JPH1012435A - 電磁ソレノイド - Google Patents

電磁ソレノイド

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Publication number
JPH1012435A
JPH1012435A JP4995197A JP4995197A JPH1012435A JP H1012435 A JPH1012435 A JP H1012435A JP 4995197 A JP4995197 A JP 4995197A JP 4995197 A JP4995197 A JP 4995197A JP H1012435 A JPH1012435 A JP H1012435A
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JP
Japan
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movable shaft
slope
suction
piece
axial direction
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Withdrawn
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JP4995197A
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Inventor
Haruo Nakazawa
治雄 中澤
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐衝撃性を有するとともに、小電流で可動軸の
反発動作あるいは吸引動作可能な装置を提供する。 【解決手段】吸着片21と可動軸20との対向部が、互
いに嵌合可能な円錐体状の凸部21Aと円錐体状のくり
ぬかれた凹部20A、および、互いに平行でかつ軸方向
に直交する円環状の平坦面21Bと20Bよりなる。凸
部21Aの斜面は、軸から開く傾斜角度が軸方向の途中
で変更され、頂点側斜面22の傾斜角度が反頂点側斜面
23のそれより大きく形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、一般家庭のガス
安全装置に組み込まれる自動ガス遮断弁駆動用の電磁ソ
レノイド、特に、消費電力の少ない電磁ソレノイドに関
する。
【0002】
【従来の技術】図19は、従来の電磁ソレノイドの構成
を示す断面図であり、それぞれ(A)は可動軸が吸着し
た時の状態を、(B)は可動軸が反発した時の状態を示
している。図19(A)において、磁性体よりなる可動
軸1が中心に配されるとともに、磁性体よりなる吸着片
7が可動軸1の軸方向の下端部に対向して配されてい
る。可動軸1および吸着片7の外周を絶縁製の巻枠8が
周回し、この巻枠8に駆動コイル6が巻回されている。
また、磁性体よりなるケース4が、駆動コイル6の周囲
を囲むとともに吸着片7の下側に底部4Aを備えてい
る。さらに、永久磁石5が、吸着片7と底部4Aとの間
に介装されるとともに吸着片7と底部4Aとの双方に固
着されている。可動軸1の上端部には可動板2が取り付
けられ、可動板2とケース4上部との間に圧縮性のばね
3が介装されている。
【0003】図19(A)において、永久磁石5は、吸
着片7を介して可動軸1を常時下方へ引っ張っている。
一方、ばね3は、可動軸1を常時上方へ引っ張ってい
る。このばね3の反発力は、永久磁石5の吸引力より多
少弱くなっている。そのために、駆動コイル6が励磁さ
れていないときは、可動軸1と吸着片7とが吸着した状
態になっている。駆動コイル6を励磁すると、可動軸1
と吸着片7との間の永久磁石5による吸引力が弱めら
れ、ばね3の反発力により可動軸1が上方へ引っ張られ
る。すなわち、可動軸1が永久磁石5の吸引力に打ち勝
って可動板2とともに上方へ駆動され、図19(B)の
状態になる。
【0004】図19(B)の状態において、駆動コイル
6を逆励磁すると、可動軸1と吸着片7との間の吸引力
が強まり、可動軸1が可動板2とともに下方へ駆動さ
れ、可動軸1と吸着片7とが吸着した図19(A)の状
態に戻る。図19の装置は、自動ガス遮断弁駆動用の電
磁ソレノイドであり、可動板2が遮断弁となって上下
し、図示されていないガス通路の開閉を行う。図19
(A)の状態が遮断弁開成の場合に相当し、図19
(B)の状態が遮断弁閉成の場合に相当する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような従来の装置は、可動軸と吸着片とが吸着してい
る状態では耐衝撃性に優れているが、その反面、可動軸
を吸着片から反発動作させたり、可動軸を吸着片に吸引
動作させるのに駆動コイルに多くの励磁電流を流さねば
ならないと言う欠点があった。その理由を以下に説明す
る。
【0006】図20は、図19の装置の磁束分布図であ
り、(A)は全体の断面図、(B)は図20の(A)の
要部拡大断面図である。図20の(A)において、駆動
コイル6が励磁されていない時は、永久磁石5によって
発生する磁束10(点線)が矢印で示された方向に流れ
る。ケース4と可動軸1と吸着片7とがいずれも磁性体
により形成されているので、磁束10の殆どがこれらの
磁性体中を周回して流れる。可動軸1と吸着片7とが離
れ、図20の(B)のようにギャップ9が形成される
と、このギャップ9を介して磁束10が流れる。ここ
で、ギャップ9の軸方向の間隙長をLとする。
【0007】図21は、駆動コイル無励磁時における可
動軸1と吸着片7との軸方向の吸着力Fを示す特性線図
である。縦軸に吸着力Fが、横軸に前述の間隙長Lが目
盛られている。ここで、図19の装置の構成を従来例1
とする。駆動コイル6が励磁されていない時の従来例1
の特性は、特性曲線11(点線)のようになる。特性曲
線11は、間隙長Lが零、すなわち、可動軸1と吸着片
7とが吸着した状態では、その吸着力Fが非常に大きい
が、可動軸1と吸着片7とが一旦離れると、その吸着力
Fが急激に小さくなる傾向を示す。そのために、図19
(A)のように可動軸1と吸着片7とが吸着した状態に
おいては、装置に外部から多少衝撃が加わっても可動軸
1と吸着片7とが簡単に離れてしまうことがなく、耐衝
撃性に優れている。しかし、その状態における吸着力F
があまりにも大きいために、図19(A)の状態にある
可動軸1を吸着片7から上方へ反発させる動作(以下、
反発動作と称する)時に、駆動コイル6に多くの励磁電
流を流さねばならない。また、図19(B)の状態にあ
る可動軸1を下方の吸着片7へ吸引させる動作(以下、
吸引動作と称する)場合も、吸着力Fが非常に小さいの
で駆動コイル6に多くの逆励磁電流を流して加速させね
ばならない。このように、図19の構成には、耐衝撃性
に優れていると言う長所と、多くの励磁電流を必要とす
ると言う短所とがあり、一長一短であった。
【0008】図22は、従来の異なる電磁ソレノイドの
構成を示す断面図であり、それぞれ(A)は可動軸が吸
着した時、(B)は可動軸が反発した時の状態を示して
いる。可動軸14の下端が円錐体状の凹部を形成すると
ともに、吸着片15の上端も円錐体状の凸部を形成して
いる。その凸部と凹部とは互いに嵌合可能であり、可動
軸14と吸着片15とが吸着したときは、凸部と凹部と
の斜面が互いに全面接触し合う形状である。その他は、
図19の構成と同じである。ここで、図22の装置の構
成を従来例2とする。駆動コイル6が励磁されていない
時の従来例2の特性は、図21の特性曲線12(一点鎖
線)のようになる。特性曲線12は、間隙長Lが零、す
なわち、可動軸14と吸着片15とが吸着した状態で
は、その吸着力Fが従来例1の場合よりは小さいが、可
動軸14と吸着片15とが離れた状態では、その吸着力
Fが従来例1の場合ほどは低下しない。したがって、図
22の構成は、可動軸14と吸着片15とが吸着した状
態では、装置に外部から衝撃が加わった場合に可動軸1
4と吸着片15とが比較的簡単に離れてしまうが、一
方、反発動作や吸引動作に必要な励磁電流は少なくて済
む。すなわち、図22の構成においても一長一短があ
り、しかも、その長所と短所とは、図19の場合とは逆
になっている。その理由を次に説明する。
【0009】図23は、図22の装置の動作時における
磁束分布を示す要部拡大断面図である。磁束17が可動
軸14と吸着片15とのギャップ16に入り込むとき
は、磁束17が斜めに曲げられる。軸方向の間隙長Lが
零、すなわち、可動軸14と吸着片15とが吸着した状
態では、吸着しようとする力が軸方向から斜めに向いた
方向に発生するので、可動軸14の軸方向に働く成分で
ある吸着力Fが特性曲線11の場合より低下する。一
方、可動軸14が吸着片15から一旦離れると、磁束1
7がギャップ16内を軸方向の間隙長Lより小さい距離
H1を介して流れる。したがって、ギャップ16の磁気
抵抗が、図20(B)におけるギャップ9のそれより小
さくなる。そのために、可動軸14が吸着片15とが離
れている場合、同じ間隙長Lの所で比較すると、図21
に示すように特性曲線12の吸着力Fが特性曲線11の
それより大きくなる。したがって、図22(A)のよう
に可動軸14と吸着片15とが吸着した状態において
は、装置に外部から衝撃が加わった場合、可動軸14と
吸着片15とが比較的簡単に離れてしまう可能性があ
り、耐衝撃性に劣る。しかし、可動軸14と吸着片15
とが吸着した状態においての吸着力Fが小さいために、
図22(A)の状態にある可動軸14の反発動作時に
は、駆動コイル6に図19の装置ほど多くの励磁電流を
流す必要がない。また、図19(B)の状態にある可動
軸14の吸引動作時にも、可動軸14と吸着片15とが
離れた状態においての吸着力Fが大きいので駆動コイル
6に図19の装置ほど多くの逆励磁電流を流す必要がな
い。
【0010】可動軸と吸着片との耐衝撃性をある程度確
保する手段としては、可動軸と吸着片とが部分的に接触
する平坦面を可動軸と吸着片にそれぞれに形成し、この
平坦面を軸方向に直交させておく方向が知られている。
その例を従来例3として以下に示す。図24は、従来例
3の場合の電磁ソレノイドの構成を示す要部断面図であ
る。図24の電磁ソレノイドが図22の構成と異なる点
は、次の通りである。吸着片43の上部が、直径の小さ
い方の平行面43Dを上方へ向けて突設された円錐台状
の凸部43Aと、この凸部43Aの外周に設けられ軸方
向に直交する円環状の平坦面43Bとで構成され、可動
軸30の下部が、凸部43Aに嵌合可能な円錐台状の凹
部30Aと、この凹部30Aの外周に設けられ平坦面4
3Bに平行に対向する円環状の平坦面30Bとで構成さ
れ、吸着片43と可動軸30とが吸着したときは平坦面
43B,30B同士が互いに接触し合っている。また、
凸部43Aの斜面43Cと凹部30Aの斜面30Cとの
軸方向から開く傾斜角度θは同じである。さらに、凸部
43Aの平行面43Dの直径と、凹部30Aの平行面3
0Dの直径とは、同一に形成されている。その他の構成
は、図22と同じである。図24における平坦面43
B,30Bの部分では磁束は上下方向に向くので、吸着
片43と可動軸30とがしっかりと吸着する。しかも、
その平坦面43B,30Bが部分的であるので、図19
の従来例1ほどは吸着力は強くない。そのために、耐衝
撃性をある程度確保することができる。しかし、図24
の従来例3には、次にような欠点がある。
【0011】図25は、図24の可動軸30と吸着片4
3との軸方向の吸着力Fの比を示す特性線図である。横
軸に前述の間隙長Lが目盛られている。縦軸の吸着力F
の比は、Lが零のときのばね3(図19)の反発力に対
する可動軸30と吸着片43との吸着力である。特性3
A(一点鎖線)がばね3の反発力であり、特性92が無
励磁のときの可動軸30と吸着片43との吸着力であ
る。特性93がある値の反発動作用の励磁電流を流した
ときに作用する可動軸30と吸着片43との吸着力であ
り、特性91がある値の吸引動作用の励磁電流を流した
ときに作用する可動軸30と吸着片43との吸着力であ
る。
【0012】図26は、図25の動作特性を説明する断
面図であり、(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部と
の斜面同士がまだ対向している途中の状態、(C)は凹
部が凸部から抜け出たときの状態のものである。図26
の(A)における吸着状態では、平坦部30B,43B
同士が接触している部分の磁気抵抗が小さいので大部分
が磁束94のように上下方向に流れる。そのために、吸
着状態では図25のように、特性92の吸着力Fが間隙
長Lの零のところで大きくなる。図26の(B)におい
ては、大部分の磁束95が斜面30Cと43Cとの間を
通るので、磁束95がほぼ半径方向に流れる。そのため
に、図25のように、特性92の吸着力Fが間隙長Lの
途中で一旦小さくなる。さらに、図26の(C)におい
ては、大部分の磁束96が凸部30と凹部43との端部
を通るので、磁束96が再び上下方向に流れようにな
る。そのために、図25のように、特性92の吸着力
は、間隙長Lが大きくなると、また上昇する。特性92
の特性が、V字形になるのは以上の理由による。
【0013】図25に戻り、間隙長Lが零で無励磁のと
きは、吸着力の方がばねの反発力より勝っているので、
可動軸30と吸着片43がしっかりと吸着している。そ
の状態で可動軸30を反発させようとした場合、特性9
3では、間隙長Lが零のところ()では吸着力の方が
ばねの反発力よりまだ勝っているので可動軸30が反発
動作を開始しない。そのために、反発のための励磁電流
をさらに増し(特性92の吸着力を打ち消すことに相
当)、特性93を図の下方へ平行移動させる必要があ
る。一方、反発状態にある可動軸30を吸引動作させよ
うとした場合、特性91では、間隙長LがL1 とL 2
の間ののところ()でばねの反発力の方が吸着力より
大きくなるで可動軸30の吸引動作が止まってしまう可
能性がある。そのために、吸引のための励磁電流をさら
に増し、特性91を図の上方へ平行移動させる必要があ
る。そのために、この場合も、図19の従来例1と同様
に多くの励磁電流を必要としていた。
【0014】この発明の目的は、反発動作あるいは吸引
動作における必要な励磁電流が少なくて済むと同時に耐
衝撃性も有する装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明によれば、磁性体よりなる可動軸と、この
可動軸の軸方向の端部に対向し磁性体よりなる吸着片
と、可動軸および吸着片の外周に絶縁製の巻枠を介して
巻回される駆動コイルと、吸着片の反可動軸側に設けら
れた永久磁石とが磁性体よりなるケース内に収納され、
駆動コイルを励磁することによって可動軸と吸着片との
対向部が互いに軸方向に吸着または反発し合う電磁ソレ
ノイドにおいて、吸着片の対向部は、頂点を可動軸側に
向けて突設された円錐体状の凸部と、この凸部の外周に
設けられ軸方向に直交する円環状の吸着片側平坦面とで
構成され、凸部の斜面の軸方向から開く傾斜角度が軸方
向の途中で変更され、頂点側斜面の傾斜角度が反頂点側
斜面のそれより大きく形成され、可動軸の対向部は、円
錐体状にくりぬかれ前記凸部に嵌合可能な凹部と、この
凹部の外周に設けられ吸着片側平坦面に平行に対向する
円環状の可動軸側平坦面とで構成され、凹部の斜面の軸
方向から開く傾斜角度も軸方向の途中で変更され、凹部
の各斜面は前記凸部の頂点側斜面と反頂点側斜面とそれ
ぞれ平行に形成されてなるものとするとよい。吸着片側
平坦面と可動軸側平坦面との対向面積は、従来例1の場
合より縮小されている。一方、従来例2の場合には吸着
片側平坦面と可動軸側平坦面との対向部分は全くなかっ
た。軸方向に直交する平坦面同士の吸着力は大きく、し
かも、その対向面積が大きいほど吸着力が大きいので、
可動軸と吸着片とが吸着した状態においての吸着力F
は、従来例1の場合とよりは小さくなるが、従来例2の
場合ほどは小さくならない。したがって、可動軸と吸着
片とが吸着した状態での耐衝撃性を確保することができ
るとともに、可動軸の反発動作も従来例1の場合とより
は小さい励磁電流で済む。さらに、凸部が互いに傾斜角
度の異なる頂点側斜面と反頂点側斜面とを備えたことに
より、可動軸と吸着片とが離れた状態のとき、凸部と凹
部との間にできるギャップを磁束が、従来例2の場合よ
り小さい距離を流れるようになる。そのために、ギャッ
プの磁気抵抗が小さくなり吸着力Fが従来例2の場合よ
り大きくなる。したがって、可動軸の吸引動作時におい
て従来例2の場合より小さい逆励磁電流で済むようにな
る。
【0016】また、かかる構成において、可動軸と吸着
片とが互いに吸着したときに、可動軸と吸着片との対向
部の間に空隙が形成される。空隙が存在ために可動軸と
吸着片とが互いに吸着したときの磁気抵抗が大きくな
り、可動軸と吸着片との吸着力Fが小さくなる。さら
に、空隙の面積を調整することにより、吸着力Fの値を
適切な値に選ぶことができる。そのために、可動軸と吸
着片とが吸着した状態での耐衝撃性をある程度残してお
くとともに、可動軸の反発動作は空隙のない場合より小
さい励磁電流で済むようになる。
【0017】また、かかる構成において、空隙が凸部の
反頂点側斜面と凹部の反頂点側斜面と間、および吸着片
側平坦面と可動軸側平坦面との間にそれぞれ形成されて
なるなるものとしてもよい。それによって、可動軸と吸
着片とが吸着した状態では、凸部と凹部との頂点側斜面
だけが互いに接するだけになる。したがって、凸部と凹
部との頂点側斜面だけが精度よく加工されてあれば、可
動軸と吸着片との他の対向部、すなわち、平坦面や反頂
点側斜面の加工精度はそれほど厳しくしなくても済む。
【0018】また、かかる構成において、空隙が凸部の
全斜面と凹部の全斜面との間に形成されてなるものとし
てもよい。それによって、可動軸と吸着片とが吸着した
状態では、可動軸と吸着片との平坦面が互いに接するだ
けになる。したがって、可動軸と吸着片と平坦面が互い
に平行に加工されてあれば、可動軸と吸着片との他の対
向部、すなわち、凸部や凹部の加工精度はそれほど厳し
くしなくても済む。
【0019】また、磁性体よりなる可動軸と、この可動
軸の軸方向の端部に対向し磁性体よりなる吸着片と、可
動軸および吸着片の外周に絶縁製の巻枠を介して巻回さ
れる駆動コイルと、吸着片の反可動軸側に設けられた永
久磁石とが磁性体よりなるケース内に収納され、駆動コ
イルを励磁することによって可動軸と吸着片との対向部
が互いに軸方向に吸着または反発し合う電磁ソレノイド
において、吸着片の対向部は、直径の小さい方の平行面
を可動軸側に向けて突設された円錐台状の凸部と、この
凸部の外周に設けられ軸方向に直交する円環状の吸着片
側平坦面とで構成され、可動軸の対向部は、円錐台状に
くりぬかれ前記凸部に嵌合可能な凹部と、この凹部の外
周に設けられ吸着片側平坦面に平行に対向する円環状の
可動軸側平坦面とで構成され、前記凸部の斜面の軸方向
から開く傾斜角度が、凹部の斜面の軸方向から開く傾斜
角度より大きく形成され、吸着片と可動軸とが吸着した
ときは平坦面同士が互いに接触し合うものとしてもよ
い。それによって、凸部の斜面と凹部の斜面とのギャッ
プが、吸着片側に行くにしたがって狭くなる。それによ
って、吸着片と可動軸とが吸着しているときにおいて、
従来例3の場合に吸着片と可動軸との平坦面間を通過し
ていた磁束の一部が軸方向に対して傾斜し、斜面間のギ
ャップの狭くなった部分を通過するようになる。そのた
めに、吸着片と可動軸とが吸着しているときの無励磁に
おける吸着力が、従来例3の場合より小さくなる。した
がって、可動軸が反発動作し易くなり、従来より小さい
励磁電流で反発動作するようになる。また、可動軸が吸
着片から離れるにしたがって斜面間のギャップが広くな
っているので、吸着力が吸着片と可動軸との間隙長が大
きくなるにしたがって弱くなる。そのために、従来例3
において吸着特性がV字状になってばねの反発力が吸着
力より勝る部分がなくなり、吸引時においても従来より
小さい励磁電流で反発動作するようになる。
【0020】また、かかる構成において、凸部の斜面が
軸方向の途中で軸に平行に切り落とされ、凸部の反可動
軸側が円柱状に形成されてなるものとしてもよい。それ
によって、斜面の反可動軸側のギャップが大きくなる。
そのために、吸着片と可動軸との吸着時に凸部と凹部と
の斜面同士が接触することがなく、スムーズに凸部と凹
部とが嵌合するようになる。
【0021】また、かかる構成において、凸部の斜面の
軸から開く傾斜角度が軸方向の途中で変更され、凸部の
反可動軸側斜面の傾斜角度が、凹部の斜面の軸から開く
傾斜角度より小さく形成されてなるものとしてもよい。
それによっても、斜面の反可動軸側のギャップが大きく
なる。そのために、吸着片と可動軸との吸着時に凸部と
凹部との斜面同士が接触することがなく、スムーズに凸
部と凹部とが嵌合するようになる。
【0022】また、かかる構成において、凹部の斜面の
軸方向から開く傾斜角度が軸方向の途中で変更され、凹
部の吸着片側斜面の傾斜角度が、凹部の反吸着片側斜面
の傾斜角度がより大きく形成されてなるものとしてもよ
い。それによっても、斜面の反可動軸側のギャップが大
きくなる。そのために、吸着片と可動軸との吸着時に凸
部と凹部との斜面同士が接触することがなく、スムーズ
に凸部と凹部とが嵌合するようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】この発明は、磁性体よりなる可動
軸と、この可動軸の軸方向の端部に対向し磁性体よりな
る吸着片と、可動軸および吸着片の外周に絶縁製の巻枠
を介して巻回される駆動コイルと、吸着片の反可動軸側
に設けられた永久磁石とが磁性体よりなるケース内に収
納され、駆動コイルを励磁することによって可動軸と吸
着片との対向部が互いに軸方向に吸着または反発し合う
電磁ソレノイドにおいて、吸着片の対向部は、頂点を可
動軸側に向けて突設された円錐体状の凸部と、この凸部
の外周に設けられ軸に直交する円環状の吸着片側平坦面
とで構成され、凸部の斜面の軸方向から開く傾斜角度が
軸方向の途中で変更され、頂点側斜面の傾斜角度が反頂
点側斜面のそれより大きく形成され、可動軸の対向部
は、円錐体状にくりぬかれ前記凸部に嵌合可能な凹部
と、この凹部の外周に設けられ吸着片側平坦面に平行に
対向する円環状の可動軸側平坦面とで構成され、凹部の
斜面の軸から開く傾斜角度も軸方向の途中で変更され、
凹部の各斜面は前記凸部の頂点側斜面と反頂点側斜面と
それぞれ平行に形成されるものである。
【0024】また、この発明は、磁性体よりなる可動軸
と、この可動軸の軸方向の端部に対向し磁性体よりなる
吸着片と、可動軸および吸着片の外周に絶縁製の巻枠を
介して巻回される駆動コイルと、吸着片の反可動軸側に
設けられた永久磁石とが磁性体よりなるケース内に収納
され、駆動コイルを励磁することによって可動軸と吸着
片との対向部が互いに軸方向に吸着または反発し合う電
磁ソレノイドにおいて、吸着片の対向部は、直径の小さ
い方の平行面を可動軸側に向けて突設された円錐台状の
凸部と、この凸部の外周に設けられ軸方向に直交する円
環状の吸着片側平坦面とで構成され、可動軸の対向部
は、円錐台状にくりぬかれ前記凸部に嵌合可能な凹部
と、この凹部の外周に設けられ前記吸着片側平坦面に平
行に対向する円環状の可動軸側平坦面とで構成され、前
記凸部の斜面の軸方向から開く傾斜角度が、凹部の斜面
の軸方向から開く傾斜角度より大きく形成され、吸着片
と可動軸とが吸着したときは平坦面同士が互いに接触し
合うものである。
【0025】以下、この発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0026】
【実施例1】図1は、この発明の実施例1にかかる電磁
ソレノイドの構成を示す断面図であり、それぞれ(A)
は要部拡大断面図、(B)は磁束分布図である。図1
(A)は、可動軸20と吸着片21とが吸着された状態
を示している。吸着片21の上部には、頂点を可動軸2
0側に向けて突設された円錐体状の凸部21Aと、この
凸部21Aの外周に設けられ軸方向に直交する円環状の
吸着片側平坦面21Bとで構成されている。凸部21A
の斜面の軸方向から開く傾斜角度が軸方向の途中で変更
され、頂点側斜面22の傾斜角度が反頂点側斜面23の
それより大きく形成され、可動軸20の下部は、吸着片
21の対向部に嵌合可能な円錐体状にくりぬかれた凹部
20Aと、この凹部20Aの外周に設けられ軸方向に直
交する円環状の可動軸側平坦面20Bとで構成されてい
る。凹部20Aの斜面の軸方向から開く傾斜角度も軸方
向の途中で変更され、凹部20Aの各斜面は凸部21A
の頂点側斜面22と反頂点側斜面23とそれぞれ平行に
形成されている。また、吸着片側平坦面21Bと可動軸
側平坦面20Bとは互いに対向するように平行に配され
ている。図1のその他は、図19や図22の従来の構成
と同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0027】すなわち、図1の構成が従来例2の構成
(図22)と異なるのは、吸着片21と可動軸20の対
向部に、円環状の平坦面21B,20Bが設けられてあ
ることと、凸部21Aが互いに傾斜角度の異なる頂点側
斜面22と反頂点側斜面23とを備えるとともに凹部2
0Aが凸部21Aの外形と相似にくりぬかれていること
である。実施例1は、駆動コイルが励磁されていない
時、図21の特性曲線13(実線)のようになる。特性
曲線13は、間隙長Lが零、すなわち、可動軸20と吸
着片21のとが吸着した状態では、その吸着力Fが従来
例1の場合と従来例2の場合との間にあるが、可動軸2
0と吸着片21とが離れた状態では、その吸着力Fが従
来例1の場合と従来例2の場合とのいずれに対しても大
きくなっている。その理由を次に説明する。
【0028】図1(B)では、磁束24が可動軸20と
吸着片21とのギャップ25に入り込むときに磁束24
が斜めに曲げられ、磁束24がギャップ25内を距離H
2の部分を介して流れている。この距離H2は、従来例
2の場合における図23の距離H1よりさらに短い。こ
れは、反頂点側斜面23の軸から開く角度が頂点側斜面
22のそれより小さいことによる。したがって、ギャッ
プ25の磁気抵抗は、図23のギャップ16のそれより
小さくなる。そのために、可動軸20が吸着片21とが
離れている場合、同じ間隙長Lの所で比較すると、特性
曲線13の吸着力Fが、特性曲線12のそれより大きく
なる。一方、平坦面20B,21Bの対向面積は、従来
例1の図20における平坦面の対向面積より小さい。そ
のために、図1(A)のように可動軸20と吸着片21
とが吸着した状態においては、その吸着力Fは、従来例
1の場合より小さくなる。従来例2の場合、平坦面の対
向部分が全くないので、その吸着力Fは非常に小さい。
そのために、間隙長Lが零のところで、吸着力Fを比較
すると、実施例1の吸着力Fは従来例1の場合と従来例
2の場合との間に来る。したがって、可動軸20と吸着
片21とが吸着した状態での耐衝撃性を確保することが
できるとともに、可動軸20の反発動作時や吸引動作時
に従来例1や従来例2より小さい励磁電流で済むように
なり、電力消費を低減させることができる。
【0029】
【実施例2】図2は、この発明の実施例2にかかる電磁
ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。凹部2
0Aの可動軸側斜面を凸部21Aのそれより長くして、
凸部21Aの反可動軸側斜面23の部分に空隙26が形
成されている。その他は、図1の構成と同じである。空
隙26が存在するために可動軸20と吸着片21とが吸
着した状態での磁気抵抗が大きくなり、可動軸20と吸
着片21との吸着力Fが小さくなる。そのために、可動
軸20と吸着片21とが吸着した状態での耐衝撃性をあ
る程度残しておくとともに、可動軸20の反発動作が、
空隙のない図1の場合より小さい励磁電流で済むように
なる。
【0030】
【実施例3】図3は、この発明の実施例3にかかる電磁
ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。凸部2
1Aの反可動軸側斜面23を長くして、凸部21Aの可
動軸側斜面の部分に空隙26が形成されている。その他
は、図1の構成と同じである。空隙26が存在するため
に可動軸20と吸着片21とが吸着した状態での磁気抵
抗が大きなり、可動軸20と吸着片21との吸着力Fが
小さくなる。そのために、可動軸20と吸着片21とが
吸着した状態での耐衝撃性をある程度残しておくととも
に、可動軸20の反発動作が、空隙のない図1の場合よ
り小さい励磁電流で済むようになる。空隙26の面積が
図2の場合より小さいので、吸着力Fも図2より小さく
なり、耐衝撃性をある程度残しておくとともに、可動軸
20の反発動作に必要は励磁電流も図2より小さくて済
むようになる。
【0031】
【実施例4】図4は、この発明の実施例4にかかる電磁
ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。可動軸
側平坦面20Bと吸着片側平坦面21Bとの間に空隙2
6が形成されている。その他は、図1の構成と同じであ
る。空隙26が存在するために可動軸20と吸着片21
とが吸着した状態での磁気抵抗が大きなり、可動軸20
と吸着片21との吸着力Fが小さくなる。そのために、
可動軸20と吸着片21とが吸着した状態での耐衝撃性
をある程度残しておくとともに、可動軸20の反発動作
が、空隙のない図1の場合より小さい励磁電流で済むよ
うになる。平坦面での吸着力は、凸部と凹部との吸着力
より大きい。図4では、空隙26が平坦面にあるので、
図1ないし図3の構成のように平坦面に空隙がない場合
より全体としての吸着力Fは小さくなる。そのために、
図4の構成は、可動軸20の反発動作に必要な励磁電流
も図1ないし図3の場合より小さくて済むようになる。
【0032】
【実施例5】図5は、この発明の実施例5にかかる電磁
ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。凸部2
1Aの反可動軸側斜面23の長さを大きくして、反可動
軸側斜面23の部分と、可動軸側平坦面20Bと吸着片
側平坦面21Bとの間に空隙26が形成されている。そ
の他は、図1の構成と同じである。空隙26が存在する
ために可動軸20と吸着片21とが吸着した状態での磁
気抵抗が大きなり、可動軸20と吸着片21との吸着力
Fが小さくなる。そのために、可動軸20と吸着片21
とが吸着した状態での耐衝撃性をある程度残しておくと
ともに、可動軸20の反発動作が、空隙のない図1の場
合より小さい励磁電流で済むようになる。空隙26の面
積が図4の場合より大きいので、図5の構成は、可動軸
20の反発動作に必要は励磁電流が図4の場合より小さ
くて済むようになる。また、凸部21Aの可動軸側斜面
だけが、凸部と接しているので、凸部21Aの頂点側斜
面だけを凹部20Aに嵌合可能に加工されてあれば、可
動軸20と吸着片21との他の対向部の他の部分の加工
精度をそれほど厳しくしなくてもよい。したがって、可
動軸20や吸着片21の加工時間の節約になる。
【0033】
【実施例6】図6は、この発明の実施例6にかかる電磁
ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。凸部2
1Aと凹部20Aとの間に空隙26が形成されている。
その他は、図1の構成と同じである。空隙26が存在す
るために可動軸20と吸着片21とが吸着した状態での
磁気抵抗が大きなり、可動軸20と吸着片21との吸着
力Fが小さくなる。そのために、可動軸20と吸着片2
1とが吸着した状態での耐衝撃性をある程度残しておく
とともに、可動軸20の反発動作が、空隙のない図1の
場合より小さい励磁電流で済むようになる。空隙26の
面積が図3の場合より大きいので、図6の構成は、可動
軸20の反発動作に必要は励磁電流が図3の場合より小
さくて済むようになる。また、吸着片21の平坦面21
Bと可動軸20の平坦面21Bとだけが接しているの
で、平坦面21Bと可動軸20の平坦面21Bとの平行
度だけを注意して加工すれば、凸部21Aや凹部20A
の加工精度をそれほど厳しくしなくてもよい。したがっ
て、可動軸20や吸着片21の加工時間の節約になる。
【0034】
【実施例7】図7は、この発明の実施例7にかかる電磁
ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。吸着片
40の上部は、直径の小さい方の平行面40Dを上側に
向けて突設された円錐台状の凸部40Aと、この凸部4
0Aの外周に設けられ軸方向に直交する円環状の平坦面
40Bとで構成されている。一方、可動軸30の下部
は、円錐台状にくりぬかれた凹部30Aと、この凹部3
0Aの外周に設けられ平坦面40Bに平行に対向する円
環状の平坦面30Bとで構成されている。ここで、凸部
40Aの斜面40Cの軸方向(上下方向)から開く傾斜
角度をθ1 、凹部30Aの斜面30Cの軸方向から開く
傾斜角度をθ2 とする。図7においては、傾斜角度θ1
が傾斜角度θ2 より大きくなるように構成されている。
また、凹部30Aの平行面30Dと、凸部40Aの平行
面40Dとは、同じ直径になっている。さらに、吸着片
40と可動軸30とが吸着したときは平坦面40A、3
0A同士が互いに接触し合うようになっている。図24
の従来例3の構成と異なる点は、斜面40Cと斜面30
Cとの軸方向から開く傾斜角度が互いに異なるだけであ
り、それによって、斜面40Cと斜面30Cとのギャッ
プが下方へ行くにしたがって小さくなる。その他は、図
24の構成と同じである。
【0035】図8は、図7の可動軸30と吸着片40と
の軸方向の吸着力Fの比を示す特性線図である。横軸に
前述の間隙長Lが目盛られている。横軸のL1 とL
2 は、図25の従来例3における間隙長である。縦軸の
吸着力Fの比は、Lが零のときのばね3(図19)の反
発力に対する可動軸30と吸着片40との吸着力であ
る。特性3A(一点鎖線)がばね3の反発力(図25の
場合と同じ特性)であり、特性52が無励磁のときの可
動軸30と吸着片40との吸着力である。特性53が、
図25の場合と同じレベルの反発動作用の励磁電流を流
したときに作用する可動軸30と吸着片40との吸着力
であり、特性51が、図25の場合と同じレベルの吸引
動作用の励磁電流を流したときに作用する可動軸30と
吸着片40との吸着力である。
【0036】図9は、図8の動作特性を説明する断面図
であり、(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部との斜
面同士がまだ対向している途中の状態、(C)は凹部が
凸部から抜け出たときの状態の図である。図9の(A)
における吸着状態では、平坦部30B,40B同士が接
触している部分の磁気抵抗が小さいので大部分が磁束5
4のように上下方向に流れるが、斜面40Cと30Cと
のギャップ長も平坦部側になるにしたがって小さくなる
ので、磁束55のように斜面40Cと30Cとの間でも
平坦部側に近い部分を通過する成分ができる。それによ
って、従来例3(図26)において平坦部30B,40
B間を通過していた磁束94の一部が半径方向に斜めに
傾く磁束55となる。そのために、無励磁の時の特性5
2の間隙長Lが零のところでの吸着力が、従来例3(図
26)における無励磁の時の特性92より小さくなる。
したがって、吸着状態では従来よりも少ない励磁電流
で、無励磁の時の特性52の吸着力を打ち消すことがで
きる。すなわち、反発時の特性53の吸着力が間隙長L
零のところ()でばねの反発力より小さくなり、可動
軸30が小電流で反発動作できるようになる。
【0037】図9の(B)においては、磁束56が斜面
30Cと43Cとのギャップ間を通る。斜面40Cと斜
面30Cとの軸方向から開く傾斜角度が互いに異なるの
で、そのギャップ長は可動軸30が下方へ移動するとと
もに小さくなる。また、可動軸30が吸着片40に近づ
くにしたがって斜面間40Cと斜面30Cとのギャップ
が狭くなっているので、吸着力が吸着片40と可動軸3
0との間隙長が小さくなるのしたがって強くなる。した
がって、従来例3において吸着特性がV字状になってば
ねの反発力が吸着力より勝る部分がなくなり、吸引時に
おいても従来より小さい励磁電流で吸引動作するように
なる。すなわち、反発状態にある可動軸30を吸引動作
させようとした場合、特性51の吸着力が間隙長Lの途
中のところ()でばねの反発力より勝り、吸引動作で
も大きな吸着力を得ることができ電力の節約が可能にな
る。
【0038】図9の(C)においては、大部分の磁束5
7が凸部30Aと凹部40Aとの端部を通るが、斜面4
0Cと30Cとのギャップ長が大きいので、従来例3の
場合(図25)のようにV字状には上昇しない。実測で
は、図8のように吸着力が間隙長Lの増加とともに直線
的に減少している。
【0039】
【実施例8】図10は、この発明の実施例8にかかる電
磁ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。実施
例7(図7)と異なるのは、吸着片41の凸部41Aの
斜面41Cが軸方向の途中で軸方向に平行に切り落とさ
れ、凸部41Aの下部が円柱状に形成され、軸に平行な
円柱面41Eが備えられている点である。その他の構成
は図7と同じである。すなわち、凸部41Aの平行面4
1Dの直径は、凹部30Aの平行面30Dのそれと同じ
であり、吸着片41の平坦面41Bは、吸着状態では可
動軸30の平坦面30Bと接触している。さらに、斜面
41Cの傾斜角度θ1 が凹部30Aの斜面30Cの傾斜
角度をθ2 より大きくなるように形成されている。
【0040】図10の構成とすることによって、斜面3
0Cと円柱面41Eとの間に大きなギャップ69ができ
る。そのために、吸着片41と可動軸30との吸着時に
凸部41Aと凹部30Aとの斜面同士が接触することが
なく、スムーズに凸部41Aと凹部30Aとが嵌合する
ようになる。すなわち、ギャップ69が小さいと、吸着
片41と可動軸30とが吸着した時にその斜面同士が当
接し、平坦面30B,41B同士が接触し難くなる可能
性がある。平坦面30B,41B同士が接触していない
と、規定の吸着力を確保することができず、衝撃などに
よって吸着片41と可動軸30が離れ易くなる。また、
大きなギャップ69が確保されているので、凸部41A
と凹部30Aとの加工精度もそれほど高く要求する必要
がない。したがって、吸着片41と可動軸30との製作
コストの低減が可能になる。
【0041】図11は、図10の可動軸30と吸着片4
1との軸方向の吸着力Fの比を示す特性線図である。横
軸に前述の間隙長Lが目盛られている。横軸のL1 とL
2 は、図25の従来例3における間隙長である。縦軸の
吸着力Fの比は、Lが零のときのばね3(図19)の反
発力に対する可動軸30と吸着片41との吸着力であ
る。特性3A(一点鎖線)がばね3の反発力(図25の
場合と同じ特性)であり、特性62が無励磁のときの可
動軸30と吸着片41との吸着力である。特性63が、
図25の場合と同じレベルの反発動作用の励磁電流を流
したときに作用する可動軸30と吸着片41との吸着力
であり、特性61が、図25の場合と同じレベルの吸引
動作用の励磁電流を流したときに作用する可動軸30と
吸着片41との吸着力である。
【0042】図12は、図11の動作特性を説明する断
面図であり、(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部と
の斜面同士がまだ対向している途中の状態、(C)は凹
部が凸部から抜け出たときの状態のものである。図12
の(A)における吸着状態では、平坦部30B,41B
同士が接触している部分では、その側に大きなギャップ
69が形成されているために、上下方向に流れる磁束6
4の密度が増し、無励磁の時の特性62の間隙長Lが零
のところでの吸着力が、実施例7(図8)における無励
磁の時の特性52より大きくなる。しかし、反発動作時
の特性53の吸着力は、間隙長L零のところ()でば
ねの反発力よりはまだ小さく、可動軸30が小電流でも
反発動作できる。
【0043】図9の(B)においては、磁束65が斜面
30Cと41Cとのギャップ間を通る。斜面30Cに対
向して斜面30Cと円柱面41Eとの変曲部68が形成
されているので、吸着特性が間隙長L1 とL2 との間で
上方への膨らみが多少見られる。吸引動作時の特性61
は、実施例7(図8)と同様に間隙長Lの途中のところ
()でばねの反発力より勝り、従来より小さな電流で
も吸引動作させることができる。
【0044】図9の(C)においては、大部分の磁束6
6が凸部30Aと凹部41Aとの端部を通り、実施例7
(図8)と同様な傾向になる。
【0045】
【実施例9】図13は、この発明の実施例8にかかる電
磁ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。実施
例7(図7)と異なる点は、吸着片42の凸部42Aの
斜面42Cが軸方向に対して傾斜角度θ3 で切り落とさ
れ、斜面42Eが形成されている点である。傾斜角度θ
3 は、凹部30Aの斜面30Cの傾斜角度をθ2 より小
さくなるように形成されている。その他の構成は図7と
同じである。すなわち、凸部42Aの平行面42Dの直
径は、凹部30Aの平行面30Dのそれと同じであり、
吸着片42の平坦面42Bは、吸着状態では可動軸30
の平坦面30Bと接触している。さらに、斜面42Cの
傾斜角度θ1 が凹部30Aの斜面30Cの傾斜角度をθ
2 より大きくなるように形成されている。
【0046】図13の構成とすることによって、斜面3
0Cと斜面42Eとの間に比較的大きなギャップ79が
できる。そのために、吸着片42と可動軸30との吸着
時に凸部42Aと凹部30Aとの斜面同士が接触するこ
とがなく、スムーズに凸部42Aと凹部30Aとが嵌合
するようになる。このことは、実施例8(図10)の構
成と同じである。したがって、凸部42Aと凹部30A
との加工精度をそれほど高く要求する必要がなく、吸着
片42と可動軸30との製作コストの低減が可能にな
る。
【0047】図14は、図13の可動軸30と吸着片4
2との軸方向の吸着力Fの比を示す特性線図である。横
軸に前述の間隙長Lが目盛られている。横軸のL1 とL
2 は、図25の従来例3における間隙長である。縦軸の
吸着力Fの比は、Lが零のときのばね3(図19)の反
発力に対する可動軸30と吸着片41との吸着力であ
る。特性3A(一点鎖線)がばね3の反発力(図25の
場合と同じ特性)であり、特性72が無励磁のときの可
動軸30と吸着片42との吸着力である。特性73が、
図25の場合と同じレベルの反発動作用の励磁電流を流
したときに作用する可動軸30と吸着片42との吸着力
であり、特性71が、図25の場合と同じレベルの吸引
動作用の励磁電流を流したときに作用する可動軸30と
吸着片42との吸着力である。
【0048】図15は、図14の動作特性を説明する断
面図であり、(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部と
の斜面同士がまだ対向している途中の状態、(C)は凹
部が凸部から抜け出たときの状態のものである。図15
の(A)における吸着状態では、平坦部30B,42B
同士が接触している部分では、その側に比較的大きなギ
ャップ79(図12のギャップ69よりは小さい)が形
成されているために、上下方向に流れる磁束74の密度
が増し、無励磁の時の特性72の間隙長Lが零のところ
での吸着力が、実施例7(図8)における無励磁の時の
特性52より大きくなる。しかし、反発動作時の特性7
3の吸着力は、間隙長L零のところ()でばねの反発
力よりはまだ小さく、可動軸30が小電流でも反発動作
できる。
【0049】図9の(B)においては、磁束75が斜面
30Cと42Cとのギャップ間を通る。斜面30Cに対
向して斜面30Cと斜面42Eとの変曲部78が形成さ
れているので、吸着特性が間隙長L1 とL2 との間で上
方への膨らみが多少見られる。吸引動作時の特性71
は、実施例7(図8)と同様に間隙長Lの途中のところ
()でばねの反発力より勝り、従来より小さな電流で
も吸引動作させることができる。
【0050】図9の(C)においては、大部分の磁束7
6が凸部30Aと凹部42Aとの端部を通り、実施例7
(図8)と同様な傾向になる。
【0051】
【実施例10】図16は、この発明の実施例8にかかる
電磁ソレノイドの構成を示す要部拡大断面図である。実
施例7(図7)と異なる点は、可動軸31の凹部31A
の斜面31Cが軸方向から開く傾斜角度θ4 で切り落と
されて斜面31Eが形成され、傾斜角度θ4 が、凹部3
1Aの斜面31Cの傾斜角度をθ2 より大きくなるよう
に形成されている点である。その他の構成は図7と同じ
である。すなわち、凸部40Aの平行面40Dの直径
は、凹部31Aの平行面31Dのそれと同じであり、吸
着片40の平坦面40Bは、吸着状態では可動軸31の
平坦面31Bと接触している。さらに、斜面40Cの傾
斜角度θ1 が凹部31Aの斜面31Cの傾斜角度をθ2
より大きくなるように形成されている。
【0052】図16の構成とすることによって、斜面3
1Eと斜面40Cとの間に大きなギャップ89ができ
る。そのために、吸着片40と可動軸31との吸着時に
凸部40Aと凹部31Aとの斜面同士が接触することが
なく、スムーズに凸部40Aと凹部31Aとが嵌合する
ようになる。このことは、実施例8(図10)の構成と
同じである。したがって、凸部40Aと凹部31Aとの
加工精度をそれほど高く要求する必要がなく、吸着片4
0と可動軸31との製作コストの低減が可能になる。
【0053】図17は、図16の可動軸31と吸着片4
0との軸方向の吸着力Fの比を示す特性線図である。横
軸に前述の間隙長Lが目盛られている。横軸のL1 とL
2 は、図25の従来例3における間隙長である。縦軸の
吸着力Fの比は、Lが零のときのばね3(図19)の反
発力に対する可動軸31と吸着片40との吸着力であ
る。特性3A(一点鎖線)がばね3の反発力(図25の
場合と同じ特性)であり、特性82が無励磁のときの可
動軸31と吸着片40との吸着力である。特性83が、
図25の場合と同じレベルの反発動作用の励磁電流を流
したときに作用する可動軸31と吸着片40との吸着力
であり、特性81が、図25の場合と同じレベルの吸引
動作用の励磁電流を流したときに作用する可動軸31と
吸着片40との吸着力である。
【0054】図18は、図17の動作特性を説明する断
面図であり、(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部と
の斜面同士がまだ対向している途中の状態、(C)は凹
部が凸部から抜け出たときの状態のものである。図18
の(A)における吸着状態では、平坦部31B,40B
同士が接触している部分では、その側に大きなギャップ
89が形成されているために、上下方向に流れる磁束8
4の密度が増し、無励磁の時の特性82の間隙長Lが零
のところでの吸着力が、実施例7(図8)における無励
磁の時の特性52より大きくなる。しかし、反発動作時
の特性83の吸着力は、間隙長L零のところ()でば
ねの反発力よりはまだ小さく、可動軸31が小電流でも
反発動作できる。 図18の(B)においては、磁束8
5が斜面31Cと40Cとのギャップ間を通る。吸引動
作時の特性81は、実施例7(図8)と同様に間隙長L
の途中のところ()でばねの反発力より勝り、従来よ
り小さな電流でも吸引動作させることができる。
【0055】図9の(C)においては、大部分の磁束8
6が凸部31Aと凹部40Aとの端部を通り、実施例7
(図8)と同様な傾向になる。
【0056】
【発明の効果】この発明は前述のように、吸着片の対向
部は、頂点を可動軸側に向けて突設された円錐体状の凸
部と、この凸部の外周に設けられ軸方向に直交する円環
状の吸着片側平坦面とで構成され、凸部の斜面の軸方向
から開く傾斜角度が軸方向の途中で変更され、頂点側斜
面の傾斜角度が反頂点側斜面のそれより大きく形成さ
れ、可動軸の対向部は、円錐体状にくりぬかれ凸部に嵌
合可能な凹部と、この凹部の外周に設けられ前記吸着片
側平坦面に平行に対向する円環状の可動軸側平坦面とで
構成され、凹部の斜面の軸方向から開く傾斜角度も軸方
向の途中で変更され、凹部の各斜面は凸部の頂点側斜面
と反頂点側斜面とそれぞれ平行に形成される。それによ
って、可動軸と吸着片とが吸着した状態での耐衝撃性を
確保することができるとともに、可動軸の反発動作時や
吸引動作時に従来の装置よりは小さい励磁電流で済むよ
うになり、電力消費を低減させることができる。
【0057】また、かかる構成において、可動軸と吸着
片とが互いに吸着したときに、可動軸と吸着片との対向
部の間に空隙が形成される。それによって、可動軸と吸
着片とが吸着した状態での耐衝撃性を確保することがで
きるとともに、可動軸の反発動作もよりは小さい励磁電
流で済むようになり、電力消費をさらに低減させること
ができる。
【0058】また、かかる構成において、空隙が凸部の
反頂点側斜面と凹部の反頂点側斜面と間、および吸着片
側平坦面と可動軸側平坦面との間にそれぞれ形成され
る。それによって、可動軸や吸着片の加工時間を節約す
ることができる。また、かかる構成において、空隙が凸
部の全斜面と凹部の全斜面との間に形成されてなるもの
としてもよい。それによっても、可動軸や吸着片の加工
時間を節約することができる。
【0059】また、吸着片の対向部は、直径の小さい方
の平行面を可動軸側に向けて突設された円錐台状の凸部
と、この凸部の外周に設けられ軸方向に直交する円環状
の吸着片側平坦面とで構成され、可動軸の対向部は、円
錐台状にくりぬかれ前記凸部に嵌合可能な凹部と、この
凹部の外周に設けられ前記吸着片側平坦面に平行に対向
する円環状の可動軸側平坦面とで構成され、前記凸部の
斜面の軸方向から開く傾斜角度が、凹部の斜面の軸方向
から開く傾斜角度より大きく形成され、吸着片と可動軸
とが吸着したときは平坦面同士が互いに接触し合うよう
に構成される。それによって、従来より小さい励磁電流
で、反発動作および吸引動作するようになり、電力消費
を低減させることができる。
【0060】また、かかる構成において、凸部の斜面が
軸方向の途中で軸に平行に切り落とされ、凸部の反可動
軸側が円柱状に形成される。それによって、吸着片と可
動軸とがスムーズに嵌合するようになり、凸部と凹部の
加工に高い精度がいらなくなり装置の製作費用を削減す
ることができる。また、かかる構成において、凸部の斜
面の軸から開く傾斜角度が軸方向の途中で変更され、凸
部の反可動軸側斜面の傾斜角度が、凹部の斜面の軸から
開く傾斜角度より小さく形成される。それによっても、
吸着片と可動軸とがスムーズに嵌合するようになり、凸
部と凹部の加工に高い精度がいらなくなり装置の製作費
用を削減することができる。
【0061】また、かかる構成において、凹部の斜面の
軸方向から開く傾斜角度が軸方向の途中で変更され、凹
部の吸着片側斜面の傾斜角度が、凹部の反吸着片側斜面
の傾斜角度がより大きく形成される。それによっても、
吸着片と可動軸とがスムーズに嵌合するようになり、凸
部と凹部の加工に高い精度がいらなくなり装置の製作費
用を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1にかかる電磁ソレノイドの
構成を示す断面図であり、それぞれ(A)は要部拡大断
面図、(B)は磁束分布図
【図2】この発明の実施例2にかかる電磁ソレノイドの
構成を示す要部拡大断面図
【図3】この発明の実施例3にかかる電磁ソレノイドの
構成を示す要部拡大断面図
【図4】この発明の実施例4にかかる電磁ソレノイドの
構成を示す要部拡大断面図
【図5】この発明の実施例5にかかる電磁ソレノイドの
構成を示す要部拡大断面図
【図6】この発明の実施例6にかかる電磁ソレノイドの
構成を示す要部拡大断面図
【図7】この発明の実施例7にかかる電磁ソレノイドの
構成を示す要部拡大断面図
【図8】図7の可動軸と吸着片との軸方向の吸着力Fの
比を示す特性線図
【図9】図8の動作特性を説明する断面図であり、
(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部との斜面同士が
まだ対向している途中の状態、(C)は凹部が凸部から
抜け出たときの状態の図
【図10】この発明の実施例8にかかる電磁ソレノイド
の構成を示す要部拡大断面図
【図11】図10の可動軸と吸着片との軸方向の吸着力
Fの比を示す特性線図
【図12】図11の動作特性を説明する断面図であり、
(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部との斜面同士が
まだ対向している途中の状態、(C)は凹部が凸部から
抜け出たときの状態の図
【図13】この発明の実施例9にかかる電磁ソレノイド
の構成を示す要部拡大断面図
【図14】図13の可動軸と吸着片との軸方向の吸着力
Fの比を示す特性線図
【図15】図14の動作特性を説明する断面図であり、
(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部との斜面同士が
まだ対向している途中の状態、(C)は凹部が凸部から
抜け出たときの状態の図
【図16】この発明の実施例10にかかる電磁ソレノイ
ドの構成を示す要部拡大断面図
【図17】図16の可動軸と吸着片との軸方向の吸着力
Fの比を示す特性線図
【図18】図17の動作特性を説明する断面図であり、
(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部との斜面同士が
まだ対向している途中の状態、(C)は凹部が凸部から
抜け出たときの状態の図
【図19】従来1の場合の電磁ソレノイドの構成を示す
断面図であり、それぞれ(A)は可動軸が吸着した時の
図、(B)は可動軸が反発した時の図
【図20】図19の装置の磁束分布図であり、(A)は
全体の断面図、(B)は図20(A)の要部拡大断面図
【図21】駆動コイル無励磁時における可動軸と吸着片
との軸方向の吸着力Fを示す特性線図
【図22】従来2の場合の電磁ソレノイドの構成を示す
断面図であり、それぞれ(A)は可動軸が吸着した時、
(B)は可動軸が反発した時の状態の図
【図23】図22の装置の動作時における磁束分布を示
す要部拡大断面図
【図24】従来3の場合電磁ソレノイドの構成を示す要
部断面図
【図25】図24の可動軸と吸着片との軸方向の吸着力
の比を示す特性線図
【図26】図25の動作特性を説明する断面図であり、
(A)は吸着状態、(B)は凸部と凹部との斜面同士が
まだ対向している途中の状態、(C)は凹部が凸部から
抜け出たときの図
【符号の説明】
20,30,31:可動軸、21,40,41,42:
吸着片、20A,40A,41A,42A:凸部、21
A,30A,31A:凹部、22:可動軸側の斜面、2
3:反可動軸側斜面、20B,30B,31B:可動軸
側平坦面、21B,40B,41B,42B:吸着片側
平坦面、26:空隙

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性体よりなる可動軸と、この可動軸の軸
    方向の端部に対向し磁性体よりなる吸着片と、可動軸お
    よび吸着片の外周に絶縁製の巻枠を介して巻回される駆
    動コイルと、吸着片の反可動軸側に設けられた永久磁石
    とが磁性体よりなるケース内に収納され、駆動コイルを
    励磁することによって可動軸と吸着片との対向部が互い
    に軸方向に吸着または反発し合う電磁ソレノイドにおい
    て、吸着片の対向部は、頂点を可動軸側に向けて突設さ
    れた円錐体状の凸部と、この凸部の外周に設けられ軸方
    向に直交する円環状の吸着片側平坦面とで構成され、凸
    部の斜面の軸方向から開く傾斜角度が軸方向の途中で変
    更され、頂点側斜面の傾斜角度が反頂点側斜面のそれよ
    り大きく形成され、可動軸の対向部は、円錐体状にくり
    ぬかれ前記凸部に嵌合可能な凹部と、この凹部の外周に
    設けられ吸着片側平坦面に平行に対向する円環状の可動
    軸側平坦面とで構成され、凹部の斜面の軸方向から開く
    傾斜角度も軸方向の途中で変更され、凹部の各斜面は前
    記凸部の頂点側斜面と反頂点側斜面とそれぞれ平行に形
    成されてなることを特徴とする電磁ソレノイド。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のものにおいて、可動軸と
    吸着片とが互いに吸着したときに、可動軸と吸着片との
    対向部の間に空隙が形成されてなることを特徴とする電
    磁ソレノイド。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のものにおいて、空隙が凸
    部の反頂点側斜面と凹部の反頂点側斜面との間に形成さ
    れてなることを特徴とする電磁ソレノイド。
  4. 【請求項4】請求項2に記載のものにおいて、空隙が吸
    着片側平坦面と可動軸側平坦面との間に形成されてなる
    ことを特徴とする電磁ソレノイド。
  5. 【請求項5】請求項2に記載のものにおいて、空隙が凸
    部の全斜面と凹部の全斜面との間に形成されてなること
    を特徴とする電磁ソレノイド。
  6. 【請求項6】請求項2に記載のものにおいて、空隙が凸
    部の頂点側斜面と凹部の頂点側斜面と間に形成されてな
    ることを特徴とする電磁ソレノイド。
  7. 【請求項7】磁性体よりなる可動軸と、この可動軸の軸
    方向の端部に対向し磁性体よりなる吸着片と、可動軸お
    よび吸着片の外周に絶縁製の巻枠を介して巻回される駆
    動コイルと、吸着片の反可動軸側に設けられた永久磁石
    とが磁性体よりなるケース内に収納され、駆動コイルを
    励磁することによって可動軸と吸着片との対向部が互い
    に軸方向に吸着または反発し合う電磁ソレノイドにおい
    て、吸着片の対向部は、直径の小さい方の平行面を可動
    軸側に向けて突設された円錐台状の凸部と、この凸部の
    外周に設けられ軸方向に直交する円環状の吸着片側平坦
    面とで構成され、可動軸の対向部は、円錐台状にくりぬ
    かれ前記凸部に嵌合可能な凹部と、この凹部の外周に設
    けられ前記吸着片側平坦面に平行に対向する円環状の可
    動軸側平坦面とで構成され、前記凸部の斜面の軸方向か
    ら開く傾斜角度が、凹部の斜面の軸方向から開く傾斜角
    度より大きく形成され、吸着片と可動軸とが吸着したと
    きは平坦面同士が互いに接触し合うことを特徴とする電
    磁ソレノイド。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のものにおいて、凸部の斜
    面が軸方向の途中で軸に平行に切り落とされ、凸部の反
    可動軸側が円柱状に形成されてなることを特徴とする電
    磁ソレノイド。
  9. 【請求項9】請求項7に記載のものにおいて、凸部の斜
    面の軸から開く傾斜角度が軸方向の途中で変更され、凸
    部の反可動軸側斜面の傾斜角度が、凹部の斜面の軸から
    開く傾斜角度より小さく形成されてなることを特徴とす
    る電磁ソレノイド。
  10. 【請求項10】請求項7に記載のものにおいて、凹部の
    斜面の軸方向から開く傾斜角度が軸方向の途中で変更さ
    れ、凹部の吸着片側斜面の傾斜角度が、凹部の反吸着片
    側斜面の傾斜角度がより大きく形成されてなることを特
    徴とする電磁ソレノイド。
JP4995197A 1996-04-25 1997-03-05 電磁ソレノイド Withdrawn JPH1012435A (ja)

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