥等のスラリーの濃縮、そ
の他製紙排水からの水回収等に使用されるスラリーの分
離,濃縮方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ラテックス、炭酸カルシウムス
ラリー等のスラリーを濃縮するための分離,濃縮装置と
しては種々のものが使用されており、とりわけ膜による
処理装置としては精密濾過膜、限外濾過膜、ナノフィル
ター、逆浸透膜等を備えた分離,濃縮装置が用いられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような各
種の膜を備えた分離,濃縮装置によると、膜の透過流束
が必ずしも高くはないため、ラテックス,炭酸カルシウ
ムスラリー等のスラリーを濃縮する場合、その濃縮する
濃度も従来ではせいぜい20%に濃縮するのが限界であっ
た。
【0004】しかし、上記のような膜による分離,濃縮
装置では、膜を透過せずに濃縮される濃縮液と、膜を透
過する濾過液とに分離されるため、処理すべき当初のス
ラリーに含まれる固体粒子の量を一定と考えると濃縮液
の濃度が高いほどその濃縮液の容積は減少することとな
る。
【0005】しかして処理の対象が濃縮側の濃縮液であ
る場合、たとえばスラリーの排水処理の場合、従来では
上記のように20%に濃縮するのが限界であったため、処
理すべき排水としてのスラリーの容積も必要以上に減少
させることができなかった。
【0006】この結果、スラリーの排水処理のコストが
増大するとともに、その排水処理のメンテナンスも必要
となっていた。
【0007】また、一般に上記のような膜分離による分
離,濃縮装置は、膜による透過流束が低いため、濃縮処
理に時間を要することとなっていた。この濃縮処理効率
を高めるには膜表面の流速を速くする必要があるが、速
くするためにはポンプの作動等多大なエネルギーを要す
ることとなる。
【0008】さらに、膜へスラリーに含まれる固体粒子
が付着し、膜の目詰まりや流路の閉塞を生じさせるとい
う問題も生じていた。
【0009】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたもので、スラリーの濃縮限界を高くするこ
とができ、よってスラリーの排水処理のコストやメンテ
ナンスを低減させることができ、また膜表面の流速を速
めることなく膜の透過流束を高めることができ、それに
よって濃縮処理の時間を短縮することができ、さらに膜
への付着,膜の閉塞を防止することを課題とするもので
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、スラリーの分離,濃縮方法とその
装置としてなされたもので、スラリーの分離,濃縮方法
としての特徴は、振動可能な膜を備えた膜分離装置5に
よって、スラリーを濃縮液と濾過液とに分離することに
あり、スラリーの分離,濃縮装置としての特徴は、スラ
リーを濃縮液と濾過液とに分離すべく振動可能な膜を備
えた膜分離装置5を具備させたことにある。
【0011】スラリーとしては、たとえばラテックスや
炭酸カルシウムスラリーを用いることが可能である。
【0012】また、膜分離装置5の前段に、反応槽1を
設けることも可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面に従って説明する。
【0014】図1は、本発明のスラリーの分離,濃縮装
置の一実施形態としてのラテックスの分離,濃縮装置の
概略フロー図である。
【0015】図1において、1はラテックスを重合反応
させるための重合反応槽で、攪拌翼(図示せず)によっ
て攪拌することによってラテックスが製造されるように
構成されている。
【0016】2は、ストレーナ、3はポンプ、4は三方
弁をそれぞれ示す。
【0017】5は前記重合反応槽1で製造されたラテッ
クスを膜分離するための膜分離装置で、振動可能な膜が
具備されている。
【0018】この膜分離装置5について説明すると、図
2及び図3に示すように、平面円形の分離装置本体6の
下面側に軸7が取付けられており、その軸7は基台8上
に回動自在に立設されている。
【0019】そしてモータ9の駆動により軸7を介して
装置本体6が所定角度の範囲内で左右に連続的に回動す
るように構成されており、それによって装置本体6内の
膜10が振動しうるように構成されている。
【0020】装置本体6内の膜10で濾過された濾過液
は、濾過液ライン11へ流出し、濃縮液は濃縮液ライン12
へ流出する。
【0021】濃縮液ライン12は、濃縮液が返送されるよ
うに図1に示すように重合反応槽1に接続されている。
また、濃縮液ライン12の途中には、濃縮液を取り出して
次工程へ送り出すための排出ライン15が分岐して設けら
れている。
【0022】また、三方弁4からも、流量調節のため重
合反応槽1に液を返送する返送ライン13が設けられてい
る。
【0023】次に、上記のようなラテックスの分離,濃
縮装置によって、ラテックスを濃縮する場合について説
明する。
【0024】先ず、重合反応槽1で製造されたラテック
スを給送ライン14から膜分離装置5へ給送する。
【0025】この際、ラテックスはストレーナ2を経て
ポンプ3で圧送されながら給送される。
【0026】給送されるラテックスの一部は返送ライン
13を経て重合反応槽1に返送される。この返送ライン13
は、膜分離装置5へ給送されるラテックスの量を調整す
るために設けられたもので、流量調整することにより、
後述する膜分離装置5の通過後の濃縮液の濃縮度をコン
トロールすることができる。
【0027】そして膜分離装置5へ給送されたラテック
スは、その膜分離装置5で濃縮液と濾過液とに分離され
る。
【0028】これをより具体的に説明すると、膜分離装
置5の装置本体6へ流入したラテックスは、その装置本
体6内の膜10で分離され、膜10を透過した濾過液が濾過
液ライン11を経て回収され、膜10を透過できない液が濃
縮液として濃縮液ライン12を経て重合反応槽1へ返送さ
れる。
【0029】この場合において、膜分離装置5のモータ
9が駆動されると軸7を介して平面略円形の装置本体6
が図3に示すように左右に所定角度の範囲内で左右に連
続的に回動し、それによって装置本体6内の膜10が振動
することとなる。
【0030】このように膜10が振動することによって、
膜面に高剪断力が作用し、それによってラテックス中の
ポリマーの微粒子等が膜面へ付着するのが防止され、そ
の微粒子等により膜に目詰まりが生ずるのが防止され
る。
【0031】従って、膜面は清浄な状態に保たれ、流束
の低下が生ずることもない。
【0032】上記のような膜分離装置5で分離,濃縮さ
れて重合反応槽1へ返送された濃縮液は、その重合反応
槽1内で再利用され、給送ライン14から膜分離装置5へ
再度給送され、給送ライン14と濃縮液ライン12を循環す
る。
【0033】このような給送ライン14と濃縮液ライン12
の循環を繰り返すことによって濃縮液の濃度は徐々に高
まることとなるが、本実施形態での膜分離装置5は上述
のように膜10を振動させるように構成されており、膜へ
の目詰まりが生ずるのが防止されているため、濃縮処理
が効率良く行われ、濃縮処理の時間を短縮することがで
きる。
【0034】しかも、ラテックスの濃縮限界を高くする
ことができる。
【0035】尚、上記実施形態では重合反応槽1を設
け、その重合反応によって製造されるラテックスを膜分
離装置5へ給送しうるように構成したが、これに限ら
ず、単にラテックスを貯留した貯留槽から膜分離装置5
へ給送しうるように構成することも可能である。
【0036】また、ストレーナー2、ポンプ3、三方弁
4等を具備させることも本発明に必須の条件ではない。
【0037】さらに、該実施形態では、ラテックスを分
離,濃縮する場合について説明したが、分離,濃縮する
処理物はこれに限らず、たとえば炭酸カルシウムの濃
縮、抗生物質の濃縮、活性汚泥の濃縮等について本発明
を適用することも可能である。
【0038】さらに、反応器洗浄廃液の濃縮・濾過、ラ
テックス分級、触媒の洗浄・濃縮・濾過、コロイドシリ
カの濃縮・濾過、水酸化ナトリウムの回収、ボイラー水
処理、塩化カルシウムの精製、銀等の有価物の回収、各
種酸の精製等の化学工業の分野、プロセス水処理、繊維
除去、リグニン除去のための廃液処理、ブラックリカー
の濃縮、白水からの水回収、BOD,COD除去、色素
除去、油水分離等の紙パルプ工業の分野、各種塗料の濃
縮、ラテックス塗料の回収、電解質塗料の回収、色素回
収、印刷用トナーの濃縮・分級等の印刷用塗料の分野、
生物汚泥濃縮、水酸化金属種の分離、BOD,COD削
減、油水分離、洗浄廃水処理、スラッジ脱水、スクラバ
ー廃水処理等の廃水処理の分野、ポリシリコン排水処
理、現像液回収等の半導体分野、各種ミネラル濃縮、カ
オリン濃縮、リン酸カルシウム濃縮、金属廃石処理、炭
酸カルシウムの分級、金属分級等の鉱石の分野、飲料水
濾過(微生物除去等)等の飲料水の分野等に本発明を適
用することも可能である。
【0039】要は、スラリーの分離,濃縮に適用されれ
ばよいのである。尚、本発明において「スラリーの分
離,濃縮」とは、要はスラリーを濃縮液と濾過液とに分
離し、結果として濃縮がされることを意味し、最終目的
としては濃縮以外の濾過,分級等の用途にも広く適用し
うることを意味するものである。
【0040】さらに、上記実施例ではモータ9の駆動に
よって基台8上に立設された軸7を介して平面略円形の
装置本体6を回動させ、それによって装置本体6内の膜
10を振動させるように構成したが、膜分離装置5の構造
はこれに限定されるものではない。
【0041】要は、膜が振動しうるように構成されてい
ればよいのである。
【0042】
【実施例】実施例1 上記実施形態のようなラテックスの分離,濃縮装置を用
いて実際にラテックスの処理を行った。
【0043】重合反応槽1としては容積50Lをものを使
用し、膜分離装置5としては、膜面積0.045m2のものを
使用した。
【0044】実験初期における各配管ラインの流速を計
測したところ、給送ライン14では0.2L/秒、返送ライン
13では0.04L/秒、三方弁4の通過後の給送ライン14で
は0.16L/秒、濃縮液ライン12では0.155L/秒、透過液
ライン11では0.005L/秒であった。
【0045】尚、ラテックスの濃度と膜の透過流束との
相関関係について実施例と比較例との双方について試験
した。
【0046】実施例は、上記のような膜が振動しうる膜
分離装置5を具備した分離,濃縮装置を用いた場合であ
り、比較例は、一般にクロスフローと称される膜が振動
しない分離,濃縮装置を用いた場合である。
【0047】その結果を図4のグラフに示す。
【0048】図4において、○は実施例のプロットであ
り、■は比較例のプロットである。
【0049】図4からも明らかなように、実施例では比
較例に比べて膜の透過流束ははるかに優れたものであっ
た。従って、ラテックスを同程度の濃度まで濃縮する場
合、本実施例の方が比較例よりラテックスの濃縮処理時
間を短縮することが可能であった。また、ラテックスの
濃縮限界も60%以上であり、比較例の約20%と比べはる
かに高濃度まで濃縮可能であった。
【0050】実施例2 本実施例では、実施例1のラテックスに代えて炭酸カル
シウムのスラリーの分離,濃縮を行った。
【0051】実施例1と同様に、膜が振動しうる膜分離
装置5を具備した分離,濃縮装置を用いた場合と、クロ
スフローと称される比較例とを対比した。
【0052】本実施例においても、比較例に比べて膜の
透過流束ははるかに優れたものであり、スラリーの濃縮
処理時間も短縮することが可能であった。
【0053】
【発明の効果】叙上のように、本発明は、振動可能な膜
を備えた膜分離装置によって、スラリーを濃縮液と濾過
液とに分離し、スラリーを濃縮するため、膜の振動によ
ってスラリーの粒子が膜に不用意に付着し或いは膜の目
詰まりや流路の閉塞が生ずるのを防止することができ、
従って膜の透過流束を高めることができるので、スラリ
ーの濃縮限界を高くすることが可能となる。
【0054】この結果、スラリーの排水処理のコストや
メンテナンスを低減させることができるという効果があ
る。
【0055】また膜の透過流束を高めることができる結
果、濃縮処理の時間を短縮することができるという効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態としてのラテックスの分離,濃縮装
置を示す概略フロー図。
【図2】分離,濃縮装置における膜分離装置を示す概略
側面図。
【図3】膜分離装置本体を示す概略平面図。
【図4】ラテックス濃縮処理の濃度と透過流束との相関
関係を示すグラフ。
【図5】炭酸カルシウム濃縮処理の濃度と透過流束との
相関関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1…重合反応槽 5…膜分離装置 10…膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動可能な膜を備えた膜分離装置5によ
    って、スラリーを濃縮液と濾過液とに分離することを特
    徴とするスラリーの分離,濃縮方法。
  2. 【請求項2】 前記スラリーがラテックスである請求項
    1記載のスラリーの分離,濃縮方法。
  3. 【請求項3】 前記スラリーが炭酸カルシウムスラリー
    である請求項1記載のスラリーの分離,濃縮方法。
  4. 【請求項4】 スラリーを濃縮液と濾過液とに分離すべ
    く振動可能な膜を備えた膜分離装置5を具備することを
    特徴とするスラリーの分離,濃縮装置。
  5. 【請求項5】 前記膜分離装置5の前段に、反応槽1が
    設けられている請求項4記載のスラリーの分離,濃縮装
    置。
  6. 【請求項6】 前記スラリーがラテックスである請求項
    4又は5記載のスラリーの分離,濃縮装置。
  7. 【請求項7】 前記スラリーが炭酸カルシウムスラリー
    である請求項4又は5記載のスラリーの分離,濃縮装
    置。
JP28671996A 1996-10-29 1996-10-29 スラリーの分離,濃縮方法とその装置 Pending JPH10128083A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000281716A (ja) * 1999-03-31 2000-10-10 Nippon Zeon Co Ltd 重合体ラテックスの濃縮方法
JP2004160396A (ja) * 2002-11-14 2004-06-10 Japan Organo Co Ltd インク廃液の処理方法
JP2006521433A (ja) * 2003-03-27 2006-09-21 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト ビニルアミン基を含むポリマーの水溶液の水溶性塩の含分を低下させるための方法、及び、多成分高吸収体ゲルの製造における脱塩ポリマーの使用
JP2018164864A (ja) * 2017-03-28 2018-10-25 家田貿易株式会社 懸濁液の濃縮システム
WO2021024757A1 (ja) * 2019-08-06 2021-02-11 月島機械株式会社 ラテックスの分級方法

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