JPH10125964A - 熱電発電素子の製造方法 - Google Patents

熱電発電素子の製造方法

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JPH10125964A
JPH10125964A JP8277970A JP27797096A JPH10125964A JP H10125964 A JPH10125964 A JP H10125964A JP 8277970 A JP8277970 A JP 8277970A JP 27797096 A JP27797096 A JP 27797096A JP H10125964 A JPH10125964 A JP H10125964A
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JP
Japan
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thermoelectric material
type thermoelectric
film
plating
type
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JP8277970A
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English (en)
Inventor
Yumiko Sakamaki
由美子 酒巻
Hisato Hiraishi
久人 平石
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキ法により得られた熱電材料の膜を積層
し、同じ積層厚の熱電発電素子を安定して得ることが可
能な熱電発電素子の製造方法を提供すること。 【解決手段】 表面あるいは全体が金属材料からなる基
板上に感光性樹脂13を用いてパターンを形成する工程
と、基板を電極としてメッキ電解液中で電流を与えて、
メッキすることにより所定の膜厚のパターン化された熱
電材料15の金属膜を得る工程と、p型の熱電材料15
の金属膜とn型の熱電材料16の金属膜を交互に重ねる
工程と、それらの途中に誤差吸収層21を挟み込み、所
定の積層厚まで研磨する工程と、それぞれのn型とp型
の熱電材料を金属膜で直列に配線する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は熱電発電素子の製
造方法に関するものであり、とくにメッキ膜を利用して
作製した場合の積層方向の厚さの制御に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】各種金属材料が電子部品に利用されてい
るが、年々微小化が進められている。その代表例とし
て、熱電発電素子が挙げられる。熱電発電素子はその両
端に温度差を与えることにより電圧を発生する。この電
圧を電気エネルギーとして利用しようとするのが熱電発
電である。
【0003】熱電発電に用いる熱電発電素子は、構造が
簡単なため他の発電機に比べて微小化に有利なことや、
酸化還元電池のように消耗せず、電解液の漏洩の問題も
ないことから、腕時計のような携帯用電子機器への応用
が注目されている。
【0004】熱電発電素子では、p型半導体の熱電材料
とn型半導体の熱電材料の熱電対が直列に複数個配列し
ている。腕時計駆動に必要な1.5V以上の電圧を得る
ためには、性能指数が高いといわれるBiTe系の熱電
対を用いても、2000対以上が必要となる。
【0005】また、腕時計内部の限られた空間に配置す
ることから、熱電発電素子はできる限り小さくすること
が必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在、熱電発電素子の
製造方法としては、バルク材を機械加工により切断し、
組み立てることにより行うのが一般的である。しかし、
機械加工では、微小な素子の加工には限りがあり、もろ
い材料であった場合、必要な形状に加工することは困難
である。
【0007】こうした問題点を解決するために、熱電発
電素子として用いることが可能な熱電材料を被膜として
得る手段がある。その手段の1つとして、真空蒸着法が
挙げられる。しかしながら真空蒸着法は、膜厚10μm
以上の膜を得ることは困難であり、機器を駆動すること
ができる電圧を得ることは不可能である。
【0008】そのほか、被膜として熱電材料を得る方法
として、メッキ法が行われている。このメッキ法によれ
ば、熱電発電素子として用いるのに充分な厚膜の状態で
得ることが可能である。
【0009】しかし、ある限られた空間の中で、熱電発
電素子として用いるに充分な起電力を得るためには、熱
電対が多数対必要である。そのためには、微細化と同時
に、メッキ膜を多数段積層する必要がある。50μm幅
で50μmごとに存在するとすれば、p型とn型の2段
で、1cm中に100対存在し、先に挙げたBiTe系
で2000対必要なら、40段もの積層が必要である。
1cmの長さのものを2個、2cm分用意するとして
も、20段の積層が必要である。
【0010】ここまで多数段積層する場合、接着層の厚
さのばらつきによる積層方向の誤差を制御する必要があ
る。20段積層する場合には、1段の誤差が5μmで
も、最終段には100μmの誤差になっている可能性が
あり、作製した素子の大きさにばらつきが生じることに
なり、腕時計など限られた小さな空間に格納する場合に
は問題となる。また、積層後に断面上でp型とn型の熱
電材料を交互に直列に接続する工程では、金属材料から
なるスリット板等をマスクとして用いることが簡便であ
る。しかし、熱電材料の存在位置が各段、作製した熱電
発電素子の個体ごとに異なると、同一のスリット板を使
用することができず、生産性が悪い。
【0011】また、後工程で、1つ1つの素子端面をp
型、n型と直列に接続する必要がある。この配線は、ス
リットのあいた金属板をマスクとして用い、真空蒸着法
などの金属膜により行う。この際、積層方向の誤差が大
きくなると、素子とスリットの位置にズレが生じ、マス
ク蒸着が困難になる。
【0012】さらに、完成した熱電発電素子の大きさが
異なることにもなり、微小な電子機器に組み込む場合に
生産性が悪い。
【0013】〔発明の目的〕そこで上記課題を解決し
て、本発明の目的は、メッキ法により得られた熱電材料
の膜を積層し、同じ積層厚の熱電発電素子を安定して得
ることが可能な熱電発電素子の製造方法を提供すること
である。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の熱電発電素子の製造方法においては、下
記に説明する手段を採用する。
【0015】表面あるいは全体が金属材料からなる基板
上に感光性樹脂を用いてパターンを形成する工程と、基
板を電極としてメッキ電解液中で電流を与えて、メッキ
することにより所定の膜厚のパターン化された熱電材料
の膜を得る工程と、p型の熱電材料の膜とn型の熱電材
料の膜を交互に重ねる工程と、それらの途中に誤差吸収
層を挟み込み、所定の積層厚まで研磨する工程と、p型
の熱電材料とn型の熱電材料を金属膜で直列に配線する
ことを特徴とする。
【0016】〔作用〕p型とn型の熱電材料のメッキ膜
を積層する工程で、誤差吸収層を挟まずに行うと、接着
層の誤差が反映されて、多段積層すると、誤差は積算さ
れる。そのため、熱電材料の存在位置が熱電発電素子個
体ごとに異なり、その後工程で、スリット板をマスクと
して用いた金属膜による配線接続が、不可能になる。ま
た、完成した熱電発電素子の大きさも異なることにな
り、電子機器への組み込みが困難になる。
【0017】しかしながら誤差吸収層を挟み込むことに
より、本発明の熱電発電素子の製造方法においては、多
段積層しても、積層方向の誤差が積算されることがなく
なるので、各段の熱電材料の存在位置も熱段発電素子ご
とに異なることもなくなり、同一のスリット板をマスク
として使用し、金属膜による配線接続が可能となる。ま
た、完成した熱電発電素子の大きさも均一になり、電子
機器への組み込みも容易になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の熱電
発電素子の製造方法における最適な実施形態を説明す
る。
【0019】図1に示すように、メッキ電極用基板11
としてチタン基板を使用し、ヘキサメチルジシラザン溶
液をスピンコートし、100℃にて乾燥させ、密着力強
化層を形成する。密着力強化層により、メッキ電極用基
板11は親油性となり、感光性樹脂が密着しやすくな
る。その後、全面に感光性樹脂13を形成する。この感
光性樹脂13には膜厚50μmの感光性ドライフィルム
を用い、ロールコーターを用いて形成する。
【0020】その後、感光性樹脂13である感光性ドラ
イフィルムを、フォトマスクを用いて光照射する露光処
理と、未露光部のみを溶解除去するという現像処理との
フォトリソグラフィー技術を用いて、図1のようにスト
ライプ状にパターンを形成する。このとき、使用するフ
ォトマスクのストライプのパターンの幅は50μmであ
り、メッキ電極用基板11上の感光性樹脂13の開口部
は50μmであるものとする。なお、後工程の積層で用
いる、十文字をアライメントマークとしてフォトマスク
に設け、未露光部として溶解除去する。パターン化後の
感光性樹脂13の平面パターン形状は、図4の平面図に
示す。
【0021】つぎに、メッキ電極用基板11の表面を、
0.5%フッ酸溶液によりエッチング処理する。この処
理では、ヘキサメチルジシラザンで形成した密着強化層
により、親水性から親油性に変わった感光性樹脂13の
開口部内のメッキ電極用基板11表面を再度親水性に戻
し、次工程であるメッキ工程において、メッキ液の流れ
込みを促進する。さらに、メッキ電極用基板11に形成
された感光性樹脂13の表面を親水性に変え、メッキを
促進させる。
【0022】つぎに図2に示すように、感光性樹脂13
の開口部内のメッキ電極用基板11上に、メッキ法によ
りp型熱電材料15であるアンチモンからなる金属膜を
形成する。このときのメッキ電解液には、Sb2 O3 を
含む硫酸溶液を用いる。そして、メッキ電極用基板11
をカソードとして使用し、アノードにはSb電極を用い
る。電流密度3.4mA/cm2 で、膜厚50μmにな
るまで、4時間与え続ける。この間、メッキ槽の温度
は、50℃を保つ。
【0023】ここで、膜厚が50μmに過不足が生じた
場合でも、感光性樹脂13と金属膜15との高さの差
は、後工程で表面に熱硬化性樹脂を接着層として塗布す
る際に吸収される。しかし金属膜の膜厚が50μmより
も大きく下回る場合には、充分な起電力が得られない。
また、膜厚が50μm以上の場合には、感光性樹脂13
によってパターン形成され絶縁された、隣同士のp型熱
電材料15が、導通する可能性がある。したがって、p
型熱電材料15の金属膜の膜厚は、感光性樹脂の膜厚と
同じにすることが望ましい。
【0024】p型熱電材料15であるアンチモンの膜
を、50μm幅寸法のストライプを、50μmの厚さ
で、100μmピッチ寸法で得ることができる。同様の
方法で、計10枚のチタン基板にアンチモン膜を得る。
【0025】同様な処理工程を行うことによって、n型
熱電材料16であるビスマスからなる金属膜も得ること
ができる。このn型熱電材料16を形成する方法を以下
に説明する。
【0026】アンチモン膜を得た場合と同様の方法で、
メッキ電極用基板11表面にストライプ状のパターンお
よびアライメントマークを形成し、エッチング処理を行
う。
【0027】アンチモン膜を得る方法と異なる処理工程
は、メッキ工程である。図3に示すように、感光性樹脂
13の開口部内のメッキ電極用基板11上にメッキ法に
よってn型熱電材料16であるビスマスからなる金属膜
を形成する。ここで電流密度1.4mA/cm2 で、膜
厚50μmになるまで、7時間与え続ける。この間、メ
ッキ槽の温度は50℃に保つ。
【0028】膜厚を感光性樹脂13と同じ50μmにす
ることが望ましいわけは、n型熱電材料15の場合と同
様である。
【0029】以上、n型熱電材料16であるビスマスの
膜を、50μm幅のストライプを、50μmの厚さで、
100μmピッチ寸法で得ることができる。同様の方法
で、計10枚の基板にビスマス膜を得る。
【0030】さきに得たアンチモン膜付きのメッキ電極
用基板11のうちの1枚で、図5のように、p型熱電材
料15と感光性樹脂13との上に熱硬化性樹脂をスクリ
ーン印刷により塗布し、300μm厚のガラス基板から
なる絶縁性基板19を置き、2Kg/cm2 で加圧す
る。その後、150℃で30分加熱し、熱硬化性樹脂か
らなる接着層17を形成する。塗布する熱硬化性樹脂の
量と加える圧力で、接着層17は50μm程度になるよ
う調整する。
【0031】これを2.5%フッ酸溶液に3時間浸し、
メッキ電極用基板11を溶解除去する。このとき、絶縁
性基板19の溶解を防ぐため、表面と側面に高分子シー
トを貼って、保護する。図6のようにp型熱電材料15
と感光性樹脂13の膜が絶縁性基板19に転写され、積
層の第一段目となる。
【0032】つづいて、ビスマス膜付きのメッキ電極用
基板11の内の1枚で、n型熱電材料16と感光性樹脂
13の上に熱硬化性樹脂をスクリーン印刷により塗布す
る。図7のように一段目のアンチモンからなるp型熱電
材料15とビスマスからなるn型熱電材料16の位置合
わせを行う。
【0033】位置合わせは、マスクアライナーを転用す
る。積層の第1段目となるガラス基板からなる絶縁性基
板19の高分子シートを剥がし、絶縁性基板19をマス
ク側に固定する。積層の2段目となる、熱硬化性樹脂を
塗布したビスマス膜付きのメッキ電極用基板11をマス
クアライナーのウエハーステージ側に固定する。ガラス
基板からなる絶縁性基板19越しに、積層の第1段目の
p型熱電材料15の金属膜からなるアライメントマーク
と、第2段目のn型熱電材料16の金属膜からなるアラ
イメントマークを顕微鏡で観察して、合わせる。マーク
合わせは、図4における2つのマークで同時に行う。
【0034】位置合わせ終了後、積層の第1段目を塗布
した熱硬化性樹脂の上に図6のように重ね、2Kg/c
2 で加圧し、150℃で30分熱処理し、接着層17
を形成する。塗布する熱硬化性樹脂の量と加える圧力
は、第1段目と同様にし、接着層17の厚さが同じにな
るようにする。
【0035】つぎに第2段目に積層したメッキ電極用基
板11を溶解除去する。溶解は、第一段目のときと同様
の方法で行う。図6に示すように、絶縁性基板19にp
型の熱電材料15と感光性樹脂13からなる層と、n型
の熱電材料16と感光性樹脂13からなる層の2段が積
層される。
【0036】続いて、アンチモンからなるp型の熱電材
料15を第3段目として積層する。第2段目と同様の方
法で行うが、熱電材料の位置合わせは、第1段目をガラ
ス基板からなる絶縁性基板19越しにアライメントマー
クと第3段目のアライメントマークを観察しながら、位
置を決める。
【0037】以下、以上の説明と同様の方法で、第4段
目まで積層し、各段積層後、メッキ電極用基板11を溶
解除去する。奇数段にはアンチモンからなるp型の熱電
材料15の膜を、偶数段にはビスマスからなるn型の熱
電材料16の膜を積層する。熱電材料の位置合わせは、
各段とも第1段目と行い、熱電材料の位置のズレが、積
層が進むとともに積算されるのを防ぐ。
【0038】第4段目を積層しメッキ電極用基板11を
溶解後、図7のように50μm以上の厚さで、熱硬化性
樹脂を塗布する。150℃で30分処理し、樹脂からな
る第1の誤差吸収層21を形成する。硬化後、ガラス基
板からなる絶縁性基板19を基板面に水平に研磨用ラッ
プ板にワックス等で固定し、絶縁性基板19と第1の誤
差吸収層17間の厚さrが、あらかじめ設定した厚さ8
00μmになるまで、耐水性研磨紙により研磨する。
【0039】引き続き、図8に示すように、第2段目と
同様に、第5段目として、アンチモンからなるp型の熱
電材料15の膜を積層する。熱電材料の位置合わせは、
第1段目と行い、メッキ電極用基板11の溶解除去を行
う。以下、同様にして、積層とメッキ電極用基板11の
溶解除去を第8段目まで行う。奇数段にはアンチモンか
らなるp型の熱電材料15の膜を、偶数段にはビスマス
からなるn型の熱電材料16の膜を積層する。
【0040】第1の誤差吸収層を形成したのと同様の方
法で、樹脂からなる第2の誤差吸収層21を形成する。
ガラス基板からなる絶縁性基板19と第2の誤差吸収層
21間の厚さsが、あらかじめ設定した厚さ1250μ
mになるまで、第1の誤差吸収層と同様に耐水性研磨紙
により研磨する。
【0041】引き続き、第2段目と同様に、第9段目と
して、アンチモンからなるp型の熱電材料15の膜を積
層する。熱電材料の位置合わせは、第1段目と行い、メ
ッキ電極用基板11の溶解除去を行う。以下、同様にし
て、積層とメッキ電極用基板11の溶解除去を第12段
目まで行う。奇数段にはアンチモンからなるp型の熱電
材料15の膜を、偶数段にはビスマスからなるn型の熱
電材料16の膜を積層する。
【0042】第1の誤差吸収層を形成したのと同様の方
法で、樹脂からなる第3の誤差吸収層21を形成する。
ガラス基板からなる絶縁性基板19と第3の誤差吸収層
21間の厚さtが、あらかじめ設定した厚さ1700μ
mになるまで、第1の誤差吸収層と同様に耐水性研磨紙
により研磨する。
【0043】引き続き、第2段目と同様に、第13段目
として、アンチモンからなるp型の熱電材料15の膜を
積層する。熱電材料の位置合わせは、第1段目と行い、
メッキ電極用基板11の溶解除去を行う。以下、同様に
して、積層とメッキ電極用基板11の溶解除去を第16
段目まで行う。奇数段にはアンチモンからなるp型の熱
電材料15の膜を、偶数段にはビスマスからなるn型の
熱電材料16の膜を積層する。
【0044】第1の誤差吸収層を形成したのと同様の方
法で、樹脂からなる第4の誤差吸収層21を形成する。
ガラス基板からなる絶縁性基板19と第4の誤差吸収層
21間の厚さuが、あらかじめ設定した厚さ2150μ
mになるまで、第1の誤差吸収層と同様に耐水性研磨紙
により研磨する。
【0045】引き続き、第2段目と同様に、第17段目
として、アンチモンからなるp型の熱電材料15の膜を
積層する。熱電材料の位置合わせは、第1段目と行い、
メッキ電極用基板11の溶解除去を行う。以下、同様に
して、積層とメッキ電極用基板11の溶解除去を第20
段目まで行う。奇数段にはアンチモンからなるp型の熱
電材料15の膜を、偶数段にはビスマスからなるn型の
熱電材料16の膜を積層する。
【0046】20段目に積層したビスマスからなるn型
の熱電材料16と感光性樹脂13の上に熱硬化性樹脂を
スクリーン印刷により塗布し、300μm厚のガラス基
板からなる絶縁性基板19を置き、2Kg/cm2 で加
圧する。その後、150℃で30分加熱し、接着層17
を形成する。塗布する熱硬化性樹脂の量と加える圧力
で、接着層17は50μm程度になるよう調整し、図9
に示す積層物を得ることができる。
【0047】以上により、それぞれ接着層を挟んだ、p
型の熱電材料15とn型の熱電材料16を交互に10段
ずつ20段の積層物を、一定の厚さv=2.9mmで作
製することができる。
【0048】この積層物を図10に示すように、感光性
樹脂13のストライプの垂直方向jに1cm、水平方向
kに3mmの大きさに切断する。感光性樹脂13のスト
ライプの垂直方向の1cm間には100本の熱電材料が
50×50×3000μmの角柱として存在し、積層物
の厚さ方向に20段で、1000対の熱電素子が存在す
ることになる。
【0049】図11において切断した熱電発電素子の端
面A、もう片側の端面Bを、耐水性研磨紙、さらに3μ
mのダイヤモンド粉、続いて1μmのダイヤモンド粉に
よるバフ研磨で、表面を平滑にし、熱電材料の金属面を
露出させる。
【0050】これを断面上で、p型の熱電材料15とn
型の熱電材料16とを直列に接続する。図11の断面A
における接続を図8で示すと、p型の熱電材料15aと
n型の熱電材料16a、15bと16b、15cと16
c、15dと16d、15eと16e、15fと16f
をそれぞれ接続する。すなわち、1段目のp型熱電材料
15と、x軸方向の同位置にある2段目のn型熱電材料
16とをそれぞれ接続する。同様に3段目以降も、奇数
段のp型熱電材料15と偶数段のn型熱電材料16を接
続する。
【0051】片側の断面Bにおける接続状態を図8で示
すと、p型の熱電材料15aとn型の熱電材料16b、
15bと16c、15eと16d、15fと16e、1
6aと15d、16fと15iを接続する。すなわち1
段目のp型の熱電材料15aと、1つ右にずれた位置の
2段目のn型の熱電材料16とを接続する。3段目のp
型の熱電材料15は、1つ左にずれた位置の4段目のn
型の熱電材料16と接続する。x軸方向に同位置にある
2段目と3段目の左端、4段目と5段目の右端の熱電材
料は、接続する。
【0052】同様に、同じ規則で、20段目まで、断面
A、Bとも接続する。断面Bの1段目および20段目
で、配線用の金属膜で接続されていない熱電材料は、他
の回路への引き出しとして用いる。
【0053】接続は、マスクを用いたクロムと金の蒸着
で行う。接続する位置がスリットになっている金属板を
マスクとして用い、5×10-5Torr以下の条件で、
クロムを100nm、金を500nmの厚さを蒸着す
る。積層途中に、誤差吸収層を挟んだことにより、熱電
材料の存在する位置も積層方向に大きくずれることがな
い。そのため、同一のスリット板によりマスク蒸着が可
能である。
【0054】この接続により、p型の熱電材料とn型の
熱電材料が直列に1000対が接続される。
【0055】以上の製造方法によれば、10×3×2.
9mmの熱電発電素子を得ることができる。20段の積
層の厚さも安定して2.9mmで得ることができる。p
型とn型の熱電材料を2000対得るためには、この熱
電発電素子を2個用意し、さらに直列に接続する。
【0056】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
製造方法によれば、フォトリソグラフィー技術とメッキ
法により得られた感光性樹脂の膜厚と同じストライプ状
パターン幅、同じ膜厚の金属膜を多数段積層し、その途
中に誤差吸収層を設けることにより、安定した大きさの
熱電発電素子を得ることができる。また、熱電材料の存
在する位置も大きくずれることがないため、配線接続を
マスクを用いた金属膜で行うことができる。腕時計など
への微小な機器への組み込みも可能である。
【0057】本発明の製造方法により、腕時計などの携
帯用電子機器へ温度差発電を利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す平面図である。
【図5】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図6】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図7】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図8】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図9】本発明の実施の形態における熱電発電素子の製
造方法を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態における熱電発電素子の
製造方法を示す断面図である。
【図11】本発明の実施の形態における熱電発電素子の
製造方法を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態における熱電発電素子の
製造方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 メッキ電極用基板 13 感光性樹脂 15 p型の熱電材料 16 n型の熱電材料 17 接着層 19 絶縁性基板 21 誤差吸収層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面あるいは全体が金属材料からなる基
    板上に感光性樹脂を用いてパターンを形成する工程と、
    基板を電極としてメッキ電解液中で電流を与えて、メッ
    キすることにより所定の膜厚のパターン化された熱電材
    料の金属膜を得る工程と、p型の熱電材料の金属膜とn
    型の熱電材料の金属膜を交互に重ねる工程と、それらの
    途中に誤差吸収層を挟み込み、所定の積層厚まで研磨す
    る工程と、p型の熱電材料とn型の熱電材料を金属膜で
    直列に配線することを特徴とする熱電発電素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 金属材料からなる基板上に感光性樹脂を
    用いてパターンを形成する工程と、基板を電極としてメ
    ッキ電解液中で電流を与えて、メッキすることにより所
    定の膜厚のパターン化された熱電材料の金属膜を得る工
    程と、p型の熱電材料の金属膜とn型の熱電材料の金属
    膜を交互に重ね、金属材料からなる基板を溶解する工程
    と、それらの途中に誤差吸収層を挟み込み、所定の積層
    厚まで研磨する工程と、p型の熱電材料とn型の熱電材
    料を金属膜で直列に配線することを特徴とする熱電発電
    素子の製造方法。
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