JPH10111177A - 光変調器、および、それを用いたセンサ - Google Patents

光変調器、および、それを用いたセンサ

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JPH10111177A
JPH10111177A JP26462096A JP26462096A JPH10111177A JP H10111177 A JPH10111177 A JP H10111177A JP 26462096 A JP26462096 A JP 26462096A JP 26462096 A JP26462096 A JP 26462096A JP H10111177 A JPH10111177 A JP H10111177A
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light
wavelength
optical
sensor
led
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JP26462096A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kumegawa
宏 久米川
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Nissin Electric Co Ltd
Original Assignee
Nissin Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光素子の温度変化に対して、良好な特性を
有するセンサを提供する。 【解決手段】 発光ダイオード2から照射された光は、
センサ部3の偏光子32により直線偏光に変換される。
さらに、波長選択板33は、この光のうち、所定の波長
のみを選択的に透過させる。これにより、波長選択板3
3は、発光ダイオード2の温度に関わらず、出射光の波
長を一定に保持する。1/4波長板34は、当該出射光
の偏光状態を円偏光にしてポッケルス素子35へ与え
る。さらに、ポッケルス素子35は、光を出射する際、
印加電圧vinに応じて、楕円偏光の楕円率を制御する。
偏光子36は、所定の方向の偏光成分を通過させて、上
記楕円率に応じた光量を持つ光信号Oを出力する。一
方、光/電気変換回路4は、光信号Oの交流成分を直流
成分で除算して印加電圧vinを検出し、出力信号vout
として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電圧や電流などの
入力信号を光信号に変換する光変調器、および、それを
用いて上記入力信号を測定するセンサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、電気設備などを扱う施設では、
各部に設けられた光電圧センサによって電圧を測定し、
測定値に基づいて、種々の制御を行っている。
【0003】図5に示すように、従来より用いられてい
る光電圧センサ51では、発光ダイオード(LED)5
2が照射した光は、光ファイバ55を介して、センサ部
53に入射される。センサ部53において、入射光は、
偏光子62および1/4波長板64を通過して、その偏
光状態が円偏光に変換される。この円偏光状態の光は、
ポッケルス素子65に入射され、ポッケルス素子65
は、印加された電圧vinの大きさに応じて、入射光を位
相変調する。これにより、ポッケルス素子65が出力す
る光は、印加電圧vinに応じた楕円率の楕円偏光とな
る。さらに、偏光子66は、楕円偏光から所定の方向の
偏光成分を取り出す。これにより、センサ部53は、光
信号Oの光量を、印加電圧vinに応じて制御できる。
【0004】当該光信号Oは、光ファイバ55を介し
て、光/電気変換回路(O/E変換回路)54に入力さ
れる。O/E変換回路54では、上記光信号Oは、フォ
トダイオード(PD)71および増幅器72によって、
その光量に応じた電気信号に変換される。さらに、AC
フィルタ74およびDCフィルタ75は、電気信号の交
流成分および直流成分を抽出し、除算器76は、DC成
分に対するAC成分の比率を算出する。このAC/DC
の演算によって、O/E変換回路54は、印加電圧vin
の交流成分を復調できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の光電圧センサ51は、以下に示すように、LED5
2の温度変化によって誤差を生じるという問題点を有し
ている。
【0006】具体的には、LED52の温度が変化する
と、当該LED52が照射する光は、ピーク波長やスペ
クトル形状が変化する。一方、センサ部53において、
ポッケルス素子65の感度は、入射光の波長によって変
化する。また、1/4波長板64は、入射光の波長に合
わせて、厚みbなどが設定されている。したがって、入
射光の波長が想定していた波長からズレると、常光線と
異常光線との間の位相差Γが変化して、直線偏光を円偏
光へ正しく変換できなくなる。また、偏光子62も波長
によって僅かに異なった特性を示す。これらの結果、セ
ンサ部53に入射される光の波長が変化すると、センサ
部53の感度が変化して、光信号Oに波形歪みを生ず
る。
【0007】温度変化は、印加電圧vinの変化に比べて
極めて遅いので、上記歪みは、光信号Oの光量におい
て、主として、直流バイアス成分の変化となって現れ
る。この結果、O/E変換回路54がAC成分/DC成
分の除算によって印加電圧vinを検出すると、光電圧セ
ンサ51の検出値に誤差が発生する。
【0008】LED52の温度は、周囲温度の変化や自
らの動作電流による発熱などによって容易に変化する。
したがって、従来の光電圧センサ51の構成では、例え
ば、誤差が1%以下と、高精度の光電圧センサ51を製
造することが困難である。
【0009】一方、特に、測定する電圧が高い場合、例
えば、送電設備などでは、僅かな誤差であっても、それ
によって発生する無駄な電力は極めて大きく、光電圧セ
ンサ51の誤差低減が切望されている。
【0010】本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた
ものであり、その目的は、温度特性の良好なセンサ、お
よび、当該センサに好適に使用できる光変調器を実現す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る光
変調器は、上記課題を解決するために、入射側に配さ
れ、所定の方向に偏光した光を通過させる偏光子と、出
射側に配され、所定の方向に偏光した光を通過させる検
光子と、上記偏光子および検光子の間の光路上に配さ
れ、通過あるいは反射する光の偏光状態を入力信号に基
づいて変化させる変調手段とを有し、上記入力信号を光
信号に変換する光変調器において、上記変調手段よりも
入射側の光路上に、通過する光の波長を制限する波長選
択手段を備えていることを特徴としている。
【0012】上記構成では、発光ダイオードなどの光源
から光が照射されると、偏光子は、この光の偏光状態を
所定の方向の直線偏光に変換する。これにより、変調手
段へ与えられる光の偏光状態が決定される。一方、変調
手段の入射側には、波長選択手段が配されており、通過
する光の波長を制限する。これにより、変調手段へ与え
られる光の波長が制限される。
【0013】変調手段は、ポッケルス効果やファラデー
効果など、光の偏光状態を制御可能な光学効果を用い、
入力信号に基づいて、通過あるいは反射する光の偏光状
態を変化させる。例えば、ポッケルス素子の場合、変調
手段は、印加電圧に応じて、出射光の楕円偏光の楕円率
を変化させる。また、ファラデー素子の場合、変調手段
は、印加磁界に応じて、出射光の偏光面を回転させる。
変調手段が出射光の偏光状態を入力信号に応じて変調し
た後、検光子は、所定の方向の偏光成分を抽出する。こ
れにより、光変調器は、入力信号に応じた光量の光信号
を出力できる。
【0014】ところで、温度変化などによって、光源が
照射する光は、スペクトル分布が変化し、ピーク波長や
スペクトルの形状などが変化する。したがって、従来の
光変調器では、変調手段へ入射される光の波長が変化
し、変調手段の感度が不所望に変化する。この感度の変
化は、光信号の交流成分/直流成分の除算などによっ
て、光信号を検出する際に、誤差の要因となる。
【0015】ところが、上記構成では、波長選択手段が
変調手段へ与える光の波長を制限しているので、変調手
段の感度を一定に保つことができる。したがって、光源
の温度変化に起因する光信号の感度変化および波形歪み
を削減することができる。この結果、良好な特性を持つ
光変調器を実現できる。
【0016】なお、高精度に入力信号を変調するため、
光変調器は、偏光子と検光子との間に、例えば、1/4
波長板など、常光線と異常光線との間の位相差を調整す
る移相器を備えていることが多い。この場合には、上記
波長選択手段は、当該移相器よりも入射側に配されてい
る方がよい。これにより、移相器へ入射される光の波長
を制限できるので、移相器は、位相差を調整する際、常
に一定の位相差に保つことができる。この結果、移相器
を備えた光変調器において、温度特性をさらに向上でき
る。
【0017】一方、請求項2の発明に係るセンサは、上
記請求項1記載の光変調器と、該光変調器から光信号を
受け取って、上記入力信号を検出する検出器とを備えた
センサであって、上記検出器は、上記光信号のレベルの
変化を補償するレベル補償手段を備えていることを特徴
としている。
【0018】請求項1記載の光変調器は、温度が変化し
ても、感度変化のない光信号を出力できる。ところが、
波長選択手段が波長を制限しているので、温度が変化し
た場合、光信号のレベルが変化する。
【0019】一方、光信号を受け取った検出器におい
て、上記レベル補償手段は、光信号の光量変化のうち、
入力信号に起因する光量変化と、入力信号以外に起因す
る光量変化とを分離して、光信号のレベルを補償する。
レベルの補償は、スペクトル分布の変化も考慮する必要
のある補償に比べて容易であり、レベル補償手段は、例
えば、入力信号の周波数成分を抽出する交流フィルタ
と、入力信号以外の周波数成分を抽出する直流フィルタ
と、交流成分/直流成分の除算を行う除算器となど、比
較的簡単な回路によって実現できる。
【0020】これにより、検出器は、光源の温度が変化
しても、正確に入力信号を検出できる。この結果、温度
特性が良好で、信頼性の高いセンサを実現できる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態について図1
ないし図4に基づいて説明すると以下の通りである。す
なわち、本実施形態に係るセンサは、光電圧センサであ
り、例えば、送電設備などにおいて、電圧を測定するた
めに用いられている。
【0022】図1に示すように、上記光電圧センサ1
は、光源となる発光ダイオード(以下では、LEDと略
称する)2と、LED2が照射した光を変調して、印加
電圧vinに応じた光量の光信号Oを出力するセンサ部3
と、当該光信号Oを電気信号に変換し、これに基づい
て、上記印加電圧vinを検出する光/電気変換回路(以
下では、O/E変換回路と略称する)4とを備えてい
る。なお、センサ部3およびO/E変換回路4が、特許
請求の範囲に記載の光変調器および検出器にそれぞれ対
応している。これにより、光電圧センサ1は、センサ部
3に印加される印加電圧vinを測定できる。また、LE
D2とセンサ部3と、あるいは、センサ部3とO/E変
換回路4とは、それぞれ、光ファイバ5によって互いに
接続されている。
【0023】上記LED2は、例えば、AlGaAsや
InGaAsP系の材料を用いた光通信用赤外LEDな
どであり、本実施形態に係るLED2は、図2に示すよ
うに、通常使用時において、例えば、850nmの波長
をピークとした形状のスペクトルを持つ光を照射でき
る。なお、本実施形態では、LED2は、O/E変換回
路4と一体に形成されている。
【0024】また、センサ部3は、図1に示すように、
LED2からO/E変換回路4へ光を透過させており、
入射側から順番に、コリメータ31、偏光子(PBS)
32、波長選択板(波長選択手段)33、1/4波長板
(移相器)34、ポッケルス素子(変調手段)35、偏
光子(検光子)36、およびコリメータ37を備えてい
る。
【0025】上記各コリメータ31は、例えば、コリメ
ータレンズなどによって実現されており、光ファイバ5
からの入射光の光軸を、次段以降の光軸に合わせること
ができる。
【0026】また、上記偏光子32は、所定の方位角の
偏光成分を選択的に透過させるものであって、例えば、
偏光膜あるいはグラントムソンプリズムなどによって実
現できる。これにより、偏光子32は、コリメータ31
を介してLED2より受け取った光の偏光状態を、所定
の偏光方向の直線偏光にすることができる。
【0027】さらに、本実施形態に係るセンサ部3に
て、新たに設けられた波長選択板33は、予め設定され
た波長域の光のみを透過させるバンドパスフィルタであ
って、例えば、グレーティングを利用した干渉フィルタ
などにより実現されている。本実施形態では、波長選択
板33の中心波長は、LED2のピーク波長と同じく、
850nmに設定されている。また、波長選択性の半値
幅は、例えば、1nm程度に設定されている。なお、上
記波長選択板33の特性は、上記各数値に限定されるも
のではなく、後述するように、LED2の波長や光量
と、O/E変換回路4の感度となどに基づき、光電圧セ
ンサ1の許容誤差を考慮して設定される。
【0028】また、上記1/4波長板34は、例えば、
複屈折性を有する結晶からなり、1/4波長板34を通
過した異常光線の位相が、常光線の位相に対して、1/
4波長だけズレるように形成されている。
【0029】具体的には、1/4波長板34では、常光
線の屈折率n0 と、異常光線の屈折率ne とが異なって
いる。したがって、同位相の常光線と異常光線とが入射
した場合、1/4波長板34中を両光線が進行するに伴
って、両光線の位相は、互いにズレていく。この結果、
1/4波長板34の出射側では、入射面から出射面まで
の距離、すなわち、1/4波長板34の光線の進行方向
に沿った厚みをbとすると、両光線の位相差Γは、以下
の式(1)に示すように、 Γ=(2π/λ0 )・(ne −n0 )・b …(1) となる。なお、上記式(1)において、λ0 は、入射光
の真空中での波長を示している。したがって、1/4波
長板34の厚みbは、位相差Γ=1/4波長となるよう
に設定される。
【0030】当該1/4波長板34は、その光学軸が光
の進行方向に直交し、かつ、上記偏光子32の偏光方向
に対して45度傾くように配されている。これにより、
1/4波長板34は、光の偏光状態を直線偏光から円偏
光へと変換できる。当該1/4波長板34を通過した光
は、後段のポッケルス素子35へ入射される。
【0031】一方、ポッケルス素子35は、ポッケルス
効果を利用した素子であって、印加電圧vinに応じて複
屈折が変化する。これにより、出射面における常光線と
異常光線との位相差を制御できる。また、ポッケルス素
子35は、その光学軸が上記1/4波長板34の光学軸
と同一方向になるように配されている。これにより、出
射光において、楕円偏光の楕円率は、印加電圧vinに応
じて変調される。
【0032】上記ポッケルス素子35は、電圧の印加方
向により2種類に大別できる。例えば、光の進行方向に
沿って印加電圧vinを印加する場合、ポッケルス素子3
5として、例えば、B12GeO20(BGO)などが使用
される。このようなポッケルス素子35を縦型のポッケ
ルス素子35と称する。一方、光の進行方向に垂直に電
圧vinが印加される場合は、横型のポッケルス素子35
を使用する。当該ポッケルス素子35は、例えば、Li
NbO3 などによって形成される。
【0033】ここで、ポッケルス素子35の感度につい
て説明する。ポッケルス素子35は、印加電圧vinによ
って、常光線と異常光線との位相差を制御する。したが
って、その感度は、上記位相差が半波長となるときの印
加電圧、あるいは電界強度で示される。
【0034】具体的には、ポッケルス素子35が縦型の
素子の場合、感度を示す半波長電圧Vπは、下式(2)
に示すように、 Vπ=λ0 /(2・n0 3 ・γ41) …(2) となる。なお、上式(2)は、例えば、BGOなど、立
方晶系の酸化物単結晶によりポッケルス素子35を形成
した場合を示しており、γ41は、その電気光学定数であ
る。また、n0 は、ポッケルス素子35の常光線に対す
る屈折率であり、λ0 は、入射光の真空中における波長
である。
【0035】一方、横型の場合、感度は、光の進行方向
に沿った方向の電界強度によって表現される。この半波
長電界強度〔El〕λ/2は、下式(3)に示すよう
に、 〔El〕λ/2=λ0 /(2・n0 3 ・γ22) …(3) となる。なお、上式(3)は、例えば、LiNbO3
ど、三方晶系の負の一軸性結晶によりポッケルス素子3
5を形成した場合を示しており、γ22は、その電気光学
定数である。また、n0 およびλ0 は、上式(2)と同
様に、常光線に対する屈折率および入射光の波長であ
る。
【0036】いずれの場合であっても、ポッケルス素子
35の出射光は、常光線と異常光線との位相差、すなわ
ち、楕円偏光の楕円率は、印加電圧vinに応じ、上記の
各感度にて変調されており、上記偏光子32と同様の構
成の偏光子36へ伝えられる。
【0037】偏光子36は、入射光から、自らの偏光方
向に沿った偏光成分を取り出す。両偏光子32・36の
偏光軸は、互いに直交するように配されている。これに
より、偏光子36は、楕円偏光の楕円率に応じた光量
で、直線偏光の光を出力できる。
【0038】当該偏光子36の出射光の光軸は、コリメ
ータ37によって、光ファイバ5の光軸に合わせて調整
される。その後、この光信号Oは、光ファイバ5を介し
て、O/E変換回路4へ伝送される。
【0039】一方、O/E変換回路4は、光信号Oを、
その光量に応じた電気信号に変換するフォトダイオード
(以下では、PDと略称する)41および増幅器42
と、当該電気信号のレベルを補正しながら印加電圧vin
を検出する検出部(レベル補償手段)43とを備えてい
る。当該検出部43には、電気信号の交流成分を抽出す
るACフィルタ44と、直流成分を抽出するDCフィル
タ45と、ACフィルタ44の出力値をDCフィルタ4
5の出力値で除算する除算器46とが設けられている。
【0040】ところで、光信号Oのレベルは、LED2
の光量が同じであっても、各光ファイバ5・5の長さや
透過率などによって変化する。また、光電圧センサ1を
構成する各部材の経年劣化によっても、光信号Oのレベ
ルは変化する。これらのレベルの変化は、印加電圧vin
に起因する光量変化に比較すると、周期的ではないが極
めて緩やかな変化であり、略直流とみなすことができ
る。
【0041】本実施形態に係る検出部43のDCフィル
タ45では、電気信号の周波数成分のうち、印加電圧v
inに起因する成分を遮断するように、遮断周波数が設定
されている。また、ACフィルタ44の遮断周波数は、
上記経年劣化などや後述するLED2の温度変化の影響
を遮断できるように設定される。さらに、除算器46
は、交流成分/直流成分を演算する。これにより、検出
部43は、上述の種々の要因によるレベル変化を補償で
きる。この結果、光信号Oのレベルに関わらず、検出部
43は、印加電圧vinを正確に検出し、出力信号vout
として出力できる。
【0042】ここで、上記構成の光電圧センサ1におい
て、例えば、温度変化などによって、LED2が出射す
る光のスペクトル分布が変化した場合について説明す
る。
【0043】例えば、周囲温度の変化や、駆動電流によ
るLED2自体の発熱などによって、LED2の温度が
上昇すると、LED2が照射する光のスペクトル分布
は、例えば、図2の破線に示すように変化する。これに
より、照射光のスペクトルは、ピーク波長や形状が変化
する。
【0044】具体的には、図3に示すように、ピーク波
長は、例えば、0.25nm/℃の傾きで、温度の上昇
に伴い上昇する。なお、この温度特性は、LED2の順
方向電流を100mAに設定して測定した。一方、スペ
クトルの形状を示す値として、例えば、スペクトル半値
幅の中心波長とピーク波長との差などが挙げられるが、
この値も温度の上昇に伴って増加する。
【0045】一方、センサ部3において、1/4波長板
34の位相差Γは、上述の式(1)に示すように、波長
によって変化する。また、ポッケルス素子35の感度
は、上述の式(2)あるいは(3)に示すように、波長
の関数である。したがって、従来のように、波長選択板
33を持たないセンサ部3の場合、LED2のスペクト
ル分布の変化によって、センサ部3の感度が不所望に変
化し、印加電圧vinを測定する際に歪みを生ずる。
【0046】さらに、O/E変換回路4において、PD
41など、光CTの感度は、単一波長における感度m
(λ)を、照射された光のスペクトルの形状関数g
(λ)に沿って積分したもので与えられる。したがっ
て、その感度は、スペクトルの形状関数g(λ)の違い
によって変化する。これにより、従来の光電圧センサ1
では、温度変化が20℃の場合、理論値で−2.5%、
実測値で−4.8%の誤差が発生する。
【0047】LED2の温度変化に起因する誤差を低減
するために、本実施形態と異なる方法として、例えば、
O/E変換回路4に歪み補償回路などを設け、LED2
の温度に応じて、光信号Oの歪みを補償する方法が挙げ
られる。ところが、上式(1)ないし(3)、並びに図
2および図3に示すように、LED2の温度とセンサ部
3の感度との関係は、線型ではない。さらに、補償の際
には、LED2のスペクトル分布の変化も考慮する必要
がある。したがって、この場合、上記歪み補償回路は、
構成が複雑になりがちである。また、別の方法として、
冷却装置などを用いて、LED2の温度を一定に保つ方
法も考えられる。しかし、LED2自体の発熱や周囲の
温度変化によってLED2の温度が変化するので、LE
D2の温度制御は困難である。したがって、この方法
で、温度特性を向上させようとすると、大がかりな制御
装置や高精度な温度センサなどが必要となる。この結
果、いずれの方法を選択して誤差の低減を試みても、構
成が複雑になり、信頼性に欠けるという問題が新たに生
ずる。
【0048】これに対して、本実施形態に係るセンサ部
3は、1/4波長板34の入射側に波長選択板33を備
えており、1/4波長板34およびポッケルス素子35
へ入射する光の波長を制限する。これにより、周囲温度
の変化や、自らの動作電流によって、LED2の温度が
変化して、出射光の波長がシフトした場合であっても、
上記両部材34・35への入射光の波長を常に一定に保
つことができる。この結果、従来のセンサ部3とは異な
り、両部材34・35の感度、すなわち、センサ部3の
感度は変化しない。したがって、センサ部3は、印加電
圧vinを正確に変調でき、波形歪みのない光信号Oを出
力できる。
【0049】ところで、波長選択板33によって、通過
する光の波長を制限しているので、LED2のピーク波
長が変化すると、光信号Oのレベルは低下する。ところ
が、光信号Oのレベル変化は、歪みとは異なり、補正が
容易である。具体的には、LED2の温度変動に起因す
る光信号Oのレベル変化は、印加電圧vinの変化に比べ
て極めて緩やかなので、例えば、光ファイバ5の経年劣
化など、上述した種々の要因によるレベル変化と同様
に、略直流と見なすことができる。したがって、例え
ば、交流成分/直流成分の除算によって、光信号Oのレ
ベル変化を容易に補償できる。この結果、本実施形態に
係る光電圧センサ1は、従来に比べて、良好な温度特性
で印加電圧vinを測定でき、LED2の温度変化に起因
する誤差を低減できる。
【0050】また、従来と同様の補償方法によって光信
号Oのレベルを補償できるので、O/E変換回路4は、
従来の構成と比較して、温度変化に起因するレベル変化
を補償するために、新たな部材を付加する必要がない。
この結果、O/E変換回路4を従来と共用できる。
【0051】さらに、上述の他の誤差低減方法と異な
り、波長選択板33を配するだけで、温度特性を向上し
ている。この結果、光電圧センサ1の構成が簡単にな
り、上記他の誤差低減方法に比べて信頼性を向上でき
る。したがって、従来に比べて冗長な機器の数が少なく
ても、十分な信頼性を確保できる。
【0052】次に、波長選択板33が通過させる波長域
の設定方法について説明する。上述したように、波長域
を狭くすればする程、1/4波長板34の位相差Γやポ
ッケルス素子35の感度が変動しなくなり、光信号Oの
歪みは小さくなる。一方で、上記波長域が狭くなると、
LED2のピーク波長が変化したとき、光信号Oのレベ
ルは、低下しやすくなる。光信号Oのレベルは、O/E
変換回路4で補償できるが、レベルが余り低下すると、
O/E変換回路4で光信号Oを検出する際、PD41が
検出する電気信号のレベルが小さくなり、増幅器42の
増幅率を大きく設定する必要がある。この結果、雑音な
どの影響を受けやすくなり、誤差が逆に増加してしま
う。
【0053】したがって、波長選択板33の波長域は、
LED2の光量やO/E変換回路4のPD41の感度な
どに基づいて、光電圧センサ1の許容誤差の範囲内で設
定する。また、波長選択板33の中心波長は、1/4波
長板34の位相差Γやポッケルス素子35の感度を設定
する際に使用した波長に併せて設定される。LED2の
光量を有効に使用するために、この波長は、LED2の
ピーク波長と一致している方がよい。
【0054】ところで、スペクトル分布を変化させる他
の要因として、例えば、LED2の順方向電流の変化が
挙げられる。例えば、図4に示すように、LED2のピ
ーク波長は、順方向電圧を50mAから100mAまで
変化させた場合、約1nm増加する。この結果、従来の
光電圧センサ1の場合、約0.5%程度の誤差が生じ
る。これに対して、本実施形態に係る光電圧センサ1で
は、LED2を駆動する際、図示しない定電流回路によ
って、例えば、100mA±10mA程度に制御してい
るので、LED2の波長は、殆ど変動しない。また、僅
かに波長が変動しても、波長選択板33によって、1/
4波長板34およびポッケルス素子35へ入射する光の
波長は、一定に保たれている。これにより、光電圧セン
サ1では、LED2の順方向電流に起因する誤差を無視
できる程度まで削減されている。この場合は、上記定電
流回路によって、LED2の波長変動そのものが抑えら
れているので、光信号Oのレベルは殆ど変化せず、O/
E変換回路4は、良好なS/N比で印加電圧vinを検出
できる。
【0055】なお、本実施形態では、波長選択板33
は、偏光子32と1/4波長板34との間に配されてい
るが、これに限るものではない。例えば、ポッケルス素
子35の直前など、LED2より後で、かつ、光変調素
子よりも入射側の光路上であればよい。これにより、光
変調素子の感度を保つことができるので、センサ部3
は、LED2の温度が変化しても、歪みのない光信号O
を出力できる。
【0056】ただし、偏光子32・36の間には、光変
調素子の感度を向上させるために、例えば、1/4波長
板34のように、常光線と異常光線との位相差を調整す
る移相器が設けられていることが多い。この場合には、
波長選択板33は、当該移相器よりも、入射側の光路上
に配することが特に望まれる。上述の式(1)に示すよ
うに、移相器では、常光線と異常光線との間の位相差Γ
が波長の影響を受ける。したがって、入射光の波長を限
定することによって、移相器に起因する誤差を低減でき
る。この結果、移相器を備えたセンサ部3において、誤
差を削減し、温度特性をさらに向上できる。
【0057】また、上記波長選択板33は、偏光子32
よりも入射側に配されている方が良い。一般に、偏光子
32の消光比も波長によって変化するが、この構成によ
って、波長選択板33は、偏光子32の入射光の波長を
限定できる。これにより、さらに温度特性の良好なセン
サを実現できる。
【0058】なお、波長選択板33は、LED2の直後
に配することもできる。ただし、センサ部3に波長選択
板33を設けた場合は、従来のLED2をそのまま使用
できる。また、本実施形態では、センサ部3に入射した
光は、各部材を透過しているが、当然ながらある部材で
反射してもよい。
【0059】ところで、本実施形態に係るセンサ部3で
は、ポッケルス素子35がBGOやLiNbO3 により
形成されている場合を例にして説明したが、これに限る
ものではない。BSOやKDPなど、他のポッケルス素
子を用いても、本実施形態と同様の効果を有する光電圧
センサを構成できる。
【0060】また、本実施形態に係る光電圧センサ1
は、電気設備などで電圧を測定するために使用されてい
るが、当然ながら、これに限らず他の用途に用いること
もできる。ただし、電気設備などで高い電圧を測定する
場合には、相対誤差が僅かであっても絶対誤差は大きい
ので、測定に高い精度が要求される。また、この場合に
は、火災などの危険を防止するため、光電圧センサ1に
高い信頼性が要求される。本実施形態に係る光電圧セン
サ1は、上述したように、良好な温度特性により高い測
定精度を有していると共に、信頼性にも優れている。し
たがって、高い電圧を測定する場合に当該光電圧センサ
1を使用すると極めて効果が大きい。
【0061】なお、本実施形態では、ポッケルス効果を
用いて光を変調しているが、これに限らず、他の効果を
用いて光を変調してもよい。例えば、ポッケルス素子3
5に代えて、ファラデー素子を用いてもよい。ファラデ
ー素子を通過する光は、印加された磁界の強さに応じて
偏光面が回転する。したがって、センサ部3は、入力電
流に応じた光量の光信号Oを出力できる。なお、この場
合は、両偏光子32・36間の位相差を調整するため
に、1/4波長板34に代えて、1/2波長板が用いら
れる。この場合も、波長選択板33によって、ファラデ
ー素子へ入射される光の波長が限定されているので、本
実施形態と同様に、温度特性が良好な光電流センサを実
現できる。
【0062】さらに、上述した電気光学効果や磁気光学
効果に限らず、光変調素子は、熱光学効果や音響光学効
果など、他の効果を用いて光を変調してもよい。いずれ
の効果を用いた場合であっても、光変調素子が入力信号
に応じて出射光の偏光状態を制御する場合には、素子の
感度が入射光の波長によって変化するので、本実施形態
と同様の効果が得られる。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明に係る光変調器は、以上
のように、入力信号に基づいて、光の偏光状態を変化さ
せる変調手段よりも入射側の光路上に、通過する光の波
長を制限する波長選択手段を備えている構成である。
【0064】上記構成では、波長選択手段が変調手段へ
与える光の波長を制限しているので、変調手段の感度を
一定に保つことができる。したがって、光源の温度変化
に起因する光信号の感度変化および波形歪みを削減する
ことができる。この結果、良好な特性を持つ光変調器を
実現できるという効果を奏する。
【0065】請求項2の発明に係るセンサは、以上のよ
うに、上記請求項1記載の光変調器と、該光変調器から
光信号を受け取って、上記入力信号を検出する検出器と
を備えたセンサであって、上記検出器は、上記光信号の
レベルの変化を補償するレベル補償手段を備えている構
成である。
【0066】上記構成では、光変調器は、光源の温度が
変化しても歪みのない光信号を出力し、検出器におい
て、レベル補償手段が温度変化に起因する光信号のレベ
ルを補償する。この結果、温度特性が良好で、信頼性の
高いセンサを実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、光電圧
センサの要部を示すブロック図である。
【図2】上記光電圧センサにおいて、発光ダイオードが
照射する光のスペクトル分布の一例を示すグラフであ
る。
【図3】上記発光ダイオードにおいて、ピーク波長の温
度特性を示すグラフである。
【図4】上記発光ダイオードにおいて、ピーク波長の順
方向電流特性を示すグラフである。
【図5】従来例を示すものであり、光電圧センサの要部
を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 光電圧センサ(センサ) 2 発光ダイオード(光源) 3 センサ部(光変調器) 4 光/電気変換回路(検出器) 32 偏光子 33 波長選択板(波長選択手段) 34 1/4波長板(移相器) 35 ポッケルス素子(変調手段) 36 偏光子(検光子) 43 検出部(レベル補償手段)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入射側に配され、所定の方向に偏光した光
    を通過させる偏光子と、 出射側に配され、所定の方向に偏光した光を通過させる
    検光子と、 上記偏光子および検光子の間の光路上に配され、通過あ
    るいは反射する光の偏光状態を入力信号に基づいて変化
    させる変調手段とを有し、上記入力信号を光信号に変換
    する光変調器において、 上記変調手段よりも入射側の光路上に、通過する光の波
    長を制限する波長選択手段を備えていることを特徴とす
    る光変調器。
  2. 【請求項2】上記請求項1記載の光変調器と、該光変調
    器から光信号を受け取って、上記入力信号を検出する検
    出器とを備えたセンサであって、 上記検出器は、上記光信号のレベルの変化を補償するレ
    ベル補償手段を備えていることを特徴とするセンサ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002122622A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Tokin Corp 光電界センサ装置

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JP2002122622A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Tokin Corp 光電界センサ装置

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