JPH10127181A - 生分解性緑化容器体とそれを用いた緑化法 - Google Patents

生分解性緑化容器体とそれを用いた緑化法

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JPH10127181A
JPH10127181A JP8285189A JP28518996A JPH10127181A JP H10127181 A JPH10127181 A JP H10127181A JP 8285189 A JP8285189 A JP 8285189A JP 28518996 A JP28518996 A JP 28518996A JP H10127181 A JPH10127181 A JP H10127181A
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soil
seedling
vessel body
biodegradable
greening
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JP8285189A
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Koichi Naito
高一 内藤
Yukihiro Shimada
幸博 島田
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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 保存や移送時には植生機能が抑制状態を保持
し、施工した後は、発芽や活着活動を促進する状態とな
るとともに、短い期間で分解して土壌に還元するように
する。 【解決手段】 生分解性プラスチックを用いて上面に開
口部3を有し、底部に通水孔を有する袋状または箱状の
育苗器体1を形成し、この育苗器体内に植物の種子6ま
たは根系を植え付けた植物生育基盤材5を、土壌が生分
解性プラスチック製の育苗器体に直接接触しないように
収納し、育苗器体の上面開口部を蓋体2で密閉し、これ
を保管時には低温保蔵しておき、施工現場に運び、常温
環境にするとともに、上面開口部の蓋体を開いて密閉状
態を解き、施工現場の土壌中に植栽育苗器を埋め込み、
その上面開口部が露呈するとともに、育苗器体の外壁が
施工現場の土壌に接触するように施工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性緑化容器体が
保管、移送中は植生機能と生分解機能が抑制されていて
長期保存が可能であるが、施工により土壌に接触すると
ともに、自然条件下に置き適度な温度と水分と日光を与
えると、植生機能と生分解機能が進行しはじめるように
した緑化具である。すなわち本発明は、保管、移送、施
工時は機能が抑制されていて取り扱いが簡単であるが、
施工すると確実に発芽、活着して緑化するとともに、容
器体は生分解して土に還元させることのできるようにし
た環境配慮型の緑化具と緑化法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の緑化業界は、主に法面などに草本
植物を発芽・生育させることを目的とした緑化工事が中
心であった。そのため、当該緑化工事に用いる緑化具や
植生板は数多く開発されており、緑化が確実で、使い易
すく、経済的な実用性の高いものも多かった。しかる
に、近年は、木本植物を緑化する樹林緑化や、草木植物
と木本植物の両方が混在する、より自然に近い草木緑化
が求められるようになってきた。しかし、当該木本植物
緑化用の緑化具は、草木緑化用のものより技術的に難し
く、実用性のある緑化具の開発までにはいたっていな
い。その理由は、木本植物の場合、種子や根系の姿勢や
土壌への接触の仕方など発芽条件が複雑で厳しいこと、
発芽後の苗木がある程度大きく育つまで環境条件を整え
ておく必要があること、木本植物は一般に草木植物より
大きくなるので植物を活着させるに必要な緑化具自体が
大きくなること、などが要請されているため、好ましい
木本植物用緑化具の開発は困難であるためである。
【0003】しかるに、近年、生分解性プラスチックが
開発され、これを用いた生分解プラスチック製の育苗鉢
が開発されている。当該育苗鉢は、そのまま土中に埋め
込むだけで苗木を植え込むことができる点に特長があ
る。それは、所定の時間が経過すると生分解されて土に
還元するので、埋め込んだ育苗鉢を除去したり根の伸長
を邪魔することがないからである。しかし、実際には生
分解プラスチック製の育苗鉢に土とともに苗木を植え込
んだ時点から生分解作用が開始されるので、当該育苗鉢
は、木本植物を地面に移植する際に一時的に育苗するた
めの鉢として利用するものでしかない。しかも、当該育
苗鉢の生分解性プラスチックの分解速度をコントロール
することは困難である。このため植物の成長速度とプラ
スチックの分解速度との整合性が困難で、実際に使える
範囲が少ないため、実用性に欠けるものとして、あまり
利用されていない。このように生分解性プラスチックを
緑化用具に利用しようとしても、実用性のある緑化具を
実現することは技術的に困難であると考えられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、プラスチ
ック製でありながら生分解性があるという新しい素材の
出現に注目し、これを利用した緑化具の開発のため鋭意
研究した。その第1目標は、種子や根系の植生機能と生
分解性プラスチックの生分解機能をコントロールして、
して長期保存を可能にすることである。第2目標は、施
工後には、自然条件下で直ちに植生機能を進行させ木本
植物の発芽・生育が確実に行われるとともに、生分解機
能を進行させて生分解性プラスチックを生分解性して環
境保全にも役立つ実用性の高い緑化具とすることであ
る。第3目標は、これを用いた緑化法を開発したもので
ある。即ち、本発明の目的は、次のような技術課題を解
決した新しい緑化具とこれを用いた緑化法を具現化する
ことである。
【0005】第1に、緑化具として、確実に植物の種子
や根系が発芽・生育する植生機能を備えていること。特
に木本植物の場合、その種子や根系は、土壌の表面部に
正しい姿勢で蒔いたり植え付けたりしないと、発芽、活
着する確立が著しく低下する。そこで植物の種子や根系
が正しい姿勢に播種したり植え付けたりすることのでき
る緑化具にすること。
【0006】第2に、植物の種子や根系が発芽・生育す
るための重要な要素は、土と空気と光と水と温度であ
る。これらの要素の条件が整わないかぎり植物の種子や
根系は、発芽や活着しない。本発明者は、このような植
物の種子や根系の特性に着目して、種子や根系の保存や
移送時には条件を調整して抑制状態を保持し、現場にて
施工した後は、発芽や活着活動を促進する状態となるよ
うな構成の緑化具を造り、その機能を任意にコントロー
ルできるようにすること。
【0007】第3に、本発明に係る緑化具は、プラスチ
ック製で所定の大きさにした容器詰状にして、緑化工事
に際して長期間保管したり、工事現場まで移送したり、
施工現場に施工したりする際に取り扱い易いものにする
こと。
【0008】第4に、容器詰め状態にした緑化具の容器
を生分解性プラスチック製にて形成し、施工現場の土壌
中に当該植栽育苗器を埋め込んだり、地表面に設置した
り、フレーム内に設置したり、枠内に収納設置したりす
ることにより、施工した後には、短い期間でそのまま分
解して土壌に還元するようにして、植物の根の成長を妨
げないようにするとともに、環境を破壊することがない
ようにすること。
【0009】第5に、本発明は、木本植物の緑化だけで
なく、草本植物の緑化にも利用出来る緑化具にするこ
と。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願発明は、前記技術的
課題を解消するため次のような手段に構成した。特許を
受けようとする第1発明は、生分解性プラスチックを用
いて上面に開口部を有し、且つ底部または底部近傍に通
水孔を有する袋状または箱状の育苗器体を形成し、この
育苗器体内に植物の種子および/または根系を植え付け
た無機質および/または有機質からなる植物生育基盤材
を、少なくとも土壌が生分解性プラスチック製の育苗器
体に直接接触しないように収納し、当該育苗器体の上面
開口部を蓋体で密閉し、これを長期保蔵し得るように低
温に保持してなることを特徴とする生分解性緑化容器体
である。
【0011】当該第1発明の特徴は、第1に、容器内に
植物の発芽、生育に必要な植物生育基盤材と種子や根系
をその姿勢正しく収納してある点にある。従って、水と
光と温度の条件を調整すれば、そのまま発芽・生育を確
実に行うことができる。
【0012】第2に、外観は、所定のプラスチック製容
器状になっており、その中に植物生育基盤材と植物の種
子や根系を収納し密閉してあるので、緑化工事に際して
保管、移送、施工などの取り扱いが容易なものとなって
いる。
【0013】第3に、上面の開口部を蓋体で密閉し、保
管時には水や空気の通りを阻止し、更に低温保蔵するよ
うにしたので、植物の発芽、生育を抑制するとともに、
生分解性プラスチック製の育苗器体を土壌菌と接触させ
ないようにして、微生物により分解することを抑制し
て、生分解性緑化容器体の機能を経時的にコントロール
できるようにしたものである。その結果、生産、保管、
移送、施工などの時には、植生機能が抑制され安定した
状態にして、その間の取り扱いが容易なるようにするこ
とができる。
【0014】第4に、当該生分解性緑化容器体を常温に
もどし、土壌中に埋め込んだうえ、その開口部の蓋体を
除去してその密閉状態を解除することにより、種子や根
系に光と水に晒すだけで、当該植物の発芽と生育をスタ
ートさせ、促すことができるし、生分解性プラスチック
製の育苗器体を土壌と接触させるだけで、微生物により
分解して土に還元する作用を開始させることができる。
このように本発明に係る生分解性緑化容器体の植物の植
生機能と、生分解性プラスチック製育苗器体の微生物に
よる分解機能とを任意にコントロールできるようにした
点が特徴である。即ち、本発明に係る生分解性緑化容器
体は、その植生機能と生分解機能の抑制や進行を任意に
コントロールできることが特徴である。
【0015】ここにいう育苗器体を形成する生分解性プ
ラスチックには、完全分解型のものとして、原料別に天
然高分子系、発酵生産系、化学合成系などがある。具体
的に説明すれば、前記天然高分子系としては、澱粉と変
性エパール或は澱粉と変性PVAまたはキトサンとセル
ロースの複合体などを原料とした生分解性プラスチック
があり、また、発酵生産系としては、微生物発酵脂肪族
ポリエステル、バイオセルロースを原料とした生分解性
プラスチックがある。更に、化学合成系としては、脂肪
族ポリエステル(ε−カプロラクトン系、或はε−カプ
ロラクトン系、又はジカルボン酸とジグリコールの縮
合)と乳酸を用い部分発酵と化学合成をした生分解性プ
ラスチックとがある。本発明に用いる生分解性プラスチ
ックは、上記のいずれのものであっても良いこと勿論で
ある。
【0016】特許を受けようとする第2発明は、育苗器
体内に収納する無機質および/または有機質からなる植
物生育基盤材とは、ピートモス、ココピート、国土、有
機性肥料、有機性土壌改良材等の有機性基盤材と、砂、
人工土壌、ゼオライト、ロックウール、パーライト、土
壌、無機性肥料、無機性土壌改良材等の無機性基盤材の
中から複数の基盤材を組合わせてなるもので、育苗器体
内に収納する際に、少なくとも土壌が生分解性プラスチ
ック製の育苗器体に直接接触しないように当該複数の基
盤材を、バラな状態で収納したもの、または、当該複数
の各基盤材を包装、結着、結束、接着、縫製、圧縮成形
等の手段により一体化してなる植生具を、少なくとも土
壌が生分解性プラスチック製の育苗器体に直接接触しな
いように収納したものであることを特徴とする第1発明
に記載した生分解性緑化容器体である。
【0017】この第2発明は、第1発明の従属項として
育苗器体内に収納する植物生育基盤材を特定するととも
に、第1発明の複数の基盤材を、バラな状態で収納した
態様と、一体化した植生具を収納した態様とが含むこと
を明確にしたものである。
【0018】特許を受けようとする第3発明は、生分解
性プラスチックを用いて上面に開口部を有し、且つ底部
または底部近傍に通水孔を有する袋状または箱状の育苗
器体を形成し、この育苗器体内に植物の種子および/ま
たは根系を植え付けた無機質および/または有機質の植
物生育基盤材を、少なくとも土壌が生分解性プラスチッ
ク製の育苗器体に直接接触しないように収納し、当該育
苗器体の上面開口部を蓋体で密閉し、これを長期保蔵し
得るように低温に保持してなることを特徴とする生分解
性緑化容器体を用意し、これを保管時には低温保蔵して
おき、施工現場に運び、低温保蔵を解除して常温環境に
するとともに、上面開口部の蓋体を開いて密閉状態を解
き、施工現場の土壌中に当該植栽育苗器を埋め込んだ
り、地表面に設置したり、フレーム内に設置したり、枠
内に収納設置したりする等の手段により、その上面開口
部が露呈するとともに、育苗器体の外壁の全部または一
部が施工現場の土壌に接触するように施工し、そのまま
植物生育基盤材に植え付けた種子や根系を発芽・生育さ
せるとともに、生分解性プラスチック製の育苗器体が土
壌中で自然に分解するようにしたことを特徴とする緑化
法である。
【0019】本発明は、保管、移送中は、生分解性緑化
容器体を低温保蔵しておき、施工に際して、当該容器体
のまま施工して土壌を容器体に接触させるとともに、密
閉していた上面開口部の蓋体を開いて日光と風雨に晒す
ようにするだけで、当該植物の発芽と育成を促すことが
できる。しかもその植物の根が成長する頃には、当該生
分解性プラスチック製の育苗器体が土壌中に含まれてい
る微生物により分解して、根の成長を妨げないだけでな
く、最終的には完全に土に還元して環境を破壊すること
がない実用性の高い緑化法である。つまり生分解性緑化
容器体を保存や移送時には植生機能を安定状態にしてお
き、施工後には植物の発芽、生育を促進して植生機能を
スタートさせ、育苗器体を生分解するという機能をコン
トロールできるようにしたことが特徴である。
【0020】
【実施例】本発明に係る生分解性緑化容器体を図示実施
例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る生
分解性プラスチック製の育苗器体1と、蓋体2とを示す
要部切欠の斜視図であり、図2は、図1に示した育苗器
体1を用いた生分解性緑化容器体の一実施例を示す縦断
説明図である。また、図3は、生分解性緑化容器体の他
実施例を構成する生分解性プラスチック製の育苗器体1
aを示す正面図で、図4は、図3に示した育苗器体1a
の平面図であり、図5は、図3に示した育苗器体1aを
用いた生分解性緑化容器体の他実施例を示す縦断正面図
であり、図6は、図3に示した育苗器体1aを用いた生
分解性緑化容器体の施工例を示す縦断説明図である。
【0021】図1、図2に示した育苗器体1は、生分解
性プラスチック素材を用いて上面に開口部3を有し、且
つ底部に通水孔4を有する器状体を形成する。この育苗
器体1内には、植物生育基盤材5を収納し、更に植物生
育基盤材5の上部に種子6または根系を植え付けてあ
る。本実施例にかかる植物生育基盤材5は、有機性肥
料、ピートモス(水苔が堆積しデイ炭化した繊維性土壌
改良材)、ココピート(ココヤシの根茎部が堆積デイ炭
化した繊維性土壌改良材)などの有機質基盤材とゼオラ
イト等の無機質基盤材を組み合わせてなる植物生育基盤
材5をバラの状態で収納し、更に植物生育基盤材5の上
部に種子6または根系を植え付けてある。尚、図中7
は、水溶性のシートであり、植物生育基盤材に含まれて
いる土壌が生分解性プラスチック製の育苗器体に直接接
触して生分解ないようにするためのものである。また、
植え付けられたものが植物の種子6の場合、前記植物生
育基盤材5の表面部にあって、その下部もしくは全部が
当該植物生育基盤材5に接触した状態になっているのが
理想である。
【0022】本実施例の植物生育基盤材5を更に具体的
に説明すると、ココピート(ココヤシの根茎部が堆積デ
イ炭化した繊維性土壌改良材)を主体とし、これにピー
トモス(水苔が堆積しデイ炭化した繊維性土壌改良材)
と、腐植酸苦土肥料と、ゼオライト(モルデン沸石)
と、アルギン酸ソーダ系化合物を主成分とする粉末状土
壌活性剤と、甲殻質肥料粉末(カニ殻や節足動物の殻の
粉末等)を主成分としこれに米糠とカニ殻抽出液を混ぜ
たうえ有用菌を入れて発酵させたボカシ肥とを配合した
ものを組み合わせ構成したものを用いた。
【0023】蓋体2は、密閉性のあるシート状体で、上
面開口部3に対応した形状をしており周辺部に密着して
当該上面開口部3を密閉する。
【0024】図3、図4、図5、図6に示した他実施例
の育苗器体1aは、生分解性プラスチックを用いて上面
に開口部3aを有し、且つ底部および側壁の底部近傍に
通水孔4aを有する器状体を形成する。この育苗器体1
a内には、種子6または根系と複数の有機質基盤材と無
機質基盤材が組み合わされた植物生育基盤材5を包装し
て一体化した植生具8が収納されている。この植生具8
は、市販の製品化されたものであっても良い。また、当
該他実施例の蓋体2aも、密閉性のあるシート状体で、
上面開口部3aに対応した形状をしており周辺部に溶着
して当該上面開口部3aを密閉した構成になっている。
【0025】前記2つの実施例に用いた育苗器体1は、
生分解性プラスチックで製造されている。当該生分解性
プラスチックは、化学合成系の脂肪族ポリエステル(ジ
カルボン酸とジグリコールの縮合)で、これにヤシ殻粉
末を混練した素材を用いた。実施例の素材として、これ
を選定したのは、ヤシ殻粉末の混練比率と厚さによっ
て、生分解性プラスチックの崩壊と分解速度をかなり自
在に調整できる性質があるからである。特に、従来の生
分解性プラスチックだけのものは、分解までに早くて3
ケ月かかり、植物の成長速度との関係で実質的に緑化具
に応用するのは困難であったが、選定した素材は、約1
ケ月で分解し崩壊する素材なので、植物の根の成長との
整合性をとって、実質的に緑化具に利用することが可能
となったからである。尚、環境問題を起こすことのない
完全分解型であれば、天然高分子系、発酵生産系、化学
合成系のいずれの生分解性プラスチックであっても良
い。
【0026】図6は、実施例2の生分解性緑化容器体を
施工現場の地面に埋め込み施工し、蓋体を除去して、自
然条件下で放置し水分と日光が与えられると、種子6は
発芽し、下側には根が伸長し活着しはじめる。図7は時
間が経過してその植物Aが成長するとともに、土壌中の
根も育苗器体1aの外まで大きく成長しているが、この
時には当該生分解性プラスチック製の育苗器体1aは、
分解1xして土壌に還元しつつある状態を示す説明図で
ある。更に時間が経てば、生分解性プラスチック製の育
苗器体1aは、完全に分解して、土壌に還元する。
【0027】
【効果】第1発明の生分解性緑化容器体は、生分解性プ
ラスチック製の育苗器体内に、植物の発芽、生育に必要
な植物生育基盤材と種子や根系を植え付けるように収納
し、上面開口部を蓋体で密閉し、これを低温に保蔵する
ようにしたので、長期保存が可能となり、施工後に蓋体
を除去し、自然条件下に放置するだけで、水と光りと温
度が与えられ、確実に植物の発芽・生育(植生機能)を
行うことができる。
【0028】また、生分解性緑化容器体は、所定形状の
プラスチック製容器状になっており、その中に植物生育
基盤材と種子や根系を、少なくとも土壌が生分解性プラ
スチック製の育苗器体に直接接触しないように収納し、
上面開口部を蓋体で密閉してあるので、生分解も発芽も
抑制した状態で長期間維持出来る。しかも、密閉された
生分解性緑化容器体となって収納物が不用意にこぼれな
いので、保管、移送、施工などが容易である。
【0029】また、生分解性緑化容器体は、上面開口部
を蓋体で密閉し、保管時には水や空気の通りを阻止する
とともに、低温で保蔵するようにしたので、上面開口部
を蓋体で密閉している間は、植物の発芽、生育を抑制し
て長期保存しておくことができる。また、生分解性プラ
スチック製の育苗器体も土壌と接触させないようにした
ので、生分解することを抑制しておくことができる。つ
まり、生分解性緑化容器体の植生機能と、生分解機能の
進行を抑制して経時的に調整できるようにしたものであ
る。
【0030】更に、当該生分解性緑化容器体の植生機能
と、生分解機能を進行させようとする場合には、施工に
より育苗器体を土と接触させたうえ、その開口部の蓋体
を除去して自然条件下に放置するだけでよい。自然条件
下に放置するだけで種子や根系に適度な温度と光と水を
与えるだけで、植物の発芽と生育をスタートさせ促すこ
とができる。また、生分解性プラスチック製の育苗器体
を施工により土壌と接触させるだけで、生分解性プラス
チック製の育苗器体を微生物により分解して土に還元す
る作用を開始させることができる。
【0031】このように本発明に係る生分解性緑化容器
体は、その植生機能と生分解機能の進行を任意に制御
し、植物の発芽、生育と、生分解性プラスチック製育苗
器体の微生物による分解のタイミングを調整できるよう
にした。その結果、本発明は、緑化具として、木本植物
の発芽・生育が確実で、その緑化工事に際しては保管、
移送、施工などの取り扱いが便利で効率性が高く、しか
も施工後には、直ちに木本植物の発芽・生育が開始し、
生分解作用も開始する。このように本発明は、植生機能
と生分解機能のコントロールができ、環境保全をも考慮
した実用性の高い緑化具を具現化することができた。
【0032】第3発明は、第1発明、第2発明に係る生
分解性緑化容器体を用意し、保管時には低温冷蔵し、こ
れを施工現場に運び、上面開口部の蓋体を開いて自然環
境下で適度な温度と光と水を与えるとともに、施工現場
にて土壌に植栽育苗器を接触させることにより、植え付
けた種子または根系を発芽・生育させ、同時に生分解性
プラスチック製の育苗器体を土壌により自然に分解する
ようにしたことを特徴とする緑化法である。
【0033】つまり、当該緑化具として、木本植物の発
芽・生育が確実であること、その緑化工事に際しては保
管、移送、施工などの取り扱いが便利で効率性が高いこ
と、しかも施工後は生分解性プラスチック製の育苗器体
を、そのまま土壌中で自然に分解するようにして環境保
全をも考慮している新しい緑化法を具現化したものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る生分解性プラスチック製の育苗
器体と、蓋体とを示す要部切欠の斜視図である。
【図2】 図1に示した育苗器体を用いた生分解性緑化
容器体の一実施例を示す縦断説明図である。
【図3】 生分解性緑化容器体の他実施例を構成する生
分解性プラスチック製の育苗器体を示す正面図である。
【図4】 図3に示した育苗器体の平面図である。
【図5】 図3に示した育苗器体を用いた生分解性緑化
容器体の他実施例を示す縦断正面図である。
【図6】 図3に示した育苗器体を用いた生分解性緑化
容器体の施工例を示す縦断説明図である。
【図7】 時間が経過して実施例2の生分解性緑化容器
体から植物が成長して育苗器体が分解して土壌に還元し
つつある状態を示す説明図である。
【符合の簡単な説明】
1:育苗器体 1a:育苗器体 1x:分解 2:蓋体 2a:蓋体 3:開口部 3a:開口部 4:通水孔 4a:通水孔 5:植物生育基盤材 6:種子 7:水溶性のシート種子 8:植生具 A:植物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生分解性プラスチックを用いて上面に開口
    部を有し、且つ底部または底部近傍に通水孔を有する袋
    状または箱状の育苗器体を形成し、この育苗器体内に植
    物の種子および/または根系を植え付けた無機質および
    /または有機質からなる植物生育基盤材を、少なくとも
    土壌が生分解性プラスチック製の育苗器体に直接接触し
    ないように収納し、当該育苗器体の上面開口部を蓋体で
    密閉し、これを長期保蔵し得るように低温に保持してな
    ることを特徴とする生分解性緑化容器体。
  2. 【請求項2】育苗器体内に収納する無機質および/また
    は有機質からなる植物生育基盤材とは、ピートモス、コ
    コピート、国土、有機性肥料、有機性土壌改良材等の有
    機性基盤材と、砂、人工土壌、ゼオライト、ロックウー
    ル、パーライト、土壌、無機性肥料、無機性土壌改良材
    等の無機性基盤材の中から複数の基盤材を組合わせてな
    るもので、育苗器体内に収納する際に、少なくとも土壌
    が生分解性プラスチック製の育苗器体に直接接触しない
    ように当該複数の基盤材を、バラな状態で収納したも
    の、または、当該複数の各基盤材を包装、結着、結束、
    接着、縫製、圧縮成形等の手段により一体化してなる植
    生具を、少なくとも土壌が生分解性プラスチック製の育
    苗器体に直接接触しないように収納したものであること
    を特徴とする請求項1に記載した生分解性緑化容器体。
  3. 【請求項3】生分解性プラスチックを用いて上面に開口
    部を有し、且つ底部または底部近傍に通水孔を有する袋
    状または箱状の育苗器体を形成し、この育苗器体内に植
    物の種子および/または根系を植え付けた無機質および
    /または有機質の植物生育基盤材を、少なくとも土壌が
    生分解性プラスチック製の育苗器体に直接接触しないよ
    うに収納し、当該育苗器体の上面開口部を蓋体で密閉
    し、これを長期保蔵し得るように低温に保持してなるこ
    とを特徴とする生分解性緑化容器体を用意し、これを保
    管時には低温保蔵しておき、施工現場に運び、低温保蔵
    を解除して常温環境にするとともに、上面開口部の蓋体
    を開いて密閉状態を解き、施工現場の土壌中に当該植栽
    育苗器を埋め込んだり、地表面に設置したり、フレーム
    内に設置したり、枠内に収納設置したりする等の手段に
    より、その上面開口部が露呈するとともに、育苗器体の
    外壁の全部または一部が施工現場の土壌に接触するよう
    に施工し、そのまま植物生育基盤材に植え付けた種子や
    根系を発芽・生育させるとともに、生分解性プラスチッ
    ク製の育苗器体が土壌中で自然に分解するようにしたこ
    とを特徴とする緑化法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103098672A (zh) * 2011-09-14 2013-05-15 郑立云 一种节水抑草型连盖营养钵
CN104114020A (zh) * 2012-02-17 2014-10-22 Oms投资公司 植物生长系统以及采用所述系统的方法
CN104813864A (zh) * 2015-05-12 2015-08-05 沃华农业科技(江苏)股份有限公司 一种便于拿取的育苗盘

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