JPH10115667A - プローブ装置 - Google Patents

プローブ装置

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JPH10115667A
JPH10115667A JP8272249A JP27224996A JPH10115667A JP H10115667 A JPH10115667 A JP H10115667A JP 8272249 A JP8272249 A JP 8272249A JP 27224996 A JP27224996 A JP 27224996A JP H10115667 A JPH10115667 A JP H10115667A
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probe
sample
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temperature
optical microscope
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JP8272249A
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Inventor
Hidenori Sekiguchi
英紀 関口
Yuji Sakata
裕司 阪田
Akira Fujii
彰 藤井
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プローブ装置に関し、正確に且つ効率よく試
験を行うことができるようにすることを目的とする。 【解決手段】 被測定試料を観察する光学顕微鏡と、弾
性体で支持された探針を有するプローブ部と、光学顕微
鏡及びプローブ部の一方が被測定試料と対向するように
光学顕微鏡及びプローブ部を移動可能に支持する支持手
段と、プローブ部の探針の温度を制御できる温度調整機
構とを備えた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体チップ等の被
測定試料の配線を試験するためのプローブ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路を開発、製造する上で、
素子を試験して動作不良がある場合に原因を調べること
が不可欠であるが、近年のLSIの高集積化により、L
SIテスタ等のI/Oピンの信号を測定する方法だけで
は、正確な設計検証や故障分析を行うことが困難になっ
てきている。このため、素子の中の微細配線の電圧を測
定することが行われる。
【0003】素子の内部を測定する装置とし、通常メカ
ニカルなプローブ装置が使用される。メカニカルなプロ
ーブ装置は、先端をμmのオーダーに研磨した導電性の
微小な探針を含み、その探針をチップ内部の配線にあ
て、オシロスコープ等で電圧を調べる。しかし、メカニ
カルなプローブ装置では、プロービングできる配線の幅
は2〜3μmが限界であり、最近のLSIでは配線の幅
が1μm以下になることもあるため、目標とする配線に
プロービングするのが困難になっている。
【0004】1μm以下の微細な配線にプロービングで
きる装置としては、電子ビームを用いた電子ビームテス
タが知られているが、半導体集積回路の高集積化、高速
化に伴い、測定スピードと時間分解能が不十分になりつ
つある。そこで、本願の発明者らは原子間力顕微鏡の技
術を応用し、導電性微細探針による配線探索と探針位置
決めの機能を備えたプローブ装置を先に提案した(特願
平5─292036号)。このプローブ装置では、まず
光学顕微鏡で測定すべき配線を探索後、弾性体で支持さ
れた探針を有するプローブ部を測定すべき配線の位置に
移動させ、探索した配線の近傍にプローブ部の探針を位
置決めする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】高速デバイスになると
消費電力が大きく、LSIが発熱し、被測定試料の温度
が周囲の温度に対して数10度高くなることがある。ま
た、LSIの不良解析や動作解析をする場合には、例え
ば−30℃〜150℃の範囲の温度で試験を行うことが
ある。その場合には、被測定試料はそのような温度にな
るように制御されているが、プローブ部の探針がそれと
同じように温度制御されていないと、探針と被測定試料
との間の熱膨張差に従って誤検出を行う可能性がある。
【0006】上記先願のプローブ装置においては、光学
顕微鏡を使用した後でプローブ部を使用する。それか
ら、プローブ部による試験が終了すると、再び光学顕微
鏡を使用して配線の探索を行い、それからまたプローブ
部を使用する。探針が周囲の温度と同じ温度にあって、
被測定試料の温度が周囲の温度と異なる場合には、探針
を被測定試料に近づけると、探針の温度が被測定試料の
温度に近づくように変化し、熱膨張(又は熱収縮)し
て、探針の位置がずれる。特に、探針は垂直方向に延び
るため、探針の高さが変化する。そのために、探針が熱
膨張している間に探針で被測定試料の表面を走査する
と、熱膨張している探針の長さの変化を被測定試料の表
面の高さの変化と間違えて検出し、被測定試料の表面の
凹凸を正確にとらえることができないという問題が生じ
る。
【0007】また、探針が配線に接触する際は、探針の
先端部や被測定試料の表面に損傷が生じないように、必
要最小限の力で探針を被測定試料の表面に押しつけるこ
とが望ましい。しかし、探針が被測定試料の表面に接触
中に熱膨張すると過度の押しつけになり、探針の先端部
や被測定試料の表面が損傷する。また、探針が熱収縮す
ると、探針が浮き上がり、電気的な接触が保たれなくな
る。
【0008】そのために、従来は、探針の温度が平衡状
態になって熱膨張、収縮が収まるまでプロービング(例
えば電圧測定)を待つ必要があり、プローブ装置のスル
ープットを低下させていた。特に、光学顕微鏡を使用し
た後でプローブ部を使用し、それからプローブ部による
試験が終了したら、再び光学顕微鏡を使用して配線の探
索を行い、それからまたプローブ部を使用するようにし
たプローブ装置では、光学顕微鏡からプローブ装置に切
り替える毎に探針の温度が安定するのを待つ必要があ
り、波形測定までに時間がかかっていた。
【0009】一方、ウエハ状態でチップのパッドにプロ
ービングするプローブカードでも、ウエハを温度制御し
ている時に、プローブカードを位置決めするまでに時間
がかかる。この時間を短縮するために、プローブカード
の温度調整を行うことが、特開平6─236909号公
報に記載さている。この従来技術では、装着前のプロー
ブカード全体をウエハと同じ温度となるように予温度調
整する。しかし、交換可能なプローブカード全体を予温
度調整することができるが、上記した本願の先願による
プローブ装置では、プローブ装置全体を予温度調整する
ことはできない。プローブ装置全体を予温度調整する
と、プローブ部を支持するステージに熱が伝達され、探
針よりももっと大きい領域で温度変化が生じる。
【0010】本発明の目的は、上記諸問題点を解決し、
正確に且つ効率よく試験を行うことのできるプローブ装
置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によるプローブ装
置は、被測定試料を観察する光学顕微鏡と、弾性体で支
持された探針を有するプローブ部と、光学顕微鏡及びプ
ローブ部の一方が被測定試料と対向するように光学顕微
鏡及びプローブ部を移動可能に支持する支持手段と、プ
ローブ部の探針の温度を制御できる温度調整機構とを備
えたことを特徴とするものである。
【0012】このようにすれば、プローブ部の探針の部
分のみを温度制御できる。よって、光学顕微鏡を使用し
ている間に探針の温度を被測定試料の温度と同じになる
ように加熱又は冷却し、光学顕微鏡による配線の探索が
終わったら、プローブ部を使用して配線の走査を行う。
このときには、探針の温度を被測定試料の温度と同じよ
うになっているので、探針が被測定試料に接触しても探
針が熱膨張又は熱収縮することがなく、直ちにプロービ
ングを行うことができる。従って、正確に且つ効率よく
試験を行うことのできるプローブ装置を提供することが
できる。
【0013】上記構成において、温度調整機構は非接触
式の加熱手段を含むことができる。また、プローブ部が
被測定試料と対向する位置にもたらされた後、探針の上
下方向の位置ずれ量を検出し、該位置ずれ量から温度調
整機構を制御することができる。
【0014】また、本発明の他の特徴によるプローブ装
置は、被測定試料を観察する光学顕微鏡と、弾性体で支
持された探針を有するプローブ部と、光学顕微鏡及びプ
ローブ部の一方が被測定試料と対向するように光学顕微
鏡及びプローブ部を移動可能に支持する支持手段と、プ
ローブ部が被測定試料と対向する位置になってから探針
の上下方向の位置ずれ量を繰り返し測定する手段と、位
置ずれ量の変化量が所定値以下になってからプロービン
グを開始する手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】また、本発明の他の特徴によるプローブ装
置は、弾性体で支持された探針を有するプローブ部と、
弾性体のたわみ量を測定する変位センサと、探針が被測
定試料に接触している時に弾性体のたわみ量が一定とな
るように探針を上下動させる手段とを備えたことを特徴
とする。
【0016】また、本発明の他の特徴によるプローブ装
置は、弾性体で支持された探針を有するプローブ部と、
弾性体のたわみ量を測定する変位センサと、探針を走査
することで被測定試料の表面の凹凸を測定する表面凹凸
測定手段と、同じ位置の高さを複数回測定して探針の上
下方向の位置ずれ量を測定して表面の凹凸形状を補正す
る手段とを備えたことを特徴とする。この場合、該補正
手段は複数回測定する位置情報から測定値を直線あるい
は曲線で補間して補正するようにすることができる。
【0017】これらのいずれの特徴においても、正確に
且つ効率よく試験を行うことのできるプローブ装置を提
供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1から図3は本発明の第1実施
例によるプローブ装置10を示す図である。プローブ装
置10は、被測定試料12を観察する光学顕微鏡14
と、弾性体で支持された探針16を有するプローブ部1
8とからなる。被測定試料12は例えばパターン形成さ
れた配線を有する半導体素子である。
【0019】CCDカメラ15が光学顕微鏡14に取り
つけられ、光学顕微鏡14で観察した被測定試料12の
配線等を図示しないモニターテレビに表示できるように
なっている。光学顕微鏡14及びプローブ部18は、光
学顕微鏡14及びプローブ部18の一方が選択的に被測
定試料12と対向するように支持されている。図1にお
いては、光学顕微鏡14が被測定試料12と対向してい
る。図2においては、プローブ部18が被測定試料12
と対向している。
【0020】光学顕微鏡14及びプローブ部18は共通
の粗動Zステージ20に取りつけられている。光学顕微
鏡14は粗動Zステージ20に直接に固定され、プロー
ブ部18は微動XYZステージ26により粗動Zステー
ジ20に取りつけられている。微動XYZステージ26
はZ軸方向に延びる退避軸ガイド24により粗動Zステ
ージ20に移動可能に取りつけられ、退避軸エアシリン
ダ28により粗動Zステージ20に対して上下方向に移
動される。よってプローブ部18が使用されない場合に
はプローブ部18を上方の退避位置にもたらし(図
1)、プローブ部18が使用される場合にはプローブ部
18を下方の作動位置にもたらす(図2)。微動XYZ
ステージ26は圧電素子を用いた微動アクチュエータ
(図示せず)によってXYZ方向に微動動作することが
できる。
【0021】粗動Zステージ20は粗動Zガイド30に
よって粗動Xステージ32に移動可能に取りつけられ、
粗動Zモータ34によりZ軸方向に移動せしめられる。
粗動Xステージ32は粗動Xガイド36によって粗動Y
ステージ38に移動可能に取りつけられ、粗動Xモータ
40によりX軸方向に移動せしめられる。粗動Yステー
ジ38は粗動Yガイド42によって装置のベースフレー
ムに移動可能に取りつけられ、粗動Yモータ(図示せ
ず)によりY軸方向に移動せしめられる。
【0022】従って、光学顕微鏡14はXYZ軸方向に
粗動動作せしめられ、被測定試料12の所望の部位を観
察(探索)することができる。光学顕微鏡14が使用さ
れている間は、プローブ部18は上方の退避位置にあり
(図1)、粗動Zステージ20がどのように動いても、
プローブ部18の探針16が被測定試料12に接触する
ことはない。光学顕微鏡14を使用している間中、光学
顕微鏡14の下端部と被測定試料12との間に小さな間
隔があり、光学顕微鏡14の下端部は被測定試料12の
表面に接触しない。
【0023】光学顕微鏡14が被測定試料12の所望の
位置を探索したら、粗動Xステージ32、粗動Yステー
ジ38、粗動Zステージ20を動かして、光学顕微鏡1
4を被測定試料12からずらし、プローブ部18を被測
定試料12の位置へもって来る。すなわち、プローブ部
18と光学顕微鏡14との間の位置関係は前もって分か
っているので、プローブ部18を光学顕微鏡14の探索
位置へ移動させることができる。それから、退避軸エア
シリンダ28を作動させて、プローブ部18及び探針1
6を被測定試料12の直ぐ上の位置まで下げ(図2)、
それから微動アクチュエータを作動させながら、探針1
6により被測定試料12の表面の走査を行う。
【0024】図4は被測定試料12を示し、光学顕微鏡
14は被測定試料12の視野12aの中に求める配線1
2b、12cを見つける。図5及び図6は配線12b、
12cを拡大して示す。配線12b、12cの幅は例え
ば1μm又はそれよりも小さい場合もある。被測定試料
12に対向するものを光学顕微鏡14からプローブ部1
8に入れ換えるが、粗動Xステージ32、粗動Yステー
ジ38、粗動Zステージ20の精度を1μm以下にする
のは難しいので、探針16をそのような微細な配線12
b、12cに正確に位置合わせをすることは難しい。
【0025】従って、プローブ部18を光学顕微鏡14
が探索した位置へ移動させても、その位置において、探
針16が配線12b又は12cに正確に突き立てられる
かどうかは分からない。そこで、プローブ部18が所定
の位置に位置決めされたら、探針16を例えば矢印Aの
方向に走査しながら配線12b、12cを認識する。こ
の場合、まず、プローブ部18をZ軸方向に下げてい
き、探針16が被測定試料12の表面(配線12b、1
2c又はその間の平坦部)に接触したことによりZ軸方
向の高さを知り、それからX軸方向またはY軸方向方向
に走査しながら配線12b、12cを認識する。配線1
2b、12cを認識したら、プローブ部18による電圧
試験(プロービング)を行う。
【0026】探針16は弾性体(図3参照)によりプロ
ーブ部18に支持されているので、プローブ部18の高
さは変わらなくても、探針16の高さは走査にともなう
被測定試料12の表面の形状の変化に追従して変化する
ことができる。弾性体が探針16の変位を吸収するの
で、探針16及び被測定試料12の表面は接触によるダ
メージを受けない。探針16の高さは弾性体のたわみ量
として検出される。
【0027】図3は探針16を有するプローブ部18の
詳細を示す図である。プローブ部18は中空ボディ44
と、中空ロッド50とを有する。中空ロッド50は、中
空ボディ44の軸心部に位置し、十字形に張られた梁状
の2段のばね46、48により中空ボディ44に取りつ
けられている。上記弾性体はこれらのばね46、48で
ある。中空ロッド50はばね46、48の弾性により中
空ボディ44に対して上下方向に変位可能である。探針
16は中空ロッド50の先端に取りつけられている。
【0028】板状電極52が中空ロッド50に取りつけ
られ、板状電極52を挟むように配置された板状電極5
4、56が中空ボディ44に取りつけられている。中空
ロッド50が中空ボディ44に対して変位すると、板状
電極52と板状電極54、56との間のギャップが変化
し、よって容量が変化する。従って、中空ロッド50の
変位量、すなわち、探針16のZ軸方向の高さの変化
は、板状電極52と板状電極54、56との間の容量の
変化として検出される。
【0029】反射膜58が中空ボディ44の先端部に取
りつけられており、反射膜58の上には電気光学結晶部
材60が設けられ、電気光学結晶部材60の上には透明
電極膜62が設けられている。探針16は反射膜58を
通って電気光学結晶部材60に接触するように設けられ
ている。透明電極膜62はグランドに接続される。さら
に、中空ロッド50の内部には上方からレーザー光が電
気光学結晶部材60に向かって照射され、そして反射膜
58で反射したレーザー光を検出する検出手段(図示せ
ず)が設けられている。
【0030】探針16が配線12b、12cに接触する
と、探針16と透明電極膜62との間に電圧が発生し、
その電圧により電気光学結晶部材60の状態が変化す
る。それによって、レーザー光の偏光面が変わり、検出
手段(図示せず)は反射膜58で反射したレーザー光の
偏光面を検出することにより電圧を検出することができ
る。従って、この検出機構により、探針16の高さを検
出することにより配線12b、12cの位置を認識し、
配線12b、12cを認識したらそこで検出した電圧を
読み取って、配線12b、12cが正常であるかどうか
を試験することができる。
【0031】図1及び図2に戻ると、このような基本的
な構成において、本発明においては、探針16の温度を
制御できる温度調整機構を備えている。この温度調整機
構は、探針16の先端部を加熱することのできる加熱手
段70と、粗動Zステージ20に設けられて加熱手段7
0を進退移動可能に支持するエアシリンダ72とからな
る。加熱手段70はペルチェ素子からなり、電流を流す
と発熱する側を探針16の真下に向けて配置されてい
る。なお、この実施例は探針16を加熱する例である
が、探針16を冷却したい場合には、流す電流を逆方向
に流すことで冷却する。また、加熱手段70は探針16
に対して非接触式の加熱手段である。
【0032】加熱手段70は、プローブ部18が使用さ
れない場合(光学顕微鏡14が使用されている場合)に
は探針16の先端部を加熱し、プローブ部18が使用さ
れる場合(光学顕微鏡14が使用されない場合)には退
避して探針16の動作の妨げとならないようになってい
る。このようにして、光学顕微鏡14が使用されている
間に探針16を加熱することにより、探針16を被測定
試料12の温度と同じか又はそれに近い温度にしてお
く。この場合、探針16の温度を検出することのできる
温度検出手段(図示せず)を設けておく。
【0033】もし探針16と被測定試料12との間に温
度差があると、探針16が配線12b、12cを走査し
ている間に探針16が熱膨張(又は熱収縮)し、探針1
6が最初に被測定試料12の表面に接触したときの高さ
とその後の熱膨張後の探針16の高さが変化(位置ず
れ)し、配線12b,12cの認識を誤まる可能性があ
る。
【0034】従って、本発明のように、加熱手段70を
設けて、探針16を使用していない間(光学顕微鏡14
を使用している間)に探針16の温度を被測定試料12
の温度と同じか又はそれに近い温度にしておくことによ
り、探針16が熱膨張(又は熱収縮)して配線12b,
12cが認識できないために、配線の電圧を読み取って
試験することができなくなることを解消することができ
る。なお、半導体装置の熱耐久試験を行う場合には、被
測定試料12は加熱されたり、冷却されたりして、所定
の温度に維持されている。本発明では、探針16をその
ような温度にする。
【0035】図7は、図1から図3の実施例の全体のシ
ステム構成図である。図7では図1から図3にある部材
には同じ参照番号を付けて示してある。図7では、全体
を制御する計算機(コンピュータ)74及びCRTモニ
タ75があり、探針16の変位センサ73は微動XYZ
ステージ26に関連して設けられる。上記した各部材を
制御するために、粗動ステージコントローラ76、電磁
弁コントローラ77、XYZピエゾコントローラ78、
変位センサアンプ79、温度コントローラ80が設けら
れている。さらに、被測定試料12の加熱手段(DUT
温調器)74及びその温度コントローラ81が示されて
いる。
【0036】図8及び図9は本発明の第2実施例による
プローブ装置10を示す図である。この実施例も基本的
な構成は前の実施例と同様である。すなわち、プローブ
装置10は、被測定試料12を観察する光学顕微鏡14
と、弾性体で支持された探針16を有するプローブ部1
8とからなる。図8においては、光学顕微鏡14が被測
定試料12と対向し、プローブ部18は被測定試料12
とはずれた位置にあって上方の退避位置にある。図9に
おいては、プローブ部18が被測定試料12と対向して
いる。光学顕微鏡14が被測定試料12の所望の位置を
探索したら、光学顕微鏡14をずらして、プローブ部1
8を使用する。微動アクチュエータを作動させながら、
探針16により被測定試料12の走査及び電圧試験(プ
ロービング)を行う。
【0037】この実施例においては、探針16の温度を
制御できる温度調整機構としての加熱手段70は、赤外
線照射器からなる。赤外線はプローブ部18が使用され
ない場合(光学顕微鏡14が使用されている場合)に照
射され、赤外線は探針16のの先端部に焦点を合わせて
照射される。プローブ部18が使用される場合(光学顕
微鏡14が使用されない場合)には、赤外線照射を切る
ようになっている。
【0038】この例においては、探針16の温度を直接
に検出することはせず、探針16の熱膨張が安定するま
でプロービングを待ち、図10、図11に示される制御
を行う。図10はプロービング待ちのフローチャートで
あり、図11は最適照射パワー算出のフローチャートで
ある。図11のステップS8に示されるように、最初、
適当なパワーP0 で赤外線を探針16へ照射する。
【0039】図10のステップS1において、光学顕微
鏡14が被測定試料12の探索を行ったら、プローブ部
18が使用されることになる。そこで、位置検出回数を
示すkを0にする。それから、探針16を被測定試料1
2の表面に接触させ、そして探針16を被測定試料12
の表面から引き上げ、この動作を繰り返し行って、探針
16が被測定試料12の表面に接触したときの高さ位置
(接触位置)H0 、H1、H2 ...Hkを測定する
(ステップS2、S3、S4)。
【0040】ステップS5において、高さ位置の変化
量、すなわち、連続する2回の測定値間の差ΔHk(Δ
Hk=Hk−Hk-1)を求める。それから、ステップS
6において、位置の変化量ΔHkの絶対値|ΔHk|が
所定値ΔHdよりも小さくなったかどうか(ΔHk<Δ
Hd)を調べる。ステップS6の結果がイエスになれ
ば、探針16の温度が被測定試料12の温度に近づいて
探針16の熱膨張(又は熱収縮)が落ちついたことを意
味する。
【0041】そこで、ステップS6の結果がイエスにな
ってから初めて、探針16による被測定試料12のプロ
ービング(電圧検出)を行う(ステップS7)。このよ
うに、探針16の温度が落ちつくまでプロービングを待
ち、探針16の温度が落ちついてからプロービングを行
う。これによって、正確な試験を行うことができる。ま
た、位置の変化を繰り返し調べる間は待ち時間となる
が、探針16の温度は加熱手段70により既に上昇して
いるので、探針16が常温にある状態から探針16の熱
膨張が安定するまでプロービングを待つ場合よりも待ち
時間を短縮でき、しかも、積極的に位置の変化量を調べ
て探針16の温度が落ちついたら直ちにプロービングを
行うことができるので、実際上の待ち時間は少ない。
【0042】図11に示されるように、ステップS8に
おいて、最初、適当なパワーP0 で赤外線を探針16へ
照射する。図10においては、探針16の高さ位置(接
触位置)H0 、H、H2 ...Hkが測定されているの
で、それに応じて、探針16の長さL0 、L1 、L2
...Lkを算出することができる。そして、探針1
6の連続する2回の長さの差ΔLk(ΔLk=Lk−L
k−1)を求めることができる(ステップS9)。
【0043】ステップS10において、プローブ部18
によるプロービングが終了したら、プローブ部18は光
学顕微鏡14に切り替えられ、光学顕微鏡14による被
測定試料12の次の探索が行われる。それとともに、加
熱手段70が再び赤外線を探針16に向かって照射し、
探針16を加熱する(ステップS11、S12)。しか
し、この場合には、前回の探針16の長さの変化量ΔL
kに基づいて、パワーPk−1をPkに補正して照射を
行う。すなわち、ステップS11において、補正された
Pkを、Pk=Pk−1+C×ΔLkにして,照射す
る。Cは補正係数である。
【0044】図12は本発明の第3実施例によるプロー
ブ部18を示す図である。プローブ部18は、上記した
のと同様に、被測定試料12を観察する光学顕微鏡14
とともに、プローブ装置10に取りつけられることがで
きる。この実施例においては、探針16の温度を制御で
きる温度調整機構としての加熱手段70は、プローブ部
18の中空ボディ44の下端部に配置された加熱コイル
からなり、中空ロッド50を介して探針16を加熱す
る。この場合にも、加熱手段70は非接触式の加熱手段
である。
【0045】探針16の高さ位置を繰り返し測定し、熱
膨張が安定するまでプロービングを待ち、そして加熱手
段70のパワーを補正する上記実施例の特徴は、この実
施例においても行うことができる。さらに、位置の変化
量ΔHkの安定判定値ΔHdを上記実施例よりも大きく
し、完全に安定する前に被測定試料12の表面を走査す
るようにする。
【0046】図13は、探針16の熱膨張が安定した状
態で図5及び図6の走査を行った場合の被測定試料12
の表面の凹凸プロフィールを示す図である。図14は、
探針16が熱膨張している状態で同様の走査を行った場
合の被測定試料12の表面の凹凸プロフィールを示すで
ある。探針16がまだ熱膨張している状態で走査を行う
と、凹凸プロフィールが図14に示されるように傾く。
【0047】傾いたままでは配線の認識を誤まることが
ある。そこで、点X0 からX1 へ走査した後、再度X0
における高さを測定するとZ0 であったものがZ1 にな
る。従って、X0 からX1 へ走査する間に、Z1 −Z0
の熱膨張があったことが分かる。短い時間では熱膨張は
直線で近似できるので、点X0 からX1 までの範囲内の
ある位置での高さZ′は、Z′=Z0 +(X−X1
(Z1 −Z0 )/(X0−X1 )で直線補間計算するこ
とができる。これによって、図14のようになる凹凸プ
ロフィールを図13の凹凸プロフィールへ補正すること
ができる。
【0048】図15はこの直線補間を示すフローチャー
トである。ステップS20において、点X0 における高
さZ0 を測定し、ステップS21において、点X0 から
1へ走査して被測定試料12の表面の凹凸プロフィー
ルを測定し、ステップS22において、点X0 における
高さZ1 を測定し、それから、ステップS23におい
て、X0 からX1 までの範囲内の位置での高さを補正計
算する。
【0049】なお、点X0 からX1 へ等速で走査するこ
とを前提にしているが、等速でない場合には、点X0
おけにデータ取得時刻T0 と点X1 におけにデータ取得
時刻T1 を使用して、時刻Tでの高さZ′は、Z′=Z
0 +(T−T1 )(Z1 −Z 0 )/(T0 −T1 )と補
正してもよい。また、温度変化は指数関数的になるため
に、2点間の直線で補間するよりも、複数点間の指数関
数で補間すればより正確になる。
【0050】さらに、探針16が配線に接触している間
も熱膨張が継続している場合がある。このような場合に
は、図16に示されるようにするとよい。ステップS2
5において、探針16を被測定試料12の表面の配線に
接触させる。ステップS26において、微動XYZステ
ージ26の初期高さ位置Z0 を取得する。ステップS2
7において、変位センサの初期高さ位置G0 を取得す
る。それから、ステップS28において、変位センサの
高さ位置Gを繰り返して取得する。そして、ステップS
29において微動XYZステージ26をZ0 +G−G0
だけ移動させる。このように、微動XYZステージ26
を微小な時間単位で移動させながら探針16が配線に接
触している間の熱膨張分の補正を行う。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
正確に且つ効率よく試験を行うことのできるプローブ装
置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるプローブ装置を示す
図である。
【図2】図1のプローブ装置の他の状態にあるところを
示す図である。
【図3】探針を有するプローブ部の詳細を示す図であ
る。
【図4】被測定試料の例を示す図である。
【図5】図4の配線を拡大して示す平面図である。
【図6】図5の配線の断面図である。
【図7】図1から図3の実施例の全体のシステム構成図
図である。
【図8】本発明の第2実施例によるプローブ装置を示す
である。
【図9】図8のプローブ装置の他の状態にあるところを
示す図である。
【図10】プロービング待ちのフローチャートを示すで
ある。
【図11】最適照射パワー算出のフローチャートを示す
図である。
【図12】本発明の第3実施例によるプローブ部を示す
図である。
【図13】探針の熱膨張が安定した状態で走査を行った
場合の被測定試料の表面の凹凸プロフィールを示す図で
ある。
【図14】探針が熱膨張している状態で同様の走査を行
った場合の被測定試料の表面の凹凸プロフィールを示す
図である。
【図15】直線補間の補正を行うフローチャートを示す
図である。
【図16】熱膨張分の補正を行うフローチャートを示す
図である。
【符号の説明】
10…プローブ装置 12…被測定試料 14…光学顕微鏡 16…探針 18…プローブ部 20…粗動Zステージ 26…微動XYZステージ 44…中空ボディ 46、48…ばね 50…中空ロッド 52、54、56…板状電極 70…加熱手段

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定試料を観察する光学顕微鏡と、弾
    性体で支持された探針を有するプローブ部と、光学顕微
    鏡及びプローブ部の一方が被測定試料と対向するように
    光学顕微鏡及びプローブ部を移動可能に支持する支持手
    段と、プローブ部の探針の温度を制御できる温度調整機
    構とを備えたプローブ装置。
  2. 【請求項2】 温度調整機構は非接触式の加熱手段を含
    むことを特徴とする請求項1に記載のプローブ装置。
  3. 【請求項3】 プローブ部が被測定試料と対向する位置
    にもたらされた後、探針の上下方向の位置ずれ量を検出
    し、該位置ずれ量から温度調整機構を制御することを特
    徴とする請求項1に記載のプローブ装置。
  4. 【請求項4】 被測定試料を観察する光学顕微鏡と、弾
    性体で支持された探針を有するプローブ部と、光学顕微
    鏡及びプローブ部の一方が被測定試料と対向するように
    光学顕微鏡及びプローブ部を移動可能に支持する支持手
    段と、プローブ部が被測定試料と対向する位置になって
    から探針の上下方向の位置ずれ量を繰り返し測定する手
    段と、位置ずれ量の変化量が所定値以下になってからプ
    ロービングを開始する手段とを備えたプローブ装置。
  5. 【請求項5】 弾性体で支持された探針を有するプロー
    ブ部と、弾性体のたわみ量を測定する変位センサと、探
    針が被測定試料に接触している時に弾性体のたわみ量が
    一定となるように探針を上下動させる手段とを備えたプ
    ローブ装置。
  6. 【請求項6】 弾性体で支持された探針を有するプロー
    ブ部と、弾性体のたわみ量を測定する変位センサと、探
    針を走査することで被測定試料の表面の凹凸を測定する
    表面凹凸測定手段と、同じ位置の高さを複数回測定して
    探針の上下方向の位置ずれ量を測定して表面の凹凸形状
    を補正する手段とを備えたプローブ装置。
  7. 【請求項7】 該補正手段は複数回測定する位置情報か
    ら測定値を直線あるいは曲線で補間して補正するように
    したことを特徴とする請求項6に記載のプローブ装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100768915B1 (ko) * 2006-03-17 2007-10-23 양 전자시스템 주식회사 평판표시소자의 프로브 검사장치
JP2008281466A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Toyota Motor Corp 半導体検査装置
CN103019271A (zh) * 2012-12-10 2013-04-03 兰州大学 一种原子力显微镜用制冷温控装置
CN112834910A (zh) * 2020-12-31 2021-05-25 成都海光集成电路设计有限公司 一种芯片半自动测试系统

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