JPH10119114A - フイルム押出成形用ダイおよびこれを用いたフイルムの製造方法 - Google Patents

フイルム押出成形用ダイおよびこれを用いたフイルムの製造方法

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JPH10119114A
JPH10119114A JP8279228A JP27922896A JPH10119114A JP H10119114 A JPH10119114 A JP H10119114A JP 8279228 A JP8279228 A JP 8279228A JP 27922896 A JP27922896 A JP 27922896A JP H10119114 A JPH10119114 A JP H10119114A
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JP
Japan
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lip
film
die
width
outer deckle
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JP8279228A
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English (en)
Inventor
Masahiro Niiguchi
正博 新口
Hiroshi Tokuda
寛志 徳田
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リップの片方または両端部の下面に非摺動で
リップに非挿入な構造のアウターディッケルを設置する
ことにより、リップ幅寸法を簡便に変更し、銘柄交換時
間を短縮し、樹脂漏れや滞留劣化を発生することがな
く、短時間で製膜を安定させるフイルム押出成形用ダイ
を提供する。 【解決手段】 リップの幅を変更または調節する手段を
備えたフイルム押出成形用ダイであって、該ダイは側板
下面がリップ下面よりわずかに突き出て断差を形成した
構造をとり、リップの幅を変更または調節する手段がリ
ップ端部の下面をディッケルで塞ぐ非摺動かつリップに
非挿入構造のアウターディッケルであり、該アウターデ
ィッケルはリップの一方または両端部に設けてあり、該
アウターディッケルにはリップ下面および前記断差の側
面に蜜着させるシール材が固着してあり、そして該シー
ル材のリップ下面への蜜着固定はリップ圧着治具で、か
つ断差側面への蜜着固定は側板圧着治具で行うようにし
たことを特徴とするフイルム押出成形用ダイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフイルム押出成形用
ダイおよびこれを用いたフイルムの製造方法に関し、更
に詳しくはダイリップの片方または両端部の下面に非摺
動でリップに非挿入構造のアウターディッケルを圧着固
定し、該ディッケルによるシール長さでダイ幅を調節す
るようにしたフイルム押出成形用ダイおよびこれを用い
たフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フイルムの製造は、従来、要求されるフ
イルム幅に対応するリップ幅のダイから溶融ポリマーを
押出す方法で行われていた。そして銘柄変更において
は、フイルム幅が変更になる度に、運転を中断してこの
フイルム幅に応じたリップ幅のダイに交換する方法がと
られてきた。この為に、ダイ交換毎に長時間の運転休止
ロスが生じ、生産性を悪化させる大きな要因になってい
た。また、各銘柄に対応したダイを所有することを要
し、ダイ保有台数も多く設備費が高いという問題も孕ん
でいた。
【0003】そこで、1台のダイで複数の幅のフイルム
を製膜することが検討され、ダイリップの幅を変更する
手段として、例えば図4に示すようにアウターディッケ
ルの幅調節板32を、ハンドル33を用いた押し引き手
段34〜36により、ダイ幅方向に自由にスライド進退
させてリップの幅寸法を変更する方法(特開昭51−1
45566号)、同様にディッケルを摺動させる方法
(特開平8−142158)、図5に示すようにリップ
幅を適宜に狭めるためのアウターディッケルのリップシ
ール42にさらに端部厚化防止のための整流板43を設
け、リップランド内に挿入する方法(特開昭52−14
7662号)、同様にアウターディッケルとインナーデ
ィッケルの両方を設置する方法(特開平8−5278
3)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アウターディ
ッケルを押し引き手段により自由にスライド進退させる
方法は、ダイリップの幅変更時間の短縮および短時間で
製膜を安定させる利点を有するが、摺動部にわずかなク
リアランスが存在し、この部分より樹脂漏れが発生し、
工程トラブルを引き起こす原因となるという問題を孕ん
でいる。
【0005】また、リップランド内に整流板やインナー
ディッケルを挿入するする方法は、ダイ内にポリマー滞
留部分が発生し、ポリマーが滞留劣化し、製膜に支障を
きたすという問題を抱えている。
【0006】本発明の目的は、上記問題を解消し、リッ
プの片方または両端部の下面に非摺動でリップに非挿入
な構造のアウターディッケルを設置することにより、樹
脂漏れを発生することがなく、リップ幅寸法を簡便かつ
短時間に変更でき、かつ短時間で製膜を安定させること
ができ、更には樹脂の滞留劣化を防止でき、銘柄変更が
短時間で生産ロスの少ないフイルム押出し成形用ダイを
提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、上記アウターディッ
ケルでリップの片方または両端部の下面を塞ぎ、リップ
幅を簡便かつ短時間に変更し得るフイルム押出し成形用
ダイから溶融ポリマーを押出すことで、樹脂漏れの発生
がなく、銘柄変更時リップ幅変更の時間が短く、かつ短
時間で製膜を安定させ、更には樹脂の滞留劣化を防止で
き、銘柄変更による生産ロスの少ないフイルムの製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば第一に、リップの幅を変更または調節する手段
を備えたフイルム押出成形用ダイであって、該ダイは側
板下面がリップ下面よりわずかに突き出て断差を形成し
た構造をとり、リップの幅を変更または調節する手段が
リップ端部の下面をディッケルで塞ぐ非摺動かつリップ
に非挿入構造のアウターディッケルであり、該アウター
ディッケルはリップの一方または両端部に設けてあり、
該アウターディッケルにはリップ下面および前記断差の
側面に蜜着させるシール材が固着してあり、そして該シ
ール材のリップ下面への蜜着固定はリップ圧着治具で、
かつ断差側面への蜜着固定は側板圧着治具で行うように
したことを特徴とするフイルム押出成形用ダイによって
達成される。
【0009】以下、図面を用いて本発明を説明する。
【0010】図1は本発明の一つの実施形態を示すフイ
ルム押出成形用ダイのアウターディッケル設置状況を示
す部分(拡大)斜視図である。図2は図1のアウターデ
ィッケル設置状況を示す部分(拡大)正面図である。図
3はアウターディッケルを設置したときのフイルム押出
成形用ダイの正面断面図である。
【0011】図1、図2、図3での1はダイ本体、2は
側板、3はポリマー流路、4はリップ下面、5はアウタ
ーディッケル、6は押出されるフイルム、7はリップ圧
着治具、8は側板圧着治具、9はアウターディッケル5
に固着したシール材、10は滞留樹脂漏らし用細孔、1
1はダイ本体と側板のシール材を示す。また、図2での
Aは側板の下面とリップ下面の段差を示す。
【0012】本発明における押出成形用ダイは、Iダイ
でもTダイでもよく、図2に示すように、側板2の下面
がリップ下面よりわずかに突き出て断差Aを形成する構
造をとるものである。この断差Aは数mm程度であり、
通常1〜5mm、好ましくは1.5〜4mmである。ダ
イは通常不錆鋼(ステンレス鋼)で造られる。
【0013】前記押出成形用ダイは、リップの幅を変更
または調節する手段としてリップ端部の下面をディッケ
ルで塞ぐ非摺動かつリップに非挿入構造のアウターディ
ッケル5を用い、アウターディッケル5をリップの一方
または両端部に設け、アウターディッケル5にはリップ
下面および断差Aの側面に蜜着させるシール材9を固着
してある。そしてシール材9のリップ下面への蜜着固定
はリップ圧着治具7で、かつ断差側面への蜜着固定は側
板圧着治具8で行う。
【0014】リップの幅の変更調節はシール材9の長さ
を変更調節し、リップを塞ぐ長さを変えることで行う。
シール材9の厚みは前記段差Aの高さより大きい(厚
い)ことが必要であり、通常1.5〜7mm、好ましく
は2〜6mmである。シール材9の厚みと段差Aの高さ
との差はシール材の厚みの50%以下、更には40%以
下であることが好ましい。シール材の幅はリップの口
(開口部)を完全に塞ぐものであればよく、例えば10
〜15mmの幅もあれば十分である。
【0015】シール材9の材料としては、ダイおよびア
ウターディッケルを構成する材料より硬度の小さい材料
を用いるのが好ましい。通常、ダイの材料はステンレス
鋼、アウターディッケルの材料は炭素鋼であるが、この
場合シール材にはアルミニウムを用いるとよい。またこ
のアルミニウムには弗素樹脂をラミネートしてもよく、
この方が好ましいことが多い。
【0016】シール材9のアウターディッケル5への固
着はどのような手段でもよいが、シール材9の先端は、
図2に示すようにアウターディッケル5よりダイ内側に
わずかに出ているのが好ましい。またこの先端部は、図
2に示すように厚み方向に斜めにカットされていること
が好ましい。
【0017】アウターディッケル5の取り付けでリップ
の開口部が塞がれ、この部分のリップランドにデットス
ペースが生じ、ここに滞留する溶融ポリマーが熱劣化す
る危険があるが、この防止にはシール材9およびアウタ
ーディッケル5に細孔(細孔の位置を合わせた連通孔)
10を形成し、該細孔10から連続的または間欠的に溶
融ポリマーを少量流出させるのが有効である。
【0018】本発明におけるアウターディッケル5は、
図1に示すようにしてダイに取り付けるが、その際まず
アウターディッケル5のシール材9をリップ下面にリッ
プ圧着治具7で押し付け、ついでダイ側板2(段差の側
板)に、因みにダイ側板2とダイ本体1の間にシール材
11がある場合は該シール材11に側板圧着治具8で押
し付け、所望によりリップ圧着治具7でシール材9をリ
ップ下面にさらに押し付けることが好ましい。リップ圧
着治具7によるリップ下面へのシール材9の押し付け
は、アウターディッケル5をリップ下面とリップ圧着治
具7で挟み、治具7のボルト操作で行い、また側板圧着
治具8による押し付けは治具8のボルト操作で行うとよ
い。この取り付けで樹脂漏れを防止するすることができ
る。この樹脂漏れ防止をより強化するためには、前記し
たように、シール材9の材料にダイおよびアウターディ
ッケルの材料より硬度の小さい材料を用いることが好ま
しい。
【0019】本発明によれば、さらに、上記のようにし
てアウターディッケルでリップの幅を変更調節したフイ
ルム押出成形用ダイから、溶融ポリマーをフイルム状に
押出し、冷却手段で急冷固化して未延伸フイルムとする
ことを特徴とするフイルムの製造方法を提供することが
できる。
【0020】前記ポリマーとしては、フイルム形成能を
有する熱可塑性樹脂であれば特に制限はなく、例えばポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等の芳香族ポリエステル、ナイロン−6,ナ
イロン−66等のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン等のポリオレフィン、ポリカーボネートなどを挙
げることができる。これらの中、芳香族ポリエステルが
特に好ましい。
【0021】前記冷却手段としては、フイルム製造の冷
却手段として知られているものを用いることができる
が、その中でも回転冷却ドラムが特に好ましい。
【0022】前記未延伸フイルムは、さらに延伸処理を
施して延伸フイルム、特にニ軸延伸フイルムとすること
ができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例によって本発明をさらに説明す
る。
【0024】[実施例1]ダイのリップ両端下部に図
1、2に示すようなアウターディッケルを取り付け、シ
ール材にアルミパッキンを使用してリップの幅が元のリ
ップ幅の70%になるよう調節したダイを用いて、溶融
したポリエチレンテレフタレートをフイルム状に押出
し、回転冷却ドラムで急冷固化して未延伸フイルムを製
造した。その際、アウターディッケルおよびアルミパッ
キンに形成した連通細孔から少量の溶融ポリマーを連続
的に漏らすようにしたところ、約2日間の製膜において
も異物発生および破断もなく安定した製膜が可能であっ
た。また、製膜後、ダイを冷却、分解してアウターディ
ッケルを設置したところのダイ内部を調べたところ、溶
融ポリマーの滞留劣化はほとんど認められなかった。ま
たエッジの厚化についてはアウターディッケルを設置し
ていない製膜に比べ最エッジが2〜3割厚くなる程度で
あった。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、リップの幅を変更調節
する特殊なアウターディッケルをダイに設置し、樹脂漏
れを起こすことなしにフイルムの幅寸法を簡便にかつ短
時間に変更でき、銘柄変更時間を短縮し、さらにはポリ
マーの滞留劣化を防止し、短時間で製膜を安定させるフ
イルム押出成形用ダイを提供することができる。また本
発明によれば、フイルム銘柄の変更が簡便かつ短時間で
行え、さらにはポリマーの滞留劣化を防止し、短時間で
製膜を安定させるフイルムの製造方法を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態を示すフイルム押出成
形用ダイのアウターディッケル設置状況を示す部分(拡
大)斜視図である。
【図2】図1のアウターディッケル設置状況を示す部分
(拡大)正面図である。
【図3】アウターディッケルを設置したときのフイルム
押出成形用ダイの正面断面図である。
【図4】従来のダイリップ幅変更装置の概略説明図であ
る。
【図5】従来のダイ幅変更装置の正面断面図である。
【符号の説明】
1:ダイ本体 2:側板 3:ポリマー流路 4:リップ下面 5:アウターディッケル 6:押出されるフイルム 7:リップ圧着治具 8:側板圧着治具 9:シール材 10:滞留樹脂漏らし用細孔 11:ダイ本体と側板のシール材 30:ダイ本体 31:リップ開口部 32:リップ幅調節板 33:ハンドル 34:支持部材 35:連結部 36:固定部材 37:側板 41:押出されるフイルム 42:リップシール 43:整流板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リップの幅を変更または調節する手段を
    備えたフイルム押出成形用ダイであって、該ダイは側板
    下面がリップ下面よりわずかに突き出て断差を形成した
    構造をとり、リップの幅を変更または調節する手段がリ
    ップ端部の下面をディッケルで塞ぐ非摺動かつリップに
    非挿入構造のアウターディッケルであり、該アウターデ
    ィッケルはリップの一方または両端部に設けてあり、該
    アウターディッケルにはリップ下面および前記断差の側
    面に蜜着させるシール材が固着してあり、そして該シー
    ル材のリップ下面への蜜着固定はリップ圧着治具で、か
    つ断差側面への蜜着固定は側板圧着治具で行うようにし
    たことを特徴とするフイルム押出成形用ダイ。
  2. 【請求項2】 シール材の硬度がダイおよびアウターデ
    ィッケルを構成する材料の硬度より小さい請求項1に記
    載のフイルム押出成形用ダイ。
  3. 【請求項3】 シール材およびアウターディッケルに連
    通細孔を形成し、該細孔から連続的または間欠的に溶融
    ポリマーを少量漏らすようにした請求項1に記載のフイ
    ルム押出成形用ダイ。
  4. 【請求項4】 溶融ポリマーを請求項1に記載の、アウ
    ターディッケルでリップの幅を変更調節したフイルム押
    出成形用ダイからフイルム状に押出し、冷却手段で急冷
    固化して未延伸フイルムとすることを特徴とするフイル
    ムの製造方法。
JP8279228A 1996-10-22 1996-10-22 フイルム押出成形用ダイおよびこれを用いたフイルムの製造方法 Pending JPH10119114A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9656410B2 (en) 2012-11-29 2017-05-23 Kaneka Corporation Film manufacturing method, film manufacturing device, and jig

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