JPH10118627A - 水処理装置のモデル参照型自動制御装置 - Google Patents

水処理装置のモデル参照型自動制御装置

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JPH10118627A
JPH10118627A JP8275088A JP27508896A JPH10118627A JP H10118627 A JPH10118627 A JP H10118627A JP 8275088 A JP8275088 A JP 8275088A JP 27508896 A JP27508896 A JP 27508896A JP H10118627 A JPH10118627 A JP H10118627A
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mathematical
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孝之 大月
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鉄也 川添
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 数学モデルに基づく水処理プロセス制御の実
用化を図れるモデル参照型自動制御装置を提供する。 【解決手段】 制御装置は、データ収集モジュール2
と、水処理プロセスを表現した数学モデル7と、プロセ
スについての知識を備えた言語モデル3、4、6、8
と、上記モジュール及びモデルを所定順に作動させる順
序制御モジュール5とを含む。言語モデルは、運転デー
タから判断した装置運転状況に応じて、複数の運転シナ
リオの立案、校正すべきモデルパラメータの選択、およ
び、モデル校正をリアルタイムで行う。校正済みの数学
モデルは、各運転シナリオによる装置運転結果を予測
し、言語モデルは、運転状況に応じた目的関数を用いて
予測運転結果を評価して最適運転シナリオを選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水処理装置の制御
装置に関し、特に、モデル参照型自動制御装置に関す
る。
【0002】
【関連する技術】化学工学分野では、種々の制御手法が
開発されており、例えば、モデル参照型制御による予測
制御や最適制御が行われている。モデル参照型制御で
は、制御対象であるシステムが定常状態で運転される等
の仮定の下で構築された定常線形数学モデルや、非定常
運転が行われることを前提に構築された動力学的数学モ
デルが用いられている。そして、化学工学分野では、こ
の様な制御を実施することにより、システム挙動の定量
的把握や非定常状態での運転状況把握が可能になる等の
成果を上げている。そこで、化学工学分野で開発された
制御手法を、水処理装置の運転に適用する試みがなされ
ているが、下記の理由で、好結果を得ることは困難であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】水処理では、処理対象
である用水、排水等の原水の水質が大きく変動したり、
温度、pH、異常降雨等に代表される水処理環境が様々
に変化することが多く、これに伴って水処理系の特性が
変化する。水処理プロセスの複雑さに照らして、水処理
プロセスを表現するには、非定常状態をも表現できる動
力学的数学モデルを用いることが有効であると考えられ
るが、動力学的数学モデルは、一般には、実際のプロセ
スを相当に単純化したものになっており、実プロセスに
関与する全てのパラメータを含むわけではない。従っ
て、複雑な水処理プロセス全体を忠実に表現することは
動力学的数学モデルによっても困難である。例えば、国
際学会(IAWQ)で提案された活性汚泥処理の動力学
的数学モデルは、実際の水処理で問題になるバルキング
や発泡の現象に関するプロセスを内包していない。従来
から、この様な現象を数学モデルに組み込む努力はなさ
れてはいるが、バルキング現象などの理論的解明は実用
に供し得るレベルには達していない。この様な不完全な
動力学的数学モデルのみに基づく装置運転制御は実用性
に乏しい。
【0004】化学工学分野では、数学モデルの不完全さ
を補う手法が開発されている。例えば、カルマンフィル
タを用いて数学モデルを校正したり、時系列解析などの
モデル同定作業を行うことにより、数学モデルによって
把握した装置運転状況と実際の運転状況とに生じるずれ
を是正している。従って、モデル校正を行うことによ
り、動力学的数学モデルに基づく水処理プロセス制御の
適正化を図ることが考えられるが、この場合、モデル校
正をリアルタイムで行う必要がある。その一方で、複雑
なシステムについてのモデル校正を純粋に数理的な手法
で行うことには、技術的な困難がある。例えば、化学工
学分野でのモデル校正に利用されるカルマンフィルタ
は、装置が定常状態で運転されるという仮定の下で用い
られるもので、水処理プロセスには有効でない。
【0005】また、化学工学分野での制御手法にならっ
て、系が大きく変化したときに、時系列解析などのモデ
ル同定作業を行うことにより、モデル自体を修正するこ
とが考えられる。しかしながら、時系列解析は、一般に
は手作業で行われており、また、作業自体が複雑であ
り、しかも高度な工学的判断が要求される。ノンパラメ
トリックな時系列モデルにあっては、生のデータレベル
からモデル同定作業を行う必要があり、作業をリアルタ
イムで行うのは困難である。また、パラメトリックなモ
デルについても、リアルタイム化の観点からみるとパラ
メータ数は依然として多すぎる。例えば、BOD処理の
みを対象とした活性汚泥処理の数学モデルでの、校正対
象であるパラメータの数は10を越える。このため、モ
デル修正をリアルタイムで行うことは困難である。
【0006】以上述べたように、数学モデルに基づく水
処理プロセス制御の実用化は途上にある。本発明は、数
学モデルに基づく水処理プロセス制御の実用化を図れる
モデル参照型自動制御装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】モデルパラメータを変数
とする数式により水処理プロセスを表現した数学モデを
用いて水処理装置の運転結果を予測し、この予測運転結
果に応じて前記水処理装置を運転制御する制御装置にお
いて、請求項1に記載の本発明による水処理装置のモデ
ル参照型自動制御装置は、前記水処理プロセスについて
の、前記数学モデルを補完する知識を備えた言語モデル
を備え、前記言語モデルは、前記水処理装置の運転状況
に応じて、前記モデルパラメータのうち校正すべきもの
の選択、および、前記選択されたモデルパラメータの校
正を行うことを特徴とする。
【0008】請求項2に記載の本発明による水処理装置
のモデル参照型自動制御装置は、水処理装置の運転デー
タを収集するデータ収集手段と、モデルパラメータを変
数とする数式により水処理プロセスを表現した数学モデ
ルと、前記水処理プロセスについての、前記数学モデル
を補完する知識を備えた言語モデルと、前記水処理装置
を運転する運転手段と、前記データ収集手段、前記数学
モデル、前記言語モデルおよび前記運転手段の作動を制
御する制御手段とを備え、前記制御手段の制御下で、前
記データ収集手段は前記運転データを収集し、前記言語
モデルは、前記収集された運転データに基づいて判断し
た前記水処理装置の運転状況に応じて、複数の運転シナ
リオの立案、前記モデルパラメータのうち校正すべきも
のの選択、前記選択されたモデルパラメータの校正、お
よび、目的関数の選択または構築を行い、前記数学モデ
ルは、前記モデルパラメータの校正の後に、前記複数の
運転シナリオによる前記水処理装置の運転結果の各々を
予測し、前記言語モデルは、前記目的関数を用いて各前
記予測運転結果を評価して前記複数の運転シナリオから
最適運転シナリオを選択し、前記運転手段は、前記最適
運転シナリオに基づいて前記水処理装置を運転すること
を特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の制御装置により運転制御
される水処理装置(図1に参照符号1で示す)は、例え
ば回分式活性汚泥処理装置からなる。この水処理装置に
原水および希釈水が供給され、処理槽では一定時間にわ
たって曝気が行われる。処理槽内の微生物は、溶存酸素
の存在下で、原水のBOD成分(基質)を酸化、分解
し、アンモニア態窒素を硝酸態窒素および亜硝酸態窒素
へ酸化(硝化反応)する。硝化反応に伴うpH低下は、
処理槽へ投入される苛性ソーダにより抑制される。そし
て、曝気停止後に処理槽へ投入されるメタノールなどの
水素供与体を利用して、硝酸態窒素および亜硝酸態窒素
を窒素ガスに還元する脱窒素処理が行われる。次に、一
定量の生物処理水が処理槽から引き抜かれ、後段の処理
槽で生物処理水中の汚泥が濃縮され、その一部が処理槽
へ返送される。生物処理水中の汚濁成分(SS)を除去
して得た処理水は、水処理装置外部へ排出される。
【0010】水処理装置の運転にあたっては、処理槽内
での汚泥負荷などが適正化される。より具体的には、処
理槽への原水流入量、流入原水のBOD濃度などのプロ
セスパラメータ(運転データ)に応じて、ポンプ作動時
間などの装置運転パラメータが制御装置により調節さ
れ、これにより、処理槽への希釈水流入量、処理槽にお
ける活性汚泥の平均滞留時間、曝気時間、処理槽からの
生物処理水の引き抜き量、返送汚泥量、苛性ソーダ投入
量、メタノールの投入量などが調節される。
【0011】以下、図1を参照して、本発明の一実施形
態による、水処理装置のモデル参照型自動制御装置を説
明する。この制御装置は、水処理装置1の運転データを
収集するデータ収集モジュール(データ収集手段)2
と、水処理プロセスを表現した数学モデル7と、水処理
プロセスについての知識を備えた言語モデル(知識ベー
ス)3、4、6、8と、水処理装置1の運転条件を設定
する運転条件設定モジュール9と、上記の要素2、3、
4、6、8及び9をこの順序で作動させる順序制御モジ
ュール(制御手段)5と、共有データ領域10とを備え
ている。制御装置は、その機能を達成するプログラムを
実装したコンピュータ等により構成できる。
【0012】データ収集モジュール2には、溶存酸素量
を計測するDO計、酸化還元電位を計測するORP計、
水素イオン指数を計測するpH計などの各種オンライン
計測器と、オンライン計測対象外の重要な計測項目につ
いての自動分析を行うための各種自動分析装置と、手動
入力装置とが接続されている。従って、データ収集モジ
ュール2には、オンライン計測器からのトレンドデータ
と自動分析装置から定期的に送出される定期データとが
入力され、また、水処理装置1で採取されたサンプルに
ついて機器分析などによって求めた不定期データが、手
動入力装置から入力される。
【0013】数学モデル7は、実際の水処理プロセスの
要部を、モデルパラメータで記述された数式により好ま
しくは動力学的に表現したもので、当該要部に関するプ
ロセス挙動の定量的な把握を可能とする。数学モデル7
は、水処理装置1の運転結果(例えば処理水の水質、所
要電力量、所要基質投入量など)を予測する。好ましく
は、数学モデル7には、増殖速度や時定数などの意味付
けが明確であるモデルパラメータにより表現されたパラ
メトリックな経験モデルまたは理論モデルが用いられ
る。意味付けがないパラメータで表現されるノンパラメ
トリックなモデルと異なり、パラメトリックな数学モデ
ル7によれば、校正すべきモデルパラメータを水処理装
置1の運転状況に応じて選択することが可能になる。
【0014】言語モデル3、4、6、8は、過去の経験
的な情報を総合して水処理プロセスを定性的に表現する
もので、プロセス挙動についての、理論化は困難である
が有用である定性的な理解を備え、プロセスについての
総合的な判断を行う。言語モデルは、水処理プロセス
の、数学モデル7により表現されていない性質について
の知識(例えば、水処理装置1の処理槽における負荷変
動に関する一般的知識など)を有し、数学モデル7を補
完する機能を有している。
【0015】詳しくは、言語モデルは、データ収集モジ
ュール2によって収集された運転データに基づいて水処
理装置1の運転状況(原水の状態、水処理環境条件およ
び水処理装置1の処理特性、ならびに、これらの変動な
ど)を判断する状況判断モジュール3と、運転状況に応
じて数学モデル7のモデルパラメータのうち校正すべき
ものを選択し、斯く選択されたモデルパラメータを校正
する校正モジュール4と、運転状況に応じて目的関数を
選択または構成する目的関数モジュール6と、運転状況
に応じて複数の運転シナリオを立案し、各々の運転シナ
リオで水処理装置1を運転したときの、数学モデル7に
よる予測運転結果を目的関数を用いて評価して最適運転
シナリオを選択するシナリオ立案選択モジュール8とを
有している。
【0016】上述の状況判断、モデル校正、目的関数の
選択または構成、運転シナリオの立案、予測運転結果の
評価および最適運転シナリオの選択は、好ましくはリア
ルタイムで行われる。言語モデルおよびそのモジュール
3、4、6、8は、エキスパートシステム、ファジィエ
キスパートシステム、ニューラルネットワーク、ファジ
ィニューラルネットワーク、カテゴリ分類手法などによ
り構成されている。
【0017】順序制御モジュール5の実現方法は特に限
定されず、分散協調システムの理論研究において提案さ
れている種々の構成のものを順序制御モジュール5とし
て用いることができる。以下、図1に示した制御装置の
作用を説明する。順序制御モジュール5は、所定周期
で、或いは、所定条件が成立したときに、データ収集モ
ジュール2を作動させ、次いで、モジュール3、4、
6、8及び9をこの順序で作動させる。
【0018】データ収集モジュール2は、水処理装置1
の運転データを収集して共有データ領域10に書き込
む。状況判断モジュール3は、共有データ領域10から
読み出した運転データに基づいて水処理装置1の運転状
況を判断し、この状況判断結果(「通常の環境条件での
装置運転」、「異常降雨」、「バルキングの発生」、
「発泡の発現」など)を共有データ領域10に書き込
む。
【0019】校正モジュール4は、共有データ領域10
から読み出した状況判断結果に基づいて、組合せ爆発を
来さない数(典型的には多くとも3つ程度)の、校正す
べきモデルパラメータを選択し、また、可能であれば、
選択したパラメータの各々の許容変化範囲を、経験的ま
たは理論的な知識を元に、現在の装置運転状況に即した
モデル校正用の情報として提示する。
【0020】次に、校正モジュール4は、可能ならばパ
ラメータ許容変化範囲を制約条件として利用しつつ、選
択したパラメータについて、過去に実装置から得た数値
情報と数学モデル7による予測値とのフィッティングを
行い、これにより数学モデル7を校正する。このフィッ
ティングには、制約条件付き非線形シンプレックス法に
代表される数理的な手法を用いることができる。通常
は、数学モデル7の校正の要否は、フィッティングを試
みることにより明らかになる。なお、動力学的な指標の
計測値に基づく状況判断結果として、システムの動力学
定数が直接得られる場合などでは、モデル校正の必要性
が明らかになることがある。
【0021】上述の校正手法は、意味付けが明確なパラ
メータにより表現されるパラメトリックな数学モデル7
に対して特に有効である。すなわち、校正すべきパラメ
ータの合理的選択が可能になる。また、純粋に数理的な
手法では困難であった複雑な系のモデル校正を容易に行
えるようになる。そして、モデル校正結果は、水処理プ
ロセスについての定性的な理解に沿ったものになり、納
得性がある。
【0022】目的関数モジュール6は、共有データ領域
10から読み出した状況判断結果に基づいて、現時点で
の装置運転結果評価に最適な目的関数を選択する。運転
状況に応じた目的関数を選択することにより、運転結果
評価が妥当なものになる。活性汚泥処理を例にとると、
通常の環境条件であれば、「可能な限りランニングコス
トを抑えつつ、有機物成分を除去すること」が水処理の
目的となる。一方、異常降雨時には、「極端な水量負荷
による処理槽からの微生物の流出量を最小に食い止めつ
つ、処理水に含まれるSS成分を低減すること」が水処
理の目的になる。更に、バルキングの発生時には、「処
理水質を一時的に悪化させても、バルキングを抑制して
汚泥の流出を防ぐこと」が水処理の目的になる。
【0023】目的関数モジュール6は、想定される運転
状況に対応づけて共有データ領域10に予め格納してお
いた複数の目的関数のうち、状況判断結果に適合するも
のを選択して、共有データ領域10に書き込む。これに
代えて、二乗和の形の目的関数を状況判断結果に応じて
リアルタイムで自動的に構築し、構築した目的関数を共
有データ領域10に書き込むようにしても良い。
【0024】この様に、言語モデルを利用した総合的な
判断の下で選択または構築された目的関数は合理的なも
のになり、また、目的関数を固定化しないので、非定常
的な状況にも対処できる柔軟な制御が可能になる。シナ
リオ立案選択モジュール8は、共有データ領域10から
読み出した状況判断結果に対応する運転状況の下で想定
される運転シナリオを、合理的な範囲で複数立案する。
例えば、トラブル発生が判断された場合には、「水処理
装置に過大な負荷をかけている要素を緩和させる」とい
う運転シナリオを条件を変えて複数立案する。また、通
常運転状況の場合には、「余裕のある要素に対する負荷
を高めて処理量を増大させる」というシナリオを条件を
変えて複数立案する。言語モデルを利用した総合的な判
断を制約条件としてシナリオが立案されるので、運転状
況からかけ離れた無駄な運転シナリオの検討が未然に防
止されて、最適なシナリオを選択するための、主に時間
面でのコスト削減が可能になる。立案された運転シナリ
オの各々は、モデル校正を終えた数学モデル7に送出さ
れる。
【0025】数学モデル7は、各運転シナリオに従って
水処理装置1を運転したときに得られる運転結果(例え
ば処理水質(pH、導電度など)や運転コスト)を定量
的に予測する。水処理プロセスのうちの、経験的または
理論的に明らかになっているプロセス部分は、数学モデ
ル7により忠実に表現される。このため、数学モデル7
による予測により、運転結果についての有益な情報が提
供される。予測運転結果はシナリオ立案選択モジュール
8へ送出される。
【0026】シナリオ立案選択モジュール8は、共有デ
ータ領域10から読み出した目的関数を用いて、各運転
シナリオでの数学モデル7による予測運転結果を評価
し、次いで、立案された複数の運転シナリオのうち最適
なもの(例えば、目的関数の値を最小にするもの)を選
択する。運転状況に応じて選択または構築された目的関
数を運転シナリオの評価に用いるので、運転状況に応じ
た最適運転シナリオを柔軟に選択できる。最適運転シナ
リオは、共有データ領域10に書き込まれる。
【0027】運転条件設定モジュール9は、共有データ
領域10から読み出した最適運転シナリオに従って水処
理装置1の運転条件を設定する。運転条件設定モジュー
ル9と共に運転手段を構成する水処理装置1のコントロ
ーラは、モジュール9に設定された運転条件で、水処理
装置1の各種作動部(ポンプなど)を作動させる。この
結果、水処理装置1は、その運転状況に即した水処理の
目的に適合する条件で自動運転される。
【0028】本発明は、上記実施形態に限定されず、種
々に変形可能である。例えば、上記実施形態では、複数
の運転シナリオを言語モデルにより立案し、各運転シナ
リオによる装置運転結果を校正済みの数学モデルにより
予測し、更に、予測運転結果を目的関数を用いて言語モ
デルにより評価して複数の運転シナリオから最適運転シ
ナリオを選択するようにしたが、例えば、校正済みの数
学モデルによる装置運転結果の予測を、モデルパラメー
タ値を修正しつつ予測運転結果が所要のものになるまで
繰り返し実行し、所要の予測運転結果を与えるモデルパ
ラメータ値に基づいて最適運転シナリオを求めても良
い。
【0029】また、本発明は、活性汚泥処理装置以外の
水処理装置にも適用可能である。
【0030】
【発明の効果】モデルパラメータを変数とする数式によ
り水処理プロセスを表現した数学モデルを用いて水処理
装置の運転結果を予測し、この予測運転結果に応じて前
記水処理装置を運転制御する制御装置において、請求項
1に記載の本発明による水処理装置のモデル参照型自動
制御装置は、前記水処理プロセスについての、前記数学
モデルを補完する知識を備えた言語モデルを備え、前記
言語モデルは、前記水処理装置の運転状況に応じて、前
記モデルパラメータのうち校正すべきものの選択、およ
び、前記選択されたモデルパラメータの校正を行うの
で、数学モデルをリアルタイムで適切に校正できる。従
って、非定常な条件下で運転されることの多い水処理装
置を、数学モデルに基づいて適正かつ自動的に運転制御
できる。
【0031】請求項2に記載の本発明による水処理装置
のモデル参照型自動制御装置は、水処理装置の運転デー
タを収集するデータ収集手段と、モデルパラメータを変
数とする数式により水処理プロセスを表現した数学モデ
ルと、前記水処理プロセスについての、前記数学モデル
を補完する知識を備えた言語モデルと、前記水処理装置
を運転する運転手段と、前記データ収集手段、前記数学
モデル、前記言語モデルおよび前記運転手段の作動を制
御する制御手段とを備え、前記制御手段の制御下で、前
記データ収集手段は前記運転データを収集し、前記言語
モデルは、前記収集された運転データに基づいて判断し
た前記水処理装置の運転状況に応じて、複数の運転シナ
リオの立案、前記モデルパラメータのうち校正すべきも
のの選択、前記選択されたモデルパラメータの校正、お
よび、目的関数の選択または構築を行い、前記数学モデ
ルは、前記モデルパラメータの校正の後に、前記複数の
運転シナリオによる前記水処理装置の運転結果の各々を
予測し、前記言語モデルは、前記目的関数を用いて各前
記予測運転結果を評価して前記複数の運転シナリオから
最適運転シナリオを選択し、前記運転手段は、前記最適
運転シナリオに基づいて前記水処理装置を運転するの
で、数学モデルをリアルタイムで適切に校正でき、運転
シナリオの候補の立案および評価を的確に行える。この
ため、数学モデルが提供する定量性を最大限利用しつ
つ、種々に変化する装置運転状況に常に適合した運転シ
ナリオを適切かつ柔軟に作成できる。従って、非定常な
条件下で運転されることの多い水処理装置の運転制御
を、数学モデルに基づいて適正かつ自動的に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるモデル参照型自動制
御装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 水処理装置 2 データ収集モジュール 3 状況判断モジュール 4 校正モジュール 5 順序制御モジュール 6 目的関数モジュール 7 数学モデル 8 シナリオ立案選択モジュール 9 運転条件設定モジュール 10 共有データ領域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モデルパラメータを変数とする数式によ
    り水処理プロセスを表現した数学モデルを用いて水処理
    装置の運転結果を予測し、この予測運転結果に応じて前
    記水処理装置を運転制御する制御装置において、 前記水処理プロセスについての、前記数学モデルを補完
    する知識を備えた言語モデルを備え、 前記言語モデルは、前記水処理装置の運転状況に応じ
    て、前記モデルパラメータのうち校正すべきものの選
    択、および、前記選択されたモデルパラメータの校正を
    行うことを特徴とする、水処理装置のモデル参照型自動
    制御装置。
  2. 【請求項2】 水処理装置の運転データを収集するデー
    タ収集手段と、 モデルパラメータを変数とする数式により水処理プロセ
    スを表現した数学モデルと、 前記水処理プロセスについての、前記数学モデルを補完
    する知識を備えた言語モデルと、 前記水処理装置を運転する運転手段と、 前記データ収集手段、前記数学モデル、前記言語モデル
    および前記運転手段の作動を制御する制御手段とを備
    え、 前記制御手段の制御下で、前記データ収集手段は前記運
    転データを収集し、前記言語モデルは、前記収集された
    運転データに基づいて判断した前記水処理装置の運転状
    況に応じて、複数の運転シナリオの立案、前記モデルパ
    ラメータのうち校正すべきものの選択、前記選択された
    モデルパラメータの校正、および、目的関数の選択また
    は構築を行い、前記数学モデルは、前記モデルパラメー
    タの校正の後に、前記複数の運転シナリオによる前記水
    処理装置の運転結果の各々を予測し、前記言語モデル
    は、前記目的関数を用いて各前記予測運転結果を評価し
    て前記複数の運転シナリオから最適運転シナリオを選択
    し、前記運転手段は、前記最適運転シナリオに基づいて
    前記水処理装置を運転することを特徴とする、水処理装
    置のモデル参照型自動制御装置。
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