JPH10118980A

JPH10118980A - 円筒形抜型におけるムラ取り方法及びそれに使用する補正テープ

Info

Publication number: JPH10118980A
Application number: JP28244096A
Authority: JP
Inventors: Katsumi Tamura; 勝己田村
Original assignee: TAMURA KOKI KK
Current assignee: TAMURA KOKI KK
Priority date: 1996-10-24
Filing date: 1996-10-24
Publication date: 1998-05-12

Abstract

(57)【要約】【課題】 “ムラ取り”が非常に簡単なムラ取り方法及
びそれに使用する補正テープを提供する。【解決手段】打ち抜き刃（横刃、縦刃）ａ１、ａ２が
装備された合成からなる円筒形抜型Ａを装着する上シリ
ンダ（ナイフシリンダ）１と、下シリンダ（アンビルシ
リンダ）２とで挟持回転して対象裁断物を試し裁断す
る。その裁断結果で裁断不良がある場合にはその該当箇
所の裁断残り量（厚み）を測定し、裁断残りとなる打ち
抜き刃の局部が対応する下シリンダ２の外周面にその裁
断残りに相応する厚み、形状の補正テープ３を選択して
剥離可能に備設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、段ボール、厚紙等
の紙材を形成する場合、その箱体の展開形状に紙材から
打ち抜き裁断するのに使用されるハードロータリーダイ
カット方式、セミハードロータリーダイカット方式の円
筒形抜型を使用したムラ取り方法及びそのムラ取り装
置、更に詳しくは円筒形抜型における打ち抜き刃の刃先
の高低ムラを均一に矯正する円筒形抜型におけるムラ取
り方法及びそれに使用する補正テープに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、段ボール、厚紙等で箱体を製作す
る場合、円筒形抜型をシリンダに取り付けて回転によっ
て打ち抜きを行うロータリーダイカッタがある。ロータ
リーダイカッタに使用される円筒形抜型（ロータリーダ
イ）は円筒形を呈した合成基材に打ち抜き刃（横刃）を
その合成基材の軸芯と平行に、また打ち抜き刃（縦刃）
を同軸芯と直角に配置して植え付け固定して構成され、
この円筒形抜型をナイフシリンダ（上シリンダ）の外周
面に交換可能に装着し、この抜型の打ち抜き刃（横刃）
（縦刃）がアンビルシリンダ（下シリンダ）との挟持回
転に伴い打ち抜き刃（横刃）（縦刃）の刃先がアンビル
シリンダに接触加圧することで裁断対象物（紙材：シー
ト）を裁断加工するように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、横刃、縦刃
とも木ハンマー等で合成基材に設けたスリットに合成基
材の締代圧を利用して打ち込みんで装備されるが、横刃
は勿論のことながら特に縦刃の突出量が全域に亘って不
均一にならない問題がある。この不均一なままで裁断を
続行すると裁断不良が発生し歩留まりの低下につなが
る。これには様々な要因があるが、ナイフシリンダに木
ハンマー等でスリットに連続的に打ち込む手作業のた
め、伸び縮みが発生したり、衝撃等によって横刃、縦刃
自体に浮き上がりが発生すること。合成基材をナイフシ
リンダの外周面に密接して装着する時の装着精度の悪さ
を原因としたり、縦刃において円板状や円弧状に折り曲
げ加工する時の加工精度悪さ等を原因にすること等が挙
げられる。また、縦刃ではナイフシリンダの軸芯とたん
に直交する単純なものばかりでなく、ナイフシリンダの
軸芯と直交するものの正面視でＵ字状やＬ字状を呈する
形態をもって打入される場合もある。このような縦刃で
は湾曲部やコーナー部における刃先部分の突出量が折り
曲げ応力の影響で内側（湾曲内径側、コーナー内側）に
傾斜して他の部分よりも局部的に小さくなる折り曲げ加
工上の問題も要因となる。従来、このような裁断不良を
矯正するためには横刃、縦刃の刃底部分にナイフシリン
ダの外周面に当接する薄い金属片（呼称：ムラ取りテー
プ）を貼り付けて刃先の突出量を調整している（この作
業を“ムラ取り”と称する）。しかし、いちいち合成基
材をナイフシリンダから外して薄い金属片（呼称：ムラ
取りテープ）を該当箇所に張り付け、再度装着する作業
が面倒であり、通常箱体で約３０分、複雑な組箱の場合
には１〜２時間を要するのが現状であるし、打ち抜き形
態が異なるこどに同じ“ムラ取り”を行わねばならず、
作業性が非常に悪い。

【０００４】本発明は、従来事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は“ムラ取り”が非常に簡単なム
ラ取り方法及びそれに使用する補正テープを提供するこ
とにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた技術的手段は、請求項１は円筒状を呈する合板
にその合板の軸芯と平行及び軸芯と直角に打ち抜き刃を
植え付け固定した円筒形抜型を上シリンダの外周面に装
着し、該上シリンダと下シリンダとの間に裁断対象物を
挟持搬送しながら前記打ち抜き刃で裁断するに際し、打
ち抜き刃において所定よりも突出量が小さいことを原因
とする裁断不良対象部位に対応する下シリンダの外周面
位置に前記突出量差に相応する厚みの補正テープを剥離
可能に設け、その補正テープで前記裁断不良対象部位に
対する下シリンダの直径を部分的に大きくして刃当たり
部にしていることを要旨とする。また、請求項２は請求
項１記載の補正テープが厚み、形状を異にする数種の中
から選択使用されるものであることを要旨とする。更
に、請求項３は円筒状を呈する合板にその合板の軸芯と
平行及び軸芯と直角に打ち抜き刃を植え付け固定した円
筒形抜型を上シリンダの外周面に装着し、該上シリンダ
と下シリンダとの間に裁断対象物を挟持搬送しながら前
記打ち抜き刃で裁断するに際し、打ち抜き刃において所
定よりも突出量が小さいことを原因とする裁断不良対象
部位に対応する下シリンダの外周面位置に剥離可能に設
けられる補正テープであって、前記突出量差に相応する
厚み、形状を異にする複数種の中から選択使用されるも
のであることを要旨とする。前記する補正テープはステ
ンレス材（硬度３０）を使用する。

【０００６】上記技術的手段によれば下記を作用を奏す
る。打ち抜き刃（横刃、縦刃）が装備された合板からな
る円筒形抜型を装着する上シリンダ（ナイフシリンダ）
と、下シリンダ（アンビルシリンダ）とで挟持回転して
対象裁断物を試し裁断する。その裁断結果で裁断不良が
ある場合にはその該当箇所の裁断残り量（厚み）を測定
し、裁断残りとなる打ち抜き刃の局部が対応する下シリ
ンダの外周面にその裁断残りに相応する厚み、形状の補
正テープを選択して剥離可能に備設する。これで“ムラ
取り”作業が終了する。

【０００７】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１乃至図３は円筒形抜型におけ
るムラ取り装置、詳細には円筒形抜型をムラ取り装置の
上シリンダにセットした状態を示している。

【０００８】円筒形抜型Ａは合板で上シリンダ１の外周
面に沿う湾曲状に形成されると共に上シリンダ（ナイフ
シリンダ）１の外周面に対して交換可能に装着され、上
シリンダ１の軸芯と平行に配置される打ち抜き刃（横
刃）ａ１と軸芯に対し直角に配置される打ち抜き刃（縦
刃）ａ２とが外方に所定量突出するように植え込み固定
されている。

【０００９】この打ち抜き刃（横刃）（縦刃）ａ１、ａ
２は前記円筒形抜型Ａに設けたスリット100 に打ち込む
ことで備設してある。この打ち抜き刃（横刃）ａ１は詳
細には裁断用の直刃ａ１’、押罫を形成する直刃ａ１”
等がある（図１、図３参照）。また、打ち抜き刃（縦
刃）ａ２は、詳細には上シリンダ１の軸芯とたんに直交
する直刃ａ２’、上シリンダ１の軸芯と直交するものの
正面視でＵ字状やＬ字状を呈する形態を呈する直刃ａ
２”等がある。このＬ字状を呈する形態を呈する直刃は
図３（拡大部参照）に示すように２つを間隔をおいて対
向させ、その先端同士に亘って直刃が連設されている
（図１、図３参照）。

【００１０】符号２は下シリンダ（アンビルシリンダ）
であり、前記上シリンダ１の回転中心に対して回転中心
を鉛直上に一致させ且つ上シリンダ１に対して裁断対象
物（例えば紙シート）を挟持して送り動する隙間を隔て
た状態をもって上シリンダ１と平行に配設されている。

【００１１】また、この下シリンダ２がセミハードロー
タリーダイカット方式の場合には外周面にステンレス板
12が巻回してある。

【００１２】このような下シリンダ２には、裁断対象物
を搬送しながら前記打ち抜き刃（横刃）、（縦刃）ａ
１、ａ２で裁断するに際し、打ち抜き刃（横刃）、（縦
刃）ａ１、ａ２において所定よりも突出量が小さいこと
を原因とする裁断不良対象部位に対応する下シリンダ２
の外周面位置に前記突出量差に相応する厚みの補正テー
プ３が剥離可能に設けられている。即ち、試し裁断する
時に刃先が点接触状に下シリンダ２の外周面に接触する
はずの打ち抜き刃（横刃）ａ１と刃先が線接触状に下シ
リンダ２の外周面に接触するはずの打ち抜き刃（縦刃）
ａ２の裁断具合を確認し、その時、裁断不良（完全に裁
断されていない）がある場合にはその該当箇所の裁断残
り量を測定し、裁断残りとなる打ち抜き刃の局部が対応
する下シリンダ２の外周面にその裁断残り量に相応する
厚みの補正テープ３を選択して剥離可能に備設する。

【００１３】この補正テープ３はステンレス材（硬度３
０）を使用し、厚み、平面視形状を異にするものの複数
種の中から選択使用することとし、裏面に設けた剥離紙
13を剥離するだけで容易に下シリンダ２の外周面に貼着
することができるし、剥がすことかもできるように側面
視で下シリンダ２の外周面に沿う湾曲形状になってお
り、表面が刃当たり部となる。

【００１４】このように本発明のムラ取り方法では下シ
リンダ２の外周面所望箇所に補正テープ３を剥離可能に
貼り付けるだけの作業でムラ取りが行える。

【００１５】図４は裁断対象体から打つ抜き裁断される
箱体Ｃにおける要部の展開状態を示し、符号ｂ１が前記
打ち抜き刃（横刃）ａ１’で裁断される部分、符号ｂ２
は前記Ｕ字状の打ち抜き刃（縦刃）ａ２”で裁断される
部分、ｂ３は前記Ｌ字状の打ち抜き刃（縦刃）２つとそ
れを連設する打ち抜き刃（縦刃）ａ２”で裁断される部
分、ｂ４は押罫を形成する打ち抜き刃（横刃）ａ１”で
凹設される部分を各々概略的に示している。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上のように構成したから合板
（合成基材）からなる円筒形抜型を上シリンダから外し
て金属片を貼り付け、再度上シリンダに装着するよう面
倒な作業を行わずとも試し裁断した結果に基づいて下シ
リンダの外周面に補正テープを貼り付けることでムラ取
り作業が終了する。従って、裁断形態に応じていちいち
円筒形抜型を外したり、装着誤差を伴う再度の装着作業
を全く必要とせず、下シリンダに手を加える（補正テー
プを貼る）だけでムラ取り作業が完結し、実機の稼働率
及び生産性を向上させ、裁断作業を遅滞なく行うに最適
なムラ取り方法を提供することができる。その上、補正
テープは下シリンダに直接剥離可能に貼り付けるだけで
良く、貼り付け時の作業が簡単である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ハードロータリーダイカット方式のムラ取り方
法を実施する装置の要部の側面図で概略的に示し、一部
切欠する。

【図２】セミハードロータリーダイカット方式のムラ取
り方法を実施する装置の要部の側面図で概略的に示し、
一部切欠する。

【図３】ムラ取り装置の全体斜視図。

【図４】裁断される箱体の展開図で部分的に示す。

【符号の説明】

ａ１：打ち抜き刃（横刃）ａ２：打ち抜き刃
（縦刃）Ａ：円筒形抜型１：上シリンダ２：下シリンダ３：補正テープ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】円筒状を呈する合板にその合板の軸芯と
平行及び軸芯と直角に打ち抜き刃を植え付け固定した円
筒形抜型を上シリンダの外周面に装着し、該上シリンダ
と下シリンダとの間に裁断対象物を挟持搬送しながら前
記打ち抜き刃で裁断するに際し、打ち抜き刃において所
定よりも突出量が小さいことを原因とする裁断不良対象
部位に対応する下シリンダの外周面位置に前記突出量差
に相応する厚みの補正テープを剥離可能に設け、その補
正テープで前記裁断不良対象部位に対する下シリンダの
直径を部分的に大きくして刃当たり部にしていることを
特徴とする円筒形抜型におけるムラ取り方法。
【請求項２】前記補正テープが厚み、形状を異にする
複数種の中から選択使用されるものであることを特徴と
する請求項１記載の円筒形抜型におけるムラ取り方法。
【請求項３】円筒状を呈する合板にその合板の軸芯と
平行及び軸芯と直角に打ち抜き刃を植え付け固定した円
筒形抜型を上シリンダの外周面に装着し、該上シリンダ
と下シリンダとの間に裁断対象物を挟持搬送しながら前
記打ち抜き刃で裁断するに際し、打ち抜き刃において所
定よりも突出量が小さいことを原因とする裁断不良対象
部位に対応する下シリンダの外周面位置に剥離可能に設
けられる補正テープであって、前記突出量差に相応する
厚み、形状を異にする複数種の中から選択使用されるも
のであることを特徴とする円筒形抜型におけるムラ取り
方法に使用する補正テープ。