JPH10121060A - 膨化汚泥スラリを用いたガス化炉壁へのアッシュ分の付着防止法 - Google Patents

膨化汚泥スラリを用いたガス化炉壁へのアッシュ分の付着防止法

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JPH10121060A
JPH10121060A JP27918396A JP27918396A JPH10121060A JP H10121060 A JPH10121060 A JP H10121060A JP 27918396 A JP27918396 A JP 27918396A JP 27918396 A JP27918396 A JP 27918396A JP H10121060 A JPH10121060 A JP H10121060A
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sludge
slurry
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petroleum coke
expanded
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JP27918396A
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Hajime Matsumoto
肇 松本
Tomohisa Hosokawa
朋久 細川
Morihiko Sawada
守彦 沢田
Takao Wada
孝夫 和田
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガス化炉壁へのアッシュ分の付着を防止す
る。 【解決手段】 石油コークスをガス化装置で部分酸化反
応によりガス化させる時、前記石油コークスの固形分
(ドライベース)100重量部に対して有機性汚泥ケー
キを加圧下において加熱し、その後に脱圧して得られた
有機性膨化汚泥スラリ中の固形分(ドライベース)0.
33の重量割合で混合するとともに、ガス化操作温度を
前記スラリ中のアッシュ溶流点より高くしてガス化を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は石油コークスに廃棄
物である有機性汚泥を膨化処理した膨化汚泥スラリを用
いたガス化炉壁へのアッシュ分の付着防止法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、石油コークスに石炭を混炭し、ス
ラリー化し酸素との部分酸化反応によりガス化する方法
が試みられ、このガス化時にガス化操作温度を石炭のア
ッシュ溶流温度より高くしてガス化を行うようにし、ガ
ス化炉壁へのアッシュ分の付着防止を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た石油コークスに石炭を混炭する方法では、 石炭が入手可能な地域しか適用しにくく、利用可能
な地域がある程度限定されやすい。 石油コークスに石炭を混炭しガス化する方法では、
大量に石炭を使用する場合生成したガスの単価が高くな
り生産利益を出しにくい。 といった問題点が指摘されていた。
【0004】このような問題点を解決するために、近年
石油コークスに石炭を混炭しガス化する方法から、石油
コークスのみをガス化源とする方法も検討されている。
しかしながら石油コークスだけをガス化する場合0.1
〜1.5%のアッシュ分を含有しており、さらに、アッ
シュ中にはバナジウムが含有されている。
【0005】このバナジウムの還元雰囲気での溶流点は
1800℃であり、通常、石油コークス20のガス化操
作温度(1250〜1450℃)より高い。このため、
石油コークスのガス化の際には、アッシュ分は溶融しな
いで反応室の耐火物の表面に付着して堆積され、この堆
積して成長したアッシュ塊によって、ガス化炉のスロー
ト部は閉塞されることになり、長期連続運転が困難であ
った。
【0006】この原因としては、石油コークス中のアッ
シュ分は同じガス化原料の石炭に比べてアッシュ分が
0.1〜1.5%と少ないものの、アッシュ中のバナジ
ウムが一般的に多く、酸素が不足した状態で部分酸化反
応を行う、いわゆる還元雰囲気状態下のガス化炉内部で
は、3価のバナジウムの状態となっているのである。
【0007】このため還元雰囲気下における溶流点は1
800℃と高く、通常の石油コークスのガス化操作温度
1250〜1450℃の状態ではアッシュ分は粘度の高
い状態でガス化炉壁に付着・堆積し自重によってのみガ
ス化炉壁から自助流下するのみであり、流下途中に残留
堆積してしまうのである。石油コークス灰分の溶流点は
還元雰囲気で普通1500℃以上であるので、溶流せず
にガス化炉壁に石油コークスのアッシュ分が付着・堆積
し、長時間の運転ができないという問題があり、当該問
題の解決のためにフラックスを適量添加して石油コーク
スのアッシュ分の溶流点を降下することの試みが工業的
規模でなされている。
【0008】すなわち、石油コークスのアッシュ分のフ
ラックス(融点降下剤)として、例えば石炭焚発電所の
ボイラから発生した石炭灰を用いるが、使用する石炭の
性状は産地によって異なり、特に石炭灰の溶流点が高い
場合は、当該石炭灰の溶流点を降下するために新たにC
aCO3 やFe2 3 を混合添加して溶流点(F.
T.)を下げた状態下で石油コークスをガス化すると、
石油コークスのアッシュ分も石炭灰やCaCO3 、Fe
2 3 などに捕捉されて一緒に流下してガス化炉壁への
石油コークスのアッシュ分の付着を防止することが可能
である。
【0009】しかしながら、こうした石炭灰の溶流点が
高い場合は、添加するCaCO3 量も相対的に多くなる
ため、水に溶解したCaCO3 が水温の上昇とともに析
出や沈着固結し、水処理ラインで閉塞を起こしてしまう
といった新たな問題が惹起される。こうした問題点を解
決するために、CaCO3 の添加量を減らすことが必要
となるため、CaCO3 の減量分に相当するFe2 3
をフラックスとして使用するようにしていた。
【0010】ところが、Fe2 3 として入手が容易で
低廉な鉄精鉱を用いると、新たな問題があった。すなわ
ち、鉄精鉱は銅精錬の浮遊選鉱工程から排出されるた
め、湿潤状態下にあり、例えばサイロなどの容器に貯蔵
した場合は取り出し口に付着したり、サイロ内でブリッ
ジを形成して閉塞し易いために、サイロから取り出しが
困難であるといったハンドリングの問題があった。
【0011】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、有機性汚泥を加圧化において加熱し、その後に加熱
汚泥を瞬時に脱圧して得られた有機性膨化汚泥スラリ
を、石油コークスに混合して部分酸化によるガス化源と
して用いるとともに、ガス化炉壁へのアッシュ分の付着
防止を行うことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、石油コークスをスラリ状態にし
てガス化装置で部分酸化反応によりガス化させる時、前
記石油コークスの固形分(ドライベース)100重量部
に対して有機性汚泥ケーキを加圧下において加熱し、そ
の後に加熱汚泥を瞬時に脱圧して得られた有機性膨化汚
泥スラリ中の固形分(ドライベース)0、33〜4.0
の重量部の割合で混合するとともに、ガス化操作温度を
当該混合物中のアッシュ分の溶流点より高くしてガス化
を行うようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る膨化汚泥スラ
リを用いたガス化炉壁へのアッシュ分の付着防止法の実
施例を図1〜図5を用いて説明する。
【0014】図1は有機性汚泥のスラリ化装置の構成を
示すブロック図、図2は膨化汚泥スラリの粘度特性の比
較図、図3は石油コークス中のアッシュの溶流点とコー
クス100重量部(ドライベース)に対する膨化汚泥ス
ラリ中の固形分(ドライベース)との混合比の関係図、
図4は粘度とコークス100重量部(ドライベース)に
対する膨化汚泥スラリ中の固形分(ドライベース)との
混合比との関係図、図5は石油コークスのアッシュ付着
率とコークス100重量部(ドライベース)に対する膨
化汚泥スラリ中の固形分(ドライベース)との混合比の
関係図である。
【0015】図1において、工場廃水や生活廃水の処理
の残査として発生する有機性汚泥80は廃水処理施設か
らの輸送ハンドリングのために脱水処理され、通常の含
水率は78〜83重量%を有するものとなっている。こ
の脱水汚泥は、大部分が微生物細胞で構成され、汚泥水
分は水分を内包する細胞膜で覆われている。この細胞膜
は単純な脱水処理によっては破壊されず、したがって上
記含水率以下に汚泥を脱水することが困難であり、含水
率は多いものの粘性が高い汚泥ケーキとして本発明の処
理システムに導入するようにしている。
【0016】このようなケーキ態様を示す有機性汚泥8
0を一次的に貯溜するバンカ10が設けられており、バ
ンカ下部の排出部に設置されたスクリュウポンプ12に
よって下流の処理システムに圧送供給できるようにして
いる。スクリュウポンプ12からの汚泥送給ライン14
には予熱器16が介装され、搬送する汚泥を加圧状態で
加熱する汚泥膨化反応槽18へ導入する前に加熱し、汚
泥膨化槽18での熱負荷を小さくしている。
【0017】前記汚泥膨化反応槽18は、導入された予
熱汚泥を加熱、加圧処理するものであり、これは密閉容
器として構成されているが、この汚泥膨化反応槽18に
は並列に汚泥循環ライン20が接続され、反応槽18の
下部排出口から槽上部に向けて汚泥を還流しつつ循環流
動させるようにしている。循環のために圧送ポンプ22
が循環ライン20に設けられており、前記汚泥送給ライ
ン14を圧送ポンプ22の入口に接続し、スクリュポン
プ12から圧送されてくる汚泥80を強制循環させるよ
うにしている。また、この循環ライン20に加熱器24
を設け、汚泥が循環する過程でこれを160〜170℃
程度まで加熱昇温させるようにしている。
【0018】この汚泥膨化反応槽18および循環ライン
20から構成される循環流路を汚泥が加熱流動する過程
で昇圧し、これをほぼ7Kg/cm2 に維持するように
汚泥膨化反応槽18には調圧バルブ(図示せず)が装備
されている。この実施形態では、スクリュポンプから連
続的に圧送されてくる汚泥は、循環流路を流動するが、
このとき汚泥膨化反応槽18の汚泥量レベルが一定にな
るように調整しつつ、この加熱汚泥を次段のミキシング
槽35に連続的に排出させるものとしている。
【0019】循環流路を流動する間に加熱、加圧された
加熱汚泥の細胞破壊をなすために、前記循環ライン20
の圧送ポンプ22の出側(もしくは汚泥膨化反応槽18
の下端側)には排出管26が接続され、これをミキシン
グ槽35に連結している。ここで、加圧されている加熱
汚泥を排出管26を通じてミキシング槽35に排出する
際、加圧汚泥の圧力を瞬時に大気圧まで開放してフラッ
シュさせるためのフラッシュ弁30を排出管26に設け
ている。
【0020】したがって、循環流路のポンプ22から加
圧状態で圧送されてくる加熱汚泥は、フラッシュ弁30
を通過することにより、大気圧まで圧力が瞬時に開放さ
れ、この脱圧により汚泥細胞内に存在する水が急激に気
化膨張し、この作用により汚泥粒子の細胞膜の破壊が促
進され、水分の溶出と汚泥細胞膜の微細化により流動性
が極めて高い状態の膨化汚泥スラリが生成され、ミキシ
ング槽35に収容される。
【0021】ここで、ミキシング槽35の縦中心軸に多
段に取付けられた回転翼34と、ミキシング槽35の内
壁側に固定され、前記回転翼34の間に介在するように
配置された多段の静止翼36とから構成されている。各
段の回転翼34はミキシング槽35の内壁面に接近する
ように放射状に延長された複数の翼刃からなり、回転翼
34の回転に伴って収容されている汚泥に剪断力を与え
る刃部を有している。
【0022】したがって、ミキシング槽35内に導入さ
れた汚泥は、静止翼36と回転翼34による剪断作用を
受け、フラッシュ蒸発された膨化汚泥は槽内を流下する
際にミキシング攪拌されるものとなっている。このよう
なことから、汚泥膨化反応槽18に予熱された汚泥を導
入し、この反応槽18と循環ライン20との間の循環流
路を循環流動させる過程で、汚泥は加熱器24により加
熱され、加圧状態で循環され、汚泥が均一な温度状態と
なる。循環流動で、汚泥は160〜170℃に均一加熱
され、熱変質により汚泥細胞膜の一部が破壊され、同時
に汚泥中の水分が蒸発して気液平衡状態における圧力を
得ることができ、循環流路内圧力が7Kg/cm2 程度
に達するのである。
【0023】そして、脱圧されたミキシング槽35から
排出された汚泥は、回転翼34の回転時のミキサの剪断
作用により、汚泥ブロックは微細化され、汚泥粒子細胞
単位もしくはそれらの小集合体まで細分化されるものと
なる。このようにして得られた膨化汚泥スラリは、部分
酸化反応によるガス化処理に供するために、ミキシング
槽35から汚泥スラリ供給管41を通じて湿式粉砕機4
4に供給されるようになっている。
【0024】また、湿式粉砕機44では、ガス化主原料
としての石油コークス90を微粉砕しつつ、流動性調整
のための水を供給できるようにし、前記膨化汚泥スラリ
と混合し、できた混合スラリはスラリタンク42に供給
してガス化原料スラリとするようにしている。
【0025】ここで膨化汚泥スラリは循環流路中での加
熱、加圧およびフラッシュ操作の後、膨化汚泥のミキシ
ング作用をなしているため、粘度が1000cp以下、
最大でも3500cp以下の流動性の良い低粘度スラリ
である。したがって、膨化汚泥スラリに適宜な粒径に粉
砕した石油コークス90や石炭などの化石燃料を混合し
て、ガス化原料スラリとすることができる。
【0026】このとき、ガス化炉ではスラリスクリーン
やバーナへの供給条件から、現在ではガス化原料スラリ
の粘度は1000cp以下であることが要求されてい
る。本実施形態では、有機性汚泥80の膨化後にミキシ
ングを施してそのスラリ粘度を極めて低下させることが
できるため、ガス化に要求される含水率(37〜40重
量%)を維持してガス化原料スラリにおける膨化汚泥ス
ラリ中に含まれる有機性固形分をドライベースで最大約
4.0重量%まで高めることができる。
【0027】また、逆にガス化原料スラリにおける膨化
汚泥スラリの混合率が10重量%とするなど一定の値に
設定して、ミキシング工程で粘度を大幅に低下させた膨
化汚泥スラリを混合して、ガス化原料スラリに要求され
る流動性を維持しつつ、化石燃料自体のスラリ化に必要
な含水率を大きく低減することができる。
【0028】スラリタンク42には攪拌機46が装備さ
れ、スラリタンク42内で膨化汚泥スラリと粉砕石油コ
ークス90の混合攪拌がなされ、ガス化原料が生成さ
れ、ここに一時的に貯溜される。前記スラリタンク42
よりガス化原料スラリをスラリポンプ48によってガス
化炉50に送るようにしている。ガス化炉50は頂部に
バーナ52が取付けられており、ここでガス化原料であ
る有機性汚泥80と石油コークス90との混合物の理論
燃焼酸素量の40〜60%の量の酸素とともに、ガス化
炉50に噴霧供給し、1、250〜1、450℃の温度
で部分酸化によるガス化を行うようにしている。
【0029】この場合、ガス化炉50内の圧力は20〜
80気圧程度に設定するようにしている。ガス化炉50
の上部は耐火物54で内張りされて反応室56が形成さ
れている。また、ガス化炉50の下部には急冷室58が
設けられ、反応室56と急冷室58とをスロート部60
で連通している。急冷室58にはガス急冷用の水を送る
水ライン62が開口され、適宜な水位となるように水を
供給するようにしている。
【0030】この冷却水には下端部が水に没する筒状の
ディップチューブ64およびドラフトチューブ66が同
軸的に設けられている。したがって、反応室56で発生
したガスは、スロート部60およびディップチューブ6
4を通過し、急冷室58内の水中に吹き込まれ、その
後、急冷室58の水面の上方域に設けられたガス排出口
68からガスライン70を通って後続するガス合成処理
設備などに送給させるようにしている。
【0031】このように構成された膨化汚泥スラリを用
いたガス化炉壁へのアッシュ分の付着防止法について詳
述する。
【0032】まず、本実施例に用いられた石油コークス
90の代表的な元素分析値、アッシュ成分およびアッシ
ュの溶流点を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】次に、本発明に係り前記石油コークス90
に混合しガス化炉壁への付着防止の役目を有する有機性
汚泥80の代表的な組成を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】図3において、縦軸に石油コークス中のア
ッシュの溶流点を示し、横軸にコークス100重量部
(ドライベース)に対する膨化汚泥スラリ中の固形分
(ドライベース)との混合比の関係を示したが、石油コ
ークスのアッシュ分と膨化汚泥のアッシュ分との混合比
の関係と石油コークスのアッシュ分と膨化汚泥の固形分
との混合比の関係などを表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】まず、工場廃水や生活廃水の処理によって
生じた有機性汚泥がハンドリングのために78〜83重
量%の含水率とされるまで脱水して本システム内に導入
され、これが汚泥膨化反応槽18と汚泥循環ライン20
からなる閉流路を循環する間に加熱、加圧され、この加
熱汚泥が循環流路から排出される際にフラッシュ弁30
を通ってミキシング槽35に導入されて瞬時に大気圧ま
で開放され、この膨化汚泥スラリを更にミキシング処理
させるものとなっており、生成される膨化汚泥スラリの
粘度は極めて低い値を示すものとなる。
【0039】このミキシングされた膨化汚泥スラリの粘
度の調査結果を図2に示している。比較例として、単純
に有機性汚泥80を気液平衡状態まで加熱し、これをフ
ラッシュさせて得られた通常の膨化処理による汚泥スラ
リ粘度(同図左)と、予め汚泥を擂り潰して膨化しフラ
ッシュさせた汚泥スラリ粘度(同図中央)とを示してい
る。実施形態に係る汚泥の粘度(同図右)では、粘度が
都市下水汚泥の場合で3000cp以下、ケミカル工場
の活性余剰汚泥の場合で1000cpとなっており、通
常膨化処理の場合は同じく20000cp、15000
cp、擂り潰し膨化の場合はそれぞれ8500cp、6
000cpとなっているのに比較して、今回のように膨
化汚泥スラリをミキシングすることで、低粘度汚泥スラ
リを生成したものをガス化原料として用いることができ
る。
【0040】一方、ガス化源の主原料である石油コーク
ス90に適量の水を添加させた状態で湿式粉砕機44に
供給し、平均粒径が125μになるまで粉砕した石油コ
ークススラリを得た後にスラリタンク42に送給すると
ともに、ミキシングの完了した膨化汚泥スラリをもスラ
リタンク42に送給して混合するが、この場合の混合基
準は、石油コークスの固形分(ドライベース)100重
量部に対して膨化汚泥スラリ中の固形分(ドライベー
ス)0.33〜4.0の重量部の割合で混合することが
望ましい。
【0041】この理由は、図3に示すように、還元雰囲
気下における石油コークス90のアッシュ分の溶流点温
度は1,510℃であり、石油コークス90の100%
運転時に溶流点温度の低いフラックス添加してガス化を
行い、ガス化炉50壁に付着・堆積した石油コークス9
0のアッシュ分をフラックスの助けをかりて一緒に溶流
流下するものであるが、当該フラックスとして有機性汚
泥80を膨化処理した膨化汚泥を、石油コークスの固形
分(ドライベース)100重量部に対して膨化汚泥スラ
リ中の固形分(ドライベース)0.33重量部以上をス
ラリータンク42で石油コークススラリと混合した場合
にはフラックスの溶流点温度が1,300℃以下になる
ことが判明した。
【0042】すなわち、図1に示す部分酸化反応による
ガス化炉50の操作条件は、炉内温度1,450℃、圧
力38〜40ata であり、冷ガス効率(ここで冷ガス効
率とは、石炭の発熱量に対するシンガスの発熱量の割合
をいう)アップのために、COガスがCO2 ガスに変化
するのを防止すると同時に耐火レンガの保護を図る必要
があることから、ガス化炉内温度を約1,400℃近傍
まで下げざるを得ず、さらに相対的に石油コークスのア
ッシュ分の溶流点を下げる必要が生じる。
【0043】反応室56内における部分酸化反応の温度
0 は、無機鉱物のアッシュの溶流点Tよりも30〜1
00℃高いのが好ましい。すなわち、反応室7内の温度
T0は(T+30)℃以上であり、(T+100)℃以
下であることが好ましい。
【0044】一方、石油コークス90中のアッシュ分の
ガス化炉壁への付着防止の面から、石油コークスの固形
分(ドライベース)100重量部に対する適量の膨化汚
泥スラリ中の固形分(ドライベース)の混合割合を考慮
する必要がある。このような観点からテストを行い、図
5に示すようなデータを得た。すなわち、ガス化操作温
度1400℃、圧力38kg/cm2 G(3.8×10
6 Pa)下で、石油コークス90に対して膨化汚泥の混
合割合を増加していくと、ガス化炉壁へのアッシュ分の
付着率は減少する傾向が認められた。
【0045】このため、本発明においては、石油コーク
ス90のガス化を行う場合、アッシュ分のガス化炉壁へ
の付着をなくすか、もし付着が生じても長期連続運転が
可能な程度の付着量、すなわち、ガス化炉壁へのアッシ
ュ分の付着率を2%以下にするため、石油コークス90
の100重量部に対して有機性汚泥を、一旦汚泥膨化反
応槽18で処理した膨化汚泥を0.16重量部以上混合
することが望ましいことが、図5に示す如く知見データ
から判明した。
【0046】以上述べたように、石油コークス90の1
00重量部に対して混合する膨化汚泥の最少添加量は、
ガス化炉50内の操作温度は1,300℃以下にしてC
OガスがCO2 ガスに変化するのを防止すると同時に耐
火レンガの保護を図る必要があるとの観点(図3)と、
石油コークス90中のアッシュ分のガス化炉壁への付着
を防止するとの観点(図5)の両方を満足する必要があ
る。
【0047】すなわち、石油コークス90の100重量
部に対して混合する膨化汚泥の添加量を0.16重量部
とすると、ガス化炉壁へのアッシュ分の付着率を2%以
下にする目的は達成できても、ガス化炉50内の操作温
度は約1,380℃となり、1,300℃以下にしてC
OガスがCO2 ガスに変化するのを防止すると同時に耐
火レンガの保護を図る目的は達成できないことになる。
【0048】このことから、必然的に石油コークス90
の100重量部に対して有機性汚泥を一旦汚泥膨化反応
槽18で処理した膨化汚泥を0.33重量部以下では、
ガス化炉50内の操作温度は1,300℃以上となって
望ましくないため、膨化汚泥を0.33重量部以上混合
することが必要となる。
【0049】また、逆に、石油コークス90の100重
量部に対して混合する膨化汚泥の最大添加量が4.0重
量部以上となると、石油コークス90スラリに対して混
合する汚泥膨化の量が相対的に増加することになり、混
合後のスラリ粘性は1000cpを越え、かつ汚泥膨化
の増加に伴い急激に上昇する。ガス化炉50ではスラリ
スクリーンやバーナ52への供給条件から、現在ではガ
ス化原料スラリの粘度は1000cp以下であることが
要求されており、粘度が高いとバーナ52から炉内に噴
霧される石油コークス・水スラリの噴霧液滴が大きくな
り、一定の滞留条件下では結果的に燃焼せずに未燃物が
増加することとなる。このことから、石油コークス90
の100重量部に対して混合する膨化汚泥の最大添加量
を4.0重量部以下にすることが望ましい。
【0050】なお、本発明では、前述したように、膨化
汚泥スラリをミキシング槽35から汚泥スラリ供給管4
1を介して湿式粉砕機44に供給して粉砕・混合するよ
うにしたが、これに限定することなくミキシング槽35
から直接汚泥スラリ供給管40を通じてスラリタンク4
2に供給してもよい。
【0051】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
によれば、石油コークスをスラリ状態にしてガス化装置
で部分酸化反応によりガス化させる時、前記石油コーク
スの固形分(ドライベース)100重量部に対して有機
性汚泥ケーキを加圧化において加熱し、その後に加熱汚
泥を瞬時に脱圧して得られた有機性膨化汚泥スラリ中の
固形分(ドライベース)0.33〜4.0の重量部の割
合で混合するとともに、ガス化操作温度を前記フラック
スの溶流点より高くしてガス化を行うようにしたことに
より、有機性汚泥の海洋投機や埋立なども行う必要がな
く石油コークスに混合して部分酸化によるガス化源とし
て用いるとともに、膨化汚泥中のアッシュ分が溶融する
際に石油コークスのアッシュ分も一緒に流下するため、
石油コークスのアッシュ分がガス化炉壁には付着せず良
好な長期安定な連続運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するのに好適な有機性汚泥の
スラリ化装置の構成を示すブロック図である。
【図2】膨化汚泥スラリの粘度特性の比較図である。
【図3】石油コークス中のアッシュの溶流点と石油コー
クス100重量部(ドライベース)に対する膨化汚泥ス
ラリ中の固形分(ドライベース)との混合比の関係図で
ある。
【図4】石油コークスと膨化汚泥の混合物スラリー10
0重量部に対する混合物中の固形分の重量部を一定とし
た場合の混合物の粘度とコークス100重量部(ドライ
ベース)に対する膨化汚泥スラリ中の固形分(ドライベ
ース)との混合比との関係図である。
【図5】石油コークスのアッシュ付着率と石油コークス
100重量部(ドライベース)に対する膨化汚泥スラリ
中の固形分(ドライベース)との混合比の関係図であ
る。
【符号の説明】
10 バンカ 12 スクリュウポンプ 14 汚泥送給ライン 16 予熱器 18 汚泥膨化反応槽 20 汚泥循環ライン 22 圧送ポンプ 24 加熱器 26 排出管 30 フラッシュ弁 34 回転翼 35 ミキシング槽 36 静止翼 40 汚泥スラリー供給管 42 スラリータンク 44 湿式粉砕機 46 攪拌機 48 スラリーポンプ 50 ガス化炉 52 バーナ 54 耐火物 56 反応室 58 急冷室 60 スロート部 62 水ライン 64 ディップチューブ 66 ドラフトチューブ 68 ガス排出口 70 ガスライン 80 有機性汚泥 90 石油コークス
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】なお、本発明では、前述したように、膨化
汚泥スラリをミキシング槽35から直接汚泥スラリ供給
管40を通じてスラリタンク42に供給したが、これに
限定することなく、ミキシング槽35から汚泥スラリ供
給管41を介して湿式粉砕機44に供給して粉砕・混合
するようにしてもよい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 孝夫 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石油コークスをスラリ状態にしてガス化
    装置で部分酸化反応によりガス化させる時、前記石油コ
    ークスの固形分(ドライベース)100重量部に対して
    有機性汚泥ケーキを加圧下において加熱し、その後に加
    熱汚泥を瞬時に脱圧して得られた有機性膨化汚泥スラリ
    中の固形分(ドライベース)0.33〜4.0の重量部
    の割合で混合するとともに、ガス化操作温度を当該混合
    物中のアッシュ分の溶流点より高くしてガス化を行うよ
    うにしたことを特徴とする膨化汚泥スラリを用いたガス
    化炉壁へのアッシュ分の付着防止法。
JP27918396A 1996-10-22 1996-10-22 膨化汚泥スラリを用いたガス化炉壁へのアッシュ分の付着防止法 Pending JPH10121060A (ja)

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