JPH10120776A - 脂肪族ポリエステルの製造方法 - Google Patents

脂肪族ポリエステルの製造方法

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JPH10120776A
JPH10120776A JP23234597A JP23234597A JPH10120776A JP H10120776 A JPH10120776 A JP H10120776A JP 23234597 A JP23234597 A JP 23234597A JP 23234597 A JP23234597 A JP 23234597A JP H10120776 A JPH10120776 A JP H10120776A
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JP
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aliphatic
acid
producing
polymer
exchange resin
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JP23234597A
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Inventor
Kenichi Goto
謙一 後藤
Yukiko Mori
ゆきこ 森
Michihiko Miyamoto
充彦 宮本
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 脂肪族ヒドロキシカルボン酸、脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸のポリマー、脂肪族多価カルボン酸
と脂肪族多価アルコールおよび脂肪族多価カルボン酸と
脂肪族多価アルコールのポリマーからなる群から選ばれ
た少なくとも1種を、触媒の存在下、有機溶媒中で加熱
還流し、留出する生成水を含んだ有機溶媒を乾燥剤で処
理して再び反応系内に戻すことにより脱水重縮合し脂肪
族ポリエステルを製造する方法において、乾燥剤にイオ
ン交換樹脂を用い、反応終了後にこれを再生乾燥して次
の反応に繰り返し使用することを特徴とする脂肪族ポリ
エステルの製造方法。 【効果】 本発明によって、色調に優れ、高品質で高分
子量の脂肪族ポリエステルを、工業的に、安定して、効
率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用材料や汎用
樹脂の代替物として有用な生分解性ポリマーである脂肪
族ポリエステルを直接脱水重縮合により製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性ポリマーである脂肪族ポリエス
テル、中でもポリ乳酸に代表される、カルボキシル基と
ヒドロキシル基を同一分子内に有する脂肪族ヒドロキシ
カルボン酸から得られる脂肪族ポリエステル(以後脂肪
族ポリヒドロキシカルボン酸という)は機械的性質、物
理的性質、化学的性質に優れている上に、他に害を与え
ることなく自然環境下で分解され、最終的には微生物に
よって水と炭酸ガスになるという生分解性の機能を有し
ており、近年、医療用材料や、環境保全の観点から汎用
樹脂代替等様々な分野で注目されており、今後もその需
要が大きく伸びることが期待されている。
【0003】通常、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の
製造方法として、脂肪族ヒドロキシカルボン酸、例え
ば、乳酸、グリコール酸は、脱水二量化し、一旦その環
状二量体を得た後、各種触媒の存在下、開環溶融重合す
ることにより、高分子量のポリマーが得られることが知
られている。この方法は、環状二量体であるラクチドま
たはグリコリドの製造に際して、多大の労力と費用を必
要とするため経済的でない。また、脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸の種類によっては、環状二量体を形成しないも
のもあり、その場合はこの方法は使用できない。
【0004】一方、脂肪族ヒドロキシカルボン酸および
そのオリゴマ−から直接脱水重縮合法によって、脂肪族
ポリヒドロキシカルボン酸を得る方法が幾つか開示され
ている(特開昭59−096123号、特開昭61−0
28521号)。しかしながら、これらの方法では得ら
れるポリマーの固有粘度は約0.3dl/g程度が限界
で、十分な機械物性を有さず、その用途、目的によって
は使用できない。このように、十分な機械物性を有する
脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造方法は溶融重合
法に限定され、またそのポリマー組成も限られているの
が現状である。
【0005】乳酸やグリコール酸等の脂肪族ヒドロキシ
カルボン酸の直接重合法は、多塩基酸と多価アルコール
のエステル化反応と同様に逐次反応であり、反応時間と
共に分子量は増大する。また、この際生成する水分子
は、加水分解作用による逆反応により、重縮合体の分子
量を低下させる作用を有するので、生成する水分を系外
へ効率よく除去することが高分子量ポリマーを得るため
に必要であった。この方法としては、反応時に攪拌速度
を高める方法、減圧度を高める方法、不活性ガスを反応
系に導入し水を揮散させる方法、等があるが、分子量の
増大と共に反応系の粘度が著しく上昇するため、これら
の方法には限界がある。
【0006】また、2個以上のヒドロキシル基を有する
多価アルコールと2個以上のカルボキシル基を有する多
価カルボン酸から高分子量のポリエステルを製造する方
法は、周知のように末端ヒドロキシル基の低分子量ポリ
エステルの脱グリコール反応によっている。したがっ
て、分子量が増大するにつれて末端基濃度が著しく減少
し分子量に限界を生じるようになる。特に、脂肪族ポリ
エステルにその傾向が著しく見られる。例えば、従来の
減圧下の脱グリコール反応により高分子量のポリエステ
ルを製造する場合、分子量が最大に達した後、減少に転
じることが見られる。この様に、強靱なフィルムを形成
させるに足りる分子量を有する脂肪族ポリエステルを得
ることは、従来の脱グリコール反応に頼っていたのでは
難しい。いい換えれば、この方法によって得られる脂肪
族ポリエステルの分子量では実用性のある物性を有する
フィルムを形成させることはできなかったといえる。
【0007】これまでに、脂肪族ポリヒドロキシカルボ
ン酸を工業的に効率良く、容易に、しかも安価に製造し
得る方法として、特開平6−65360号公報に脂肪族
ヒドロキシカルボン酸類を触媒の存在下、有機溶媒中で
加熱し、留出する溶媒を乾燥剤で処理して系内に戻すこ
とによって、高分子量の脂肪族ポリヒドロキシカルボン
酸を得る方法が示されている。また、特開平7−228
675号公報には脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カ
ルボン酸を有機溶媒中で加熱することにより脱水重縮合
し、生成した水を有機溶媒と共に留出させ、その有機溶
媒を乾燥剤と接触させ脱水した後に系内に戻すことによ
り高分子量の脂肪族ポリエステルを製造する方法が開示
されている。
【0008】これらの製造方法においては、重合反応の
進行に重要となる生成水の除去方法として、溶媒の還流
下に留出する含水溶媒を乾燥剤で処理した後、再び系内
へ戻すシステムを採っていた。しかし、脂肪族ポリヒド
ロキシカルボン酸を含む脂肪族ポリエステルの製造を工
業的に行う場合には、上記の生成水の除去方法に関連す
るプロセス上での更なる改善が必要とされた。何故なら
ば、五酸化二リンや水素化カルシウム、水素化ナトリウ
ム、水素化リチウムアルミニウム等の金属水素化物、ナ
トリウム、リチウム等のアルカリ金属といった、水分と
反応するタイプの乾燥剤を使用する場合、その再生が容
易でなく、実用的でない。それに対し、モレキュラーシ
ーブのような水分を吸着するタイプの乾燥剤は、取り扱
いやすく、再生使用ができることから実用的な乾燥剤で
ある。ところが、モレキュラーシーブには有機化合物を
吸着する性質がある。重合反応中に蒸発する溶媒中に
は、溶媒のほかに、同伴して蒸発する脂肪族ヒドロキシ
カルボン酸、それから誘導されるラクチド、グリコリド
のような環状二量体、脂肪族多価アルコールや脂肪族多
価カルボン酸、そしてそれらのオリゴマー等が含まれ
る。モレキュラーシーブを乾燥剤として使用した場合、
これらの物質を吸着してしまうことになる。また、モレ
キュラーシーブの再生温度は200〜300℃程度と高
いため、吸着した化合物を変性、劣化させ、乾燥剤を繰
り返し使用することにより、変性した成分が重合反応系
に混入し製品品質、特に色調への影響となって現れてい
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、脂肪
族ヒドロキシカルボン酸等を、触媒の存在下、有機溶媒
中で加熱還流し、留出する生成水を含んだ有機溶媒を乾
燥剤で処理して再び反応系内に戻すことにより脱水重縮
合し脂肪族ポリエステルを製造する方法において、反応
中に生成する水を効率的に除去することができ、しか
も、色調の優れた高品質の製品を安定して製造できる工
業的な脂肪族ポリエステルの製造方法を提供することを
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討した結果、溶媒の還流下に留出する含水溶媒を
処理する乾燥剤としてイオン交換樹脂の使用が効果的で
あることが明らかになった。
【0011】乳酸とラクチドの、モレキュラーシーブお
よびイオン交換樹脂への吸着平衡を図1に示す。驚くべ
きことに、モレキュラーシーブと対照的に、イオン交換
樹脂に対して乳酸やラクチドは、溶媒中の濃度に因らず
全く吸着しないことが判った。すなわち、イオン交換樹
脂を反応の乾燥剤として用いると、蒸発する溶媒中に同
伴するヒドロキシカルボン酸等の吸着が起こらない。ま
た、イオン交換樹脂は100〜140℃と、反応温度と
同程度の低い温度で再生が行えることから、乾燥剤の繰
り返し使用における付着した化合物の変性も防ぐことが
できる。こうして、直接脱水重合法において重要な、効
率的な生成水の除去、および乾燥剤の繰り返し使用を、
製品品質に影響を及ぼすことなく行えるようになった。
【0012】すなわち本発明は、以下の事項を含む。 1) (a1)脂肪族ヒドロキシカルボン酸、(a2)脂
肪族ヒドロキシカルボン酸のポリマー、(a3)脂肪族
多価カルボン酸と脂肪族多価アルコール、および(a
4)脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールのポ
リマーからなる群から選ばれた少なくとも1種(A)
を、触媒の存在下、有機溶媒中で加熱還流し、留出する
生成水を含んだ有機溶媒を乾燥剤で処理して再び反応系
内に戻すことにより脱水重縮合し脂肪族ポリエステルを
製造する方法において、乾燥剤にイオン交換樹脂を用
い、反応終了後にこれを再生乾燥して次の反応に繰り返
し使用することを特徴とする脂肪族ポリエステルの製造
方法。 2) イオン交換樹脂が、対イオンにナトリウムイオン
を有するスルホン酸基を交換基とする強酸性陽イオン交
換樹脂である1)記載の脂肪族ポリエステルの製造方
法。 3) (A)が(a1)脂肪族ヒドロキシカルボン酸お
よび/または(a2)脂肪族ヒドロキシカルボン酸のポ
リマーである1)または2)記載の脂肪族ポリエステル
の製造方法。 4) 脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸である3)記
載の脂肪族ポリエステルの製造方法。 5) (A)が(a3)脂肪族多価カルボン酸と脂肪族
多価アルコールおよび/または(a4)脂肪族多価カル
ボン酸と脂肪族多価アルコールのポリマーである1)ま
たは2)記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。 6) 脂肪族多価カルボン酸がコハク酸であり、脂肪族
多価アルコールが1,4−ブタンジオールである5)記
載の脂肪族ポリエステルの製造方法。 7) (A)が(a1)脂肪族ヒドロキシカルボン酸と
(a3)脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコール
の混合物である1)または2)記載の脂肪族ポリエステ
ルの製造方法。 8) 脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸であり、脂肪
族多価カルボン酸がコハク酸であり、脂肪族多価アルコ
ールが1,4−ブタンジオールである7)記載の脂肪族
ポリエステルの製造方法。 9) (A)が(a2)脂肪族ヒドロキシカルボン酸の
ポリマーと(a4)脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価
アルコールのポリマーとの混合物である1)または2)
記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。 10) 脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸であり、脂肪
族多価カルボン酸がコハク酸であり、脂肪族多価アルコ
ールが1,4−ブタンジオールである9)記載の脂肪族
ポリエステルの製造方法。
【0013】乾燥剤としてイオン交換樹脂を繰り返し再
生使用することによる効果は以下のとおりである。 1)効率的な生成水の除去が行える。 2)他の乾燥剤では実現できない、色調の優れた高品質
の製品を安定して製造できる。 3)工業的な脂肪族ポリエステルの製造を可能にする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される脂肪族ヒドロキシカルボン酸の具体
例としては、以下のものが挙げられる。グリコール酸、
乳酸、2−ヒドロキシブタノイックアシッド、2−ヒド
ロキシペンタノイックアシッド、2−ヒドロキシヘキサ
ノイックアシッド、2−ヒドロキシヘプタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシオクタノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルプロパノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシ−2−メチルブタノイックアシッド、2−ヒド
ロキシ−2−エチルブタノイックアシッド、2−ヒドロ
キシ−2−メチルペンタノイックアシッド、2−ヒドロ
キシ−2−エチルペンタノイックアシッド、2−ヒドロ
キシ−2−プロピルペンタノイックアシッド、2−ヒド
ロキシ−2−ブチルペンタノイックアシッド、2−ヒド
ロキシ−2−メチルヘキサノイックアシッド、2−ヒド
ロキシ−2−エチルヘキサノイックアシッド、2−ヒド
ロキシ−2−プロピルヘキサノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシ−2−ブチルヘキサノイックアシッド、2−ヒ
ドロキシ−2−ペンチルヘキサノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−メチルヘプタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−エチルヘプタノイックアシッド、2−
ヒドロキシ−2−プロピルヘプタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−ブチルヘプタノイックアシッド、2
−ヒドロキシ−2−ペンチルヘプタノイックアシッド、
2−ヒドロキシ−2−ヘキシルヘプタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−メチルオクタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−エチルオクタノイックアシッ
ド、2−ヒドロキシ−2−プロピルオクタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ブチルオクタノイックアシ
ッド、2−ヒドロキシ−2−ペンチルオクタノイックア
シッド、2−ヒドロキシ−2−ヘキシルオクタノイック
アシッド、2−ヒドロキシ−2−ヘプチルオクタノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシプロパノイックアシッド、
3−ヒドロキシブタノイックアシッド、3−ヒドロキシ
ペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシヘキサノイッ
クアシッド、3−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、
3−ヒドロキシオクタノイックアシッド、3−ヒドロキ
シ−3−メチルブタノイックアシッド、3−ヒドロキシ
−3−メチルペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシ
−3−エチルペンタノイックアシッド、3−ヒドロキシ
−3−メチルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロキシ
−3−エチルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロキシ
−3−プロピルヘキサノイックアシッド、3−ヒドロキ
シ−3−メチルヘプタノイックアシッド、3−ヒドロキ
シ−3−エチルヘプタノイックアシッド、3−ヒドロキ
シ−3−プロピルヘプタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−ブチルヘプタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−メチルオクタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−エチルオクタノイックアシッド、3−ヒドロ
キシ−3−プロピルオクタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−ブチルオクタノイックアシッド、3−ヒド
ロキシ−3−ペンチルオクタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシブタノイックアシッド、4−ヒドロキシペンタ
ノイックアシッド、4−ヒドロキシヘキサノイックアシ
ッド、4−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、4−ヒ
ドロキシオクタノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4
−メチルペンタノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4
−メチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4
−エチルヘキサノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4
−メチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4
−エチルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ−4
−プロピルヘプタノイックアシッド、4−ヒドロキシ−
4−メチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキシ−
4−エチルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキシ−
4−プロピルオクタノイックアシッド、4−ヒドロキシ
−4−ブチルオクタノイックアシッド、5−ヒドロキシ
ペンタノイックアシッド、5−ヒドロキシヘキサノイッ
クアシッド、5−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、
5−ヒドロキシオクタノイックアシッド、5−ヒドロキ
シ−5−メチルヘキサノイックアシッド、5−ヒドロキ
シ−5−メチルヘプタノイックアシッド、5−ヒドロキ
シ−5−エチルヘプタノイックアシッド、5−ヒドロキ
シ−5−メチルオクタノイックアシッド、5−ヒドロキ
シ−5−エチルオクタノイックアシッド、5−ヒドロキ
シ−5−プロピルオクタノイックアシッド、6−ヒドロ
キシヘキサノイックアシッド、6−ヒドロキシヘプタノ
イックアシッド、6−ヒドロキシオクタノイックアシッ
ド、6−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイックアシッ
ド、6−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイックアシッ
ド、6−ヒドロキシ−6−エチルオクタノイックアシッ
ド、7−ヒドロキシヘプタノイックアシッド、7−ヒド
ロキシオクタノイックアシッド、7−ヒドロキシ−7−
メチルオクタノイックアシッド、8−ヒドロキシオクタ
ノイックアシッド等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸が挙
げられる。これらは単独でもあるいは二種以上混合して
用いてもよい。特に好ましく用いられる脂肪族ヒドロキ
シカルボン酸は、乳酸、グリコ−ル酸、3−ヒドロキシ
ブチリックアシッド、4−ヒドロキシブチリックアシッ
ド、3−ヒドロキシバレリックアシッド、またはそれら
の混合物である。
【0015】本発明で使用される脂肪族多価カルボン酸
は、二価のカルボン酸が好ましく、その具体例として
は、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、マレイン酸、
フマル酸等が挙げられる。
【0016】また、本発明で使用される脂肪族多価アル
コールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレング
リコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,
6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオ
ペンチルグリコール、ポリテトラメチレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族ジオー
ル、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
トリメチロールヘプタン、1,2,4−ブタントリオー
ル、1,2,6−へキサントリオール等の脂肪族トリオ
ールが挙げられる。
【0017】本発明方法では前述の脂肪族ヒドロキシカ
ルボン酸、および脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価ア
ルコールから誘導されるポリマーを原料として用いるこ
ともできる。また、このポリマーはオリゴマーを包含す
る。そしてそれらは一種または二種以上の混合物として
用いてもよい。
【0018】これら脂肪族ヒドロキシカルボン酸および
それらのポリマーの中には光学活性炭素を有し各々D
体、L体、D/L体の形態をとる場合があるが、本発明
においては、その形態に何等制限はない。
【0019】本発明で用いる触媒としては、元素周期律
表I、II、III、IV、V族の金属、あるいはそれ
らの塩または水酸化物、酸化物が挙げられ、例えば亜
鉛、錫、アルミニウム、マグネシウム、アンチモン、チ
タン、ジルコニウム等の金属、酸化錫、酸化アンチモ
ン、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸
化チタン等の金属酸化物、塩化亜鉛、塩化第一錫、塩化
第二錫、臭化第一錫、臭化第二錫、フッ化アンチモン、
塩化亜鉛、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の金
属ハロゲン化物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化コバルト、水酸
化ニッケル、水酸化銅、水酸化セシウム、水酸化ストロ
ンチウム、水酸化バリウム、水酸化リチウム、水酸化ジ
ルコニウム等の金属水酸化物、硫酸錫、硫酸亜鉛、硫酸
アルミニウム等の硫酸塩、炭酸マグネシウム、炭酸亜
鉛、炭酸カルシウム等の炭酸塩、酢酸錫、オクタン酸
錫、乳酸錫、酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム、乳酸鉄等の
有機カルボン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸錫、
p−トルエンスルホン酸錫等の有機スルホン酸塩等が挙
げられる。
【0020】その他、ジブチルチンオキサイド等の上記
金属の有機金属酸化物またはチタニウムイソプロポキサ
イド等の上記金属の金属アルコキサイドまたはジエチル
亜鉛等の上記金属のアルキル金属、およびイオン交換樹
脂等が挙げられる。その使用量は、上記ヒドロキシカル
ボン酸またはそれらのポリマー等の原料の0.0001
〜10重量%が用いられる。
【0021】本発明で用いられる有機溶媒は、芳香族炭
化水素類、ハロゲン化芳香族炭化水素類、ハロゲン化脂
肪族炭化水素類、エーテル系炭化水素類等が挙げられ
る。芳香族炭化水素類としては、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベン
ゼン、アミルベンゼン、ジアミルベンゼン、p−シメン
等が挙げられる。
【0022】ハロゲン化芳香族炭化水素類としては、ク
ロロベンゼン、クロロベンジル、o−クロロトルエン、
m−クロロトルエン、p−クロロトルエン、α−クロロ
エチルベンゼン、β−クロロエチルベンゼン、o−ジク
ロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジクロロベ
ンゼン、1,2,3−トリクロロベンゼン、1,2,4
−トリクロロベンゼン、1,3,5−トリクロロベンゼ
ン、ブロモベンゼン、ブロモベンジル、o−ブロモトル
エン、m−ブロモトルエン、p−ブロモトルエン、α−
ブロモエチルベンゼン、β−ブロモエチルベンゼン、o
−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p−ジブ
ロモベンゼン、1−クロロナフタレン、2−クロロナフ
タレン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレ
ン、1−フルオロナフタレン等が挙げられる。
【0023】ハロゲン化脂肪族炭化水素類としては、ト
リクロロメタン、テトラクロロメタン、1,1−ジクロ
ロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリ
クロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,
1,1−トリクロロエチレン、1,1,1,2−テトラ
クロロエタン、1−クロロプロパン、1−クロロブタ
ン、1,2−ジクロロプロパン、1,3−ジクロロプロ
パン、1,4−ジクロロブタン、1,2−ジブロモエタ
ン、1,1,1−トリブロモエタン、1,1,2−トリ
ブロモエタン、1,1,1−トリブロモエチレン、1,
1,1,2−テトラブロモエタン、1−ブロモプロパ
ン、1−ブロモブタン、1,2−ジブロモプロパン、
1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジブロモブタン等
が挙げられる。
【0024】エーテル系炭化水素類としては、アニソー
ル、エトキシベンゼン、o−クレジルメチルエ−テル、
m−クレジルメチルエ−テル、p−クレジルメチルエ−
テル、2−クロロメトキシベンゼン、4−クロロメトキ
シベンゼン、ジクロロエチルエーテル、イソプロピルエ
ーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル等
が挙げられる。これらは一種または二種以上の混合物で
も良く何ら制限は無い。
【0025】その使用量は、ポリマー濃度が3〜80重
量%になるような範囲で行うことができるが、好ましく
はポリマー濃度が5〜50重量%になるような範囲が良
い。80重量%より多いと該ポリマーを加熱溶解した時
の粘度が極端に高くなり、反応中の攪拌や、その後の移
液等の取扱や操作が困難になる場合が生じる。逆に3重
量%より低い場合は、反応および後処理等には問題はな
いが、容積効率が悪く生産性の面で不利である。
【0026】本発明方法における脱水重縮合条件は、常
圧下、減圧下のいずれでも良く、反応温度は使用する溶
媒の還流温度までとることができ、好ましくは50〜2
50℃、より好ましくは100〜170℃である。50
℃未満では、反応によって生成する水を溶媒との共沸に
よって反応系外へ除去する効率が悪くなるため反応速度
が著しく低下する。また、250℃を越える温度ではポ
リマーの劣化を生じたり、そのため反応液に着色を生
じ、得られる製品の品質を悪化させることがあるため好
ましくない。
【0027】脱水重縮合を行う装置については、生成水
と共に蒸発する有機溶媒を反応系外に導き、これを連続
的或いは回分的にイオン交換樹脂により脱水処理を施す
ことが可能で、その後に反応系に返還させることのでき
る構造を有するものであれば、その他に何等の制限を受
けるものではない。
【0028】本発明方法で生成水の除去に使用されるイ
オン交換樹脂は、交換基にスルホン酸基またはカルボキ
シル基を有する陽イオン交換樹脂、そして、トリメチル
アンモニウム基、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウ
ム基、ジメチルアミノ基等を交換基とする陰イオン交換
樹脂より任意に選択できる。この中でも特に、対イオン
にナトリウムイオンを有するスルホン酸基を交換基とす
る陽イオン交換樹脂が脱水能力や熱安定性に優れ、本発
明方法での使用に適している。
【0029】処理方法は、イオン交換樹脂を充填し塔に
有機溶媒を上方あるいは下方より通液し脱水する方法
や、攪拌機を有する槽内でイオン交換樹脂と有機溶媒を
混合する方法などがあるが、有機溶媒より水分を除去す
ることができるのであれば、その処理方法に特に制約は
ない。ただし、処理温度については10〜50℃程度が
適当であり、通液する有機溶媒を該温度にまで冷却する
必要がある。通液する有機溶媒が高温であると、イオン
交換樹脂に吸着された水分が脱着し易くなり、結果的に
水分吸着能力が低下することになるので好ましくない。
【0030】イオン交換樹脂の処理量は、イオン交換樹
脂による脱水を開始してから重合終結までに反応系より
留出する生成水に対し10〜1000重量倍の乾燥イオ
ン交換樹脂を使用するのが適当である。特に、攪拌槽を
用いるような流動相における脱水処理の場合は、該生成
水に対し500〜1000重量倍の乾燥イオン交換樹脂
を使用するのが好ましい。イオン交換樹脂量が少ない場
合、生成水の除去が不十分となり、加水分解反応による
分子量の低下によって所望の分子量にまで到達させられ
なくなる。イオン交換樹脂量が過剰の場合は、所望の分
子量の製品を生産するうえでの問題はないが、装置規模
や再生に要するエネルギーおよび用役面での不利が大き
く効率的でない。
【0031】イオン交換樹脂は、再生乾燥させて繰り返
し本発明方法における有機溶媒の乾燥剤として再利用す
ることができる。再生乾燥方法は、樹脂を充填塔に充填
したままの状態あるいは回収して任意の乾燥機中で、窒
素、空気等他の不活性なガスを通気し、100〜130
℃の条件で行う。排出される気体に同伴する有機溶媒は
冷却凝縮させて反応に使用する有機溶媒として再利用す
ることができる。イオン交換樹脂に吸着した水分および
付着した有機溶媒が除去されるにつれ、排気温度が徐々
に乾燥温度付近にまで上昇し、完全に除去されると排気
温度の上昇がなくなるので、これにより再生乾燥の終点
を見極めることができる。
【0032】本発明方法で使用する生成水の除去方法
は、脂肪族ポリヒドロキシカルボン酸の製造、脂肪族多
価カルボン酸と脂肪族多価アルコールを原料とする脂肪
族ポリエステル類の製造や脂肪族ヒドロキシカルボン酸
と脂肪族多価カルボン酸および脂肪族多価アルコールか
らなる脂肪族ポリエステル共重合体の製造等のように、
直接生成水の除去を行いながら重縮合を進める重合系
や、溶媒中の水分の厳密な除去を必要とするその他の反
応系に応用することが可能である。
【0033】本発明の方法により、色調の優れた高品質
で高分子量の脂肪族ポリエステルを安定かつ効率よく製
造することができる。
【0034】本発明方法では、重縮合中の熱劣化による
着色を抑えるために着色防止剤を添加して重縮合を行っ
ても良い。使用される着色防止剤としては、リン酸、リ
ン酸トリフェニル、ピロリン酸、亜リン酸、亜リン酸ト
リフェニル等のリン化合物が好ましい。その添加量は、
ポリマーに対して0.01〜5重量%、より好ましくは
0.5〜2重量%である。0.01重量%未満では着色
防止効果が小さくなり、5重量%以上では、さらなる着
色防止の効果は薄く、重合度が上がらないことがある。
【0035】
【実施例】以下に、本発明における実施例を記載する
が、本発明は以下に記載する方法および装置に限定され
るものではない。
【0036】本明細書記載のポリマ−の分子量は、Sh
odex GPC system−11(昭和電工製)
を用い、クロロホルム溶媒、カラム温度40℃の条件で
測定した。Mw値はポリスチレン換算値である。また、
YI値は、カラーコンピューター(スガ試験機製)を用
い、厚さ2mmのプレスシートを作成して求めた。
【0037】なお、乾燥剤に対する乳酸およびラクタイ
ドの吸着平衡は、以下のようにして測定された。乾燥剤
はモレキュラーシーブ3A(MS)およびイオン交換樹
脂レバチットS100(バイエル社製、対イオンにナト
リウムイオンを有するスルホン酸基を交換基とする強酸
性陽イオン交換樹脂)が用いられた。乳酸またはラクチ
ド(LTD)を所定濃度溶解しているo−ジクロロベン
ゼン100gに、乾燥剤5gを加え、所定温度で3時間
攪拌し、その時点でo−ジクロロベンゼン中の溶質濃度
を測定して、仕込み濃度との差より吸着量を算出した。
【0038】実施例1 温度計、攪拌翼、コンデンサーおよび留出管を備えた5
00mlの4つ口フラスコに、90%L−乳酸104.
2gを装入し、140℃で3時間系外へ水を除去しなが
ら加熱攪拌した。次に留出管を取り外し、代わりにディ
ーンシュタックトラップを取り付け、更にSn粉0.3
8g、o−ジクロロベンゼン75gを加え、140℃/
8Hr/200〜250mmHgで加熱還流させた。こ
の時、還流するo−ジクロロベンゼンと生成水との混合
物をディーンシュタックトラップ内で分離させ、水滴が
反応系に戻らないようにして下相のo−ジクロロベンゼ
ンのみを常時反応系に戻した。次に、ディーンシュタッ
クトラップを取り外し、代わりにイオン交換樹脂(レバ
チットS100 バイエル社製)50gを充填した管を
取り付け、還流により留出する溶媒がイオン交換樹脂を
通って系内へ戻るようにした。反応条件を140℃/2
00〜250mmHgに設定し、10時間反応させた
後、110℃/80〜90mmHgの条件とし10時間
反応させた。反応終了後、反応マスにクロロホルム40
0mlを加え、溶解した後吸引濾過し錫粉末を除去し
た。得られたクロロホルム溶液にメタノール1400m
lを加え、析出した白色固体のポリ乳酸を濾別し乾燥し
た。収量71.4g、収率は95.2%、重量平均分子
量163,000、プレスシートのYI値は1.8であ
った。
【0039】実施例2 実施例1で使用したイオン交換樹脂を充填した管を反応
装置より取り外し、樹脂層の上部より下部に流通するよ
うに窒素を5l/hrで通気し、系を120℃に加熱し
て3時間乾燥させて再生した。そして、実施例1と同様
の装置、操作でもって90%L−乳酸104.2gを脱
水、縮合させた後、再生したイオン交換樹脂50gを充
填した管を取り付け、溶媒を脱水、還流させながら、1
40℃/200〜250mmHgの条件で10時間、1
10℃/80〜90mmHgの条件で10時間反応させ
た。反応終了後の処理も同様に行いポリ乳酸粉体を得
た。収量72.0g、収率は96.0%、重量平均分子
量165,000、プレスシートのYI値は1.8であ
った。
【0040】実施例3〜15 以下同様にしてイオン交換樹脂を繰り返し再生して反応
に使用した。得られたポリ乳酸の収率、重量平均分子
量、プレスシートのYI値を表1(表1)に示す。
【0041】比較例1 温度計、攪拌翼、コンデンサーおよび留出管を備えた5
00mlの4つ口フラスコに、90%L−乳酸104.
2gを装入し、140℃で3時間系外へ水を除去しなが
ら加熱攪拌した。次に留出管を取り外し、代わりにディ
ーンシュタックトラップを取り付け、更にSn粉0.3
8g、o−ジクロロベンゼン75gを加え、140℃/
8Hr/200〜250mmHgで加熱還流させた。こ
の時、還流するo−ジクロロベンゼンと生成水との混合
物をディーンシュタックトラップ内で分離させ、水滴が
反応系に戻らないようにして下相のo−ジクロロベンゼ
ンのみを常時反応系に戻した。次に、ディーンシュタッ
クトラップを取り外し、代わりにモレキュラーシーブ3
A50gを充填した管を取り付け、還流により留出する
溶媒がモレキュラーシーブ3Aを通って系内へ戻るよう
にした。反応条件を140℃/200〜250mmHg
に設定し、10時間反応させた後、110℃/80〜9
0mmHgの条件とし10時間反応させた。反応終了
後、反応マスにクロロホルム400mlを加え、溶解し
た後吸引濾過し錫粉末を除去した。得られたクロロホル
ム溶液にメタノール1400mlを加え、析出した白色
固体のポリ乳酸を濾別し、乾燥した。収量71.1g、
収率は94.8%、重量平均分子量158,000、プ
レスシートのYI値は1.9であった。
【0042】比較例2 比較例1で使用したモレキュラーシーブ3Aを充填した
管を反応装置より取り外し、樹脂層の上部より下部に流
通するように窒素を5l/hrで通気し、系を250℃
に加熱して3時間乾燥させて再生した。そして、比較例
−1と同様の装置、操作でもって90%L−乳酸10
4.2gを脱水、縮合させた後、再生したモレキュラー
シーブ3A50gを充填した管を取り付け、溶媒を脱
水、還流させながら、140℃/200〜250mmH
gの条件で10時間、110℃/80〜90mmHgの
条件で10時間反応させた。反応終了後の処理も同様に
行いポリ乳酸粉体を得た。収量70.6g、収率は9
4.1%、重量平均分子量155,000、プレスシー
トのYI値は2.3であった。
【0043】比較例3〜15 以下同様にしてモレキュラーシーブ3Aを繰り返し再生
して反応に使用した。得られたポリ乳酸の収率、重量平
均分子量、プレスシートのYI値を表1(表2)に示
す。
【0044】モレキュラーシーブ3Aを繰り返し再生し
て反応に使用した場合に比べ、イオン交換樹脂を再生使
用した場合の方が、安定して良好な色調の製品を得るこ
とができた。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】実施例16 温度計、攪拌翼、コンデンサーおよび留出管を備えた5
00mlの4つ口フラスコに、コハク酸58.8g、
1,4−ブタンジオール44.9g、酸化錫0.86g
を装入し、140℃で3時間系外へ水を除去しながら加
熱攪拌した。次に留出管を取り外し、代わりにイオン交
換樹脂(レバチットS100 バイエル社製)50gを
充填した管を取り付け、還流により留出する溶媒がイオ
ン交換樹脂を通って系内へ戻るようにした。o−ジクロ
ロベンゼン285gを加え、110℃/90mmHgで
加熱還流させた。20時間反応させた後、反応マスにク
ロロホルム400mlを加え、溶解した後吸引濾過し錫
粉末を除去した。得られたクロロホルム溶液にメタノー
ル1400mlを加え、析出した白色固体のポリブチレ
ンサクシネートを濾別し乾燥した。収量82.9g、収
率は96.7%、重量平均分子量133,000であっ
た。プレスシートは純白色となった。
【0048】実施例17 実施例16で使用したイオン交換樹脂を実施例2と同様
の操作で再生し、それを用いて実施例16と同様の操作
でポリブチレンサクシネートを合成した。収量83.3
g、収率は、97.2%、重量平均分子量は130,0
00であった。プレスシートは純白色となった。
【0049】実施例18〜20 以下同様にしてイオン交換樹脂を繰り返し再生して反応
に使用した。得られたポリブチレンサクシネートの収
率、重量平均分子量、プレスシートの色調を表2(表
3)に示す。
【0050】比較例16 乾燥剤にモレキュラーシーブ3Aを用いた以外は、実施
例16と同様の操作でポリブチレンサクシネートを合成
した。収量83.0g、収率は96.8%、重量平均分
子量は129,000であった。プレスシートは純白色
となった。
【0051】比較例17 比較例16で使用したモレキュラーシーブ3Aを比較例
2と同様の操作で再生し、それを用いて実施例16と同
様の操作でポリブチレンサクシネートを合成した。収量
81.9g、収率は、95.6%、重量平均分子量は1
31,000であった。プレスシートは純白色となっ
た。
【0052】比較例18〜20 以下同様にしてモレキュラーシーブ3Aを繰り返し再生
して反応に使用した。得られたポリブチレンサクシネー
トの収率、重量平均分子量、プレスシートの色調を表2
(表3)に示す。
【0053】
【表3】
【0054】実施例21 温度計、攪拌翼、コンデンサーおよびイオン交換樹脂
(レバチットS100、バイエル社製)50gを充填し
た管を備えた500mlの4つ口フラスコに、重量平均
分子量1.2万のブチレンサクシネートポリマー17.
2g、重量平均分子量1.6万の乳酸ポリマー64.9
g、o−ジクロロベンゼン250g、酸化錫0.45g
を装入し、110℃/90mmHgで加熱還流させ、留
出する溶媒がイオン交換樹脂を通って系内へ戻るように
した。30時間反応させた後、反応マスにクロロホルム
400mlを加え、溶解した後吸引濾過し錫粉末を除去
した。得られたクロロホルム溶液にメタノール1400
mlを加え、析出した白色固体のポリ乳酸−ポリブチレ
ンサクシネートコポリマーを濾別し乾燥した。収量8
0.1g、収率は97.6%、重量平均分子量132,
000、プレスシートのYI値は2.0であった。
【0055】実施例22 実施例21で使用したイオン交換樹脂を実施例2と同様
の操作で再生し、それを用いて実施例16と同様の操作
でポリ乳酸−ポリブチレンサクシネートコポリマーを合
成した。収量79.4g、収率は、96.8%、重量平
均分子量は132,000、プレスシートのYI値は
1.9であった。
【0056】実施例23〜25 以下同様にしてイオン交換樹脂を繰り返し再生して反応
に使用した。得られたポリ乳酸−ポリブチレンサクシネ
ートコポリマーの収率、重量平均分子量、プレスシート
のYI値を表3(表4)に示す。
【0057】比較例21 乾燥剤にモレキュラーシーブ3Aを用いた以外は、実施
例21と同様の操作でポリ乳酸−ポリブチレンサクシネ
ートコポリマーを合成した。収量79.1g、収率は9
6.4%、重量平均分子量は134,000であった。
プレスシートのYI値は2.0であった。
【0058】比較例22 比較例21で使用したモレキュラーシーブ3Aを比較例
2と同様の操作で再生し、それを用いて実施例21と同
様の操作でポリ乳酸−ポリブチレンサクシネートコポリ
マーを合成した。収量78.8g、収率は、96.0
%、重量平均分子量は122,000であった。プレス
シートのYI値は2.5であった。
【0059】比較例23〜25 以下同様にしてモレキュラーシーブ3Aを繰り返し再生
して反応に使用した。得られたポリ乳酸−ポリブチレン
サクシネートコポリマーの収率、重量平均分子量、プレ
スシートのYI値を表3(表4)に示す。
【0060】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、乾燥剤に対する乳酸およびラクタイド
の吸着平衡を表す。図1は、乳酸およびラクタイドがモ
レキュラシーブに吸着されるが、対イオンにナトリウム
イオンを有するスルホン酸基を交換基とする強酸性陽イ
オン交換樹脂に殆ど吸着しないことを示す。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a1)脂肪族ヒドロキシカルボン酸、
    (a2)脂肪族ヒドロキシカルボン酸のポリマー、(a
    3)脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコール、お
    よび(a4)脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価アルコ
    ールのポリマーからなる群から選ばれた少なくとも1種
    (A)を、触媒の存在下、有機溶媒中で加熱還流し、留
    出する生成水を含んだ有機溶媒を乾燥剤で処理して再び
    反応系内に戻すことにより脱水重縮合し脂肪族ポリエス
    テルを製造する方法において、乾燥剤にイオン交換樹脂
    を用い、反応終了後にこれを再生乾燥して次の反応に繰
    り返し使用することを特徴とする脂肪族ポリエステルの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 イオン交換樹脂が、対イオンにナトリウ
    ムイオンを有するスルホン酸基を交換基とする強酸性陽
    イオン交換樹脂である請求項1記載の脂肪族ポリエステ
    ルの製造方法。
  3. 【請求項3】 (A)が(a1)脂肪族ヒドロキシカル
    ボン酸および/または(a2)脂肪族ヒドロキシカルボ
    ン酸のポリマーである請求項1又2記載の脂肪族ポリエ
    ステルの製造方法。
  4. 【請求項4】 脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸であ
    る請求項3記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  5. 【請求項5】 (A)が(a3)脂肪族多価カルボン酸
    と脂肪族多価アルコールおよび/または(a4)脂肪族
    多価カルボン酸と脂肪族多価アルコールのポリマーであ
    る請求項1または2記載の脂肪族ポリエステルの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 脂肪族多価カルボン酸がコハク酸であ
    り、脂肪族多価アルコールが1,4−ブタンジオールで
    ある請求項5記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  7. 【請求項7】 (A)が(a1)脂肪族ヒドロキシカル
    ボン酸と(a3)脂肪族多価カルボン酸と脂肪族多価ア
    ルコールの混合物である請求項1または2記載の脂肪族
    ポリエステルの製造方法。
  8. 【請求項8】 脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸であ
    り、脂肪族多価カルボン酸がコハク酸であり、脂肪族多
    価アルコールが1,4−ブタンジオールである請求項7
    記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  9. 【請求項9】 (A)が(a2)脂肪族ヒドロキシカル
    ボン酸のポリマーと(a4)脂肪族多価カルボン酸と脂
    肪族多価アルコールのポリマーとの混合物である請求項
    1または2記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
  10. 【請求項10】 脂肪族ヒドロキシカルボン酸が乳酸で
    あり、脂肪族多価カルボン酸がコハク酸であり、脂肪族
    多価アルコールが1,4−ブタンジオールである請求項
    9記載の脂肪族ポリエステルの製造方法。
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