JPH10116020A - 外国語音声学習方法及びこの方法に用いられる外国語音声学習教材 - Google Patents

外国語音声学習方法及びこの方法に用いられる外国語音声学習教材

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JPH10116020A
JPH10116020A JP28904596A JP28904596A JPH10116020A JP H10116020 A JPH10116020 A JP H10116020A JP 28904596 A JP28904596 A JP 28904596A JP 28904596 A JP28904596 A JP 28904596A JP H10116020 A JPH10116020 A JP H10116020A
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Kenzo Nakada
憲三 中田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外国語の目標言語の聞き取り及び発声の学習
を学習者の学習意欲を持続しながら行うことができる。 【課題解決手段】 外国語の言語材料から学習者の右脳
が受け入れ易い純音楽的な音声組成構造(リズム・パタ
ーン)を抽出し、この音声組成構造であるリズム・パタ
ーンの中に収納されたすべての音声情報を右脳が抵抗な
く自然に受け入れられるまで繰り返し聞いたり、学習者
自ら発声して行われる。学習者がリズム・パターンを正
確に発音することができることを確認した上で、外国語
の言語材料の目標言語発声音を伴うリズム・パターンを
提示し、学習者は、この目標言語発声音を繰り返し聞
き、又は自ら発音して音声の学習を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、英語等の外
国語の音声を聞き取り訓練又は発声訓練して外国語音声
を学習する外国語音声学習方法及びこの方法に用いられ
る外国語音声学習教材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から英語等の外国語を聞き取る訓練
(聴覚的学習)と外国語を話す訓練(口頭的又は発声的
学習)とを行う幾つかの外国語音声学習方法が提案され
ている。最も一般的な学習方法は、大量の目標言語の発
音を繰り返し聞き、これを模倣し、時間をかけてこの目
標言語の発音(発声音)に近づくように訓練して学習す
る方法である。
【0003】この方法の欠点は、学習者が外国語音声の
学習の際に主眼とすべき目標言語の発音の項目を理解す
ることができないことであり、従って発音の上達には多
大な忍耐と努力と工夫とが必要となり、学習を途中で放
棄する学習者が多かったことである。
【0004】従来技術の第2の学習方法は、例えば、口
腔図を見ながら子音、母音の分節音毎に発音の訓練を行
い、更にその単音を含む語、句を取り上げて発音の訓練
を行う音声学的分析に基づく学習方法である。
【0005】しかし、この方法は、単音のみに注意力が
集中して文を単位とする実際的な発音の訓練に欠け、ま
た音声学的分析と解説が先行し、訓練がその後に続くた
め、理屈を理解することができても実際には外国語の目
標言語の発音を理解したり(聞き取ったり)、上手に発
音したりすることができない欠点があった。
【0006】従来技術の第3の学習方法は、母語と目標
言語との音韻体系(音素体系及び音声体系等)を比較
し、これらの相違が学習上の困難の原因であると仮定
し、専ら相違が大きいと思われる発音から訓練し、徐々
に大きな言語単位へと訓練を展開して行く対照分析に基
づく言語学的な学習方法である。
【0007】この方法は、発音の習得を言語行動の習慣
性に着目して体系化しており、例えば、英語、フランス
語等に多い現象であるが、隣り合う音が連続して発音さ
れる音の変化が習得を困難にしていることに着目し、こ
れを集中的に訓練する方法である。この学習方法は、こ
のような習慣の相違を克服することによって目標言語を
聴覚的学習及び発声的学習にある程度の向上を期待する
ことができるが、発音の上達に必要な基本原理に欠けて
いるため、短期に学習することができない欠点があり、
また単純な訓練を量的にこなす必要があるため、強制力
が働くようなある状況の下では効力を発揮するが、学習
者に多大な忍耐と努力とが要求されるため、学習者の学
習意欲を持続することができない欠点があった。
【0008】更に、従来技術の第4の学習方法は、ヴェ
ルボトナル法(VT法)と称される方法であり、この方
法は、体の緊張という観点から音韻体系の誤りの分析結
果に基づいて学習を行い、具体的には、リズムとイント
ネーションの体得を発音指導の基礎とし、強勢、イント
ーネーション等の音の特徴 (prosody)を重視し、生きた
文脈の中で目標音の持つ特徴を引き出し、体の動きを用
いて指導を行う方法である。即ち、このVT法は、『音
は運動より生ずる』という基本理念に基づいて運動から
生ずる緊張を利用して外国語の発音を習得し、矯正する
方法である。
【0009】このVT法は、発音の習得や矯正にリズム
を利用することに着目している点で大きな評価に値する
が、リズムを運動という概念の中で解明し、リズムの音
声学的特徴のみでなく、体の生理的特徴や緊張、その他
の運動(発音する際の身振り等)を含めてリズムを解明
しようとするため、言語能力とは直接関係がない特徴を
捉えて発音の習得や矯正を行おうとしたことに学習効果
の限界がある。
【0010】リズムを利用する第5及び第6の更に他の
学習方法がある。第5の学習方法は、童歌の持つ詩的な
リズムを繰り返し発音し、暗唱することによって英語の
リズムを習得する方法であるが、この方法は、日常の会
話のリズム・パターンからはかけ離れているため、日常
会話の習得には不適当である。また、第6の学習方法
は、単語や短い語句に『ララララ』、『タタタタ』とい
うリズム・パターンを付して発音を取得する方法であ
る。この方法は、単語や短い語句にはない1つの流れを
有する外国語の目標言語による日常会話の発音を習得す
ることができない。
【0011】このように、従来技術の第1乃至第6の外
国語音声学習方法は、いずれも、臨界期を過ぎた成人学
習者の発音習得上の問題を学習者の立場から解決する糸
口を提示することができないため、学習者の努力と忍耐
に期待するだけであり、学習者に学習意欲を持続させる
ことができない共通の欠点を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、外国語の発声音を学習する際に、学習者の
学習意欲を持続することができる外国語音声習得方法及
びこの方法に用いられる外国語音声学習教材を提供する
ことにある。本発明の課題は、学習者の立場から目標言
語の聞き取り(理解)と発音の習得とを行うために、学
習者自らが解決することができる項目を見極め、それに
対処する方法を講ずることによって解決される。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の基本的な
課題解決手段は、外国語の言語材料から学習者の右脳が
受け入れ易い純音楽的な音声組成構造を抽出し、この音
声組成構造を聴覚的に認識しつつ教授者による言語材料
の正確な目標言語発声音を認識して外国語の言語材料を
聴覚的に訓練し又はこの目標言語発声音に倣って外国語
の言語材料を発声し外国語の発音を訓練して外国語の音
声を学習することを特徴とする外国語音声学習方法を提
供することにある。
【0014】この第1の基本的な課題解決手段におい
て、音声組成構造を左耳で聴取して右脳で認識し、目標
言語発声音を右耳で聴取して左脳で認識することが学習
効果を向上するのに好ましい。この音声組成構造は、具
体的には、西洋楽器の伴奏、特に西洋打楽器のリズム伴
奏に伴われるのが好ましい所定の強弱長短のリズム・パ
ターンであり、このリズム・パターンは、教授者が発声
する目標リズム発声音を含んでいる。このリズム・パタ
ーンは、四分の八拍子のリズムを有すると、特に英語の
リズムに一致するので好ましい。
【0015】学習者は、目標リズム発声音に倣ってリズ
ム発声音を繰り返し発声することによって音声組成構造
を認識することができ、またその後又はこの音声組成構
造を認識する動作と交互にして目標言語発声音を聞き又
は真似て発音することによって外国語の音声を学習す
る。
【0016】次に、本発明のこの基本的な課題解決手段
が導き出された原理について以下に詳細に述べる。言語
学は、言葉のメカニズム(本質、構造、歴史的変化)を
音声、文法、意味その他各種の分野に渡って解明し、ま
た音声学は、言葉に用いられる音声を観察し、分類する
が、これらの言語学や音声学は、目標言語の発声音の意
味を理解し(聞き取り)、発音を訓練するのには役立た
ない。目標言語の発声音から意味を理解し、また発音を
習得するのに言語学や音声学を知る必要はない。
【0017】一方、『聴覚を通しての外国語の目標言語
の音声の習得と脳との関係』については今までほとんど
解明されていない。人間の脳は、視覚を通じて得た情報
を処理するには眼の持つ性質から対象物を一々確認する
のに時間がかかるが、聴覚を通じて、間断なく流れてく
る複雑で難解な音の体系を瞬時に理解し、音の組織と更
に上部の複雑な階層をなす抽象的な組織と結びつけてそ
の音を即座に理解する能力を有する。
【0018】本発明者は、脳のこのような能力に着目す
ると同時に、言語音の習得のメカニズムを研究した結
果、言語音(音声)の習得に最も根幹をなし、音声の習
得全体に影響を及ぼす土台が音声組成構造、即ち言語音
のリズムであることを究明した。この音声組成構造と
は、ある言語の音声全般の組成に係る構造であり、具体
的には、音声の連結、音節構造、語形成、強勢(ストレ
ス)や抑揚(イントネーション)、句と文と強勢や抑揚
の関係等に重大な影響力を持つ構造であり、これはリズ
ム又はリズム・パターンである。ある言葉を耳にして、
その言語が日本語、英語、独語、仏語であると特定する
ことができるのは、それぞれ音声的特徴の相違が存在す
るからであり、この音声的特徴が即ちリズム・パターン
である。
【0019】因に、言語学者が行った音の切れ目に関す
る実験では、異なる母語の話者が等間隔で3つの同じ音
を『弱、弱、強』の順序で連続して発音すると、何処で
切るかを試したところ、最初の『弱』の前で切る第1の
パターン(弱弱強型)と、『強』の前で切る第2のパタ
ーン(強弱弱型)と、2番目の『弱』の前で切る第3の
パターン(弱強弱型)とがあることが観察されている。
英語は、『強』の前で切る第2のパターンに属し、最初
の強い音節から次の強い音節の前にあるすべての弱音節
は一気に発音されるリズムグループを形成している。英
語のこのリズム形成からも解るように、学習者が英語の
発音練習をする場合に、リズム・パターンは、発音の区
切りを理解し、英語を一層聞き取り易く、また発音し易
くする媒体機能、即ち拍子の機能を有する。
【0020】また、一般に、母音は言語脳(左脳)へ偏
り、純音(非言語音)は音楽悩(右脳)へ偏っている
(1985年角田著『続日本人の脳』)。日本語以外の
言語を母語とする人(外国人)の場合には、言語使用中
には左脳が主導的であっても、子音を含む音節は左脳
に、また持続母音は右脳で優位性を示す。
【0021】左右の脳は、非言語音の純音で音楽脳優位
の状態にあっても、言語を使用すると、言語脳優位に転
じ、言葉を使用しない状態に戻ると、再び音楽脳優位に
戻る可逆性を有する。この可逆性は、日本人と西洋人に
共通するが、日本人に特有なことは、音楽脳が優位とな
るのは、西洋楽器音と機械的雑音に限られ、それ以外の
音、即ち言語音を始めとして、感情音、動物の鳴き声、
風、波、雨、名鐘の音、小川のせせらぎ、風鈴の音、木
立のざわめき、邦楽器音までもが言語脳優位となる異質
の脳の機能を示している。これは、日本人の母語である
日本語が表意文字を用いていることによって音声を使う
ことなく言葉の意味を理解することができるため左脳偏
重となり、言葉と共に音声も左脳に持ち込む習慣が定着
するという外国語にはない異質性に起因するように思わ
れる。
【0022】特に、臨界期(12〜14才)を過ぎてか
ら二次的言語である外国語の音声を学習すると、その学
習は、母語以上に左脳に偏ってることが確認されてい
る。母語のように音声習得から入らないで、読解、文
法、作文といった文字を通して視覚的に二次的言語を学
習してきたために、基本的音声組成構造の認識を右脳で
行い、その他言語的構造の認識を左脳で行うというバラ
ンスの取れた音声学習ができなくなっている。
【0023】外国語の音声の習得(目標言語を理解し
(聞き取り)、発声すること)において、右脳が使えな
いと、言葉のリズムやイントネーション、ストレス等の
基本的な音声組成構造を習得することが困難となる。特
に、英語の母音を成人学習者が習得するのが困難である
理由は、母語(日本語)が左脳に偏っているため、音の
強弱や高低の変化等の激しいリズムに乗せて発音するこ
とが多い外国語(英語)の母音の動きに左脳が対応する
ことができないからであり、音声認識を充分に行わない
まま(右脳の記憶回路が閉じたまま)、やむをえず、い
きなり言語脳である左脳で文法や意味の認識に移行する
からである。
【0024】従って、外国語の音声の習得は、言語脳で
ある左脳に偏らない音声の認識ができるように工夫する
ことによって容易にすることができ、これは、外国語の
言語材料から音楽脳である右脳が受け入れ易い純音楽的
性質を有する音声組成構造(リズム)を抽出し、この音
声組成構造を純音化してこの構造を音楽脳である右脳で
認識させることによって達成される。
【0025】音楽脳(右脳)で音声認識がなされると、
言語脳である左脳が受け入れる文法、意味に結びつく音
韻(言語学的分析に基づく抽象的な音)、形態素(意味
を有する最小言語単位)が言語脳である左脳で容易に且
つ確実に認識される。即ち、音声組成構造を繰り返し認
識して(リズム訓練を行って)学習者の右脳に外国語の
音声回路を開き、左脳に本来の機能を発揮させることが
できる。
【0026】本発明の第1の基本的な課題解決手段は、
このような原理に基づいて見出されたものであり、外国
語の言語材料から学習者の右脳が受け入れ易い純音楽的
な音声組成構造(リズム)を抽出し、この音声組成構造
を聴覚的に認識するが、これは、この音声組成構造であ
るリズム・パターンの中に収納されたすべての音声情報
を右脳が抵抗なく自然に受け入れられるまで繰り返し聞
いたり、学習者自ら発声して行われる。特に、リズム・
パターンが西洋打楽器等の楽器によるリズム伴奏を伴う
と、学習者がリズム・パターンを認識する際に、学習者
の右脳から左脳へ偏向する傾向をなくし、右脳でのリズ
ム・パターンの認識を有効に行うのを確実にする。
【0027】学習者がリズム・パターンを正確に発音す
ることができることを確認した上で、外国語の言語材料
の目標言語発声音を伴うリズム・パターンを学習者に提
示し、学習者は、この目標言語発声音を繰り返し聞き、
又は自ら発音して音声の学習を行う。
【0028】音声組成構造(リズム・パターン)の認識
は、母語である日本語の発音習慣の影響を防ぐ機能を有
すると共に、外国語の目標言語発声音の音声回路を右脳
に構築する機能を有する。この音声組成構造の認識がこ
れらの機能を充分に果たすと、言語脳である左脳は、外
国語の言語材料の他の要素を抵抗なく受け入れ、その結
果、外国語の目標言語の内容を理解し、またこの目標言
語を正確に発音することができるようになる。このよう
な音声組成構造の認識を基本とするリズム訓練法は、学
習者の左右の脳を統合する機能を有し、音楽脳である右
脳と言語脳である左脳との連携を潤滑に行って『日本人
の脳』が左脳本来の仕事である言語の意味を理解する機
能に集中することを容易にする。
【0029】学習者は、本発明の方法によって目標言語
の聞き取り(理解)と発音の習得とを行うに際して、こ
の目標言語の理解と発音の習得とが不充分であった場
合、何が不足しているか、また何を解決すべきかを直ち
に理解することができる。それは、語彙等の基礎知識が
不充分な場合もあるが、例え語彙等の基礎知識が充分で
あってもそれは会話文の中でリズムを伴う発声音と共に
訓練されて始めて理解され、正しく発音されるのであ
り、リズム・パターンの認識又は訓練が重要であること
が理解される。
【0030】既に述べたように、音声組成構造であるリ
ズム・パターン(リズム伴奏を伴う目標リズム発声音)
を左耳で聞き、それと同時に目標言語発声音を右耳で聞
くのが好ましいが、これは左耳からの情報は右脳に入
り、右耳からの情報は左脳に入る性質を有するためであ
る。このように目標リズム発声音と目標言語発声音とを
それぞれ左右の耳から入れると、目標リズム発声音は右
脳に作用し、目標言語発声音は左脳に作用し、右脳回路
が開いた状態で音声学習が行われ、学習効果が向上す
る。
【0031】本発明の第2の基本的な課題解決手段は、
外国語の言語材料から抽出された学習者の右脳が受け入
れ易い純音楽的な音声組成構造と言語材料を教授者が正
確に発声して得られた目標言語発声音とが記録された記
録媒体を含む外国語音声学習教材を提供することにあ
る。
【0032】この外国語音声学習教材においては、音声
組成構造が学習者の左耳で聴取されて右脳で認識され、
また目標言語発声音が学習者の右耳で聴取されて左脳で
認識されるように記録媒体にステレオ式に記録されてい
ると、学習者に右脳優位を維持する機能を有するので好
ましい。また、この記録媒体は、目標言語発声音の合間
にこの目標言語発声音に倣って学習者が言語材料を発声
することができるスペースを有する。
【0033】音声組成構造は、西洋楽器、例えば西洋打
楽器のリズム伴奏に伴われるのが好ましいリズム・パタ
ーンであり、このリズム・パターンは教授者が発声する
目標リズム発声音を含んでいる。西洋楽器によるリズム
伴奏は、音声組成構造と目標言語とを左右の耳でステレ
オ式に受けるのと相まって学習者の右脳優位を維持する
のに役立つ。記録媒体は、この目標リズム発声音の合間
に学習者が目標リズム発声音に倣ってリズム発声音を発
声するスペースを有する。特に、英語の発声音を学習す
る場合に、音声組成構造であるリズム・パターンが四分
の八拍子のリズムを有すると、英語の発声音は、この四
分の八拍子に全く一致するので好ましい。
【0034】外国語音声学習教材は、外国語の言語材料
及び音声組成構造が記載された文書テキストを更に含む
ことができ、この場合、音声組成構造は、第1強勢で長
く強く発音される『DA』の第1の音節記号と、第2強
勢で第1強勢よりも弱く短く発音される『D』の第2の
音節記号と、弱強勢で第2強勢よりも弱く短く発音され
る『d』の第3の音節記号とを組合せて表記される。
【0035】本発明の第2の基本的な課題解決手段は、
第1の基本的な課題解決手段による方法を実施するのに
用いられる教材であり、記録媒体は、典型的には、カセ
ットテープ、CD、ビデオテープ等の媒体であり、また
文書テキストは、これらの記録媒体にセットとして利用
される本である。
【0036】本発明の第3の基本的な課題解決手段は、
外国語の言語材料から学習者の右脳が受け入れ易い純音
楽的な音声組成構造であるリズム・パターンを抽出し、
このリズム・パターンを表記文字から読み取りつつリズ
ム・パターンを繰り返し発声してこのリズム・パターン
を認識し、このリズム・パターンの認識に基づいて言語
材料の目標言語を発声することによって外国語の発音を
訓練して外国語の音声を学習することを特徴とする外国
語音声学習方法を提供することにある。
【0037】リズム・パターンは、外国語の言語材料と
共に文書テキストに併記されるが、リズム・パターン
は、第1強勢で長く強く発音される『DA』の第1の音
節記号と、第2強勢で第1強勢よりも弱く短く発音され
る『D』の第2の音節記号と、弱強勢で第2強勢よりも
弱く短く発音される『d』の第3の音節記号とを組合せ
て文書テキストに表示される。
【0038】本発明の第3の基本的な課題解決手段は、
文書テキストに言語材料と共に併記された表記文字を見
ながらのみでリズム・パターンを繰り返し発声してこの
言語材料に相応するリズム・パターンを認識し、この認
識が充分に行われた後、言語材料を発声して目標言語又
はそれに近い状態まで外国語の発音の訓練をすることに
ある。必要に応じて、所定の音節記号に音の高低を示す
上付け数字等のイントネーション表示用数字で表された
イントネーション、リズム・パターンの強音節の前に適
宜のタイミング・ジャンクチャー記号で表示された
『間』、文又は句の末尾又は途中にターミナル・ジャン
クチャー記号で表示された発話の区切りのイントネーシ
ョンの一つ又はいずれかの組み合わせを付して文書テキ
ストのみで外国語音声を学習することができる。この場
合、学習中に、リズム伴奏を付与するために、西洋音楽
又は西洋楽器による打楽器リズム模擬音等を流すのが好
ましい。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して詳細に述べると、図1は本発明に係る外国語音声習
得方法をブロックダイヤグラムで系統的に示し、図1に
示すように、この外国語音声習得方法は、外国語の言語
材料Lから学習者LPの右脳が受け入れ易い純音楽的な
音声組成構造VCを抽出し、この音声組成構造VCを聴
覚的に認識しつつ教授者PPによる言語材料Lの正確な
目標言語発声音OLVを認識してこの目標言語OLを聴
覚的に訓練し(聞き取り)又はこの目標言語発声音OL
Vに倣って目標言語OLを発声して外国語の音声を学習
する方法である。以下、この実施の形態では英語の音声
学習を例に挙げて説明する。
【0040】学習者LPの右脳が反応する純音楽的な音
声組成構造VCは、既に述べたように英語(外国語)の
言語材料Lが有する所定の強弱長短のリズム・パターン
RPであり、このリズム・パターンRPは、図1に示す
ように、教授者が発声する目標リズム発声音ORVを含
んでいる。リズム・パターンRPを音(教授者の目標リ
ズム発声音)として認識することは、本発明の重要な特
徴の1つである。
【0041】本発明者は、英語の持つリズムを研究し、
検討した結果、西洋楽器によるリズムが英語のリズムに
合致し、特に西洋音楽のリズム中、四分の八拍子のリズ
ムが英語のリズムに寸分なく一致することを発見した。
具体的には、サンバにジャズのリズムを付加して作られ
ているラテンリズムであるボサ・ノヴァのリズムが最も
英語の持つリズムに適合していることが解った。
【0042】音声組成構造VCの認識は、この西洋音楽
の四分の八拍子のリズムを基にして英語の文例に応じて
形成された幾つかのリズム・パターンRP(図2乃至図
7参照)を学習者LPが繰り返し聞くことによって達成
される。西洋音楽の四分の八拍子のリズムに合わせて英
語の日常会話をすると、このリズムの流れのどこから英
語の日常会話の発声を始めてもぴったりと合致すること
が確認されている。
【0043】学習者LPが音声組成構造VCとしてのリ
ズム・パターンRPを聴覚的に認識する際に、このリズ
ム・パターンRPの目標リズム発声音ORVに西洋楽器
のリズム伴奏、少なくとも打楽器によるリズム伴奏を伴
わせるのが好ましい。その理由は、既に述べたように、
日本人は一般的に左脳優位に陥り易い傾向を有し、従っ
て英語(外国語)の音声を学習する際にもこの左脳優位
に傾くが、目標リズム音の発声に西洋楽器の少なくとも
打楽器のリズム伴奏を伴うと、この左脳優位への傾きが
なくなり、音声の学習を右脳優位で行うのを助ける。こ
の打楽器リズム伴奏は、例えば、打楽器リズム模擬音と
することができ、目標リズム発声音ORVは、この打楽
器リズム模擬音に合わせて発声される。西洋楽器以外の
楽器、例えば笛、太鼓、琴等の邦楽器のリズム伴奏は、
右脳優位を維持することができないことが確認されてい
る。
【0044】学習者LPが音声組成構造VCとしてのリ
ズム・パターンRPを聴覚的に認識する際に、このリズ
ム・パターンRPを視覚的に同時に認識することができ
るように文書テキスト等にこのリズム・パターンRPを
表記するため、表記文字が定められている。
【0045】リズム・パターンRPを表記するための表
記文字は、図2に例示するように、第1強勢で最も長く
強く発音される『DA』(図面では縦倍で表記されてい
る)の第1の音節記号と、第2強勢で第1強勢よりも弱
く短く発音される『D』(図面では横倍に表記されてい
る)の第2の音節記号と、弱強勢で第2強勢よりも弱く
短く発音される『d』の第3の音節記号とを含み、リズ
ム・パターンRPは、これらの表記文字(音節記号)
『DA』、『D』及び『d』を組合せて表記される。こ
れらは、それぞれ『ダァ』、『ドゥ』、『ド』と発音さ
れる。これらの発音は、英語の発音で要求される舌先で
行われるので、英語の発音の訓練になり、また『ラ』の
音は学習者の左脳に傾き易く、『タァ』、『トゥ』、
『ト』の音は、『ダァ』、『ドゥ』、『ド』の音よりも
発音し難く、従って『ダァ』、『ドゥ』、『ド』の音が
最も好ましいことが確認されている。
【0046】外国語音声学習教材としての文書テキスト
等に英語の日常会話の文例に相応して表記されるべきリ
ズム・パターンRPの幾つかの例が図2(A)乃至図2
(C)に示されており、各例のリズム・パターンRP1
乃至RP3は、その拍子と文例と合わせて表示されてい
る。リズム・パターンRP1乃至RP3中の『−』の記
号は、音の最小単位を識別するための記号であり、特別
な意味を有しない。また、これらのパターン中『>』の
記号は、強音節の前に『間』が置かれること、即ちタイ
ミング・ジャンクチャーを意味する記号である。この
『間』は、ポーズ又はブレークではないが、一連に発音
される群−強音節から次の強音節の前の弱音節までの分
節(リズム・グループ)の間に置かれる『間』である。
このタイミング・ジャンクチャーを含むリズム・パター
ンは、既に述べたように、言語学上第2のパターン(強
弱弱型)に属する英語を発音時又は聞き取り時のタイミ
ングの取り方を効率よく、素早く習得するのに役立つ。
【0047】図2(A)に示されている1つのリズム・
パターンRP1は、[D−d−d>D−d>DA−d]
と表記されており、このリズム・パターンRP1の発声
音を理解し易くするために、その下に音符で拍子の取り
方が示されている。従って、リズム・パターンRP1
は、『ドゥ−(2拍) ド・ド(各1拍で両方で2拍)
ドゥ−(2拍) ド・ダァ−−(1拍と3拍で両方で4
拍) ド(1拍)』と発音され、アンダーライン部分は
強拍となり、他は弱拍となる。尚、第1小節の最終の拍
(弱拍)と次の第2小節の最初の拍(強拍)とがタイの
記号によって結ばれており、これは、恰もシンコペーシ
ョンが生じたようなリズム・パターンとなることを意味
する。
【0048】リズム・パターンRP1に相応する英語の
日常会話の文例の1つである”Youought to try and do
it”は、このリズム・パターンRP1に合わせて”You
”は、強く2拍と長く発音され、”ought to”は、弱
く1拍づつ2拍で発音され、”try and ”は最初は2拍
で強く後は1拍で弱く発音され、”do it ”は最初は強
く3拍で後は弱く1拍で発音される。同様にして”Tha
t's not a bad idea ”もこのリズム・パターンRP1
に合わせて発音され、”That's”と”bad ”と”idea”
が強く長く発音される。リズム・パターンは、3つの分
節(リズム・グループ)から成っていることが解る。
【0049】図2(B)に示されている1つのリズム・
パターンRP2は、[D−d−d>D−d−d>DA]
と表記されており、その下に音符で拍子の取り方が示さ
れている。従って、リズム・パターンRP2は、『ドゥ
−(2拍) ド・ド(各1拍で両方で2拍) ドゥ
(2拍) ド・ド(各1拍で両方で2拍) ダァ−−
(3拍)』と発音され、アンダーライン部分は強拍とな
り、他は弱拍となる。
【0050】リズム・パターンRP2に相応する英語の
日常会話の文例の1つである” Howwas your dinner la
st night”は、このリズム・パターンRP2に合わせて
”How ”は、強く2拍と長く発音され、”was your”
は、弱く1拍づつ2拍で発音され、”dinner last ”
は、最初は2拍で強く後は1拍づつ弱く発音され、”ni
ght ”は強く3拍で発音される。同様にして”What do
the rest of youthink ?”もこのリズム・パターンR
P2に合わせて発音され、”What”と”rest”と”thin
k ”が強く長く発音される。
【0051】図2(C)に示されているリズム・パター
ンRP3は、[d−d>D−d−d>D−d>DA]と
表記されており、同様にしてその下に音符で拍子の取り
方が示されている。従って、リズム・パターンRP3
は、『ド・ド(各1拍で両方で2拍) ドゥ−(2拍)
ド・ド(各1拍で両方で2拍) ドゥ−(2拍) ド
・ド(各1拍で両方で2拍) ダァ−−(3拍)』と発
音され、アンダーライン部分は強拍となり、他は弱拍と
なる。
【0052】リズム・パターンRP3に相応する英語の
日常会話の文例である”It's amatter of life and dea
th”は、このリズム・パターンRP3に合わせて”It'
s”は、弱く1拍づつで合計2拍で発音され、”matter
of ”は、最初は強く2拍で後は弱く1拍づつ2拍で発
音され、”life and”は、最初は2拍で強く後は1拍で
弱く発音され、”death ”は強く3拍で発音される。
【0053】図2に示すように、各リズム・パターンR
Pは、その左右いずれかの上方、下方又は中間にイント
ネーション表示用数字が添えられており、図示の例で
は、左上に『1 』、『2 』、『3 』の数字(上付き数
字)が添えられており、これらの上付き数字は、音のレ
ベルを示し、文章全体のイントネーションを表す。例え
ば、図2(A)のリズム・パターンRP1の『2 D−d
−d>D−d>3 DA−1d』のパターン表示は、リズ
ム発声音の最初の『D』から『DA』の前までは中位の
音のレベルであり、『DA』のところで最も高く、最後
の『d』のところで最も低い音のレベルに下げるイント
ネーションであることを意味する。尚、図示していない
が、『3 』よりも抑揚が高い『4 』の音のレベルが用い
られる場合もある。
【0054】所定の文例のリズム・パターンRPは、目
標言語OLの発声音OLV(ネーティブ・スピーカの発
音)から抽出すると、次のような幾つかの基本原則の下
に組み立てられていることが確認されている。
【0055】第1の基本原則は、英語の品詞中、『内容
語』は文中において強い強勢(ストレス)を受けること
が多い。英語の品詞は、『内容語』と『構造語又は機能
語』とに分けられている。『内容語』は、名詞、動詞、
形容詞、副詞、指示代名詞、疑問代名詞を称しており、
これらは、文中で重要な意味を持っていることが多く、
従って文中で強い強勢を受ける。また、『構造語又は機
能語』は、前置詞、接続詞、冠詞、代名詞、関係詞等の
内容語以外の品詞を称しく、これらは、文の構造、文法
を理解する時には重要な意味を持つが、文法は、品詞を
組み入れる構造的枠組として機能し、この枠組は脳内に
しっかりと潜在化されているので、殊更強調されなくと
も、文の理解に支障はないため、強勢を受けないことが
多い。図3(A)乃至(C)に示す文例は、”loo
k”、”time”(図3(A)参照)、”Take”、”one
”、”time”(図3(B)参照)及び”pick”、”thr
ow ”(図3(C)参照)の内容語が強勢を受けてリズ
ムの山を形成していることを示している。
【0056】第2の基本原則は、1つの文中には必ず1
つの第1強勢『DA』が現れ、また第2強勢『D』は必
要に応じて幾つでも現れる。文中に『>』記号で示され
た『間』があると、その前に必ず『DA』又は『D』が
現れ、『DA』は必ず1つ現れる。図4(A)及び
(B)に示す文例は、文中に1つの『DA』と2つの
『D』とが現れている例を示す。
【0057】第3の基本原則は、内容語が連続して現れ
る場合には、内容語のうち最も重要な比重を持つ語が強
勢(ストレス)を受け、また発音のスピードが上昇する
と、第2強勢を受ける語の数が減少する傾向を有するこ
とである。図5の文例は、図3(B)の文例と同じであ
って、”Take”と”one ”の2つの内容語が連続してい
るが、”Take”よりも”one ”の方が重要な比重を有
し、従って発音のスピードが上昇すると、”one ”に第
2強勢がかかって”take”が弱強勢となる例である。
【0058】リズム・パターンPRにはタイミング・ジ
ャンクチャー記号の他に、文又は句、即ち、発話の区切
りで用いられるイントネーションの定型である次の3つ
のターミナル・ジャンクチャー(末尾連接)記号が用い
られ、これらは、書き言葉の句読点の役割を担う。第1
のターミナル・ジャンクチャー記号は、『|』で表され
たシングル・バー・ジャンクチャー(サステイニング
ピッチ−Sustaining pitch)記号であり、これは、例え
ば図7(A)及び(B)に示されているように、発話が
継続することを意味する。第2のターミナル・ジャンク
チャー記号は、『||』で表されたダブル・バー・ジャ
ンクチャー(ライジング ピッチ−Rising pitch)記号
であり、これは、図6(A)(B)及び図7(A)に示
すように、”Yes ””No”で答えられる疑問文の末尾に
用いられる上昇調を意味する。第3のターミナル・ジャ
ンクチャー記号は、『#』で表されたダブル・クロス・
ジャンクチャー(フォーリング ピッチ−Falling pitc
h )記号であり、これは、図3乃至図5及び図7(B)
に示すように、文又は句が終了したことを意味する。1
つの文において、末尾連接は第1強音節の『DA』と同
時に起き、末尾連接が一つ起きると、この末尾連接の前
に『DA』が必ず一つ起きるという性質がある。また、
1つの文において、第二強音節『D』は幾つあってもよ
い。
【0059】本発明のリズム訓練法の1つの大きな特徴
は、この抽出されたリズム・パターンRPを目標リズム
ORの発声音ORBVとして音声化することである。リ
ズム・パターンRPを音声化すると、言語を伴わない目
標リズム発声音を繰り返し聞いたり、発声したりして、
リズム・パターンRPが有効に認識され、その後目標言
語発声音OLVを聞いたり、この目標言語OLの発声音
を模倣して発声する際に、学習者が左脳優位に戻ること
がなく、右脳と左脳との結びつきを維持しながら、音声
学習(聞き取りと発音)を正確に効率よく行うことがで
きる。
【0060】本発明のリズム訓練法は、外国語会話の上
達の程度に応じて目標言語の長さを種々換えて初級者か
ら上級者までの幅広い範囲に渡る外国語音声学習に応用
される。上級になるにつれて、リズム・パターンRPが
長く、且つ強音節の数が少なく弱音節の数が多くなる
が、学習の原理及び具体的な方法は、初級から上級まで
全く同じである。
【0061】本発明の外国語音声学習方法は、典型的に
は、西洋楽器のリズム伴奏を伴ったリズム・パターンR
Pの目標リズム発声音ORVとそれに相応する目標言語
発声音OLVとが録音されたカセットテープ又はCD
と、必要に応じて、図2に示すようなリズム・パターン
RPの表記文字等とそれに相応する目標言語の文章とを
併記した文書テキストとの学習教材を用意して行われ
る。もちろん、カセットテープ又はCDのみで学習する
こともでき、また文書テキストのみで学習することもで
きる。また、西洋楽器のリズム伴奏を伴った目標リズム
発声音ORV及び目標言語発声音OLV等の音情報、必
要に応じて、文書テキストに記載されるべき表記文字、
種々のジャンクチャー記号及び目標言語の文章等の映像
情報をも記録したビデオテープ又はビデオディスク等の
音声学習教材によって学習することもできる。ビデオテ
ープ又はビデオッディスクを教材とする場合、表記文
字、ジャクチャー記号、目標言語の文章等を記載した文
書テキストを添えることもできる。ビデオテープ又はビ
デオディスクを音声学習教材とする場合、それにリズム
・パターンに合わせて踊り等の体の動きを伴う練習をす
るのにも役立つ。文書テキストは、本発明の外国語音声
学習方法のマニュアルとしての機能を持たせることがで
きる。
【0062】文書テキストのみで外国語音声を学習する
場合には、適宜の西洋音楽をBGMとして流しながら訓
練するのが好ましい。このようにすると、このBGM
は、リズム・パターンの楽器伴奏として機能する。
【0063】次に、本発明の外国語学習方法(リズム訓
練法)の1つの具体例を図8乃至図10のタイムチャー
トを参照しながら説明する。図8のブロック(1)に示
すように、学習者LPは、先ず、所定の文例(図2
(A)乃至(C)の文例参照)に相応するリズム・パタ
ーンRP1の目標リズム発声音(教授者の発声音)OR
Vを聞き、次いでブロック(2)で示すようにこの目標
リズム発声音ORVに倣ってこのリズム(発声音)を発
声し、ブロック(3)で示すように、このブロック
(1)(2)の動作を繰り返し行う。
【0064】次いで、図8のブロック(4)に示すよう
に、学習者LPは、図2(A)の文例の目標言語発声音
OLVを聞き、同ブロック(5)に示すように、この目
標言語発声音OLVを真似てこの文例の英語を発音し、
ブロック(6)で示すように、このブロック(4)
(5)の動作を繰り返す。
【0065】リズム伴奏である楽器伴奏(BGM)は、
学習者LPがリズム発声音を発声練習するリズム練習の
時にも、また教授者が目標言語発声音OLVを発声する
時も、学習者LPが英語の発音練習する言語発音練習の
時にも持続される。このようにすると、外国語の音声学
習中、学習者LPの右脳優位が維持される。使用される
楽器は、西洋楽器であることが必要であり、笛、太鼓、
琴等の邦楽器は、音声学習中、学習者LPを左脳優位に
戻すので、使用することができない。例えば、西洋楽器
の打楽器のリズム模擬音を流し続けてリズム練習と発音
練習とを行うことができる。
【0066】リズム練習から言語発音練習への切り替え
は、学習者LPがリズム発声音を正確に発声することが
できるようになった時に行われるのが好ましい。これ
は、学習者がリズム発声音を正確に発声することができ
るようになると、英語の音声学習時に、母語である日本
語を左脳で理解しようとする習性から音声認識を右脳で
行う習性に変換され、従って右脳(音楽脳)と左脳(言
語脳)とを結び付けて音節とこの音節に付加された拍の
機能とにより英語の文法・意味構造の理解を助けて英語
の音声学習を円滑に行うことができるからである。
【0067】指導者は、学習者LPがリズム発声音を正
確に発声することができることを確認して学習者LPが
目標言語発声音OLVを真似る発音練習に移行するよう
に指導するのが好ましい。また、指導者は、学習者LP
が陥り易いリズムと英語の音程のずれ、リズムの逸脱、
強弱の過不足、日本語の干渉等を確認しながら学習者L
Pを指導する。もちろん、学習者LPが先行する目標リ
ズム発声音ORVや並行するリズム伴奏(BGM)と比
較しながらリズム発声音を正確に発声しているか否かを
自ら確認して言語発音練習に移行する自習形式で学習し
てもよい。
【0068】リズム・パターンRPは、リズムとリズム
との間にポーズを置いて提示してもよいし、間断なくス
ピードアップして提示してもよい。また、リズム練習と
言語発音練習とは、最初は緩やかに行われ、慣れるに応
じて徐々にスピードアップして行ってもよい。徐々にス
ピードアップすると、(a)学習者LPの発音運動能力
がどの程度のスピードまで追随することができるかを測
定し、学習者LPのスピードの限界を確認することがで
きるのに役立ち、(b)スピードアップすると、遅い時
には見出されなかったリズム習得上の問題点(欠点)が
明白となって音声学習を向上する材料を得るのに役立
つ。
【0069】英語音声学習方法の上記の具体例では、リ
ズム練習を繰り返し、その後言語発音練習を繰り返し行
うことによってリズム練習と言語発音練習とを分けて学
習しているが、図9に示すように、目標リズム発声音O
RVを聞き、これを真似て発声するリズム練習と、目標
言語発声音OLVを聞き、これを真似て発音する言語発
音練習とを交互に繰り返し行ってもよい。この場合も、
リズム伴奏である楽器伴奏は両方の練習中に持続的に維
持される。
【0070】図8及び図9の具体的な学習方法は、リズ
ム伴奏、目標リズム発声音及び目標言語発声音のいずれ
もモノラルで記録媒体に記録して行ってもよいが、リズ
ム伴奏及び目標リズム発声音ORVを左耳で聴取し、目
標言語発声音OLVを右耳で聴取するようにステレオ式
に記録して行うのが好ましい。このように、左耳でリズ
ム伴奏及び目標リズム発声音ORVを聴取し、それと同
時に、右耳で目標言語(英語)発声音OLVを聴取する
と、左耳からの情報は右脳に入り、右耳からの情報は左
脳に入るので、学習者LPは、左脳優位に戻ることな
く、左右の脳の作用をバランスよく保ちながら、スリズ
ムの重要性を認識すると同時に、正しいリズムで英語を
正しく発音するようになる。
【0071】リズムを正しく認識し、発音することがで
きることを確認するために、リズム・パターン聞き取り
テストを行うことができる。これは、(a)目標リズム
発声音ORVを聞き、この目標リズム発声音ORVを真
似て発声した発声音を録音し、この発声音を再生して目
標リズム発声音ORVと比較するテスト、(b)目標言
語OLである英語の発音を聞き、それが予め文書テキス
トに表記文字によって記載されている幾つかのリズム・
パターン例のどれに該当するか選択するテスト、(c)
目標リズム発声音ORVを聞き、それが予め文書テキス
トに記載されている幾つかの英語の文例のどれに該当す
るか選択するテスト等によって行うことができる。この
聞き取りテストは、学習者LPが自習でリズム練習によ
ってリズムを正確に発音することができて次の言語発音
練習に移行してよいか否かを判断するのに用いることが
できる。
【0072】図8及び図9に示す方法で学習した後行わ
れるのが好ましい学習方法が図10に示されており、こ
の方法では、図10のブロック1に示すように、教授者
の目標リズム発生音ORVと同時に学習者が目標言語発
生音OLVを真似た発生音OLV’を発声し、ブロック
2に示すように、これをテープ等に録音又は録画し、次
いでブロック3に示すように、この録音を聞き目標リズ
ム発生音ORVと学習者の目標言語発生音OLVを真似
た発生音OLV’とを聞き比べる。ORVとOLV’と
が完全に一致しているか否かを確認し、一致していなけ
れば、図8及び図9の訓練に戻ってこれを繰り返し行う
か、これらの訓練に続けて図10の訓練を繰り返し行
い、これらの繰り返しの訓練は、図10の確認的な学習
方法においてORVとOLV’とが一致していることが
確認されるまで行われる。尚、この録音又は録画は、左
耳からORVを聞き、右耳から学習者LPの発声音OL
V’を聞くように行われるのが好ましい。
【0073】既に述べたように、学習者が文書テキスト
のみによって自習する場合、所定の音節記号(表記文
字)に上付け(又は下付けあるいは中付け)されて音の
高低を表すイントネーション表示用数字によってイント
ネーションを理解することができ、またタイミング・ジ
ャンクチャー記号及びターミナル・ジャンクチャー記号
によって『間』の取り方及び文の末尾の調子を理解する
ことができ、自習による学習効果を向上するのを助ける
ことができる。
【0074】上記の実施の形態で、表記文字『DA』が
3拍、『D』が2拍、『d』が1拍である例を掲げた
が、これらの文字に相応する拍数は、すべてのリズム・
パターンに共通する固定的なものではなく、『DA』は
最も長く、『D』はそれより短く、『d』は最も短いと
いう相対的なものであることを理解すべきである。
【0075】本発明のリズム訓練法に基づいて種々のレ
ベルの学習者に英語の発音練習と聴き取り練習とを行っ
た幾つかの実習例とその学習効果とを以下に述べる。 (実習例1)何らの先入観も予備知識もない高校2〜3
年生56名を被験者とするグループ訓練を60分間行っ
た。リズム訓練の基本原理の説明、適宜の歌を唄うこと
による音声器官の運動、ボサ・ノヴァのリズムに乗る体
の運動の準備ステップを経て図8の順序に従ってリズム
訓練と発音訓練とを行った。その結果、ほとんどの被験
者自体が英語らしい発音ができたことに驚きを表し、リ
ズム訓練法による授業に対して次第に熱心になった。
【0076】(実習例2)現役英語教師9名(40代2
名、30代2名、他は20代)と大学生11名(18〜
23才)とを参加者とし、午前10時から午後1時まで
毎日3時間、10日間で合計30時間、本発明のリズム
訓練法に基づく英語スピーチ・クリニックを行った。3
0時間の授業の時間割り中、本発明のリズム訓練法に関
連するガイダンスと講義とは、約9時間割り当てられ、
その他の時間は、本発明のリズム訓練法による基礎発音
訓練、発音矯正訓練が行われた。第1の指導法では、参
加者の能力と技術を調べるために、各参加者毎にそれ程
長くない日常英会話の30文例を音読させ、これをビデ
ィオで撮影した。この撮影の映像を見ながら合計2回の
個別指導を行い、発音上の問題点を指摘し、本発明のリ
ズム訓練法による改良と練習の方法とを指示した。この
学習の後、再び、同じ30文例を音読させ、ビディオ撮
影し、前の映像と比較した。その結果、参加者のほとん
どの発音のリズムが正確になり、音と音の連続が英語ら
しくなり、一層英語らしい発音に改良されていることが
確認された。次に、第2の指導法では、リズム・パター
ン訓練を徹底して行い、このリズム・パターンの発音が
正確になったことを確認した後、英語の発音訓練に移行
した(図8の訓練法参照)。学習時間が経過するにつれ
て、英語の音声が楽々と受け入れられるようになり、そ
よ風のように心地よく音が頭に入ってくるのを感じた
と、80%の参加者が報告している。特に、数人の参加
者は、英語の映画を見たり英語ニュースを聞いている
と、今までよりもずっと楽に発音とその内容が理解でき
たと報告している。このクリニックの結果において、音
に対する感覚は年齢によって大きな差があり、これは年
齢が高いほど英語を正確に発音するのに困難生と時間と
を要したことが確認された。従って、年齢差に応じてリ
ズム・パターンの訓練にかける時間と指導法とを変える
必要性を感じた。また、時間と指導法とに注意して学習
を行うと、発音矯正法としての効果が充分であったこと
が確認された。
【0077】(実習例3)不特定多数の被験者に対して
書かれた英語の句又は文を発音してもらい、リズムの矯
正を行った。本発明の方法に基づいて指導者の発音する
リズム・パターンを正確に発音するよう被験者に指示
し、その後、頃合いを見計らって、被験者に英語を発音
させた。この実習例の結果、羞恥心と目的意識の差に応
じて学習効果が異なることが確認された。中学生以下の
音感が優れている被験者の学習効果は著しく良好であ
り、年齢が高くなるにつれて積極性と意欲のあるものと
そうでないものとの差が現れることが確認された。従っ
て、羞恥心を有し消極的な学習者には精神的な問題を解
決することが必要であり、これが解決されれば、本発明
のリズム訓練法によって発音を確実に矯正することがで
きることが確認された。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、外国語
の言語材料から学習者の右脳が受け入れ易い純音楽的な
音声組成構造(リズム)を抽出し、この音声組成構造で
あるリズム・パターンの中に収納されたすべての音声情
報を右脳が抵抗なく自然に受け入れられるようにして音
声組成構造を認識し、目標言語発声音を聞き、また真似
して発音するので、右脳優位を維持しながら右脳と左脳
とを結び付けて音声学習が行われるため、学習者に多大
な忍耐と努力を強いることなく、従って学習者のの学習
意欲をそこなうことなく、外国語音声を学習することが
できる実益がある。
【0079】特に、音声組成構造であるリズム・パター
ンが打楽器等の西洋楽器のリズム伴奏を伴うと、学習者
がこのリズム・パターンを認識する際に、学習者の右脳
から左脳へ偏向する傾向をなくし、右脳でのリズム・パ
ターンの認識を有効に持続することができ、従って学習
者に学習時の苦痛を与えることなく、外国語の音声学習
を行うことができる。若し、外国語の音声学習時に、学
習者の左脳優位に戻ると、学習者に頭痛等の苦痛を与え
ることになり、語学の音声学習に右脳優位を維持するこ
とは、音声学習を苦痛を伴うことなく行うのに極めて重
要である。
【0080】また、本発明の外国語音声学習方法は、上
記のように、外国語の言語材料から抽出された学習者の
右脳が受け入れ易い純音楽的な音声組成構造と言語材料
を教授者が正確に発声して得られた目標言語発声音とが
記録されたカセットテープ、CD又はビデオテープの如
き記録媒体を含む外国語音声学習教材を用いて自宅で経
済的に行うことができる。
【0081】本発明の方法は、音声組成構造が学習者の
左耳で聴取されて右脳で認識され、目標言語発声音が学
習者の右耳で聴取されて左脳で認識されるように音声組
成構造と目標言語発声音とを記録媒体にステレオ式に記
録されている学習教材を用いて行うと、リズム伴奏と相
まって学習者の右脳優位を一層有効に維持することがで
き、外国語の音声学習に一層好適である。
【0082】本発明の更に他の学習方法によれば、外国
語の言語材料から学習者の右脳が受け入れ易い純音楽的
な音声組成構造であるリズム・パターンを表記文字で表
し、このリズム・パターンに一致する外国語の言語文例
を併記した文書テキストのみを用いて、このリズム・パ
ターンを表記文字から読み取りつつリズム・パターンを
繰り返し発声してこのリズム・パターンを認識し、この
リズム・パターンの認識に基づいて言語文例を発声する
ことによって外国語の発音を訓練して外国語の音声を学
習することができるが、この方法も右脳優位を維持しな
がら右脳と左脳とを結び付けて音声学習が行われるた
め、学習者に多大な忍耐と努力を強いることなく、従っ
て学習者のの学習意欲をそこなうことなく、外国語音声
を学習することができる実益がある。
【0083】外国語の言語材料と共に文書テキストに併
記されるリズム・パターンは、第1強勢で長く強く発音
される『DA』の第1の音節記号と、第2強勢で第1強
勢よりも弱く短く発音される『D』の第2の音節記号
と、弱強勢で第2強勢よりも弱く短く発音される『d』
の第3の音節記号とを組合せて表記されるが、これらの
の音節記号『DA』、『D』及び『d』は、学習者の外
国語の音声訓練に必要な舌の運動の訓練を兼ねつつ、リ
ズム発音を繰り返し容易に行うことができる実益があ
る。また、この場合、自習する学習者は、所定の音節記
号に付記されたイントネーション表示用数字によって各
リズム・パターン全体の抑揚(イントネーション)を理
解することができ、またタイミング・ジャンクチャー記
号及びターミナル・ジャンクチャー記号によって間の取
り方及び会話文の末尾の調子を理解することができ、自
習による学習効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外国語音声習得方法を系統的に示
す系統図である。
【図2】本発明の方法によって英語の音声学習を行う際
に用いられる幾つかの英文文例とそれに相応するリズム
・パターンの例を示し、同図(A)は短い肯定文の文例
とそれに相応するリズム・パターン(強弱弱型)の例を
示し、同図(B)は短い疑問文の文例とそれに相応する
リズム・パターン(強弱弱型)の例を示し、また同図
(C)は短い肯定文の文例とそれに相応するリズム・パ
ターン(弱弱強型)の例を示す。
【図3】言語材料から抽出されるリズム・パターンの組
み立ての第1基本原則を説明するための文例を示し、同
図(A)乃至(C)はこの基本原則に基づく3つの異な
る文例を示す。
【図4】言語材料から抽出されるリズム・パターンの組
み立ての第2基本原則を説明するための文例を示し、同
図(A)(B)はこの基本原則に基づく2つの異なる文
例を示す。
【図5】言語材料から抽出されるリズム・パターンの組
み立ての第3基本原則を説明するための1つの文例を示
す。
【図6】ターミナル・ジャンクチャー記号の1つである
ダブル・バー・ジャクチャー記号を説明するための文例
を示し、同図(A)(B)はこのダブル・バー・ジャン
クチャー記号を有する2つ異なる文例を示す。
【図7】他のターミナル・ジャンクチャー記号であるシ
ングル・バー・ジャンクチャー記号及びダルブ・クロス
・ジャンクチャー記号を説明するための文例を示し、同
図(A)(B)はこれらのターミナル・ジャンクチャー
記号を有する2つの異なる文例を示す。
【図8】本発明の外国語音声学習方法をリズム訓練と発
音訓練とに分けて行う場合のタイムチャートである。
【図9】本発明の外国語音声学習方法をリズム訓練と発
音訓練とで交互にして行う場合のタイムチャートであ
る。
【図10】本発明の外国語音声学習方法を目標リズム発
生音に自己の発声音を乗せて自己の発声音の正確性を確
認する場合のタイムチャートである。
【符号の説明】
L 言語材料 VC 音声組成構造 ORV 教授者の目標リズム発声音 OLV 教授者の目標言語発声音 OLV’ 学習者が目標言語発声音OLVを真似た発声
音 LP 学習者 RP リズム・パターン RP1 リズム・パターンの第1の例 RP2 リズム・パターンの第2の例 RP3 リズム・パターンの第3の例

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外国語の言語材料から学習者の右脳が受
    け入れ易い純音楽的な音声組成構造を抽出し、前記音声
    組成構造を聴覚的に認識しつつ教授者による前記言語材
    料の正確な目標言語発声音を認識して外国語の言語材料
    を聴覚的に訓練し又は前記目標言語発声音に倣って前記
    外国語の目標言語を発声し外国語の発音を訓練して外国
    語の音声を学習することを特徴とする外国語音声学習方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の外国語音声学習方法で
    あって、前記音声組成構造を左耳で聴取して右脳で認識
    し、また前記目標言語発声音を右耳で聴取して左脳で認
    識することを特徴とする外国語音声学習方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の外国語音
    声学習方法であって、前記音声組成構造は、西洋楽器の
    リズム伴奏に伴われた所定の強弱長短のリズム・パター
    ンである外国語音声学習方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の外国語音声学習方法で
    あって、前記リズム・パターンは、前記学習者が聞き又
    は真似て発声すべき教授者が発声する目標リズム発声音
    を含む外国語音声学習方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
    の外国語音声学習方法であって、前記音声組成構造は、
    四分の八拍子のリズムを有する外国語音声学習方法。
  6. 【請求項6】 外国語の言語材料から学習者の右脳が受
    け入れ易い純音楽的な音声組成構造を抽出し、前記音声
    組成構造を表記文字から読み取りつつ前記音声組成構造
    を繰り返し発声して前記音声組成構造を認識し、前記音
    声組成構造の認識に基づいて前記言語材料の目標言語を
    発声することによって前記外国語の発音を訓練して外国
    語の音声を学習することを特徴とする外国語音声学習方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の外国語音声学習方法で
    あって、前記音声組成構造は、第1強勢で長く強く発音
    される『DA』の第1の音節記号と、第2強勢で第1強
    勢よりも弱く短く発音される『D』の第2の音節記号
    と、弱強勢で第2強勢よりも弱く短く発音される『d』
    の第3の音節記号とを組合せて表記されることを特徴と
    する外国語音声学習方法。
  8. 【請求項8】 外国語の言語材料から抽出された学習者
    の右脳が受け入れ易い純音楽的な音声組成構造と前記言
    語材料を教授者が正確に発声して得られた目標言語発声
    音とが記録された記録媒体を含む外国語音声学習教材。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の外国語音声学習教材で
    あって、前記音声組成構造が学習者の左耳で聴取して右
    脳で認識され、また前記目標言語発声音が前記学習者の
    右耳で聴取して左脳で認識されるように前記音声組成構
    造が前記記録媒体にステレオ式に記録されていることを
    特徴とする外国語音声学習教材。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載の外国語
    音声学習教材であって、前記記録媒体は、前記目標言語
    発声音の合間に前記目標言語発声音に倣って前記学習者
    が前記言語材料を発声することができるスペースを有す
    る外国語音声学習教材。
  11. 【請求項11】 請求項8乃至請求項10のいずれかに
    記載の外国語音声学習教材であって、前記音声組成構造
    は、西洋楽器のリズム伴奏に伴われるリズム・パターン
    である外国語音声学習教材。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の外国語音声学習教
    材であって、前記リズム・パターンは教授者が発声する
    目標リズム発声音を含む外国語音声学習教材。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の外国語音声学習教
    材であって、前記記録媒体は、前記目標リズム発声音の
    合間に前記学習者が前記目標リズム発声音に倣ってリズ
    ム発声音を発声するスペースを有する外国語音声学習教
    材。
  14. 【請求項14】 請求項8乃至請求項13のいずれかに
    記載の外国語音声学習教材であって、前記音声組成構造
    は、四分の八拍子のリズムを有する外国語音声学習教
    材。
  15. 【請求項15】 請求項8乃至請求項14のいずれかに
    記載の外国語音声学習教材であって、前記外国語の言語
    材料及び音声組成構造が記載された文書テキストを更に
    含む外国語音声学習教材。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の外国語音声学習教
    材であって、前記音声組成構造は、第1強勢で長く強く
    発音される『DA』の第1の音節記号と、第2強勢で第
    1強勢よりも弱く短く発音される『D』の第2の音節記
    号と、弱強勢で第2強勢よりも弱く短く発音される
    『d』の第3の音節記号とを組合せて表示されることを
    特徴とする外国語音声学習教材。
  17. 【請求項17】 外国語の言語材料から抽出された学習
    者の右脳が受け入れ易い純音楽的な音声組成構造と前記
    外国語の言語材料とが併記された文書テキストから成
    り、前記音声組成構造は、第1強勢で長く強く発音され
    る『DA』の第1の音節記号と、第2強勢で第1強勢よ
    りも弱く短く発音される『D』の第2の音節記号と、弱
    強勢で第2強勢よりも弱く短く発音される『d』の第3
    の音節記号とを組合せて表示されるリズム・パターンで
    あることを特徴とする外国語音声学習教材。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の外国語音声学習教
    材であって、前記リズム・パターンの表示は、所定の音
    節記号に付された抑揚の高低を表すイントネーション表
    示用数字又は強音節の前に付された『間』を表示するタ
    イミング・ジャンクチャー記号、文又は句の末尾の調子
    を表示するターミナル・ジャンクチャー記号のいずれか
    1つ又はその2つ又はすべての組み合わせを有する外国
    語音声学習教材。
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