JPH10122934A - 金属等溶融体のレベル測定方法及び装置 - Google Patents

金属等溶融体のレベル測定方法及び装置

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JPH10122934A
JPH10122934A JP29962196A JP29962196A JPH10122934A JP H10122934 A JPH10122934 A JP H10122934A JP 29962196 A JP29962196 A JP 29962196A JP 29962196 A JP29962196 A JP 29962196A JP H10122934 A JPH10122934 A JP H10122934A
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molten
level
metal
slag
layer
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JP29962196A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Katayama
博史 片山
Toru Kawabata
徹 川端
Ryoji Samejima
良二 鮫島
Koutarou Katou
考太郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAWASOU DENKI KOGYO KK
Takuma Co Ltd
Original Assignee
KAWASOU DENKI KOGYO KK
Takuma Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属等溶融体のレベルを測定するに際し、1
本のプローブを昇降する1回のテストで、溶融スラグ層
の湯面レベルと溶融金属層の湯面レベルを正確に測定で
きる方法及び装置を提供する。 【構成】 スラグ湯面検出電極E1と金属湯面検出電極
E2を備えた1本のプローブを昇降手段により下降して
金属等溶融体に浸漬せしめるに際し、スラグ湯面検出電
極E1は、上部雰囲気から溶融スラグ層の湯面に達した
とき該湯面のレベルを検知し、この下降の際、金属湯面
検出電極E2は、溶融スラグ層を通過して溶融金属層に
浸漬されるまでは被覆材により被覆される一方、溶融金
属層内で被覆材を溶失せしめ、プローブを上昇せしめる
に際し、前記金属湯面検出電極E2が溶融金属層から溶
融スラグ層に達したとき両層の界面レベルを検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、湯面から溶融スラ
グ層と溶融金属層を順次成層せしめた金属等溶融体のレ
ベル測定に際し、1回のテストで溶融スラグ層の湯面レ
ベルと溶融金属層の湯面レベルを測定する方法及びその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、取鍋内の溶融スラグ層及び溶融
金属層のレベルを測定するに際し、従来では、デッキの
適当な位置に基準点を定め、作業員が鉄棒を金属溶融体
の中に突込み浸漬せしめ、引上げた鉄棒の溶融端を溶融
金属層の湯面レベル(即ち溶融金属層と溶融スラグ層の
界面レベル)であると判断し、該鉄棒に付着したスラグ
の付着長さから溶融スラグ層の層厚を判定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、前記従来
方法では、人手を要するばかりか、高熱を伴うため極め
て危険である。しかも、鉄棒を溶融金属体に向けて垂直
に挿入しなければ正確な測定値が得られず、仮に、挿入
作業を正しく行っても、鉄棒は金属溶融体に浸漬した際
に熱膨張するので、測定精度に限界がある。
【0004】この点について、溶融スラグ層と溶融金属
層とは相互に電気抵抗値に差を有するので、このような
抵抗変化を検出する電極を備えたプローブを用いれば、
金属溶融体のレベル測定を安全且つ正確に行うことがで
きると知見される。
【0005】ところが、先端に電極を備えたプローブを
取鍋の金属溶融体に浸漬することにより実験を試みる
と、該電極が溶融スラグ層の湯面に到達したときは、上
部雰囲気からスラグへの移行による抵抗変化を検知でき
るが、その後、プローブを下降して鍋底から引上げて
も、溶融スラグ層と溶融金属層の相互間での移行に伴う
抵抗変化を検知できないことが判明した。
【0006】このため、実験を繰返しつつ原因を探究す
ると、プローブ先端の電極を溶融スラグ層に浸漬する
と、瞬時のうちに電極の表面にスラグが付着し、該スラ
グにより電極が被覆されるので、以後、抵抗変化の検知
を不能ならしめることが知得された。そして、電極に付
着したスラグは、その後に電極を溶融金属中に浸漬して
も速やかに除去されることはない。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題に鑑みると、プ
ローブにスラグ湯面検出電極と金属湯面検出電極の二種
類の電極を設け、プローブを下降して金属溶融体に浸漬
するに際し、前者により溶融スラグ層の湯面レベルを検
知すると共に、後者により溶融金属層の湯面レベル(溶
融金属層と溶融スラグ層の界面レベル)を検知するとい
うように、役割を分担せしめることが有利である。そし
て、後者の金属湯面検出電極は、溶融スラグ層を通過中
は、該電極の表面にスラグが付着しないように被覆材で
被覆する一方、溶融スラグ層を通過後は、被覆材が除去
されて該電極を露出するように構成すれば、上記課題を
解決することができ、1本のプローブを昇降する1回の
テストで、溶融スラグ層の湯面レベルと溶融金属層の湯
面レベルを正確に測定することが可能になる。
【0008】そこで、本発明の金属等溶融体のレベル測
定方法が手段として構成したところは、湯面から溶融ス
ラグ層と溶融金属層を順次成層せしめた金属等溶融体の
レベルを測定する方法において、スラグ湯面検出電極E
1と金属湯面検出電極E2を備えた1本のプローブを昇
降手段により金属等溶融体に浸漬せしめるに際し、前記
スラグ湯面検出電極E1が上部雰囲気から溶融スラグ層
の湯面に達したとき該電極により該湯面のレベルを検知
し、前記金属湯面検出電極E2が溶融スラグ層を通過し
た後に溶融金属湯面に達したとき該電極により該湯面の
レベルを検知することを特徴とし、前記金属湯面検出電
極E2が溶融スラグ層を通過するまでは該電極にスラグ
が付着しないように該電極を被覆材により被覆せしめ、
その後、該電極E2が溶融金属層に達した後に前記被覆
材を除去せしめることを特徴とする点にある。
【0009】本発明の実施形態において、被覆材により
被覆された金属湯面検出電極E2を溶融スラグ層を通過
せしめた後、そのまま更にプローブを下降して該電極E
2を溶融金属層中に浸漬し、該溶融金属層中で前記被覆
材を溶失せしめた後、プローブを上昇して該電極E2が
溶融金属層と溶融スラグ層の界面に達したとき該界面の
レベルを検知することが有利である。
【0010】また、本発明の金属等溶融体のレベル測定
装置が手段として構成したところは、湯面から溶融スラ
グ層と溶融金属層を順次成層せしめた金属等溶融体のレ
ベルを測定する装置において、被接触物の抵抗変化を検
出する一対のスラグ湯面検出電極E1と、被接触物の抵
抗変化を検出する一対の金属湯面検出電極E2とを1本
のプローブに設けて成り、前記一対の金属湯面検出電極
E2を被覆材により被覆すると共に、該被覆材を高温で
溶失し且つ溶失中にガスを発生する素材により形成して
成る点にある。
【0011】尚、本発明のレベル測定は、製鋼のための
精錬炉や取鍋のように湯面から溶融スラグ層と溶鋼層を
順次成層せしめた金属溶融体の他、産業廃棄物等を焼却
処理した際に焼却残渣として生成された焼却灰や飛灰等
を炉内で溶融させ、浮上した溶融スラグ層と沈下した溶
融金属層に分離せしめた無機物溶融体にも実施すること
ができるので、これらの対象物を金属等溶融体と総称す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の好ま
しい実施形態を詳述する。
【0013】(プローブの第一実施形態)図1(A)及
び(B)は、本発明の装置に用いるプローブの第一実施
形態を示しており、プローブ本体1は、長尺の耐熱性に
優れた紙管から成り、先端にセンサーユニット2を設け
ている。
【0014】前記センサーユニット2は、セラミックス
等から成る皿状フランジ3付きのケーシング4を有し、
先端に、被接触物の抵抗変化を感知する一対のスラグ湯
面検出電極E1、E1と、同様に、被接触物の抵抗変化
を感知する一対の金属湯面検出電極E2、E2を突出せ
しめている。これらの電極は、耐火セメント5に埋入す
ることにより皿状フランジ3に植設され、各電極のリー
ド線をケーシング4の尾端に設けたコネクタ6に導いて
いる。
【0015】図1(B)に示すように、一組を成すスラ
グ湯面検出電極E1、E1の一対と、別の一組を成す金
属湯面検出電極E2、E2の一対は、それぞれフランジ
3の直径方向に対向する位置に配置されている。
【0016】前記金属湯面検出電極E2、E2は、被覆
材7により被覆されており、該被覆材7は、高温で短時
間のうちに溶失すると共に、溶失中にガスを発生する素
材により形成されている。このような性質の素材は、例
えば、樹脂、ゴム、薄い紙管、紙又は布テープの一つ又
は複数から選ぶことができ、その他、同様の性質を有す
るものであれば、如何なる材質を使用しても良い。ま
た、被覆形態は、電極E2の全面を被覆することが望ま
しいが、電極E2の先端を含む部分的被覆としても良
い。但し、部分的被覆の場合、少なくとも電極E2の先
端から基端に向けて3mm以上の領域を被覆することが必
要である。
【0017】前記被覆材7は、レベル測定時のプローブ
の下降速度にもよるが、下降速度が約6m/分であると
き、通常、溶融スラグ層の通過時間は1秒未満であるか
ら、1000度C以上の高温下において1〜3秒程度で
溶失することが好ましい。この溶失時間は、被覆材7の
材質選択から決定できる他、厚みによっても決定するこ
とが可能であり、例えば、前述したような樹脂、ゴム、
薄い紙管、紙又は布テープの場合、厚みを0.2mm〜
3.0mmの範囲内で設定することにより目的を達するこ
とができる。
【0018】尚、本発明において、被覆材の「溶失」と
は、必ずしも溶けて失われる現象面に限定する意味では
なく、焼失ないし燃失のような高温下において消失する
種々の態様を含む趣旨である。
【0019】(プローブの第二実施形態)図1(C)
は、プローブの第二実施形態を示しており、スラグ湯面
検出電極E1、E1と、金属湯面検出電極E2、E2の
配置形態が上記第一実施形態とは異なる。即ち、スラグ
湯面検出電極E1、E1の一組と、金属湯面検出電極E
2、E2の一組は、それぞれの各一対の電極をフランジ
3の周方向に隣合うように配置している。
【0020】そして、一組のスラグ湯面検出電極E1、
E1と、一組の金属湯面検出電極E2、E2は、フラン
ジ3の直径方向に配置された仕切壁8により相互に仕切
られている。後述するように、プローブを下降してスラ
グ湯面検出電極E1と金属湯面検出電極E2を同時に金
属等溶融体の溶融スラグ層の湯面に接すると、スラグ湯
面検出電極E1による抵抗変化の検出中に、金属湯面検
出電極E2の被覆材7がボイリングを開始する。そこ
で、このボイリングがスラグ湯面検出電極E1の表面に
影響すると、検出中の電圧波形にノイズを現すことにな
るため、仕切壁8によりスラグ湯面検出電極E1、E1
をボイリングの影響から保護するものである。
【0021】尚、前記仕切壁8は、金属製の板を耐火セ
メント5に埋入固定することにより設けても良いが、セ
ラミックスによりフランジ3に一体成形しても良い。
【0022】(レベル測定方法及び装置の実施形態)前
述したプローブ本体1は、図示しない昇降装置に装着さ
れ、上部雰囲気から金属等溶融体に向けて下降し浸漬さ
れた後、上昇して金属等溶融体から引上げられる。その
間、抵抗変化により電極が反応する毎に昇降距離を距離
計により測定される。
【0023】コネクタ6にはプラグが挿着され、電極が
反応した抵抗変化を外部の電圧計V1及びV2により検
出する。この際、電極は、図2(A)に示すような4線
式の電気回路を構成するのが良い。尚、図2(B)は、
本発明に対する比較例であり、2線式の回路を示してい
る。
【0024】本発明が実施形態として採用する4線式の
回路は、図2(A)に示すように、スラグ湯面検出電極
E1、E1の一組と、金属湯面検出電極E2、E2の一
組について構成されるそれぞれの回路が、当該一組にお
ける一対の電極に定電流を供給する2本のリード線と、
当該一組における一対の電極により感知される抵抗値の
変化に反応する電圧計Vを接続するための2本のリード
線を有し、合計4本のリード線(図中、各リード線の抵
抗をRL1、RL2、RL3、RL4で示している)を有する
(但し二組の電極について合計すると8本になる)。
【0025】そこで、プローブを下降することにより、
スラグ湯面検出電極E1、E1が溶融スラグの湯面に接
し、スラグの抵抗R1 を感知すると、電圧計V1は、V
1=R1 (Ω)×定電流(A)として反応する。同様
に、金属湯面検出電極E2、E2が溶融金属の湯面に接
し、該金属の抵抗R2 を感知すると、電圧計V2は、V
2=R2 (Ω)×定電流(A)として反応する。この
際、電圧計V1及びV2の内部抵抗が大きいため、該電
圧計と電極を結ぶ回路の電流は0に近くなり、線抵抗R
L2、RL3の抵抗はほとんど無視できる。
【0026】これに対して、図2(B)に示す比較例に
おける2線式回路の場合は、スラグ湯面検出電極E1、
E1の一組と、金属湯面検出電極E2、E2の一組につ
いて構成されるそれぞれの回路が、当該一組における一
対の電極に定電流を供給するための2本のリード線をそ
のまま利用することにより、当該一組における一対の電
極により感知される抵抗値の変化に反応する電圧計Vが
接続されている。従って、合計2本のリード線(図中、
各リード線の抵抗をRL1、RL2で示している)だけを有
する(但し二組の電極について合計すると4本にな
る)。
【0027】そこで、比較例として示す2線式回路にお
いては、スラグ湯面検出電極E1、E1がスラグの抵抗
1 を感知すると、電圧計V1は、V=(R1 (Ω)+
RL1(Ω)+RL2(Ω))×定電流(A)として反応す
る。同様に、金属湯面検出電極E2、E2が溶融金属の
抵抗R2 を感知すると、電圧計V2は、V2=(R
2(Ω)+RL1(Ω)+RL2(Ω))×定電流(A)と
して反応する。
【0028】このため、2線式回路とした比較例では、
線抵抗RL1、RL2の影響を直接に受けるため、測定対象
物の抵抗R1 、R2 の変化に応じた電圧計のシャープな
反応が期待し難く、また、電圧計の反応が、変化する抵
抗の差にそのまま対応した顕著な差として現れ難い。し
かも、通常、線抵抗RL1、RL2は、温度変化により抵抗
値を変化する。従って、比較例のような2線式回路より
も、上記実施形態のような4線式回路の方が優れてい
る。
【0029】図3は、本発明方法の実施形態を示してお
り、図3(A)に示すように、プローブは、昇降装置に
より下降されると、該プローブの先端を、金属等溶融体
の上部雰囲気から溶融スラグ層に進入せしめられ、その
まま下降して溶融スラグ層を通過した後、溶融金属層に
進入して浸漬され、そこで停止する。そして、数秒間
(例えば1〜2秒)の停止状態の後、上昇せしめられ
る。このとき、プローブ先端は、溶融金属層の中から溶
融スラグ層に戻され、該スラグ層を通過して上部雰囲気
に引上げられる。
【0030】前記プローブを昇降する1サイクルの間
に、溶融スラグ層の湯面レベルの検出と、溶融金属層の
湯面(該溶融金属層と溶融スラグ層の界面)レベルの検
出とが行われる。
【0031】図3(B)は、スラグ湯面検出電極E1、
E1が感知した抵抗変化に基づく電圧計V1の反応を示
している。即ち、電圧計V1は、プローブが上部雰囲気
中にある間、高電圧値を示すが、溶融スラグ層に近づ
き、スラグ湯面検出電極E1、E1が溶融スラグ層の湯
面に触れるや否や、電圧値を急激に低下する。そこで、
この電圧低下を溶融スラグ層の湯面レベルとして距離計
により記録する。ところで、スラグ湯面検出電極E1、
E1は、溶融スラグ層に浸漬された後、瞬時のうちにス
ラグの付着を受け、付着後はノイズを発生しつつ電圧計
V1の反応に乱れを生じる。然しながら、スラグ湯面検
出電極E1、E1は、溶融スラグ層の湯面レベルを検出
することにより役割を果たしたので、スラグの付着によ
りそれ以後は正常に機能しなくても差し支えない。
【0032】これに対して、図3(C)は、金属湯面検
出電極E2、E2が感知した抵抗変化に基づく電圧計V
2の反応を示している。金属湯面検出電極E2、E2
は、被覆材7により被覆されているので、溶融スラグ層
に進入しても、電圧計V2は電圧低下を示さない。即
ち、被覆材7が金属湯面検出電極E2、E2を被覆して
いる限り、電圧計V2は、該電極E2、E2が上部雰囲
気中にあるときと同じ値の高電圧値を示している。
【0033】被覆材7は、プローブを下降することによ
り溶融スラグ層に触れるや否や、ガス発生により激しく
ボイリングを生起する。従って、金属湯面検出電極E
2、E2が溶融スラグ層を通過する間、該電極E2、E
2とスラグの間をガスにより絶縁し、スラグの付着を防
止する。そして、プローブの先端が溶融スラグ層を通過
して溶融金属層に浸漬せしめられ、そこで下降を停止さ
れるまで、被覆材7は溶失を進行しながらも、金属湯面
検出電極E2、E2を被覆している。プローブの下降を
停止すると、被覆材7の溶失完了により、金属湯面検出
電極E2、E2が露出され、溶融金属層に触れるや否
や、電圧値を急激に低下する。即ち、絶縁に近い抵抗状
態の下で示されていた高電圧値が、導電性の良好な溶融
金属の低い抵抗値により、急激に電圧値を低下する。
【0034】そこで、プローブが上昇されると、金属湯
面検出電極E2、E2は、溶融金属層から溶融スラグ層
に移行する際、その抵抗変化を感知するので、電圧計V
2は、溶融金属の低い抵抗値により示されていた低電圧
値を、スラグの高い抵抗値により示される電圧値にまで
急激に上昇せしめる。そこで、この電圧上昇を溶融金属
層の湯面レベル(溶融金属層と溶融スラグ層の界面レベ
ル)として距離計により記録する。尚、金属湯面検出電
極E2、E2は、上昇時に溶融スラグ層に進入すると、
直ちにスラグの付着を受け、付着後はノイズを発生しつ
つ電圧計V2の反応に乱れを生じるが、以上の各行程に
より本発明が目的とするレベル測定は完了し、溶融金属
湯面検出電極E2、E2は、溶融金属層の湯面レベル
(界面レベル)を検出することにより役割を果たしたの
で、スラグの付着によりそれ以後は正常に機能しなくて
も差し支えない。
【0035】尚、上記レベル測定の結果に基づけば、溶
融スラグ層及び/又は溶融金属層の層厚を判定すること
が可能であるので、その情報を炉や鍋の操業に必要なデ
ータとして利用することができる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、1本のプローブにスラ
グ湯面検出電極E1と金属湯面検出電極E2の二種類の
電極を設け、プローブを下降して金属等溶融体に浸漬す
るに際し、前者により溶融スラグ層の湯面レベルを検知
すると共に、後者により溶融金属層の湯面レベル(溶融
金属層と溶融スラグ層の界面レベル)を検知するという
ように、役割を分担せしめたものであるから、それぞれ
のレベルの正確な測定が可能になる。
【0037】そして、何よりも本発明によれば、金属湯
面検出電極E2が、溶融スラグ層を通過中は、該電極E
2の表面にスラグが付着しないように被覆材7で被覆さ
れており、溶融スラグ層を通過後は、被覆材7が除去さ
れて該電極E2を露出するように構成しているので、1
本のプローブを昇降する1回のテストで、溶融スラグ層
の湯面レベルと溶融金属層の湯面レベルを正確に測定で
きるという優れた効果を奏する。
【0038】特に、本発明によれば、スラグ湯面検出電
極E1が溶融スラグ層に触れて該湯面レベルを検出する
ときから、プローブを下降し、金属湯面検出電極E2が
溶融スラグ層を通過して溶融金属層に到達するまでの
間、被覆材7がガスを発生しつつ激しくボイリングする
ことにより、スラグを跳ね退けながら、該電極E2とス
ラグの間を絶縁するので、該電極E2をスラグの付着か
ら好適に保護することができる。
【0039】そして、溶融金属層に浸漬せしめた状態に
おいて、被覆材7が溶失完了し、金属湯面検出電極E2
の表面を露出するので、その後、プローブを引上げれ
ば、該電極E2が抵抗値の小さい溶融金属から相対的に
抵抗値の大きいスラグへと移行する際の抵抗変化を感知
し、溶融金属層の湯面レベル(溶融金属層と溶融スラグ
層の界面レベル)の正しい検出を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するプローブの実施形態を示し、
(A)は第一実施形態に係るプローブの先端近傍部を示
す一部破断側面図、(B)は同プローブの先端側を示す
正面図、(C)は第二実施形態に係るプローブの先端側
を示す正面図である。
【図2】電極の回路図であり、(A)は本発明の実施形
態として採用した4線式回路を示す回路図、(B)は比
較例として対比する2線式回路を示す回路図である。
【図3】本発明方法の実施形態に基づく測定結果を示
し、(A)はプローブの昇降サイクルを示す説明図、
(B)はスラグ湯面検出電極に基づく電圧変化を示す波
形図、(C)は溶融金属湯面検出電極に基づく電圧変化
を示す波形図である。
【符号の説明】
E1 スラグ湯面検出電極 E2 溶融金属湯面検出電極 1 プローブ本体 2 センサーユニット 7 被覆材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鮫島 良二 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号株式 会社タクマ内 (72)発明者 加藤 考太郎 兵庫県尼崎市金楽寺町2丁目2番33号株式 会社タクマ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湯面から溶融スラグ層と溶融金属層を順
    次成層せしめた金属等溶融体のレベルを測定する方法に
    おいて、 スラグ湯面検出電極E1と金属湯面検出電極E2を備え
    た1本のプローブを昇降手段により金属等溶融体に浸漬
    せしめるに際し、 前記スラグ湯面検出電極E1が上部雰囲気から溶融スラ
    グ層の湯面に達したとき該電極により該湯面のレベルを
    検知し、前記金属湯面検出電極E2が溶融スラグ層を通
    過した後に溶融金属湯面に達したとき該電極により該湯
    面のレベルを検知することを特徴とし、 前記金属湯面検出電極E2が溶融スラグ層を通過するま
    では該電極にスラグが付着しないように該電極を被覆材
    により被覆せしめ、その後、該電極E2が溶融金属層に
    達した後に前記被覆材を除去せしめることを特徴とする
    金属等溶融体のレベル測定方法。
  2. 【請求項2】 被覆材により被覆された金属湯面検出電
    極E2を溶融スラグ層を通過せしめた後に、更にプロー
    ブを下降して該電極E2を溶融金属層中に浸漬し、該溶
    融金属層中で前記被覆材を溶失せしめた後、プローブを
    上昇して該電極E2が溶融金属層と溶融スラグ層の界面
    に達したとき該界面のレベルを検知することを特徴とす
    る請求項1に記載の金属等溶融体のレベル測定方法。
  3. 【請求項3】 湯面から溶融スラグ層と溶融金属層を順
    次成層せしめた金属等溶融体のレベルを測定する装置に
    おいて、被接触物の抵抗変化を検出する一対のスラグ湯
    面検出電極E1と、被接触物の抵抗変化を検出する一対
    の金属湯面検出電極E2とを1本のプローブに設けて成
    り、 前記一対の金属湯面検出電極E2を被覆材により被覆す
    ると共に、該被覆材を高温で溶失し且つ溶失中にガスを
    発生する素材により形成して成ることを特徴とする金属
    等溶融体のレベル測定装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019002807A (ja) * 2017-06-15 2019-01-10 三菱日立パワーシステムズ株式会社 スケール厚さ計測装置及びスケール厚さ計測方法
JP2019002806A (ja) * 2017-06-15 2019-01-10 三菱日立パワーシステムズ株式会社 スケール厚さ計測装置及びスケール厚さ計測方法

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