JPH10127793A - 治療計画装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天板１ａを前後に移動させるだけでシミュレ
ータ２，３の切り替えを行うことができ、天板回転機構
を不要にする治療計画装置を提供する。 【解決手段】 前後移動機構１１により天板１ａを後方
に移動させると、Ｘ線シミュレータ３を使用して検査を
実行することができ、この場合には、アイソセントリッ
ク回転機構１３により天板１ａをアイソセントリック回
転させることができる。また、前後移動機構１１より天
板１ａを前方に移動させると、Ｘ線シミュレータ３の前
方に設置したＣＴシミュレータ２を使用して検査を実行
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＣＴシミュレータ
とＸ線シミュレータを併用し、又は、ＣＴシミュレータ
のみによって、放射線治療機による放射線治療の治療計
画を立てる治療計画装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】放射線治療機は、ベッドの天板上に患者
を乗せて、放射線の線源をこの天板の周りで回転させな
から、患者の患部に周囲から放射線を照射して治療を行
うものである。ただし、この治療の際には、放射線を患
部に有効に照射すると共に、その他の健全な部位の被曝
量をできるだけ少なくしなければならない。従って、実
際に放射線治療を行う場合には、予め患者を乗せる天板
の前後位置や上下位置を定めると共に、放射線の線源の
回転中心に対する天板の水平方向の回転位置であるアイ
ソセントリック回転の角度を定め、また、放射線の線源
の回転角に応じた照射放射線の線量やビーム幅等を定め
ておく必要があり、これらの治療計画を立てるために治
療計画装置が用いられる。

【０００３】従来の放射線治療の治療計画装置は、図６
及び図７に示すように、ベッド１の前後にＣＴシミュレ
ータ２とＸ線シミュレータ３とをそれぞれ配置してい
た。ベッド１は、被検者Ａを乗せる天板１ａをベッド台
１ｂの上に配置したものであり、このベッド台１ｂに設
けられた前後移動機構１１と上下移動機構１２により、
天板１ａを前後方向に水平移動させたり上下方向に垂直
移動させることができるようになっている。また、この
ベッド台１ｂは、アイソセントリック回転機構１３によ
りＸ線シミュレータ３におけるアイソセンタの垂直軸Ｂ
を中心に回転するアイソセントリック回転ベース１ｃ上
に配置されている。

【０００４】Ｘ線シミュレータ３は、上記ベッド１の天
板１ａの上下にＸ線照射部３ａとＸ線受光部３ｂを配置
し、これらＸ線照射部３ａとＸ線受光部３ｂを天板１ａ
の周囲で回転させることにより、天板１ａ上の被検者Ａ
のＸ線投影像を任意の角度で動的な画像として撮影でき
るようにしたものであり、放射線治療機とほぼ同様の構
造を有している。従って、このＸ線シミュレータ３を使
用すれば、放射線治療機で実際に治療を行う場合とほぼ
同じ条件で、前後移動機構１１と上下移動機構１２によ
り天板１ａの前後位置や上下位置を設定し、また、図８
に示すように、アイソセントリック回転機構１３により
天板１ａのアイソセントリック回転の回転角度を設定し
て、Ｘ線投影像を得ることができる。

【０００５】上記ベッド１のベッド台１ｂには、天板１
ａを１８０°回転させる天板回転機構１４も設けられて
いる。従って、この天板回転機構１４により天板１ａを
後方に向けると、図６及び図７に示すように、Ｘ線シミ
ュレータ３を用いた検査を行うことができる。また、天
板１ａを一旦前後に移動させながら１８０°回転させて
前方に向けると、図９及び図１０に示すように、ＣＴシ
ミュレータ２を用いた検査を行うことができる。ＣＴシ
ミュレータ２は、被検者Ａを天板１ａごとトンネル２ａ
内の撮影位置Ｃまで挿入し、Ｘ線の走査により多方向か
らの投影像を撮影することにより、これをコンピュータ
処理して被検者Ａのスライス面の画像を得て検査部位を
立体的に把握することを可能にするものである。

【０００６】なお、上記治療計画装置では、ＣＴシミュ
レータ２とＸ線シミュレータ３をベッド１の前後に配置
して、天板回転機構１４により天板１ａを１８０°回転
させるようにした場合を示したが、ＣＴシミュレータ２
とＸ線シミュレータ３をベッド１に対して直交する角度
位置に配置して、天板回転機構１４が天板１ａを９０°
だけ回転させるようにする場合もある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
治療計画装置では、Ｘ線シミュレータ３の使用時に被検
者Ａを乗せた天板１ａをアイソセントリック回転機構１
３によりアイソセントリック回転させるだけでなく、こ
のＸ線シミュレータ３とＣＴシミュレータ２を切り替え
る際にも、天板回転機構１４により天板１ａを回転させ
なければならない。

【０００８】従って、ベッド１には、アイソセントリッ
ク回転機構１３の他に、これとは回転軸の異なる天板回
転機構１４を設ける必要が生じるので、装置の構造が複
雑になるという問題があった。しかも、天板１ａを各シ
ミュレータ２，３の基準位置に正確に回転移動させるた
めに、天板回転機構１４の回転角度を高精度にする必要
があり装置が高価になるだけでなく、これらＸ線シミュ
レータ３やＣＴシミュレータ２を設置する際の位置調整
も面倒なものとなり、据え付けに長時間を要するように
なるという問題も生じる。

【０００９】また、シミュレータ２，３の切り替えのた
めに天板１ａを回転させると、この天板１ａの回転のた
めに装置の周囲にスペースが必要となり、広い設置場所
を占有するようになるという問題もあった。

【００１０】さらに、シミュレータ２，３の切り替えの
ために天板１ａを回転させると、この天板１ａの移動距
離が大きくなるので、この切り替えに長時間を要し検査
時間も長くなるという問題も生じる。しかも、天板１ａ
に乗せられた被検者Ａは、不慣れな回転移動に不安を感
じるおそれがあり、また、この移動距離の大きい回転の
際に天板１ａから転落するおそれも生じるという問題も
あった。

【００１１】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、ＣＴシミュレータとＸ線シミュレータを並べ
て設置することにより、天板を前後に移動させるだけで
シミュレータの切り替えを行うことができ、天板回転機
構を不要にする放射線治療の治療計画装置を提供するこ
とを目的としている。

【００１２】

【課題を解決するための手段】即ち、本発明の治療計画
装置は、ベッドの前後移動機構によって被検者を乗せた
天板を後方に移動させることにより、後方側に配置され
たＸ線シミュレータを使用して治療計画のための検査を
実行することができるようになる。そして、この際に
は、ベッドのアイソセントリック回転機構により、被検
者を乗せた天板をＸ線シミュレータにおけるアイソセン
タの垂直軸を中心に回転させることができる。また、ベ
ッドの前後移動機構によって被検者を乗せた天板を前方
に移動させると、この天板がＸ線シミュレータの天板貫
通空間を通して、前方側に配置されたＣＴシミュレータ
のガントリに達する位置まで移動するので、このＣＴシ
ミュレータを使用して治療計画のための検査を実行する
ことができるようになる。従って、この治療計画装置で
は、Ｘ線シミュレータとＣＴシミュレータとを切り替え
る際に、天板を回転させる必要がなくなる。

【００１３】なお、このような治療計画装置のベッドに
は、天板を上下移動させる上下移動機構も設けられるの
が一般的である。

【００１４】また、ＣＴシミュレータのみで治療計画が
できる場合には、Ｘ線シミュレータに代えて放射線治療
機を設置することにより、放射線治療の治療計画と実際
の治療とを連続的に実行することができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。

【００１６】図１〜図５は本発明の一実施形態を示すも
のであって、図１はＸ線シミュレータを用いる場合の治
療計画装置の正面図、図２はＸ線シミュレータを用いる
場合の治療計画装置の平面図、図３はＣＴシミュレータ
を用いる場合の治療計画装置の正面図、図４はＣＴシミ
ュレータを用いる場合の治療計画装置の平面図、図５は
Ｘ線シミュレータを用い天板をアイソセントリック回転
させた場合の治療計画装置の平面図である。なお、図６
〜図１０に示した従来例と同様の機能を有する構成部材
には同じ番号を付記する。

【００１７】本実施形態の治療計画装置は、図１及び図
２に示すように、ＣＴシミュレータ２の後方にＸ線シミ
ュレータ３を配置すると共に、このＸ線シミュレータ３
のさらに後方にベッド１を配置している。ベッド１のベ
ッド台１ｂには、図６〜図１０に示した従来例のものと
同様に、被検者Ａを乗せる天板１ａを前後方向に水平移
動させたり上下方向に垂直移動させる前後移動機構１１
と上下移動機構１２が設けられ、前後位置や上下位置を
任意に設定できるようになっている。ただし、前後移動
機構１１は、Ｘ線シミュレータ３のＸ線照射部３ａとＸ
線受光部３ｂとの間における被検者Ａの前後位置を調整
するだけでなく、図３及び図４に示すように、天板１ａ
をさらに前方に移動させてＣＴシミュレータ２のトンネ
ル２ａ内に挿入し、ここで被検者Ａの前後位置も調整で
きるようになっている。また、このために、Ｘ線シミュ
レータ３の本体には、被検者Ａを乗せた天板１ａを前後
方向に貫通させるための天板貫通孔３ｃが形成されてい
る。さらに、このＸ線シミュレータ３とＣＴシミュレー
タ２との間には、上下移動するコロ台４が配置されてい
る。コロ台４は、天板１ａがＸ線シミュレータ３の天板
貫通孔３ｃを通ってＣＴシミュレータ２のトンネル２ａ
内に達したときに、この天板１ａを前後方向に移動可能
な状態で下方から支えるためのコロ４ａを設けたもので
あり、上下移動機構１２による天板１ａの上下移動に伴
って、このコロ４ａも上下に移動するようになってい
る。

【００１８】なお、Ｘ線シミュレータ３の天板貫通孔３
ｃは、天板１ａが被検者Ａを乗せたままさらに前方に移
動できる空間であれば、必ずしも孔である必要はなく、
例えば切り欠き状等であってもよい。また、天板１ａが
ＣＴシミュレータ２のトンネル２ａ内に達したときに
も、ベッド台１ｂがこの天板１ａを確実に保持できる場
合には、必ずしもコロ台４を設ける必要はない。

【００１９】上記ベッド台１ｂは、図６〜図１０に示し
た従来例のものと同様に、アイソセントリック回転機構
１３によりＸ線シミュレータ３におけるアイソセンタの
垂直軸Ｂを中心に回転するアイソセントリック回転ベー
ス１ｃ上に配置されている。従って、被検者Ａを乗せた
天板１ａは、図５に示すように、このアイソセントリッ
ク回転機構１３によってベッド台１ｂ及びアイソセント
リック回転ベース１ｃと共にアイソセントリック回転し
任意の角度に設定することができる。

【００２０】なお、上記ベッド１は、前後移動機構１１
と上下移動機構１２とアイソセントリック回転機構１３
以外に、任意の位置調整機構を設けることができる。た
だし、本実施形態では、ＣＴシミュレータ２とＸ線シミ
ュレータ３の切り替えは前後移動機構１１によって行う
ので、図６〜図１０に示した従来例の天板回転機構１４
は設けられていない。

【００２１】上記構成の治療計画装置は、図１及び図２
に示すように、ベッド１の天板１ａを後方に移動させた
場合には、Ｘ線シミュレータ３を用いた検査を実行する
ことができる。この際、前後移動機構１１と上下移動機
構１２を用いて天板１ａを前後や上下に移動させること
により、この天板１ａ上に乗った被検者Ａの検査部位を
Ｘ線照射部３ａとＸ線受光部３ｂとの間に配置する。ま
た、図５に示すように、アイソセントリック回転機構１
３により天板１ａのアイソセントリック回転の回転角度
を任意に設定することもできる。従って、このＸ線シミ
ュレータ３を用いることにより、放射線治療機で実際に
治療を行う場合とほぼ同じ条件で、動的なＸ線投影像を
得ることができる。

【００２２】図３及び図４に示すように、ベッド１の天
板１ａを前方に移動させた場合には、ＣＴシミュレータ
２を用いた検査を実行することができる。この際、前後
移動機構１１と上下移動機構１２を用いて天板１ａを前
後や上下に移動させることにより、この天板１ａ上に乗
った被検者Ａの検査部位をトンネル２ａ内の撮影位置Ｃ
に配置する。従って、このＣＴシミュレータ２を用いる
ことにより、被検者Ａの任意のスライス面の画像を得
て、検査部位を立体的に把握できるようにする。なお、
ＣＴシミュレータ２を用いる場合には、天板１ａをアイ
ソセントリック回転させる必要はない。

【００２３】以上説明したように、本実施形態の治療計
画装置によれば、前後移動機構１１により天板１ａを前
後移動させるだけでシミュレータ２，３を切り替えるこ
とができるので、アイソセントリック回転機構１３の回
転軸とは異なる回転軸により天板１ａを高精度に１８０
°や９０°回転させる天板回転機構１４を設ける必要が
なくなる。従って、装置の構造が簡単で安価になり、Ｃ
Ｔシミュレータ２とＸ線シミュレータ３も同一直線上に
設置するだけでよいので位置調整も容易となる。また、
シミュレータ２，３の切り替えのために天板１ａを回転
させる必要がないので、設置場所の周囲に広いスペース
も不要となり、被検者Ａに不安感を与えることもなくな
る。さらに、天板１ａを前後移動させるだけでシミュレ
ータ２，３を切り替えることができるので、被検者Ａが
天板１ａから転落するおそれをなくし、この切り替えに
要する時間も短縮することができる。

【００２４】なお、上記実施形態では、ＣＴシミュレー
タ２とＸ線シミュレータ３を併用する治療計画装置につ
いて説明したが、ＣＴシミュレータ２のみで治療計画を
行うことができる場合には、上記Ｘ線シミュレータ３に
代えて放射線治療機を設置することもできる。この場
合、被検者Ａをベッド１の天板１ａに乗せたままで、Ｃ
Ｔシミュレータ２による放射線治療の治療計画と、放射
線治療機による実際の治療とを連続的に実行することが
できる。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の治療計画装置によれば、被検者を乗せた天板を前後に
移動させるだけで、Ｘ線シミュレータとＣＴシミュレー
タとを切り替えることができるので、ベッドに天板を回
転させるための機構を設ける必要がなくなる。従って、
装置の構造を簡単にし、設置場所を占有せず、据え付け
時間も短縮することができる。また、シミュレータの切
り替え時間も短縮でき、被検者に不安感を与えるような
こともなく、天板からの転落のおそれもなくすことがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すものであって、Ｘ線
シミュレータを用いる場合の治療計画装置の正面図であ
る。

【図２】本発明の一実施形態を示すものであって、Ｘ線
シミュレータを用いる場合の治療計画装置の平面図であ
る。

【図３】本発明の一実施形態を示すものであって、ＣＴ
シミュレータを用いる場合の治療計画装置の正面図であ
る。

【図４】本発明の一実施形態を示すものであって、ＣＴ
シミュレータを用いる場合の治療計画装置の平面図であ
る。

【図５】本発明の一実施形態を示すものであって、Ｘ線
シミュレータを用い天板をアイソセントリック回転させ
た場合の治療計画装置の平面図である。

【図６】従来例を示すものであって、Ｘ線シミュレータ
を用いる場合の治療計画装置の正面図である。

【図７】従来例を示すものであって、Ｘ線シミュレータ
を用いる場合の治療計画装置の平面図である。

【図８】従来例を示すものであって、Ｘ線シミュレータ
を用い天板をアイソセントリック回転させた場合の治療
計画装置の平面図である。

【図９】従来例を示すものであって、ＣＴシミュレータ
を用いる場合の治療計画装置の正面図である。

【図１０】従来例を示すものであって、ＣＴシミュレー
タを用いる場合の治療計画装置の平面図である。

【符号の説明】

１ ベッド １ａ 天板 ２ ＣＴシミュレータ ３ Ｘ線シミュレータ ３ｃ 天板貫通孔 １１ 前後移動機構 １３ アイソセントリック回転機構 Ａ 被検者 Ｂ 垂直軸 Ｃ 撮影位置

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ＣＴシミュレータの後方にＸ線シミュレ
   ータが設置されると共に、このＸ線シミュレータのさら
   に後方にベッドが設置され、 このベッドには、少なくとも、被検者を乗せる天板をＸ
   線シミュレータにおけるアイソセンタの垂直軸を中心に
   回転させるアイソセントリック回転機構と、この天板を
   前後方向に移動させると共に、前方にはＸ線シミュレー
   タを貫通してＣＴシミュレータのガントリに達する位置
   まで移動可能となる前後移動機構とが設けられ、 Ｘ線シミュレータには、このベッドの天板が被検者を乗
   せたまま貫通してさらに前方に移動するための天板貫通
   空間が設けられたことを特徴とする治療計画装置。
2. 【請求項２】 前記Ｘ線シミュレータが放射線治療機で
   ある治療計画装置。