JPH10120572A - 局所的眼薬組成物及びそのためのプロスタグランジン化合物 - Google Patents

局所的眼薬組成物及びそのためのプロスタグランジン化合物

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JPH10120572A
JPH10120572A JP33290994A JP33290994A JPH10120572A JP H10120572 A JPH10120572 A JP H10120572A JP 33290994 A JP33290994 A JP 33290994A JP 33290994 A JP33290994 A JP 33290994A JP H10120572 A JPH10120572 A JP H10120572A
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ルイス ジュニア. デサンティス,
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ダブリュー. チンケ,ポール
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イー. ビショップ,ジョン
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ピーター ジー. クリムコ,
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ロバート ディー. セリア,
Thomas R Dean
トーマス アール. ディーン,
Mark R Herberg
マーク アール. ヘルベルグ,
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 副作用を伴うことなく緑内障および高眼圧症
を治療するのに有効なプラスタグランジン化合物、およ
びそれを含有する局所的眼薬組成物を提供する。 【構成】 下記一般式のいずれかで示されるプロスタグ
ランジン化合物を含む局所的眼薬組成物。 【化1】 【化2】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、緑内障及び高眼圧症の
治療のためのプロスタグランジン類およびプロスタグラ
ンジン同族体に関する。ここで、用語「プロスタグラン
ジン」及び「PG」は、特記しない限り、プロスタグラ
ンジン及びその誘導体、及びその同族体を意味する。
【0002】
【従来の技術】天然に産するプロスタグランジンは、眼
への局所的投与の後、眼内圧(IOP)を低下すること
が知られているが、しかし、一般に、炎症、並びに結膜
の充血及び水腫によって特徴づけられる表面刺激を引き
起こす。多くの合成プロスタグランジン類が眼内圧を低
下させることが観察されているが、しかし、それらの化
合物はまた上記した副作用を生じる。プロスタグランジ
ン類による目の副作用を克服する種々の試みがなされて
いる。スジェルンシャンツ(Stjernschant
z)他(EP364,417B1)は、IOP低下効果
を維持しながら、望ましくない副作用を選択的に除去す
るために天然に産するプロスタグランジンの誘導体また
は同族体を合成した。上野(Ueno)他(EP33
0,511A2)およびホイーラー(Wheeler)
(EP435,682A2)等は、種々のシクロデキス
トリン類でプロスタグランジン類を錯化することを試み
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記のような実情に鑑みてなされたものであ
る。すなわち、本発明の目的は、副作用を伴うことなく
眼内圧を低下するのに有効なプラスタグランジンを提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】或るD系列のプロスタグ
ランジン同族体が、他の公知のプロスタグランジンに比
してIOPの低下に著しく有効であることが思いがけな
く発見された。特に、本発明のプロスタグランジン同族
体は、D系列のプロスタグランジンの目への局所投与に
よってしばしば引き起こされる重大な炎症または副作用
を伴うことなく、他の公知のPGに比べてより大きな度
合でIOPを低下することが思いがけなくも発見され
た。
【0005】本発明の組成物において有用なプロスタグ
ランジン類は、下記の一般式(I)または(II)を有す
る。
【化7】
【0006】〔式中、R1 =CO2 2 (ここで、R2
=H、カチオン性塩成分、または眼科的に受容可能なア
ンモニウム成分)、またはR1 は眼科的に受容可能なエ
ステル成分を表してもよい; X=いずれかの立体配置のハロゲン、特にClまたは
F; Y=CH2 またはO;
【数2】 3 、R4 は同一または異なっていてもよく、遊離又は
官能的に変性されたヒドロキシル基; n=0又は1〕
【0007】
【化8】
【0008】〔式中、R1 =CH2 RまたはCO
2 4 ; R=OHまたは官能的に変性されたヒドロキシ基;R2
およびR3 は、同一または異なっていてもよく、Hおよ
びCH3 から選択される; R4 =H、カチオン性塩成分、眼科的に受容可能なアン
モニウム成分、置換または非置換アルキル、シクロアル
キル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリー
ルアルキル、ヘテロアリール、または(ヘテロアリー
ル)アルキル(ここで置換基はアルキル、ハロゲン、遊
離または官能的に変性されたヒドロキシ基、または遊離
または官能的に変性されたチオール基を含む); W=CH2 、O、またはS(O)(ここで、m=0、
1、2) A=CH2 CH2 、シスまたはトランスCH=CH、ま
たはエチニレン基; X=いずれかの立体配置のCl、FまたはR、または
H;Z11は、O(すなわちカルボニル)、いずれかの立
体配置のHおよびR、またはHおよびHから選択され
る;Z15は、O(すなわちカルボニル)、いずれかの立
体配置のHおよびR、またはHおよびHから選択され
る; Y=CH2 CH2 またはトランスCH=CH、またはエ
チニレン基;および n=0又は1〕
【0009】本明細書において用いる用語「眼科的に受
容可能なエステル成分」とは、無毒性であり、眼の組織
に著しい刺激を引き起こさないエステル成分を意味す
る。式(I)の化合物に関して、眼科的に受容可能なエ
ステル成分の例としては、それらに限定されるものでは
ないが、R2 =置換又は無置換アルキル、シクロアルキ
ル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリール
アルキル、ヘテロアリール、又は(ヘテロアリール)ア
ルキルがあげられ、それらの置換基としては、アルキ
ル、ハロゲン、遊離又は官能的に変性されたヒドロキシ
基、又は遊離又は官能的に変性されたチオール基があげ
られる。本明細書において用いる用語「ヘテロアリー
ル」とは、フラン、チオフェン、ピロール、ピラゾー
ル、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキ
サゾール、イソチアゾール、チアゾール、チアジアゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピラダジンおよびピラジン
のようなC、N、O及び/又はSよりなる5又は6原子
の単環系を意味する。用語「官能的に変性されたヒドロ
キシ基」とは、エーテル化されたヒドロキシ基およびア
シル化された(エステル化された)ヒドロキシル基のい
ずれかを意味する。同様に、用語「官能的に変性された
チオール」とは、アルキル化されたチオールを意味す
る。
【0010】一般式(I)の好ましい化合物としては、
1 =CO2 2 ;R2 =H、メチル、エチル、n−プ
ロピル、イソプロピル、t−ブチル又はベンジル;X=
β(R)配置のCl;Y=O又はCH2 ;R3 及びR4
=OH;及びn=1の化合物があげられる。一般式
(I)の最も好ましい化合物としては、R1 =CO2
2;R2 =H、メチル、エチル、イソプロピル、又はt
−ブチル;X=β(R)配置のCl;Y=O;R3 及び
4 =OH;及びn=1の化合物があげられる。一般式
(II)の好ましい化合物としては、W=CH2 または
O;A=シスCH=CH;X=ClまたはH;Z11=い
ずれかの立体配置のR及びH、またはH及びH;Y=C
2 CH2 またはトランスCH=CH;及びn=1の化
合物があげられる。一般式(II)の特に好ましい化合物
としては、R2 、R3 =H;X=β(R)立体配置のC
lまたはH;Z11=いずれかの立体配置のH及びR;Z
15=いずれかの立体配置のH及びR;R1 =CO
2 4 ;およびR4 =H、カチオン性塩成分、または置
換または無置換C1 〜C10アルキルである化合物があげ
られる。
【0011】一般式(II)の化合物のあるものは新規で
ある。一般式(II)の新規な化合物としては、R1 =C
2 R、CO2 4 ;R=OH又は官能的に変性された
ヒドロキシル基;R2 およびR3 は、同一または異なっ
ていてもよく、HおよびCH3 から選択される;R4
H、カチオン性塩成分、置換または非置換アルキル、シ
クロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリー
ル、アリールアルキル、ヘテロアリール、または(ヘテ
ロアリール)アルキル基(ここで置換基はアルキル、ハ
ロゲン、遊離または官能的に変性されたヒドロキシ基、
または遊離または官能的に変性されたチオール基を含
む);W=O、S(O)(ここで、m=0、1、
2);A=CH2 CH2 、シスまたはトランスCH=C
H、またはエチニレン基;X=H;Z11及びZ15は、同
一又は異なり、O(すなわちカルボニル)、いずれかの
立体配置のHおよびR、またはHおよびHから選択され
る;Y=CH2 CH2 またはトランスCH=CH、また
はエチニレン基;およびn=0又は1である化合物があ
げられる。
【0012】一般式(II)の好ましい新規な化合物とし
ては、R1 =CO2 4 ;R2 及びR3 =H;R4
H、カチオン性塩成分、または置換または無置換C1 〜
C10アルキル;W=O;A=シスCH=CH;Z11=い
ずれかの立体配置のRおよびH;Y=CH2 CH2 また
はトランスCH=CH;、Z15=いずれかの立体配置の
RおよびH;及びn=0又は1である化合物があげられ
る。
【0013】下記表1ないし表5に、本発明の好ましい
化合物の例を示す。
【表1】
【0014】
【表2】
【0015】
【表3】
【0016】
【表4】
【0017】
【表5】
【0018】上記したプロスタグランジン類のあるもの
は、US5,004,752(Raduechel他)
及びEP299,914(Buchmann他)に開示
されている。US5,004,752及びEP299,
914が本発明のプロスタグランジン類の製造を教示す
る範囲において、これらの特許は本明細書で参照され
る。さらに、上記表1ないし表5のプロスタグランジン
類の幾つかのものの合成を、以下の実施例1〜12に詳
記する。
【0019】次の実施例1〜12において、次の省略基
準が用いられる。g=グラム(mg=ミリグラム),m
ol=モル(mmol=ミリモル)、mol%=モル
%、mL=ミリリットル、mmHg=水銀柱のミリメー
トル、mp=融点、bp=沸点、h=時間、min=
分。さらに「NMR」は、核磁気共鳴スペクトル、「C
IMS」は、化学的イオン化マススペクトロメトリーを
意味する。
【0020】実施例1(化合物(V)の合成)
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】A:ジメチル(2−シクロヘキシル−2−
オキソ)エチルホスホネート(2):ジメチル−メチル
ホスホネート(100g、0.8mol)を1.0Lの
無水THFに溶解した溶液を−70℃に冷却し、そして
n−BuLi(ヘキサン中2.5M;320mL、0.
8mol)を、温度が−60℃以下に維持されるように
滴下した。混合物を−70℃において10分間撹拌し、
次いでメチルヘキサンカルボキシレート(57.3m
L、0.4mol)を、注射器によって15分間にわた
って滴下した。次いで得られた混合物を室温で14時間
撹拌した。最初0℃に冷却して反応を沈静化し、次いで
水層がpH2になるまで2M HClを添加した。層を
分離し、そして水層を2×200mLのCH2 Cl2
抽出した。有機層を合体し、水及び食塩水の各200m
Lで洗浄し、次いで乾燥した(MgSO4 )。濾過及び
溶剤の除去により、黄色の油状物が得られ、それを真空
蒸溜して、67.3g(72%)の化合物(2)を透明
な無色液体として得た。bp100〜115℃(0.0
1mmHg); 1HNMR(CDCl3 )δ 3.74
(d,J=12.0Hz,6H)、3.08(d,J=
22Hz,2H)、2.55(m,1H)、1.95〜
1.60(m,5H)、1.40〜1.15(m,5
H)。
【0023】B:(3aR,4R,5R,6aS)−5
−(ベンゾイルオキシ)−4−[(E)−3−シクロヘ
キシル−3−オキソ−1−プロペニル]−ヘキサヒドロ
−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(4):
無水THF(1.4L)、LiCl(11.7g、0.
28mol)およびホスフォネート2(67.0g、
0.28mol)の溶液を0℃に冷却し、そしてトリエ
チルアミン(39.2mL、0.28mol)を滴下し
た。乾燥CH2 Cl2 (320mL)中にアルデヒド3
(68.5g、0.25mol)を含む溶液を、冷却し
た懸濁液に滴下し、そして得られた混合物を0℃で3時
間撹拌した。反応混合物を、次いで500mLの2M
HCl中に注入し、そして層を分離した。水層を500
mLのCH2 Cl2 で抽出した。合体した有機層を各1
00mLの水および食塩水で洗浄し、次いでMgSO4
で乾燥した。濾過及び溶剤の除去により、黄色の固体が
得られ、それをEtOAcから再結晶して、85.8g
(89%)の化合物(4)を白色固体として得た。mp
151〜153℃; 1HNMR(CDCl3 )δ 8.
01(d,J=2.0Hz,2H)、7.65−7.4
0(m,3H)、6.70(dd,J=12.6Hz,
1H)、6.35(d,J=12Hz,1H)、5.3
2(m,1H)、5.15(m,1H)、2.93
(m,3H)、2.72−2.25(m,4H)、1.
85−1.56(m,6H)、1.40−1.15
(m,5H)。
【0024】C:(3aR,4R,5R,6aS)−5
−(ベンゾイルオキシ)−4−[(E)−(3S)−3
−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ−1−プロペニル]
−ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2
−オン(5):150mLのCH3 OHおよび70mL
のCH2 Cl2 中にCeCl3 ・7H2 O(19.5
g、52.3mmol)およびエノン(4)(20.0
g、52.3mmol)を含む溶液を準備した。NaB
4 (1.92g、52.3mmol)を少量ずつ5分
間にわたって添加した。得られた混合物を周囲温度で4
5分間撹拌し、次いで25%(v/v)酢酸水溶液およ
びCH2 Cl2 のそれぞれ100mLを含む分離漏斗に
注いだ。層を分離し、水層を3×50mLのCH2Cl
2 で抽出した。有機層を合わせて飽和NaHCO3 (5
0mL)および食塩水(50mL)で洗浄し、次いで乾
燥した(MgSO4 )。溶剤除去に際して、2つのアリ
ルアルコールのジアステレオマーをほぼ等量含む23.
7gの無色油状物を得た。ジアステレオマーをHPLC
(40%EtOAc/ヘキサン)で分離して、化合物
(5)(9.34g(46%)、より低い極性の成分)
を白色固体として得た。 1HNMR(CDCl3 )δ
8.01(d,J=8Hz,2H)、7.62−7.2
8(m,3H)、5.61(m,2H)、5.25
(m,1H)、5.08(m,1H)、3.85(m,
1H)、2.95−2.45(m,5H)、2.30
(m,2H)、1.95−1.55(m,6H)、1.
50−0.80(m,5H)。
【0025】D:(3aR,4R,5R,6aS)−4
−[(3R)−3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシプ
ロピル]−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−2H−シク
ロペンタ[b]フラン−2−オン(7):温メタノール
(100mL)中にアリルアルコール(5)(10.0
g、26.0mmol)を含む溶液を周囲温度に冷却し
た。無水K2 CO3 (3.6g、26.0mmol)を
加え、得られた混合物を周囲温度で3時間撹拌した。反
応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcおよび1M HC
lのそれぞれ100mLの間に分配した。層を分離し、
水層を3×50mLのEtOAcで抽出した。合体した
有機層を50mLの水、2×50mLの飽和NaHCO
3 、50mLの食塩水で洗浄し、次いでMgSO4 で乾
燥した。濾過および蒸発によりジオール(6)(9.8
g、収率92%、R=0.26、100%EtOA
c)を得た。それをさらに精製することなく次の反応に
使用した。
【0026】粗製ジオール(6)(9.8g、26mm
ol)を50mLのEtOAcに溶解し、そして触媒量
(0.1g)の5%Pd/Cを加えた。混合物をパール
(Parr)水素化装置で30〜40psiにおいて3
時間水素化し、次いでセライト(Celite)の詰め
物を通して濾過した。濾液を濃縮し、粗製の黄色油状物
をシリカ(Rf =0.26、EtOAc)の短いカラム
を通すことによって精製して、化合物(7)(5.06
g、化合物(5)からの収率70%)を、静置により固
化する無色の粘稠な油状物として得た。 1HNMR(C
DCl3 )δ4.95(m,1H)、4.05(m,1
H)、3.35(m,1H)、2.80(m,1H)、
2.58(m,2H)、2.30(m,1H)、2.0
0(m,14H)。
【0027】E:(3aR,4R,5R,6aS)−4
−[(3R)−3−シクロヘキシル−3−(テトラヒド
ロピラン−2−イルオキシ)プロピル]−ヘキサヒドロ
−5−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−2H
−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(8):CH2
Cl2 (100mL)中にジオール(7)(6.0g、
21.2mmol)およびジヒドロピラン(7.80m
L、84.8mmol)を含む溶液を0℃に冷却した。
触媒量のp−TsOH(0.05g、0.26mmo
l)を添加し、そして混合物を0℃で30分間撹拌し
た。次いで飽和NaHCO3 水溶液(10mL)を添加
することによって反応を停止した。層を分離し、水層を
2×25mLのCH2 Cl2 で抽出した。合体した有機
層を無水K2 CO3 で乾燥し、濾過し、濃縮して、無色
油状物を得た。それをシリカの短カラムを通過させるこ
とによって精製した(Rf =0.46、1:1EtOA
c/ヘキサン)。ビスTHPエーテル(8)(8.59
g、収率89%)を、静置により固化する無色油状物と
して単離した。 1HNMR(CDCl3 )δ(特徴ある
ピークのみ)5.00(m,1H)、4.75〜4.4
5(m,2H)、3.85(m,2H)、3.60〜
3.30(m,4H)。
【0028】F:(9S、11R,15R)−11,1
5−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−1
5−シクロヘキシル−2,3,4,5,6,16,1
7,18,19,20−デカノル−9−(トリエチルシ
リルオキシ)プロスタノール トリエチルシリルエーテ
ル(10):50mLの無水THF中にリチウムアルミ
ニウム水素化物(1.43g、38.0mmol)を含
む懸濁液を0℃に冷却し、そしてTHF(100mL)
中にラクトン(8)(8.59g、19.0mmol)
を含む溶液を滴下した。次いで、得られた混合物を0℃
で3時間撹拌し、その後、1.5mLのH2 O、1.5
mLの15%NaOHおよび4.5mLのH2 Oを続い
て添加した。周囲温度に加温した後、100mLのEt
OAcを添加しそして固形物を濾過した。フィルターケ
ーキを3×50mLのEtOAcで十分に洗浄し、濾液
を無水MgSO4 の短パッドを通過させることによって
乾燥した。蒸発により化合物(9)(9.02g)を無
色油状物として得た。それはさらに精製することなく次
の工程で使用した。(Rf =0.31、80:20 E
tOAc/ヘキサン)。粗製ジオール(9)(9.02
g、19.0mmol)、トリエチルシリルクロリド
(9.65mL、57.0mmol)、ジメチルアミノ
ピリジン(0.41g、3.42mmol)、トリエチ
ルアミン(16.0mL、114mmol)および無水
N,N−ジメチルホルムアミド(50mL)の混合物を
周囲温度で14時間N2 の下に撹拌した。次いで、反応
混合物を250mLのCH2 Cl2で希釈し、そして溶
液を3×50mLのH2 Oで洗浄した。有機層を合わせ
て、乾燥し(MgSO4 )、濾過し、濃縮して、黄色油
状物を得た。それをシリカでクロマトグラフ処理した
(Rf =0.4、1:9 EtOAc/ヘキサン)。純
粋な化合物(10)(11.23g、化合物(8)から
の収率86%)をやや黄色の油状物として得た。 1HN
MR(CDCl3 )δ(特徴あるピークのみ)4.62
(m,2H)、4.15〜3.25(ブロードm,7
H)、2.30〜1.15(ブロードm,18H)、
0.95(ブロードt,18H)、0.65(ブロード
q,12H)。
【0029】G:(9S、11R,15R)−11,1
5−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−1
5−シクロヘキシル−2,3,4,5,6,16,1
7,18,19,20−デカノル−9−(トリエチルシ
リルオキシ)プロスタナール(11):CH2 Cl
2 (15mL)中に塩化オキサリル(0.51mL、
0.57mmol)を含む溶液をN2 下で−78℃に冷
却した。次いで、CH2 Cl2 (2.0mL)中に無水
DMSO(0.81mL、11.4mmol)を含む溶
液を滴下した。2分後、8mLの乾燥CH2 Cl2 中に
化合物(10)(2.6g、3.8mmol)を含む溶
液を注射器によって2分間にわたって滴下して導入し
た。得られた混合物を−78℃で2時間撹拌し、その際
トリエチルアミン(2.7mL、19.0mmol)を
添加した。反応物を15分間撹拌し、次いで周囲温度ま
で加温した。混合物を100mLのEtOAcおよび1
0mLのH2 Oの間に分割し、水層をさらに10mLの
2 O、10mLの食塩水で洗浄し、乾燥した(MgS
4 )。溶剤の除去により黄色の油状物を得た。それを
シリカゲルでクロマトグラフ処理して(Rf =0.2、
10%EtOAc/ヘキサン)、化合物(11)(1.
4g、収率65%)およびいくらかの出発物質(0.8
3g)を得た。 1HNMR(CDCl3 )δ 9.80
(ブロードs,1H)、4.62(m,2H)、4.2
0(m,1H)、3.85〜3.60(m,3H)、
3.40(m,3H)、2.80(m,1H)、2.4
5〜2.05(m,4H)、1.95〜1.10(ブロ
ードm,27H)、0.95(ブロードt,9H)、
0.55(ブロードq,6H)。
【0030】H:(5Z)−(9S、11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,16,1
7,18,19,20−オクタノル−9−(トリエチル
シリルオキシ)−5−プロステン酸メチルエステル(1
2):110mLのTHF中に18−クラウン(cro
wn)−6(8.50g、32.1mmol)およびビ
ス(2,2,2−トリフルオロエチル)(メトキシカル
ボニルメチル)ホスホネート(3.72g、11.7m
mol)を含む溶液を−78℃に冷却した。KHMDS
(トルエン中の0.5M溶液、23.4mL、11.7
mmol)を上記混合物に添加し、そして溶液を15分
間撹拌した。アルデヒド(11)(6.11g、10.
7mmol)を5.0mLのTHF中に含む溶液を15
分間にわたって滴下した。反応物を−78℃で2時間撹
拌し、次いで0℃まで加温し、その温度でさらに2時間
撹拌した。飽和NH4 Cl水溶液50mLを加えて反応
を停止し、混合物を室温に加温した。層に分離して、水
層を2×50mLの食塩水で洗浄し、乾燥した(K2
3 )。濾過および溶剤除去により粗製黄色油状物が得
られた。それをシリカの短プラグを通して精製し、化合
物(12)およびそのE異性体の混合物(比率9:1、
6.28g、収率95%)を得た。異性体はシリカゲル
によるクロマトグラフ処理によって分離し(多量および
少量異性体について、それぞれRf =0.56および
0.47、40%Et2 O/ヘキサン)、4.57gの
純粋な化合物(12)および0.97gの1:1E/Z
混合物を単離した。 1HNMR(CDCl3 )δ 6.
35(m,1H)、5.78(ブロードd,J=12.
0Hz,1H)、4.65(m,2H)、4.28
(m,1H)、3.90(m,2H)、3.70(s,
3H)、3.55〜3.30(m,3H)、2.80
(m,2H)、2.35〜2.05(m,1H)、2.
00〜1.10(ブロードm,30H)、0.95(ブ
ロードt,9H)、0.60(ブロードq,6H)。
【0031】I:(5Z)−(9S、11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,16,1
7,18,19,20−オクタノル−9−(トリエチル
シリルオキシ)−5−プロステン−1−オール(1
3):化合物(12)(2.0g、3.22mmol)
を20mLの無水THF中に含む溶液をN2 下で0℃に
冷却した。ジイソブチルアルミニウム水素化物の溶液
(トルエン中1.5M、6.5mL、9.66mmo
l)を滴下し、得られた混合物を0℃で2時間撹拌し
た。次いでCH3 OH(5mL)を注意深く添加するこ
とによって反応を停止し、周囲温度まで加温し、50m
LのTHFで希釈した。得られた濁った溶液を酒石酸ナ
トリウムカリウムの飽和溶液50mLで処理し、2相混
合物を1時間撹拌した。次いで層を分離し、水層を2×
50mLのTHFで洗浄した。有機抽出物を合体し、食
塩水(50mL)で洗浄し、乾燥した(MgSO4 )。
濾過および溶剤除去により淡黄色油状物が得られた。そ
れをシリカゲル(Rf =0.26、4:6Et2 O/ヘ
キサン)でクロマトグラフ処理によって精製して、化合
物(13)(1.95g、収率95%)を無色油状物と
して得た。この化合物は、次の工程で直接用いた。 1
NMR(CDCl3 )δ5.65(m,2H)、4.6
5(m,2H)、4.30〜3.25(ブロードm,5
H)、2.40〜2.05(ブロードm,4H)、2.
00〜1.10(ブロードm,32H)、1.00(ブ
ロードt,9H)、0.60(ブロードq,6H)。
【0032】J:(5Z)−(9S、11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキシ−3−
オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−
5−プロステン酸t−ブチルエステル(15):化合物
(13)(1.95g、3.28mmol)、ブロム酢
酸t−ブチルエステル(5.11g、26.24mmo
l)、テトラブチルアンモニウムハイドロジェンスルフ
ェート(0.8g、2.35mmol)、トルエン(4
5mL)および25%(wt/wt)NaOH(30m
L)水溶液の混合物を室温で18時間激しく撹拌した。
層を分離し、そして水層を2×25mLのEtOAcで
抽出した。合体した有機抽出物を、食塩水(15mL)
で洗浄し、乾燥し(MgSO4 )、濃縮した。粗製生成
物をシリカゲル(Rf 0.56、20%EtOAc/ヘ
キサン)でクロマトグラフ処理によって精製して、2.
19gの化合物(14)(少量のブロム酢酸t−ブチル
エステルで汚染された)および0.48gの原料のアリ
ルアルコール(13)が得られた。このようにして得ら
れたアリルエーテル(14)を、さらに精製することな
く脱シリル反応に使用した。得られたシリルエーテル
(14)(0.5g)を3.0mLのDMSOに溶解
し、そしてそれに2.2mLのテトラブチルアンモニウ
ムフルオリド(THF中の1.0M、2.2mmol)
を加えた。混合物を雰囲気温度で30分間撹拌し、次い
で50mLのEtOAcおよび10mLの食塩水中に分
割した。水層を2×10mLのEtOAcで抽出し、合
体した有機抽出物をMgSO4 で乾燥した。蒸発および
シリカゲル(Rf =0.44、50%EtOAc/ヘキ
サン)によるクロマトグラフ処理によって、0.28g
の化合物(15)を無色油状物として得た。 1HNMR
(CDCl3 )δ 5.65(m,2H)、4.62
(m,2H)、4.16(m,1H)、4.10〜3.
75(m,3H)、3.95(s,2H)、3.45
(m,2H)、2.50〜0.90(ブロードm,35
H)、1.46(s,9H);C34598 (MH+
として算出されたハイレゾリューションCI MS m
/z(CI)595.4209、実測値595.420
8。
【0033】K:(5Z)−(9R、11R,15R)
−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジ
ヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,2
0−ペンタノル−5−プロステン酸t−ブチルエステル
(V):ヒドロキシエステル(15)(0.28g、
0.47mmol)を48.0mLのCH3 CN、0.
79mLのピリジンおよび0.97mLのCCl4 を含
む原料溶液4.0mLに溶解した。トリフェニルホスフ
ィン(0.18g、0.70mmol)を加え、得られ
た混合物を雰囲気温度で17時間撹拌した。反応混合物
をEt2 O/ヘキサンの1:1溶液10mLで処理し、
そして形成した沈澱物を濾過した。濾液を濃縮し、クロ
マトグラフ処理によって精製して(シリカゲル、Rf
0.47、40:60Et2 O/ヘキサン)、純粋な化
合物(16)(90mg、34%)を無色油状物として
得た。化合物(16)(80mg、0.13mmol)
を7.0mLの65%(v/v)酢酸水溶液中に含む溶
液を65〜70℃に45分間加熱した。反応混合物を室
温に冷却し、濃縮した。得られた残留物を無水EtOH
に再溶解し、そして溶媒を再び蒸発した。得られた残留
物をシリカゲル(Rf =0.4、60:40EtOAc
/ヘキサン)によるクロマトグラフ処理によって精製
し、化合物(V)60mg(100%)を無色粘稠な油
状物として得た。 1HNMR(CDCl3)δ 5.6
9(m,2H)、4.32〜3.85(m,5H)、
3.38(m,1H)、2.50〜1.95(m,5
H)、1.95〜0.80(ブロードm,29H)、
1.43(s,9H);13CNMR(CDCl3 )δ1
69.9、131.7、126.8、82.0、75.
6、75.1、67.9、66.6、54.2、51.
0、44.3、43.7、31.4、30.3、30.
1、29.3、28.1、28.0、26.5、26.
3、26.1;C24425Cl(MH+ )として算出
されたハイレゾリューションCI MS m/z44
5.2720、実測値445.2716。
【0034】実施例2(化合物(VI)の合成)
【化11】
【0035】A:(5Z)−(9S、11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキシ−3−
オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−
5−プロステン酸(17):ヒドロキシエステル(1
5)(0.454g、0.76mmol;実施例1参
照)を10mLのメタノールおよび2mLの水に溶解し
た。水酸化リチウム1水和物(0.16g、500モル
%)を添加し、混合物を室温で撹拌した。18時間後
に、20mLの飽和KH2 PO4 水溶液および20mL
のCH2 Cl2 を添加して、層に分離し、そして水層を
さらにCH2 Cl2 (3×20mL)で洗浄した。合体
した有機層をNa2 SO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し
て、0.47gの無色油状物を得た。それを次の反応に
直接使用した。
【0036】B:(5Z)−(9S、11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキシ−3−
オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−
5−プロステン酸イソプロピルエステル(18):上記
の粗製酸(17)(0.23g、0.43mmol)を
10mLのアセトンに溶解した。DBU(0.25m
L、400モル%)およびよう化イソプロピル(0.2
1g、300モル%)を添加し、混合物を室温で12時
間撹拌した。蒸発させた後、残留物をシリカゲルカラム
に塗布し、そしてヘキサン/EtOAc1/1で溶出さ
せて、0.157g(63%)のイソプロピルエステル
(18)を無色油状物として得た。Rf =0.49; 1
HNMR(CDCl3 )δ(特徴とするピークのみ)
5.80〜5.52(m,2H)、5.15(sep,
1H,J=6.2Hz)、4.03(ブロードs,2
H)、1.27(d,6H,J=6.2Hz)
【0037】C:(5Z)−(9R、11R,15R)
−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジ
ヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,2
0−ペンタノール−5−プロステン酸イソプロピルエス
テル(VI):ヒドロキシエステル(18)(0.146
g、0.25mmol)を、48mLのCH3 CN、
0.79mLのピリジンおよび0.97mLのCCl4
を含む原料溶液3.0mLに溶解した。トリフェニルホ
スフィン(0.10g、150モル%)を添加し、そし
て得られた混合物を室温で17時間撹拌した。反応混合
物をEt2 O/ヘキサンの1:1溶液10mLで処理
し、沈澱物を濾過した。濾液を濃縮し、シリカゲルでク
ロマトグラフ処理して(ヘキサン/EtOAc、4/
1)、所望の塩素化物質(19)およびその所望されな
い5,8−ジエン消去物質のほぼ等モル混合物よりなる
無色油状物0.108gを得た。
【0038】10mLの65%(v/v)酢酸水溶液中
に上記粗製物(19)を含む溶液を65℃に45分間加
温した。次いで混合物を室温まで冷却し、濃縮した。得
られた残留物を次いでシリカゲルクロマトグラフィ(ヘ
キサン/EtOAc、2/3)によって精製して、化合
物(VI)およびその5,8−ジエン消去生成物(Rf
0.45)の混合物69mgと共に、27mg(18を
基準にして25%)の純粋な化合物(VI)(Rf =0.
56)を無色油状物として得た。 1HNMR(CDCl
3 )δ 5.67(m,2H)、5.08(sep,1
H,J=6.1)、4.30〜3.95(m,6H)、
3.40(m,1H)、2.35(m,2H)、2.3
0〜2.00(m,3H)、1.93〜1.35(m,
12H)、1.25(d,6H,J=6.2Hz)、
1.22〜0.90(m,6H);13CNMR(CDC
3 )δ170.2、131.8、126.7、75.
7、75.2、68.8、67.6、66.7、61.
2、54.2、51.1、44.4、43.6、31.
4、30.2、30.1、29.3、28.0、26.
5、26.3、26.1、21.8;C23405 Cl
(MH+ )として算出されたハイレゾリューションCI
MS m/z431.2564、実測値431.25
69。
【0039】実施例3(化合物(VII )の合成)
【化12】
【0040】A:(5Z)−(9S、11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキシ−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−5−プロス
テン酸イソプロピルエステル(22):40mLのTH
F中にラクトン(8)(実施例1参照)5.0g(11
mmol)を含む溶液に、トルエン中にジイソブチルリ
チウム水素化物を含む1.5M溶液9.6mL(14.
4mmol)を滴下した。1.5時間後、5mLのMe
OHを添加し、混合物を−78℃において10分間撹拌
し、次いで室温まで加温した。次いで、この溶液を、飽
和NH4 Cl水溶液20mL、EtOAc35mLおよ
び飽和酒石酸ナトリウムカリウム水溶液35mLの混合
物に添加した。混合物を20分間撹拌し、層に分離し、
そして水性層をEtOAc(3×40mL)で洗浄し
た。合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、蒸
発させた。得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフ
ィ(EtOAc/ヘキサン、1/1)によって精製し、
4.5g(90%)のラクトール(20)を得た。それ
は次の反応に直接使用した。
【0041】100mLのTHF中に14.1g(3
1.8mmol)の(1−カルボキシペンチ−5−イ
ル)トリフェニルホスホニウムブロマイドを含む溶液
に、THF中にカリウムt−ブトキシドを含む1M溶液
59mL(59mmol)を滴下した。20分後、TH
F20mL中に4.5g(9.9mmol)のラクトー
ル(20)を含む溶液を滴下した。反応は、2時間後、
EtOAc/飽和NH4 Cl水溶液の1/1(v/v)
混合物150mLに注ぐことによって停止した。層を分
離させそして水性層をEtOAc(3×70mL)で抽
出した。合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過
し、蒸発させて、粗製酸(21)7.6gを油状物とし
て残留させた。粗製酸(21)(7.6g)をアセトン
55mLに溶解し、0℃に冷却し、8.6g(56mm
ol)のDBUを滴下した。反応物を室温に加温し、よ
う化イソプロピル8.5g(50mmol)を滴下し
た。14時間撹拌した後、混合物をEtOAc/飽和N
4 Cl水溶液の1/1(v/v)混合物100mLに
注入した。層に分離させ、水性層をさらにEtOAc
(2×100mL)で抽出した。合体した有機層をMg
SO4 で乾燥し、濾過し、蒸発させ、シリカゲルでクロ
マトグラフ処理して(EtOAc/ヘキサン、2/
3)、1.98g(ラクトール20から35%)の化合
物(22)を得た。 1HNMR(CDCl3 )δ(特徴
あるピークのみ)5.58〜5.28(m,2H)、
4.97(sep,J=6.2Hz,1H)、1.1
(d,J=6.2Hz,6H)。
【0042】B:(5Z)−(9R、11R,15R)
−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジ
ヒドロキシ−16,17,18,19,20−ペンタノ
ル−5−プロステン酸イソプロピルエステル(VII ):
ヒドロキシエステル(22)(513.1mg、0.8
864mmol)を、48.0mLのCH3 CN、0.
79mLのピリジンおよび0.97mLのCCl4 を含
む原料溶液6.6mLに溶解した。トリフェニルホスフ
ィン(348.8mg、150モル%)を添加し、混合
物を室温で45時間撹拌した。次いで反応物を7mLの
Et2 Oおよび14mLのヘキサンで希釈した。10分
間撹拌した後、固形物を濾過し、そして濾液を蒸発し
た。得られた固形物を15mLのヘキサン/Et2
(1/2)で3回抽出した。合体されたヘキサン/Et
2 O洗浄物を濃縮して0.75gの白色固形物を得た。
次いでそれをヘキサン/Et2Oに再溶解し、シリカゲ
ルでクロマトグラフ処理した。ヘキサン/Et2 O(5
/1)で溶出して372.8mgの半純粋な化合物(2
3)を得た。それは次の反応に直接使用した。
【0043】上記の粗製化合物(23)を65%(v/
v)HOAc水溶液20mLに溶解し、室温に加温し
た。1.5時間後、反応物を濃縮し、15mLのH2
を添加し、そして溶液を再び濃縮した。無水EtOH
(15mL)を添加し、次いで再び濃縮した。得られた
油状物をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン/Et
OAc2/1)で精製して、ほぼ等量の5,8−ジエン
副生物で汚染された化合物(VII) の混合物244.1m
gを得た。次いで、8.2gのサンプルを逆相HPLC
によってさらに精製して、純粋な化合物(VII) 4.4m
gを透明粘稠な油状物として得た。 1HNMR(CDC
3 )δ 5.47(m,J=8.5Hz,2H)、
5.01(sep,J=6.3Hz,1H)、4.10
(dt,J=4.0,6.2Hz,1H)、4.04
(q,J=7.6Hz,1H)、3.37(m,1
H)、2.35〜2.24(m,4H)、2.20〜
2.07(m,4H)、1.82(br s,2H)、
1.80〜1.50(m,13H)、1.36〜0.9
6(m,12H);13CNMR(CDCl3 )δ17
3.2、131.0、126.8、76.2、76.
0、67.5、60.8、54.3、51.7、44.
5、43.5、34.0、31.7、30.0、29.
2(2つのオーバーラップした共鳴)、27.9、2
6.6、26.4、26.2、26.1、24.9、2
1.8。C24424 Cl(MH+ )として算出された
ハイレゾリューションCI MS m/z429.27
72、実測値429.2763。
【0044】実施例4(化合物(VIII)の合成)
【化13】
【0045】A:(5Z)−(9R、11R,15R)
−11−(t−ブチルジメチルシロキシ)−9−クロロ
−15−シクロヘキシル−15−ヒドロキシ−3−オキ
サ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−
プロステン酸t−ブチルエステル(24):化合物
(V)(実施例1参照)127mg(0.285mmo
l)、イミダゾール49mg(0.72mmol)、4
−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)10mg
(0.082mmol)及びCH2 Cl2 5mLの混合
物に、t−ブチルジメチルシリルクロリド90mg
(0.59mmol)を添加した。一夜撹拌した後、飽
和されたNH4 Cl10mLを加え、混合物をCH2
2 (3×10mL)で抽出し、合体した有機層をMg
SO4 で乾燥し、濾過しそして濃縮した。残留物をシリ
カゲルクロマトグラフィ(20%酢酸エチル含有ヘキサ
ン)によって精製して、87mg(55%)の化合物
(24)を得た。
【0046】B:(5Z)−(9R、11R,15R)
−11−(t−ブチルジメチルシロキシ)−9−クロロ
−15−シクロヘキシル−15−メトキシ−3−オキサ
−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−プ
ロステン酸t−ブチルエステル(25):80mg
(0.14mmol)の化合物(24)、100mg
(0.52mmol)の2,6−ジ−t−ブチルピリジ
ン、80mg(0.51mmol)のトリフルオロメタ
ンスルホン酸メチル、及び2mLのCH2 Cl2 の混合
物を一夜還流した。反応物を室温に冷却し、10mLの
飽和NaHCO3 水溶液中に注ぎ、CH2 Cl2 (3×
10mL)で抽出し、合体した有機層をMgSO4 で乾
燥し、濾過しそして濃縮した。残留物をシリカゲルクロ
マトグラフィ(10%酢酸エチル含有ヘキサン)によっ
て精製して、35mg(44%)の化合物(25)を得
た。
【0047】C:(5Z)−(9R、11R,15R)
−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11−ヒドロキ
シ−15−メトキシ−3−オキサ−16,17,18,
19,20−ペンタノル−5−プロステン酸t−ブチル
エステル(VIII):32mg(0.056mmol)の
化合物(25)及び1.5mLのTHFの混合物に、T
HF中に1Mテトラブチルアンモニウムフルオリド(T
BAF)を含む溶液0.12mL(0.12mmol)
を加えた。30分後、4mLの飽和NH4 Cl溶液を添
加し、混合物を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。
合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、そして
濃縮した。残留物をシリカゲルでクロマトグラフ処理し
て(40%酢酸エチル含有ヘキサン)、24mg(93
%)の化合物(VIII)を得た。13CNMR(CDC
3 )δ 169.77(C)、130.90(C
H)、127.43(CH)、85.89(CH)、8
1.69(C)、76.05(CH)、67.83(C
2 )、66.56(CH2 )、61.00(CH)、
57.83(CH3 )、54.06(CH)、51.9
2(CH)、44.45(CH2 )、40.65(C
H)、29.92(CH2 )、29.83(CH2 )、
29.02(CH2 )、28.42(CH3)、28.
10(CH2 )、26.64(CH2 )、26.37
(CH2 )。C25445 Cl(MH+ )として算出さ
れたCI MS,m/z459.2877、実測値45
9.2877。
【0048】実施例5(化合物(IX)の合成)
【化14】
【0049】A:(5E)−(11R,15R)−15
−シクロヘキシル−11,15−ジヒドロキシ−3−オ
キサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5
−プロステン酸イソプロピルエステル(IX):エステル
(VI)(実施例2参照)(390mg、0.90mmo
l)及びAIBN(10mg)を、無水トルエン(9.
0mL)中に含む溶液に、n−Bu3SnH(0.47
mL、1.80mmol)を添加した。得られた混合物
を還流下で4時間加熱した。溶媒を蒸発させ、そして残
留物を精製するためにシリカゲルカラムに塗布した。生
成物(IX)(Rf =0.4、60%EtOAc/ヘキサ
ン)が、無色油状物として単離された(340mgが単
離、収率95%)。 1HNMR(CDCl3 )δ 5.
60(m,2H)、5.05(septet,J=6.
5Hz,1H)、3.98(m,4H)、3.85
(m,1H)、3.30(m,1H)、2.22(m,
1H)、2.00(m,1H)、1.80〜0.85
(ブロードm,23H)、1.21(d,J=6.4H
z,6H);13CNMR(CDCl3 )δ 170.1
1、134.59、126.54、79.15、76.
35、72.07、68.50、67.18、53.5
7、44.21、43.62、38.21、34.1
9、32.05、29.47、29.32、28.9
4、27.98、26.56、26.36、26.2
1、21.84。
【0050】実施例6(化合物(X)の合成)
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】A:(3aR,4R,5R,6aS)−4
−[(E)−(3S)−3−シクロヘキシル−3−(テ
トラヒドロピラン−2−イルオキシ)プロペニル]−ヘ
キサヒドロ−5−(テトラヒドロピラン−2−イルオキ
シ)−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(2
6):ジオール(6)(実施例1)15.7g(55.
9mmol)を120mLのCH2 Cl2 中に含む溶液
に、0℃において12.0g(142mmol)の3,
4−ジヒドロ−2H−ピラン(DHP)及び520mg
(2.7mmol)のp−トルエンスルホン酸1水和物
(pTSA)を添加した。0℃で1時間後に、飽和Na
HCO3 100mLを加え、混合物をCH2 Cl2 (3
×100mL)で抽出し、合体した有機層をMgSO4
で乾燥し、濾過しそして濃縮した。残留物をシリカゲル
でクロマトグラフ処理(ヘキサン中40%酢酸エチル)
して、13.3g(53%)のビス−THPエーテル
(26)を得た。
【0053】B:(13E)−(9S,11R,15
S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イ
ルオキシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,5,
6,16,17,18,19,20−デカノル−9−ヒ
ドロキシ−13−プロステノール(27):15.0g
(33.4mmol)の化合物26をTHF150mL
中に含む溶液に、0℃においてジイソブチルアンモニウ
ム水素化物(DIBAL−H)をトルエン中に含む1.
5M溶液53mL(80mmol)を添加した。3時間
後、反応物を、1:1酢酸エチル:飽和酒石酸ナトリウ
ムカリウム混合物300mL中に注ぎ、1時間撹拌し
た。層を分離し、水層を酢酸エチル(3×100mL)
で抽出し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過
しそして濃縮して、14.89g(98%)の粗製ジオ
ール(27)を得た。
【0054】C:(13E)−(9S,11R,15
S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イ
ルオキシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,5,
6,16,17,18,19,20−デカノル−9−
(トリエチルシロキシ)−13−プロステノール トリ
エチルシリルエーテル(28):14.8g(32.7
mmol)の化合物27、5.94g(87.4mmo
l)のイミダゾール、0.44g(3.6mmol)の
DMAP及び150mLのCH2 Cl2 の混合物に、ト
リエチルシリルクロリド11.5g(76.3mmo
l)を加えた。5時間後、飽和されたNH4 Cl溶液1
50mLを加え、層を分離し、そして水層をCH2 Cl
2 (2×100mL)で抽出した。合体した有機層をM
gSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そしてシリカゲル
でクロマトグラフ処理して(10%酢酸エチル含有ヘキ
サン)、21.9g(100%)のビス−シリルエーテ
ル(28)を得た。
【0055】D:(13E)−(9S,11R,15
S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イ
ルオキシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,5,
6,16,17,18,19,20−デカノル−9−
(トリエチルシロキシ)−13−プロステナール(2
9):12.5g(98.6mmol)の塩化オキサリ
ルを150mLのCH2 Cl2 中に含む溶液に、−78
℃において、DMSO(13.0g、166mmol)
を15mLのCH2 Cl2 中に含む溶液中に滴下した。
30分後、化合物(28)(22.4g、32.9mm
ol)を60mLのCH2 Cl2 中に含む溶液を加え
た。5時間後、NEt3 36g(360mmol)を加
え、そして反応物を−78℃で30分間、次いで室温で
30分間撹拌した。混合物を200mLの飽和NH4
l溶液に注入し、CH2 Cl2 (3×150mL)で抽
出し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、
濃縮し、そして残留物をシリカゲルでクロマトグラフ処
理して(20%酢酸エチル含有ヘキサン)、18.3g
(99%)のアルデヒド(29)を得た。
【0056】E:(5Z,13E)−(9S,11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,
16,17,18,19,20−オクタノル−9−(ト
リエチルシロキシ)−5,13−プロスタジエン酸メチ
ルエステル(30):16.5g(51.9mmol)
のビス(2,2,2−トリフルオロエチル)(メトキシ
カルボニルメチル)ホスホネート、28.2g(107
mmol)の18−クラウン−6及び200mLのTH
Fの混合物に、−78℃において、KHMDSをトルエ
ン中に含む0.5M溶液の85mL(42.5mmo
l)を滴下した。30分後、化合物(29)18.3
g、(32.4mmol)を50mLのTHF中に含む
溶液を滴下し、そして反応物を2時間撹拌した。混合物
を150mLの飽和NH4 Cl溶液に注入し、酢酸エチ
ル(3×100mL)で抽出し、合体した有機層をMg
SO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物をシリ
カゲルでクロマトグラフ処理して(15%酢酸エチル含
有ヘキサン)、9.78g(49%)のクロトネート
(30)並びにオレフィンのシス:トランス異性体混合
物3.58g(18%)を得た。
【0057】F:(5Z,13E)−(9S,11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,
16,17,18,19,20−オクタノル−9−(ト
リエチルシロキシ)−5,13−プロスタジエノール
(31):9.11g(14.7mmol)の化合物
(30)をTHF40mL中に含む溶液に、0℃におい
て、DIBAL−Hをトルエン中に含む1.5M溶液2
4mL(36mmol)を滴下した。1時間後、反応物
を100mLの飽和NH4 Cl溶液に注入し、酢酸エチ
ル(3×75mL)で抽出し、合体した有機層をMgS
4 で乾燥し、濾過し、そして濃縮して、8.7g(1
00%)の粗製アリルアルコール(31)を得た。
【0058】G:(5Z,13E)−(9S,11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキ
シ−2,3,4,16,17,18,19,20−オク
タノル−5,13−プロスタジエノール(32):8.
7g(14.7mmol)の化合物(31)をTHF6
0mL中に含む溶液に、0℃において、TBAFをTH
F中に含む1M溶液20mL(20mmol)を添加し
た。1時間後、飽和NH4 Cl溶液を加え、混合物を酢
酸エチル(3×75mL)で抽出し、合体した有機層を
MgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物を
シリカゲルでクロマトグラフ処理して(3/2酢酸エチ
ル/ヘキサン)、3.79g(54%)のジオール(3
2)を得た。
【0059】H:(5Z,13E)−(9S,11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキ
シ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペン
タノル−5,13−プロスタジエン酸イソプロピルエス
テル(33):化合物(32)(3.76g、7.7m
mol)、NaOH(6.1g、150mmol)、水
(30mL)、トルエン(30mL)、テトラブチルア
ンモニウムハイドロジェンスルフェート(1.05g、
3.1mmol)及びイソプロピルブロモアセテート
(3.63g、20.1mmol)の混合物を室温で3
0分間激しく撹拌した。層を分離し、水層を酢酸エチル
(2×30mL)で抽出し、合体した有機層をMgSO
4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物をシリカゲ
ルでクロマトグラフ処理して(40%酢酸エチル含有ヘ
キサン)、エステル(33)(3.06g、69%)を
得た。
【0060】I:(5Z,13E)−(9R,11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−
3−オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノ
ル−5,13−プロスタジエン酸イソプロピルエステル
(34):化合物(33)(3.0g、5.2mmo
l)及びピリジン30mLの混合物に、0℃においてメ
タンスルホニルクロリド(1.48g、12.9mmo
l)を添加した。15分後、反応物を室温にし、さらに
1.5時間撹拌し、そしてBu4 NCl(14.5g、
52.2mmol)を45mLのトルエン中に含む懸濁
液中に注入した。混合物を室温で1夜、そして55〜6
0℃において2時間撹拌し、そして100mLの飽和N
4 Cl溶液中に注入し、酢酸エチル(3×75mL)
で抽出し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過
し、濃縮し、そして残留物をシリカゲルでクロマトグラ
フ処理して(30%酢酸エチル含有ヘキサン)、塩素化
化合物(34)と8,9−オレフィン消去副生物の混合
物よりなる油状物3.0gを得た。混合物をさらに精製
することなく次の工程において使用した。
【0061】J:(5Z,13E)−(9R,11R,
15S)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,
15−ジヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,
19,20−ペンタノル−5,13−プロスタジエン酸
イソプロピルエステル(35):上記のサンプル(3.
0g)をイソプロピルアルコール40mLに溶解し、そ
して5mLの水を添加し、次いで2.3mLの12MH
Clを添加した。3時間後、飽和NaHCO3 溶液(5
0mL)を添加し、混合物を酢酸エチル(3×50m
L)で抽出し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、
濾過し、濃縮し、そして残留物をラジアルクロマトグラ
フィ(20/1 トルエン/イソプロパノール)により
精製して、純粋なクロリド(35)324mg(32
%)及びクロリド(35)と8,9−オレフィンの混合
物278mg(28%、クロリドとして算出)を得た。
13CNMR(CDCl3 )δ 170.04(C)、1
34.51(CH)、132.64(CH)、130.
43(CH)、127.58(CH)、77.34(C
H)、75.40(CH)、68.60(CH)、6
7.60(CH2 )、66.64(CH2 )、59.6
4(CH)、55.95(CH)、53.36(C
H)、43.61(CH)、43.57(CH2 )、2
8.83(CH2 )、28.70(CH2 )、26.4
9(CH2 )、26.06(CH2 )、25.99(C
2 )、21.82(CH3 )。C23385 Cl(M
+ )として算出されたCI MS,m/z429.2
408、実測値429.2408。
【0062】K:(5E,13E)−(11R,15
S)−15−シクロヘキシル−11,15−ジヒドロキ
シ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペン
タノル−5,13−プロスタジエン酸イソプロピルエス
テル(X):化合物(35)(60mg、0.14mm
ol)、ベンゼン(3mL)、AIBN(10mg)及
びBu3 SnH(90mg、0.31mmol)の混合
物をN2 で15分間パージすることによって脱酸素化
し、1時間還流下加熱した。反応物を濃縮し、シリカゲ
ルでクロマトグラフ処理して(3:2酢酸エチル:ヘキ
サン)、脱塩素化生成物(X)43mg(78%)を得
た。13CNMR(CDCl3 )δ 169.98
(C)、134.27(CH)、134.22(C
H)、133.94(CH)、126.62(CH)、
77.76(CH)、77.72(CH)、71.92
(CH2 )、68.41(CH)、67.06(C
2 )、58.01(CH)、43.33(CH)、4
2.18(CH)、36.99(CH2 )、32.02
(CH2 )、28.94(CH2 )、28.72(CH
2 )、27.38(CH2 )、26.48(CH2 )、
26.03(CH2)、25.96(CH2 )、21.
74(CH3 )。C23395 (MH+ )として算出さ
れたCI MS,m/z395.2798、実測値39
5.2798。
【0063】実施例7(化合物(XI)の合成)
【化17】
【0064】(5Z)−(9R,11R,15R)−9
−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジヒド
ロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,20−
ペンタノル−5−プロステノール(XI):エステル(1
6)(150mg、0.24mmol;実施例1)をT
HF(5.0mL)中に含む溶液0℃に冷却し、その中
にDIBAL−H(トルエン中の1.5M、0.5m
L、0.72mmol)を加えた。得られた混合物を0
℃で2.5時間撹拌した。反応物を酒石酸カリウムナト
リウムの飽和溶液(10mL)で注意深く冷却し、そし
て二層混合物を雰囲気温度で1時間撹拌した。次いで有
機層を分離し、水層をEtOAc(5×10mL)で抽
出した。合体した有機層を乾燥し(NaSO4 )、濾過
し、濃縮して、淡黄色液状物を得た。それをシリカゲル
でのクロマトグラフィーによって精製した。中間体アル
コール(Rf =0.15、30%EtOAc/ヘキサ
ン)を無色油状物として単離し(114mg、収率87
%)、そして次の反応に用いた。
【0065】上記のアルコール(54mg、0.09m
mol)を65%酢酸/水(15mL)と混合し、次い
で70℃で1時間加熱した。溶剤を蒸発させ、そして粗
製物を精製のためのシリカゲルカラムに塗布した。トリ
オール(XI)(Rf =0.15、EtOAc)を無色油
状物として単離した(33mg、収率88%)。 1HN
MR(CDCl3 )δ 5.68(m,2H)、4.0
8(m,4H)、3.74(m,2H)、3.57
(m,2H)、3.42(m,1H)、2.37(m,
2H)、2.35−1.90(m,4H)、1.85〜
0.90(ブロードm,18H);13CNMR(CDC
3 )δ131.06、127.52、75.80、7
5.54、71.94、66.38、61.82、6
0.82、54.05、50.87、44.69、4
3.60、31.29、29.71、29.46、2
9.22、28.08、26.48、26.28、2
6.14;C20364 Cl(MH+ )として算出され
たCI MS,375.2302、実測値375.22
99。
【0066】実施例8(化合物(XII )の合成)
【化18】 (5Z,13E)−(9R,11R,15S)−9−ク
ロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジヒドロキ
シ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペン
タノル−5,13−プロスタジエノール(XII ):エス
テル(36)(ドイツ特許DE3724189)(41
mg、0.093mmol)を5mLのTHFに含む溶
液に、0℃でDIBAL−H(0.7mL、1.05m
mol)の1.5M溶液を加えた。室温に加温し、1.
5時間撹拌した後、飽和NH4 Clの15mLを加え、
混合物を酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合体
した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、残
留物をシリカゲルでクロマトグラフ処理して(酢酸エチ
ル)、トリオール(XII )(21mg、68%)を得
た。13CNMR(CDCl3 )δ 134.59(C
H)、133.00(CH)、129.61(CH)、
128.21(CH)、77.56(CH)、75.1
6(CH)、71.54(CH2 )、67.93(CH
2 )、66.46(CH2 )、61.76(CH2 )、
59.49(CH)、55.85(CH)、53.23
(CH)、43.43(CH)、28.81(C
2 )、28.56(CH2 )、26.46(C
2 )、26.02(CH2 )、26.94(C
2 )、25.57(CH2 )。C20344 Cl(M
+ )として算出されたCI MS,m/z373.2
146、実測値373.2101。
【0067】実施例9(化合物(XIII)の合成)
【化19】
【0068】A:(3aR,4R,5R,6aS)−4
−[(E)−(3S)−3−シクロヘキシル−3−(テ
トラヒドロピラン−2−イルオキシ)プロペニル]−ヘ
キサヒドロ−5−(テトラヒドロピラン−2−イルオキ
シ)−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オール
(37):ラクトン(26)(5.7g、12.7mm
ol;実施例6)を40mLのTHF中に含有する溶液
に、−78℃において、DIBAL−Hをトルエン中に
含む1.5M溶液(11.5mL、17.2mmol)
を滴下した。2時間後に、反応物を、酒石酸ナトリウム
カリウムの飽和溶液70mL中に注入し、30分間撹拌
した。混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出し、
合体された有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮
し、そして残留物をシリカゲルでクロマトグラフ処理
(1/1ヘキサン/酢酸エチル)によって精製して、ラ
クトール(37)4.7g(82%)を得た。
【0069】B:(5E,13E)−(9S、11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキ
シ−2,3,4,16,17,18,19,20−オク
タノル−5,13−プロスタジエン酸メチルエステル
(38):化合物(37)(5.1g、11.3mmo
l)、Ph3 PCH=CO2 Me(6.6g、19.7
mmol)、CH2 Cl2 (50mL)及び酢酸(8
滴)の混合物を室温で1夜撹拌した。混合物を濃縮し、
シリカゲルでクロマトグラフ処理して(1/1ヘキサン
/酢酸エチル)、5.7g(99%)のトランスクロト
ネート(38)を得た。
【0070】C:(5E,13E)−(9S、11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−9−(t−ブチルジメチルシロキシ)
−15−シクロヘキシル−2,3,4,16,17,1
8,19,20−オクタノル−5,13−プロスタジエ
ン酸メチルエステル(39):化合物(38)(5.7
g、11.6mmol)、CH2 Cl2 (150m
L)、イミダゾール(1.46g、21.5mmo
l)、DMAP(500mg、4.1mmol)及びt
−ブチルジメチルシリルクロリド(2.54g、16.
9mmol)の混合物を1時間撹拌し、50mLの飽和
NH4 Cl溶液を加えた。層を分離し、水層をCH2
2 (2×50mL)で抽出し、合体した有機層をMg
SO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物をシリ
カゲルでクロマトグラフ処理して(酢酸エチル20%含
有ヘキサン)、化合物(39)(6.05g、84%)
を得た。
【0071】D:(5E,13E)−(9S、11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−9−(t−ブチルジメチルシロキシ)
−15−シクロヘキシル−2,3,4,16,17,1
8,19,20−オクタノル−5,13−プロスタジエ
ノール(40):化合物(39)(6.0g、9.8m
mol)をTHF(50mL)に含む溶液に、0℃にお
いてDIBAL−Hをトルエン中に含む1.5M溶液
(16mL、24mmol)を滴下した。反応物を室温
にし、2時間撹拌し、飽和酒石酸ナトリウムカリウム溶
液75mLを加え、次いで、混合物を35分間撹拌し
た。層を分離し、水性層を酢酸エチル(2×50mL)
で抽出した。合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾
過し、濃縮し、そして残留物をシリカゲルでクロマトグ
ラフ処理して(25%酢酸エチル含有ヘキサン)、化合
物(40)(4.28g、74%)を得た。
【0072】E:(5E,13E)−(9S、11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−9−(t−ブチルジメチルシロキシ)
−15−シクロヘキシル−3−オキサ−16,17,1
8,19,20−ペンタノル−5,13−プロスタジエ
ン酸t−ブチルエステル(41):化合物(40)
(2.4g、4.1mmol)、水(25mL)、トル
エン(30mL)、NaOH(3.8g、95mmo
l)、Bu4 NHSO4 (300mg、0.88mmo
l)及びt−ブチルブロモアセテート(5.0g、2
5.6mmol)の混合物を1夜激しく撹拌した。層を
分離し、水層を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、
合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮
し、そして残留物をシリカゲルでクロマトグラフ処理し
て(20%酢酸エチル含有ヘキサン)、化合物(41)
(1.48g、48%)を得た。
【0073】F:(5E,13E)−(9S、11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキ
シ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペン
タノル−5,13−プロスタジエン酸t−ブチルエステ
ル(42):化合物(41)(1.4g、2.0mmo
l)、THF(20mL)及びTBAFをTHF中に含
む1M溶液(6mL、6mmol)の混合物を2時間撹
拌し、飽和されたNH4 Cl(30mL)を加えた。層
を分離し、水層を酢酸エチル(2×40mL)で抽出
し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃
縮し、そして残留物をシリカゲルでクロマトグラフ処理
して(1/1ヘキサン/酢酸エチル)、化合物(42)
(0.45g、38%)を得た。
【0074】G:(5E,13E)−(9R、11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−
3−オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノ
ル−5,13−プロスタジエン酸t−ブチルエステル
(43):化合物(42)(430mg、0.72mm
ol)、PPh3 (350mg、1.34mmol)、
CH3 CN(6mL)、ピリジン(112mg、1.4
2mmol)及びCCl4 (240mg、1.55mm
ol)の混合物を1夜撹拌した。反応物を濃縮し、そし
て残留物をシリカゲルでクロマトグラフ処理して(20
%酢酸エチル含有ヘキサン)、化合物(43)を相当す
る8,9−オレフィンの混合物として得た(362m
g、クロリドとして82%)。混合物を次の工程のため
に分離した。
【0075】H:(5E,13E)−(9R、11R,
15S)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,
15−ジヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,
19,20−ペンタノル−5,13−プロスタジエン酸
t−ブチルエステル(XIII):化合物(43)(310
mg、クロリドとして0.51mmol)、THF(5
mL)、水(1mL)および酢酸(9mL)の混合物を
65℃で1時間撹拌した。反応物を濃縮し、そして、残
留物をシリカゲルでクロマトグラフ処理して(4/1酢
酸エチル/ヘキサン)、化合物(XIII)を相当する8,
9−オレフィンの混合物として得た(188mg、クロ
リドとして83%)。混合物を逆層HPLCによって分
離して、純粋な化合物(XIII)(58mg、アルコール
(46)から26%)を得た。13CNMR(CDC
3 )δ 169.67(C)、134.67(C
H)、133.09(CH)、131.18(CH)、
128.56(CH)、81.62(C)、77.31
(CH)、75.04(CH)、71.63(C
2 )、67.59(CH2 )、59.38(CH)、
56.34(CH)、53.08(CH)、43.32
(CH)、43.38(CH2 )、33.88(C
2 )、28.87(CH2 )、28.77(C
2 )、28.10(CH3 )、26.48(C
2 )、26.05(CH2 )、25.97(C
2 )。C24405 Clとして算出されたCI M
S,m/z445.2535、実測値445.257
4。
【0076】実施例10(化合物(XIV )の合成)
【化20】
【0077】
【化21】
【0078】A:(3aR,4R,5R,6aS)−5
−(ベンゾイルオキシ)−4−[(E)−(3R)−3
−シクロヘキシル−3−ヒドロキシ−1−プロペニル]
−ヘキサヒドロ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2
−オン(44):エノン(4)(150g、392mm
ol、実施例1)、3塩化リチウムヘプタハイドレート
(152g、408mmol)、メタノール(500m
L)及びCH2 Cl2 (1.5L)よりなる溶液に、0
℃において、NaBH4 (14.4g)を0.2g部分
ずつ1時間にわたって加えた。2時間撹拌した後、反応
物を、1M HCl(500mL)中に注入し、層を分
離し、水層をCH2 Cl2(2×300mL)で抽出
し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃
縮して、150.4g(100%)の2つのジアステレ
オマーアリルアルコールの1:1混合物を得た。混合物
200gを(いくつかの合体した反応物から)HPLC
(40%酢酸エチル含有ヘキサン)によって分離して、
23.7g(12%)のアルコール(44)を得た。
【0079】B:(3aR,4R,5R,6aS)−4
−[(E)−(3R)−3−シクロヘキシル−3−ヒド
ロキシ−1−プロペニル]−ヘキサヒドロ−5−ヒドロ
キシ−2H−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(4
5):化合物44(7.35g、19.1mmol)を
メタノール(100mL)中に含む溶液に、K2 CO3
(2.64g、19.1mmol)を加えた。2時間後
に、2M HCl200mLを加え、混合物を酢酸エチ
ル(3×100mL)で抽出し、合体した有機層をMg
SO4 で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製ジオール(4
5)(5.53g)を得た。それは精製することなく、
次の工程で用いた。
【0080】C:(3aR,4R,5R,6aS)−4
−[(3S)−3−シクロヘキシル−3−ヒドロキシプ
ロピル]−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−2H−シク
ロペンタ[b]フラン−2−オン(46):化合物(4
5)(5.3g、18.9mmol)、10%w/wの
Pd/C(320mg)、酢酸エチル(30mL)及び
CH2 Cl2 (10mL)の混合物を、パール(Par
r)水素化装置において45psiで3時間水素化し
た。混合物をセライト(Celite)を通して濾過
し、濃縮し、そして残留物をシリカゲルでクロマトグラ
フ処理して(酢酸エチル)、化合物(46)(4.3
g、80%)を得た。13CNMR(CDCl3 )δ 1
77.64(C)、83.87(CH)、77.21
(CH)、76.02(CH)、53.45(CH)、
43.84(CH)、42.96(CH)、40.46
(CH2 )、35.88(CH2 )、31.37(CH
2 )、29.23(CH2 )、29.10(CH2 )、
27.85(CH2 )、26.41(CH2 )、26.
22(CH2 )、26.08(CH2 )。
【0081】D:(3aR,4R,5R,6aS)−4
−[(3S)−3−シクロヘキシル−3−(テトラヒド
ロピラン−2−イルオキシ)プロピル]−ヘキサヒドロ
−5−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−2H
−シクロペンタ[b]フラン−2−オン(47):化合
物(46)(3.7g、12.9mmol)、DHP
(2.9g、35mmol)及びCH2 Cl2 (80m
L)の混合物に、0℃において、pTSA(300m
g、1.58mmol)を添加した。30分後、50m
Lの飽和NaHCO3 を添加し、層を分離し、水層をC
2 Cl2 (2×50mL)で抽出し、合体した有機層
をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物
をシリカゲルでクロマトグラフ処理して(1/1ヘキサ
ン/酢酸エチル)、ビス−THPエーテル(47)
(4.89g、89%)を得た。
【0082】E:(9S,11R,15S)−11,1
5−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−1
5−シクロヘキシル−2,3,4,5,6,16,1
7,18,19,20−デカノル−9−ヒドロキシプロ
スタノール(48):水素化アルミニウムリチウム(9
20mg、24.2mmol)を50mLのTHF中に
含む懸濁液に、0℃において、ラクトン(47)(1
0.87g、24.1mmol)をTHF(100m
L)中に含む溶液を滴下した。1時間撹拌した後、酢酸
エチル(50mL)を注意深く滴下し、次いで飽和NH
4 Cl(100mL)を滴下した。混合物を酢酸エチル
(3×100mL)で抽出し、合体した有機層をMgS
4 で乾燥し、濾過し、濃縮して、粗製ジオール(4
8)(9.73g、89%)を得た。それは精製するこ
となく次の工程に用いた。
【0083】F:(9S,11R,15S)−11,1
5−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−1
5−シクロヘキシル−2,3,4,5,6,16,1
7,18,19,20−デカノル−9−(トリエチルシ
ロキシ)プロスタノール トリエチルシリルエーテル
(49):化合物(48)(9.7g、21.3mmo
l)、トリエチルシリルクロリド(7.36g、48.
9mmol)、DMAP(289mg、2.36mmo
l)、NEt3 (5.3g、52mmol)及びCH2
Cl2 (100mL)の混合物を室温において一夜撹拌
した。混合物を100mLの飽和NH4 Cl溶液に注入
し、層を分離し、水層をCH2 Cl2 (50mL)で抽
出し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、
濃縮し、そして残留物をシリカゲルでクロマトグラフ処
理して(15%酢酸エチル含有ヘキサン)、化合物(4
9)(11.75g、81%)を得た。
【0084】G:(9S,11R,15S)−11,1
5−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−1
5−シクロヘキシル−2,3,4,5,6,16,1
7,18,19,20−デカノル−9−(トリエチルシ
ロキシ)プロスタナール(50):塩化オキサリル
(6.5g、51mmol)を30mLのCH2 Cl2
に含む溶液に、−78℃において、DMSO(6.7
g、86mmol)を10mLのCH2 Cl2 中に含有
する溶液を滴下した。30分後、化合物(49)(1
1.75g、17.2mmol)を90mLのCH2
2 中に含む溶液を滴下した。6時間後、NEt2 (1
8.9g,187mmol)を添加し、そして反応物を
室温に加温した。混合物を150mLの飽和和NH4
l溶液に注入し、層を分離し、水層をCH2 Cl2 (2
×50mL)で抽出し、合体した有機層をMgSO4
乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物をシリカゲルで
クロマトグラフ処理(10%酢酸エチル含有ヘキサン)
して、アルデヒド(50)(8.75g、90%)を得
た。
【0085】H:(5Z)−(9S,11R,15S)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,16,1
7,18,19,20−オクタノル−9−(トリエチル
シロキシ)−5−プロスタン酸メチルエステル(5
1):18−クラウン6(13.1g、49.6mmo
l)、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)(メト
キシカルボニルメチル)ホスフォネート(7.8g、2
4.6mmol)及び75mLのTHFの混合物に、−
78℃において、KHMDSをトルエン中に含む0.5
M溶液(42mL、21.5mmol)を滴下した。3
0分後、化合物(51)(8.75g、15.4mmo
l)をTHF(75mL)中に含む溶液を滴下した。
2.5時間後、メタノール(10mL)を添加し、反応
物を室温に加温し、飽和NH4 Cl溶液(100mL)
中に添加した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×5
0mL)で抽出し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥
し、濾過し、濃縮し、そして残留物をシリカゲルでクロ
マトグラフ処理して(15%酢酸エチル含有ヘキサ
ン)、シス−クロトネート(51)(4.05g、44
%)を、シス:トランスオレフィン異性体混合物(2.
3g、25%)と共に得た。
【0086】I:(5Z)−(9S,11R,15S)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−2,3,4,16,1
7,18,19,20−オクタノル−9−(トリエチル
シロキシ)−5−プロステノール(52):化合物(5
1)(4.0g、6.4mmol)を25mLのTHF
中に含む溶液に、0℃において、DIBAL−Hをトル
エン中に含む1.5M溶液(10mL、15mmol)
を滴下した。反応物を室温に加温し、一夜撹拌した。混
合物を75mLの飽和酒石酸ナトリウムカリウム溶液に
添加し、そして30分間撹拌した。層を分離し、水層を
酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合体した有機層
をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物
をシリカゲルでクロマトグラフ処理して(20%酢酸エ
チル含有ヘキサン)、アリルアルコール(52)(2.
84g、75%)を得た。
【0087】J:(5Z)−(9S,11R,15S)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキシ−2,
3,4,16,17,18,19,20−オクタノル−
5−プロステノール(53):化合物(52)(1.7
g、2.9mmol)を20mLのTHF中に含む溶液
に、0℃において、TBAFをTHF中に含む1M溶液
(4.6mL、4.6mmol)を添加した。30分
後、30mLの飽和NH4 Cl溶液を添加し、混合物を
酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合体した有機層
をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物
をシリカゲルでクロマトグラフ処理して(3/2酢酸エ
チル/ヘキサン)、ジオール(53)(1.29g、9
3%)を得た。
【0088】K:(5Z)−(9S,11R,15S)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキシ−3−
オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−
5−プロステン酸t−ブチルエステル(54):化合物
(53)(1.29g、2.68mmol)、トルエン
(20mL)、25%w/wNaOH水溶液(20m
L)、Bu4 NHSO4 (175mg、0.52mmo
l)及びt−ブチルブロモアセテート(2.6g、1
3.5mmol)の混合物を0℃において10分間およ
び室温において45分間激しく撹拌した。層を分離し、
水層を酢酸エチル(2×20mL)で抽出し、合体した
有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして
残留物をシリカゲルでクロマトグラフ処理して(40%
酢酸エチル含有ヘキサン)、化合物(54)(1.56
g、98%)を得た。
【0089】L:(5Z)−(9S,11R,15S)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキシ−3−
オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−
5−プロステン酸(55):化合物(54)(2.0
g、3.4mmol)、水酸化リチウムモノハイドレー
ト(830mg、20mmol)、メタノール(20m
L)及び水(1mL)の混合物を1.5時間撹拌し、3
5mLの飽和KH2 PO4 溶液を加えてpHを約6に調
整し、そして混合物を酢酸エチル(3×25mL)で抽
出した。合体した有機層をNa2 SO4 で乾燥し、濾過
し、濃縮して粗製の酸(55)を得た。それは精製する
ことなく次の工程において使用した。
【0090】M:(5Z)−(9S,11R,15S)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキシ−3−
オキサ−16,17,18,19,20−ペンタノル−
5−プロステン酸イソプロピルエステル(56):上記
の化合物(55)、アセトン(34mL)、よう化イソ
プロピル(2.9g、17mmol)及びDBU(3.
0g、20mmol)の混合物を一夜撹拌した。反応物
を40mLの飽和NH4 Cl溶液に添加し、混合物を酢
酸エチル(3×25mL)で抽出し、合体した有機層を
MgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物を
シリカゲルでクロマトグラフ処理して(1/1酢酸エチ
ル/ヘキサン)、イソプロピルエステル(56)(1.
26g、t−ブチルエステル(54)から64%)を得
た。
【0091】N:(5Z)−(9R,11R,15S)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−3−オキ
サ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−
プロステン酸イソプロピルエステル(57):化合物
(56)(1.26g、2.2mmol)を13mLの
ピリジン中に含む溶液に、0℃において、メチレンスル
ホニルクロリド(600mg、5.2mmol)を添加
した。2時間後、混合物をBu4 NCl(6.1g,2
1.9mmol)をトルエン(9mL)中に含む懸濁液
に添加し、そして55〜63℃において4時間加熱し
た。反応物を室温に冷却した後、30mLの飽和NH4
Cl溶液を添加し、混合物を酢酸エチル(3×30m
L)で抽出し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、
濾過し、濃縮し、そして残留物をシリカゲルでクロマト
グラフ処理して(20%酢酸エチル含有ヘキサン)、塩
素化生成物(57)を想到する8,9−オレフィンとの
混合物として得た(1.07g、塩化物として81
%)。8,9−オレフィン副生物は次の工程で分離し
た。
【0092】O:(5Z)−(9R,11R,15S)
−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジ
ヒドロキシ−16,17,18,19,20−ペンタノ
ル−5−プロステン酸イソプロピルエステル(XIV ):
化合物(57)及び8,9−オレフィンを含む上記の混
合物(1.07g、塩化物として1.79mmol)を
イソプロピルアルコール(14mL)、水(1mL)及
び12M HCl(2mL)の溶液に添加し、そして2
時間撹拌した。反応物を50mLの飽和NaHCO3
液に添加し、混合物を酢酸エチル(3×30mL)で抽
出し、合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過し、
濃縮し、そして残留物をラジアルクロマトグラフィ(5
%イソプロパノール含有トルエン)により精製して、純
粋な化合物(XIV )(172mg、22%)及び殆どの
化合物(XIV )と少量(約30%)の相当する8,9−
オレフィンの混合物(333mg、塩化物として42
%)を得た。13CNMR(CDCl3 )δ 170.2
1(C)、131.12(CH)、127.19(C
H)、76.75(CH)、75.44(CH)、6
8.70(CH)、67.67(CH2 )、66.78
(CH2 )、61.02(CH)、54.28(C
H)、51.18(CH)、44.31(CH2 )、4
4.19(CH)、31.35(CH2 )、31.19
(CH2 )、29.73(CH2 )、29.17(CH
2 )、27.60(CH2 )、26.50(CH2 )、
26.31(CH2 )、26.16(CH2 )、21.
80(CH3 )。C23405 Cl(MH+ )として算
出されたCI MS,m/z431、実測値431。
【0093】実施例11(化合物(XV)の合成)
【化22】
【0094】A:(5Z)−(9R,11R,15R)
−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジ
ヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,2
0−ペンタノル−5−プロステン酸(58) 化合物(V)(実施例1)32mg(0.072mmo
l)を2.5mLのメタノール及び1.2mLの水の混
合物中に含む溶液に、15mg(0.36mmol)の
水酸化リチウムモノハイドレートを加えた。9時間後、
5mLの0.1M HClを加え、そして混合物をCH
Cl3 (5×5mL)で抽出した。合体した有機層を水
(20mL)及び食塩水(20mL)で洗浄し、Na2
SO4 で乾燥し、濾過し、濃縮して30mg(100
%)の化合物(58)を無色油状物として得た。13CN
MR(CDCl3 )δ 173.17(C)、132.
77(CH)、126.03(CH)、75.68(C
H)、75.24(CH)、66.89(CH2 )、6
6.40(CH2 )、61.32(CH)、54.12
(CH)、50.62(CH)、43.59(C
2 )、43.33(CH)、30.92(CH2 )、
30.73(CH2 )、29.89(CH2 )、29.
30(CH2 )、27.95(CH2 )、26.44
(CH2 )、26.25(CH2 )、26.09(CH
2 )。
【0095】B:(5Z)−(9R,11R,15R)
−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジ
ヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,2
0−ペンタノル−5−プロステン酸メチルエステル(5
9):化合物(58)(22mg、0.057mmo
l)を20mLのエーテル中に含む溶液に、過剰のジア
ゾメタンをエーテルの溶液として添加した。20分後、
残留するジアゾメタンをN2 の流れによって溶液から除
去し、溶液を濃縮した。残留物をシリカゲルでクロマト
グラフ処理して(40%酢酸エチル含有ヘキサン)、化
合物(59)(21mg、91%)を得た。13CNMR
(CDCl3 )δ171.06(C)、131.75
(CH)、126.74(CH)、75.73(C
H)、75.47(CH)、67.34(CH2 )、6
6.77(CH2 )、61.08(CH)、54.19
(CH)、51.94(CH3 )、51.29(C
H)、44.47(CH2 )、43.62(CH)、3
1.49(CH2 )、30.03(CH2 )、29.3
0(CH2 )、27.98(CH2 )、26.49(C
2 )、26.28(CH2 )、26.13(C
2 )。
【0096】C:(5Z)−(9R,11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−3−オキ
サ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−
プロステン酸メチルエステル(60):ジオール(5
9)(645mg、0.65mmol)、DHP(0.
56mL、6.4mmol)及びCH2 Cl2 (10m
L)の混合物に、0℃において、pTSA(10mg、
0.053mmol)を加えた。15分後、15mLの
飽和NaHCO3 溶液を加え、層を分離し、水層をCH
2 Cl2 (3×15mL)で抽出し、合体した有機層を
MgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、残留物をシリカ
ゲルでクロマトグラフ処理して(30%酢酸エチル含有
ヘキサン)、781mg(86%)のビス−THPエー
テル(60)を得た。
【0097】D:(5Z)−(9R,11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−3−オキ
サ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−
プロステン酸(61):化合物(60)(342mg、
0.65mmol)および水酸化リチウムモノハイドレ
ート(96mg、2.3mmol)をメタノール(20
mL)中に含む溶液を2時間撹拌し、溶液のpHを飽和
KH2 PO4 によってpH6に調節し、混合物をCH2
Cl2 (6×20mL)で抽出した。合体した有機層を
Na2 SO4 で乾燥し、濾過し、濃縮して、酸(61)
を得た(334mg、92%)。
【0098】E:(5Z)−(9R,11R,15R)
−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イルオ
キシ)−9−クロロ−15−シクロヘキシル−3−オキ
サ−16,17,18,19,20−ペンタノル−5−
プロステン酸ネオペンチルエステル(62):化合物
(61)(80mg、0.14mmol)、ジシクロヘ
キシルカルボジイミド(30mg、0.18mmo
l)、DMAP(8mg、0.07mmol)、2,2
−ジメチル−1−プロパノール(60mg、0.7mm
ol)及びCH2 Cl2 (1mL)の混合物を3時間室
温で撹拌し、溶液を濃縮し、そして残留物をシリカゲル
でクロマトグラフ処理して(20%酢酸エチル含有ヘキ
サン)、ジシクロヘキシル尿素で汚染された化合物(6
2)を得た(全量110mg)。サンプルをさらに精製
することなく、次の反応に用いた。
【0099】F:(5Z)−(9R,11R,15R)
−9−クロロ−15−シクロヘキシル−11,15−ジ
ヒドロキシ−3−オキサ−16,17,18,19,2
0−ペンタノル−5−プロステン酸ネオペンチルエステ
ル(XV):上記のサンプル110mgをメタノール(1
0mL)及び水(1mL)の混合物に0℃で溶解し、そ
して12N HClを10滴添加した。15分後、溶液
を30分間室温に加温した。溶液をCH2 Cl2 (10
mL)に添加し、層を分離し、そして水層をCH2 Cl
2 (3×10mL)で抽出した。合体した有機層をMg
SO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、シリカゲルでクロマ
トグラフ処理して(1/1酢酸エチル/ヘキサン)、化
合物(XV)を得た(46mg、化合物(61)から71
%)。13CNMR(CDCl3 )δ 170.88
(C)、131.82(CH)、126.72(C
H)、75.68(CH)、75.23(CH)、7
4.20(CH2 )、67.34(CH2 )、66.7
6(CH2 )、61.23(CH)、54.24(C
H)、51.19(CH)、44.43(CH2 )、4
3.65(CH)、31.44(CH2 )、31.34
(C)、30.23(CH2 )、30.09(C
2 )、29.33(CH2 )、28.00(C
2 )、26.50(CH2 )、26.37(C
3 )、26.28(CH2 )、26.14(C
2 )。C25445 Cl(MH+ )として算出された
CI MS,m/z459.2877、実測値459.
2872。
【0100】実施例12(化合物(XVI )の合成)
【化23】
【0101】A:(5Z,13E)−(9S,11R,
15S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2
−イルオキシ)−15−シクロヘキシル−9−ヒドロキ
シ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペン
タノル−5,13−プロスタジエン酸t−ブチルエステ
ル(63) ジオール(32)(実施例6参照)(925mg,1.
93mmol)、トルエン(25mL)、BrCH2
2 Bu(t)(1.2g,6.3mmol)及びBu
4 HSO4 (200mg,0.59mmol)の混合物
を激しく撹拌して、これに20mLの20%w/wNa
OH水溶液を添加した。40分後、層を分離し、水層を
酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、合体した有機層
をMgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物
をシリカゲル上で酢酸エチル40%含有ヘキサンによっ
て溶離してクロマトグラフ処理を行い、化合物(63)
を得た(1.10g、96%、Rf =0.5)。
【0102】B:(5Z,13E)−(11R,15
S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イ
ルオキシ)−15−シクロヘキシル−3−オキサ−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−5,13−
プロスタジエノール(64) 化合物(63)(1.09g,1.84mmol)及び
ピリジン(11mL)の混合物に、0℃において、メタ
ンスルホニルクロリド(0.51g,4.5mmol)
を滴下した。反応物を0℃において30分間及び室温に
おいて2時間撹拌し、40mLの飽和NH4 Cl溶液を
添加し、そして混合物を酢酸エチル(2×40mL)で
抽出した。合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過
し、濃縮し、そして残留物をシリカゲル上で1:1ヘキ
サン:酢酸エチルによって溶離してクロマトグラフ処理
を行い、中間体9α−メシレート(1.08g、87
%、Rf =0.5)。メシレートをTHF(11mL)
中に含む混合物に、0℃においてLiEt3BHをTH
F中に含む1M溶液(11mL、11mmol)を滴下
し、反応物を室温において一夜撹拌した。混合物を飽和
NH4 Cl:酢酸エチル1:1混合物50mL中に注入
し、層を分離し、水層を酢酸エチル(2×30mL)で
抽出した。合体した有機層をMgSO4 で乾燥し、濾過
し、濃縮し、そして残留物をシリカゲル上で酢酸エチル
40%を含むヘキサンによって溶離してクロマトグラフ
処理を行い、化合物(64)(642g、79%、Rf
=0.4)を得た。
【0103】C:(5Z,13E)−(11R,15
S)−11,15−ビス(テトラヒドロピラン−2−イ
ルオキシ)−15−シクロヘキシル−3−オキサ−1
6,17,18,19,20−ペンタノル−5,13−
プロスタジエン酸イソプロピルエステル(65) 化合物(64)(560mg,1.12mmol)及び
DMF(5mL)の混合物に、ピリジニウムジクロメー
ト(1.32g、3.51mmol)を添加した。48
時間撹拌した後、20mLの水を加え、混合物を酢酸エ
チル(4×20mL)で抽出した。合体した有機層を濾
過し、濃縮し、そして残留物をアセトン(20mL)に
溶解し、そしてDBU(780mg、5.12mmo
l)を加え、次いで15分の間によう化イソプロピル
(850mg、5.0mmol)を加えた。20時間
後、反応物を濃縮し、残留物をシリカゲル上で酢酸エチ
ル20%含有ヘキサンによって溶離してクロマトグラフ
処理を行い、化合物(65)を得た(238mg、38
%、Rf =0.4)。
【0104】D:(5Z,13E)−(11R,15
S)−11−シクロヘキシル−11,15−ジヒドロキ
シ−3−オキサ−16,17,18,19,20−ペン
タノル−5,13−プロスタジエン酸イソプロピルエス
テル(XVI ) 化合物(65)(230mg,0.41mmol)、イ
ソプロパノール(18mL)及び水(2mL)の混合物
に、12M HCl(1mL)を加えた。2時間後、2
0mLの飽和NaHCO3 溶液を添加し、混合物を酢酸
エチル(3×20mL)で抽出した。合体した有機層を
MgSO4 で乾燥し、濾過し、濃縮し、そして残留物を
シリカゲル上で3:2酢酸エチル:ヘキサンによって溶
離してクロマトグラフ処理を行い、化合物(XVI )(1
20mg、74%、Rf =0.25)を得た。13CNM
R(CDCl3 )δ 170.00(C)、134.1
7(CH)、132.73(CH)、125.97(C
H)、77.92(CH)、77.68(CH)、6
8.47(CH)、67.38(CH2 )、66.73
(CH2 )、58.02(CH)、43.44(C
H)、42.77(CH)、32.15(CH2 )、2
8.89(CH2 )、28.80(CH2 )、27.6
3(CH2 )、26.51(CH2 )、26.06(C
2 )、25.94(CH2 )、21.97(C
3 )。
【0105】式(I)および(II)の化合物は、眼内圧
を低下するのに有用であり、それゆえ、緑内障の治療に
有用である。好ましい投与方法は局所投与である。局所
投与の投与範囲は、一般に目に対して、約0.001お
よび約1000ミリグラムの間であり(μg/目)、好
ましくは、約0.01および約100μg/目の間であ
り、最も好ましくは、約0.05および約50μg/目
の間である。本発明の化合物は、適当な眼科的ベヒクル
中の溶液、懸濁液またはエマルジョン(分散液)として
投与することができる。
【0106】局所投与のための組成物を形成するに際
し、本発明の化合物は、一般にpH約4.5ないし約
8.0であって、約0.00002ないし約0.5重量
%(wt%)水溶液として処方される。化合物は、約
0.0001ないし約0.1wt%、最も好ましくは、
約0.001および約0.05wt%の間の濃度を用い
るのが好ましい。正確なレジメンは臨床医の裁量に委ね
られるが、得られた溶液を、各目に1日に1回または2
回、1滴入れることによって局所的に投与するのが推奨
される。
【0107】本発明の眼薬調合剤に使用するのに好まし
い他の成分としては、防腐剤、共溶剤及び増粘剤があげ
られる。 抗微生物防腐剤 眼薬製品は、典型的には多数回投与の形態で包装され
る。それは一般に、使用の間の微生物汚染を防止するた
めに防腐剤の添加が要求される。好ましい防腐剤は、ベ
ンザルコニウムクロリド、チメロサール、ジクロロブタ
ノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニル
エチルアルコール、ジナトリウムエデテート、ソルビン
酸、オナメル(ONAMER)Mまたは当業者の公知の
他の材料があげられる。それらの防腐剤は、典型的には
約0.001および約1.0wt%の間の濃度で使用さ
れる。
【0108】共溶剤 プロスタグランジンおよび特にエステル誘導体は、水に
対して限定された溶解度を持ち、それゆえに、組成物に
おいて表面活性剤または他の適当な共溶剤が要求され
る。その様な共溶剤としては、ポリソルベート(Pol
ysorbate)20、60および80;プルロニッ
ク(Pluronic)F−68、F−84およびP−
103;チロキサポール(Tyloxapol);クレ
モファ−(Cremophor)EL、ドデシル硫酸ナ
トリウム;グリセリン;PEG400;プロピレングリ
コール;シクロデキストリン類;または当業者の公知の
他の材料があげられる。その様な共溶剤は、典型的には
約0.01および約2wt%の間の濃度で使用される。
【0109】増粘剤 単純な水溶液の粘度よりも高い粘度は、活性化合物の目
への吸収を増大し、処方を調剤する際の変異を減少さ
せ、および/または目薬処方を改善するために望まし
い。その様な増粘剤としては、ポリビニルアルコール;
ポリビニルピロリドン;メチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロースの如きセルロース系重合体;カルボマー(c
arbomer)910、カルボマー940、カルボマ
ー934Pおよびカルボマー1342の如きカルボキシ
ビニル重合体;または当業者の公知の他の材料があげら
れる。その様な増粘剤は、典型的には約0.01および
約2wt%の間の濃度で使用される。
【0110】実施例13 次の表6ないし表8の処方A〜Mが、眼圧の低下におい
て局所使用のための本発明の代表的な薬剤組成物であ
る。処方A〜Mの各々は、当業者の公知の方法にしたが
って処方される。
【0111】
【表6】
【0112】
【表7】
【0113】
【表8】
【0114】実施例14 本発明の化合物の眼内圧(IOP)を低下させる能力
を、あらかじめレーザー・トラベクロプラスティによっ
て作られた高眼圧症の右眼を持つシノモルグス(cyn
omolgus)猿において評価した。動物を拘束椅子
に座るように訓練し、そして化学的抑制なしに実験的処
置を受け入れるようにした。IOPは、希釈プロパラカ
インで右角膜麻酔の後、気圧眼圧計によって測定した。
試験基準書は、2日半にわたって投与された5つに分割
された投薬よりなる処理法を含む。投薬2〜5は、最初
の投薬の後、8、24、32および48時間に行われ
る。基準IOP値は、試験処方での処置に先立って測定
した。そして次いでIOPを第4の投薬の16時間後、
および第5の投薬の2、4および6時間後に測定した。
プロスタグランジンの投薬量は、各処置において含まれ
る化合物のマイクログラムである。試験された5つの化
合物は、化合物(III )ないし(VII )としてあらかじ
め確認されたものである。
【0115】
【表9】
【0116】結果を上記表9に示す。化合物(III )な
いし(VII )は、発表された臨床研究論文における他の
プロスタグランジンでは限界量または無効な投薬量で、
眼内圧の著しい低下を引き起こした。化合物(IV)は特
に強力であり、化合物の丁度1μgで眼内圧が50%以
上低下した。これに対して、中島他(Graefe′s
Arch.Clin.Exp.Ophthalmo
l.,229:411−413(1991))は、50
μgのPGD2 および2.5μgのBW245C(PG
2 同族体)が、人間の眼の眼内圧をそれぞれ12%お
よび10%低下することを報告している。兎におけるこ
れらの参照化合物について報告された他の研究報告(ウ
ッドワード他:Invest.Ophthalmol.
Vis.Sci.,31:138−146(199
0))では、最大IOP低下が250μgのPGD2
約28%および25μgのBW245Cで22%である
ことが述べられている。これらの比較は、眼内圧の低下
において本発明の化合物の予期されない効力を示してい
る。これらの試験の間に、炎症の徴候は認められなかっ
た。
【0117】実施例15 本発明の化合物の眼内圧(IOP)を低下させる能力
を、あらかじめレーザー・トラベクロプラスティによっ
て作られた高眼圧症の右眼を持つシノモルグス(cyn
omolgus)猿において評価した。動物を拘束椅子
に座るように訓練し、そして化学的抑制なしに実験的処
置を受け入れるようにした。IOPは、希釈プロパラカ
インで右角膜麻酔の後、気圧眼圧計によって測定した。
試験された2つの化合物は、化合物(XI)及び(XII )
としてあらかじめ確認されたものである。
【0118】
【表10】 化合物(XI)及び(XII )は、発表された臨床研究論文
における他のプロスタグランジンでは、限界量または無
効な投薬量で、眼内圧の著しい低下を引き起こした。比
較として、中島他(Graefe′s Arch.Cl
in.Exp.Ophthalmol.,229:41
1−413(1991))は、50μgのPGD2 およ
び2.5μgのBW245C(PGD2 同族体)が、人
間の眼の眼内圧をそれぞれ12%および10%低下する
ことを報告している。兎におけるこれらの参照化合物に
ついて報告された他の研究報告(ウッドワード他:In
vest.Ophthalmol.Vis.Sci.,
31:138−146(1990))では、最大IOP
低下が250μgのPGD2 で約28%および25μg
のBW245Cで22%であることが述べられている。
これらの比較では、眼内圧の低下において本発明の化合
物の予期されない効力を示している。これらの試験の間
に、炎症の徴候は認められなかった。
【0119】本発明は、ある好ましい態様を参照して記
載したが、しかし、発明の本質および精神から逸脱する
ことなく他の形態または変更が具体化できることを理解
すべきである。それゆえ、上記した実施態様は、説明の
ためのものであって限定するものではなく、本発明の範
囲は、前記記載によるよりもむしろ特許請求の範囲によ
って示される。
【0120】
【発明の効果】本発明の上記一般式(I)および(II)
で示されるプロスタグランジン化合物は、目への局所投
与によって、重大な炎症または副作用を伴うことなく、
他の公知のPGに比べてより大きな度合でIOPを低下
し、したがって本発明の局所的眼薬組成物は、緑内障お
よび高眼圧症を治療するのに有効である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 〔式中、R1 =CO2 2 (ここで、R2 =H、カチオ
ン塩成分または眼科的に受容可能なアンモニウム成
分)、またはR1 は眼科的に受容可能なエステル成分を
表してもよい; X=いずれかの立体配置のハロゲン; Y=CH2 またはO;R3 、R4 は同一または異なって
いてもよく、遊離のヒドロキシ基、エーテル化されたヒ
ドロキシ基またはエステル化されたヒドロキシ基;n=
0又は1;
【数1】 Xはβ配置のClまたはβ配置のFではない。
【化2】 〔式中、R1 =CH2 RまたはCO2 4 ; R=OH、エーテル化されたヒドロキシ基またはエステ
ル化されたヒドロキシ基;R2 およびR3 は、同一また
は異なっていてもよく、HおよびCH3 から選択され
る; R4 =H、カチオン性塩成分、置換または非置換アルキ
ル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ア
リール、アリールアルキル、ヘテロアリール、または
(ヘテロアリール)アルキル基(ここで置換基はアルキ
ル、ハロゲン、遊離の、エーテル化された、もしくはエ
ステル化されたヒドロキシ基、または遊離の、もしくは
アルキル化されたチオール基を表す。); W=CH2 、O、またはS(O)(ここで、m=0、
1、2) A=CH2 CH2 、シスまたはトランスCH=CH、ま
たはエチニレン基; X=いずれかの立体配置のCl、FまたはR、または
H;Z11及びZ15は、同一または異なっていてもよく、
O、いずれかの立体配置のHおよびR、またはHおよび
Hから選択される; Y=CH2 CH2 またはトランスCH=CH、またはエ
チニレン基;および n=0又は1 ただし、下記の化合物は除く:
【化3】 (ここでR4 は上記定義したものを意味し、 W=CH2 またはO、 X=ClまたはF、 Y=トランスCH=CH、 11=いずれかの立体配置のOH、ただしX=Fの場
合、Z11はβ配置のOHではない。 )〕。
【化4】 〔式中、R1 =CH2 RまたはCO2 4 ; R=OHエーテル化されたまたはエステル化されたヒ
ドロキシ基;R2 およびR3 は、同一または異なってい
てもよく、HおよびCH3 から選択される; R4 =H、カチオン性塩成分、置換または非置換アルキ
ル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ア
リール、アリールアルキル、ヘテロアリール、または
(ヘテロアリール)アルキル基(ここで置換基はアルキ
ル、ハロゲン、遊離の、エーテル化された、もしくはエ
ステル化されたヒドロキシ基、または遊離の、もしくは
アルキル化されたチオール基を表す。); W=O、またはS(O)(ここで、m=0、1、
2); A=CH2 CH2 、シスまたはトランスCH=CH、ま
たはエチニレン基; X=H;Z11及びZ15は、同一または異なっていてもよ
く、O、いずれかの立体配置のHおよびR、またはHお
よびHから選択される; Y=CH2 CH2 またはトランスCH=CH、またはエ
チニレン基;および n=0又は1〕
【化5】
【化6】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】〔式中、R1 =CO2 2 (ここで、R2
=H、カチオン性塩成分、または眼科的に受容可能なア
ンモニウム成分)、またはR1 は眼科的に受容可能なエ
ステル成分を表してもよい; X=いずれかの立体配置のハロゲン、特にClまたは
F; Y=CH2 またはO;R3 、R4 は同一または異なって
いてもよく、遊離のヒドロキシ基、エーテル化されたヒ
ドロキシ基またはエステル化されたヒドロキシル基; n=0又は1;
【数2】 Xはβ配置のClまたはβ配置のFではない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【化8】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】〔式(II)中、R1 =CH2 RまたはCO
2 4 ; R=OH、エーテル化されたヒドロキシル基またはエス
テル化されたヒドロキシ基;R2 およびR3 は、同一ま
たは異なっていてもよく、HおよびCH3 から選択され
る; R4 =H、カチオン性塩成分、眼科的に受容可能なアン
モニウム成分、置換または非置換アルキル、シクロアル
キル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリー
ルアルキル、ヘテロアリール、または(ヘテロアリー
ル)アルキル(ここで置換基はアルキル、ハロゲン、遊
の、エーテル化された、もしくはエステル化された
ドロキシ基、または遊離の、もしくはアルキル化された
チオール基を含む); W=CH2 、O、またはS(O)(ここで、m=0、
1、2) A=CH2 CH2 、シスまたはトランスCH=CH、ま
たはエチニレン基; X=いずれかの立体配置のCl、FまたはR、または
H;Z11は、O(すなわちカルボニル)、いずれかの立
体配置のHおよびR、またはHおよびHから選択され
る;Z15は、O(すなわちカルボニル)、いずれかの立
体配置のHおよびR、またはHおよびHから選択され
る; Y=CH2 CH2 またはトランスCH=CH、またはエ
チニレン基;および n=0又は1 ただし、上記式(IIA)の化合物は除く (式(IIA)中、R4 は上記定義したものを意味し、 W=CH2 またはO、 X=ClまたはF、 Y=トランスCH=CH、 11=いずれかの立体配置のOH、ただしX=Fの場
合、Z11はβ配置のOHではない。)
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】下記表1ないし表5に、本発明の好ましい
化合物の例を示す。なお、表1中のIII およびIVで示す
化合物は、本発明の範囲外のものであるが、参考までに
示したものである。
【表1】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0110
【補正方法】変更
【補正内容】
【0110】実施例13 次の表6ないし表8の処方〜Mが、眼圧の低下におい
て局所使用のための本発明の代表的な薬剤組成物であ
る。なお、処方AおよびBは参考のために示したもので
ある。処方A〜Mの各々は、当業者の公知の方法にした
がって処方される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正内容】
【0114】実施例14 本発明の化合物の眼内圧(IOP)を低下させる能力
を、あらかじめレーザー・トラベクロプラスティによっ
て作られた高眼圧症の右眼を持つシノモルグス(cyn
omolgus)猿において評価した。動物を拘束椅子
に座るように訓練し、そして化学的抑制なしに実験的処
置を受け入れるようにした。IOPは、希釈プロパラカ
インで右角膜麻酔の後、気圧眼圧計によって測定した。
試験基準書は、2日半にわたって投与された5つに分割
された投薬よりなる処理法を含む。投薬2〜5は、最初
の投薬の後、8、24、32および48時間に行われ
る。基準IOP値は、試験処方での処置に先立って測定
した。そして次いでIOPを第4の投薬の16時間後、
および第5の投薬の2、4および6時間後に測定した。
プロスタグランジンの投薬量は、各処置において含まれ
る化合物のマイクログラムである。試験された5つの化
合物は、化合物(III )ないし(VII )としてあらかじ
め確認されたものである。なお、化合物(III )および
(IV)は参考のためのものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デサンティス, ルイス ジュニア. アメリカ合衆国 76109 テキサス州、フ ォート ワース、ウィントン テラス ウ エスト 2316 (72)発明者 チンケ,ポール ダブリュー. アメリカ合衆国 76133 テキサス州、フ ォート ワース、ウィロウ ウェイ ロー ド 4129 (72)発明者 ビショップ,ジョン イー. アメリカ合衆国 76016 テキサス州、ア ーリントン、オーク ベンド ドライブ 3503 (72)発明者 クリムコ, ピーター ジー. アメリカ合衆国 76132 テキサス州、フ ォート ワース、#1206 オーバートン リッジ 5301 (72)発明者 セリア, ロバート ディー. アメリカ合衆国 76132 テキサス州、フ ォート ワース、 アパートメント 3168、ビバリー ドライブ ウエスト 5908 (72)発明者 ディーン, トーマス アール. アメリカ合衆国 76087 テキサス州、ウ エザーフォールド、 メドー ビュー コ ート 101 (72)発明者 ヘルベルグ, マーク アール. アメリカ合衆国 76017 テキサス州、ア ーリントン、 オーバーリッジ ドライブ 5211

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼科的に受容可能なベヒクル及び治療有
    効量の下記式(I)で示される化合物よりなることを特
    徴とする緑内障及び高眼内圧症治療用の局所的眼薬組成
    物。 【化1】 〔式中、R1 =CO2 2 (ここで、R2 =H、カチオ
    ン塩成分または眼科的に受容可能なアンモニウム成
    分)、またはR1 は眼科的に受容可能なエステル成分を
    表してもよい; X=いずれかの立体配置のハロゲン、特にClまたは
    F; Y=CH2 またはO; 【数1】 3 、R4 は同一または異なっていてもよく、遊離又は
    官能的に変性されたヒドロキシ基; n=0又は1〕
  2. 【請求項2】 上記式(I)において、R1 =CO2
    2 ;R2 =H、置換または非置換アルキル、シクロアル
    キル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、アリー
    ルアルキル、ヘテロアリール、または(ヘテロアリー
    ル)アルキル基(ここで置換基は、アルキル、ハロゲ
    ン、遊離または官能的に変性されたヒドロキシ基、およ
    び遊離または官能的に変性されたチオール基よりなる群
    から選択される。); X=いずれかの立体配置のFまたはClである請求項1
    記載の局所的眼薬組成物。
  3. 【請求項3】 R1 =CO2 2 ;R2 =H、メチル、
    エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル又は
    ベンジル;X=β(R)配置のCl;Y=O;R3 及び
    4 =OH;及びn=1である請求項2記載の局所的眼
    薬組成物。
  4. 【請求項4】 R2 =t−ブチルである請求項3記載の
    局所的眼薬組成物。
  5. 【請求項5】 R1 =CO2 2 ;R2 =H、メチル、
    エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル又は
    ベンジル;X=β(R)配置のCl;Y=CH2 ;R3
    及びR4 =OH;及びn=1である請求項2記載の局所
    的眼薬組成物。
  6. 【請求項6】 R2 =メチルである請求項5記載の局所
    的眼薬組成物。
  7. 【請求項7】 式(I)で示される化合物が約0.00
    002ないし約0.5重量%の濃度で存在する請求項1
    ないし請求項5のいずれかに記載の局所的眼薬組成物。
  8. 【請求項8】 式(I)で示される化合物が約0.00
    01ないし約0.1重量%の濃度で存在する請求項7記
    載の局所的眼薬組成物。
  9. 【請求項9】 式(I)で示される化合物が約0.00
    1ないし約0.05重量%の濃度で存在する請求項8記
    載の局所的眼薬組成物。
  10. 【請求項10】 化合物を緑内障または高眼内圧症の眼
    に局所的に投与する請求項1ないし請求項5のいずれか
    に記載の局所的眼薬組成物の使用。
  11. 【請求項11】 式(I)で示される化合物を約0.0
    01ないし約1000μg投与する請求項10記載の使
    用。
  12. 【請求項12】 式(I)で示される化合物を約0.0
    1ないし約100μg投与する請求項11記載の使用。
  13. 【請求項13】 式(I)で示される化合物を約0.0
    5ないし約50μg投与する請求項12記載の使用。
  14. 【請求項14】 眼科的に受容可能なベヒクル及び治療
    有効量の下記式(II)で示される化合物よりなることを
    特徴とする緑内障及び高眼内圧症治療用の局所的眼薬組
    成物。 【化2】 〔式中、R1 =CH2 RまたはCO2 4 ; R=OHまたは官能的に変性されたヒドロキシ基;R2
    およびR3 は、同一または異なっていてもよく、Hおよ
    びCH3 から選択される; R4 =H、カチオン性塩成分、置換または非置換アルキ
    ル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ア
    リール、アリールアルキル、ヘテロアリール、または
    (ヘテロアリール)アルキル基(ここで置換基はアルキ
    ル、ハロゲン、遊離または官能的に変性されたヒドロキ
    シ基、または遊離または官能的に変性されたチオール基
    を表す。); W=CH2 、O、またはS(O)(ここで、m=0、
    1、2) A=CH2 CH2 、シスまたはトランスCH=CH、ま
    たはエチニレン基; X=いずれかの立体配置のCl、FまたはR、または
    H;Z11及びZ15は、同一または異なっていてもよく、
    O、いずれかの立体配置のHおよびR、またはHおよび
    Hから選択される; Y=CH2 CH2 またはトランスCH=CH、またはエ
    チニレン基;および n=0又は1 ただし、下記の化合物は除く: 【化3】 (ここでR4 は上記定義したものを意味する。)〕。
  15. 【請求項15】 W=CH2 、またはO;A=シスCH
    =CH;X=ClまたはH;Z11=いずれかの立体配置
    のRおよびH、またはHおよびH;Y=CH2 CH2
    たはトランスCH=CH;およびn=1である請求項1
    4記載の局所的眼薬組成物。
  16. 【請求項16】 R2 、R3 =H;X=β立体配置のC
    lまたはH;Z15=いずれかの立体配置のHおよびR;
    及びR4 =H、カチオン性塩成分、または置換または非
    置換C1 〜C10アルキル基である請求項15記載の局所
    的眼薬組成物。
  17. 【請求項17】 式(II)で示される化合物が約0.0
    0002ないし約0.5重量%の濃度で存在する請求項
    14ないし請求項16のいずれかに記載の局所的眼薬組
    成物。
  18. 【請求項18】 式(II)で示される化合物が約0.0
    001ないし約0.1重量%の濃度で存在する請求項1
    7記載の局所的眼薬組成物。
  19. 【請求項19】 式(II)で示される化合物が約0.0
    01ないし約0.05重量%の濃度で存在する請求項1
    8記載の局所的眼薬組成物。
  20. 【請求項20】 化合物を緑内障または高眼内圧症の目
    に局所的に投与する請求項14ないし請求項16のいず
    れかに記載の局所的眼薬組成物の使用。
  21. 【請求項21】 式(II)で示される化合物を約0.0
    01ないし約1000μg投与する請求項20記載の使
    用。
  22. 【請求項22】 式(II)で示される化合物を約0.0
    1ないし約100μg投与する請求項21記載の使用。
  23. 【請求項23】 式(II)で示される化合物を約0.0
    5ないし約50μg投与する請求項22記載の使用。
  24. 【請求項24】 下記式(II)で示される化合物: 【化4】 〔式中、R1 =CH2 RまたはCO2 4 ; R=OHまたは官能的に変性された(すなわち、エーテ
    ル化されたまたはエステル化された)ヒドロキシ基;R
    2 およびR3 は、同一または異なっていてもよく、Hお
    よびCH3 から選択される; R4 =H、カチオン性塩成分、置換または非置換アルキ
    ル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ア
    リール、アリールアルキル、ヘテロアリール、または
    (ヘテロアリール)アルキル基(ここで置換基はアルキ
    ル、ハロゲン、遊離または官能的に変性されたヒドロキ
    シ基、または遊離または官能的に変性されたチオール基
    を表す。); W=O、またはS(O)(ここで、m=0、1、
    2); A=CH2 CH2 、シスまたはトランスCH=CH、ま
    たはエチニレン基; X=H; Z11及びZ15は、同一または異なっていてもよく、O、
    いずれかの立体配置のHおよびR、またはHおよびHか
    ら選択される; Y=CH2 CH2 またはトランスCH=CH、またはエ
    チニレン基;および n=0又は1〕
  25. 【請求項25】 R1 =CO2 4 ;R2 およびR3
    H;R4 =H、カチオン性塩成分、置換または非置換C
    1 〜C10アルキル;W=O;A=シスCH=CH;Z11
    及びZ15=いずれかの立体配置のRおよびH;Y=CH
    2 CH2 またはトランスCH=CH;およびn=0又は
    1である請求項24記載の化合物。
  26. 【請求項26】 下記式で示される請求項25記載の化
    合物。 【化5】
  27. 【請求項27】 下記式で示される請求項25記載の化
    合物。 【化6】
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