JPH10114211A - ビスカスヒータ - Google Patents

ビスカスヒータ

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Publication number
JPH10114211A
JPH10114211A JP8268259A JP26825996A JPH10114211A JP H10114211 A JPH10114211 A JP H10114211A JP 8268259 A JP8268259 A JP 8268259A JP 26825996 A JP26825996 A JP 26825996A JP H10114211 A JPH10114211 A JP H10114211A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
drive shaft
rotation speed
shaft
viscous heater
Prior art date
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Pending
Application number
JP8268259A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Moroi
隆宏 諸井
Takashi Ban
孝志 伴
Fumihiko Kitani
文彦 木谷
Tsutomu Sato
努 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP8268259A priority Critical patent/JPH10114211A/ja
Priority to US08/946,264 priority patent/US5788151A/en
Priority to DE19744529A priority patent/DE19744529C2/de
Publication of JPH10114211A publication Critical patent/JPH10114211A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F24HEATING; RANGES; VENTILATING
    • F24VCOLLECTION, PRODUCTION OR USE OF HEAT NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F24V40/00Production or use of heat resulting from internal friction of moving fluids or from friction between fluids and moving bodies

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータを駆動する駆動軸の回転速度が高速度
となっても発熱量過多となるのを簡単な構成で防止す
る。 【解決手段】 前部ハウジング8及び後部ハウジング9
間に区画プレート5,6が配設され、両区画プレート
5,6間に発熱室12が形成されている。発熱室12の前後
にウォータジャケット13,14が形成されている。発熱室
12内に収納されたロータ22は駆動軸19と独立して回転可
能に区画プレート6に軸受24を介して支持されている。
駆動軸19と軸部22aとの間には、その第1端部が駆動軸
19に固定された状態で駆動軸19及び軸部22aの外周面に
その内面が当接する状態で巻装されている。コイルばね
26は、ロータ22の回転速度が所定回転速度に達するまで
は駆動軸19の回転をその回転速度に対応してロータ22に
伝達する。駆動軸19の回転速度が所定回転速度以上にな
ると、ロータ22は所定回転速度より低速の一定速度で回
転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジング内に発
熱室及び放熱室を区画し、発熱室内に収納された粘性流
体をロータで剪断することにより発生した熱を放熱室内
の循環流体に熱交換する自動車用補助熱源のビスカスヒ
ータに関する。
【0002】
【従来の技術】車載用の補助熱源として、車両のエンジ
ンの駆動力を利用するビスカスヒータが注目されてお
り、例えば、特開平2−246823号公報にはビスカ
スヒータを備えた車両用暖房装置が開示されている。こ
の暖房装置では、エンジンによって駆動されるウォータ
ポンプの下流側(吐出側)からエンジンの冷却水を取り
出し、車室内用のヒータコア(暖房用熱交換器)を通
し、ポンプの上流側(吸入側)へ戻す暖房用温水回路中
に、ビスカスヒータが挿入されている。そして、温水回
路の水温が設定値以下の場合にビスカスヒータを作動さ
せるようになっている。
【0003】このビスカスヒータでは、前部及び後部ハ
ウジングが対設された状態で通しボルトにより締結さ
れ、内部に発熱室と、この発熱室の外域にウォータジャ
ケットとを形成している。前記ウォータジャケットでは
循環水が入水ポートから取り入れられ、出水ポートから
外部の暖房回路へ送り出される。前部ハウジングには軸
受装置を介して駆動軸が回動可能に支承され、駆動軸に
は発熱室内で回動可能なロータが固定されている。発熱
室の内壁面と、ロータの外面とは互いに近接するラビリ
ンス溝を構成し、これら発熱室の壁面とロータの外面と
の隙間にはシリコーンオイル等の粘性流体が介在され
る。ラビリンス溝は、発熱室の内壁面及びロータにそれ
ぞれ複数突設された環状のフィンにより形成されてい
る。
【0004】このビスカスヒータでは、エンジンの回転
が電磁クラッチを介して駆動軸に伝達されて駆動軸が回
転駆動されると、発熱室内でロータが回動するため、粘
性流体が発熱室の内壁面とロータの外面との間隙で剪断
されて発熱する。そして、その発熱室で発生した熱は、
ウォータジャケット内の循環水に熱交換され、加熱され
た循環水が暖房回路で車室内の暖房に供される。
【0005】また、特開平3−57877号公報に開示
されたビスカスヒータでは、前部及び後部ハウジングが
対設された状態でボルトにより締結されて受熱室(放熱
室)が形成され、その放熱室内にロータと、該ロータを
内包するカバー及びケーシングからなる回転体とが駆動
軸の先端に支持された状態で配設されている。ロータは
駆動軸に一体回転可能に固定され、カバーはころがり軸
受を介して駆動軸に回動可能に固定されたケーシングに
対してボルトにより一体的に固定されている。また、カ
バーにはボルトによってインペラが固定されている。そ
して、ロータが駆動軸と共に回転すると、インペラが放
熱室内の水から受ける抵抗により、ロータと回転体とは
相対回転し、回転体の内面とロータ外面との間に介在さ
れたシリコーンオイル等の粘性流体が剪断されて発熱す
る。その熱が放熱室内の水に熱交換される。放熱室では
循環水が入水ポートから取り入れられ、発熱室の熱で加
熱された循環水が出水ポートから外部の暖房回路へ送り
出されて、車室内の暖房に供される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ビスカスヒータの発熱
源となるロータの外面における発熱量は、ロータの回転
速度(角速度)の二乗に比例する。そして、ビスカスヒ
ータの駆動軸にはエンジンの回転が伝達されるため、ロ
ータの回転速度はエンジン回転数の影響を直接受ける構
成となっている。そのため、従来のビスカスヒータでは
エンジンの高速回転時に発熱量過多となって粘性流体の
温度がその耐熱限界を超える値まで上昇し、粘性流体が
劣化する。粘性流体が劣化するとその粘度が小さくな
り、ロータの1回転当たりの発熱量が低下し、必要な発
熱量を確保できず性能の低下となる。
【0007】この問題を解決する方法として、高速回転
時に電磁クラッチを切り離してエンジンの回転を駆動軸
に伝達させず、所定回転速度以下のときのみエンジンの
回転を駆動軸に伝達することが考えられる。しかし、電
磁クラッチではオン・オフ制御しかできないため、エン
ジン回転数がビスカスヒータの発熱量過多となる回転数
の前後で頻繁に変化する場合は、電磁クラッチの頻繁な
オン・オフが繰り返され電磁クラッチの耐久性に悪影響
を与えるだけでなく、電磁クラッチのオン、オフ時のシ
ョックで自動車の運転フィーリングが悪くなるという問
題がある。
【0008】また、オン・オフタイミングを知るため速
度センサが必要となり、制御が複雑になるとともに、セ
ンサの故障時には発熱量過多の状態でビスカスヒータが
駆動されるという問題もある。
【0009】特開平3−57877号公報に開示された
ビスカスヒータでは、ロータは駆動軸に一体回転可能に
固定され、ケーシング及びカバーからなりロータを内包
する回転体は駆動軸に相対回動可能に固定されている。
従って、ロータが駆動軸と共に回転すると、回転体の内
面とロータ外面との間に介在された粘性流体との摩擦抵
抗により回転体がロータと共に連れ回りしようとする。
しかし、インペラが放熱室内の水から受ける抵抗によ
り、ロータと回転体とは相対回転する。従って、この構
成の場合は、発熱室がハウジングに形成されたビスカス
ヒータと異なり、ロータと発熱室との相対回転速度は駆
動軸の回転速度より小さくなる。しかし、ロータの回転
速度の増大に伴ってロータと発熱室との相対回転速度は
増大し、ビスカスヒータが発熱量過多となるのを防止で
きない。
【0010】本発明は前記従来の問題点に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、ロータを駆動する駆動軸
の回転速度が高速度となっても発熱量過多となるのを簡
単な構成で防止することができるビスカスヒータを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、ハウジング内に発熱室及び放熱
室を区画し、前記発熱室内に収納された粘性流体をロー
タで剪断することにより発生した熱を前記放熱室内の循
環流体に熱交換するビスカスヒータにおいて、前記ロー
タをロータに外部駆動源の回転力を伝達する駆動軸と独
立して回転可能に前記ハウジング内の所定位置に配設
し、前記ロータと前記駆動軸との間にロータの回転速度
が所定回転速度に達するまでは前記駆動軸の回転をその
回転速度に対応してロータに伝達可能な摩擦伝動手段を
設けた。
【0012】所定回転速度とはロータによる粘性流体の
剪断発熱量が粘性流体の熱劣化を助長するほど大きくな
る速度より低速の予め設定した速度をいう。この所定回
転速度はロータと発熱室との隙間、使用する粘性流体の
粘性係数(粘性抵抗)、ロータの外径、ロータの剪断面
(発熱室の内壁との間で粘性流体を剪断するのに寄与す
る面)の面積等の大きさにより変化する。
【0013】このビスカスヒータでは、駆動軸の回転は
摩擦伝動手段を介してロータに伝達される。駆動軸の回
転速度は外部駆動源の回転速度に対応して増減される。
ロータの回転速度が所定回転速度に達するまでは、駆動
軸の回転速度に対応した速度でロータが回転される。駆
動軸の回転速度が前記所定回転速度以上になると、摩擦
伝動手段によるロータへの回転力の伝達が阻害され、ロ
ータは所定回転速度以上の速度で回転されることはな
い。従って、ロータの回転による剪断発熱量が粘性流体
の熱劣化を助長するほど大きくなることが防止される。
【0014】請求項2の発明は、請求項1に記載の発明
において、前記摩擦伝動手段は、前記駆動軸と、該駆動
軸と対向する側に突設された前記ロータの軸部との間
に、第1端部が駆動軸に固定された状態で少なくとも前
記軸部の外周面にその内面が当接する状態で配設された
コイルばねである。
【0015】この発明では、駆動軸の回転に伴って駆動
軸と一体に回転するコイルばねを介してその回転力がロ
ータに伝達される。コイルばねはその内面と軸部外周面
との摩擦力により駆動軸の回転力をロータの軸部に伝達
する。コイルばねの最大伝達トルクはばねの形状、巻数
等で決まり回転速度に無関係であり、ロータが粘性流体
中で回転する際の摩擦トルクは回転速度の上昇により大
きくなる。従って、駆動軸即ちコイルばねの回転速度が
所定回転速度に達すると、コイルばねと軸部との間に滑
りが発生し、駆動軸即ちコイルばねの回転速度がそれよ
り上昇してもロータの回転速度は一定となる。その結
果、駆動軸が高速回転となっても、粘性流体は発熱過多
とならず熱劣化を助長しない温度でほぼ一定になる。
【0016】請求項3の発明は、請求項2に記載の発明
において、前記コイルばねは前記軸部に対する最大伝達
トルクが、前記ロータの低速回転時においてロータに作
用する粘性流体の摩擦トルクより大きく、ロータの所定
高速回転時においてロータに作用する粘性流体の摩擦ト
ルクとほぼ等しく形成されている。
【0017】この発明では、駆動軸の回転速度が所定の
回転速度となるまで、コイルばねを介してロータが駆動
軸と同じ回転速度で回転され、所定の回転速度以上にな
ると、駆動軸の回転速度に拘らず所定の回転速度より若
干低速で回転される。
【0018】請求項4の発明は、請求項1に記載の発明
において、前記摩擦伝動手段は、前記駆動軸と対向する
側に突設されたロータの軸部の外周面に接触可能な内面
を有し、前記駆動軸の半径方向に移動可能に駆動軸に支
持された複数のクラッチ片と、各クラッチ片をその内面
が前記軸部の外周面に接触する方向に付勢する付勢手段
とを備えている。
【0019】この発明では、摩擦伝動手段を構成する複
数のクラッチ片は駆動軸と一体に回転される。各クラッ
チ片は駆動軸と対向する側に突設されたロータの軸部の
外周面に接触する方向に、付勢手段により付勢されてい
る。そして、各クラッチ片の内面と前記軸部外周面との
摩擦力により駆動軸の回転がロータに伝達される。駆動
軸の回転に伴ってクラッチ片も回転し、各クラッチ片に
対して遠心力が作用する。遠心力は各クラッチ片を付勢
手段の付勢力に抗して軸部から離間させる方向に作用す
る。従って、遠心力が付勢手段の付勢力より大きくなる
回転速度以上で駆動軸が回転されると、クラッチ片と軸
部との接触が解除され、ロータに駆動軸の回転力が伝達
されない状態となる。
【0020】請求項5の発明は、請求項4に記載の発明
において、前記付勢手段は前記駆動軸の回転速度が所定
回転速度に達するまで各クラッチ片をその内面が軸部の
外周面に接触する状態に保持可能なばねである。
【0021】この発明では、付勢手段として使用される
ばねにより、クラッチ片は駆動軸の回転速度が、ロータ
による粘性流体の剪断発熱量が粘性流体の熱劣化を助長
するほど大きくなる所定回転速度に達するまでは、ロー
タの軸部の外周面に圧接された状態に保持される。従っ
て、駆動軸の回転速度が前記所定回転速度以下の状態で
はロータは駆動軸の回転速度に対応した速度で回転され
る。
【0022】請求項6の発明は、請求項4又は請求項5
に記載の発明において、前記付勢手段は隣接するクラッ
チ間に張設された引っ張りばねである。この発明では、
付勢手段としての引っ張りばねが隣接するクラッチ間に
張設されるため、その配設位置の確保が容易となる。
【0023】請求項7の発明は、請求項4〜請求項6の
いずれか一項に記載の発明において、前記軸部及び前記
クラッチ片の対向する面の少なくとも一方に摩擦増大手
段を設けた。
【0024】この発明では、クラッチ片がロータの軸部
の外周面に接触した状態で接触部における摩擦抵抗が大
きくなるため、駆動軸の回転がクラッチ片を介して確実
にロータに伝達される。
【0025】請求項8の発明は、請求項2〜請求項7の
いずれか一項に記載の発明において、前記ロータは前記
軸部と反対側に突設された支軸部が嵌合された軸受を介
してハウジングに片持ち状態で支持されるとともに、ロ
ータが発熱室内面と所定間隔を保持する位置に位置決め
手段により位置めされた状態で配設されている。
【0026】この発明では、ロータが前記軸部と反対側
に突設された支軸部によりハウジングに片持ち状態で支
持されるため、ロータを支持するためのスペースが小さ
くてすむ。また、ロータは発熱室内面と所定間隔を保持
する位置に位置決め手段により位置決めされているの
で、剪断発熱が安定した状態で行われる。
【0027】請求項9の発明は、請求項8に記載の発明
において、前記位置決め手段は、ハウジングに対して軸
方向に移動可能に嵌合された前記軸受を前記軸部が前記
駆動軸と当接する位置に付勢するばねである。
【0028】この発明では、ロータの支軸部が嵌合され
た軸受がハウジングに対して軸方向に移動可能、即ち緩
やかに嵌合される。そして、軸受はばねによりロータの
軸部が駆動軸と当接する方向に付勢されて所定位置に位
置決めされる。従って、駆動軸を所定位置に位置決めす
ることにより、ロータの位置決めが自動的に行われ、組
付けが容易となる。
【0029】請求項10の発明は、請求項9に記載の発
明において、前記軸部及び前記駆動軸の対向する端面の
少なくともいずれか一方に凸部が形成されている。この
発明では、ロータの位置決めを行うため、軸部が駆動軸
と当接する状態に保持されても、軸部の端面全体で面接
触するのではなく、凸部において当接するため、駆動軸
が軸部より大きな回転速度で回転する状態のとき、両者
間の摩擦抵抗が小さくなる。
【0030】請求項11の発明は、請求項8に記載の発
明において、前記位置決め手段は、ハウジングに嵌合さ
れた前記軸受の第1端部と係合可能にハウジングに形成
された係合部と、前記係合部に第1の端部が係合した軸
受の第2端部と係合するようにハウジングに固定された
止め輪とからなる。
【0031】この発明では、ハウジングの一部と、ハウ
ジングに固定される止め輪とによりロータを支持する軸
受の位置決めが行われ、ロータの位置決めに際して、軸
部と駆動軸との当接が利用されない。従って、軸部と駆
動軸とが完全に離間した状態にロータを配設でき、駆動
軸がロータ即ち軸部に対して相対回転する際に両者間の
摩擦抵抗がなく、動力損失が少なくなる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明を車両の暖房装置に
組み込まれるビスカスヒータに具体化した第1の実施の
形態を図1〜図3に従って説明する。
【0033】図1に示すように、前部ハウジング本体1
及び後部ハウジング本体2は、前部ハウジング本体1に
設けられた凹部の開放端を後部ハウジング本体2が閉塞
する状態で複数本のボルト3(図1では一本のみ図示)
によって締結されている。両ハウジング本体1,2間に
はシールのためのOリング4が介在されている。前部ハ
ウジング本体1の凹部内には第1の区画プレートとして
の前部区画プレート5及び第2の区画プレートとしての
後部区画プレート6が収容されている。両区画プレート
5,6はその外周縁部が互いに当接し、その当接面にO
リング7が配設されている。両区画プレート5,6は、
熱伝導性に優れた材料(例えば、アルミニウムあるいは
アルミニウム系合金)で形成されている。前部ハウジン
グ本体1及び前部区画プレート5により前部ハウジング
8が構成され、後部ハウジング本体2及び後部区画プレ
ート6により後部ハウジング9が構成されている。
【0034】前部区画プレート5は、その中央部に形成
された支持筒部5aが前部ハウジング本体1と嵌合する
状態で配設され、支持筒部5aの外周部にOリング10
が配設されている。後部区画プレート6は、その後端側
に突設された筒部6aの内面が、後部ハウジング本体2
に突設された支持筒部2aに嵌合する状態で配設され、
支持筒部2aの外周部にOリング11が配設されてい
る。Oリング10,11は区画プレート5,6がハウジ
ング本体1,2に対して前後方向に相対移動可能に緩く
嵌合された状態であっても、その当接面の隙間のシール
を確保する役割を果たす。
【0035】前部区画プレート5の後端側に設けられた
凹部と、後部区画プレート6の前端面とによって発熱室
12が形成される。前部ハウジング本体1の内壁と前部
区画プレート5の前端面との間には、発熱室12の前側
に隣接する円環状の前部ウォータジャケット13が区画
され、後部区画プレート6の外周部後端面と後部ハウジ
ング本体2の内壁との間には、発熱室12の後側に隣接
する円環状の後部ウォータジャケット14が区画され
る。前部ウォータジャケット13及び後部ウォータジャ
ケット14は、発熱室12に隣接する放熱室を構成す
る。
【0036】図1及び図2に示すように、後部区画プレ
ート6には後部ウォータジャケット14を区画して半径
方向に延びるように形成された隔壁6bと、筒部6aの
外側に沿って周方向に延びる円弧状の2条のフィン6c
とが突設されている。筒部6a、隔壁6b及びフィン6
cの各先端は、図1に示すように、後部ハウジング本体
2の内壁面に当接されている。また、前部区画プレート
5にも同様に、前部ウォータジャケット13を区画して
半径方向に延びるように形成された隔壁5bと、支持筒
部5aの外側に沿って周方向に延びる円弧状の2条のフ
ィン5cとが突設されている。隔壁5b及びフィン5c
の各先端は、図1に示すように、前部ハウジング本体1
の内壁面に当接されている。
【0037】前部ハウジング本体1の外周部(図1,2
の上部)には、車両内に設けられた暖房回路(図示略)
から両ウォータジャケット13,14に循環水を取り入
れる入水ポート15と、両ウォータジャケット13,1
4から循環水を暖房回路に送り出す出水ポート16とが
形成されている。入水ポート15及び出水ポート16は
隔壁5b,6bを挟んだ位置に形成され、両区画プレー
ト5,6には入水ポート15に連通する連通孔5d,6
dと、出水ポート16に連通する連通孔(後部区画プレ
ートの連通孔のみ図2に図示)6eとがそれぞれ形成さ
れている。従って、入水ポート15から両ウォータジャ
ケット13,14に導入された循環流体としての循環水
は、フィン5c,6cにガイドされて各ウォータジャケ
ット13,14内を図2の反時計回り方向にほぼ1周し
た後、出水ポート16へ導かれる。
【0038】前部ハウジング8には、2個の軸受17,
18を介して駆動軸19が回動可能に支承されている。
軸受18は止め輪20により前部区画プレート5に対す
る軸方向の位置決めがなされ、止め輪21により駆動軸
19に対する軸方向の位置決めがなされている。軸受1
8にはシール板付きころがり軸受が使用されている。即
ち、軸受18の外輪と内輪との間にシール板が取付けら
れており、これにより、発熱室12内に駆動軸19の後
端部(第1端部)を収納しつつ、発熱室12を気密(液
密)な内部空間としている。
【0039】後部区画プレート6の中央にはロータ22
を収容する発熱室12の一部を構成する凹部23が形成
されている。ロータ22の中心には駆動軸19と対向す
る側に突設された軸部22aと、軸部22aと反対側に
突設された支軸部22bとが形成され、ロータ22は支
軸部22bが嵌合された軸受24を介して後部区画プレ
ート6即ち後部ハウジング9に片持ち状態で支持されて
いる。この実施の形態ではロータ22の中心部を貫通し
て固着されたシャフトにより、軸部22a及び支軸部2
2bが形成されている。軸受24にはころがり軸受が使
用され、ころがり軸受の外輪が凹部23に軸方向に移動
可能に緩く嵌合され、内輪が支軸部22bに圧入されて
いる。図3に示すように、軸受24はその外輪とロータ
22の端面との間に隙間が存在する状態で支軸部22b
に嵌着されている。ロータ22の周縁部には複数の孔2
2cが形成されている。この孔22cはロータ22の回
転時に剪断作用を高める役割と、発熱室12内における
ロータ22の前後両側の粘性流体の移動を促進させる役
割を果たす。
【0040】軸受24の外輪と凹部23の後端面との間
には、軸部22aが駆動軸19と当接する位置にロータ
22を位置決めするように軸受24を付勢するばね(圧
縮コイルばね)25が介装されている。ばね25はロー
タ22が発熱室12内面と所定間隔を保持する位置に位
置決めする位置決め手段を構成する。
【0041】駆動軸19と軸部22aとの間には、クラ
ッチスプリングとして機能するコイルばね26が、その
第1端部が駆動軸19に固定された状態で駆動軸19及
び軸部22aの外周面にその内面が当接する状態で巻装
されている。コイルばね26は、ロータ22の回転速度
が所定回転速度に達するまでは駆動軸19の回転をその
回転速度に対応してロータ22に伝達可能な摩擦伝動手
段を構成する。
【0042】クラッチスプリングの最大伝達トルクTma
x は次式で表される。 Tmax =(EIδ/Rs2){exp.(2πμN)−1}…(1) Rs :軸部半径、Rb :ばね内径(自由時)、μ:摩擦
係数、N:巻き付いているばねの有効巻数、E:ばね材
の縦弾性係数、I:ばね材の断面2次モーメント、δ:
Rs −Rb また、流体摩擦によりロータに作用するトルクT(理論
値)は次式となる。
【0043】 T={4π/(n+3)}{(ωn 0 3+n)/hn }μ0 …(2) h:片側ロータクリアランス、ω:角速度、r0 :ロー
タ半径 μ0 ,n:流体による係数、 ニュートン流体(水、空気、機械油等)ではn=1 非ニュートン流体(シリコーンオイル等)ではn≠1、
シリコーンオイルでは0.2≦n<1程度(高粘度ほど
nは小さくなる。)であり、角速度ω即ち回転数の増加
とともにトルクTも大きくなる。
【0044】そして、コイルばね26はその最大伝達ト
ルクTmax が、ロータ22の低速回転時においてロータ
22に作用する粘性流体の摩擦トルクTL より大きく、
ロータ22の高速時の所定回転速度での摩擦トルクTH
より小さくなるように形成されている。所定回転速度と
はロータ22による粘性流体の剪断発熱量が粘性流体の
熱劣化を助長するほど大きくなる速度をいう。この所定
回転速度はロータ22と発熱室12との隙間、使用する
粘性流体の粘性係数(粘性抵抗)、ロータ22の外径、
ロータ22の剪断面(発熱室12の内壁との間で粘性流
体を剪断するのに寄与する面)の面積等の大きさにより
変化する。この実施の形態ではコイルばね26は軸部2
2aに対する最大伝達トルクが、ロータ22の所定高速
回転時においてロータに作用する粘性流体の摩擦トルク
とほぼ等しく形成されている。
【0045】発熱室12の後側、後部ウォータジャケッ
ト14の内側には副オイル室27が設けられ、発熱室1
2と副オイル室27とは後部区画プレート6に形成され
た孔6f,6gを介して連通されている。発熱室12及
び副オイル室27内には、粘性流体としてのシリコーン
オイルが所要量満たされている。孔6gは副オイル室2
7の下部と発熱室12とを連通し、孔6fは副オイル室
27の上部と発熱室12とを連通し、シリコーンオイル
はその上面が孔6fと対応する位置より下になるように
副オイル室27内に収容されている。そして、駆動軸1
9及びロータ22の一体回転に伴い、発熱室12の内壁
面とロータ22の外面との隙間には、表面張力及びワイ
センベルグ効果に基づいてシリコーンオイルが満遍なく
介在される。
【0046】駆動軸19の外端部及び前部ハウジング1
から前方に突設された支持筒部1aの近傍には、電磁ク
ラッチ28が設けられている。電磁クラッチ28は、ア
ンギュラベアリング29を介して支持筒部1a上に回転
可能に支持されたプーリ30と、駆動軸19の外端部に
止着された支持リング31上にスライド可能に設けられ
た円板形状のクラッチ板32とを備えている。クラッチ
板32の背面側には、板ばね33が配設されている。板
ばね33は、その略中央部において支持リング31に固
定されるとともに、その外端部(図1では上下両端部)
はクラッチ板32の外周部に対しリベット等で連結され
ている。クラッチ板32の正面は、プーリ30の側端面
30aと対向しており、プーリ30の側端面30aがも
う一つのクラッチ板としての役目を果たす。
【0047】プーリ30は、ベルトを介して車両のエン
ジン(いずれも図示せず)に作動連結される。また、前
部ハウジング8には環状のソレノイドコイル34が支持
されている。ソレノイドコイル34は、プーリ30の外
周部とアンギュラベアリング29との間においてプーリ
30内に入り込むように配置されており、プーリ30の
側端面30aを介してクラッチ板32に電磁力(吸引
力)を及ぼす。
【0048】前記のように構成されたビスカスヒータが
外部暖房回路に接続された状態でエンジンが駆動される
と、ベルトを介してプーリ30にエンジンの回転力が伝
達される。この状態で電磁クラッチ28のソレノイドコ
イル34が励磁されと、その電磁力によりクラッチ板3
2が板ばね33のばね力に抗してプーリ30の側端面3
0aに吸引接合される。そして、クラッチ板32とプー
リ30との接合により、プーリ30の回転がクラッチ板
32及び支持リング31を介して駆動軸19に伝達され
る。駆動軸19の回転速度は外部駆動源(エンジン)の
回転速度に対応して増減される。
【0049】駆動軸19の回転は摩擦伝動手段としての
コイルばね26を介してロータ22に伝達される。ロー
タ22の回転に伴い、シリコーンオイルが発熱室12の
内壁面とロータ22の外面との間隙で剪断されて発熱す
る。この熱は、両ウォータジャケット13,14内の循
環流体としての循環水に熱交換され、加熱された循環水
が暖房回路(図示略)を介して車室内の暖房に供され
る。
【0050】駆動軸19の回転に伴って駆動軸19と一
体に回転するコイルばね26はその内面と軸部22aの
外周面との摩擦力により駆動軸19の回転力を軸部22
aに伝達する。コイルばね26の最大伝達トルクTmax
は(1)式に示すように、コイルばね26の形状、巻数
等で決まり回転速度に無関係であり、ロータ22が粘性
流体中で回転する際の摩擦トルクTは(2)式に示すよ
うに、回転速度の上昇に伴って大きくなる。そして、コ
イルばね26はその最大伝達トルクTmax が低速回転時
においてロータ22に作用する粘性流体の摩擦トルクT
L より大きく、ロータ22が高速の所定回転速度時の摩
擦トルクTH より小さくなるように形成されている。
【0051】従って、駆動軸19即ちコイルばね26の
回転速度が所定回転速度に達するまでは、駆動軸19の
回転速度に従ってロータ22の回転速度が増大する。そ
して、駆動軸19の回転速度が所定回転速度以上になる
と、前記最大伝達トルクTmax が前記摩擦トルクTH よ
り小さくなり、コイルばね26と軸部22aとの間に滑
りが発生する。従って、駆動軸19が所定回転速度以上
の高速になると、駆動軸19(コイルばね26)の回転
速度に拘らずロータ22は所定回転速度より若干低速で
回転される。その結果、エンジンの高速回転時にロータ
22の剪断による発熱量が粘性流体の熱劣化を助長する
ほど大きくなることが回避され、シリコーンオイルがそ
の耐熱限界を超える高温となることが防止され、シリコ
ーンオイルの熱劣化が防止される。
【0052】この実施の形態では以下の効果を有する。 (イ) ロータ22の回転速度が所定回転速度に達する
までは、駆動軸19の回転速度に対応した速度でロータ
22が回転され、駆動軸19の回転速度が前記所定回転
速度以上になると、摩擦伝動手段(コイルばね26)に
よるロータ22への回転力の伝達が阻害される。従っ
て、ロータ22がその回転による剪断発熱量が粘性流体
の熱劣化を助長するほど大きくなる所定回転速度以上の
速度で回転されることはなく、粘性流体の熱劣化が防止
される。
【0053】(ロ) 駆動軸19の回転速度が所定回転
速度に達すると、コイルばね26と軸部22aとの間に
滑りが発生し、駆動軸19の回転速度がそれより上昇し
てもロータ22の回転速度は一定となって発熱量は一定
に保持される。従って、電磁クラッチ28を切り離して
発熱過多を防止する装置と異なり、エンジンが長時間高
速で回転されてもロータ22は一定速度で回転されて粘
性流体の発熱が確保され、駆動軸19の回転力が暖房に
有効に利用できる。
【0054】(ハ) コイルばね26は軸部22aに対
する最大伝達トルクが、ロータ22の所定高速回転時に
おいてロータに作用する粘性流体の摩擦トルクとほぼ等
しく形成されている。従って、駆動軸19の回転力が、
発熱過多とならない範囲で最も有効にロータ22による
粘性流体の剪断発熱に利用される。
【0055】(ニ) ロータ22が軸部22aと反対側
に突設された支軸部22bによりハウジング(具体的に
は前部区画プレート5)に片持ち状態で支持されるた
め、ロータ22を駆動軸19と独立して回転可能に支持
するためのスペースが小さくてすむ。また、ロータ22
は発熱室12内面と所定間隔を保持する位置に位置決め
手段により位置決めされているので、安定した状態で回
転される。
【0056】(ホ) ロータ22の軸方向の位置決め
が、後部区画プレート6に対して軸方向に移動可能に嵌
合された軸受24をばね25によりロータ22の軸部2
2aが駆動軸19と当接する位置に付勢することで行わ
れる。従って、駆動軸19を所定位置に位置決めするこ
とにより、ロータ22の位置決めが自動的に行われ、組
付けが容易となる。また、後部区画プレート6の強度が
低い場合でも、軸受24の嵌合時に後部区画プレート6
の変形が生じない。
【0057】(ヘ) 副オイル室27が設けられるとと
もに、ロータ22の回転に伴って発熱室12内のシリコ
ーンオイルが孔6fから副オイル室27に戻るととも
に、孔6gから副オイル室27内のシリコーンオイルが
発熱室12内に供給される。従って、同じシリコーンオ
イルが長時間発熱室12内で高温状態に保持されること
がなく、シリコーンオイルの寿命が長くなる。
【0058】(ト) 発熱室12が前部ウォータジャケ
ット13及び後部ウォータジャケット14によって挟ま
れるように配置されているため、発熱室12で発生した
熱の大部分が両区画プレート5,6を介して両ウォータ
ジャケット13,14の循環水(循環流体)に伝達さ
れ、循環流体の加熱に有効に使用される。
【0059】(チ) 両区画プレート5,6が熱伝導率
の良い材質(アルミニウム又はアルミニウム合金)で形
成されているため、発熱室12で発生した熱が効率良く
ウォータジャケット13,14の循環水に伝達される。
【0060】(リ) 循環水が両ウォータジャケット1
3,14内をフィン5c,6cに案内されて定められた
経路で循環するため、ウォータジャケット13,14内
で循環水の流路の短絡や滞留を生じることがない。この
ため、前後両区画プレート5,6を挟んで、発熱室12
の粘性流体からウォータジャケット13,14の循環水
への熱交換を効率良く行うことができる。また、フィン
5c,6cの存在により、ウォータジャケット13,1
4内の循環水と、両区画プレート5,6の接触面積が増
大し、熱交換効率が向上する。
【0061】(第2の実施の形態)次に第2の実施の形
態を図4〜図8に従って説明する。この実施の形態では
摩擦伝動手段の構成が前記実施の形態と異なり、その他
の構成は基本的に同じである。なお、前記実施の形態と
同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
【0062】摩擦伝動手段はほぼ半円弧状の2個のクラ
ッチ片35と、両クラッチ片35間に張設された引っ張
りばね36とから構成されている。両クラッチ片35
は、図6及び図7に示すように、駆動軸19の第1端部
と軸部22aとの間に跨った状態で、かつ両端面が軸受
18及びロータ22の端面と接触しない位置に配設され
ている。図4(a),(b)に示すように、両クラッチ
片35は駆動軸19及び軸部22aの外周面の曲率と同
じ曲率の円弧面35aを内側に有し、対向する両端部の
外側寄りに形成された凹部35b内に収容された引っ張
りばね36により互いに近接する方向に付勢されてい
る。各クラッチ片35には段差を有する貫通孔37(図
5に図示)が形成され、クラッチ片35は貫通孔37を
貫通してその先端が駆動軸19に螺合される支持部材と
しての六角穴付きボルト38を介して駆動軸19に一体
回転可能に支持されている。
【0063】各クラッチ片35は六角穴付きボルト38
の軸部に沿って駆動軸19の半径方向、即ち軸部22a
の半径方向に移動可能となっている。そして、貫通孔3
7の段差部が規制部としての六角穴付きボルト38の頭
部と係合することにより、駆動軸19から離間する方向
への移動が規制され、クラッチ片35が駆動軸19から
最も離れた状態においてもクラッチ片35が前部区画プ
レート5と接触しないようになっている。
【0064】引っ張りばね36はクラッチ片35をその
内面(円弧面35a)が軸部22aの外周面に接触する
方向に付勢する付勢手段を構成する。引っ張りばね36
には駆動軸19の回転速度が所定回転速度に達するまで
各クラッチ片35をその内面が軸部22aの外周面に接
触する状態に保持可能なばね力を有するばねが使用され
ている。クラッチ片35の円弧面35aと軸部22aの
接触面は、駆動軸19の回転速度が所定回転速度に達す
るまで両者間に滑りが生じない摩擦力を有するように形
成されている。例えば、両者の面粗度を調整するか、ク
ラッチ片35の材質として適性な摩擦係数を有するもの
を使用する。
【0065】この実施の形態のビスカスヒータでは、駆
動軸19の回転がクラッチ片35を介してロータ22の
軸部22aに伝達される。各クラッチ片35は駆動軸1
9の回転速度が所定回転速度に達するまでは引っ張りば
ね36のばね力により、図4(a)及び図6に示すよう
に、円弧面35aが駆動軸19及びロータ22の軸部2
2aの外周面に接触する状態に保持される。そして、円
弧面35aと軸部22a外周面との摩擦力により駆動軸
19の回転がロータ22に伝達される。駆動軸19の回
転に伴ってクラッチ片35も回転し、各クラッチ片35
に対して遠心力が作用する。遠心力は各クラッチ片35
を引っ張りばね36のばね力(付勢力)に抗して軸部2
2aから離間させる方向に作用する。従って、所定回転
速度以上で駆動軸19が回転されると、図4(b)及び
図7に示すように、クラッチ片35と軸部22aとの接
触が解除され、ロータ22に駆動軸19の回転力が伝達
されない状態となる。
【0066】従って、ロータ22の回転速度が所定回転
速度に達するまでは、駆動軸19の回転速度に対応した
速度でロータ22が回転される。駆動軸19の回転速度
が所定回転速度以上になると、クラッチ片35によるロ
ータ22への回転力の伝達が阻害され、ロータ22は惰
性回転となる。その結果、ロータ22が所定回転速度以
上の速度で回転されることはなく、ロータ22の回転に
よる剪断発熱量が粘性流体の熱劣化を助長するほど大き
くなることが防止される。また、駆動軸19の回転速度
が所定回転速度より遅くなると、引っ張りばね36の作
用によりクラッチ片35が再び軸部22aと接触する状
態となり、駆動軸19の回転がロータ22に伝達される
状態になる。
【0067】この実施の形態の装置では、(ロ)及び
(ハ)を除いて前記実施の形態と同様な効果を有する他
に次の効果を有する。 (ヌ) 駆動軸19の回転速度が所定回転速度以上にな
ると、クラッチ片35とロータ22の軸部22aとの係
合が解除されるため、駆動軸19が高速で回転する際に
クラッチ片35が軸部22aの周面上を滑りながら回転
することがない。従って、エンジンに余分な負荷を与え
ることが回避されるとともに、軸部22a及びクラッチ
片35の寿命が長くなる。
【0068】(ル) 駆動軸19の回転速度が所定回転
速度以上になって、クラッチ片35が軸部22aから離
間する状態において、クラッチ片35は六角穴付きボル
ト38の頭部と係合することにより駆動軸19から離れ
る方向への移動が規制されて前部区画プレート5の内面
に接触不能な位置に保持される。従って、クラッチ片3
5が遠心力の作用により駆動軸19から離間した際、前
部区画プレート5の内面と接触することによってエンジ
ンに余分な負荷を与えることが回避される。また、高速
回転時にクラッチ片35が前部区画プレート5の内面に
接触するのを阻止する機能を引っ張りばね36に持たせ
ることを考慮しなくてもよく、製造(ばね力の調整)が
簡単になる。
【0069】なお、本発明は前記両実施の形態に限定さ
れるものではなく、例えば次のように具体化してもよ
い。 (1) ロータ22の軸方向の位置決めに駆動軸19を
利用する方式に代えて、支軸部22bに嵌合された軸受
24をハウジング(後部区画プレート6)に形成された
係合部39と、ハウジングに固定される止め輪40とを
利用する構成とする。例えば、図8に示すように、軸受
24の第1端部(駆動軸と反対側)を係合部39と係合
する状態に配置し、軸受24の第2端部を後部区画プレ
ート6に固定された止め輪40と係合する状態で固定す
る。この構成では、係合部39及び止め輪40が位置決
め手段を構成する。
【0070】この場合、ハウジングの一部(係合部3
9)と、ハウジングに固定される止め輪40とによりロ
ータ22を支持する軸受24の位置決めが行われ、ロー
タ22の位置決めに際して、軸部22aと駆動軸19と
の当接が利用されない。従って、軸部22aと駆動軸1
9とが完全に離間した状態にロータ22を配設でき、駆
動軸19がロータ22即ち軸部22aに対して相対回転
する際に両者間の摩擦抵抗がなく、動力損失が少なくな
る。
【0071】(2) ロータ22の位置決めに駆動軸1
9を利用する場合、図9(a)に示すように、駆動軸1
9の端面に凸部19aを形成したり、軸部22aの端面
に凸部を形成したり、あるいは駆動軸19及び軸部22
aの端面の両方に凸部を形成してもよい。この場合、駆
動軸19と軸部22aとの当接面積が小さくなり、駆動
軸19がロータ22即ち軸部22aに対して相対回転す
る際に両者間の摩擦抵抗が小さくなって、動力損失が減
少する。
【0072】(3) 第2の実施の形態において、クラ
ッチ片35の数を3個以上とする。例えば、3個とする
場合、図9(b)に示すように、各クラッチ片35は両
端面の成す角度がほぼ120°となるように形成され、
隣接するクラッチ片35間に引っ張りばね36が張設さ
れる。この場合も駆動軸19が所定回転速度に達するま
では各クラッチ片35を介して駆動軸19の回転が軸部
22aに伝達される。クラッチ片35の数が2個の場合
は、円弧面35aの端部が駆動軸19及び軸部22aの
接線方向に移動する構成となり、六角穴付きボルト38
及び貫通孔37を半径方向に正確に延びるように配設し
ないと、円弧面35aの両端部が駆動軸19及び軸部2
2aと確実に離間する状態とするのに必要なクラッチ片
35の移動距離が大きくなる。しかし、クラッチ片35
の数を3個以上にすると、そのような不具合がなく、ク
ラッチ片35が回転するときのバランスもより良くな
る。
【0073】(4) 両実施の形態において、駆動軸1
9の回転速度に対応してロータ22の回転速度が上昇す
る範囲の上限を、ロータ22による粘性流体の剪断発熱
量が粘性流体の熱劣化を助長するほど大きくなる速度と
ほぼ等しい速度ではなく、それより低速に設定してもよ
い。この場合、コイルばね26あるいは引っ張りばね3
6のばね力をあまり正確に設定しなくても、発熱過多を
回避できる。
【0074】(5) 摩擦伝達手段として第2の実施の
形態のようなクラッチ片35を使用する構成において、
クラッチ片35と軸部22aとの接触が解除された状態
においても、クラッチ片35を介してロータ22を所定
回転速度以下で回転可能とする。例えば、図10に示す
ように、各クラッチ片35の端面がロータ22の前端面
と当接する状態にクラッチ片35を配設し、前記所定回
転速度でロータ22が回転するときの粘性流体の摩擦ト
ルクより前記当接面間の摩擦力が小さな状態となるよう
にクラッチ片35及びロータ22を形成する。例えば、
クラッチ片35及びそれと対向するロータ22の端面の
面粗度を調整するか、クラッチ片35の材質として適性
な摩擦係数を有するものを使用するか、あるいはクラッ
チ片35に適性な摩擦係数を有する部材41を固着す
る。この場合、クラッチ片35が軸部22aから離間し
た時のみロータ22の端面とクラッチ片35とを接触可
能とするため、クラッチ片35の端面を軸部22aの中
心から離れるほどロータ端面に近づくテーパ状に形成
し、ロータ22の端面もそれに対応するテーパ面として
もよい。
【0075】この構成では、駆動軸19が所定回転速度
に達するまでは第2の実施の形態と同様な作用を為す。
そして、所定回転速度以上で駆動軸19が回転すると、
各クラッチ片35は軸部22から離間する状態となる
が、その端面がロータ22の端面と接触しており、その
接触摩擦によりクラッチ片35を介してロータ22が回
転される。両接触面(当接面)間の摩擦力は前記所定回
転速度でロータ22が回転するときの粘性流体の摩擦ト
ルクより小さいため、両端面間に滑りが発生してロータ
22が所定回転速度以上で回転すことはなく、発熱過多
を回避できる。
【0076】この構成では、第1の実施の形態と同様
に、エンジンが長時間高速回転となっても、ロータ22
の回転による粘性流体の剪断発熱が発熱過多とならない
状態で継続され、エンジンの回転が暖房に有効に利用で
きる。
【0077】(6) 軸部22a及びクラッチ片35の
対向する面の少なくとも一方に摩擦増大手段を設ける。
摩擦増大手段としては表面処理により面粗度を粗くする
こと、図9(b)に示すように摩擦抵抗の大きな部材4
2を固着すること等がある。この場合、駆動軸19の回
転速度が所定回転速度に達してクラッチ片35が軸部2
2aから離間するまで、クラッチ片35及び軸部22a
間で滑りが発生せずに駆動軸19の回転が確実にロータ
22に伝達される。
【0078】(7) クラッチ片35を駆動軸19と一
体回転可能に支持する構成として、六角穴付きボルト3
8の頭部によりクラッチ片35の最大離間位置を規制す
る構成に代えて、規制部のないガイド部材を介してクラ
ッチ片35を駆動軸19に支持してもよい。
【0079】(8) ロータ22の軸部22a及び支軸
部22bをロータ22と一体形成してもよい。また、ロ
ータ22を支軸部22bにより片持ち状態で支持する構
成に代えて、軸部22aの一部及び支軸部22bの両者
を軸受を介して支持する構成としても良い。
【0080】(9) 両ウォータジャケット13,14
の端部を連通孔で連通させ、入水ポートから一方のウォ
ータジャケットに循環水を導入し、一方のウォータジャ
ケットを通過した循環水を連通孔を介して他方のウォー
タジャケットへ導き、他方のウォータジャケット内を通
過した循環水を出水ポートから外部暖房回路に送り出す
構成としてもよい。
【0081】(10) プーリ30と駆動軸19との間
に電磁クラッチ28を設けずに、プーリ30の回転を直
接駆動軸19に伝達する構成としてもよい。 (11) 区画プレート5,6に形成されたフィン5
c,6cをハウジングと当接しないように形成したり、
完全に省略してもよい。
【0082】(12) 放熱室(ウォータジャケット)
を発熱室12の片側のみに設けてもよい。 (13) 区画プレート5,6の材質をアルミニウム及
びアルミニウム系合金以外のものとしてもよい。
【0083】(14) ロータ22を円板に代えて外周
寄りの端面にラビリンスを有する円盤とし、区画プレー
ト5,6に対応するラビリンスを形成する。この場合
は、剪断発熱の効率が良くなる。なお、ラビリンスはロ
ータ22の片面(前面又は後面)のみに設けてもよい。
【0084】(15) 円盤状のロータを使用するビス
カスヒータに限らず、外周面が主として剪断発熱に寄与
する円筒状ロータを使用するビスカスヒータに適用して
もよい。
【0085】なお、本明細書で言う「粘性流体」とは、
ロータの剪断作用を受けて流体摩擦に基づく熱を発生す
るあらゆる媒体を意味するものであり、高粘度の液体や
半流動体に限定されず、ましてやシリコーンオイルに限
定されるものではない。
【0086】前記両実施の形態及び変更例から把握でき
る請求項記載以外の発明について、以下にその効果とと
もに記載する。 (1) 請求項4〜請求項7のいずれかに記載の発明に
おいて、クラッチ片をロータの対向面に沿って摺動可能
に配設し、前記所定回転速度でロータが回転するときの
粘性流体の摩擦トルクより前記当接面間の摩擦力が小さ
な状態となるようにクラッチ片及びロータを形成する。
この場合、エンジンが長時間高速回転となっても、ロー
タの回転による粘性流体の剪断発熱が発熱過多とならな
い状態で継続され、エンジンの回転が暖房に有効に利用
できる。
【0087】(2) 請求項4〜請求項7及び(1)の
いずれかに記載の発明において、クラッチ片を駆動軸と
一体回転可能かつ半径方向に移動可能に支持する、支持
部材にクラッチ片が軸部から離間した時、クラッチ片と
係合してクラッチ片がハウジングと接触可能な位置まで
移動するの規制する規制部を設ける。この場合、高速回
転時にクラッチ片が前部区画プレートの内面に接触する
のを阻止する機能を引っ張りばねに持たせることを考慮
しなくてもよく、製造(ばね力の調整)が簡単になる。
【0088】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
11に記載の発明によれば、駆動軸の回転速度が所定回
転速度以上になると、摩擦伝動手段によるロータへの回
転力の伝達が阻害され、ロータがその回転による剪断発
熱量が粘性流体の熱劣化を助長するほど大きくなる所定
回転速度以上の速度で回転されることはなく、粘性流体
の熱劣化及び過剪断による劣化が防止される。
【0089】請求項2に記載の発明によれば、駆動軸の
回転速度が所定回転速度以上になると、コイルばねと軸
部との間に滑りが発生し、駆動軸の回転速度がそれより
上昇してもロータの回転速度は一定となって発熱量は一
定に保持される。従って、電磁クラッチを切り離して発
熱過多を防止する装置と異なり、エンジンが長時間高速
で回転されてもロータは一定速度で回転されて粘性流体
の発熱が確保され、駆動軸の回転力が暖房に有効に利用
できる。
【0090】請求項3の発明によれば、コイルばねは軸
部に対する最大伝達トルクが、ロータの所定高速回転時
においてロータに作用する粘性流体の摩擦トルクとほぼ
等しく形成されている。従って、駆動軸の回転力を、発
熱過多とならない範囲で最も有効にロータによる粘性流
体の剪断発熱に利用することができる。
【0091】請求項4及び請求項5の発明によれば、駆
動軸の回転速度が所定回転速度以上になると、クラッチ
片とロータの軸部との係合が解除されるため、駆動軸が
高速で回転する際にクラッチ片が軸部の周面上を滑りな
がら回転することがない。従って、エンジンに余分な負
荷を与えることが回避されるとともに、軸部及びクラッ
チ片の寿命が長くなる。
【0092】請求項6の発明によれば、付勢手段として
の引っ張りばねが隣接するクラッチ間に張設されるた
め、その配設位置の確保が容易となる。請求項7の発明
によれば、クラッチ片がロータの軸部の外周面に接触し
た状態で接触部における摩擦抵抗が大きくなるため、駆
動軸の回転がクラッチ片を介して確実にロータに伝達さ
れる。
【0093】請求項8の発明によれば、ロータが軸部と
反対側に突設された支軸部によりハウジングに片持ち状
態で支持されるため、ロータを支持するためのスペース
が小さくてすむ。また、ロータは発熱室内面と所定間隔
を保持する位置に位置決め手段により位置決めされてい
るので、剪断発熱が安定した状態で行われる。
【0094】請求項9の発明によれば、駆動軸を所定位
置に位置決めすることにより、ロータの位置決めが自動
的に行われ、組付けが容易となる。請求項10の発明に
よれば、ロータの位置決めを行うため、軸部が駆動軸と
当接する状態に保持されても、軸部の端面全体で面接触
するのではなく、凸部において当接するため、駆動軸が
軸部より大きな回転速度で回転する状態のとき、両者間
の摩擦抵抗が小さくなる。
【0095】請求項11の発明によれば、ハウジングの
一部と、ハウジングに固定される止め輪とによりロータ
を支持する軸受の位置決めが行われ、ロータの位置決め
に際して、軸部と駆動軸との当接が利用されない。従っ
て、軸部と駆動軸とが完全に離間した状態にロータを配
設でき、駆動軸がロータ即ち軸部に対して相対回転する
際に両者間の摩擦抵抗がなく、動力損失が少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態のビスカスヒータの図2の
I−I線断面図。
【図2】 図1のII−II線断面図。
【図3】 ロータの支持状態等を示す部分拡大断面図。
【図4】 第2の実施の形態のクラッチ片と軸部との関
係を示し、(a)はクラッチ片が接触位置に、(b)は
離間位置に配置された状態の断面図。
【図5】 クラッチ片の駆動軸への支持状態を示す部分
断面図。
【図6】 第2の実施の形態の図1に対応する断面図。
【図7】 クラッチ片が離間位置に配置された状態の部
分断面図。
【図8】 変更例のロータ支持状態を示す部分断面図。
【図9】 (a)は変更例の駆動軸と軸部の関係を示す
概略部分側面図、(b)はクラッチ片の変更例を示す断
面図。
【図10】 変更例のクラッチ片を示す部分断面図。
【符号の説明】
5…前部区画プレート、6…後部区画プレート、8…前
部ハウジング、9…後部ハウジング、12…発熱室、1
3…放熱室としての前部ウォータジャケット、14…同
じく後部ウォータジャケット、17,18…軸受、19
…駆動軸、19a…凸部、22…ロータ、22a…軸
部、22b…支軸部、25…位置決め手段としてのば
ね、26…摩擦伝導手段としてのコイルばね、35…摩
擦伝導手段を構成するクラッチ片、36…摩擦伝導手段
を構成する付勢手段としての引っ張りばね、39…位置
決め手段を構成する係合部、40…同じく止め輪。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 努 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に発熱室及び放熱室を区画
    し、前記発熱室内に収納された粘性流体をロータで剪断
    することにより発生した熱を前記放熱室内の循環流体に
    熱交換するビスカスヒータにおいて、 前記ロータをロータに外部駆動源の回転力を伝達する駆
    動軸と独立して回転可能に前記ハウジング内の所定位置
    に配設し、前記ロータと前記駆動軸との間にロータの回
    転速度が所定回転速度に達するまでは前記駆動軸の回転
    をその回転速度に対応してロータに伝達可能な摩擦伝動
    手段を設けたビスカスヒータ。
  2. 【請求項2】 前記摩擦伝動手段は、前記駆動軸と、該
    駆動軸と対向する側に突設された前記ロータの軸部との
    間に、第1端部が駆動軸に固定された状態で少なくとも
    前記軸部の外周面にその内面が当接する状態で配設され
    たコイルばねである請求項1に記載のビスカスヒータ。
  3. 【請求項3】 前記コイルばねは前記軸部に対する最大
    伝達トルクが、前記ロータの低速回転時においてロータ
    に作用する粘性流体の摩擦トルクより大きく、ロータの
    所定高速回転時においてロータに作用する粘性流体の摩
    擦トルクとほぼ等しく形成されている請求項2に記載の
    ビスカスヒータ。
  4. 【請求項4】 前記摩擦伝動手段は、前記駆動軸と対向
    する側に突設されたロータの軸部の外周面に接触可能な
    内面を有し、前記駆動軸の半径方向に移動可能に駆動軸
    に支持された複数のクラッチ片と、各クラッチ片をその
    内面が前記軸部の外周面に接触する方向に付勢する付勢
    手段とを備えている請求項1に記載のビスカスヒータ。
  5. 【請求項5】 前記付勢手段は前記駆動軸の回転速度が
    所定回転速度に達するまで各クラッチ片をその内面が軸
    部の外周面に接触する状態に保持可能なばねである請求
    項4に記載のビスカスヒータ。
  6. 【請求項6】 前記付勢手段は隣接するクラッチ間に張
    設された引っ張りばねである請求項4又は請求項5に記
    載のビスカスヒータ。
  7. 【請求項7】 前記軸部及び前記クラッチ片の対向する
    面の少なくとも一方に摩擦増大手段を設けた請求項4〜
    請求項6のいずれか一項に記載のビスカスヒータ。
  8. 【請求項8】 前記ロータは前記軸部と反対側に突設さ
    れた支軸部が嵌合された軸受を介してハウジングに片持
    ち状態で支持されるとともに、ロータが発熱室内面と所
    定間隔を保持する位置に位置決め手段により位置めされ
    た状態で配設されている請求項2〜請求項7のいずれか
    一項に記載のビスカスヒータ。
  9. 【請求項9】 前記位置決め手段は、ハウジングに対し
    て軸方向に移動可能に嵌合された前記軸受を前記軸部が
    前記駆動軸と当接する位置に付勢するばねである請求項
    8に記載のビスカスヒータ。
  10. 【請求項10】 前記軸部及び前記駆動軸の対向する端
    面の少なくともいずれか一方に凸部が形成されている請
    求項9に記載のビスカスヒータ。
  11. 【請求項11】 前記位置決め手段は、ハウジングに嵌
    合された前記軸受の第1端部と係合可能にハウジングに
    形成された係合部と、前記係合部に第1の端部が係合し
    た軸受の第2端部と係合するようにハウジングに固定さ
    れた止め輪とからなる請求項8に記載のビスカスヒー
    タ。
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